【企業向け】新卒エージェントおすすめ10社|特徴や失敗事例も紹介

新卒エージェントの採用成功の強い味方! 活用方法を把握しよう
「新卒エージェントの利用を検討しています」
「新卒エージェントをうまく活用するにはどうすれば良いでしょうか」
近年、人手不足が大きな問題となっており、企業規模を問わず多くの企業で優秀な新卒学生の獲得が困難になり、企業の人事担当者はこうした悩みに頭を抱えています。
特に中小企業では、人事担当が少数だったり、採用活動以外の業務を兼任していたりするケースも多く、リソース不足も課題となってます。
そうした背景もあり効率良く採用活動を進めるため新卒採用のアウトソーシング(外部委託)を検討する企業も増えており、新卒エージェントの活用に注目が集まっています。
この記事では新卒エージェントのメリット・デメリットや特徴を解説。効率的な採用活動を進めるために新卒エージェントの活用方法を徹底伝授します。
企業を取り巻く採用環境について把握しよう
近年の新卒採用市場では、以下のような変化が起きています。
- 少子高齢化に伴い、労働人口が減少
- 大卒有効求人倍率1.58倍と学生優位の売り手市場継続
- 採用活動の通年化
- メンバーシップ型採用からジョブ型採用の拡大
- 採用手法の多様化
従来の新卒採用市場は大学3年生の夏ごろからインターンシップを募集し、夏から大学4年生の春ごろにかけて会社説明会、選考を開始して、大学4年生の夏頃までには内定が出揃っている状態でした。しかし、近年は良い人材を確保するため採用活動を通年化している企業も増えています。
また、従来は総合職など特定の職種で新卒一括採用する「メンバーシップ型採用」が主流でしたが、実際の仕事内容と個人の能力やスキルに応じた「ジョブ型採用」が広まりつつあります。
採用活動をとりまく環境や流れが変化するなか、採用ルートも多様化しており効果的な採用活動をおこなうためには、自社に適した手法を選ぶことが重要です。
<多様化する採用ルート>
- 就活サイト
新卒エージェント経由の紹介
ダイレクトリクルーティング
インターンシップ
リファラル採用
新卒エージェントとは?
従来の新卒採用では、就活サイトを利用した採用活動が一般的でした。実際に就活サイトに求人広告を掲載し、エントリーのあった学生に連絡を取りながら説明会や面接などを設定した経験を持つ人事担当者も多いでしょう。
就活サイトは自社の募集情報を多くの学生に届けることができますが、説明会や面接などの日程調整や合否連絡をする必要があるため、少人数で採用活動をしている企業や他の業務を兼任している人事担当者にとって業務負担となってしまいます。
そこで、近年は新卒エージェントを利用する企業が増えています。まずは、新卒エージェントがどのようなサービスなのか詳しく解説していきましょう。
キャリアアドバイザーが学生の就職を支援するサービス

新卒エージェントとは、キャリアアドバイザーが学生の就職を支援するサービスです。学生は企業紹介はもちろん、自己分析や書類の添削や面接対策など就職活動に関する幅広いサポートを受けることができます。
就活サイトに登録した学生は、企業から与えられた情報だけで応募先を決める必要がありました。しかし、新卒エージェントを利用すればキャリアアドバイザーの視点から、その企業への適性やマッチング度を把握することができます。
企業のメリットや魅力的なポイントだけでなく、課題点などを知ることができるため事前にミスマッチの防止にもつながるのです。
企業だけでなく学生にとっても就活を効率良く進めるための便利なツールとして活用されています。
料金体系は成果報酬型

多くの新卒エージェントは成果報酬型を採用しており、学生の内定承諾後に料金が発生することが一般的です。就活サイトでは求人広告を出稿するのに料金がかかりますが、新卒エージェントは採用に応じて料金が発生するため「費用をかけたのに採用できなかった」ということがありません。
ただし、1人あたり50~100万円前後の採用費がかかるため、採用人数によっては求人広告を出稿するよりも費用がかかることがあります。料金は理系や文系、採用人数によっても異なるため事前にきちんと確認する必要があります。
また、新卒エージェントを介して採用した人材が一定期間内に自己都合で退職した場合、手数料の一部が返金される可能性があります。返金額や返金規定に関しては新卒エージェントによって異なるため契約時に確認しましょう。
新卒エージェントがおすすめな理由
- アドバイザーがサポートするため質の高い学生が多いため
- 成果報酬型で企業の採用活動に貢献する意識が高いため
- 第三者視点で採用活動の強み・弱みを分析してくれるため
新卒採用をおこなうには多くのリソースが必要です。特に優秀な人材を採用するには母集団形成が重要であり、採用の成功を大きく左右します。
母集団形成とは:自社の求人に興味や関心を持つ学生を集めること
