この記事のまとめ
- 2〜3ヵ月前に退職を申し出ることで円満退職を実現しやすい
- 良好な関係を保つためにも、退職理由はポジティブな言い方に変換して伝えよう
- 円満に退職するためにも、抜け漏れなく引き継ぎや挨拶を済ませよう
転職先が決まったにもかかわらず、上司にうまく伝える自信がなくて打ち明けられない人もいるのではないでしょうか。
また、退職を伝える際に本当の退職理由を話すか悩む人も多くいます。実際、アクシスワンが2022年8〜9月におこなった調査によると、4割以上が本当の退職理由を伝えずに退職していました。
この記事では、円満に退職する秘訣や伝え方のポイントを解説します。今悩んでいる人も、記事を読めば上司や会社と良好な関係を保ちながら、次の仕事に気持ちよく踏み出せますよ。
キャリアコンサルタントの永田さん、野村さん、瀧本さんの見解も紹介しながら解説するので、ぜひ最後まで読みうまく退職を伝えるための参考にしてみてください。
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円満退職の秘訣は「伝えるタイミング」と「伝え方」にアリ!
円満退職を実現するために大切なポイントは、タイミングと伝え方です。
どちらか一方が欠けていると、会社や上司とトラブルになる可能性があります。記事を読んで、会社に負担をかけないタイミングと上手な退職の伝え方を理解してください。
記事では、会社・上司とトラブルにならないためのポイントを説明した後、伝え方の例文や引き止めに対する上手な対応を解説します。
記事を最後まで読めば、円満に退職するコツや具体的な方法が理解でき、退職に向けてスムーズな一歩目が踏み出せますよ。
円満退職をするために必要なのは、不義理を起こさないことだと思います。お世話になった人に対して、きちんと自分のすべきことをやり通し円満に退職しましょう。
「もうやめるからいいや」という気持ちは必ず見透かされてしまうので、最後まで責任を持って仕事をしましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
円満に退職するには? おすすめのタイミングや伝え方を解説
先述したとおり、円満退職を実現するためには、適切なタイミングと丁寧な伝え方が鍵です。この2点を押さえて退職を伝えれば、会社側との良好な関係を保ちながら新たなキャリアに踏み出せますよ。
タイミングを検討する際は、これまでの経験を活かして会社に負担がかからない時期を選ぶのがベストです。忙しい時期を避けることで、上司と退職についてゆっくり話すことができ、互いに納得のいく退職を実現しやすくなります。
ここでは、円満な退職の鍵になる適切なタイミングと伝え方について、具体的な情報を交えて解説します。
おすすめのタイミング
退職を伝える際にまず注意すべきポイントは、適切なタイミングです。どんなに伝え方がよくても、会社に配慮のないタイミングで退職を切り出せば、関係は悪化します。
法律的には退職の2週間前までに申し出ることが規定されていますが、それでは遅すぎる場合がほとんどです。
退職を伝える際は、会社の状況やプロジェクトの進捗度、チームの現状を加味して負担の少ないタイミングを選択しましょう。
プロジェクトリーダーや自分にしかできないことがあるなど、替えのききづらいポジションに就いている場合、退職を伝えるタイミングは特に重要です。
ここでは適切なタイミングについて、数値的な側面と会社の状況的な側面をもとに解説します。
自身や会社の情報を鑑みて、適切なタイミングを選ぶ参考にしてみてください。
退職する2~3カ月前に伝える
退職の意思を伝えるおすすめのタイミングは、退職予定日の2〜3カ月前です。早すぎると感じる人もいるかもしれませんが、この期間設定は非常に重要です。
2〜3カ月前に退職を伝えるべき理由
- 後任者の採用と引き継ぎに時間がかかるため
- プロジェクトの編成や人員配置を整理する必要があるため
- 企業側の手続きに十分な余裕を持たせるため
自身がチームやプロジェクトの責任者である場合や専門性の高い職種の場合、後任者の採用と引き継ぎには時間がかかります。焦って引き継ぎをおこなうと、伝え忘れや手違いでチームメンバーにも負担がかかるため、必ず余裕をもって後任に引き継ぎましょう。
会社側の手続きにも十分な期間を設定することで、円満な退職に向けた環境・関係を整えられます。
- すでに退職日まで2カ月を切っているのですが、すぐにでも退職を切り出すべきでしょうか? それとも、準備をしてから話すべきでしょうか。
準備できていなくてもすぐに退職の意思を切り出すべし
すでに退職日まで2カ月を切っている場合、すぐに退職の意思を上司に伝えるべきです。
時間が限られている状況では、準備に時間をかけることで、かえって会社やチームへの負担が増大する可能性があるためです。
まずは上司にアポイントを取り、直接伝えることが最優先です。その際、「引き継ぎ期間を確保し、会社への負担を最小限にしたい」という配慮を示すと誠意が伝わります。
同時に、引き継ぎ計画の概要を整理し、業務リストや後任への引き継ぎ資料作成に着手しましょう。
迅速に意思を伝えることで、会社側も後任採用や業務整理の時間を確保でき、トラブルを最小限に抑えられます。
