将来の不安を解消したい! 人生を豊かにするキャリア形成のコツ

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

    プロフィール詳細

先の見えない将来については、「何が正解なんだろう」「今のままで良いのかわからない」といった不安を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、そうした漠然とした不安を感じ続けていては、今の自分の人生すらも楽しむことができません。

こうした将来の不安は放置することなく、前向きに受け止めて解消に向けて動き出すことで、この先どんな将来を迎えることになったとしても自分なりに人生を切り拓いていけるでしょう。

この記事では、キャリアコンサルタントの木原さん、板谷さん、渡部さんとともに、将来の不安の種類や具体的な解消法について説明していきます。まだ具体的な行動に移せていない人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

将来に不安を感じるのは自然なことだからこそ先を見すえられる力を養うべし

誰しも不確定な要素である将来に対して不安に思うのは自然なことですが、将来を不安や心配といったネガティブな気持ちでとらえていては、有意義な未来を見出すことはできませんよね。

だからこそ先を見すえる力を養い、不確定な将来を自分なりに明確化させることが不安解消のカギとなるのです。

そこでまずは、将来の不安になり得る4つの要素について解説します。そもそも自分の感じている将来の不安が、どこからきているのかよくわからない人もいるかもしれません。まずはこの先取り除くべき不安の要素をはっきりさせておきましょう。

そのうえで、仕事における将来の不安の解消法の一つとなるキャリア形成のやり方について詳しく解説します。将来という規模の大きい不安は、どうやって対処すれば良いのか悩みますよね。だからこそ、ここでのステップをマスターして先を見すえる力を養いましょう。

最後はすぐにできる将来の不安の解消法についても紹介します。まずは自分にできることから始めてみようという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

将来に対して漠然とした不安を感じることは決して悪いことではありません。

不安を感じることによって、自分の課題や必要な行動が見えてくることもあります。

不安に対して前向きに取り組むことは、自己成長と充実感につながり、より明るい未来を築くための手助けになるはずですよ。

面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

そこで、活用したいのが無料の「面接回答例60選」です。この資料があれば、人気企業の面接でよく聞かれるような質問とその答え方60通りが一目でわかります。

どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!

あなたの不安の原因は? 将来の不安の4つの種類

あなたの不安の原因は? 将来の不安の4つの種類

将来の不安と一口に言っても、将来のどんなことに不安を感じるのかは人それぞれです。そのため、誰かにとってはあまり気にならないことでも、別の人にとっては将来の不安の種だったりするでしょう。

また前述のとおり、将来の不安というのは感じている本人にもなぜ不安なのか具体的にわかっていないこともあります。しかしそうした場合であっても、自分自身の気持ちを振り返ることで、自分にとって不安要素が明確になり、解消の糸口を見つけることができるのです。

ここからは、4つの将来の不安について解説していきます。それぞれの不安の具体的な内容を参考に、自分がどのような不安を将来に感じているのか言語化してみてくださいね。

①お金の不安

お金に関する将来の不安の例

  1. 生活費の苦しさから脱却できないのではないか不安
  2. 給与がなかなか上がらなくて心配
  3. この先の長い人生で必要なまとまった金額のことが不安

お金は、長い人生の中でも常に必要になるものであり、またどれだけあっても困ることはありません。

とはいえ、お金は必要なときにすぐに際限なく用意できるものでもなく、日々生きていく中で目に見えてなくなる支出のことを考えると、「この先の将来、お金が足りなくならないだろか」と不安につながってしまいますよね。

しかし、お金に関する不安が漠然としたまま、将来にまで不安を伝染させてしまうと、必要以上に大きな不安や悩みに発展しかねないため、お金に対してどんな不安を感じているかここで明確にしておきましょう

ここからは上記のような3つのお金にまつわる不安について具体的に解説するため、自分の不安と照らし合わせてみてくださいね。

生活費の苦しさから脱却できないのではないか不安

お金の種類の中でも、「生活にかかるお金が最も不安の種かも……」という人は多いのではないでしょうか。

たしかに人は毎日生きていくだけで、食費や光熱費など身の回りのさまざまなことにお金がかかります。こうした生活になくてはならないお金というのは、なかなか削れるものではありません。

また、身の回りのものやサービスなどにかかるお金というのは、景気変動の影響も受けやすいため、経済状況によって自分たちの生活にかかわる金銭状況も変動する、といった不安もあるでしょう。

このように、日々の生活に関するお金の心配は、私たちが生きている限り続いていくことであるため「このままの状態がこの先も続くのでは……?」といった将来の不安につながってしまうのです

給与がなかなか上がらなくて心配

先で解説した生活にかかるお金、それをまかなうための最も大きな収入源は、仕事をすることで得られる給与です。そのため給与に対する不満や心配は、自身のこれからの生活や人生の問題に直結してしまうため、将来の不安の理由の一つになりやすいと言えます。

そして給与というのは、自分で上げようと思って上げられるものではありません。仕事を頑張って実績や結果を残したり、会社から評価してもらったりして初めて昇給できるのです。

自分でコントロールできない要素だからこそ、毎日の仕事の中で給与が上がっているかどうか実感できる人も少ないのではないでしょうか。

このように、給与は、人生において必要不可欠なものであるにもかかわらず、昇給できるかどうかが不確定なことによって「なかなか給与が上がらない……このままで大丈夫なのだろうか」といった将来の不安の要素の一つになっていると言えるでしょう

この先の長い人生で必要なまとまった金額のことが不安

お金は日常生活の中でも必要なものですが、病気やケガ、引っ越しなど、人生のさまざまな出来事によっては、一度にまとまった金額が必要になりますよね。

しかし、お金は必要になったときにすぐに大量に調達するのは難しいものです。仮に借金などで調達できたとしても、その後は返済に追われることになります。だからこそ、貯金や資産運用などで将来必要になったときのためのお金を貯めておかなければいけません

