この記事のまとめ
- アパレルの自己PRでは現場業務への深い理解が重視される
- アパレル未経験者が自己PRで意識すべきポイントを就職支援のプロが解説
- OK例文とNG例文を参考に自身の自己PRをブラッシュアップしよう
- ChatGPT 自己PR作成ツール
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アパレル業界を目指して自己PRを作成しようとする時、「アパレルで高評価を得られるアピールポイントがわからない」「未経験者は強みをどうアピールしたら良いの?」と不安や悩みを抱える人もいるのではないでしょうか。
アパレルはアルバイトなどでも業務経験を積める身近な業界だからこそ、「働く自分が想像しやすいから」と就職を狙うライバルが大勢います。周囲との差をつけるためにも、先入観を捨てて仕事や業界について調べ直し、より説得力のある自己PRを書かなくてはなりません。
この記事ではキャリアアドバイザーの冨永さん、高尾さん、吉田さんとともに、アパレル業界の自己PRの作り方を解説します。文章のクオリティを引き上げるコツも紹介するので、アパレルを目指す人はぜひ最後まで読んで作成の参考にしてください。
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アパレルの自己PRでは「現場への適応力」が問われている!
アパレルは身近な業界なので、特にアルバイトで業務を経験した人などは自己PRもスラスラ書けると感じるかもしれません。しかし、業界の身近さは誰しも同じです。ほかの学生も充実した自己PRを作成できる可能性が高く、周囲と差をつけるためには一歩二歩踏み込んだアピールが必要になります。
この記事の前半では、アパレルの自己PRを作成するにあたって理解すべき職種別の業務、そこで求められるスキル、そして一般的なキャリアパスを詳しく解説します。自分が実際にアパレル業界で働く姿を想像し、そこでどのように強みを発揮するかを考えましょう。
後半ではアパレル未経験者・経験者の自己PR例文をそれぞれ紹介します。どうすればライバルに差をつけられるか、就労支援のプロがアドバイスをするので、前半で考えた内容を文章に落とし込んであなたの魅力を効果的にアピールできる自己PRを作っていきましょう。
もしアパレル企業との面接の予定がすでに決まっているのであれば、こちらの記事で頻出質問を確認し、回答を準備しておきましょう。
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アパレルの自己PRを書く前に! 周囲と差がつく3つの下準備
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- アパレルの職種とそれぞれで求められるスキルを確認しよう
- 自分の強みを活かせるポジションやキャリアを考えよう
- 強みに具体性を持たせて現場でも活かせることをアピールしよう
自己PRを書く準備として、まずはアパレル業界の仕事について把握しましょう。
業界で働く人たちが日頃どのような仕事をしているのか、その仕事をおこなうためにどのようなスキルが必要になるのかを知ることで、アパレル業界で働く自分の姿をより明確にイメージできます。
アパレルは身近な業界だからこそ、先入観によって実態とかけ離れたイメージを持ってしまう恐れもあります。この機会に業界の基礎知識を押さえ、業界に関する正しい認識をもとに自己PRを作成しましょう。
業界の最新トレンドはこちらの記事で詳しく解説しています。業界全体を網羅的に理解したい人はぜひ参考にして、選考に備えましょう。
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①アパレルの職種とそれぞれで求められるスキルを確認しよう
アパレル業界と言われて、一番に店舗のイメージが浮かぶ人は多いのではないでしょうか。生活に欠かせない衣食住の「衣」を担う業界なので、商品を手に取る場は想像しやすいですよね。
しかし店舗の運営に欠かせない仕事は接客だけではありません。それぞれの店舗の状況を把握しその後の戦略を考える仕事も必要不可欠です。また、店舗の経営を担う仕事も存在します。ユーザーニーズを分析して新しい商品を作ったり、ブランドの存在を周知するといった仕事をおこなうのは、おもに本部勤務の人たちです。
当然役割が違えば求められるスキルも異なります。自己PRを書く前に、自分が就きたい職種で必要になるスキルを確認しましょう。
②自分の強みを活かせるポジションやキャリアを考えよう
各職種で求められるスキルを知ることも重要ですが、それ以上に大切なのはあなたの強みです。職種に合わせて自分の強みをねじ曲げてしまったり、反対に自分の強みと職種の求めるスキルがかみ合わないからと志望職種を諦めると、後悔につながりかねません。
仕事の内容や必要なスキルを知るのはあなたの可能性を制限するためではなく、あなたの可能性を最大限に広げるためです。たとえば店舗スタッフは顧客の購買意欲を促す役割を担いますが、それをコミュニケーション力でまかなう人もいれば、提案力でまかなう人もいます。つまり、各職種の役割を理解すると自身の強みをどう発揮することが可能かを考えることができるのです。
また、自身の強みを活かす方向性が固まっていると、自己PRをはじめ選考全体での一貫性を保ちやすくなります。強みの活かし方を考えるときには、志望企業でどのようなキャリアを歩みたいかもあわせて考えましょう。
- 自己PRでは5年後10年後のことを話すわけではないのに、キャリアのことまで考える必要があるんですか?
強みを具体的にアピールするならキャリアビジョンは必須
自己PRで5年後や10年後の具体的な目標を話す必要はないですが、将来のキャリアビジョンを考えることで、現在の自分の強みをより的確にアピールできます。
たとえば、自分が将来どのような役割を担いたいのかを意識すると、今持っているスキルや経験がどのように役立つかを具体的に説明できるようになります。
具体的な説明があると、面接官も「この学生は長期的に会社に貢献してくれる可能性が高い」と好印象を抱きやすいです。
また、明確なキャリアビジョンを持っていると、自己PR全体に一貫性が生まれ、説得力も増します。したがって、キャリアパスについて考えることは、自己PRを作成するにあたって効果的です。
「入社前から将来のことを考えろと言われても……」と感じる人は以下の記事をぜひ読んでみてください。キャリアを考えることでどんなメリットが生まれるか、詳細なやり方とともに解説しています。
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文章を作るのが苦手な人にオススメの自己PR作成方法!
