この記事のまとめ
- 資格以外の自分だけのアピールポイントを見つけよう
- 将来のキャリアプランに合った就職先を探そう
- キャリア形成を意識して自分のやりたい分野を選択しよう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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行政書士は数ある士業の中でも、毎年資格取得に挑戦する人が多く人気の資格です。しかし「行政書士は就職できないって本当?」「就職できても食べていけるのか不安」と行政書士の就職や将来性について不安に思う方も多いのではないでしょうか。
また「行政書士の資格を活かせる就職先を知りたい」のように気になる人もいるかもしれません。
この記事では、キャリアコンサルタントの杉原さん、板谷さん、高尾さんのアドバイスを交えながら、行政書士の資格を活かした就活のコツや資格を活かせる主な就職先、将来性について詳しく解説していきます。
就職が難しいと言われる行政書士でも、自分なりのアピール方法を習得していれば資格を有効的に選考で役立てられますよ。
資格取得だけでは就職に不利? 強みを伸ばして行政書士の選考を突破しよう
行政書士として働くためには資格が必須であり、有資格者は就職に有利です。しかし、周りの就活生も同様に有資格者であるケースが多く、資格を持っているだけでは選考突破に有利とは言えません。
行政書士の選考を突破するためには、資格と併せて自分だけの強みのアピールが重要です。ここからは、まず行政書士の基本情報、行政書士の資格を活かせる就職先を紹介し、就職先が少ないと言われる理由を詳しく解説しています。
加えて、行政書士を目指している人向けに、行政書士の将来性や就職を成功させるポイントも紹介しています。プロから見た、就活での資格や強みを活かしたアピール方法も解説しているので、選考突破の参考にしてください。
就職に有利な資格を職種別に下記の記事で紹介しています。また、法律関係の仕事で有利になる資格も紹介しているので、より理解を深めたい人はぜひチェックしてみてください。
業界・状況別での就職に有利な資格
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
法律関係の就職に有利な資格
法律関係の仕事24選! 仕事内容や必要な資格を徹底解説
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
最初に把握しよう! 行政書士の基本情報
最初に把握しよう! 行政書士の基本情報
- 行政書士とは?
- 仕事内容
- 平均年収
行政書士とは8つの士業のうちの一つで、法律を専門的に扱う職業です。行政書士が活躍する領域はビジネスではもちろん、私たちが生活するうえで必要となる行政(国や地方自治体)への手続きに関する書類の作成まで担います。
下記では、行政書士の仕事内容や平均年収などの基本的な情報について解説していきます。行政書士について興味のある人や、行政書士を目指す人は改めてこの章で確認しておきましょう。
行政書士とは?
行政書士は、行政書士法(1951年成立)にもとづいた国家資格です。国民と行政の仲介役を担う法律の専門家で「街の法律家」とも呼ばれています。
士業にはそれぞれ独占業務があり、行政書士の担当書類は「官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役場、警察署など)に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の3つがあげられます。
行政書士は、個人や企業が官公署へ提出する書類を依頼人の代わりに作成し、提出に必要な書類の準備から手続きまでをサポートします。
官公署への提出書類は複雑化しているため、個人が行政書士のサポートなしで作成するのは難しいかもしれません。
そのため、行政書士が代わりに書類を作成することで、私たちが本来受けられるはずの権利や利益を守ることが可能となります。
行政書士の独占業務と例
- 官公署に提出する書類(建設業許可・会社設立・帰化申請など)
- 権利義務に関する書類(財務諸表・会計帳簿・内容証明郵便など)
- 事実証明に関する書類(会社定款・遺言書・遺産分割協議書・示談書など)
仕事内容
許認可とは?
