この記事のまとめ
- 退職後の手続きの期限や必要な書類を図で確認しよう
- 社労士が語る! 退職後にしてしまいがちなミスとは
- 退職後の手続きを怠った場合のリスクも解説
会社を退職すると社会保険や年金、税金などに関する重要な手続きをおこなう必要があります。在職中とは違い、自分自身でこれらの手続きをおこなわなければならないうえに、手続きの中には期限が設けられているものもあるため、迅速な対応が必要となります。
しかし、「どういった手続きをいつまでにやれば良いの?」「手続きのやり方がわからない」と不安に感じている人がほとんどではないでしょうか。
この記事では、社労士の涌井さん、村谷さん、キャリアコンサルタントの平井さんとともに退職後に必要な手続きの種類や方法について一つずつ詳しく解説します。退職後の手続きで不安や疑問がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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退職後の手続きは自分に必要なものとタイミングを理解しよう
退職後の手続きをスムーズにおこなうためには、「どの手続きをいつまでにおこなうのか」を把握しておくことが重要ですが、必要な手続きの内容やタイミングは人によって異なる点に注意が必要です。
退職時期や退職理由、次の就職までの期間などによって、必要な手続きのタイミングは変わってきます。そのため、自分の状況に合わせた手続きを理解しておく必要があるのです。
この記事では、まず必要な5つの手続きと期限、それぞれに必要な書類をリスト化し、一目でわかるように図で解説します。さらに、退職後の手続きでよくあるミスを社労士の涌井さんから紹介してもらうので、同じミスをしないように細かく確認しておきましょう。
次に、必要な5つの手続きのパターンや方法について一つずつ詳しく解説します。最後には手続きを怠ってしまった場合のリスクについても解説するので、手続きの重要性も認識してくださいね。この記事を参考に自分に必要な手続きを理解し、退職後、スムーズに手続きができるようにしておきましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
退職後に必要な5つの手続き! 準備しておく書類もリストで確認しよう

退職後に必要な手続きは上記の5つがあります。一覧に記載してあるように手続きごとに期限が設定されているため、手続きをおこなう順番を整理しておくと手続きがスムーズです。
また、手続きによっては書類が必要な場合があります。書類は自分で用意できるものから、退職前に会社に依頼しておかなければならないものまであるため、退職前に把握しておく必要があるのです。
退職後に必要な手続きをしっかりとおこなうために、期限や必要な書類、注意点などをここでしっかりと理解してくださいね。
企業に雇用されていると、会社が給与から税金を差し引いて、社員の代わりに納税しています。これが源泉徴収です。
給与所得者が原則として確定申告をする必要がないのも、このためです。退職すれば源泉徴収がなくなるため、すべて自分で手続きすることになります。
退職が決まっている、退職を検討している人の中には、そもそも転職の仕方がわからないという人もいるのではないでしょうか。以下のQ&Aで転職活動でまず考えるべきことを紹介しているので、基本を押さえて転職活動を成功させましょう。
①年金の切り替え
会社を辞めると加入していた厚生年金から自動的に抜ける形になるため、切り替えの手続きが必要になります。すぐに転職するかしないか、配偶者の扶養に入るなど切り替えのパターンについては後に詳しく解説します。
年金の切り替えに必要な書類は以下の通りです。
年金の切り替え手続きに必要な書類
- 基礎年金番号が確認できる書類
- 年金手帳または基礎年金番号通知書など
- 離職日が確認できる書類
- 雇用保険受給資格者証・離職票・社会保険資格喪失証明書など
退職日の翌日から転職先に入社する場合は手続きは必要ありませんが、退職してから次の会社に入るまで1日でも期間が空く場合は、退職から14日以内に役所で切り替えの手続きをおこなわなければなりません。配偶者の扶養に入る場合も扶養されることになった日から14日以内の手続きが必要です。
手続きを怠ってしまうと、将来受給する年金額が減ってしまうこともあります。手続きの期限も短いので、早急な対応が必要だと覚えておきましょう。
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②健康保険の切り替え