母集団形成は、ただ多くの学生を集めれば良いというわけではありません。採用方針に適した人材を集められなければ採用にはつながらず、採用リソースばかりかかってしまいます。
アドバイザーがサポートするため質の高い学生が多いため
新卒エージェントに登録する学生は就活にも積極的な姿勢を持っている傾向があります。また、アドバイザーがサポートをしており、自己分析や企業研究を含めた選考対策を十分におこなっているため、その企業が求める人物像に合った学生が集まりやすいのです。
一方、就活サイト経由で募集する場合は、学生一人ひとりと会ってみないと人となりやポテンシャルを判断することができません。当然、すべての学生と面接する時間を設けることはできず、結果として優秀な人材を取りこぼしてしまうこともあります。新卒エージェントはそうした懸念は少ないといえるでしょう。
成果報酬型で企業の採用活動に貢献する意識が高いため
新卒エージェントのビジネスモデルは企業が求める学生を紹介し、その紹介料で収益を得ています。学生は登録料や利用料が不要なため学生が採用されないと利益を得ることができません。当然、新卒エージェントは利益を得るために企業の採用活動に積極的に貢献しようとします。
企業の採用方針に適した学生を紹介したり、内定につながるように面接対策をおこなったりと、新卒エージェントにとっては内定を獲得して収益を得るための取り組みですが、新卒採用をおこなっている企業にとっては採用活動の成功につながるのです。
ときには、内定を承諾してもらえるよう新卒エージェントが学生を説得してくれることもあり、第三者が介入することで採用にもつながりやすくなります。
第三者視点で採用活動の強み・弱みを分析してくれるため
新卒エージェントは学生の就活だけでなく、企業の採用活動もサポートしてくれる存在です。たとえば、第三者視点で採用活動の強みや弱みを分析し、どうすれば採用につながるのかアドバイスしてくれることもあります。
採用活動を成功させるには、ただ母集団形成をおこなえば良いわけではありません。採用方針に当てはまる学生を集め、その学生から選ばれなければならないのです。優秀な人材ほど、他の企業からも内定をもらっており、企業同士の取り合いになってしまいます。そこで選ばれる企業になるには、どうすれば良いのか考えるのも人事担当者の役割です。
しかし、自社の強みや弱みを正確に分析するのは簡単なことではありません。働いている側からすれば、これが強みだと思っていても学生に響かなかったり、弱みを改善できなかったりすることも多いです。その点、第三者視点でアドバイスをもらえるのは、企業にとって大きなメリットになるでしょう。
新卒エージェントを利用する6つのメリット

少子高齢化による労働人口の減少や、有効求人倍率の上昇により、企業規模を問わず人手不足の課題を抱えています。特に新卒採用では学生優位の売り手市場が続いており、母集団形成や内定承諾率の低下に悩んでいる企業も少なくありません。
新卒採用には多くのリソースが必要となり、人事担当者が少ない企業や他の業務と兼任している企業にとっては大きな負担となってしまいます。そこで、近年は採用活動のアウトソーシングに注目が集まり、なかでも新卒エージェントを利用する企業が増加傾向にあるのです。
まずは新卒エージェントを利用するメリットを理解して自社に採用の課題を解決できるか考えてみましょう。
①自社の認知度を上げる機会になる
新卒採用を成功させるにはまず自社を認知してもらうことが重要です。特に中小企業やベンチャー企業や学生の生活に馴染みのない業種の企業は学生の認知度が低く、母集団形成に苦戦することが多い傾向にあります。認知度を上げるには積極的に求人情報を発信することが大切です。
新卒エージェントを利用する場合、まず自社の求人情報を登録します。アドバイザーは登録された求人情報をもとに、学生に企業を紹介するため、求人情報を通じて自社の認知度を上げる効果が期待できるのです。
さらに、新卒エージェントは企業名だけでなく、具体的な仕事内容や企業の魅力も併せて紹介してくれるため、ファーストコンタクトから企業理解を深めることができます。多くの新卒エージェントは成果報酬型を導入しており、求人情報を登録するのは無料でおこなえるので積極的に活用しましょう。
②採用工数の削減につながる
就活サイトで採用活動をおこなう場合、学生にスカウトメールを送ったり説明会や選考の日程調整をしたりする必要があります。場合によっては、採用方針に適した学生が集まらず説明会や選考の工数ばかりが増えてしまうことも少なくありません。
その点、新卒エージェントはアドバイザーが学生の適性を見極めたり、企業の説明や面接対策をおこなったりするなど、従来の採用活動では、人事担当者の業務を一部代理でおこなってくれるので工数の削減につながります。
少数の人事担当者で採用活動をしている企業や複数の業務を兼任している人事担当者にとっては貴重なリソースをより重要度の高い業務にあてることができ、業務改善にもつながるでしょう。