許認可とはある行為や事業を行うために、必要な承認や許可のことです。
行政機関(国や公共団体の機関)から許認可を得ることで、正式にある行為や事業がおこなえることになります。
行政書士の主な仕事内容は以下の3つで、作業範囲が広い点が特徴です。
行政書士のおもな仕事内容
- 書類作成
- 許認可申請の代理
- 相談業務
行政書士が作成する書類のほとんどは許認可に関するもので、1万種類を超えると言われています。たとえば、会社設立の手続き・建設業の営業許可・飲食店や遊戯店(パチンコやビリヤードなどの娯楽施設)のような開業許可の書類作成などです。
行政書士は個人や企業が事業をおこなうために必要な許可や届出、登録などの許認可申請を代わりにおこなえます。行政書士は依頼人の代わりに書類の作成と提出までが業務範囲となり、その後の相手方との交渉は弁護士が担当します。
また、許認可申請の書類作成・手続きのサポートとともにおこなわれるのが相談業務です。たとえば、法人化を希望する依頼者の相談に乗り、事業の開始についてやすでに開業している事業者に対して法的にアドバイスできます。
平均年収
厚生労働省の「職業詳細|jobtag」によると行政書士の平均年収は551.4万円でした。厚生労働省の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本全体の給与所得者の平均年収は458万円で、行政書士の平均年収は日本全体の平均年収より約93万円高いことがわかります。
行政書士の給与分布表より、最もボリュームの多かった水準は月収19.7万〜29.69万円で、平均年収を算出すると年収315.2万〜475万円です。(※1)
(※1)平均年収の計算式:(月収×12ヶ月分)+(月収×4ヶ月分(賞与))
雇用形態が正社員やアルバイト、フリーランスなど多様化しているため年収の幅が広い傾向にあります。
また、働き方によって年収が異なり、独立して自分の事務所を開業する行政書士の場合は、個人の経験やスキル次第で年収1,000万円以上稼ぐ人もいます。
平均年収は年収の高い人にデータが寄るため、あくまで目安と考えてくださいね。
さらに業務ごとに単価も異なり、行政書士のおこなう行政手続きは多岐に渡るため年収の幅も広がります。行政書士は雇用形態や受注する案件によって年収が異なり、自分に合った働き方や希望の年収が目指せる自由度の高い職業と言えます。
まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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キャリア形成に役立つ! 行政書士の資格を活かせるおもな3つの就職先
キャリア形成に役立つ! 行政書士の資格を活かせるおもな3つの就職先
- 法務事務所
- 士業事務所
- 一般企業
行政書士の資格は法律に関する専門的な知識を持っていることの証明となり、あらゆる就職先や場面で活用できます。就職先によって資格の活用方法はさまざまで、一概に「行政書士」としての肩書きが全てではありません。
下記では、行政書士の資格を活かせる主な就職先3つを紹介していくので、自分に合った就職先選びの参考にしてください。就職先の選択によってキャリア形成の方向性も異なるため慎重に選びましょう。
就職を成功させるには「企業選びの軸」を身につけるのが必要不可欠です。企業選びに悩んでいる人は、ぜひ下記の記事もチェックしてみてください。
関連記事
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
企業選びの軸は就活が成功するかどうかを左右する重要な要素です。企業選びの軸の見つけ方や選考でわかりやすく伝えるための構成をキャリアコンサルタントが解説します。例文を交えて解説するので、参考にして就活を成功させましょう。
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①法務事務所
法務事務所で働く行政書士は「使用人行政書士」として分類されます。使用人行政書士とは、行政書士として働いて報酬を得るために行政書士会の登録はしているものの、自身で開業せずに雇用されて働く行政書士のことです。
業務内容は許認可申請や債務整理などで、勤め先の事務所が担当する分野の業務をおこないます。債務整理とは借金や負債が大きくなり過ぎて返済が難しくなった場合に、借金を整理して返済額や返済方法を見直して解決を図る法的な手続きのことです。
法務事務所で働くなら事務所の方針に従って働く必要があり、行政書士の仕事とは関係のない顧客情報や案件のデータ入力・管理などのような雑務を任される可能性もあります。
事務所によってさまざまな許認可申請を扱い、事務所経営や実務スキルを学べるので、将来行政書士として開業する際の学びにもなりますよ。専門知識を活かして業務に携われるので行政書士としてのキャリアをスタートさせる就職先としておすすめです。