すぐに転職しない場合は健康保険の切り替え手続きも必要です。健康保険の切り替えは3つのパターンがあり、国民健康保険に加入する場合は退職から14日以内、任意継続(退職まで加入していた健康保険を継続)の場合は退職から20日以内に手続きをおこなう必要があります。
家族の扶養に入る場合は、扶養する家族が手続きをおこないますが、退職後すぐに手続きをしてもらいましょう。
健康保険の切り替えに必要な書類
- 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に加入する場合)
- マイナンバーカード・通知カード(国民健康保険に加入する場合)
- 任意継続被保険者資格取得申出書(任意継続する場合)
- 健康保険被扶養者(異動)届(家族の扶養に入る場合)
必要書類は加入していた・加入する健康保険組合や自治体によって異なるため事前の確認が必要です。
健康保険に加入していれば病気や怪我の治療費は3割の負担ですが、加入していないと全額負担になり莫大な費用がかかってしまうこともあります。そうならないようしっかりと期限内に手続きをおこないましょう。
③失業手当の申請
失業手当は申請しなければ給付されない点に注意が必要です。一定の条件を満たしていれば、申請後に給付が開始されます。
しかし、自己都合退職の場合は申請から給付までに2カ月ほどかかるため、早めに申請しなければ無収入の期間が長くなってしまうことは、頭に入れておきましょう。
申請に必要な書類と給付される条件を以下にまとめます。
失業手当の申請に必要な書類
- 離職票
- マイナンバーカード・通知カード
失業手当の給付条件
- 離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること(自己都合退職の場合)
- 離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること(会社都合退職の場合)
- 就職する意思があること
離職票を受け取ったら、すぐに住んでいる地域のハローワークで申請をおこないましょう。申請の流れについては後の章で詳しく解説します。
離職票は、退職日の翌日から起算して10日以内にハローワークへ提出される届出をもとに発行されます。
提出後、ハローワークから発行されるまでにさらに日数がかかります。早く発行してもらいたい場合は、会社に問い合わせて交渉することが可能です。
④住民税の変更
住民税は、会社に所属していると基本的に給料から天引きされるため自分で支払いの手続きをおこなう必要はありません。
しかし、会社員でなくなると給料からの天引きができなくなるため、支払いの手続きを自分でおこなわなければなりません。
住民税の変更手続きには以下の書類が必要になります。
住民税の変更手続きに必要な書類
- 特別徴収に係る給与所得者異動届出書
上記の書類は1カ月以内に転職する場合にのみ必要です。後の章で詳しく解説しますが、住民税の変更手続きは次の会社に入社するまでの期間や退職時期によって異なります。すぐに転職しない場合は自治体から送られてくる納付書に従い住民税を支払いましょう。
住民税の支払いが遅れてしまうと延滞料金が発生します。さらに未納状態が続くと信用情報機関に登録されてしまい、クレジットカードが作れない、ローンの審査に通らないなど大きな損失につながりかねないため注意が必要です。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
⑤確定申告
退職後、年末までに転職しなかった場合や個人事業主になる場合は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をおこなう必要があります。確定申告は払いすぎた税金の還付を受ける、不足している税金を納めるための重要な手続きです。
確定申告には以下の書類が必要になります。
確定申告に必要な書類
- 確定申告書
- 源泉徴収票
手続き方法は、確定申告書を作成し税務署に提出するというものですが、e-Taxを利用し、Web上で申告書の作成から提出もおこなえます。
確定申告をおこなわないと、払いすぎた税金が還付されず損をしてしまう場合や、ペナルティを課せられ本来納める額以上の税金を支払わなければならないなど大きなリスクを負うことになります。年末までに転職をしない人は必ず確定申告をおこないましょう。
各地の税務署で確定申告の相談ができます。自分の管轄の税務署を調べて、問い合わせてみましょう。事前に予約をし、持参するものを確認して準備していくことをおすすめします。
社労士に聞いた! 退職後の手続きでよくあるミスとは?