大切なのは、退職の意思表示と同時に具体的な引き継ぎの意欲を示し、責任を全うする姿勢を見せることです。
会社の繁忙期は避ける
退職のタイミングとして避けるべき代表例が、会社の繁忙期です。人手が最も必要な繁忙期に退職を申し出ると、会社の仕事を増やし、忙しさに拍車をかけてしまいます。
具体的には、以下のような状況で退職を切り出すのは避けるべきです。
退職の申し出を避けるべき時期
- 決算期
- 顧客への納期が近い時期
- プロジェクトの佳境期
上記時期での退職は、すでに忙しいチームメンバーに自分の仕事分の負担を上乗せすることを意味します。引き継ぎ相手にも新たな仕事を覚えてもらう必要もあるため、後任者の負担が莫大なことは明白です。
できる限り落ち着いている時期を選び、会社やチームに負担をかけないように退職手続きを進めましょう。
- 転職がすでに決まっていて、どうしても繁忙期を避けられない場合はどうすれば良いでしょうか。
自分が何を重視するかを明確にしたうえで判断しよう
できるだけ会社に迷惑をかけたくないという思いがあるのであれば、転職先の会社に入社時期を延ばしてもらうか、あるいは内定を辞退するほうが良いでしょう。
私個人としては、どうしても転職先にいきたい気持ちがあるのであれば、繁忙期だろうと気にする必要はないと思います。
基本的には迷惑がかからないタイミングを検討するのがマナーですが、配慮したにもかかわらず避けられないのであれば、仕方がないと割り切ってもいいのではないでしょうか。
退職届を出すタイミングに迷う人は、併せて以下の記事を参考にしてください。トラブルを起こさない適切なタイミングを解説しています。
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退職届のタイミングで迷わない! 3つのポイントと注意点を解説
退社届を出すタイミングで悩んでいる人も多いはず。円満退社するためには規則やマナーを理解し、厳守する必要があります。この記事では、退職届を出すタイミングや書き方、退職するまでの流れなど円満退社するために必要なことを漏れなく解説します。
記事を読む

おすすめの伝え方
円満退職を実現するためには適切なタイミング選びだけでなく、丁寧な伝え方も重要なポイントです。上司や会社との良好な関係を維持しながら退職するには、相手への配慮を示しながら話し合いを進める必要があります。
双方が納得するように話し合いを進めるには、適切な相手と適切な話し合いの場を設けることも欠かせません。相手と落ち着いて話せる場がなければ、誠意が伝わりづらくなります。
また、スムーズな退職手続きには会社や直属の上司の協力も欠かせません。まずは、以下で適切な話し合いのために欠かせない伝え方のポイントをチェックしましょう。
なお、引き止められた際の対応や、話し合いで伝えるべき事項は後ほど解説します。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
必ず「直接」上司に伝える
退職の意向は、必ず自分の口から上司に伝えましょう。お世話になった上司に直接伝えるのが気まずいと考える人もいますが、面と向かって伝えることに重要な意味があります。
直接上司に伝えるのが重要な理由
- 会社や上司への誠意を見せられるため
- その場で質問や確認事項にも対応でき、スムーズに話し合いが進みやすいため
- 不信感を抱かれることなく退職手続きを進められるため
直接伝えることで細かなコミュニケーションを取りながら退職手続きを進められるため、誤解が生じづらくなります。誠意や感謝の気持ちを伝えやすい分、互いに不信感を抱かず話し合いを進められるでしょう。
また、上司と退職について話し合う際は、以下の点に注意しましょう。
話し合い前に注意すべきポイント
- 事前にアポイントメントを取る
- 上司の予定に配慮した日時を選ぶ
- 必要な書類や説明の準備をしておく
電話やメッセージで退職を伝えると、気持ちが十分に伝わらず、誤解や不信感を生む恐れがあります。
直接伝えることで、相手の反応を見ながら丁寧に説明することもでき、感謝や配慮もしっかりと伝わる可能性が高いため、円満に退職したいなら直接意思を伝えてくださいね。
事前に時間を設けて冷静に話し合う
退職について話し合う際は、十分な時間をとって冷静に話し合える場を設けましょう。時間が短かったり、落ち着いて話せない環境を選んだりすると、互いに本音で話しづらくなるためです。
十分な時間を設けていなければ、焦って話し合うことになり、誤解が生じやすくなります。その結果、険悪な雰囲気になったりトラブルに発展したりする可能性もあるでしょう。
感情的にならず、建設的な話し合いができるよう、周りに人がいない環境で一時間前後の時間を設けるのがおすすめです。
ただ、上司が忙しい場合は十分な時間を取るのが難しい場合もあります。時間を割いてもらっていることを忘れず、相手に配慮したスケジュール調整を意識しましょう。
円満に退職するために意識すべき5つのポイント
円満に退職するために意識すべき5つのポイント
円満退職を実現するためには、退職する側の適切な配慮と丁寧なコミュニケーションが欠かせません。円滑に話し合いを進められるよう、伝え方のポイントは事前にチェックしておきましょう。