③母集団形成に寄与する
採用活動を成功させるには母集団形成がカギとなります。特に中小企業やベンチャー企業は学生の知名度が低く、人数を集めるのに苦戦することが多いです。優秀な人材を採用するにはより多くの学生を集めることも大切ですが、ただ人数を集めれば良いというわけではありません。
良い人材を採用するには自社の採用方針とマッチする人材を集めることが重要です。しかし、就活サイトでは無作為に学生をスカウトするため学生と企業の間にミスマッチが生じたり、学生に選ばれなかったりすることで、母集団形成がうまくいかないことも珍しくありません。
その点、新卒エージェントはアドバイザーが直接学生に求人情報を紹介してくれるため、自社の採用方針に適した人材に絞って母集団形成をおこなうことができます。。就活サイトと比較すると学生の数こそ少ないかもしれませんが、質の高い人材を集めることができるでしょう。
④自社ニーズに即した学生と出会える
アドバイザーが学生と面談をおこなってから企業紹介をおこなうため、自社のニーズに即した学生との出会いが期待できます。新卒エージェントは内定承諾後に料金が発生するため、企業のニーズに適さない学生をいくら紹介しても、企業として収益を得ることはできません。紹介するためには推薦文を書いたり、学生の面接対策をおこなったりする必要があり、ミスマッチの人材を紹介してもまったくメリットがないのです。
そのため、新卒エージェントは「企業のニーズに即しているか」「内定の見込みがあるか」という点をチェックし、見極めた上で学生を紹介します。企業にとっては最初からニーズに即した人材と出会えるため、場合によっては選考フローを省略することも可能となり、リソースの削減にもつながるでしょう。
### ジョブ型採用にも対応しやすい
近年、ジョブ型採用に注目が集まっています。ジョブ型採用とは職務遂行に必要なスキルや特性を持った人を採用する方法です。従来の新卒採用市場ではゼネラリストの育成を前提に新卒一括採用をおこない、研修やジョブローテーションを経て、それぞれの適性に合った部署に配置をしていました。
ジョブ型採用とは:仕事や職務の範囲を明確にして人に対してでなく、ポジションに対して報酬が設定されている雇用形態のこと
しかし、より専門性の高い人材を育成するには職務内容に適した人材を採用することが重要です。特に近年は、新型コロナウイルスの広がりで、リモート勤務などの柔軟な働き方が浸透したことによりジョブ型採用を導入する企業が増えています。
⑤成果報酬型で導入コストがかからない
新卒エージェントの料金体系は成果報酬型を導入していることが多く、内定承諾までコストがかからないのが特徴です。一方、就活サイトに求人広告を出稿するには掲載順位や情報量に応じて、掲載料を支払う必要があります。掲載料は媒体によって異なりますが、おおよそ50万円前後が多いでしょう。
掲載順位を上げたり、オプションをつけたりすればより高額になります。求人広告の場合、掲載して採用人数や求める人材が獲得できる保証はなく、高額なコストをかけても、採用に至らないケースも珍しくありません。
その点、成果報酬型は採用に至るまでコストがかからず、初期費用が不要なので初めて新卒エージェントを利用する企業でも導入しやすいです。特に優秀な人材をピンポイントで採用したい場合は、新卒エージェントを利用した方が低コストで採用できる場合もあります。
⑥急な内定辞退のリカバリーができる
採用目標人数を達成できたと安心していた矢先、学生から内定辞退を申し出されることも少なくありません。選考活動を続けていれば選考中の学生から内定者を出すこともできますが、選考が終わってしまっていると、また最初から就活サイトから募集をかけて選考をし直さなければならず、費用も時間もかかってしまいます。
しかし、エージェントには常時、就活中の学生が登録しているため就活サイトで募集をかけなくても、就職に前向きな学生とすぐにマッチングすることが可能です。急な内定辞退があっても、比較的早くリカバリーできるでしょう。
知っておきたい新卒エージェントを利用する際のデメリット

新卒エージェントには「企業の採用方針に即した人材を採用できる」「導入コストが低い」などのメリットがある一方、新卒エージェントだからこそのデメリットもあります。
新卒エージェントをうまく活用するにはメリットだけでなく、デメリットについても事前に把握しておきましょう。
①採用単価が割高になるケースがある
新卒エージェントの多くは成果報酬型を導入しており、採用人数に応じてコストがかかります。採用費用は文系や理系、採用人数によって異なりますが1人あたり50〜100万円が相場です。
一方、就活サイトの掲載料金は媒体によって差があるものの、おおよそ50万円前後が多いでしょう。プランやオプションの有無によって異なりますが、最上位プランでも300万円ほどです。