自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
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③強みに具体性を持たせて現場でも活かせることをアピールしよう
自己PRの目的は、あなたが強みを活かしてその企業で活躍する姿を面接官にイメージさせることです。そのため、面接官が想像を膨らませやすくなる材料として、あなたが強みを発揮した具体的なエピソードも用意しましょう。
エピソードを選ぶ基準は、当時の強みの活かし方が実際の仕事でも再現できそうだと面接官が思えるかどうかです。仕事内容やキャリアパスへの理解が深いほど、現場での再現性が高いエピソードを掘り起こすことができます。
志望企業で働く自分の姿をあなた自身がはっきりとイメージできていると、自己PRの説得力が高まります。あなたの強みを現場でどう活かすかを考えて自己PRを作成しましょう。
アパレル業界にはどんな仕事がある? 必要になるスキルも紹介
アパレル業界にはどんな仕事がある? 必要になるスキルも紹介
アパレルの自己PRを作文するにあたって準備するべき3ポイントのうち、この章では仕事内容に焦点を当てていきます。販売職、総合職、専門職に分けて業務概要を解説するので、それぞれの区分についても改めて認識を整理しましょう。
加えて、それぞれの業務を遂行する際に求められやすいスキルも紹介するので、志望職種に就いて働く自分を想像するための参考にしてください。
販売職:顧客の要望をかなえる「提案力」
販売職とは店舗で顧客を接客する店舗スタッフや、現場でスタッフを取りまとめる店長を指します。店舗の売り上げを立てる現場の最前線を担っていて、より多くの顧客に「自社で買い物をしたい」と思ってもらうことがミッションです。
店に多くの顧客を呼び込むためには、一度来店した人をリピーター化させるコミュニケーション力が必要です。そして一人の消費者により多くの商品を買ってもらうためには、高価な商品の魅力をアピールしたり、複数の商品のコーディネートをプレゼンする提案力が欠かせません。
特に、顧客の好みや要望を適切に反映した提案をその場でおこなえることは、店やスタッフ個人への信頼につながり、顧客のロイヤルカスタマー化も見込めます。
ロイヤルカスタマーとは
特定のサービス・ブランドを愛用して売り上げに貢献しつつ、愛用品を周囲に宣伝してくれる消費者
アパレル業界は一見華やかに見えますが、業務範囲は幅広く多種多様です。販売職は商品を販売するだけでなく、納品日には洋服の詰まった重い段ボールを運ぶ力仕事や、在庫管理、リピーターづくりなど、表から見えない業務も多くあります。
また、これは販売職に限った話ではありませんが、アパレル業界に身を置くのであれば自分の好きな範囲だけでファッションへの熱意を持つのでは不十分です。毎シーズンのトレンドを学び続ける意識が必要不可欠です。
販売職についてより理解を深めたい人は以下の記事もぜひ参考にしてください。各業界で共通する販売職の基本業務への理解を深めつつ、よく似ている接客業との違いも把握することで、より具体的に販売職として働く自分をイメージできるようになります。
販売職とは
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは
接客業との違い
接客業とは? 知っておくべき実態と適職の見つけ方|職種10選
総合職:店舗や企業の将来を設計する「論理的思考力」
総合職はいわゆる本部勤務の職種の総称です。販売職が消費者一人ひとりに焦点を当てているのに対し、総合職では市場全体を俯瞰して仕事を遂行することが求められます。
店舗経営の土台となる企業やブランドそのものを支えるのが総合職の役割なので、広い視野を持ってユーザーニーズを分析し、それに則った適切な決断を下す高い思考力が必要です。
加えて、顧客と直接接する機会が少ない分、各部署・各店舗と連携を取って適正な経営をおこなっていかなくてはなりません。強固な関係構築にはコミュニケーション力や状況把握能力も不可欠なので、ビジネスパーソンとしての総合的な能力が試されるポジションと言えます。
総合職の仕事内容の例
- マーチャンダイザー:ブランド全体の戦略を立案する
- バイヤー:店舗に置く商品を買いつける
- 営業:自社商品を百貨店やアパレルショップへ販売する
- ディストリビューター:商品を各店舗に適切に分配する
- プレス(広報):ブランドや商品を広く宣伝する
総合職の仕事について知りたい人は、まずは企業の採用ホームページ(HP)を確認しましょう。ほとんどの場合は採用HPに具体的な業務内容が掲載されているはずです。
併せて、もし会社説明会があれば必ず参加してください。情報収集のおもな手段はこの2つです。
また、総合職を希望するのであれば、他業界も働き方や求められるスキルが似ていると想定されるので、初めからアパレルに絞るのではなく、積極的にほかの業界も見ていきましょう。
広く比較検討し、総合職への理解を多角的に深めていくことが大切です。比べることでアパレル業界への熱意も明確になるはずですよ。
総合職については以下の記事でも詳しく解説しています。業界を問わず総合職に求められるスキルや、企業に期待される役割なども紹介しているので、総合職そのものに興味のある人はぜひ参考にしてください。
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専門職:ニーズを汲み取り具体化する「企画力」
ファッションデザイナーやパタンナーをはじめとする、専門的な知識・スキルによって商品開発に携わる職種の総称が専門職です。本部に籍を置きつつも、総合職とは違う角度でブランドを支えています。
ブランドカラーとユーザーニーズをもとに商品を生み出すためには、専門性やセンスも問われますが、重要なのは企業と消費者双方の要望をいかに具体的なアイテムへ落とし込むかという力です。さらに、そのアイテムを実際に販売まで推し進める一連の企画を考えられるかどうかが、専門職の腕の見せ所にもなります。
なお、各方面のニーズをすくい上げつつ、それらがどのようにアイテムへ反映されているかをプレゼンするにはコミュニケーション力も不可欠なので、専門職だからといって専門性ばかりに目を向けていると職種の役割を間違って認識することになりかねないので注意してください。
デザイナーを志望する人は、上記のスキルを含め、企業が何を期待しているのかを理解したうえで選考に臨むことが重要です。デザイナーの選考についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、選考前にはぜひチェックしてください。
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デザイナーの選考では応募企業とのマッチ度が重要とされているため、志望動機がとても大切です。夢や憧れを語るだけでは不十分。この記事では、多種多様なデザイナー業界の採用担当者に響く志望動機の作成方法を、キャリアコンサルタントとともに例文付きで紹介します。
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自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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アパレルで築けるキャリアを知ろう! 強みを活かす働き方4例
職種や業務内容について知るうちに「こんな仕事もあるのか、こっちの仕事も面白そうだな」と感じた人もいるのではないでしょうか。アパレルに興味のある学生にとっては、いずれの職種も魅力的ですよね。
あなたが関心を持った仕事同士につながりがあればキャリアチェンジもかなうかもしれません。以下に業界でのポピュラーなキャリアパスを紹介するので、理想像の明確化にぜひ役立ててください。
なお、組み立てたキャリアプランを選考において魅力的に伝えるためのコツはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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①店舗スタッフから現場のマネージャーへ
アパレル業界においてポピュラーなキャリアとして、店舗スタッフから現場マネージャーへのキャリアアップです。現場マネージャーはスタッフの指揮を取る立場で、一般的には店長を指しますが、人員規模によってはチーフや副店長といった中間ポジションを設ける場合もあります。
スタッフは消費者との一対一のやり取りを主としますが、マネージャーはスタッフのレベルアップの促進や人員配置の最適化によって店舗の運営の効率化を担います。売り上げや顧客満足度など、店舗全体の責任を負う立場です。
マネージャーへのキャリアアップを目指すには、スタッフとしての経験を積みながら、自分以外のスタッフや店舗全体のことを考えられるように視座を高めていく必要があります。もっと消費者の満足度を上げるには、もっとスタッフの負担を軽減するには、といったアイデアを率先して実行することがマネージャーへの第一歩です。
- ずっと現場に携わりたいのですが、店長になった後はどうなるのでしょうか?