退職の話し合いでトラブルが生じると互いに精神的な負担がかかるだけでなく、今後のキャリアに悪影響をおよぼす可能性もあります。感情的にならず、相手に配慮しながら丁寧に話し合いを進めることが大切です。
以下のポイントをチェックして、円満退職を実現しましょう。
退職理由を前向きな言葉に言い換えて伝える
たとえネガティブな理由で退職する場合でも、相手には必ず前向きな表現で理由を伝えましょう。「この会社では成長できない」「給与が安い」と直球で伝えることは、会社との関係性を悪化させる原因となります。
上記の場合、「新しい分野にチャレンジしたい」「より専門性を高めたい」など、自身のキャリアプランにもとづいた前向きな理由を伝えることが重要です。ほかにも、ネガティブな表現は以下のように言い換えられます。
ネガティブな退職理由の言い換え例
- 会社の環境や方針に不満を感じる→新しい環境で自分の可能性を試してみたい
- 給与が低い→キャリアアップを目指したい
- 〇〇さんと働きたくない→まったく異なる環境で働くことで経験を積みたい
伝え方には十分注意し、相手への配慮を怠らないようにしましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
引き留められても揺らがない意思を示す
退職を伝えた際に会社側から引き止められても、退職の意思は揺らがない姿勢を見せましょう。毅然とした態度で引き留めに対応しなければ話し合いが長期化し、スムーズに退職手続きが進まない可能性があります。
引き止めの多くは一時的な解決策の提案に過ぎず、根本的な退職希望の理由は解消されないことが多いです。
「給与を上げる」「役職を与える」「部署異動の機会を提供する」などの条件に飛び付かず、感謝の意を示したうえで丁重に断りましょう。
ただし、会社側の提示した条件で本当に悩みが解消するのであれば、引き止めに応じるのも一つの方法です。
魅力的な条件に考えなしに飛びつくのではなく、「引き止めに応じた場合にどうなるのか」を想像して応じるかを判断しましょう。
転職先の情報はなるべく伝えない
転職先の情報を退職前に話すと、会社と思わぬトラブルになる可能性があります。特に同業他社への転職の場合、機密情報やノウハウの漏洩に関して懸念される点には留意しておきましょう。
一方、「話したくない」と実直に伝えても、相手に不信感を抱かれるでしょう。転職先について聞かれた場合は、「伝えたいのだが、立場上伝えられない」という姿勢を示し、誤解されないように断りを入れましょう。
これは、現在所属する会社と転職先の双方に対して配慮した対応といえます。転職先の話題が上がっても明確な回答を避け、余計なトラブルの火種を生まないことが賢明です。
在籍中の会社と取引先の企業へ転職する場合、誠実かつ前向きな意図を伝えることが重要です。
「業界経験を活かし、双方に利益をもたらす役割を果たしたい」といった前向きな理由を具体的に説明しましょう。
誤解を避けるために、誠意を持ってコミュニケーションを図ることが重要です。
嘘をつかない
本当のことが言いづらいと感じても、退職理由や転職先について嘘をつくのは控えましょう。後で嘘が発覚した場合、会社や上司との雰囲気はいっそう険悪になります。
退職手続きを進める際は、誠実な態度で正直に対応することが不可欠です。嘘はつかず、前述の前向きな言葉への言い換えなどを活用し、誠意を見せながら相手との話し合いを進めましょう。
特に退職時期の偽装は直接的なトラブルにつながりやすい要素です。伝えるのが遅れた場合も嘘をつかず、退職までに仕事や引き継ぎに全力を尽くす姿勢を見せましょう。
正直に話すことで、むしろ上司や会社からの理解が得られやすくなります。誠実な態度こそが円満退職の鍵であることを忘れず、話し合いに臨みましょう。
退職時の嘘や「一身上の都合」と一括りにして退職を告げることの適否については、以下の記事で詳しく解説しています。
退職理由で嘘をつくことの適否
退職理由で嘘はOK? スムーズに退職できる理由10選をプロと解説
退職理由を「一身上の都合」とすることの適否
退職理由に一身上の都合を使ってはダメ? 使えるケースと例文を紹介
感謝の気持ちや退職日までの意気込みを併せて伝える
退職の意思を伝える際は、これまでの感謝の気持ちと、最後まで責任を持って仕事に取り組む姿勢を必ず示しましょう。退職は新しいキャリアへの第一歩目であると同時に、お世話になった会社への感謝を伝える機会でもあります。
退職を伝える際には、以下も併せて伝えましょう。
退職を伝える際に併せて伝えるべきこと
- 感謝の気持ちとそれが伝わる具体的なエピソード
- 最後まで責任を持って仕事に取り組む姿勢
- 引き継ぎなどの具体的な計画やスケジュール感
- 退職後も良好な関係を続けたい意思
感謝と誠意を示しながら退職の意思を伝えることで、会社との良好な関係を保ちながら新たなキャリアへの一歩目を踏み出せます。
自分よりも他者への気遣いができる人は円満に退職できる傾向にあると感じます。具体的には部下のこと、取引先のこと、会社のこれからのことなどを考えられる人です。
会社のことを愛していたんだなと思えるような態度でいる人は退職するとしても応援されるでしょう。
円満に退職するための伝え方! 理由別の具体例とともに紹介