行政書士の良きアシスタントとして、先を読んで行動したり、気配りができたりする人が求められています。
使用人行政書士は知識が豊富な行政書士の元で働くこととなるため、自然と知識が増えます。何より実務経験を積めることが大きいでしょう。
②士業事務所
行政書士は、弁護士や社会保険労務士などの別の士業事務所でも資格を活かして働けます。士業事務所では、契約書や申請書など法律に関わる資料を作成する業務が多く、行政書士との連携により業務が効率化するため高いニーズがあります。
たとえば、弁護士事務所であれば行政書士の有資格者はパラリーガル(法律事務員)として勤務するのが一般的です。パラリーガルとは、弁護士が対応しきれない細かい作業や法的で専門性の高い業務を担い、弁護士と協力して案件を処理する役割です。
主な業務内容は電話対応や債務整理、裁判所への書類提出など細やかで、正確性の高い作業が求められます。
行政書士は士業事務所にとって、法律に関する知識を身につけている点や、幅広い業務を任せられる点が大きなアドバンテージと言えます。
士業事務所によって行政書士が担う業務は異なるため、志望する事務所がある場合は事前にどんな分野を請け負っているのか調査しましょう。
士業事務所では、高い専門知識と正確性、細やかな対応といったコミュニケーションスキルが求められます。ミスが許されない仕事も多く、一つひとつのことを注意深く確認する姿勢が大切です。
また、業務内容が多岐にわたるため、柔軟性と適応力が必要です。さらに、最新の情報を学び続ける自主性と継続的な学習意欲も重要です。幅広い要素を備えた人材が適していると言える職業です。
③一般企業
行政書士の資格を活かして一般企業での就職も可能です。一般企業の法務や総務、人事の業務では法的な知識が役立ち、雇用契約書の管理や決算業務などに携われる場合があるためです。
とくに、建設・不動産・流通業界では許認可申請や契約書の作成などが必要となるケースが多く、行政書士の専門知識を活かせる可能性があります。
企業に勤めたあとに行政書士の資格を取得する社員もいるため、採用前に資格を持っていると選考での大きなアピールポイントになります。
ただし、一般企業では登録条件上「行政書士」の肩書きを持って働くことはできません。資格取得で培った専門的な知識を活かして業務をおこなうため、原則として一般社員と同じ待遇となります。
行政書士の有資格者は単に行政書士として働くだけでなく、選考でのアピールポイントになり就職の選択肢を広げるうえで有効です。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
行政書士は就職先が少ない? 就職が難しいと言われる3つの理由
行政書士は就職先が少ない? 就職が難しいと言われる3つの理由
- 求人数が少ないから
- 一般企業では行政書士として働けないから
- 独立開業向けの資格だから
行政書士は就職先が少ないと聞いて不安に思う人もいますよね。行政書士の有資格者は年々増加し、業界は求人以上の有資格者で溢れている状態であることも就職が難しいと言われる理由の一つです。
しかし、就職状況をしっかりと把握し、対策をすることで選考突破の確率を上げることができます。
ここからは、行政書士の就職が難しいと言われる主な3つの理由を詳しく解説しているので、行政書士の現状を理解しましょう。
求人数が少ないから
行政書士として就職が難しいと言われる理由に求人数の少ない点があげられます。全国の法務事務所や士業事務所では小規模な事務所が多く、行政書士が必要な場合でも1人で業務が完結するため必然的に募集数が少なくなるからです。
厚生労働省の「ハローワーク求人統計データ(令和4年度)」によると、行政書士の有効求人倍率は0.48倍で求人数より求職者の数の方が多く、応募に対して競争率が高い傾向にあります。
また「一般職業紹介状況(令和5年分)」によると、全体での平均有効求人倍率は1.31倍で、全体の職種と比べても行政書士の求人数は少ないと言えます。
行政書士を募集している事務所の多くは、大規模な士業事務所や弁護士事務所で、応募が集中し求人倍率が上がるため、採用を目指すのは難しい現状です。
しかし、行政書士の肩書きにこだわらず資格を活かすのであれば、求人の選択肢は広がるため一概に就職先が少ないとは言えません。
一般企業では行政書士として働けないから
一般企業では行政書士としての肩書きではなく、一般社員として雇用されて働くことになります。各都道府県の行政書士会に登録した有資格者のみが行政書士として働け、一般企業に雇用される有資格者は登録が認められません。
行政書士会に登録が可能な有資格者は、以下の3つの属性のみです。
行政書士会に登録が可能な有資格者の属性
- 個人開業行政書士(個人で独立・開業して業務をおこなう場合)
- 社員行政書士(行政書士法人の社員として雇用され業務に携わる場合)
- 使用人行政書士(行政書士や行政書士法人の使用人として雇用され、事務所へ勤務する場合)