将来的にどのように現場へ携わっていきたいかを明確化しよう
ずっと現場に携わるためには2つの道があります。1つ目は販売のエキスパートになることです。売上高、顧客数など店舗における貢献度が求められます。
2つ目はマネジメントの役割を担うことです。サブと呼ばれる副店長・店長代理として、店舗責任者不在時に滞りなく店舗運営をおこなうことを求められます。
具体的には、1日の売り上げを立てる、トラブルに柔軟に対応するといった、円滑に店舗を運営するためのマネジメントスキルが必要です。
環境にもよりますが、スタッフとして店舗へ配属されてから、おおむね2~3年後にはマネジメントを任されることが多いでしょう。
その次のステップにあたるのが店長です。店舗全体の責任者です。この段階で業務は販売から店舗管理へと移行していきます。店長には俯瞰的な視点、リーダーシップ、育成力など総合的なマネジメントスキルが求められます。
その後はスーパーバイザー、エリアマネージャーなど、複数店をマネジメントする道があります。以上のステップを踏まえて将来のありたい姿をイメージし、自分なりの仮説を立てておくと良いでしょう。
②店舗スタッフからプレスやマーチャンダイザーへ
店舗スタッフとしての経験を積んだのち、総合職へのキャリアチェンジを図る人も多くいます。現場を知らない状態で消費者や店舗のことを考えるのは難しいという考えにもとづいて、総合職へチャレンジする条件として一定の店舗経験を設けているアパレル企業は多いです。
たとえばブランドや商品を宣伝するプレスは、直接消費者へ販促した経験がより有効なアプローチ法を考える土台になることに加えて、ブランドについて戦略を立てるマーチャンダイザーも、消費者のニーズをすくい上げた経験がなくては市場全体を把握することは難しいです。
新卒採用でも店舗配属からスタートするケースが多い業界なので、総合職へのキャリアチェンジを希望する人は志望職種について勉強し、必要になるスキルを実務でも磨いていきましょう。
定期的におこなわれる上司との面談や、自己申告制度を利用すれば、総合職へのキャリアチェンジ希望を伝えることができます。現場経験を活かし、自身の強みを具体的に示して、総合職への意欲をアピールしましょう。
③店舗スタッフからデザイナーへ
「専門的な勉強をしていない人が専門職になれるの?」と驚く人もいるかもしれませんが、店舗スタッフとして各商品の長所を研究するなかで養われたセンスを活かし、ファッションデザイナーなどの専門職へキャリアチェンジするケースもあります。
実際に消費者と向き合い、ユーザーニーズに直接触れたことがあるという経験は商品開発において大きな強みになります。もちろん専門性も欠かせないので、働きながら資格などの勉強をおこなわなくてはならないハードな道ですが、憧れの職種があるならばぜひチャレンジしましょう。以下に専門職向けの資格を紹介するので、参考にしてください。
企業の採用サイトでスタッフから専門職へのキャリアを進んだ人のインタビューなどが掲載されていることもありえるので、ロールモデルを見つけて勉強法を探すのもおすすめです。
デザイナーへのキャリアチェンジに役立つ資格の例
④デザイナーアシスタントからチーフデザイナーへ
同一企業内で専門職としてキャリアアップを目指す場合、まずは社内で活躍するデザイナーのもとでアシスタントとして実務経験を積み、デザイナーとして商品企画に携わった後、デザイナーチームを率いるチーフデザイナーとしてアシスタントの育成やプロジェクトの牽引を担うのがポピュラーです。
新卒採用の時点で専門職枠で入社した人はもちろん、専門職へキャリアチェンジを果たした人も、アシスタントからスタートするのが一般的です。
専門職は専門性を磨き続けると同時に、自身の専門性を活かすためのコミュニケーションについても学んでいく必要があります。それまでに蓄積した専門的な知識・スキルを業務において活かすことを念頭に置いて、社内で活躍する先輩デザイナーの共通項を探しましょう。
- 専門学校を出ていないと新卒から専門職になるのは難しいですか?