ここまで円満に退職するための伝え方や工夫、その理由などを紹介してきました。円満退職に必要な要素を理解できたでしょう。
ここでは、円満退職を実現するための具体的な伝え方を、例文をもとに紹介します。併せてNG例文も紹介するので、2つを対比しながら注意点や意識すべきポイントをチェックしましょう。
キャリアコンサルタントによる例文の解説も参照し、退職の意思を伝える際の参考にしてみてください。
職場への不満が理由の場合
職場への不満が理由の場合、正直に伝えることに加え、相手に配慮した伝え方を意識しましょう。感情的になったり嘘をついたりせず、誠意を見せながら事実を伝えることがスムーズに手続きを進めるポイントです。
逆に不満を前面に出して相手や会社を批判すると話し合いは進みづらく、結果的に自分が損する羽目になります。
双方がストレスなく退職手続きを進められるよう、まずは自分から相手に配慮する姿勢を見せましょう。
職場への不満が理由の場合のOK例文
職場への不満が理由で退職する際は、以下のように退職を切り出しましょう。
職場への不満が理由の場合のOK例文
本日は話し合いの時間を設けていただき、ありがとうございます。急ですが、2カ月後に退職させていただきたいと考えています。
今の職場は能力の高い方が多く、学びになることもたくさんあります。
チームのなかで期待されていることも重々承知していますが、私自身、環境を変えて自分の可能性を試してみたいと考えるようになりました。
新卒でこの会社に入社してから5年、大変多くのことを学ばせていただきました。〇〇さんには右も左もわからない頃からサポートしていただき、本当に感謝しています。ありがとうございます。
2カ月後の退職まで、任された仕事には全力で取り組ませていただきます。また、後任への引き継ぎなども確実におこないます。
残り2カ月ですが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
チームのことには触れつつ、ネガティブな部分には言及せずに相手に伝えることで、余計なトラブルを回避できます。
この例文のポイントは、退職理由を前向きに伝え、会社や上司への感謝を示している点です。
ネガティブな内容を「自分の可能性を試す」という表現に言い換えている点や、引き継ぎへの責任感が誠実さを感じさせます。
職場への不満が理由の場合のNG例文
職場への不満が理由で退職を切り出す際のNG例文は、以下のとおりです。
職場への不満が理由の場合のNG例文
本日は話し合いの時間を設けていただき、ありがとうございます。急ですが、2カ月後に退職させていただきたいと考えています。
実は企業風土が自分に合っていないと感じており、どうしてもこの会社で働くのが難しいため退職を決意しました。
どうしても意思が変わることはないため、退職手続きを進めていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
2カ月後の退職まで、任された仕事には全力で取り組ませていただきます。また、後任への引き継ぎなども確実におこないます。
残り2カ月ですが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
このように切り出すと、企業を攻撃しているように取られかねません。トラブルに発展したり、退職交渉が長引いたりする可能性もあるため、企業を責めるような理由を述べて退職を申し出るのは避けましょう。
自分は新しい環境でやってみたいというポジティブな理由を伝え、決意が固いことを示すのが効果的です。
体調などのやむを得ない理由の場合
仕事内容や職場の人間関係が理由で実際に体調を崩してしまった場合でも、相手を責めるのはNGです。事実ベースで会話を進め、相手に配慮した伝え方を意識しましょう。
ストレスの原因や精神的な問題など、相手に伝えたくないことがある場合は無理に伝える必要はありません。伝えられる範囲内で相手にしっかりと説明し、現状を理解してもらいましょう。
ただし、理由をまったく伝えずに退職希望だけを伝えるのは、相手に不信感を与えるため控えましょう。
話したくない部分は口にするのが難しいと正直に伝え、理解してもらう努力をしている姿勢を見せることが肝心です。
なお、会社とは関係ない原因の場合、正直に状況を話すことで理解してもらいましょう。
体調などのやむを得ない場合のOK例文
体調などのやむを得ない理由で退職する場合、以下のように切り出しましょう。
体調などのやむを得ない場合のOK例文
話し合いの場を設けていただき、ありがとうございます。急ですが、退職させていただきたく、ご相談いたしました。
これまでいくつかのプロジェクトではリーダーも務めさせていただき、非常に貴重な経験をさせていただきました。
その一方で、大きなプレッシャーを感じ、仕事を続けることに大きなストレスを感じてしまっているのも事実です。
このままでは十分なパフォーマンスを発揮できないばかりか、周りに迷惑をかけると感じたため退職を決意しました。
話し合いを重ね、互いに負担がかからない退職日を設定できればと考えています。
任された仕事には全力で取り組み、後任への引き継ぎなども確実におこないます。ご迷惑をおかけいたしますが、ご検討いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