とはいえ、給与が低かったり、日々の生活で精一杯だったりといった理由でなかなかお金が増やせない人にとっては、この先の人生でまとまったお金が必要になったときのことを考えると、大きな不安や心配につながってしまいます。

板谷 侑香里

プロフィール

お金に関する将来の不安の例として、中年の年代になってからまとまった金額が必要になったことで不安を感じキャリア相談に来た人がいました。

また、仕事の環境が変わって収入が減ってしまい、転職や副業をしたいという相談もあります。そうした場合は収入は十分にあっても貯金の習慣のない人が多いです。

ほかにも、自分の学びのために投資としてお金を使ったものの想定していたようなキャリアアップができなかった、といった相談などもあります。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

②仕事の不安

仕事に関する将来の不安の例

  1. 仕事で実績を出したりキャリアアップしたりできるか不安
  2. 今の仕事を続けていても良いのか不安

仕事というのは、一日の中でも多くの時間を占めているため、少しでも仕事で不安な要素があると、一日仕事をしている間ずっと不安を抱えて働くことになります。

皆さんの中には、そうした日々の仕事の些細な不安が積み重なり、やがて将来の仕事に関する不安にまで大きくなってしまったという人も多いのではないでしょうか。

しかし、仕事はこれからの人生でも長く続いていくものであるため、そうした不安に駆られる瞬間を放置するのではなく、どんなことが将来の仕事の不安に発展しているのかを明確にし、解決の糸口を見つける必要があります

そこでここからは、上記のような仕事に関する将来の不安について詳しく説明するため、今の仕事やこれからの自分の仕事人生に不安がある人は、参考にして、自分の不安の原因を見つけてみましょう。

仕事で実績を出したりキャリアアップしたりできるか不安

年収や仕事におけるキャリアによって将来を安定させるためには、働くうえで実績を残したり、より上を目指してキャリアアップしたりする必要があります。しかし、具体的にどのような働き方をすれば、より良い仕事人生を送れるのかイメージできない人は多いのではないでしょうか。

また仕事にはさまざまな種類があり、そのそれぞれで求められる能力やその後のキャリアが異なるため、自分の適性や将来の希望に沿った仕事でなければ実績を残したり、理想のキャリアステップを踏んだりすることができません。

このような「どうすれば仕事で成果を出したりキャリアアップできるのか」といったことのほかにも、「そもそもこの仕事が本当に自分に合っているのか」といった点も将来の不安になり得ると言えるでしょう。

今の仕事を続けていても良いのか不安

仕事にはさまざまな業界や業種などがあり、それぞれで求められるニーズや顧客が異なります。業界や業種として需要や将来性が高い仕事であれば、安定して働き続けることができるでしょう。

逆に、社会的な需要が低い、将来性が見込めないといった仕事では、そこで頑張って働いたとしても自分の将来を安定させることが難しい可能性があります。

特にAI(人工知能)などのコンピュータ技術の発展により、今後将来性が低くなる、つまりは人の手が必要なくなる仕事も出てくるかもしれません。

このように、この先の長い仕事人生の中でその仕事が今後も安定して稼げるものなのかどうかが不確定なことにより、「今の仕事を続けて良いのか」という将来の仕事への不安につながってしまうのです

将来の不安の種になりやすい仕事にはどのようなものがありますか?

渡部 俊和

プロフィール

需要が低く自己成長も見込めない仕事は将来の不安要素になる

続けても成長が感じられない仕事や、スキルアップにつながらない仕事、自信や達成感の得られない仕事などは将来の不安要素になりやすいですね。

たとえば難易度が低い仕事や、人の手があまり要らない機械化、自動化された仕事など、必ずしも自分がそれをやらなくても済む、言わば「代わりが利く」仕事がそれに該当します。

目先のことだけなら、それで給料を得られれば良いと思うかもしれません。

しかし長い目で見ると、自分が必要とされない仕事は、いつその仕事が自分のものでなくなるかわからず、環境の変化の影響を受けやすいと言えるでしょう。

また、自分自身の承認欲求も満たされることがないため、あらゆる面で将来の不安の種になってしまうのです。

誰しも「良い仕事」に就きたいと思うものですが、具体的な見つけ方がわからないという人は多いのではないでしょうか。以下の記事では自分にとって良い仕事を見つけるコツをキャリアコンサルタントが解説しています。

関連記事

良い仕事とは? 自分に合う働き方や会社が必ず見つかる3ステップ

良い仕事とは何でしょうか。人によって良いと思える仕事はさまざまであり、自分に合う仕事を見極めることが大切です。この記事では、キャリアコンサルタントと、自分にとっての良い仕事を見つける方法を解説します。

記事を読む

良い仕事とは? 自分に合う働き方や会社が必ず見つかる3ステップ

今の仕事を続けて良いのか不安な人には以下の記事もおすすめです。就職相談を数多く受けてきたキャリアコンサルタントが10年後もなくならない仕事について徹底解説しています。

関連記事

10年後もなくならない仕事8選! 就活のプロがその理由も徹底解説

IT技術やAIが発達する現代でも、将来なくならない仕事はあります。そして、なくならない仕事にはある共通点が。この記事ではキャリアのプロが社会を生き抜く方法を伝授します。

記事を読む

10年後もなくならない仕事8選! 就活のプロがその理由も徹底解説

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。

無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。

自分の長所を分析するなら「自己分析ツール」がオススメ
診断スタート(無料)

こんな人に「自己分析ツール」はおすすめ!
・自分の強み・弱みが分からない人
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人

