この記事のまとめ
- キャリアとは過去の軌跡であり将来を豊かにするために重要な要素
- キャリア形成の3つのメリットからキャリアの重要性を理解しよう
- 4つのステップで自分の人生をより良くするキャリアを見つけよう
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
人は仕事やプライベートなどのあらゆる場面で自分のキャリアについて考えなければいけないときがあります。とはいえ、キャリアの意味や考え方がわからなければ、本当の意味で「キャリアについて考える」ことは難しいものです。
そこでこの記事では、キャリアとはどういうものなのか、まさにその道のプロであるキャリアコンサルタントの小西さん、渡部さん、野村さんとともに解説していきます。
自分のキャリアを見出す秘訣についても説明するため、自分にとってのキャリアがうまく想像できない人はぜひ参考にしてみてくださいね。
キャリアとはこれからの自分の人生を彩るために形成すべき重要なもの
さまざまな場面で見聞きするキャリアという言葉。言葉の意味はなんとなくは理解できていても、具体的な定義まできちんと説明できるという人は少ないのではないでしょうか。しかし、キャリアは人生を形作るうえで大切な要素となるため、曖昧な理解にとどめず、きちんと考えることが大切です。
この記事ではまず、キャリアという言葉の定義やキャリアが付く言葉の意味について解説していきます。まずはキャリアについての正しい意味や定義を理解しておきましょう。
次に、キャリアについて考える、つまりキャリアを形成する具体的なやり方について解説します。何をすることが「キャリア形成」なのかピンと来ていない人は、参考にして、自分なりのキャリアを見つけましょう。
最後に、選考の場面でキャリアについてアピールする際のコツについても解説します。これから選考を控えている人や、自分のキャリアについて人にうまく伝えられない人はぜひ参考にしてみてください。
キャリアへの理解を深めることは、自分自身をより深掘りすることだと言えます。
自分のことを誰よりも知るのは、自分です。自らの人生をより豊かにするために、自分に適したキャリアを形成しましょう。
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キャリアとは過去にできるもの? キャリアの定義について理解しよう
キャリア、英語にするとcareerとなる言葉の語源は、中世ラテン語の「車道」「轍(わだち)」からきていて、行路や足跡という意味があります。
つまり、こうした足跡や歩んできた道のりというのは、常に自分の後ろにできていくものであるため、キャリアを定義すると過去に存在する経歴や培われたスキルのことと言えます。
一方、「キャリアビジョン」や「キャリア形成」といった言葉もあるため、「キャリア」という言葉を未来のもののように感じている人もいるのではないでしょうか。
たしかに、選択できる道や手段は自分の未来にもたくさん存在しています。しかし、足跡や軌跡というのは自分が歩いてきた後ろにしかできないですよね。
つまり、目の前のどの道に足跡を付けて「キャリア」にしていくのかを考えることで、未来のあらゆる選択肢が、キャリアの可能性になります。そうして考えた将来像は、「まだ自分のものではないキャリア」と言えるのです。
「キャリア」が付くそのほかの言葉の意味も把握しよう
「キャリア」が付く言葉 | 意味 |
---|---|
キャリアパス | 一つの仕事のなかでの昇給や昇格などのステップアップの順序のこと。 |
キャリアプラン | 自分が定めた目標や将来像を実現するための具体的な計画のこと。プライベートなことは含まない。 |
キャリア形成 | キャリアパスやキャリアプランを考えること。また、キャリアパスやキャリアプランを実現するために行動すること。 |
キャリアビジョン | 自分が理想とする将来像。仕事だけでなく、プライベートやライフイベントなども含まれる。 |
キャリアデザイン | キャリアビジョンを考えること。 |
キャリアが付くおもな用語には上記のようなものがあります。前述のとおり、キャリアというのはこれまでの経歴という過去の意味が強いですが、その言葉に「形成」や「デザイン」が付くことで、「まだない未来のキャリアを考える」といった意味になるのです。
また、キャリア、つまり人の積み上げてきた経験や経歴は仕事に関することだけではありません。プライベートで経験することや自分が選択することもすべて後に自分のキャリアになっていくのです。
そのため、キャリアが付く言葉のなかには仕事の範囲だけを指すものと、プライベートや人生全体におけるキャリアを指すものとが存在します。
私の仕事であるキャリアコンサルタントもまた、「キャリア」が付く言葉の一つです。
キャリアコンサルタントは相談者がより良い職業生活を送れるよう、自身の専門性や経験の範囲で支援する仕事です。
職業生活の背景には人生のあらゆる側面もかかわってくるので、キャリアという言葉の通り、生き方全般を含む支援の専門職と言えるでしょう。
キャリアビジョンという言葉についてより詳しく知りたいという人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
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キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
キャリアビジョンは自分らしく就活を進めるために考えておく必要があります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、キャリアビジョンの意味や必要性を解説します。また、キャリアビジョンの描き方や企業への回答方法も説明するので役立ててください。