事実を偽らずに述べたうえで、相手を責めることがないように十分配慮した伝え方を心掛けましょう。
この例文は、誠実で丁寧なトーンを保ちながら、自分の事情を具体的かつ正直に説明していて、相手への配慮が行き届いています。
特に、経験への感謝を述べつつ、自分の責任を果たす意思を示している点が印象的です。
また、退職にともなう引き継ぎや負担軽減への配慮も含まれていて、信頼関係を損なうことなく、円満に話し合いを進められると思わせられる点が特に優れています。
体調などのやむを得ない場合のNG例文
体調などのやむを得ない理由で退職する場合のNG例文は、以下のとおりです。
体調などのやむを得ない場合のNG例文①
話し合いの場を設けていただき、ありがとうございます。突然ですが、退職させていただきたいです。
実は先日任せていただいたプロジェクトのせいで、体を壊してしまいました。先方と上司との間で板挟みになり、過度なストレスを抱えたことが主な原因です。
出社自体も非常にストレスに感じるため、なるべく早く退職させていただきたいです。
ご検討、よろしくお願いいたします。
体調などのやむを得ない場合のNG例文②
お時間をいただき、ありがとうございます。突然ですが退職させていただきたく、ご相談いたしました。
原因なのですが、伝えるのが難しい状況です。話すこともストレスなため、詳しいことはお伝えできません。
出社自体も状況的に難しく、すぐにでも退職手続きを進めたいと考えています。
ご対応、よろしくお願いいたします。
心身の状態が悪いことを前面に押し出し、話し合いなしで退職を認めさせようとするのは誠実な対応とはいえません。
やむを得ない理由があったとしても、事実を伝えたうえで相手に配慮する姿勢を見せましょう。
自己都合の場合
自己都合で退職を切り出す場合は、現状への不満や悩みを直接伝えるのではなく、未来に向けたポジティブな動機に変換して伝えましょう。
特に、給与や待遇への不満は正直に話すとトラブルの原因になる可能性が高いため、避けるのが無難です。また、「待遇を改善する」と引き止められやすいため、退職手続きがスムーズに進みづらくなるのも懸念点です。
引き止めの理由をなるべく作らないよう、転職後の展望や実現したいことをベースに退職理由を構成しましょう。
なお、転職後の話をする際は今いる企業に不義理をしないように注意してください。「今いる企業が下で転職先が上」と解釈できる伝え方をすると、相手との関係が悪化する可能性が高いです。
自己都合の場合のOK例文
自己都合で退職を切り出す場合のOK例文は、以下のとおりです。
自己都合の場合のOK例文
本日は話し合いの時間を設けていただき、ありがとうございます。急ですが、2カ月後に退職させていただきたいと考えています。
たくさんの重要な仕事を任せていただき、貴重な経験をさせていただいています。ただ、プライベートの状況を考えると、今のままでは家庭を支えていくのが難しいと感じています。
経済的・時間的な問題を解決しようと考えたときに、転職が最適な選択肢だと考えました。
退職時期は約3カ月後を予定しています。それまでに後任への引き継ぎやチームの再編成などを確実におこなっていく所存です。
短い期間ですが、よりいっそう会社に貢献できるように全力を尽くすので、最後までよろしくお願いいたします。
現状感じている課題を伝えながらも会社を批判せず、より未来志向でポジティブな理由を伝えることが大切です。
回りくどくなく、簡潔に結論を述べている点が良いと思います。
ただ、「経済的・時間的な問題」という部分で会社側から「こうしたらどうか」という提案や引き止めがあるかと思いますので、その質問にどう対応するか考えておくべきでしょう。
自己都合の場合のNG例文
自己都合で退職を切り出す場合、以下のような伝え方は避けましょう。
自己都合の場合のNG例文①
お時間をいただき、ありがとうございます。突然ですが3カ月後に退職させていただきたく、ご相談いたしました。
現状、自身の能力に対して正当な評価がなされていないと感じます。給与にも待遇にも不満があるので、退職させていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
自己都合の場合のNG例文②
お時間をいただき、ありがとうございます。突然ですが、新しいことに挑戦したいと思ったので退職させてください。
チームの現状や社内環境にも満足しています。ただ、モチベーションを維持するのが難しく、何か違うことをしたいと感じました。
退職日を話し合って、手続きを進められれば幸いです。よろしくお願いいたします。
不満を直接伝えたり、曖昧な理由で退職を申し出るのは相手への配慮にかけた行動です。相手を批判するような表現は避け、ポジティブな伝え方で退職を切り出しましょう。
退職を切り出す際は、事前に上司にアポイントを取り、落ち着ける環境で直接退職の意思を伝えることが重要です。
理由は前向きな表現にし、感謝の気持ちや引き継ぎへの責任感も添えましょう。誠意を示すことが円満に退職する鍵です。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。
自分に合った仕事を見つけ、自信を持って就活を進めるためにも、 ぜひ就活を始める前に「適職診断」を試してみてください。