このように、行政書士法人の事務所や士業事務所などに勤務する場合、または独立・開業をする場合のみ行政書士として働けます。一般企業では行政書士として働けないため、選択肢が狭まる点が就職が難しいと言われる要因です。
しかし、一般企業であっても行政書士の資格が評価され、管理部門の一般社員として採用される可能性があります。有資格者は法律の専門知識を活かして業務に貢献できる点で、選考に有利になるかもしれません。
独立開業向けの資格だから
行政書士の資格は独立・開業向けの資格であるため、資格取得後に個人事務所を設立する人が多い傾向にあります。理由としては、行政書のおこなう行政手続きの多くは1人で完結するため、自分のペースで働ける独立・開業を選ぶ人が多いためです。
行政書士会に登録している有資格者の会員データは以下のとおりです。
個人会員数 | 51,619人 |
法人会員数 | 1,356人 |
合計会員数 | 52,975人 |
出典:日本行政書士会連合会「各都道府県の行政書士会所在地・会員数(令和6年4月現在)」
行政書士の会員数52,975人のうち51,619人が個人会員であり、9割以上の人が個人事務所を設立していることがわかります。個人事務所では人を雇う機会が少なく、人手が足りない場合は、家族や補助者の協力を得て業務をカバーする場合が多いとされています。
独立・開業のしやすさは、個人事務所が多く行政書士の就職に影響を及ぼしている要因です。
- 個人事務所と法人事務所の就職にはそれぞれどのような人が向いていますか?
それぞれ「柔軟に対応できる人」「キャリア志向が強い人」が向いている
個人事務所には、物事を受け流せる人や割り切りができる人が向いているのではないでしょうか。「誰とでも仲良くできる」より、「どのような相手でも協力関係を築ける」、あるいは「環境に適応できる」の方が好ましいです。
小規模な個人事務所は良く言えばアットホームですが、職場の人間関係が狭いので人によっては窮屈に感じるでしょう。こればかりはそこで働いてみないとわかりません。
あくまでも相性の問題なので、人間関係がうまくいかないからと言って転職を繰り返すことは避けましょう。
規模の大きい法人事務所だと扱う案件は多岐にわたり、また社労士などほかの資格を持っている社員がいると刺激になるので、キャリアアップ志向の強い人にはおすすめです。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
行政書士の資格は就職に活かせる! 就活で役立つアピール方法をプロが解説
ここまで、行政書士の就職が難しいと言われる理由を解説してきました。行政書士は求人倍率が高く、資格を持っているだけでは他の就活生との差別化が図れない可能性があります。
しかし、資格をうまくアピールすることで採用担当者に評価され、選考で有利に活用できますよ。下記では、行政書士の選考に役立つアピールする方法をキャリアコンサルタントの板谷さんに聞いていきます。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る資格取得の理由を伝えることはアピールになる
行政書士の資格取得をしたいと思った背景や今後の思いがあるのであれば、コンパクトに伝えられるようにしておきましょう。
もし、学生時代に飲食店での起業や何らかの許認可申請をするために行政書士の資格を取得したのであれば、そういったエピソードもアピールにつながります。
行政書士で求められる力を有していれば積極的にアピールしよう
行政書士は顧客や行政機関と関わることの多い仕事です。アルバイトや学生生活の中で培ったコミュニケーション能力をアピールすることで実際の業務の中で活躍できる人物であると伝えることができます。
さらに行政書士の業務では、細やかな法律の規則や手続きについて正確に理解し、順守することが必要になります。注意力や文章作成能力についてアピールするエピソードがあると強みになります。
最後に、法律や制度は時代と共に変化するため継続的に学び続ける姿勢が必要となってきます。知識を積極的に吸収していくことや自己啓発の取り組みなどで伝えられそうなエピソードがあるか検討してみましょう。
行政書士には将来性もある! キャリアアップを見越して働ける3つの方法
行政書士には将来性もある! キャリアアップを見越して働ける3つの方法
- やりたい分野を明確化する
- より専門的な知識を学ぶ
- 独立を視野に入れてキャリア形成に努める
行政書士の資格を活かした働き方によって、積み重ねられるスキルや経験が異なります。将来どのように活動していきたいのか明確にすると、視野が広がりスキルを磨く意欲も高まるでしょう。
キャリアのある行政書士は重宝され、さまざまな分野での活躍が期待できます。下記では、行政書士のキャリアアップを見越した働き方について解説していくので、行政書士として就職した後の参考にしてください。
①やりたい分野を明確化する
行政書士は1万種類以上の書類作成が可能で業務範囲が広いため、やりたい分野や得意とする分野を明確化させることが重要です。やりたい分野、得意な分野に特化していれば特定の顧客から受注しやすく、他の士業と連携を取りやすいためです。