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「キャリア」の専門家に聞く! 仕事におけるキャリアの定義とは
キャリアという言葉は仕事の場面で多く見聞きすることがありますが、仕事におけるキャリアとは具体的にどういうことを指すのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、まさしく「キャリア」に関する専門家であるキャリアコンサルタントの野村さんに、仕事におけるキャリアの定義について解説してもらいます。
人生のさまざまな経験のなかでも多くの時間を占める、仕事でのキャリアの意味合いを明確にして、さらにキャリアについての理解度を上げていきましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る仕事のキャリアとはスキルや経験を積んで自己実現を目指す過程のこと
仕事におけるキャリアとは、仕事の職歴や経験の積み重ねだけでなく、仕事を通じて成長し、自己実現を追求するプロセスのことを指します。
具体的にはスキルの習得や専門知識の深化、人間関係の構築や仕事に対する価値観の形成などのことです。
たとえば新卒で企業に入社し、経験を積んで管理職に昇進し、部門のリーダーとして成長していくといった道があります。この過程では、役職の上昇とともに仕事の範囲や責任が広がり、マネジメント力やその仕事への専門性などがキャリアになっていくでしょう。
キャリアに理想の形はなく自分次第で柔軟に変化させていくもの
また理想的なキャリアは、その個人の個々の価値観や目標により異なります。
たとえば社会貢献を重視する人は、NPOや国際機関での仕事を目指し、専門職としての技術を極めたい人は、フリーランスとして独立することを理想とするかもしれません。
つまり、キャリアは固定されたものではなく、各々のライフステージや環境の変化に応じて柔軟に変わるものなのです。自分のキャリアを主体的にデザインし、常に学び続ける姿勢が求められます。
キャリアは一生を通じた成長のプロセスであり、仕事を通じて自己実現を果たす道筋と言えるでしょう。
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キャリアはなぜ重要? 自分のキャリアを形成することの3つのメリット
キャリアはなぜ重要? 自分のキャリアを形成することの3つのメリット
- 今の自分の課題や強みがわかる
- この先の自分の人生に最適な選択ができる
- 自分の行動に目的が生まれて意欲的に取り組める
キャリアというのは、これまでの自分が積み重ねてきた軌跡であり、未来においても自分なりに見つけていかなければいけないものです。
このように、キャリアが人生において重要な要素であることはよく見聞きしても、キャリアについて考えることがなぜ重要で、なぜ良いこととされているのか、説明してもらえる機会は少ないかもしれません。
そこでここからは、キャリアを形成することの3つのメリットについて解説していきます。キャリア形成によって具体的にどんな利点が得られるのかわからない人は、参考にして自分なりのキャリアを前向きに考えてみましょう。
①今の自分の課題や強みがわかる
キャリア形成とは、今の自分の持つキャリアを振り返り、それを踏まえて次にどうすべきかを考えていくことです。
自分を見つめ直すことで自分への理解が深まるため、今の自分が持つ魅力や強み、改善すべき課題が見えてきます。
たとえば自分のキャリアの一つに大きな成果を出せた経験があったとして、そのキャリアを積んできた経緯を振り返ることで、「自分はこれが得意だからこの選択をしたのか」「逆にこういうことが苦手なのかも」といった特徴がわかるのです。
自分のキャリアはこれまでの自分の足跡のようなものであるため、それをたどることで自己理解が深まるだけでなく、次の一歩を決めるヒントも見つけられるでしょう。
自分の強みの見つけ方について詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。多くの学生の就活をサポートしてきたキャリアコンサルタントが、自分の強みの見つけ方とアピール方法を徹底解説しています。
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就活で自分の強みを何て答えれば良いかわからない、そもそも自分の強みが浮かばない人に向けて、キャリアコンサルタントが自分の強みを見つける方法やアピールのコツを解説していきます。強みを伝える例文も紹介するので、参考にしてください。
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②この先の自分の人生に最適な選択ができる
前述のとおり、キャリアそのものは自分の後ろにできていくものであり、前には存在していません。キャリア形成というのは、まだ前にはないキャリアをどう作っていくかを考えることです。
キャリア形成によってその先に手にするキャリアが明確になることで、さまざまな場面で自分の人生に最適な選択ができるようになります。
たとえば「パイロットになりたい」という漠然とした夢があるだけでは不十分で、そこから具体的にどのような過程を踏めばパイロットになれるのかを考える、つまりキャリア形成をおこなうことで、今の自分が次に何をすべきなのかが明確になるのです。
また、次に何をすべきなのかを納得して選択できることで、先行きが見えないことへのストレスも感じにくくなるでしょう。
- キャリアを考えようにも、優柔不断で一度選択したことでもこれで良かったのか不安になってしまいます……。
キャリアに正解はないからこそ不安を感じすぎず自信を持とう
人間はほかの生物種と比べても、間違いを犯しやすいと言われています。ヒューマンエラーという言葉を聞いたことはありませんか?