引き止められた場合は? トラブルにならないための対処法を解説
引き止められた場合は? トラブルにならないための対処法を解説
- 「何か不満や困り事があるなら改善する」といわれた場合
- 「残るなら昇給や昇格を検討する」といわれた場合
- 「どうしても今退職されたら困る」といわれた場合
ここまで、退職を切り出す際の例文を解説してきました。上記の例文を参考にすれば、うまく退職に向けて話し合いを始められるでしょう。
しかしほとんどの場合、退職を申し出た際には相手から引き止められます。引き止めは会社から価値を認められている証でもありますが、ここで慎重に対応しなければ、退職手続きが長引いてしまうでしょう。
中途半端に引き止めに応じると、トラブルや関係悪化に発展する可能性もあります。ここで紹介するケース別の対処法をチェックし、スムーズに退職手続きを進める方法を押さえましょう。
「何か不満や困り事があるなら改善する」といわれた場合
「困っていることがあれば教えてほしい」「相談してくれれば改善するから考え直してほしい」。
このように引き止められた場合、会社側の前向きな姿勢に感謝の意を示しつつ、退職の意思が固いことを伝えましょう。
こちらに寄り添った対応に思わず不満や悩みを口にしたくなりますが、グッと堪えて丁寧に断りましょう。
具体的には、以下のステップでの丁寧な対応が必要です。
「改善する」といわれた際の対応
- 親身に対応してくれたことへの感謝を述べる
- 決意はすでに固まっていることを伝える
- 前向きかつポジティブな理由を伝えて決意の固さを補強する
迷うようなそぶりを見せず、毅然とした態度で対応することが肝心です。
「残るなら昇給や昇格を検討する」といわれた場合
「もし残ってくれたら待遇を改善する」「より高い職位や給与を約束する」。
この条件提示は非常に魅力的ですが、トラブルの火種にもなるため丁重に断りましょう。安易に条件交渉に乗ることは、将来的な活躍への期待に応じることを意味するためです。
条件に合意して残留したとしても、より重い責任を背負って一度辞めたいと思った仕事を続けることになります。
また、待遇自体が根本の理由でない限り、長く働くことで再度同じ問題に悩まされることになるでしょう。同じ問題で再び辞めたいと感じた際には、より重い責任がのしかかっているため、今よりもさらに辞めづらい状況になっています。
その場の表面的な状況改善に惑わされず、先を見すえた判断を心掛けてください。
「どうしても今退職されたら困る」といわれた場合
「このプロジェクトが終わるまでは残ってほしい」「今辞められるとそのポジションに穴があくから、待ってほしい」。
プロジェクトや事業の進捗によっては、退職を伝えた際に上記のような懸念を示されることがあります。この場合は、会社の立場に理解を示しつつ、積極的に解決策を提案することが重要です。
話し合う際は、まず状況やタイミングについて理解を示し、その後具体的な解決策を提案するのがおすすめです。事前に引き継ぎ事項をまとめた資料を作ったり、自分の業務を整理したりしておくとスムーズに話し合いが進みやすいでしょう。
そもそも、繁忙期を避けて2〜3カ月前に退職の意思を伝えれば、「どうしても困る」といわれることはないはずです。事前に会社のプロジェクトや忙しくなるタイミングを見極め、会社に配慮した退職通告をおこないましょう。
ただし、会社がこちらの都合を考えずに辞めさせてくれない場合は、毅然とした態度で話し合う必要があります。
相手の状況をしっかり見極めたうえで、円満な退職を目指して建設的に話し合いましょう。
- 絶対に忙しくないタイミングで退職を申し出たのに辞めさせてもらえません。
証拠をもとに法的な支援を受けることも検討しよう
退職を会社に認めてもらえない場合、次の手順を検討してください。
まず、退職の意思を明確に伝え、証拠を残しましょう。たとえば、内容証明郵便を使って正式な退職通知を送る方法があります。
これにより、後日、意思を示した証拠として活用できます。
また、民法上、正社員であれば2週間前に退職の意思を伝えれば、原則的に退職は認められます。
もし会社が給与の支払いや有給消化を拒否するなどの不当な対応をする場合、労働基準監督署や弁護士に相談することが有効です。
特に法的な支援を受けることで、スムーズに問題を解決できる場合が多いため、変に躊躇せず専門家の力を借りることも検討してください。
円満に退職するためのポイントは? キャリアアドバイザーの見解を紹介
ここまで円満に退職する方法について、場を設ける際のポイントから伝え方の工夫、具体的な例文や対応法まで詳しく紹介しました。
以下では、ここまでを総括しつつ、キャリアのプロであるキャリアコンサルタントの野村さんに円満退職の秘訣を聞きます。
ここまでのポイントを整理しつつ、プロの意見をぜひチェックしてください。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る3つのポイントを押さえれば退職後も良い関係を築ける
円満退職を実現するためには、伝えるタイミング・伝え方・事前の準備、この3点が大切です。
退職の意思は、2~3カ月前を目安に、会社の繁忙期を避けて伝えることで、上司やチームに迷惑をかけずに済みます。