専門職に就きたい理由とその根拠を明示できれば可能性はある
一般大学に通っていても専門職採用のチャンスはあります。しかし、しっかりとした準備が必要です。
まずは実務経験がある程度必要になってきます。アパレル業界でのインターンの経験やアパレルショップでのアルバイトなので実戦経験を積み、就きたい専門職に対する適性を証明する材料を作りましょう。
そして、納得感のある志望理由を言語化できることも重要です。なぜアパレル業界なのか、そしてなぜ総合職ではなく専門職なのかと、ロジカルに考えてください。
一般大学の場合は、専門学生よりも志望できる範囲が広い分、一つひとつ丁寧に志望理由を伝える必要があります。
上記をしっかり準備できれば、専門職としての説得力が上がり、内定の確率が高まるでしょう。
アパレルが好きなだけではダメ? 未経験者がアピールできる強みをプロが解説
アパレルを志望する学生のなかにはアルバイトで実務経験を積んだ人もいます。アパレルの店舗で求められる基本的な業務を体験的に知っていることは大きな強みであると同時に、アパレルへの関心の強さをわかりやすく示すことができるので、経験者が選考で優遇される可能性はあります。
しかし、アパレル未経験の人でもアパレル業界に就職することは十分可能です。新卒就活ではポテンシャルが重視されるので、自身の強みが現場でも十分に発揮できることをアピールできれば経験者とも対等に渡り合えます。
それでは未経験者がアパレル業界を目指すときにどのような強みをアピールすべきなのでしょうか。ファッション業界での採用経験を持ち、現在も幅広い世代の人たちの就労支援をおこなっている冨永さんにお話を聞いてきました。
アドバイザーコメント
冨永 実希
プロフィールを見る経験がなくとも素養やアパレル業界への適性をアピールできれば良い
まず最初に伝えたいのは、新卒ではほぼ何事に対しても未経験なので、必ずしもアパレルのアルバイトを経験している必要はないということです。そのうえでアピールすると良い点は3つあります。
1つ目は接客経験です。接客業のアルバイト、具体的にはサービス業や飲食業などの経験があればまとめておくことをおすすめします。アルバイト先で学んだことをアパレルでどのように活かせると考えているのか、根拠と具体性を意識して、文章化するための準備をしましょう。
2つ目に、スキルとして求められるのはファッションセンスです。つまり自分自身をスタイリングすることやファッションに関して人にアドバイスすることが好きなど、ファッションそのものに強い興味を持っていることが大切です。
多くのアパレル企業は応募者に対して「面接は私服でお越しください」と案内します。自分自身をより良く魅せるスタイリングをすることができているか、コンセプト通りのファッションになっているか、自社への適性をセンスでも判断されるのはアパレル業界の特徴といえます。
アパレル業界ではスキルだけでなく価値観や人柄も重視される
そして3つ目は内面です。人当たりの良さ、元気の良さ、顧客が相談したいと思える笑顔で話すことができているか、これらは特に入室の時点からしっかりと見られているので、常に意識しましょう。
また、考え方として、自分視点ではなく、他者視点の意識を持つことが重要です。顧客の役に立つことが自らの喜びだと感じられる人はアパレル業界への適性があるでしょう。
アパレルで響く自己PRを作文! 働く姿を想像させる3つのコツ
アパレルで響く自己PRを作文! 働く姿を想像させる3つのコツ
ここまで、自己PRに落とし込みたい内容を考えてきました。この章からは、実際に自己PRの文章を作成する方法を解説していきます。
あなたのアパレルへの熱意を面接官へ余さず伝えるためには、アパレルへの興味関心を論理的にアピールしなくてはなりません。そのための3つのコツを紹介するので、あなたの強みをどのようにプレゼンするべきかを考えていきましょう。
なお、あなたの強みを掘り起こすための自己分析のやり方は以下の記事で詳しく解説しています。すぐに実践できるようフォーマットも紹介しているので、ぜひ活用してください。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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①志望企業のブランドを意識してプッシュする強みを考える
自身の強みを自己PRへ落とし込む前に一度立ち止まって考えてほしいのは、その強みがこれから応募する企業のブランドイメージと一致しているかどうかです。
たとえば若手層をターゲットにしたカジュアル系ブランドの店舗スタッフを志望する際、「高級感のある接客力」をアピールしたとして、面接官が現場で働くあなたの姿を想像しやすいでしょうか。反対に、高額アイテムを扱うラグジュアリー志向のブランドに対して「快活さ」をアピールしたらどうでしょうか。
それぞれの強みそのものが悪いのではなく、面接官に現場で働く姿を想像させられるアピールができているかが肝心です。強みが複数あるならば応募先のブランドを意識してプッシュする内容を変更したり、強みの表現方法を変えるなど、面接官の視点を考えながらアピールポイントを検討しましょう。
「この強みを押し出したいけれど、もっと企業カラーにマッチした表現にしたい」と悩んでいる人は、こちらの記事をぜひ参考にしてください。言い換えの例や表現を工夫するコツを解説しています。
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強み別の自己PR例文17選|63の言い換えも活用して選考突破
この記事では、就活生向けに自己PRの例文を強み別で紹介する記事です。キャリアコンサルタントの解説を交えつつ構成の作成方法や書き方・話し方も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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②強みを裏付けるエピソードを掘り起こす
自己PRは自身の強みをアピールする項目ですが、初対面の面接官に「ここが強みです」とだけ主張しても説得力に欠けますよね。あなたがその強みを発揮したエピソードがあってようやく面接官は納得できます。
エピソードはあなたの強みを担保するためのものなので、第三者が見聞きしたときにもあなたの働きがどれほど効果的だったかがわかるよう、なるべく具体的に表現することが大切です。効果を数値的に表したり、実際に関係者からかけられたほめ言葉や感謝などを入れ込むと、面接官も状況をイメージしやすくなります。
初対面の人に長所を理解してもらうための表現を心掛けましょう。
エピソードを選ぶうえでのポイントとして、やはりアパレルそのものに関連するエピソードは面接官にとってもイメージしやすく、そして響きやすいと言えます。
たとえば、アパレル業界でのアルバイト経験や服飾サークルでの活動、ファッション系のSNSの運用経験などのエピソードは、業界への興味を面接官に伝えやすいでしょう。
③エピソードをもとに自身が企業へ貢献する方法を伝える
せっかく強みやエピソードのアピールに工夫を凝らしても、その強みが入社後にどのように活かされるかを面接官が想像できなくては苦労の甲斐がありません。初対面の面接官に好意的な反応を期待するよりは、あなたのほうから具体的なアクションを起こすのが確実です。
つまり、面接官に「この学生は入社したらこのように働くのか」と自然と想像させるための対策を講じる必要があります。強みを過去のエピソードとともに紹介した締めくくりとして、その強みが志望企業・職種においてはどのように発揮できるかを添えることで、入社後に活躍する姿を面接官と共有しましょう。
面接官はすべての質問で「この学生を自社に入れたらどうなるか」を測っています。あなたが企業にとって採用する価値のある存在であることを積極的にアピールしてください。
- 入社後にこうしたいという締めの内容は、志望動機と被ってしまっても大丈夫ですか?