間違いは、すぐにわかるときもあれば、後からわかるときもあります。永遠に気付かないこともあるでしょう。
これをキャリアに即して考えてみると、キャリア形成の過程において「正しい解」はないと言えます。
その都度、選択した道が「間違えているのではないか」と不安に思う気持ちは理解できなくもないですが、逆に「どれが正解か」についても、その時点では誰にもわかりません。
したがって、一抹の不安を抱きつつも、自信を持って歩んでもらえれば良いと思いますよ。
自分に最善の選択をしたい、自分らしさを大切にしたい、という気持ちを抱く人は多いのではないでしょうか。以下の記事では自分らしく生きるための秘訣について、キャリアコンサルタントがわかりやすく解説しています。
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自分らしく生きることができれば、生き辛いと感じることが減って、充実した人生を送ることができます。この記事では、自分らしく生きるためのコツについて、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
③自分の行動に目的が生まれて意欲的に取り組める
目的もなくやっていることにはモチベーションが下がる、何のためにしているかわからないことではやりがいも感じにくい、という人は多いでしょう。キャリア形成をおこなうことで、そうした自分の行動に意味や目的を持たせることができます。
たとえば、キャリア形成をおこない、自分のなりたい姿やその過程で通るべきキャリアを具体的にイメージしたとします。
そうすることで、特にゴールもないままやっていた日々の行動に、「キャリア形成で定めたなりたい姿を実現させるため」という明確な目的ができるのです。
目的を持って取り組んでいることや、自分で納得してできていることにはモチベーションも上がりやすいため、何事にも意欲的に取り組めるようになります。
目的が定まると、必要な行動が理解でき、自分がどこに向かうべきかが明確になります。
キャリア形成でなりたい姿を具体的な目標としてイメージすることで、そこに至る目標へのモチベーションや主体性を強く意識できるようになるでしょう。
やりたいことが具体的に思いつかないという人は、以下の記事を参考にしてみてください。自分の本心を見つめ直してやりたいことを見つける秘訣を解説しています。
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やりたいことがわからないと悩む人は多くいます。その原因は8つ。それぞれの原因を見つめつつ、やりたいことが必ず見つかる12の方法をキャリアコンサルタントと解説します。やりたいことがわからず将来に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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企業ではキャリアが重視される? 仕事でキャリアが重要な3つの理由
企業ではキャリアが重視される? 仕事でキャリアが重要な3つの理由
- 自社にマッチした人材かどうか判断するため
- 適切な人材配置や育成をおこなうため
- 社員のモチベーションやパフォーマンスを保つため
自分のキャリアを形成することには多くのメリットがありますが、このキャリアを明確にすることは企業、つまり仕事においても重視されています。
皆さんのなかにも、就活や業務内などさまざまな仕事にかかわるシーンで、自分のこれまでのキャリアやこの先のキャリアプランなどについて問われたことがある人もいるのではないでしょうか。
ここからは、仕事においてもキャリアが重要な3つの理由について解説します。キャリア形成することが自分にとってメリットがあるとは理解できても、なぜ企業で重視されているのかわからないという人はぜひ参考にしてみてください。
①自社にマッチした人材かどうか判断するため
企業は人が集まって構成されるものであるため、企業の掲げる経営計画やビジョンの達成には社員一人ひとりの力が重要です。そのため企業は新しい人材を採用する際には、応募者が自社とマッチした人材かどうかを重視しています。
自社に応募してくる人が、これまでどのような経験、つまりはキャリアを経てきたのかがわからなければ、その人の人間性が深く理解できず、自社との相性を判断できないものです。
さらに、将来の目的や目指すキャリアが明確になっていないなど、キャリア形成が不十分な状態であれば、採用後にどのように働いてくれるのか、どんな人材になって自社に貢献してくれるのかなどもわかりません。だからこそ企業ではキャリアが重視されるのです。
採用は、この人なら自社にとってメリットがありそう、と企業側が応募者の今後に期待することで成り立ちます。
採用時は実際に働いて見せることができないからこそ、自分のたどってきたキャリアや将来のキャリア像を明確に示して、自分の持つ能力や可能性をアピールすることが求められると言えます。
たとえ素晴らしい経験や知識があっても、今後の職場でそれが再現できなければミスマッチになってしまいます。
そのため企業は、応募者の経験を通して得られた知見や考え方が、自社の文化や仕事の中で活かせるかどうかを考えて判断しているのです。
②適切な人材配置や育成をおこなうため
先でも解説したとおり、企業がより良い経営をおこない、利益を最大化するためには社員の能力が大きくかかわってきます。社員に能力を発揮してもらうためには適切な人材配置や育成が重要であり、そのためには社員一人ひとりのキャリアを理解することが必要となるのです。
たとえばとある企業に、前職でプログラミングの仕事をしていた人が、この先もその技術を伸ばそうと考えて入社したとします。企業はその人のキャリアやこの先のなりたい姿を理解したうえで、それにマッチする働き方ができる部署に配属させるでしょう。
逆に自分のキャリアやこの先どうしていきたいかわからない社員に対しては、どんな部署に配属すれば能力を最大限に引き出せるのかわかりません。不得意なことを任せても、業務効率が悪くなるうえに、業務内容のミスマッチはその社員の早期離職にもつながってしまいます。
だからこそ企業では、社員自らが自分の持つキャリアについて深く理解し、将来のキャリアを形成していくことが重要なのです。
- 本当に多くの企業が社員のキャリアを考えた人材配置をしているのですか?