③人間関係の不安

人間関係に関する将来の不安の例

  1. 気の許せる友達がいなくて不安
  2. 上司や部下とうまくやっていけるか不安

人は日々多くの人とかかわり合って生きていて、一人で生きていくことはできません。そのため、今の仕事や私生活で良い関係を築けていない人や、人とかかわることに苦手意識がある人の中には「この先も周囲とうまくやっていけるのか」という将来の不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

こうした人間関係の悩みは、深刻化すると孤独感を感じやすくなったり、それによって精神的にも不安定になったりしてしまう可能性があるため、自分の不安に目を背けず、まずはその不安と向き合っていきましょう

ここからは、上記のような人間関係に関する将来の不安について解説するため、皆さん自身の人間関係はどんな部分に不安要素があるのか、ぜひ照らし合わせてみてください。

気の許せる友達がいなくて不安

人生では良いことばかり起こるわけではありませんが、たとえ嫌なことがあったとしても気心の知れた友人や家族がいることで、気持ちが前向きになったり、安心できたりしますよね。

しかし、人はそれぞれで価値観や性格が違うため、友人や家族であってもなかなか本音を言えないこともあるでしょう。自分の心を完全には見せられない相手とのかかわりでは気を遣うなど、ストレスになり得ます

だからこそ、気の許せる人がいないという現状は、この先も続く人とのかかわりへの不安になってしまうと言えるでしょう。

上司や部下とうまくやっていけるか心配

人は社会人になると寝ている時間以外の多くを働いて過ごすことになるため、仕事における人間関係は、人生の人とのかかわりの中でも重要な要素の一つです。仕事での人間関係が良好であれば、働きやすい環境を作ることができるため、仕事そのもののパフォーマンスを向上させることにもつながるでしょう。

とはいえ、仕事では上司や部下といった上下関係が存在するうえに、最近ではさまざまなハラスメントなどへも社会的に問題意識が強まっています。

こうした職場の人間関係におけるさまざまな障害は、「上司の顔色を伺って仕事をしなければいけないのだろうか」「部下に気持ちよく働いてもらうためにどんなコミュニケーションを取れば良いのかわからない」といった人間関係に関する将来の不安になり得るのです

仕事での人間関係なども含め、仕事がうまくいかないと悩んでいる人は以下の記事もおすすめです。仕事におけるさまざまな悩みやストレスで疲弊した心を軽くする方法を、キャリアコンサルタントが解説しています。

関連記事

仕事がうまくいかないあなたに|状況別の対策と心を休めるコツを解説

「仕事がうまくいかない」と悩む人は多いものです。この記事ではキャリアアドバイザーがうまくいかないときの対処法とメンタルを保つコツを解説します。解決できないときの選択肢や注意点も紹介するので、一緒につらい状況を乗り越えましょう。

記事を読む

仕事がうまくいかないあなたに|状況別の対策と心を休めるコツを解説

職場の人間関係で悩んでいる人は多いと思います。こちらの記事では5つの対処法とストレスを感じないための予防策をまとめているので参考にしてみてください。

関連記事

職場の人間関係にもう悩まない! 5つの対処法と楽になる心得を解説

この記事では職場の人間関係に悩む人へ向けて、起こりやすいトラブルとそれを乗り越えるための対処法を5つの糸口からキャリアコンサルタントとともに解説します。ストレスや疲れを癒すための具体策も紹介しているので、ストレスなく活き活きと働くための参考にしてください。

記事を読む

職場の人間関係にもう悩まない! 5つの対処法と楽になる心得を解説

④ライフイベントへの不安

ライフイベントに関する将来の不安の例

  1. 結婚できないと将来一人になるので不安
  2. 子どもを持ってきちんと育てられるか不安

私たちはただ同じような毎日を送っているわけではなく、就職や結婚、出産など自分の生活がガラッと変わる出来事が起こることがあります。そうしたライフイベントこそ、その先どうなっていくのかがわからず、不安に感じる人は多いのではないでしょうか。

また、こうしたライフイベントは周囲の人の人生にも起きているため、ほかの人の失敗や良くない結末などを見聞きすることで、自分自身がまだその状況になっていなくても不安につながりやすいと言えます

しかし、長い人生の中のさまざまなタイミングで起こり得るライフイベントに対して、逐一不安を感じてしまっていては、有意義な人生を送れているとは言えませんよね。

そこでここからは、ライフイベントにおける将来の不安について解説していくため、ぜひ参考にして、自分がこの先の人生の何に不安を感じているのかしっかり言語化してみましょう。

結婚できないと将来一人になるので不安

結婚はライフイベントの中でも最も一般的な出来事であり、結婚を人生の目標の一つとしている人も多いのではないでしょうか。しかし結婚は、生涯をともにするパートナーを選ぶわけなので、誰でも良いというわけにはいきません。

だからこそ、良い出会いがなかったり、タイミングが合わなかったりなど結婚のハードルは低くないと言えるでしょう。

とはいえ近年では多くの人の結婚観も変化し、必ずしも結婚することだけが幸せではない、といった風潮もあります。しかし、リブセンスが2022年に20〜30代の男女におこなった結婚観のアンケート調査によると、約3分の2の男女が「いずれ結婚するつもり」と回答していて、いまだに多くの人が結婚という選択を希望しているのです。

こうした世間の風潮を敏感に感じてしまう人にとっては、結婚というライフイベントも「自分だけ結婚できなかったらどうしよう」「老後に一人になったらどうしよう」といった将来の不安につながってしまうでしょう

子どもを持ってきちんと育てられるか心配

仕事や結婚などと合わせて人生の大きなテーマとなり得るのは子育てです。しかし、子どもを育てるというのは、経済的、体力的にも負担の大きいイベントであり、大きな責任が求められます。

また、近年では携帯電話の普及によりいつでもSNSなどで見知らぬ人とつながれる世の中になったことで、親の知らないところで未成年者が事件やトラブルに巻き込まれるケースも増えているため、ひと昔前よりも子育てが難しくなっているとも言えるでしょう。