退職後は、解説したとおり5つもの手続きを退職後の慌ただしいなか期限内におこなわなければいけません。種類の多さや複雑さ、スケジュールがタイトな点から手続きがもれる、ミスをしてしまう人も少なくはありません。
そこで、実際に退職後の手続きでしてしまいがちなミスにはどのようなものがあるのかを、社労士の涌井さんに解説してもらいます。
退職してさまざまな手続きが必要になったときに、ミスをしないためにもしっかりと頭に入れておいてくださいね。
アドバイザーコメント
涌井 好文
プロフィールを見る退職後の手続きでは期限がタイトなものに特に注意すべし
退職前後で忘れてはならないことは、健康保険関係の手続きです。日本は国民皆保険の国であるため、国民は全員何らかの公的医療保険に加入しています。会社員であれば協会けんぽや健康保険組合の健康保険に加入し、自営業者などであれば国民健康保険に加入しています。
もし、退職後に自営業者になる場合や、一時的に仕事をおこなわない場合には、国民健康保険への切り替え手続きが必要です。これは、退職の翌日から14日以内におこなわなくてはなりません。
また、会社員時代の健康保険を継続する場合には、任意継続の手続きを退職の翌日から20日以内におこなうことが必要です。いずれも時間的にタイトであり、退職前後の慌ただしさも相まって間に合わないことも多くなっています。
場合によっては一時的に3割ではなく10割の医療費を負担することにもなりかねないため、事前に手続きなどについて調べておきましょう。
会社に用意してもらう書類は退職前に確認して早めに依頼しておこう
失業保険の手続きにおいて必要な離職票が会社から届かないことが、まま見られます。
離職票は必要である旨を伝えておかないと発行してくれない会社もあるため、必要であれば忘れずに伝えておきましょう。伝えたにもかかわらず届かない場合にはハローワークに相談してください。
手続き①年金の切り替えは3つのパターンに分類される
年金の切り替えは3つのパターンに分類される
年金の切り替えも3つのパターンによって手続き方法は異なります。会社を退職すると厚生年金から抜けることになるため、退職から転職するまでに1日でも期間が空く場合は14日以内に役所で手続きを済ませる必要があります。
それぞれのパターンの手続き方法や該当条件を解説するので、自分にはどの手続きが必要なのかを理解しておいてくださいね。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
①すぐに転職する場合
退職日の翌日に転職する場合は、自分で切り替えの手続きをおこなう必要はありません。転職先に基礎年金番号かマイナンバーを伝えれば会社が手続きをおこなってくれます。
転職先に必要事項をスムーズに伝えられるように、年金手帳やマイナンバーカードを用意しておくと安心です。
すぐに転職をしたいけど転職活動がうまくいっていない人は、こちらの記事を併せて参考にしてください。転職活動で見直すべきポイントや対処法について解説しています。
関連記事
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②個人事業主になる場合
すぐに転職せずに、また家族の扶養にも入らずに個人事業主になる場合は、国民年金への加入手続きを退職から14日以内に済ませなければなりません。手続きは、役所へ行くかマイナポータルから申請するかの2つの方法があります。
いずれの手続きにも、年金手帳・基礎年金番号通知書などの基礎年金番号がわかるもの、離職票などの退職日がわかるものが必要になるため、事前に用意しておくようにしましょう。
③家族の扶養に入る場合
家族の扶養に入る、つまり第3号被保険者になる場合は、年金を支払う必要がなく、自分で手続きをおこなう必要もありませんが、扶養者が勤務先を通して手続きをおこなう必要があります。
家族の扶養に入る場合は以下の条件を満たす必要があります。
家族の扶養に入る条件
- 20歳~60歳である
- 年収が130万円未満、かつ扶養者の年収の2分の1未満である
- 扶養者が第2号被保険者である
第3号被保険者
国民年金の加入者のうち、厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で年収が130万円未満であり、かつ配偶者の年収の2分の1未満の人
第2号被保険者
70歳未満の会社員や公務員など厚生年金の加入者
扶養者が手続きをおこなう際に、戸籍謄本、退職証明書または離職票の写しが必要になるので、事前に準備しておくとスムーズに手続きがおこなえます。