そのため、採用人数によっては就活サイトに求人広告を掲載した方が、採用単価がおさえられたというケースも発生します。ただし、就活サイトに掲載したからといって、必ずしも目標人数を採用できるわけではないためどちらがコストパフォーマンスが良いかは、状況によって変わることもあるでしょう。
採用人数の多い総合職は就活サイトで募集し採用人数が少なく、専門性の高い職種は、新卒エージェントを通じてじっくり見極めて採用するという採用も1つの方法です。
②自社内の採用ノウハウが蓄積されにくい
新卒エージェントでは母集団の形成や学生へのアプローチなどの業務を人事担当者に代わってアドバイザーがおこなうため、自社内の採用ノウハウが蓄積されにくいというデメリットがあります。
新卒採用市場は年々変化するため、情報のアップデートが欠かせません。ときにはトライアンドエラーを繰り返し、採用活動の質をブラッシュアップする必要もあるでしょう。しかし、アドバイザーに任せっぱなしにしてしまうと経験のチャンスが少なくなり、自社の人事担当者が育たないというリスクがあります。
人事担当者を育成するためにはアドバイザーと積極的に情報交換をし、人事担当者が積極的に採用活動に携わろうと行動することが重要です。
③必ず学生と出会えるわけではない
新卒エージェントは多くの登録者を持っていますが、必ず学生と出会えるわけではないので注意しましょう。特にエージェントに登録している学生は自分が企業を選ぶ立場であると認識している傾向が強く、自分の条件や理想に適さない場合は選ばれない可能性があります。
新卒エージェントに求人情報を登録して終わりではなく、学生の関心を引くために情報を更新したりアドバイザーとコミュニケーションを取ったりすることも重要です。アドバイザーに任せっきりでは理想の学生と出会える確率も下がってしまうので、人事担当者側からも、積極的なアプローチをおこないましょう。
### 採用要件を伝えきれないと自社にマッチした学生と出会いにくい
理想の学生と出会うためにはきちんと採用要件を伝えることが大切です。アドバイザーは企業からもらった採用要件をもとに、企業を紹介しているため採用要件が不明瞭だと学生に紹介しづらくなってしまいます。
仕事内容や待遇だけでなく「どのような人物を求めているのか」「どのような部分を重視しているのか」など、求める人物像についてもアドバイザーと共有しましょう。
優良企業を厳選! おすすめの新卒エージェント10選
新卒採用にエージェントを活用するには新卒採用に特化したエージェントを選ぶのがおすすめです。新卒と中途では登録しているユーザー層が異なるため、まずはターゲットを明確にする必要があります。
新卒に特化したエージェントであれば大学3〜4年生の登録者が多いため、マッチング度の高い出会いを期待できるでしょう。また、複数のエージェントを利用している学生も多いため、企業側も複数のエージェントを利用することで優秀な人材とマッチする確率が高まります。
各新卒エージェントの特徴をおさえ、自社の採用活動に適したサービスを見つけましょう。
①キャリアパーク!就職エージェント
キャリアパーク就職エージェントはポートが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 会員登録数約40万人(2021年3月時点のキャリアパークへの会員登録者数)
内定承諾まで平均45日
学生面談数年間1万人以上
登録している学生の76.9%が関東在住者で、次いで多いのが関西で16.9%です。2022卒から大阪エージェントが設立され、関西圏のユーザーも増えつつあります。関東や関西エリアで採用を検討している企業にとっては、マッチング度の高い出会いが期待できるでしょう。
キャリアパーク就職エージェントでは担当アドバイザーが最大10回面談をおこなっています。面談では学生の就活状況や企業への志望度を確認し、企業と情報共有することで、採用に関するリソースの削減に取り組んでいるようです。
②就職エージェントneo
就職エージェントneoはネオキャリアが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 登録学生数18万人
全国の大学で年間600回以上のイベントを開催
東京、大阪、名古屋、仙台、福岡に拠点
就職エージェントneoでは新卒紹介専門のアドバイザーが学生とマンツーマンで面談をおこない、志望業界や志向をていねいにヒアリングしています。また、最終選考の前段階では学生だけでなく学生の両親にも確認を取り、内定辞退を防ぐ取り組みもおこなっているようです。
ネオキャリアでは就職エージェントneoの他に、地方の機電系学生を中心とした理系の新卒紹介サービス「ちほりけ」や、機電系学生を中心とした理系新卒紹介サービス「理系就職エージェントneo」という新卒エージェントサービスも展開しています。
③キャリアチケット
キャリアチケットとはレバレジーズが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 最短2週間で内定獲得(2021年度実績)