こうした子育てに関する難易度の高さや責任の重さ、そのほか子育てにかかる費用などへの心配が、この先の人生や将来への不安につながっているのです

将来に不安を感じるのは、「不確実性と変化に対する懸念」が原因だと言えます。予測できない未来に対する不安は、霧に覆われた道を進むようなものです。

霧がかかると、道の先が見えなくなり、どこに進んでいるのかわからず、不安や心配が生じますよね。

しかし霧がかかっているからといって立ち止まるのではなく、適切な準備と対応をすることで、少しずつ前進でき、やがて霧が晴れて道が見えてくるものですよ。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

圧倒的に多い将来の不安とは? 数多の相談を受けたキャリアコンサルタントが紹介

ここまでは、将来の不安のおもな4つの種類について解説してきましたが、実際に多くの人が感じている不安とはどのようなものなのか、気になる人もいるのではないでしょうか

そこでここからは、多くの人の人生や仕事と向き合い、相談に乗ってきたキャリアコンサルタントの板谷さんに、将来の不安の実態について解説してもらうため、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アドバイザーコメント

周囲と自分自身を比較してしまうことによる不安が多い

実際によく見られる将来の不安としては、好きで選んだ仕事でも業界全体の賃金が低く、将来的にも昇給の見込みがないことからくるものや、そこから同年代との経済格差を感じたことがきっかけとなる場合が多いですね。

実家を離れて一人暮らしする、結婚するといったライフイベントを達成するためにも、給料の高い仕事への転職を検討したい、という人も多くいました。

また、収入を増やすためにリモートワークで副業可能な職業に転職し、正社員としての仕事に加え、副業に力を入れていきたいという人などからの相談も多いです。

シングルマザーの人の相談では、自分の身に何かあったときの不安感や、子供との時間を作ることと収入を得ることを両立させる難しさなどに対して不安の声を多く聞きました。

SNSの普及や核家族化により「自己責任」への意識も強まっている

こうした不安の数々は、SNSなどの普及により、多くの人の暮らしぶりや経済状況が見えやすくなっていることで、無意識のうちに自分の状況を人と比較してしまっているからだと思いますね。

核家族化が進むとともに「自己責任」が叫ばれる環境の中で、親や親戚、近所の人などに頼ることが難しくなってきていることも、強い不安が湧いてくる一つの要因になっていると言えるでしょう。

いざ、自分の弱さを認めて、周りの人に頼ろうとしても、それぞれの人が生きるのに精一杯で、お願いを受け入れる余力や余白もなくなってきてしまっているのではないかと、私は思います。

将来への視野が広がる! 仕事人生の不安を取り除くために重要なのはキャリア形成

キャリア形成とは

一つの仕事においてどのように昇給や昇格をしていくか(キャリアパス)や、転職なども含めた仕事人生全般の具体的な計画(キャリアプラン)を考えること。または考えたことを実行する行動そのもののこと。

ここまで、将来に関するさまざまな不安について解説してきましたが、そもそも将来というのは誰にも明言することができない不確かなものであり、わからないことに対して不安に思うのはごく自然なことなのです。

しかしだからといって、先のことで不安になってばかりでは今の自分の人生を有意義に過ごすことはできません。

そのため、将来の不安はしっかり受け止めつつも、自分なりに先を見すえる、つまりはキャリア形成をおこなうことが大切です。特に仕事においては、この先自分がどんな社会人になりたいかを明確にしてその筋道を見出すことで、将来の不安を軽減し、前向きな気持ちで社会人生活を送ることができます

もし今皆さんが、将来の不安によって今の人生まで有意義なものにできていないのだとしたら、ここから先の解説をぜひ参考にしてみてくださいね。

渡部 俊和

プロフィール

自分の意思で選択、行動ができることを「自律」と言いますが、キャリア形成がきちんとできる人は、こうした自律性がそなわっていることで将来の不安にも対処できるのです。

キャリアの自律性が高い人ほど、仕事の満足度も高められるため、会社という組織にとってもメリットにもなります。

キャリアビジョンという言葉についてもっと詳しく知りたい、という人は以下の記事がおすすめです。多くの人のキャリアと向き合ってきた専門家がキャリアビジョンの描き方を解説しています。

関連記事

キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

キャリアビジョンは自分らしく就活を進めるために考えておく必要があります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、キャリアビジョンの意味や必要性を解説します。また、キャリアビジョンの描き方や企業への回答方法も説明するので役立ててください。

記事を読む

キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

具体的に何をするの? 将来の不安を軽減するキャリア形成3ステップ

将来の不安を軽減するキャリア形成の3つの手順

先でも解説したとおり、仕事に関する将来の不安はキャリア形成で自分の社会人人生を見すえることで解消できます。とはいえ、キャリア形成の具体的なやり方がよくわからない、という人もいるのではないでしょうか。

ここからはキャリア形成のやり方を3つの手順で解説していきます。ここでのやり方を参考に先を見すえる力を養って、この先の仕事人生を明るいものにしていきましょう。

①将来の不安が解消された理想像を明確にする

将来の不安というのは仕事の中だけでも一つとは限りませんよね。しかし、そうした不安の原因がどこからきているのかがわからないままでは、具体的な対処ができません。

だからこそキャリア形成ではまず、仕事における不安が解消された状態がどういう状態なのかを明確にすることがポイントです

たとえば仕事における不安が、成果を残したりキャリアアップしたりできるかどうか、というものだったとします。そこから、その不安が解消された状態、つまりは仕事で成果を出しキャリアアップも予定どおりできている状態を具体的にイメージしてみましょう。

仕事の将来の不安が解消されるとはどういう状態か、今の自分のポジションからこの先なりたいポジションはどこか、などを考えると「10年以内にチームを束ねる管理職になりキャリアを安定させること」といった、仕事における将来の不安が解消された理想像が見えてきます。

仕事における自分の理想像がゼロからイメージできない人は、身近にいる職場の上司や先輩など、自分の経歴の先を行く人をロールモデルにしてみたり、その人はどんな姿を理想としているのか話を聞いてみたりすると良いでしょう。

仕事での将来像はどういった切り口で見つければ良いですか?