実際は社員のキャリアまで考える余裕のない企業もある
「本当に」と問われると、なかなか難しいところですね。
企業規模が大きかったり、経営者のビジョンがしっかりしていたり、業績好調で雰囲気が良かったりする企業であれば、人員を適切に配属するだけの余裕も予算もあるでしょう。
そうした企業なら社員の希望を十分に聞き入れつつ、将来設計を考慮した人事を進めることが可能です。
しかし実際は、そんな企業ばかりではありません。一人何役もこなさなければならない企業もあれば、社員のキャリア構築を担う部署が存在しない企業もあるのが事実です。
③社員のモチベーションやパフォーマンスを保つため
企業にとって、社員の急な離職は、代わりの人材の採用に費用がかかったり、業務効率が低下したりするなどデメリットが多いため、企業は社員のマネジメントをおこなわなければいけません。
マネジメントとは人や資源、資産などのリスク管理をおこない、業務の効率を高めることで、企業はこのマネジメントの一環として、社員のモチベーションや業務パフォーマンスを維持する必要があります。
そこで重要になるのが、社員一人ひとりのキャリアが明確になっているかどうかです。社員が今どんな強みや課題を持っていて、この先どうなっていきたいのかを知ることで、社員一人ひとりのキャリア形成に合った仕事やポジションを割り振ったり、正しく評価したりすることができます。
このように、仕事上のキャリアについて企業と社員双方の理解が深まることで、社員にとっては仕事へのストレスや不満が減り、企業側にとっては業務効率を保ち人材損失のリスクを避けることができるといった、互いにとってウィンウィンな状態につながるのです。
自分だけのキャリアを考えよう! 失敗しないキャリア形成のやり方4ステップ
自分だけのキャリアを考えよう! 失敗しないキャリア形成のやり方4ステップ
ここまでは、仕事や人生全体におけるキャリアの重要性について解説してきましたが、実際に自分のキャリアを見出す方法がわからない、という人もいますよね。
そこでここでは、自分のこれからのキャリアを見いだすための方法を4つのステップに分けて解説していきます。キャリア形成の正しいやり方をマスターして、自分の人生においてより良い形を模索してみましょう。
①自己理解を深めて将来的になりたい姿を明確にする
キャリア形成とは、自分のなりたい姿に向けてどのような道を進めば良いのかを考えることであるため、まずはゴールとなるなりたい姿や将来像を明確にしてみましょう。
自分の未来の姿を想像するために重要なのは、これまでの人生を振り返り、今の自分を理解することです。
今の自分はどんな経験を積んできたのか、得意なことや興味があること、魅力が何かなど、自分を客観的に見つめ直してみてください。そうして見えてきた自分の特徴を踏まえて、この先の5年後や10年後にどうなっていたいか、仕事とプライベート両方の軸で理想像を考えることが大切です。
そうすることで、これまで歩んできたキャリアの延長線上にある、キャリアビジョンを明確にできるでしょう。
- やりたいことやなりたい姿がいろいろある場合はどうしたら良いですか?
複数の将来像をそれぞれを照らし合わせて目指す優先順位を決めてみよう
やりたいことや理想像が多岐にわたる場合、まず自己理解を深めましょう。過去の経験や得意なこと、興味のある分野を振り返り、それぞれの選択肢が自分にとってどんな意味を持つか考えます。
次に、短期的な目標と長期的な目標を設定し、優先順位をつけます。5年後や10年後の理想をイメージし、必要なスキルや経験をリストアップしましょう。
複数の目標がある場合は、共通するスキルを磨くことで、柔軟に進むキャリアプランを立てるという手もあります。
最終的には、自分の価値観やライフスタイルに合った選択をし、具体的な行動を起こすことが重要です。
多様な目標があることは可能性を広げるチャンスなので、プロセスを楽しみながらキャリアを築いてください。
キャリアビジョンに関する面接での質問の一つに、「10年後の自分」について聞くものがあります。どう答えれば良いかわからない人は、以下の記事で答え方のポイントを解説しているため、ぜひ確認してみてください。
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自己理解を深める方法についてより詳しく知りたい人は、以下の記事がおすすめです。多くの人の就活相談を受けてきたキャリアコンサルタントが、自己分析によって自分への理解を深める方法を徹底解説しています。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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②なりたい姿を目指す過程で必要なスキルや行動を洗い出す
自分の行き先、つまりは将来なりたい姿を明確にイメージできたあとは、そのゴールに対しての行き方を考えていきましょう。
たとえば自分のなりたい姿が「管理職として年収〇〇円以上の人材になること」だったとして、それを達成した状態とは具体的にどういうことなのか、どんなスキルや経験があれば良いのかを考えてみます。
そうすることで、「その仕事において結果を出して企業に貢献すること」、「社員へのマネジメントスキルを高めること」のように、なりたい姿のために必要な条件を明確にすることができるのです。
自分のなりたい姿は、できることなら具体的であればあるほど良いですね。曖昧なままだと行動に至らないからです。
理想から逆算して、今何をすべきか考えましょう。ただし、絶対その通りにしなければいけないとは考えないでください。状況に応じて修正しても大丈夫です。
③なりたい姿に対して今の自分に何が足りていないかを分析する
目指す姿のために必要なキャリアのイメージができたら、もう一度今の自分に立ち返り、なりたい姿に対して今の自分に足りていないものが何かを考えてみましょう。