紹介から内定承諾まで16.3%(2021年度学生実績)
年間1万3000人以上の学生をサポート
キャリアチケットは「量より質」を重視しており、本当に合う企業のみに学生を紹介しています。そのため、学生への紹介社数は5社程度と少ないですが、企業の魅力を訴求した上で紹介することでより高い内定承諾率を実現しているようです。
新卒エージェントの他にも、成果報酬型の就活イベントや、就活カフェを運営しているなど、新卒採用に特化したサービスを多数展開しています。
④doda新卒エージェント
doda新卒エージェントはベネッセi-キャリアが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 年間支援人数2,000名以上(22卒対象サービス実績)
年間キャリアカウンセリング実績数1万6,000件以上
契約企業数5,500社以上(2022年3月時点)
総合教育サービスや学校教育支援のノウハウを持つベネッセのネットワークを活かして、年間300回以上の学内登録会を開催し、学生集客をおこなっています。業界最大級の年間キャリアカウンセリング実績数を誇っており、アクティブユーザーの紹介が期待できるでしょう。
また、国内最大規模の新卒向けダイレクトリクルーティングサービス「dodaキャンパス」のデータベースの中からも、学生に対してオファーをおこなっているため、エージェントサービス利用者以外にもアプローチできます。
⑤キャリタス就活エージェント
キャリタス就活エージェントはディスコが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 自社メディア「キャリタス就活」の40万人の登録者にアプローチが可能
入社実績8,500名以上
紹介企業7,000社以上
キャリタス就活エージェントを運営するディスコは新卒エージェントの他に、就活サイト「キャリタス就活」や日英バイリンガル人材の就活をサポートする「CFN」を運営しており、そのユーザーへもアプローチ可能です。
また、理系や体育会系人材の新卒紹介もおこなっているため、採用方針に適した人材とマッチングしやすいという強みを持っています。
⑥マイナビ新卒紹介
マイナビ新卒紹介はマイナビが運営しており、以下のような特徴を持ってます。
- 23年卒登録者数約53万人以上(2022年7月時点)
特化型の人材紹介サービスがある
セミナーや研修を開催
マイナビは就活サイト「マイナビ就活」を運営しているため、サービスの知名度も高く、業界トップクラスの登録者数を誇っています。人材紹介サービスの中には「理系学生向け」「体育会系学生向け」「留学生向け」「地方学生向け」と、それぞれに特化したサービスも展開しているのでマッチング度の高い出会いが期待できるでしょう。
長年、就職や転職支援サービスを提供する中で培われたノウハウを活かし、セミナーや研修も開催しており質の高い人材が多いと予想されます。
⑦type就活エージェント
type就活エージェントはキャリアデザインセンターが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 1万社以上の企業情報をもとに企業を紹介
最短2週間で内定獲得
地方学生生活支援
type就活エージェントでは平均8年以上の社会人経験を持つベテランアドバイザーが学生の就活支援をおこなっています。
また、拠点は東京オフィスですが、地方でイベントを開催したり、首都圏で就活をしている地方学生限定で、都内近郊にあるシェアオフィスを無料で利用できたりと、地方学生の就活支援にも注力しているようです。
⑧リクナビ就職エージェント
リクナビ就職エージェントはリクルートが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 国内最大級の求人情報数と登録学生数
文系、理系、体育会系に特化したサービスがある
全国に面談場所がある
リクナビ就職エージェントは2022年オリコン顧客満足度調査の就活エージェント総合ランキングにおいて、1位を獲得しました。登録のしやすさや、アドバイザーの相談のしやすさなどが好評のようで、多くの学生が利用しています。
面談場所は全国各地にあるため幅広い地域での採用活動が可能です。地方で採用活動をする場合、そのエリアで就活をしている学生が少ないという問題も起こりやすいため大手エージェントを利用し、母集団を作るのも良いでしょう。
⑨JOBRASS新卒紹介
JOBRASS新卒紹介はアイデムが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 登録者数毎年7万人以上
入社前研修を実施
関東や関西エリア在住者が多い
アイデムはさまざまな求人情報サイトを運営する企業であり、新卒人材紹介の他にも、転職人材紹介、外国人人材紹介など、複数の人材紹介サービスを展開しています。学生には専任のアドバイザーが1人付き、入社までフォローするため綿密なやり取りがおこないやすいでしょう。