自分の状況や価値観をもとにさまざまな切り口で考えよう

仕事での将来像を描くには、多様な切り口で考えることが重要です。

具体的には、自分の興味や仕事の内容、今の仕事の改善といった切り口や、市場の需要、ワークライフバランス、ライフステージなどがあります。

ほかにも、仕事の社会的意義や、今の仕事でのスキルアップ、成長機会などから考えるのもおすすめです。

今の状況や自分の価値観に合わせてこれらの視点を組み合わせ、自分なりのキャリアパスを見つけることができれば、より充実した仕事人生を築くことができますよ。

②理想の将来像を実現するための具体的なプランやゴールを設定する

仕事において自分のなりたい目標が定まったら、今度はその姿を実現するためにどんな工程やステップが必要なのかを具体的に設定していきましょう。

仕事での目標として「10年以内に管理職クラスまで昇格しキャリアを安定させること」というのがあったとして、今の自分の立場から管理職になるために足りていないスキルは何か、どんな仕事を経験する必要があるかなどを考えます

そうすると、管理職クラスになるためには「3年以内に自分のスキルがチームや社内で認められる」「5年で社員を統率するマネジメントスキルを高める」といったことが必要な工程やプランの一つとして見えてくるでしょう。

やりたいことがわからない人は以下の記事も要チェックです。就活のプロであるキャリアコンサルタントが自分の隠れた特性や興味を見つける秘訣を解説しています。

関連記事

やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動

やりたいことがわからないと悩む人は多くいます。その原因は8つ。それぞれの原因を見つめつつ、やりたいことが必ず見つかる12の方法をキャリアコンサルタントと解説します。やりたいことがわからず将来に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

記事を読む

やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動

③プランに対して自分が今すべきことを考える

仕事において目指すべき形とその前のステップや必要事項などまで見えてきたら、あとはそれを踏まえて今自分がすべきことが何かを考え、行動に移すのみです。

この時、ゴールとして定めた自分の理想像は一つだったとしても、それに向かうプランの道筋は一つとは限りません。だからこそ、今の自分のスキルやキャリアなどと照らし合わせ、それぞれ必要な工程に優先順位を付けて実行することが大切です

たとえば、将来管理職になるためには「チーム内で自分のスキルが認められること」「チームを束ねて成果を出すこと」などが必要な工程としてあるとします。

そこから各工程に優先順位を付けると、前者の「自分のスキルがチーム内で評価される」という工程がなければ、後者の「チームを束ねる人材」を目指すのは難しいでしょう。そのため、まずは前者の工程である「3年以内に社内で評価される」ために「今の業務品質を高める」ことが今すべきことと言えるでしょう。

このように、将来を見すえてそこから逆算して今を考えることで、今の自分の状態や行動に自信を持つことができ、将来への漠然とした不安を取り除くことができますよ。

将来像と今の自分がかけ離れすぎて逆に気分が沈んでしまいます……。

板谷 侑香里

プロフィール

将来の自分に「なったつもり」で意識から変えてみよう

将来像と今の自分がかけ離れすぎているんですね。それだけ、壮大な将来像が定まっているのは素敵なことだと思いますよ。

私は企業に勤めていた頃に「理不尽な組織で不満もあるでしょう。でもね、悔しかったら早く偉くなりなさい。社内のルールを変えられる立場になれば、できることも増えるから。私も応援するよ。」という言葉を上司からもらったことがあります。

すぐに役職が上がるわけではないですが、その頃から、上司や上層部の役職の視点で物事を考えるように意識しました。立場はその人自身を創ります。

想像やごっこ遊びでも、その中で五感で感じたものは本物なのです。私は住みたい街に頻繫に足を運んで、その街に住んでいる未来を想像してみたこともあります。

将来像の自分にまずは「なったつもり」であり方を変えていくだけでも、内面から変化していくかもしれません。ぜひ、今を楽しみながら取り組んでみてくださいね。

キャリア形成のやり方についてもっと知りたい、という人は以下の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

関連記事

キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう

キャリア形成とは、職業における人生設計をおこない、必要なスキルを身に付けていくことです。満足のいく社会人生活を送るためのキャリア形成の方法を、キャリアコンサルタントと解説します。4ステップで誰でもしっかりと考えることができますよ。

記事を読む

キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう

キャリアコンサルタント直伝! 明るい将来を見出すキャリア形成のコツ

仕事に関する将来の不安を解消する方法としてキャリア形成のやり方を説明してきましたが、より良い将来の道を見つけるためにはどうすれば良いのか、よくわからないという人もいるかもしれません。

そこでここからは、社会人としてさまざまな経験を積んだのち、キャリアコンサルタントとして多くの人の人生と向き合っている渡部さんに、自分の人生にプラスになるキャリアを見出すコツを解説してもらいます

キャリア形成でただ不安を取り除くだけではなく、より明るい将来を見つけていきたいという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

アドバイザーコメント

計画通りにいかないことからも経験や知恵をものにすることが大切

どんな人であっても、初めから理想の仕事に就いて計画通りにキャリアが築かれていくということはまずあり得ません。

そのため、たとえ計画通りにいかなかったとしても、そこから何か自分のためになる経験や知恵を持ち帰ることが、人生にプラスをもたらすコツなのではないかと思います。

たとえ最初に思い描いたキャリアと違ってもそれまでの経験は無駄ではない

今は起業して人事系の仕事をしている私ですが、会社員の頃は30歳まで商品の仕入れや海外での自社開発品の生産をしていて、いずれは商品開発のプロになるつもりいました。しかし30歳で人事部に突然異動になったことで、進む方向が変わってきたのです。