たとえば、将来の理想像を「ITエンジニアとして独立すること」と定め、それに必要なこととして「資格や信頼を得るための実績」などがあるとします。
そこから、今の自分のステータスとなりたい姿との差を照らし合わせると、「資格を取得するためのスキル」や「能力を証明するような実務経験」が今の自分に足りていない要素だとわかり、次に目指すべきキャリアが見えてくるでしょう。
上記の例にも出てきたITエンジニアのようにIT業界でキャリアを積みたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
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④今の自分に足りていない課題をクリアする方法を考える
今の自分に足りていないことや次に目指すべきキャリアが明確にできた後は、それをクリアするための具体的な方法を考えてみましょう。
先でも例に挙げた「ITエンジニアとして独立すること」というなりたい姿を今回も例に取ってみます。この最終目標に必要なキャリアの一つが「資格の取得」で、今の自分には資格に合格できるだけのスキルや経験が足りないことが課題ということまでわかっていたとします。
そこから次に、どうやってそのITエンジニアのスキルを伸ばせば良いのか、経験を積める環境にいない場合には、どうやって今の環境を変えるのかなどを考えてみましょう。
そうすることで、「1日1時間プログラミングの勉強をする」「ITエンジニアのスキルが磨ける部署に異動を希望する」など、さまざまな方法や行動のヒントが明確になります。
キャリア形成で見つけるその先のキャリアや、そのキャリアを自分のものにする方法はどちらも1つだけとは限りません。皆さんの目の前にはさまざまなキャリアがあり、そのキャリアに向かう行き方も人それぞれであるため、自由に自分のキャリアを見つけていってくださいね。
目標を設定するために、「〇年後に何をしていたい、どうありたい」ということについて時期を刻んで考えてみましょう。
3カ月、半年、1年、3年、5年、さらには10年と年齢とライフステージを勘案しながら、曖昧でもかまわないので作り出してみることが大切です。
キャリア形成のやり方についてもっと詳しく知りたいという人は、以下の記事をチェックしてみましょう。
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キャリアコンサルタントが直伝! 自分だけのキャリアを形成する秘訣とは
キャリアコンサルタントが直伝! 自分だけのキャリアを形成する秘訣とは
キャリア形成というのは自分のなりたい姿を実現するためのものであるため、自分で決断していかなければいけません。
とはいえ、適切なステップを踏んだとしても、きちんと自分のキャリアが見つけ出せるのか不安という人もいるのではないでしょうか。そうした場合には、自分以外の人のキャリア形成を参考にしてみることがおすすめです。
そこでここでは、キャリアコンサルタントの小西さん、渡部さん、遠藤さんの3人に、自分なりのキャリアを形成するコツについて、自身のキャリアなどをもとに解説してもらいます。活躍している人のキャリアからヒントを得て、自分なりのキャリアを見出してみましょう。
キャリアコンサルタントとしてキャリア形成について研究している小西さんの場合
小西さんは大手メディアで政治記者として25年間活躍したのち、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かしてさまざまな媒体でキャリアについての考えやアドバイスを発信しています。
人生経験豊富な小西さんの、キャリア形成についての考え方を見てみましょう。
アドバイザーコメント
小西 一禎
プロフィールを見るキャリアは必ずしも常に積み上げ続ける必要はない
新卒時、行きたかった業界に就職でき、やりたかった仕事を十分に経験することができた私は、順調に職業キャリアを重ねてきた方だと思っています。ライフキャリアとしても、子どもを授かり、恵まれた日々を送っていました。
そうしたなか、自らのキャリア形成上、40代半ばで大きな決断をしました。配偶者の海外転勤に伴い、会社を休職。日本における職業キャリアは中断したのです。
現地滞在中は、帰国後のキャリア形成に対する不安や重圧で押しつぶされそうにもなったこともあれば、決断を後悔したこともなかったわけではありません。
帰国してから3年が経過した今、「現地滞在中に、あれをしておけば良かった」などと反省点こそありますが、後悔は一切ありません。
キャリアを中断したことによって得られた経験やスキルは、同じキャリアを継続していたならば決して得られなかったと思っているからです。
立ち止まることで見えるキャリアを前向きに受け止め自分の人生を見つけよう
結婚して家族ができると、キャリアは自分だけのものではなくなります。私のように、転勤や介護、育児によって、キャリアが変更する人も、今の時代少なくありません。
私が伝えたいのは、キャリアは必ずしも「途中下車なき単線片道」ではないということです。中断とまではいかなくても、時折立ち止まってみることによって、あなたなりの新たなキャリアが見出せるでしょう。
採用担当者として長年多くの人のキャリアを見てきた渡部さんの場合
人事部で採用現場を担ってきた渡部さんは、人事としての経験を活かし、独立後は大学で就職支援を実施するほか、企業の研修講師やアドバイザーも経験。のべ3万人以上のコンサルティング実績があります。
多くの人のキャリアを実際に見てきた渡部さんによる、キャリア形成についてのアドバイスを見てみましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るこれまでの未熟さや強みを再確認して前に進むことがキャリア形成の鍵