退職後に家族の健康保険の扶養へ入る場合もあります。扶養だからといって何か制限されることはほぼないため、可能であれば積極的に扶養制度を活用するべきです。
扶養に入っていると転職時に不利益になるのではと考えるかもしれませんが、そのようなことはないため安心してください。
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手続き②健康保険の切り替え4パターンを解説
健康保険の切り替え4パターンを解説
健康保険の切り替えもパターンによって手続き方法が異なります。ただし、すぐに転職しない、家族の扶養に入らない場合は②と③どちらの方法を取るか自分で選択ができる点がほかの手続きとは異なります。
どちらを選択するかによって、支払う保険料に差が出てくるので慎重に検討してください。在職時の年収や扶養者数、加入している保険の制度によって納める保険料は決められます。手続きの期限もあるため、在職中にどちらを選択した方がお得なのかシミュレーションをしておくことをおすすめします。
すべてのパターンについて個別に解説するので、自分に該当するパターンの手続き方法を理解しましょう。
①転職先の健康保険に加入
すぐに転職する場合は、転職先の会社が手続きをおこない、その会社の健康保険に加入するため、自分で切り替えの手続きをおこなう必要はありません。
ただし、転職先の新たな健康保険証が手元に届くまでには、時間がかかります。保険証がないと治療費などは全額負担になってしまうため、健康保険被保険者資格証明書を取得しておくことをおすすめします。
健康保険被保険者資格証明書は、健康保険被保険者資格証明書交付申請書を年金事務所に提出することで取得可能です。会社によっては個人に代わって手続きをしてくれる場合もあるので、人事担当者に確認しておきましょう。
手続き中であることを伝えれば診察を受けられます。医療機関によっては3割負担で受診できる場合もありますが、10割負担後に7割を還付してもらうことも可能です。
また、保険証ができるまで医療費の支払いを待ってもらう「会計留保」ができる場合もあります。手元に保険証がなくても、手続きが済んでいればマイナ保険証で受診できる場合もあります。
②国民健康保険に加入
すぐに転職しない、家族の扶養に入らない、任意継続をしない人は国民健康保険への加入手続きが必要になります。
手続きは住んでいる地域の役所で退職してから14日以内におこなわなければなりません。退職する会社から発行してもらう健康保険等資格喪失証明書や保険に加入するために必要な自治体指定の書類などが必要です。
国民健康保険は扶養制度がないため、扶養家族がいる場合は扶養家族全員が国民健康保険に切り替える必要があり、人数分の保険料を支払う必要があります。そのため保険料が以前に比べ高額になってしまう可能性もあります。
保険料は自治体ごとで異なるので、どのくらいの保険料を支払うことになるのかを調べ、次に解説する任意継続した場合と比較してから加入するようにしましょう。
③退職する会社の健康保険を任意継続
任意継続とは退職した会社の健康保険に退職後も扶養家族を含め継続して加入するもので、最大2年間の利用が可能です。退職した企業の健康保険に継続して2カ月以上加入していれば、任意継続することができます。
任意継続するには、退職してから20日以内に申請をおこなわなければなりません。手続き方法は会社がどの健康保険に所属しているかで異なります。協会けんぽの場合は住んでいる地域の協会けんぽ支部、健康保険組合の場合は各健康保険組合の事務所での手続きが必要です。
必要な書類も所属している健康保険によって異なりますが、一般的に健康保険任意継続被保険者資格取得申出書が必要です。
任意継続をすると、今まで会社が半分負担してくれていた保険料も自分で負担することになるので、保険料が基本的に上がってしまいます。しかし、年収や扶養している人数によっては国民健康保険に加入するよりも保険料を抑えられる場合もあります。
任意継続を検討する際は、支払う保険料を必ずシミュレーションしたうえで国民健康保険に加入した場合と比較し判断しましょう。
退職後は、国民健康保険か加入していた健康保険の任意継続、家族の扶養のいずれかを選択します。
任意継続の場合には、家族の扶養もそのまま継続できるため、国民健康保険に比べて保険料の節約に役立ちます。
④家族の扶養で加入
家族の扶養で加入すると、保険料の支払いは免除されます。扶養で加入するには、年間収入が130万円未満かつ被保険者の年間収入の2分の1未満などの条件があり、事前の確認が必須です。
加入の手続きは本人ではなく扶養する家族がおこないますが、健康保険被扶養者(異動)届や年間の収入がわかる書類などが必要になりますが、扶養者が加入している健康保険組合によって異なる場合もあります。