それまで売り上げや利益に直結する仕事をしていたので、当初はやりがいを見失った感じもしたのですが、たとえば採用の場面では、応募者に商品開発の詳しい話やリアルな数字の話ができることのメリットも感じることがありました。

また、それまで取引していた一流商社マンの仕事ぶりに刺激を受けていたので、たとえどんな仕事をすることになってもプロ意識を持って取り組めたように思います。

そして、想定外のことでしたが、今でも商社やメーカー向けのコンサル、研修をする場面では、若い頃の経験や知識が活かせることも結構あるのです。

キャリアの専門家3人に聞いてみた! 将来に不安を感じたときにしていることとは

ここまでは、将来の不安を解消するキャリア形成のやり方ついて解説してきましたが、ほかの人がどのように不安を乗り越えてきたのかについて話を聞いてみることも、自分の不安を取り除くヒントとして役立ちます。

そのためここからは、就職や転職などさまざまな仕事に関する相談を請け負ってきたキャリアコンサルタント3名に、将来の不安を感じたときにどのように不安を解消してきたのかアドバイスしてもらいます。

キャリアコンサルタントの皆さんの解説を参考に、自分だけの将来を見出すヒントを見つけてみてくださいね。

人々が豊かに生きられる社会を目指してキャリア支援をおこなう木原さんの場合

木原さんは、放送や行政、人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持ったことで、キャリアコンサルタントの資格を取得。その後は一人ひとりが楽しんで人生を送れる社会を作ることを目標に、日々カウンセリングや研修などに精力的に取り組んでいます

そんな木原さんの、将来の不安に打ち勝つ術とは何か聞いてみました。

アドバイザーコメント

不安を感じたときは周りに頼りながら行動に移すことが大切

私はもともと勤めていた会社が倒産した経験があったり、ライフイベントとの兼ね合いで転職も多かったため、キャリアに対してコンプレックスを抱えていました。

振り返ってみてもまったく思い描いていなかった人生を歩んできたと思いますね。しかし何一つ無駄な経験はなく、すべてが今の私のキャリアにつながっていると感じています。

ある程度楽観的に変化を楽しみながらキャリア形成をしよう

私が将来に対して不安を感じたときに大切にしていたことは、「とにかく動くこと」と「人に頼ること」でした。思いがけずキャリアコンサルタントとして独立することになった際、「一人で本当にやっていけるのかな」「仕事がなかったらどうしよう」など不安な気持ちでいっぱいでした。

しかし、じっとしていても不安が消えてなくなるわけではありません。とにかく本をたくさん読んだり、ネットで情報を調べたり、いろいろ人に話を聞いたりもしました。

そうすると、だんだんやるべきことが見えてきて、次第に「なんとかなりそうだ」という気持ちになっていたのです。

そして実際、今こうしてなんとかなっているので、キャリア形成にはある程度の楽観性と、変化を楽しむ気持ちも必要ではないかと思います。

幅広い年代の人のキャリアをサポートしてきた板谷さんの場合

板谷さんは、未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代の将来を共に考え支援するキャリアコンサルタントです。企業への就職だけでなく、起業や副業など幅広いキャリアの形成をサポートし、一人ひとりに寄り添ったユニークな生き方を提案しています

ここからは板谷さん流の将来の不安の解消ポイントについて見ていきましょう。

アドバイザーコメント

将来の不安は常に感じるものだからこそ無理に解消する必要はない

私は将来に対して不安を感じた時、「こうした不安は勝手に湧いてくるもので、一生の付き合いになるかもしれないな。」と思いました。

不安をかき消そうと思っても、湧いてくるのであれば、そのままでも良いと思っています。不安という気持ちは目には見えません。見えない「不安」という気持ちに振り回されて、自分がやりたいと思っていることを諦めるのは悔しく、残念なことだと思います。

そのため、私は「不安はある」ということを認めながらも、行動を積み重ねていきました。感情と行動を切り分けて取り組むという手法ですね。

不安はあると認めたうえで今の自分を肯定しながら進んでみよう

次に声のトーンと姿勢を意識します。不安なときほど声のトーンが暗かったり、姿勢が猫背気味になってしまっているものです。意識して声のトーンを上げて、姿勢を正すだけで自信のある「見かけ」が完成します。

自信のある見かけで、ゆっくりと丁寧に言葉を発していく。それだけで、不安は減っていくのではないでしょうか。自分の発する言葉は自分で選ぶことができます。

「不安に殺されることなんてないので、大丈夫。これで良かったと思える結果を積み重ねていこう。」と自分に声をかけ、目の前の行動を一つひとつ丁寧におこなうことを心掛けています。

人事として従業員の多様なキャリアを支援してきた渡部さんの場合

渡部さんは会社員時代は人事部に所属し、キャリアコンサルタントとして独立後は大学での就職支援に加えて企業アドバイザーとしても活躍。採用側から媒体、応募者まですべての立場の就職にかかわり、延べ3万人以上のコンサルティングをおこなっているキャリアのスペシャリストです

多くの人の仕事のキャリアを見てきた渡部さん自身の、将来の不安との向き合い方について聞いてみました。

アドバイザーコメント

周囲と違う角度でキャリアアップしてみるのも不安解消の一つの手

仕事において大きな節目は就職、異動、昇進、退職の4つくらいあると考えられますが、これは、経験のないことをやらねばならないときや、環境が大きく変わる瞬間でもあるわけです。