また、内定承諾後は社会に出る準備として、ビジネスセミナーやマナー研修の受講をおこなっています。内定承諾後から入社までの空白期間を有効活用することで、内定辞退の防止にもつながっているようです。
⑩Athlete Planning
Athlete Planningはアスリートプランニングが運営しており、以下のような特徴を持っています。
- 体育会学生に特化した人材紹介
3,000社以上の採用を支援
キャリア支援セミナーを100回以上開催
Athlete Planningの最大の特徴は体育会学生に特化していることです。目標達成に向けて、ひたむきに努力をしてきた経験を持つ体育学生は主体性と実行力に対する意識が高いという特徴があり、そのポテンシャルの高さを評価する企業がたくさんあります。
高いポテンシャルやバイタリティを持った学生を採用したい場合は、体育会学生に特化したエージェントを選ぶのもおすすめです。
実例で解説! 新卒エージェントを活用して起きる失敗事例と対策

新卒採用をおこなうには多くのリソースを必要とするため、少人数の人事や他の業務と兼任している場合は業務が逼迫してしまう可能性があります。しかし、新卒エージェントを利用すれば、学生の母集団形成や選考、内定後のクロージングなどを新卒採用のプロに任せることができ、リソースを削減するだけでなく、採用活動の成功にも大きく貢献してくれるでしょう。
上手に利用すれば心強い助け舟になってくれるサービスですが、活用方法を失敗すると、思うように採用活動が進まなくなるケースもあります。新卒エージェントのメリットを最大限に活かすためにも、新卒エージェントを活用して起きる失敗事例と対策について、しっかりおさえておきましょう。
①求める人材の定義があいまいなためミスマッチが生じる
新卒エージェントのアドバイザーは企業からヒアリングした内容をもとに、紹介する学生の選別をおこなうため、求める人材の定義があいまいだと、ミスマッチが生じてしまいます。
学歴や資格の有無、語学力などは基準を設けやすいので、アドバイザーも判断しやすいですが、ポテンシャルや人となり、雰囲気など主観によって判断が変わりやすい部分はより明確化しておくことが大切です。
新卒エージェントを利用している中でアドバイザーと自社の認識が異なっていると感じたら方向性を修正するために、もう一度、情報を共有しましょう。求める人物像の定義を統一することで、より確度の高い紹介を受けられるようになります。
### 対策
求める人材の定義を明確化するには理想の要素を一つずつ書き出し、それぞれに優先順位をつけていきましょう。理想の要素には以下のようなものがあります。
- 仕事に対する積極性がある
柔軟な発想力を持っている
論理的思考を持っている
外向性がある
探究心が高い
バイタリティが高い
すべての項目が当てはまる人材はそれほど多くなく、ピンポイントで採用しようとすれば採用目標人数に満たない可能性があるでしょう。特に新卒採用においては即戦力としてのスキルではなく、将来性や伸びしろを見出さなくてはなりません。入社後に活躍するための素養として、どのような能力が必要なのかを洗い出しましょう。
②自社の魅力をエージェント会社に伝えられていない
新卒エージェントから学生を紹介してもらうには企業が学生に選ばれなければなりません。そのため、企業の魅力をきちんと伝えることが重要ですが、アドバイザーが企業の魅力を把握していないと学生にうまく伝えられず、紹介が受けられないことがあります。
自社でおこなう説明会では資料や社員との座談会などを通じ、企業の魅力や強みなどを直接学生に伝えられますが、新卒エージェントを利用する場合はアドバイザーを介してしか伝えられません。アドバイザーと企業との連携が取れていないと企業の魅力を最大限に伝えられないため、注意が必要です。
### 対策
新卒エージェントに求人情報や企業情報を渡すときは企業の基本情報だけでなく、以下のような情報も併せて伝えましょう。
- 仕事のやりがい
具体的なキャリアプラン
産休育休の取得率や復職率
企業の独創性や革新性
働きやすい環境への取り組み
企業の基本情報以外にも学生が知りたいと思っている情報を資料にまとめるのもおすすめです。資料を作成する際はなるべくわかりやすい言葉を使い、学生がイメージしやすいよう工夫するようにしましょう。
③エージェント会社と密な連携が取れていない
エージェント会社と密な連携が取れていないことが原因で、採用活動が思うように進まないケースも存在します。「求人情報を渡せば、あとはエージェント会社からの連絡を待つだけ」と思っている人事担当者もいますが、採用活動を成功させるにはエージェント会社とのやり取りが必要不可欠です。