差別化ができていれば一貫性があることはむしろ強みになる
自己PRと志望動機の内容が一部重なってしまっても問題ありません。
差別化を図るために、自己PRでは自身の強みを企業でどう活かすかを具体的に説明しましょう。そして志望動機ではその企業を選んだ理由や、なぜその企業でなければならないのか自分の思いを言葉にして強調してください。
自己PRでは過去の経験やスキルをアピールし、それを入社後にどのように活用するかを示すこともできますね。一方、志望動機ではその企業の魅力や価値観に共感し、自分がその企業でどのように成長し、貢献したいかを伝えます。
結果として、両者が一貫していることで、一連のストーリーとして説得力がより増し、企業への熱意を強く伝えることができると思います。
企業貢献のイメージがそもそも湧かないという人は、こちらの記事にぜひ目を通してみてください。自分が志望企業に入ってからどう働きたいかを具体的にイメージする際の参考になります。
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例文5選|「会社に貢献できること」を魅力的に伝えて差別化する秘訣
面接で「会社に貢献できることは何ですか?」と聞かれた際や、自己PRや志望動機で貢献できることをアピールするとき、どのように貢献の仕方を伝えれば良いのか、キャリアコンサルタントとともに解説します。
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プロによる例文添削! アパレルの面接官を納得させる自己PR例文6選
「自己PRを書いてみたもののこれで良いのかわからない」「もっと改善できる余地がありそう」と感じる人もいるのではないでしょうか。このような不安や疑問を感じた人はぜひ、これから紹介する例文を参考に文章をブラッシュアップさせましょう。
アパレル未経験者・経験者に分けて3例ずつ、合計6例の自己PR例文を紹介しています。あなたの背景に近いものを探して文章作成に役立ててください。
なお、プレゼンに論理性や説得力を持たせる手法として、PREP法があります。ビジネスシーンでは一般的に使われる手法で、読み手にとっても内容を理解しやすい文章構成方法です。文章ではもちろん、口頭でのアピールでも有効なので、文章そのものに苦手意識を感じる人はぜひ取り入れてください。
PREP法は志望動機にも活用できます。アパレルの志望動機の例文はこちらの記事で紹介しているので、準備のコツとあわせて書く際の参考にしましょう。
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例文11選|アパレル業界の志望動機に必須の準備と書き方を解説
アパレル業界の志望動機では、将来的にどのようなキャリアを歩んでいきたいかをアピールする必要があります。この記事では志望動機の書き方や注意点、周囲と差別化する方法などについてキャリアコンサルタントが解説します。
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アパレル未経験者の自己PR例文3選
アパレル未経験者の自己PR例文3選
まずはアパレル業界での実務経験がない人の自己PRを例示します。
未経験者は、志望職種の業務内容を把握したうえで、その業務を遂行するために自分の強みをどう活かせるかを具体的にアピールすることが重要です。強みの抽象化と具体化を使い分け、面接官に入社後のあなたの姿を想像させていきましょう。
アパレルを志しているものの「未経験者がアピールすべきポイントがわからない」という悩みを抱えている学生は、こちらのQ&Aもぜひ参考にしてください。
例文①アルバイト経験から「コミュニケーション力」をアピール
OK例文:アルバイト経験から「コミュニケーション力」をアピール
私はコミュニケーション力が強みで、それを活かしてアルバイト先の離職率を15%下げました。
家族や友人、先生に支えられた経験から、私も人の成長や挑戦を助けたい気持ちがあり、大学時代は塾講師として生徒の成長を支えました。やりがいはある一方、講師同士でその感覚を共有したことがないのは不安でした。
それを上司へ相談した時、偶然別の講師が近くにいたので意見を求めると、彼も講師同士のかかわりのなさに孤独感があると吐露しました。
ほかの講師も同じかもしれないと、試しに講師同士が集まれる15分の相談会を隔週で開催した結果、半年後には講師同士が日常的に意見を交換するようになりました。上司には「君が皆をつないだお陰で今年は辞める講師が少ない」と褒められました。
この経験から私は、自分が悩みを明かすと相手も悩みを打ち明けやすくなると学び、また悩みを誰にも言えずに苦しむ人が前向きになれるよう支援したいという思いが明確になりました。
貴社は外見的コンプレックスを補う服で人々の多様なあり方を助けています。入社後は私も悩みを抱えるお客様に寄り添い前向きな挑戦を支援します。職場でも積極的に学びを共有し、全体の成長に寄与します。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
PREP法を元に結論から数値を用いて話すことができています。一方で、理由と具体的事例に相当する文が混在し、やや長くなっています。理由と具体的な事例は分けて考えましょう。
そのうえでどのようにコミュニケーション力を活かして顧客を支援をしたいのか、この点を具体的に話せると良いです。
NG例文:アルバイト経験から「コミュニケーション力」をアピール
私はこれまで多くの人に支えられてここまで成長してきました。その恩返しがしたいと思い、大学に入ってからは塾講師のアルバイトを始めました。しかし、生徒の成長を支えていると、今度は講師同士でのかかわりの薄さが気になるようになりました。
そこで私は、講師同士で悩みを相談できる15分の集まりを隔週で開催しました。すると、多くの講師が集まり、悩みを相談するようになったのです。結果、アルバイトを辞めた講師は去年に比べて15%も減り、上司にはコミュニケーション能力を褒められました。
私はもともとアパレルに強い興味があり、また人を支えたいという気持ちもあるので、ぜひ貴社の店舗スタッフとしてお客様の前向きな生き方を支援したいと考えています。その際にはアルバイトで培ったコミュニケーション力を活かし、お客様の悩みに寄り添っていきます。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
結論ファーストで書かれていないため、どの観点で読めば良いかがわからず、全体を通して読みにくい印象です。
また、アパレルに興味がある理由が書かれていないため、つながりを感じることができません。まずはこの自己PRで何を伝えたいのか、そしてなぜアパレルに興味があるのかを明確にしていきましょう。
コミュニケーション力をPRする際のコツは以下の記事でも解説しているので、対人能力をアピールしたい人はぜひ参考にしてください。