行政書士は建設業界や医療業界、飲食業界などさまざまな分野に精通して業務をおこなうことができます。
たとえば、建設業界であれば、建設工事に関する建設業許可の取得や建設業許可を取得した後に毎年必要になる書類作成などがあげられます。さらに、経営に関わる相談など行政書士の独占業務をすべて請け負うことが可能です。
いくつかの業界を取り扱っている行政書士より、特定の分野に精通している行政書士は専門的に取り扱えます。顧客からの信頼性を確保でき、案件受注数も増えていきますよ。
また、特定の分野に特化していればその分野に特化している行政書士として、税理士や司法書士など他の士業から案件を紹介をしてもらえる可能性も高くなります。行政書士として就職するなら自分のやりたい分野を明確化して、その分野を扱う事務所を選択しましょう。
②より専門的な知識を学ぶ
行政書士のキャリアを形成するのに有効な方法として、より専門的な知識を学んで行政書士以外の士業資格を取る方法があります。士業にはそれぞれ独占業務があり、他の士業の独占業務に抵触した場合は法律違反の対象になります。
しかし、ダブルライセンス(複数の士業資格を取得すること)を取得すれば業務範囲を広げられ、他の士業の独占業務まで担うことが可能です。
たとえば、行政書士と司法書士のダブルライセンスは、顧客の依頼に対してワンストップサービスを提供できるため相性の良い組み合わせと言えます。
飲食店経営をする会社の設立を受注した場合、行政書士として「飲食店営業許可」を取得し、司法書士として「会社設立登記」を一貫しておこないます。会社設立に関する登記とは、会社の住所や事業、役員などさまざまな情報を国に公開する手続きのことです。
このように、行政書士と付随する資格を取得していれば業務範囲を広げられ、さまざまな分野で活躍できるのです。
- 行政書士×司法書士のように行政書士と相性の良い資格の例をいくつかあげていただきたいです。
社会保険労務士・税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナーなどがある
たとえば司法書士は会社設立や登記で役に立ちますが、社労士は労務管理で、税理士は税務管理で、弁護士は訴訟対応や契約書作成で、FPは資産運用や保険見直しで、といったようにそれぞれ強みを発揮します。
これらの資格を組み合わせることで、行政書士としての業務範囲が広がり、より専門的で包括的なサービスを提供できるようになります。
結果として、クライアントのニーズに応じて柔軟に対応できるようになるため、競争力が高まりキャリアの幅も広がるでしょう。
③独立を視野に入れてキャリア形成に努める
将来的に独立を目指す場合は、キャリア形成を見越した就職先を選ぶことが重要です。事務所ごとに扱う分野は異なり、就職先の選択で積み重ねられるキャリアに違いが生まれるためです。
ゆくゆくはどのような分野で、どのような業務を扱って働きたいのかを明確にして就職先を選びましょう。場合によっては雇用形態や給与より、自分の目指す分野で専門性の高い行政書士のもとで実務経験を積むこともキャリア形成に有効な方法と言えます。
自分のキャリアプランと就職先の扱う分野とのミスマッチを防ぐためにも、事務所選びは慎重におこないましょう。
事前準備が重要! 行政書士の就職を成功させる4つのポイント
事前準備が重要! 行政書士の就職を成功させる4つのポイント
- さまざまなサービスを活用して行政書士に関連する求人情報を収集する
- 自己分析を深めて行政書士の資格とリンクさせる
- 履歴書で説得力のある希望動機や資格の活かし方を明示する
- 専門知識を活かして採用後に何をやりたいか明確化する
ここまで行政書士資格のアピール方法や、将来性を説明してきました。就職が難しいと言われていても、対策をしっかりおこなえば選考を突破して長期的な活躍が可能です。
最後に、就職先が少ないと言われる行政書士の求人を見つけるポイントや、選考を突破するコツを詳しく解説していきます。採用担当者にとって有益な情報を伝え、あなたの魅力を最大限に活用しましょう。
他の就活生と差別化する方法も説明しているので、参考にして選考に備えてくださいね。
①さまざまなサービスを活用して行政書士に関連する求人情報を収集する
行政書士の求人は一般の職種より求人数が少ないため、さまざまなサービスを活用して求人情報を集めることが重要です。行政書士は大きく分けて法務事務所や士業事務所、一般企業の3つから募集があり、それぞれの求人の探し方は以下のとおりです。
就職先 | 求人の探し方 |
---|---|
法務事務所・士業事務所 | ・求人サイトや就職エージェントを利用する ・ハローワークで探す ・事務所のホームページ(HP)から直接応募する |
一般企業 | ・求人サイトや就職エージェントを利用する ・ハローワークで探す |
求人サイトや就職エージェントの利用は、就職先に合わせてサイトを使い分ける必要があります。