独立してすでに15年経ちますが、私は会社員時代に流通業で9回の全国転勤を経験し、現場だけでなく経理以外の本社業務もおこなってきました。
やりがいのある仕事もそうでない仕事もありましたが、今振り返ってみると、当時は嫌だった仕事が意外なところで役に立っていたり、何となくやっていた仕事の意味に今になって気付いたりすることが多々あります。
自分への理解を深めるためにも人生を振り返る時間を持とう
目の前の事を一生懸命にやっているときや、やりがいを感じて楽しく頑張っているときは、長期的なこの先のキャリアを意識することはあまりないかもしれません。そのときはそれで良いと思います。
ただ、ときどき自分の人生の節目で立ち止まって、今までのことやこれからのことを考える時間を持つことがキャリア形成には大切です。そういう時間を持つことで自分の経験を冷静に振り返ることができ、仕事の意味や位置付けが変わってきます。
自分の未熟さを受け止めるネガティブな経験もあれば、頑張った自分に自信を持てるようなポジティブな経験も多くあるでしょう。皆さんもときどき立ち止まり、自分と向き合ってそれまでのことを振り返る時間を作ってみてください。
25年間の人材育成経験によって多くの人のキャリアを見てきた野村さんの場合
野村さんは複数のIT企業でITエンジニアとしてのキャリアを積んだのち、周囲の人たちのキャリア形成に貢献したいという思いからキャリアコンサルタントの資格を取得し、人事部に異動。約10年間、若手からシニア社員まで幅広い世代のキャリア形成支援に携わってきました。
現在は一般向けの転職相談や就活生への進路相談も担うなど、多岐にわたり活躍している野村さんから、キャリア形成についてアドバイスをもらってみましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見るキャリア形成は多様な選択肢に対応する柔軟性とチャレンジ精神が大切
私は自身のキャリア形成の経験から、自己理解の重要性を痛感しています。自分の強みや興味を理解し、それを活かすことがキャリアの基盤です。
また、目標を設定し、着実に努力することも必要ですが、目標は変わることもあります。私自身もキャリアの途中で方向転換を経験しました。その際に大切なのは、柔軟性とチャレンジ精神です。
自分の身に起きたさまざまな転機に応じて柔軟に新たな目標を定めて挑戦することで、さらなる成長の機会を得られます。
キャリア形成においては、失敗や困難も乗り越え、受け入れる覚悟も必要でしょう。自分のネガティブな過去を受け入れた先には、自己成長や達成感の実感が待っていますよ。
今の自分自身と向き合い理解を深めることがキャリア形成の第一歩
私のキャリアコンサルタントとしての経験から、個々のキャリア形成は多様であり、キャリア形成の秘訣は自己理解と柔軟性、そして持続的な努力と挑戦だと思っています。
常に自分自身と向き合い、自身のキャリア形成に向けてまずは一歩踏み出す勇気を持ってください。
皆さんの目指すキャリアの多様性を理解し、適切なサポートを提供することが私たちキャリアコンサルタントとしての喜びなのです。
なりたい姿が見えない人必見! キャリア形成のきっかけを見つける3つの方法
なりたい姿が見えない人必見! キャリア形成のきっかけを見つける3つの方法
前述のとおり、キャリアを形成するためには、まず目指すべきゴールであるなりたい姿を明確にする必要があります。
このなりたい姿が曖昧なままでは、これから自分が何をすべきなのか、どれが最善の選択なのかがわからないため、先行きが不透明なままの人生を送ることになりかねません。
そこでここからは、なりたい姿を具体的にしてキャリア形成のきっかけを見つける3つの方法を解説します。自分がこの先どうなりたいのかがまだぼんやりとしている人は、ぜひ参考にしてみてください。
①自分と同じような境遇からキャリアを積んだロールモデルを見つける
なりたい姿が見えないときは、誰かのキャリア形成を参考にしてみるのも一つの手段です。同じ部署やチームの先輩、上司などのなかで、自分と同じような境遇からキャリアを積んでいる人は、持っていたスキルや興味関心、目指していたことなども似ていた可能性があります。
そのため、そうした人をロールモデルにしてみることで、自分のなりたい姿をイメージしやすくなるのです。
特に仕事においては、今いる自分のポジションよりも上の立場にいる上司や先輩の姿は、「この先自分もそうなるかもしれない姿」でもあります。
身近な人のこれまでのキャリアや、この先どんなキャリアを見すえているのかなどを聞いてみましょう。そうすることで、先人の歩んできたキャリアから、今の自分が持っているものや足りないもの、自分なりの「こうしたい」を見つけるきっかけにつながります。
②今のスキルを極めるためにどうすれば良いのかを考えてみる
なりたい姿、つまりこの先のゴールが明確に定まらないのであれば、今の自分から次のステップを考えてみるのがおすすめです。
今の自分が持っているスキルやキャリアをより極めていくにはどうすれば良いのか、今の自分をレベルアップさせるにはどんなことが必要なのかを明確にしてみましょう。
たとえば、今の自分の強みが語学力やコミュニケーション能力だと考えていたとして、具体的に将来どうなりたいかが思い浮かばないときは、それらのスキルをさらに極めるためにステップについて考えてみてください。
そうすることで、「人とかかわる職種を見つける」「海外の人とも一緒に働ける企業で自分の語学力をさらに伸ばす」など、今の自分のスキルをより成長させるために目指すべきキャリアを見つけられます。
このように将来像を明確にし、定めた次のキャリアを自分のものにすることができれば、自分自身のキャリアがより強化され、将来なれる姿の選択肢を広げることができるはずです。
- 専門的なスキルが必要ない仕事では良いキャリアは積めませんか?