退職後すぐに手続きをおこなう必要があるため、事前に扶養者になる家族が勤務先に提出しなければならない書類を確認しておくと手続きがスムーズになります。
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手続き③失業手当の申請方法と受給までの流れ

転職するまでの期間が長くなる場合は、離職票を受け取ったらすぐにハローワークで失業手当の申請をおこないましょう。支給されるまでの期間は以下のようになっています。
失業手当支給までの期間
- 自己都合退職の場合
待機期間7日・給付制限期間2カ月 - 会社都合退職の場合
待機期間7日
そして、失業手当の申請は以下のステップでおこないます。
失業手当申請の3ステップ
- 失業手当の申請をする
- 雇用保険受給者初回説明会へ出席する
- ハローワークで初回認定を受ける
離職票が届いたらすぐにハローワークに行き失業手当の申請手続きをおこないます。申請内容に基づき、受給資格決定がおこなわれます。
受給資格が決定すると、失業手当の申請時に指定された日時で開催される雇用保険受給者初回説明会に必ず出席しなければなりません。この説明会では、失業手当受給についての重要事項が説明されます。
また、雇用保険受給資格者証、失業認定申告書が渡され、1回目の失業認定日が知らされます。認定日までに原則1回以上の就職活動をおこなわなければ、失業認定されません。就職活動をしたら、失業認定申告書に記入します。
雇用保険受給者初回説明会のときに指定された初回認定日を迎えたらハローワークに行き、初回の失業認定を受けましょう。このときには、就職活動の状況を記入してある状態の失業認定申告書を提出してください。
書類をもとに職員からのヒアリングを受け、問題がなければ失業認定されます。自己都合退職の場合は2カ月間の給付制限後、会社都合退職の場合は5営業日ほどで失業手当が指定した金融機関に振り込まれます。
次の認定日が指定されるので、それまでに就職活動を原則2回以上おこない、失業認定申告書に活動状況を記入し、次回認定日に臨みましょう。初回以降の失業認定は、原則として4週間に1度おこなわれます。再就職が決まるまで、もしくは失業手当が支給される最高日数に達するまで、失業認定、受給を繰り返します。
認定時に虚偽の就職活動を報告したり、アルバイトなどで収入があるのに、ないと申告した場合は、不正受給となり支給が停止され、厳しい処分がおこなわれるため虚偽の申告は絶対にしないようにしましょう。
早期の再就職を目指して転職活動をおこなっていても、なかなか内定がもらえず悩んでいる人は以下の記事を参考にしてください。
第二新卒の転職必勝法
第二新卒の転職必勝法|納得のいくキャリアを見つける3つのコツ
転職理由の例文
転職理由の10例文|面接官を納得させて好印象をつかむ伝え方を解説
手続き④住民税の変更は3つのパターンで理解しよう
住民税の変更は3つのパターンで理解しよう
前述したように転職するまでの期間、退職時期によって住民税の変更手続き方法や必要な書類などは異なります。
①~③のパターンごとに手続きの方法を詳しく解説するので、自分はどのパターンに該当しそうかを考えながら参考にしてくださいね。
①1カ月以内に転職する場合
退職してから1カ月以内に転職する場合は、基本的に住民税を給料から天引きしてもらえるため、自分で料金を納める必要はありません。
転職先の給料から天引きしてもらうためには、転職前の会社で特別徴収に係る給与所得者異動届出書に必要事項を記入してもらい、それを転職先に提出する必要があります。退職後すぐに転職する人は、退職前に書類の作成をお願いしておきましょう。
特別徴収に係る給与所得者異動届出書を用意してくれる会社は少ないため、自ら人事担当者に申請をしなければ入手できない書類であると認識しておいてください。
転職先に給料からの天引きを申請しないと普通徴収で納税する形になり手間がかかってしまいます。退職前の書類の準備、転職後の申請の2点を忘れずにおこないましょう。
実態として、特別徴収に係る給与所得者異動届出書を用意してくれるケースの方が少ないでしょう。その場合、転職先の会社に「特別徴収を希望します」と伝えれば、担当者が市区町村と連携して手続きをおこなってくれることが多いです。
おこなってくれない場合でも、自分で市区町村の窓口へ相談すれば解決できます。
退職してからの無職期間が長くなってしまうと、転職時の採用試験で「マイナスの影響があるのでは」と不安に思ってしまいますよね。こちらの記事で、無職から就活を成功させるコツを解説しているので併せて参考にしてくださいね。