たとえば、優秀な学生を採用するには学生の選考状況を細かく把握し、他の企業に先手を打たれないようにスケジュールを組む必要があります。ただ待っているだけでは、他の企業に先に内定を出されてしまい、選考を辞退されてしまう可能性もあるでしょう。
新卒エージェントを利用することでリソース削減などのメリットもありますが、任せっきりで良いわけではないので注意してください。
### 対策
エージェント会社と密な連携を取るには企業側からも積極的に連絡を取ることが大切です。学生の選考状況を確認するのはもちろん「自社の選考を受けるか悩んでいる理由」「内定承諾を迷っている理由」「就活の軸や最も重視しているポイント」などの情報も、優秀な学生を採用するには重要なポイントになります。
特に学生が選考や内定承諾に悩んでいる場合は企業側からの「もうひと押し」がとても大切です。アドバイザーと情報を共有し、うまくクロージングすることで採用活動の成功にもつながります。
④内定者フォローをエージェント会社に任せっきりにしていた
学生の内定承諾が確認できたら終わりではなく、きちんと入社までつなげることが重要です。新卒採用の内定は大学4年生の夏から秋にかけて出ることが多く、入社まで期間が半年以上空いてしまうことも珍しくありません。内定承諾をしたときには新社会人への期待に胸躍らせていても、期間が空くことで入社への意欲が低下してしまうこともあります。
新卒エージェントは返金規定があるため内定承諾後に辞退されても料金はかかりませんが、場合によっては採用人数に満たないケースもあり、企業としては避けたいところです。内定辞退を防ぐためにも、企業側からも内定者へのフォローを忘れずにおこないましょう。
### 対策
内定者フォローには、以下のような方法があります。
- 内定者懇親会
社員との懇親会
内定者研修
人事担当者や先輩社員との個人面談
オフィス見学
社内イベントへの参加
学生と企業をつなげるきっかけをつくることで仕事への熱意を維持する効果が期待できるでしょう。ただし、頻繁に来社する機会をつくってしまうと、学生の負担になることもあるので注意が必要です。
⑤複数のエージェント会社を利用したことで採用負荷が上がった
新卒エージェントは採用活動の一部を代行してくれるためリソースを削減できるメリットもありますが、複数のエージェント会社を利用したことで、採用負荷が上がってしまう事例も存在します。
新卒エージェントをうまく活用するにはアドバイザーと密に連絡を取り合う必要があり、窓口が多くなればなるほど連絡や調整が増え、業務を逼迫させてしまうでしょう。他にも、どのエージェントがどの学生を紹介したのかわからなくなり、確認作業が増える問題も発生します。
採用負荷を上げないためにも自社の採用に必要なエージェントを吟味し、活用できる範囲内で利用するようにしましょう。
### 対策
採用負荷をおさえながら新卒エージェントを活用するには利用するエージェントを精査することが大切です。エージェント会社を精査する際は以下のポイントに注目してみましょう。
- 募集エリアに十分な登録者がいるか
自社の業界に強みを持っているか
自社の求める人材に特化しているか
採用活動のパートナーとして適切か
新卒エージェントを精査する際は自社の採用方針に強みを持ったエージェント会社であるか確認することが大切です。たとえば、地方の小さなエージェント会社でもその地域で学生を採用するには適しているケースもあります。母集団を形成するには登録者数も大切ですが、マッチング重視の採用をおこなうならエージェント会社独自の強みにも注目してみましょう。
新卒エージェントを利用する流れ

多くの新卒エージェントは成果報酬型を導入しているため、就活サイトのように事前の費用は必要ありません。しかし、ただ電話で依頼をするだけでなく、きちんと契約を交わし、適切な人材を紹介してもらえるように手順を踏む必要があります。エージェントを介する採用活動は就活サイト経由の採用活動と手順や方法が異なる部分も多いので、混乱を招かないためにも、事前に流れを把握しておきましょう。
それでは、新卒エージェントを利用する流れについて詳しく解説します。
①契約
新卒エージェントを選定したら、まずは契約をおこないましょう。多くの新卒エージェントは成果報酬型を導入しており、採用人数や学生の属性によって料金が異なります。たとえば、文系の学生は1人あたり100万円、理系の学生は120万円など、出身大学や専攻によって料金が変動するので契約時にきちんと確認することが重要です。
また、報酬が発生するタイミングや返金規定なども、エージェント会社によって異なります。成果報酬型だからこそ内定後にトラブルを引き起こさないためにも、契約書の内容はしっかりと理解しておきましょう。
②採用要件を伝える打ち合せ
契約を取り交わしたら採用要件を伝える打合せをおこないます。採用要件とは企業が求める人材の条件や重視するポイントのことで、学歴や資格の有無だけでなく人となりやポテンシャルに関する要件もすり合わせることが重要です。