自己PRのコツ
例文12選|コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
表現の工夫の仕方
コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき
例文②アルバイト経験から「提案力」をアピール
OK例文:アルバイト経験から「提案力」をアピール
私の「提案力」でアルバイト先のクレームを80%減らしました。
人の生活を支える仕事に関心があり、定食屋に勤めました。昼食時は時間に限りのある会社員のお客様が多く、注文間違いや提供遅れに対して叱責を受けることもあり、店員の士気が下がるのを見て、私はホール業務の改善に臨みました。
まずホール担当は経験不足の新人が多く、急ぐお客様に遠慮して注文確認をためらう店員もいました。一方提供の遅れは、各定食の準備時間の差からお客様が自分より後の注文が優先されたと勘違いしたためでした。
そこで店長に、新人の研修中の注文確認を標準化し、各定食の提供時間目安を掲示することで、お客様の時間に対する不安が減り、苦情も減るのではと相談すると、その案が導入されました。
結果、より急ぐお客様は早く提供できる定食を注文するようになり、また研修中の店員の注文確認は好評でした。3カ月後には苦情が週10件から2件に減り、店員の成長で業務効率も向上しました。
貴社商品は高品質な一生物なので、お客様も購入の際は慎重かと存じます。入社後は販売職としてお客様の要望や不安に多角的に向き合い、商品がお客様に生涯愛されるための最適な提案に努めます。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
この例文は、提案力が具体的な実績で示されている点は説得力があります。一方、内容が冗長で、結論が散漫になっている印象を受けました。提案の効果を簡潔にまとめ、志望企業での貢献意欲を明確に強調するとさらに良くなると思います。
NG例文:アルバイト経験から「提案力」をアピール
私は定食屋でホール担当としてアルバイトをしました。混雑する昼食時は急ぐお客様から注文間違いや提供の遅れに対して叱責を受けることも多々あり、店員の士気は低かったです。
そこで私は、クレームを減らすための対策を考えました。まず新人スタッフは研修中という札を着けて対応力が高くないことをアピールし、また店員全体で注文の確認を徹底することで注文ミスを減らし、提供が遅くなりそうなメニューにはあらかじめ目安の時間を書いておいたのです。
結果、新人は落ち着いて注文を取れるようになり、加えて、急ぐお客様は提供に時間のかかる定食を選ぶことはなくなったので、クレームはうんと減りました。
この経験で得た提案力を活かし、入社後はお客様の課題へ積極的に提案をおこなえる店員になることを目指します。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
結論から話すことはできていますが、アルバイトをしたことが結論になっています。言いたいことが文末の「入社後にはお客様の課題へ……」であるのならば、冒頭から「アルバイト経験から提案力を身に付けた」ことを話題にした方が伝わりやすいでしょう。
まずは伝えたいことを箇条書きで書き出したうえで、最終的に文章にまとめるやり方をおすすめします。
提案力を強みとして押し出す際には、どのようにアイデアを考えて実行へ移したのかを説明する必要があります。これらの点で提案力と類似した強みについて解説した記事を以下に紹介するので、自身の提案力をより魅力的にアピールするための参考にしてください。
発想力
例文10選|発想力の自己PRで勝負するならエピソードが最重要
行動力
自己PRの「行動力」は6つの言い換えで差別化できる! 例文30選
例文③部活動の経験から「タフさ」をアピール
OK例文:部活動の経験から「タフさ」をアピール
私の強みはタフさです。中学から大学までバスケットをやっていました。
大学2年時にけがで前線からは退きましたが、ずっと部活動でバスケに取り組み、心身を鍛えてきました。私は体格も運動神経も人並みでしたが負けん気が強く、絶対にレギュラーに選ばれて試合で活躍したいと中学1年生の頃から毎朝誰よりも早くに体育館へ到着し、基礎練習に取り組んでいました。
中学3年生で初めてレギュラーになれた時、監督が「君の粘り強さを後輩たちが手本にしている」と言ってくださり、自分の努力は誰かが見ているのだと身が引き締まりました。
けがの後にはさすがに落ち込みましたが、監督の言葉が思い出されると「誰にも恥じない自分でいよう」という心持ちになりました。リハビリを終えた現在はマネージャーという新しい形でバスケにかかわっており、選手経験を活かして仲間の成長をサポートしています。
私はバスケから、基礎を守り努力し続ける粘り強さと、困難に直面したときの柔軟な思考を学びました。入社後は貴社商品を求める広い世代のお客様の課題に粘り強く柔軟に向き合い、お客様とともにポジティブな答えにたどり着ける販売職を目指し、後輩のロールモデルとなります。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
タフさの具体例が豊富で、努力と粘り強さ、柔軟な対応力が伝わる点は良いですね。
ただ、話が冗長で焦点がややぼやける部分があります。もっとエピソードを簡潔にし、入社後の活躍ビジョンに重きをおくと、面接官も入社後の姿をイメージしやすくなります。
NG例文:部活動の経験から「タフさ」をアピール
私は中学から大学までずっと部活動でバスケットに取り組んでいました。基礎練習を誰よりも熱心におこなった結果、中学3年生で初めてレギュラーに選ばれました。
その後も粘り強さを武器にバスケを続けていましたが、大学2年生のときにけがをして選手を引退せざるを得なくなりました。とても落ち込みましたが、バスケで鍛えてきた粘り強さを活かしてリハビリに臨み、医者も驚くスピードで退院しました。
選手としての復帰はかないませんでしたが、マネージャーとして部に戻ったことで、またバスケと接点を持つことができました。物事を前向きにとらえるポジティブ思考はつらい練習に耐えたお陰で身に付いたものです。
アパレルのような接客業はさまざまなクレームもあるかと思いますが、バスケで得た心身のタフさを活かして、どんなクレームにも負けずに全力で向き合っていきます。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
全体的に定量的なプロセスや結果への言及が少なく、客観的な評価がしづらいガクチカとなってしまっています。また、アパレルの仕事の本質はクレーム処理ではないので、タフさを本質的なところで発揮できるような表現にしましょう。
タフさを就活でアピールするのであれば、以下の記事も参考になるのでぜひ目を通してください。精神的なタフさを魅力的に伝えるためのコツや、肉体的なタフさを活かせる仕事について解説しています。