関連記事
無職期間は工夫次第で武器になる! 仕事探しと市場価値アップのコツ
無職の人が抱える悩みや疑問をキャリアコンサルタントとともに解消していきます。記事では無職の人におすすめの仕事探しの方法も解説しているので、ぜひ参考にして後悔のない日々を過ごせるようにしてくださいね。
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②1月1日~5月31日に退職した場合
1月1日~5月31日に退職し、1カ月以内に転職しない場合は住民税支払いの手続きは必要ありません。
住民税は1年間の所得にかかる税金を6月1日~5月31日の1年間で納める仕組みになっていますが、1月1日~5月31日に退職する場合は、退職月の給料や退職金から未納分が一括で天引きされます。
例を挙げると、2月に退職する場合は3~5月に天引きされるはずだった3カ月分の住民税が2月の給料もしくは退職金から一括で天引きされることになります。そのため、退職月の給料は手取りの金額が減ってしまうということを頭に入れておきましょう。
なお、6月以降も転職していない場合は、自治体から送られてくる納付書に従い住民税を納める形となります。
③6月1日~12月31日に退職した場合
6月1日~12月31日に退職した場合は、退職する会社の給料から一括で天引きしてもらうか、退職後に自分で支払う普通徴収にするかを選択できます。給料から一括で天引きを希望する場合は、退職前に必ず会社に伝えておく必要があります。
一括で天引きを選択すると自分で支払う手間は省けますが、手取りの金額が大幅に下がってしまい生活に支障が出てしまう可能性がある点に注意しましょう。
普通徴収は年4回の分割払いができるので、手元にお金を持っておきたい人は普通徴収を選択することをおすすめします。
普通徴収を選択する場合は手続きの必要はなく、自治体から送られてくる納付書に従って支払いをすれば問題ありません。
手続き⑤確定申告まで気を抜かない! 手続きのルールを把握しよう
確定申告の手続きは2つのパターンで理解しよう
忘れられがちな退職の手続きとして、確定申告が挙げられます。年末までに転職した場合は原則不要ですが、年末までに転職しなかった場合は必ず確定申告をおこなわなければなりません。
確定申告を怠ってしまうと税金の還付が受けられない、脱税になってしまうなど損害の発生につながります。
年末までに転職した場合、しなかった場合の両パターンについてそれぞれ解説するので、確定申告の手続きのルールをしっかりと頭に入れておいてくださいね。
年末までに転職した場合
年末までに転職した場合は、原則、確定申告の手続きをおこなう必要はありません。しかし、転職先に退職した会社から受け取った源泉徴収票を提出しなければなりません。
源泉徴収票が手元にないと自分で確定申告をおこなうことになりかねないので、受け取ったら大切に保管しておきましょう。
どうしても見当たらない場合は、年末調整までに退職した会社にお願いして再発行してもらいましょう。
- 退職した会社とどうしても連絡を取りたくないです……。
メールや書面での連絡も嫌な人は税務署に相談しよう
基本的には、会社には源泉徴収票を発行する義務があるため、発行を依頼することが必要です。何も言わなくても会社から送られてくることもあります。
最近ではWeb上で発行して自分で見に行くスタイルの会社も増えてきています。言いにくくても、できる限り発行を依頼するのがおすすめです。電話ではなく、メールや書面での依頼も有効です。
なかなか発行してもらえない場合は、前職の会社の所在地を管轄する税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出して相談することもできますが、これは最後の手段と考えてください。
年末までに転職しなかった場合
年末までに転職しない場合や、個人事業主となった場合は自分で確定申告をおこなうことが必要です。確定申告書を作成し、住んでいる地域を管轄する税務署に2月16日から3月15日の期間内に提出します。
作成した確定申告書に基づき、所得税を追加で納めたり還付を受けたりします。追加で納めなければならない場合でも税務署からの案内はない点に注意が必要です。確定申告書を作成し、追加の納税額がわかったら自分で期限内に納める手続きをおこなってください。
確定申告書の作成については税務署内でもできますが、税務署まで行くのが手間に感じる人はWeb上で作成して提出する方法がおすすめです。自動計算機能などがついているので正確・効率的に作成ができます。
退職後の手続きを怠ると陥ってしまうかもしれないリスク