伝える際は、前向きな理由を中心に伝えましょう。「自分の可能性を試したい」など、未来に向けた言葉とともに、これまでの感謝の気持ちも具体的なエピソードを交えて伝えると、相手にも誠意が伝わりやすくなります。
また、引き継ぎの計画と準備も忘れずにおこないましょう。業務内容を整理して後任にスムーズに引き継げるよう、資料作成やスケジュール調整を進めておくと安心ですね。
責任ある振る舞いや職場への思いやりが肝心
退職後も良好な関係を続ける配慮として、最後まで責任を持って仕事に取り組むことも必要です。また、同僚やお世話になった人への挨拶も丁寧におこないましょう。
新しいスタートを切るときこそ、これまでの職場への思いやりが円満退職へとつながります。その姿勢はきっと退職後のあなたのキャリアにも良い影響を与えてくれるはずです。
退職が決まった後の流れを注意点とともに解説

ここまで、退職の切り出し方や退職交渉のポイントなどについて解説しました。ただ、初めて退職する人にとっては、退職後の流れにもさまざまな疑問があるでしょう。
退職が決まったら、会社と相談して退職日を決めましょう。その後、退職届を提出し、引き継ぎへと進みます。
ここでは、初めての人でも不安なく退職手続きを進められるよう、ステップごとに具体的にすべきことや注意点を解説します。
抜け漏れが生じて会社に迷惑がかからないよう、事前に目を通しておきましょう。
①会社と相談して退職日を決める
退職日は自分の状況だけでなく、会社の状況やプロジェクトの進捗などを総合的にチェックする必要があります。互いにどうしても譲れないラインを設定し、それを擦り合わせて退職日を決めることが大切です。
転職先の入社日が決定している場合、ぎりぎりに退職日を設定するのは避けましょう。トラブルが生じた場合に退職日が前後する可能性も加味して、余裕を持ったスケジュールを設定するのが大切です。
また、事前に引き継ぎに必要な期間を想定し、そこから逆算して退職日を決める工夫も欠かせません。引き継ぎ自体は退職届を出した後でかまいませんが、どのくらいかかるかの計算は退職日を決める前に見積もっておきましょう。
円満な退職を実現するためには、会社と十分な協議のうえで退職日を決定することが重要です。
②退職届・退職願を上司に提出する

退職日が決まったら、正式な書面での手続きに入ります。
退職の意思を書面で伝えることは、会社との契約を終了する重要な手続きの一つです。マナーや礼節を守り、感謝の気持ちを込めて準備・提出しましょう。
なお、退職願と退職届は役割が異なります。
退職願とは会社に退職と退職日を提案するための書類です。必ずしも必要ではなく、口頭で伝えても良いとされています。
一方、退職届は退職が確定した後、会社に対して退職を届け出るための書類です。退職届は会社によって規定があり、届出先や必要な書類が異なる場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
基本的に、退職届には退職理由や退職日、届出年月日や自身の基本情報などを記載します。書き出しや文末、宛名も忘れず記入し、失礼がないようにしましょう。
書けたら封筒に入れ、感謝の気持ちを添えて上司に提出します。
退職届は冒頭に「退職願」と記載し、その下に「私事、○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます」と記述します。
本文の後には、日付、氏名、印を押し、宛名として上司または会社の代表者の名前を記載します。文章はシンプルで具体的にし、感謝の意を込めることが望ましいです。
③業務の引き継ぎに取り掛かる
引き継ぎは、円満退職の重要なポイントの一つです。引き継ぎが不十分だと後から問題になり、会社との関係が悪化する可能性もあります。着実に進めてきた退職手続きを無駄にしないためにも、引き継ぎは抜け漏れがないようにおこないましょう。
計画的かつ正確な引き継ぎのためにも、以下のステップに沿って進めましょう。
引き継ぎの5ステップ
- 具体的な引き継ぎスケジュールを作成する
- 担当業務を漏れなくリストアップする
- 引き継ぎ資料の大枠を決める
- 個別に詳細な引き継ぎ資料を作成する
- 後任に引き継ぐ
まずはスケジュールを立て、担当業務を洗い出した後、資料作成に移ります。
業務の優先順位や業務の全体像など大枠を伝える資料を作成した後、個々の詳細な資料作成に移るのがポイントです。
きちんと引き継ぎがなされないと、最悪の場合、会社から損害賠償を求められるケースも考えられます。
トラブルを避けるためにも、退職予定日から逆算してどのように進めていくかスケジューリングし、計画的に進める工夫が必要です。
退職後の手続きに関して気になる人は、以下もチェックしてみてください。専門家とともに退職手続きについてより詳しく紹介しています。
転職確定後の退職手続きの手順
転職先が決まってから退職する手順を専門家が解説|円満退社の秘訣も
退職手続きの方法
退職後の手続きは何をいつまでに? 社労士が必須の5つの手続きを解説
去り際も大切! 退職が決まった後の上手な挨拶の仕方を相手別に解説
去り際も大切! 退職が決まった後の上手な挨拶の仕方を相手別に解説
- 上司に退職を伝える場合
- 同僚・部下に退職を伝える場合
- 社外の人に退職を伝える場合