事務所への就職を希望している場合は、士業の求人を多く保有している求人サイトや就職エージェントを選びましょう。一般企業に就職を希望するのであれば、法務・総務・人事などの管理部門に特化した求人サイトや就職エージェントの利用がおすすめです。
ハローワークは掲載費用がかからないため、法務事務所や士業事務所の利用率が高く求人の少ない行政書士でも求人を見つけやすい媒体です。また、事務所のHPに求人情報を掲載している場合もあり、志望の事務所がある場合は随時HPをチェックしておきましょう。
- 法務事務所や士業事務所が求人を出しやすいタイミングはありますか?
事務所の新設のタイミングや年度の変わり目に求人が出されやすい
法律事務所や士業事務所が求人を出すタイミングとしては、新しい事務所の開設のタイミングや業務を拡大したときがあります。
また、急な退職者が出た際や新年度などの年度の変わり目、資格試験の合格発表後のタイミングで新たに資格取得した人を採用しようとする動きもあります。
法務事務所や士業事務所は小規模な事務所が多いので、インターンシップや事務所訪問などで接点を持ち、直接事務所との関係構築を図ることで公募前の採用機会を獲得できることもあります。
②自己分析を深めて行政書士の資格とリンクさせる
選考では自己分析を深めて行政書士の資格を取得した経緯を説明しましょう。数ある士業のうち、なぜ行政書士を選んだのかを採用担当者にアピールするためです。
できるだけ抽象的な理由は避けて、具体的に「行政書士を選んだ理由」を伝えましょう。たとえば、家族が行政書士へ業務を依頼していて、手厚いサポートに感銘を受けたことなど、過去の経験やエピソードを用いて伝えられるとなお良いです。
また、自分の長所や強みを行政書士の資格とリンクさせて、どのように活かしていけるのかを具体的に伝えることも重要です。行政書士は求人倍率が高いため、ただ資格を持っているだけでは周りとの差別化は見込めません。
資格と併せて自分だけの強みや経験を組み合わせれば、希少価値が上がり選考突破に有利になります。
自己分析をノートで作るとより自分を深掘りできます。選考に役立つ自己分析の方法について気になる人は、下記の記事も併せてチェックしてみてください。
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自己分析ノートの効果的なやり方4ステップ|就活での活用法も解説
この記事では、ノートを使った自己分析法のやり方がわからない人に向けて、自己分析ノートの種類やメリットを紹介しています。自己分析をノートでやるときは目的に合わせた工夫が重要です。キャリアコンサルタントとともに手順も説明するので、自己分析ノートを就活に役立てたい人は参考にしてくださいね。
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③履歴書で説得力のある希望動機や資格の活かし方を明示する
履歴書にはなぜその企業や事務所を選んだのか、資格をどのように活用するのかを記載しましょう。「行政書士を選んだ理由」だけでは、他の就活生との差別化にならず採用担当者へアピールが不十分なためです。
志望動機を明確に伝えるためには業界や企業研究を深めて、志望する企業や事務所でなければ実現できないことを伝えましょう。採用担当者があなたの企業や事務所に対する思いを感じ取りやすく、良い印象を与えられます。
また、資格取得で培った知識をどのような業務に活かせるのか、どのようなことで企業や事務所に貢献していけるのかを伝えましょう。採用後の活躍がイメージしやすく、企業や事務所のために自ら動ける人材であると評価されやすいためです。
採用担当者に効果的にアピールするためには、あなたの強みや明確な志望動機の明示が重要です。自分の強みの見つけ方や、志望動機の作り方に悩んでいる人は、下記の記事もチェックしてみてください。
自分の強みの見つけ方
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
志望動機の作り方
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
④専門知識を活かして採用後に何をやりたいか明確化する
行政書士の資格を活かして将来どのようになりたいのか、志望の企業や事務所で何を実現したいのかを明確化しましょう。将来のビジョンを明確に伝えることで、採用担当者に自分の働き方を鮮明にイメージしてもらえやすくなるためです。
自己分析をもとに自分の強みや長所を盛り込み、採用後にどのように企業や事務所に貢献していけるのかを伝えましょう。人生のキャリアプランを伝え、採用担当者にあなたの将来像をイメージしやすいように説明するのも一つの手段です。
ただし、多くの企業や事務所は採用者にできるだけ長く勤めて欲しいため、独立を視野に入れている場合でもはっきりと明示せず、最大限に貢献する意欲を伝えましょう。
- 行政書士のキャリアプランとしてどのような方向性があるのか具体的な例を教えてください!