不安が起きるのはこの節目の前後ではないかと思います。私の場合は人がやっていないことや、人と違うことに取り組んで乗り越えてきましたね。

売上不振の店の立て直しを命じられたときは、値下げと広告ばかりしているほかの店長を尻目に市場の把握に努め、地域の経済白書を読みふけって競合調査ばかりしていたことを覚えています。

仕入れの担当者になったときも、すべての商品の土台になる素材特性の専門書を読んだりして、社内で誰もかなわない自分の専門性を確立することを不安解消の切り口にしようとしていました。自費で取得した社内第1号の資格もいくつかあります。

今までできなかったことをできるようにすることで気持ちを安定させよう

この私の考え方や行動特性は、専門性やスキルアップに偏る傾向があるかもしれません。

しかしできなかったことができるようになれば、その分周りや会社に依存することなく選択肢を増やすことができるため精神的にとても安定できるのです。

こうしたことは多かれ少なかれその後の役に立ってきましたし、起業した今でもそれで活動できている分野もあるため、参考にしてみてください。

不安の放置はNG! 将来の不安を抱え続ける3つのデメリット

不安の放置はNG! 将来の不安を抱え続ける3つのデメリット

  • 自分の行動や決断に自信が持てない
  • 新しいことに挑戦する意欲が低くなる
  • 精神的に不安定になりやすくなる

先でも解説したとおり、先を見すえる力を養うことで今に自信を持つことができるため、今の延長である将来への不安を軽減できます。とはいえ、人によっては将来に対していくつもの不安を抱えていたり、より深刻に悩んでいたりして、なかなか解消に向けて動き出せない人もいるかもしれません。

しかし、何も行動を起こせないままでは現状を好転させられず、むしろ将来の不安を放置していることで、不安が現実のものになってしまうこともありえるのです。

そこでここからは、将来の不安を放置することのデメリットについても解説していきます。不安を放置することが、この先の自分にどんな悪影響があるのかを理解して、行動に移すきっかけにしていきましょう。

①自分の行動や決断に自信が持てない

将来の不安には、病気や結婚などのようなこの先起こり得る出来事そのものに対する不安のパターンのほかに、「今のままで良いのか」といった現在の延長線上の将来の状態を不安に思うパターンがあります。

後者のような不安の場合は、将来だけでなく今のことに対してもネガティブな気持ちを持ってしまっているため、今の自分の行動や決断にも自信を持つことができません。

また、自信を持てないまま行動や決断をしてしまうことで、その結果が思うようなものでなかったときに「あのときあんなふうに行動しなければ良かった」「あの判断は間違いだった」のように過去に対する後悔の念も大きくなってしまうでしょう

自分の行動や決断に自信が持てないでいると、失敗した際に過去の判断を後悔しがちです。そうすると次の決断に対する恐怖心が増し、リスクを避ける傾向が強まります。

その結果、キャリアの停滞や成長機会の喪失、さらには自己効力感や職場でのパフォーマンスの低下にもつながってしまうでしょう。

こういった悪循環は、長期的にキャリアの発展を阻害する要因になり得るため、納得感を持った行動を取ることが重要なのです。

②新しいことに挑戦する意欲が低くなる

繰り返しになりますが、将来に対して不安があり、それを解消する明確な方法がわかっていない場合、自信を持って決断したり行動したりできなくなってしまいます。そんなときに多くの人が取ってしまうのが「現状維持」や「何もしない」といった選択です。

将来の不安を感じている人は、不安を解消するために行動したくても、その行動が失敗してしまったときのことを心配し、「やっぱり何もしない方がマシかもしれない」と新しいことに挑戦する意欲が低くなっている人もいるかもしれません。

しかし挑戦を避け、現状維持で今を何も変えることができなければ、今感じている不安もそのままなので、ずっと不安を抱えながら過ごすことになり、場合によっては時間の経過とともに不安がより大きくなってしまう可能性もあります

③精神的に不安定になりやすくなる

将来のことにかかわらず、悩みや不安がある状態はどんな人にとってもストレスと言えます。だからこそ、将来の不安を放置して生活をすることは、ストレスを蓄積させ精神的にも不安定になりやすくなってしまうのです

将来に不安を感じている人の中には、そうでない人を見たときに、自分の状態と比較してしまい、余計にネガティブになってしまったことがある人もいるのではないでしょうか。

不安を放置するということは、常に不安を増幅してしまう可能性があるということなので、精神を安定させ、穏やかに生活を送ることが難しくなってしまうかもしれません。

板谷 侑香里

プロフィール

将来の不安を放置してこじらせてしまうと、周囲の人を妬ましく思うことから自己嫌悪に陥ってしまいます。

また、自分の近況を報告したくないという思いから、自ら人間関係を疎遠にしてしまうといった悪循環にもつながりかねません。

なりたい姿が見出せないときは? すぐできる将来の不安の解消法3選

なりたい姿が見出せないときは? すぐできる将来の不安の解消法3選

  • 貯金や資産運用などでお金を貯める
  • 今の自分のスキルをアップさせることに集中してみる
  • 周囲の人に不安を相談してみる

ここまでの解説で、将来の不安の解消にはまず自分のなりたい将来像を明確にイメージすることが大切だと説明しましたが、「そもそもなりたい姿がイメージできない」という人も多いのではないでしょうか。

そこで最後は、具体的な将来像がまだ思い浮かばないときにすぐに始められる将来の不安の解消法を3つ紹介します。具体的に将来をイメージできない人は参考にして、今ある不安を少しでも軽減してくださいね。

①貯金や資産運用などでお金を貯める

お金というのは生きている限り常に必要になり、さまざまなライフイベントの中でもお金は深く関係しています。

しかし今の経済状況では、将来仕事をリタイアした後や、ライフイベント、もしものときなどに必要になるお金まで稼ぐことが難しい仕事も多いです。

だからこそ、備えあれば患いなしの心構えで今のうちから貯金や資産運用などでかしこくお金をやり繰りできる力をつけておくことで、どんなときでも焦ることなく対処できるでしょう

具体的に将来どのくらいのお金があれば不安が軽減できますか?