目に見える専門性だけが未来のキャリアにつながるわけではない
そもそも「専門的なスキルが必要ない仕事」というものは、私はほとんどないと考えています。
基本的なビジネスマナーや電話応対一つ取っても、人に教えられるようなプロとそうでない人との差はとても大きく、定型業務でも徹底的に突き詰めればプロの専門性を持った仕事になり得るのです。
つまり、資格や技術だけが専門性ではありません。
たとえば、新幹線の清掃をおこなっているTESSEIという会社を知っていますか?
働き手はパートタイムの高齢者が主力ですが、1車両をわずか7分間で清掃する様子は「新幹線劇場」「7-minutes miracle」として世界中から注目され、ハーバード大学の教材にもなりました。
身近な仕事や単純に見える仕事でも突き詰めれば奥の深い部分は必ずあり、徹底する力やマネジメントする力などは、十分専門性になり得るものなのです。
自分のキャリアについて考えている人のなかには、海外での仕事に興味がある人もいるのではないでしょうか。以下の記事では海外で働ける仕事についてキャリアコンサルタントが解説しているため、参考にしてみてくださいね。
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③就職エージェントやキャリアコンサルタントに相談してみる
なりたい姿が思い浮かばない、またそのせいでキャリア形成がうまくいかないときは、就職エージェントやキャリアコンサルタントに相談してみるのが効果的です。
キャリアコンサルタントや就職エージェントと聞くと、仕事を探すときに相談するイメージが強い人も多いのではないでしょうか。
しかし、今すぐ企業に応募するつもりがないとしても、キャリアの専門家に自分の今の状態やこれまでについて話してみることで、自分のキャリアについて客観的な視点でアドバイスをもらうことができます。
それにより、自分では気付かなかった強みや行動パターンなどがわかったり、今の自分が次にどんなことを目指せるのかが見えてきたりするでしょう。
ありたい自分や将来の目標が見つからない場合は、これまで歩んできた人生で得られた仕事経験や価値観をできる限り拾い上げる、「キャリアの棚卸し」をするのがおすすめです。
一貫性がまったくないキャリアはありません。過去から見えてくる将来は、必ずあるはずです。
選考時に役立つ! 自分のキャリアのアピールで人事を惹き付ける3つのコツ
選考時に役立つ! 自分のキャリアのアピールで人事を惹き付ける3つのコツ
企業は自社にマッチする人材を確保し、適切な人材配置をしなければいけないため、採用時にも応募者自身がどのようなキャリアを描いているのかを重視しています。
だからこそ、これから就職活動を控えている人は、選考で自分の今後のキャリアについて質問されたときにも答えられるようにしておきましょう。
最後は、自分のキャリアを明確にアピールして人事から高評価を得るための3つのコツを解説します。自分のキャリアをどのようにアウトプットすれば良いのかわからない人は、ぜひ参考にしてみてください。
①応募先の求める人物像に合ったなりたい姿や目標を伝える
先でも解説したとおり、企業が採用時に応募者のキャリアを重視する理由の一つは、自社とマッチしている人材かどうかを確かめるためです。
自分のこの先のキャリアを伝えるということは、今の自分はどんな人で、これからどんな人材になっていくのかを示すことであるため、企業が求めている人物像にマッチした人材になれることをアピールしましょう。
たとえば、企業が求める人物像が自立性や成長性のある人と仮定すると、そこから、その人物像にマッチする姿とは具体的にどんな働き方をする人なのか、どんなポジションにいる人のことなのかなどを考えてみましょう。
その結果「個人の業務をいち早く習得し、企業のより大きな施策のために尽力するチームリーダーになること」のように分析できたら、自分のビジョンの中から特にそれにマッチする目標を伝えます。それにより企業の求める人物像に則した人材だとアピールでき、高評価につなげられます。
将来像を企業とマッチさせるためには、企業の価値観やビジョンに対して自身の目標や志向性をリンクさせることが重要です。
たとえば、自己成長やチームへの貢献を強調し、企業の成長と共に自身も成長する意欲を示すなどです。
②自分の課題をこれから克服できるキャリアの一つとして伝える
キャリア形成をおこなううえで、なりたい姿や目指すべきキャリアの障害となる課題や悩みは誰しもあるものです。
しかしだからといって、苦手なことやできないことを避け続ける選択ばかりしていては、理想像に近づくことが難しくなります。それだけでなく、企業からも自分の課題や苦手を乗り越えて成長しようという意欲が弱いという印象を持たれかねません。
そのため将来像について答える際には、それを実現するうえでの課題や自分の短所などを、今後達成するキャリアの一つとしてポジティブに伝えましょう。
また課題や短所を具体的にどのように克服するのかも明確にすることで、壁にぶち当たってもそれを乗り越えようとする忍耐力や向上心をアピールすることができます。
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③なりたい姿を実現するために何をするかを具体的に伝える