精神面のタフさ
例文11選|粘り強い性格の自己PRで知らないと損する注意点
肉体面のタフさ
立ち仕事28選! メリット・デメリットと長く働くためのケアも解説
アパレル経験者の自己PR例文3選
アパレル経験者の自己PR例文3選
次に、アパレル経験者の自己PRを例示します。
すでに基本的な業務を経験しているからこそ、現場で活かせる強みも体験的に理解している人が多いのではないでしょうか。しかし、それを志望企業の自己PRで最大限に有効活用できるかはまた別の問題です。
経験者ならではの視点をしっかりと自己PRへ落とし込み、面接官に「ぜひ自社で活躍してほしい」と思わせるアピールをおこなっていきましょう。
例文①同ブランドでの経験から「向上心」をアピール
OK例文:同ブランドでの経験から「向上心」をアピール
私の強みは向上心です。貴社ブランドでのアルバイト経験を通じ、自己研鑽の姿勢を身に付けました。
もともと貴社商品を愛用していたのは父でした。父は大きな商談やハレの場には必ず貴社のスーツを着ていました。貴社商品をまとう父は日頃より大きく見え、以来私にとって貴社は「カッコ良い大人」の象徴でした。
そのため、大学入学を機にアルバイトとして勤務しました。しかし間もなく、お客様が店員に求めるレベルが非常に高いことを痛感しました。
ブランドの品格に見合う店員となるべく、先輩スタッフに改善点を聞いて回り自身の不足を可視化しました。優秀なスタッフをまね、その人に都度フィードバックを頼みました。
2年目になった時、常連のお客様に「初めの頃とは別人のようだ」と言われました。それを先輩にも褒められ「カッコ良い大人」に近付けた喜びを覚えると同時に、自分のように「カッコ良い大人」に憧れる人をサポートし、その人の人生を変えるきっかけになりたいと思いました。
入社後は若手に憧れられる店員を目指して研鑽を続け、若手育成にも努めます。将来的には貴社ブランドが若い世代全体の憧れの象徴になるよう、ブランドの認知向上に貢献したいです。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
結論から話すことができていて面接官にとって理解しやすい文章になっています。また、父親とのエピソードは面接官の心に残るでしょう。
さらに良くするために、なぜ父親が愛用されていたブランドに携わりたいと思ったのか、アルバイトをしたいと思ったきっかけをもう一つエピソードがあればいっそう気持ちが伝わりやすくなります。
NG例文:同ブランドでの経験から「向上心」をアピール
学生時代、私は貴社ブランドのショップでアルバイトをしていました。貴社のブランドは高級・高品質を売りにしているので、お客様も店員に高いレベルを求めます。
私はお客様の期待に応えるべく、礼儀作法を一から学んで店員として成長していきました。2年目になった頃にはついに常連のお客様から成長を褒められ、それがとても嬉しかったので、今では私のような若い世代の人にももっと高い目標に向かって成長することによるやりがいを知ってほしいと思うようになりました。
そのため、今後も強い向上心を持って貴社の店員としてのスキルを磨きながら、ブランドの認知向上にも貢献し、若い世代が貴社ブランドに憧れてくれるよう努めてまいります。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
具体的な貢献や成果として、たとえば、顧客満足度の向上や売上増加など、具体的な数値や事例を交えると説得力が出ます。
また、自身の向上心を証明するエピソードや、将来的な目標も具体的に示すと面接官が学生の向上心を明確に把握できるようになるでしょう。
向上心をアピールする際のコツは以下の記事でより詳しく解説しています。自己成長のためにどれほど力を注げるのかをアピールし、面接官を惹きつけましょう。
向上心
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点
努力家
努力家の自己PRの作り方|努力タイプ別例文で徹底解説
例文②別ブランドでの経験から「現場力」をアピール
OK例文:別ブランドでの経験から「現場力」をアピール
私の強みは現場力です。アパレルショップでのアルバイトで現場での実践力を磨きました。
勤務先の店舗は接客がアルバイト主体だったので、知識があまりない状態から自分で接客を学ぶ必要がありました。
しかし接客に自信がないからとお客様を放置するのは失礼だと思い、自分なりにブランドやお客様に向き合うべくSNSを活用しました。
当ブランド商品を着用した写真を上げていた多くは中高生で、遊園地などを背景にしていました。お客様は普段着としてよりも、非日常を楽しむために当ブランドの商品を求めていたのです。そこで、接客もただ商品紹介をするのでなく、お客様の予定などを聞きながら、写真映えする商品や出先の雰囲気に合ったコーデを提案するようにしました。
ヒアリング力が上がり、先月は7割近くのお客様が私の提案した商品を購入しました。そしてお客様の満足げな表情を見るうち、今のお客様が大人になっても非日常を楽しみ続けるための手伝いがしたいと思うようになりました。
20代から60代という幅広いお客様のおしゃれを支える貴社で、私もお客様と歳を重ねながら非日常の時間を楽しんでいただくための接客をおこないたいです。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
取り組んだ具体的内容と定量的な結果が記せているのはとても良いです。しかし、このガクチカで言われている現場力の定義がやや不明瞭です。
その定義を明確化し、志望企業で具体的にどのように再現性をもって仕事していきたいのかを言語化することで、さらに文章の質が上がります。
NG例文:別ブランドでの経験から「現場力」をアピール
私は現在あるブランドのアパレルショップでアルバイトをしていますが、その店舗は人手が足りておらず、接客をする店員がアルバイトだけになる時間もとても長かったです。そのため、独学で接客スキルを磨いていかなくてはならないと決意した私は、お客様がどのような理由で当ブランドの商品を求めているのかを考えるようにしました。
当ブランドは中高生に人気が高く、特に遊びやデートなどの特別な日のおしゃれ着として愛用されていたので、私はお客様の予定を聞き出しながらそれに最適な商品やコーディネートを提案していきました。するとお客様が私の提案通りのものを購入してくれたのです。
この経験を活かして、同じような方法を活用してこれからは少し上の世代のお客様にも提案をしていきたいと思い、20代から50代のお客様をターゲットにした貴社を志望しています。アルバイトで得た実践力や対応力を活かしながら、積極的に提案をおこなっていきます。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