退職後の手続きを怠ると陥ってしまうかもしれないリスク
- まとまった金額の請求がくることもある
- 社会的信用がない状態になってしまう
5つの退職後の手続きについて解説しましたが、どれも重要で怠ってしまうと何かしらのリスクにつながってしまいます。
よく調べないとわからないものが多いですが、知らない・わからないでは済まされないのが退職後の手続きなのです。
ここでは、陥ってしまう可能性が高い2つのリスクについて解説するので、頭に入れておいてくださいね。
まとまった金額の請求がくることもある
退職後の手続きで納める税金はすべて前年の所得をもとに算出されます。退職して収入がない状態にもかかわらず、単体で大きな金額の請求がきたり、いくつかの請求が重なったりと、まとまった金額を支払わなければならない状況に陥ることもあるのです。
まとまった金額の支払いを回避するには、まず手続きを怠らず適宜支払うことが大切です。次に、住民税のように一括、分割の選択ができるものは分割で手続きをしましょう。
特に、次の就職先が決まっておらず、無収入の期間がどれだけ続くかわからない場合は、できる限り支払いを分割すると、負担が軽減されるのではないでしょうか。
社会的信用がない状態になってしまう
退職後に支払いの手続きが必要なものは、税金がほとんどです。税金だから、未納・滞納の状態が続いても信用情報に影響しないと思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、税金の場合でも未納・滞納の情報は信用情報機関に登録されてしまいます。退職後の手続きを怠り、納めるべき税金の支払いがもれてしまうと社会的信用がなくなり、クレジットカードが作れない、ローンが組めない状況に陥ってしまいかねないのです。
必要な手続きの種類、方法、期限に注意し、抜けがない状態で期限内に手続きを済ませるようにしましょう。
税金や社会保険料の未納や滞納がある状態では、社会的信用がないため、融資やローンの審査に通ることが非常に難しくなります。
将来的に事業を始める場合やマンションを購入したいと考えても不可能になってしまう恐れがあります。
自分で将来の選択肢を狭めることのないように未納や滞納は避けましょう。
退職後に必要な手続きを事前に把握して期限内に実行しよう!
退職後に必要な手続きはどのようなものがあるか、いつまでにおこなわなければならないのかを把握しておくことでスムーズな手続きが可能になります。
また、同じ手続きでも退職後の状況などによって手続きの内容や方法が異なる点にも注意が必要です。
この記事を参考に、必要かつ自分の状況に合ったものを選択し期限内に実行しましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る退職後の手続きは税や社会保険の仕組みを学ぶ良い機会になる
会社に勤めていると、毎月の給与明細を見て税金や社会保険の控除額にため息をつくことがあるかもしれません。控除額合計にもびっくりしますよね。在職中は税金や社会保険が控除されていることが当たり前でしたが、退職するとそうはいかなくなります。
源泉徴収という、会社が税金や社会保険の支払いを代行する制度がなくなり、自分ですべて手続きをおこなわないといけません。
自分で手続きすると、支払額にびっくりすることもあるでしょう。毎月引かれていた税金が年4回にまとめての支払いになるため、一回の支払額が大きくなります。
健康保険は自分が支払った同額を会社が負担していたので、個人で任意継続にすると単純に金額が倍になります。失業保険も所定の手続きをとらないと、いつまで待っても自動的には支給されません。
退職後の手続きで困ったときは公的機関の相談窓口を利用しよう
このように退職後の手続きには大変な面もありますが、心配はいりません。役所やハローワークには相談窓口があります。初めて相談に行くときは事前に問い合わせて予約し、必要書類を準備していきましょう。税や社会保険の仕組みを理解する良い機会です。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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社労士/涌井社会保険労務士事務所代表
Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約30年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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