企業に対して将来の自分のなりたい姿やキャリアプランを語るときに重要となるのが、再現性があるかどうかです。
たとえば皆さんが企業の採用担当者で、この先自社でともに働くかもしれない応募者から「私はいつか自社で年間1億円の売り上げを出せる営業パーソンになりたいです」と言われたと考えてみましょう。
1億円の売り上げを出す人材は自社にとって魅力的かもしれませんが、そのなりたい姿に対する具体的な行動や計画がわからなければ、本当に1億円を売り上げる人材に成長してくれるのか疑問を抱いてしまいますよね。
そのためキャリアプランを伝える際には、実現のために何をするのかまで示すことが重要です。将来のキャリアというのは自分で自由自在に変化させられるからこそ、大きな目標を定めることは問題ありません。
しかし、採用担当者などの第三者にも自分のこの先のキャリアプランを魅力的に伝えるには、なりたい姿を実現するための具体的な計画まで示して、将来像が実現可能なものであることをアピールすることが大切なのです。
具体的な計画まで示す例
私は、自社で年間1億円の売り上げを出せる営業パーソンになることが目標です。これまでIT系のベンチャーでオペレーターのインターンを2年間経験し、直近の半年は成績1位を獲得できています。
入社後は、目標に向かって泥臭く取り組む強みを活かし、まず今より金額の大きな営業に慣れ、単価アップの交渉にも挑戦したいと思います。2年以内に主要な顧客を任せてもらい、難しい契約も獲得できる営業パーソンになることが目標です。
面接でキャリアプランについて聞かれた際の答え方についてより詳しく知りたいという人は、以下の記事がおすすめです。就活のプロであるキャリアコンサルタントが、人事を惹き付けるキャリアプランの答え方を解説しています。
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キャリアとは変幻自在なものだからこそ自分の意思を明確にして築こう
キャリアという言葉は私たちの身の周りのさまざまな場面で使われ、特に仕事に関する場面ではキャリアについて考えることが求められています。そのため、その意味や必要性、自分のキャリアを考える方法なども理解しておくことが重要です。
キャリアは自分の歩んできた軌跡や経歴を意味しています。そしてキャリアというのは、「まだ自分のものではないキャリア」として皆さんの未来にも無数に広がっているのです。
先のことはわからない、選択肢が多すぎて迷ってしまう、と感じてしまう人もいるかもしれませんが、それは誰しも同じです。今の自分がこの先どんな選択をしたとしても、自分の後ろにはどんどんキャリアが作られていくわけなので、無駄になることはありません。
これからキャリアについて考えようとしている人は、このことをよく理解したうえでキャリア形成のやり方をマスターし、自分の人生をより良いものにする選択をしてくださいね。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るキャリアに良い悪いはなく自分らしさを表すもの
キャリアという言葉は幅広い意味を含んでいます。
本来、良いキャリアや悪いキャリアがあるわけではなく、キャリアの意味である「轍」や「足跡」には良いことも良くないこともありのままに含まれています。それが自分らしさであるということなのです。
私たちは過去の出来事を変えることはできないので、その足跡はそのまま残ります。しかし、これからどのような足跡を残したいのか? それがキャリアプランやキャリアビジョンというもので、これには決まった形はありません。
自分の意思や周囲の状況に合わせて自由に目指すべきキャリアを見つけよう
キャリアプランがわからないという人は、固定観念にとらわれているかもしれません。将来のことをどう描きたいかはあなたの自由なのです。
そもそも綿密にキャリアプランを練ってその通りに進む人生は面白くないうえに、逆に計画通りにいかないことが続けばそれも大変なストレスになるでしょう。
人との出会いや偶然によってもキャリアは変化し、予定通りにいかないこともまた多いため、その都度描き直しをしながら進み、意志を持って変化に対応できることが重要です。
キャリアをしっかり考えておくことは、その意思決定が高いレベルでできることにつながっています。
参考までに、有名な「スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチ」というものがありますが、これはまさにキャリアがテーマの話です。見たことがない人はぜひ検索して、この記事と併せてチェックしてみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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ジャーナリスト/キャリアコンサルタント
Kazuyoshi Konishi〇大手メディア政治記者を経て、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かし各メディアで幅広く記事を執筆。
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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