行政書士のキャリアプランはおもに5つのタイプに分けられる
行政書士のキャリアプランは経験やスキル、自身の特性、目指す方向性によって選択肢が多岐にわたります。
以下で具体例を紹介するので、キャリアプランを立てる際の参考にしてみてくださいね。
①専門特化型:特定の分野に精通するため信頼を得ることができ、紹介案件が得やすくなる
②マルチライセンス型:ほかの士業資格を取得して幅広いサービスを提供する
③企業内行政書士型:企業の法務部門で働き、企業の法務業務やコンプライアンス業務を担当し企業経営を支える
④独立開業型:経営の知識や営業力を前提として自分のペースで働き、自由度の高い働き方ができる
⑤教育・研修型:講師として大学や専門学校、企業向けの法務研修などで知識を伝える
行政書士のキャリアプランは、経験やスキル、自身の特性、目指す方向性によって選択肢が多岐にわたると言えます。
下記の記事の後半では、法学部生が面接で聞かれやすい質問と回答例を紹介しています。ぜひ併せてチェックして、面接での対策に役立ててくださいね。
関連記事
法学部におすすめの就職先は? 主な進路や法学部必須の対策を解説
法学部の就職先は多岐に渡り、視野を広げて就活することが重要です。この記事では就活生向けに、法学部におすすめの就職先や法学部生がするべき対策を解説します。キャリアアドバイザーによる企業側の視点も解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
記事を読む
行政書士の資格と併せて自分だけの強みをアピールして就職を成功させよう
資格を持っているだけでは採用担当者へ十分にあなたの魅力を伝えられません。自己分析を深めてあなたの強みや長所、行政書士を選んだ理由を今一度整理しましょう。
行政書士としてのキャリアプランを明確にして、志望する企業・事務所ではないと実現できないことを併せて伝えられるとより強く印象付けられますよ。
求人数が少ない行政書士であっても、事前にしっかり準備すれば選考突破の確率を上げらえます。ぜひこの記事を参考にして、行政書士の就職に役立ててくださいね。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る行政書士の仕事には周囲との連携が必要不可欠
行政書士の仕事は書類仕事がメインなため、独立開業した場合は比較的高齢になっても続けられる仕事です。ただし、依頼してくれる顧客をどれだけ見つけられるかが重要となってきます。そのためには、地元の不動産会社や創業を手助けする公的機関などとのネットワークが必要となるでしょう。
行政書士の仕事は相手が必要としない限り仕事は発生しないため、顧客を紹介してくれる外部機関との連携が重要です。どのように行政書士の仕事や売り上げが発生するのかをしっかりと理解しておいてください。
アピールできる材料を理解してから選考に臨もう
業務には書類作成が多いためPCスキルは必須です。WordやExcelができるのは当然と考えましょう。タイピング速度も求められるため、面接では正確に早く作業できることをアピールできると良いと思います。
行政もどんどんWeb化しているので、ある程度のITの知識を持っておくと良いです。ITリテラシーが高くない事務所だと非常に喜ばれるはずなので、ITパスポートがあればアピール材料となるでしょう。
最後に、応募先の事務所の専門と自分の方向性が合っているかを必ず確認するようにしてください。選考に臨む際は、行政書士は基本的には地域に根付いて仕事をしているので、地元の事情もわかっていると訴えると良いと思います。
アピール材料をしっかりと集めたうえでしっかりと対策をし、就職を目指してくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
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