ここまで、退職前の準備から退職後の手続きの進め方まで、一連の流れを解説してきました。ここまでのポイントやキャリアコンサルタントのアドバイスを押さえれば、スムーズに退職手続きを進められるでしょう。
ここでは、退職手続きに際して周りと良好な人間関係を築くためにすべきことを解説します。会社だけでなく上司や同僚、チームメンバーとも円満に別れることが本当の円満退職です。
伝え方によっては今まで以上に絆を深めて退職できる可能性もあるでしょう。上司、同僚・部下、社外の人それぞれに対する適切な退職の伝え方について解説します。
上司に退職を伝える場合
上司への退職の報告は、会社を去る際の最も重要なコミュニケーションの一つです。今まで育ててもらったことへの感謝の気持ちを込めて、真っ先に退職を伝えましょう。
特に直属の上司に伝える際には、話せる時間を設けるのが礼儀です。脈絡もなく急に退職を伝えるのは避け、必ず事前に時間を確保してもらい、直接伝えましょう。
感謝の意を伝える際は、具体的なエピソードを交えながら伝えるのがおすすめです。具体的なエピソードをもとに感謝の気持ちを伝えれば、相手に気持ちが伝わりやすいでしょう。思い出話に花を咲かせることで、さらに関係値が深まる可能性も高いです。
退職の際に連絡先を伝えることで、この先も良好な関係を続けたい気持ちを示せます。退職する側が積極的につながりを築こうとする姿勢が、上司と円満に別れる秘訣です。
同僚・部下に退職を伝える場合
同僚や部下への退職の報告は、日頃の関係性を大切にしながら丁寧におこなう必要があります。直接伝えなければ人間関係を損なう可能性もあるため、直接退職の事実を伝えるのがおすすめです。
同僚・部下に退職を伝える際は、以下のポイントを意識しましょう。
①タイミングを考慮する | 業務に支障をきたさないためにも、可能な限り早めに伝えることが重要です。特に直接の部下がいる場合、部下の気持ちの整理がつきやすいようにできるだけ早く伝えましょう。 |
②個別に時間を取る | 特に親しい同僚や直接の部下には、上司同様に時間を取って丁寧に説明しましょう。大勢の前での一括報告は避けるのが無難です。 |
③今後の関係性について触れる | 退職後も良好な関係を維持したいという意思を自分から示しましょう。SNSでのつながりを提案するのも一つの方法です。 |
自分の退職で不安になる仲間を少しでも減らすためにも、近しい間柄の同僚・部下には自分から積極的に声をかけましょう。
社外の人に退職を伝える場合
取引先や顧客など、社外の人への退職の報告は、会社の信用にもかかわる重要な挨拶です。自分だけでなく会社のためにも、丁寧かつ迅速な報告をおこないましょう。
ただし、社外の人に退職を報告する際は、上司に相談するのが無難です。いつ報告すべきか、後任をいつ決めるかなどの懸念事項もあるため、会社の方針に従ってください。
取引先に挨拶する際は、後任とともに出向いて挨拶すると、後任と取引先との関係構築がスムーズに進むでしょう。
後任の負荷軽減のためにも、感謝を伝えるだけでなく後任のサポートも同時にできるとベストです。
会社や相手への思いやりとともに退職を伝えて円満退職を実現しよう!
この記事では、円満退職を実現するための退職の切り出し方や伝え方、退職手続きの進め方まで網羅的に解説しました。事前に記事をチェックして退職手続きを進めれば、スムーズかつトラブルなく退職を実現できるでしょう。
円満退職には事前準備と会社・同僚・上司への思いやりが欠かせません。自分の都合を押し付けたり相手を責めたりせず、建設的に話し合いを進めることで、良好な関係を保ったまま退職できます。
記事で紹介したポイントや注意点を押さえ、円満退職を実現しましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る誠意と感謝の気持ちを忘れずに前向きな姿勢で退職手続きに臨もう!
円満退職を実現するためには、まず誠意をもって計画的に進めることが重要です。
最初に退職理由を整理し、上司や同僚に伝える際には、感謝の気持ちを強調しつつ、前向きな言葉を選ぶことを心掛けましょう。
特に退職面談では、これまでの業務に対する感謝や学びを述べたうえで、新たな挑戦への意欲を伝えると、相手に好印象を与えやすくなります。
退職の意思を伝えた後も強い責任感を持って最後まで職務を全うすべし
引継ぎ作業は退職のスムーズな進行において非常に重要です。引継ぎ資料を事前に準備し、後任者やチームが業務を問題なく引き継げるように努めましょう。
これにより、会社側からの評価も高まり、今後の人間関係にもプラスに作用します。
さらに、退職後の関係を良好に保つために、最後の勤務日までプロフェッショナルな態度を貫くことも必要です。
同僚への感謝を直接伝えたり、メールなどでフォローアップのメッセージを送ることで、人脈を活かせる機会を持ち続けられます。
退職のプロセスを誠実かつ計画的に進めることで円満退職を実現でき、自身のキャリアの次のステップにもポジティブな影響を与えられますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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