特に新卒採用では学生が持つポテンシャルや素養に注目されます。入社後に活躍できそうな人材か、伸びしろのある人材かを判断するには企業の特色や採用方針をしっかり理解することが大切です。アドバイザーとの認識を一致させるためにも、事前に採用要件をまとめて打合せに臨みましょう。
③求人作成・確認
エージェント会社のアドバイザーは採用要件をヒアリングした後、求人を作成します。この求人は学生にその企業を紹介する際に用いられるもので、学生に選んでもらえるかどうかを左右する重要な情報源です。
エージェント会社によってはリクルーティングアドバイザー(企業担当)とキャリアアドバイザー(学生担当)が異なるケースも多く、場合によっては企業のことを知らないキャリアアドバイザーが、学生に求人を紹介することもあります。
誰がその求人を扱っても企業の魅力や働きやすさが伝わるような内容であることが重要です。求人を確認する際は情報の誤りだけでなく、学生に伝わりやすい内容になっているかも併せて確認しましょう。
④募集開始
求人が完成したらいよいよ募集開始です。エージェント会社内で求人情報が公開され、各キャリアアドバイザーが採用要件に適した学生に求人を紹介します。募集を開始したからといって、すぐに紹介を受けられるわけではなく、場合によってはなかなか紹介につながらないこともあるでしょう。
紹介につながらない場合はリクルーティングアドバイザーに連絡を取り、求人内容や採用要件に問題がないかチェックするのも1つの方法です。採用要件が厳し過ぎたり求人情報の魅力が低いと、なかなか紹介につながらないこともあるのでエージェント会社と定期的に連絡を取りながら、問題の洗い出しと対処をおこないましょう。
⑤学生紹介
学生からの応募の意思が得られたら、いよいよ学生紹介です。エージェント会社から学生の履歴書やエントリーシートがエージェント会社によっては推薦文などと一緒に送付されます。人事担当者は送られてきた情報をもとに、選考に進めるかどうかを判断しなければなりません。
ここで注意しなければならないのが学生への連絡の取り方です。基本的に多くのエージェント会社は内定承諾前に企業と学生が直接連絡を取り合うことを禁止しています。そのため、学生に対して確認したいことがある場合は必ずエージェント会社を介して確認するようにしましょう。
⑥選考
採用方針に即した学生が見つかったら、選考へ進みます。選考フローは必ずしも就活サイト経由での選考フローと統一する必要はなく、学生の就活状況に応じて選考回数を減らしたり、内容を変更したりすることも可能です。
ただし、選考フローを提示した後にいたずらに選考回数や内容を変更すると、学生に不信感を与えてしまう可能性があるため、選考フローを提示してからの変更は慎重におこないましょう。
⑦内定
選考を通じて採用したい学生が見つかったら、内定を出します。内定を出す際も、一般的にはエージェント会社を介して通達しなければなりません。
内定を出すときは出し方とタイミングにも注意しましょう。たとえば、内定後すぐに意思決定をうながしてしまうと、人によってはプレッシャーになり、内定辞退を促進してしまう可能性があります。一方、意思決定まで期間が空いてしまうと、その間に他の企業で内定が出てしまい、先手を打たれる可能性もあるでしょう。
内定の出し方やタイミングは学生のタイプや就活状況に応じて、最適な方法を選ぶことが重要です。
⑧内定承諾
内定承諾とは企業の内定を受け入れ、入社意思を固めることです。一般的に、内定承諾後は就活を終了し入社準備へと移りますが、なかには他社の選考を継続し、内定承諾後に辞退を申し出る学生も少なからず存在します。
内定辞退にならないためにも、内定承諾後もきちんとフォローすることが大切です。学生との連絡方法はエージェント会社によって異なるため、どのようにフォローをすれば良いか事前に確認しておきましょう。
⑨報酬支払い
多くの新卒エージェントは成果報酬型を導入しているため、内定承諾後に報酬支払が発生します。支払いのタイミングはエージェント会社によって異なるため、契約時にきちんと確認しておきましょう。
万が一、入社前に内定辞退となったり早期離職になったりした場合は、返金規定に則って手数料の何%かを返金してもらえる可能性があります。返金規定に関しても、契約時に説明があるので、しっかりとおさえておくことが大切です。
新卒エージェントを活用して優秀な人材を獲得しよう!
「新卒エージェントは便利そうだけど、うまく活用できるのか」と不安を抱えているかもしれませんが、活用ポイントをおさえれば、採用活動のリソースを削減することもできます。また、場合によっては就活サイトを利用するよりも、優秀な人材を低コストで採用できる可能性もあるでしょう。
新卒エージェントをうまく活用するにはサービスのメリットとデメリットの双方をしっかり把握し、自社の採用活動に適したエージェント会社を選ぶことが重要です。今回紹介した内容を参考にし、新卒エージェントをうまく活用しながら、採用活動の成功を目指しましょう。