渡部 俊和

プロフィール

お金は生きる手段にすぎないため金額に固執しないことが大切

お金の必要性やその金額などは、本人の望む生活とのバランスに左右されるため個人差があります。

億単位の預金を持って孤独死する人もいるように、お金持ちだからといって将来に不安がないわけではないのです。

極端なことを言えば、現代はいろいろなサービスがあり、お金を使わなくとも楽しく過ごすことができます。

必要最低限の生活費が得られ、毎月の収支がプラスであればお金は自然に貯まっていくので、どのくらい、という漠然とした金額よりも、浪費をせずに毎月の収支をプラスにすることを意識してみましょう。

お金は生きるための手段の一つにすぎません。お金そのものや金額そのものを生きる目的にしないことが大切です。

普通の生活をしたうえで収支がプラスならば、余ったお金を貯めておけば、あまり不安になる必要もなくなると思いますよ。

②今の自分のスキルをアップさせることに集中してみる

未来というのは今の延長線上にあるわけなので、将来像が思い浮かばないときは今の自分を見つめ直し、自分の価値を高めることに集中してみるのがおすすめです

皆さんの中には、今の自分の行動や決断に自信が持てず、毎日に意味を見出せない、と悩んでいる人もいるかもしれませんが、自分が経験してきたことはそれが失敗だったとしても無駄になることはありません。

そのため、今の自分を自己分析して自分の持つスキルや強みを見つけ、それを伸ばす方法を考えてみましょう。たとえば「仕事で培われた営業スキル」が強みの一つだったとして、それをさらに高めるにはどうすべきか考えていくと、「顧客のニーズを掘り下げる分析やマーケティングについてさらに勉強する」といった次に取るべき行動の方向性が定まります。

プログラミングのような専門スキルを持っている人であれば、資格の取得を目指して自分のスキルを目に見える形にすることもできるでしょう。

このように今の自分のスキルがさらに底上げされることによって、自分のなりたい姿をイメージでき、将来の姿の選択肢を広げることができますよ。

③周囲の人に不安を相談してみる

先でも解説したように、自分のなりたい姿や先のわからない将来のことを明確にイメージできないときは、ほかの人の話に話を聞いてみるのがおすすめです。

将来の不安というのは誰しも感じたことがあるものであり、また多くの人がそれを乗り越えて生きているからこそ、相談することで不安に対する共感や、「自分はこうだった」といった実体験に基づいたアドバイスなどをもらうことができます

身近にいる家族や職場の上司などに自分の抱える将来の不安を打ち明けてみましょう。もし、知り合いに話しづらい場合は、キャリアコンサルタントに相談してみるのもおすすめです。仕事や就職の専門家の立場から、将来を考えるサポートをしてくれますよ。

板谷 侑香里

プロフィール

キャリアコンサルタントは、キャリアプランニングや職業情報の提供のほか、さまざまな年代のあらゆる事例を抱えた人と直接対話を重ねてきています。

そのため、彼らに相当することで自分一人では辿り着けない解決策などを提示してもらうことができますよ。

皆悩んでいる! 将来の不安に関するQ&Aを紹介

この記事を読んでいる人の中には、自分以外のほかの人はどのような不安を感じているのか気になる人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、PORTキャリアに寄せられた将来の不安に関する6つのQ&Aを紹介します。その中でのキャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、将来の不安を解消する糸口を見つけてみてくださいね。

将来への不安な気持ちは受け止めつつも前向きに自分の人生を切り拓いていこう

将来は何が起こるか予想できないからこそ、悪い方に考えてしまったり不安を感じてしまったりするでしょう。しかし、まだ起きてすらいない将来のことに不安を感じすぎて今の時間さえも有意義に過ごせないのは良くありません。

だからこそ、将来のことは不安視するのではなく客観的な視点でとらえて、どのような人生にしていきたいのか考えてみることが大切です。

将来について具体的にイメージできない場合でも、今の自分にできるアクションが何かを考えて行動に移しましょう。

将来とはまだどうなるかわからないからこそ、おもしろいものであり、今の自分次第で変幻自在なものなのです。将来の不安を感じ過ぎている人は、あまり先のことを悲観せず、前向きにとらえて自分の人生を切り拓いて言ってくださいね。

アドバイザーコメント

まだ起こっていない将来を心配するより今できることを考えよう

将来に対して不安になるのは自然なことです。私たち人間は、予測できない未来に対して悪い方に考えてしまう傾向があります。

しかし、まだ起こっていない将来のことに過度に不安を感じ、今の時間を有意義に過ごせないのは非常にもったいないことです。だからこそ、将来のことは不安視するのではなく、客観的に捉えてみましょう。

将来について具体的なイメージが湧かない場合でも、今できることに目を向けてみてください。短期的な目標を設定し、それに向けた具体的な行動を取ることが重要です。

たとえば、スキルアップのための学習や、新しい経験を積むための活動に参加するなど、今の自分にできる範囲のアクションを実行に移しましょう。

未来の可能性を楽しむ意識を持つことも大切

将来はまだどうなるかわからないからこそ、無限の可能性を秘めています。今の自分の行動や選択によって、未来は変幻自在に変わっていくのです。不安を感じるよりも、未来の可能性を楽しむ心構えを持ちましょう。

将来の不安を感じすぎている人は、あまり先のことを悲観せず、今を大切にし、前向きな気持ちで行動してみてほしいです。どんな未来が待っているかを楽しみにしながら、自分の人生を切り拓いていってくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

関連Q&A

カテゴリーから探す

目次

TOP

PORTキャリア