自ら課題に気づき、アクションした点をアピールするのは良いですが、実際の成果や数値などの具体的な表現が不足しています。たとえば、接客改善の実績や顧客満足度の変化は、数字や具体的なイメージとして表すことができるのではないでしょうか。
加えて、その考えや経験から貴社への発展性にどうかかわりたいかという思いが伝えられると、いっそう説得力が増します。
現場で培った主体性を強みとしてプッシュする際には以下の記事にもぜひ目を通してください。例文も豊富に紹介しているので、作文時の参考になりますよ。
実行力
厳選10例文! 実行力の自己PRで簡単に差別化できる3要素
リーダーシップ
例文17選|自己PRでリーダーシップを最強の強みとして伝える方法
例文③別ブランドでの経験から「柔軟性」をアピール
OK例文:別ブランドでの経験から「柔軟性」をアピール
私の強みは柔軟性です。これまで2ブランドのアパレルショップでアルバイトをし、臨機応変に対応する姿勢を得ました。
高校では子ども向け、大学では若年層向けブランドに勤めました。前者のお客様は親世代で、商品の安全性が第一でした。後者はお客様が自分の財布と相談して買い物をするので、手持ちのアイテムとの相性や使い勝手の良さが重要でした。
同じアパレルでもニーズが大きく違うと知り、特に2店舗目ではお客様にどのような相談をされてもすぐに提案ができるよう、1店舗目の施策を参考に、スタッフ間で商品や常連客の情報などを共有し、自身では提案用フローチャートを作りました。
併せて一人で対応できない場合はすぐにほかのスタッフにヘルプを出せるよう、1人以上のスタッフがほかのスタッフを監督するシステムを皆で考えました。結果、店全体のお客様単価が前年より約5%上昇し、私自身の売り上げも上がりました。1店舗目は商品の質に依存した接客でしたが、現在はお客様に私自身の提案力を評価いただいている実感があります。
この経験を活かし、入社後もお客様の要望に柔軟に応える店員として成長し、かつチーム全体の柔軟性向上にも貢献してまいります。
就職支援のプロによる添削! 例文の評価とアドバイス
結論から端的に示されていて、わかりやすい文章です。特に自身の実績が数値化して伝えられていて、初対面の面接官にもわかりやすいですね。
さらに良くするために、顧客や同僚からの言葉をエピソードとして伝えることができると、根拠が明確になります。
NG例文:別ブランドでの経験から「柔軟性」をアピール
高校から大学の間に2ブランドのアパレルショップでアルバイトをし、1店舗目ではただ商品をおすすめするだけになっていたところから、2店舗目ではお客様のニーズに合った提案をできるまでに成長しました。アパレルへの強い興味があるので、貴社でもこの柔軟性を活かして活躍していきたいと考えています。
私の柔軟性が具体的に発揮された場面は、2店舗目でおこなっていた提案です。若いお客様は金銭的な上限があるので、商品をあれもこれもとすすめるのではなく、もともとお客様が持っているアイテムとの組み合わせやすさなどをアピールするように方向を転換したのです。
また、常連のお客様は好みの傾向などもわかるので、そういった情報もスタッフの間で共有することで、お客様により合った提案ができるようになりました。
このように私には柔軟性があるので、入社後も貴社のお客様のニーズをスムーズにキャッチして最適な提案をすることが可能です。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の改善ポイントとは
柔軟性をアピールする点では良いですが、具体的な成果や、その数値化が不足しています。提案によって売上額や顧客満足度がどれほど向上したかを具体的に記述すると良いでしょう。
さらに、志望企業でその柔軟性をどう活かして成長し、貢献するかを明示するとより説得力が増します。
自身の柔軟性をより魅力的にアピールするためには、以下の記事も参考になります。ぜひ目を通してください。
柔軟性
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
臨機応変さ
例文8選|「臨機応変に対応する力」の自己PRを作る4ステップ
「そのアパレル企業で働く自分」を具体化した自己PRで選考を突破しよう
ここまで解説したとおり、特にアパレルでの自己PRは、実際の業務で自分がどのように活躍できるかをアピールすることが重要です。しかし面接は自己主張の場ではなく、面接官にあなたの魅力を理解してもらうための場なので、面接官が「この学生は自社に入ったら活躍してくれそうだ」と思える内容にしなくてはなりません。
そのためにも、まずはあなた自身が「そのアパレル企業で活躍する自分」を明確に描き、そのイメージを面接官と共有することを目指しましょう。
ここまでの解説内容やアドバイザーの意見を参考に、あなたの魅力を十分に伝える自己PRを作成して、志望企業からの内定を獲得してください。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見るアパレルの自己PRでは入社後にやりたいことと貢献意欲が重要
アパレル業界を目指す人が自己PRで大切にすべきことは2点あります。それらを押さえることで、あなたの熱意がしっかりと伝わる自己PRが書けるようになるでしょう。
まず第一に大切にすべき点は、「なぜやりたいのか」です。具体的な過去のエピソードをもとに、アパレルへの情熱を伝えましょう。なぜアパレルに興味を持ったのか、きっかけは何なのか、アパレルの何があなたを突き動かすのかといった、あなたのアパレルに対する思いの源泉を言語化して面接官に伝えましょう。
情熱だけでなく成果やこれからの貢献イメージで差別化を図ろう
そして、第二の大切な点は「あなたに何ができるか」です。上記のなぜやりたいのか以上に大切なポイントです。なぜやりたいのかという思いは、ほとんどのアパレル業界を目指す学生が持っているものです。また、その思いに良し悪しをつけることが難しいため、そこで差別化を図ることはできません。
しかし、何ができるかという観点においては、伝える内容によって大きく差別化を図ることができます。つまり、より質の高い自己PRが可能となるのです。
これまでどんなことをやってきて、どれくらいの成果を出したのか、どんな強みやスキルがあるのか、志望企業で具体的にどのような貢献ができると考えているのか、といった具合です。
「なぜやりたいのか」「あなたに何ができるのか」の2点を押さえた自己PRで、後悔のない就活を実現させてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/fc-styling代表
Mitsuki Tominaga〇ファッション業界にてスーパーバイザーや採用、お客様相談員を経て独立。大学生の就職支援や高校生向けキャリア講座、中途採用の転職支援事業など幅広い世代の就労支援に従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細