この記事のまとめ
- Webディレクターはやりがいがある反面、厳しい一面もある
- 入社後苦労しないようエントリーする前に向き不向きを確認しよう
- スキル・知識を身に付けるとWebディレクターへの就職は有利になる
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この記事を読んでいる人に
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近年、Webコンテンツが増加していますが、それらはデザイナーやプログラマー、ライターなどさまざまな職種の人によって制作されています。そして、Web制作の指揮や管理をするのがWebディレクターです。多くの人に利用されるWebサイトを制作するためにも、Webディレクターは重要な立場となるのです。
Webディレクターに関して「興味があるけど具体的にどんな仕事をしているかわからない」「自分はWebディレクターに向いているのだろうか」などと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの若林さん、谷所さん、田邉さんと一緒に、Webディレクターの仕事内容や向いている人の特徴、就職が有利になる方法などを解説します。Webディレクターに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
Webディレクターはつらい? 特徴やなり方を徹底解説
「Webディレクターは華々しい職業」と考えている人もいますよね。Web制作の指揮官であり、多くの人に利用されるWebサイトを制作したときは非常にやりがいの感じる職業です。ただ、厳しい一面もあり、人によっては働くのが辛いと感じる場合もあるのです。
この記事の前半ではWebディレクターの概要や必要なスキル、働くことのメリット、厳しい一面など、Webディレクターのすべてを網羅的に解説。まずは職種理解を深めましょう。
記事後半で、向いている人の特徴や就職が有利になる方法などを解説します。最後まで読むことで、WEBディレクターに向いているかどうかを判断できるようになり、さらに対策方法まで知ることができますよ。
少しでもWebディレクターに興味がある人は、まずは自分に合うかどうかを判断し、そのうえで就職が有利になる方法をチェックしましょう。
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就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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Webディレクターとは?
Webディレクターとは?
- 仕事内容
- 役割・立ち位置
- 将来性
- キャリアパス
- 待遇
Webディレクターを一言で表すと「Web制作の指揮官・管理者」です。Webサイトはデザイナーやプログラマー、ライターなど、さまざまな職種の人がかかわって制作されますが、その管理をおこなうのがWebディレクターなのです。
ここからは、Webディレクターの具体的な特徴を解説します。Webディレクターという職業をしっかりイメージするためにも、特徴をきちんと把握しておきましょう。
以下の記事ではWebディレクションについて解説しています。業務内容や向いている人についてもまとめているので参考にしてみてください。
Webディレクションとは? 業務の流れや向いている人の特徴を紹介
仕事内容
Webディレクターの主な仕事内容は以下の3つがあります。
Webディレクターの仕事内容
- Webサイトの設計
- プロジェクト管理
- Webサイトの更新・運用
ここからは、それぞれの仕事の具体的な内容を解説します。
Webサイトの設計
まずはWebサイトの設計をします。顧客からWeb制作を依頼された場合は、方向性や希望などをヒアリングし、設計に落とし込みます。自社制作の場合は、社内会議をおこない、どのような方向性で設計していくかを追求していくことになります。
Web制作において、設計が最も重要です。設計は地図のようなもので、設計にミスがあると正しいゴールに辿り着けなくなるからです。Webディレクターはミスや後戻りを発生させないためにも、設計を慎重にする必要があります。
プロジェクト管理
プロジェクト開始後、スケジュールやタスクなどを調整・管理するのもWebディレクターの仕事です。基本的にはリリース日が最初に決定します。そのリリース日から逆算してスケジュール調整をし、タスクの割り振りなどをおこないます。
また、プロジェクトを管理するにあたって、必要な人材も集めなければいけません。さらに、予算をもとに人件費やサーバー代、ツールの利用料など、コスト管理をする必要もあります。
このようにWebディレクターは、スケジュールやタスク、人員、予算など、プロジェクトに関するあらゆる物事を管理することも仕事の一つです。
Webサイトの更新・運用
Webサイトはリリースして終わりではありません。Webサイトをリリースしたら、その後の運用・更新も必要になります。
また、想定よりもWebサイトがアクセスされない場合は、その原因を突き止め、改善策を考えます。
Webディレクターはこのような更新・運用を繰り返して、より良いWebサイトを制作していくのです。
Web制作では、設計力の差がその人の実力を左右するといっても過言ではありません。顧客からの要望だけでなく、顧客が意識していない点や、顧客の将来的なビジョンも含めた提案力が重要ですよ。
役割・立ち位置
前述の通り、Web制作にはさまざまな人がかかわっており、Webディレクターは人の管理もおこなう必要があります。
ここからは、対社内外におけるWebディレクターの役割・立ち位置を解説します。
対社内
Webディレクターは、対社内では以下のような人と仕事をすることになります。
職種 | かかわり方 |
---|---|
プロデューサー | プロデューサーから顧客の要望や予算、スケジュール感などの指示をもらい、Web制作に落とし込む |
Webデザイナー | ページのイメージを伝えて、Webサイトのデザインを発注する |
プログラマー | Webサイト内のプログラミングが必要な箇所の制作を発注する |
コーダー | Webサイトがhtml言語で表示されるように発注する |
ライター・フォトグラファー・イラストレーター | 文章や画像、イラストなど、Webサイトに必要なクリエイティブの制作を発注する |
Webディレクターとプロデューサーの仕事内容の違いがわかりにくいかもしれませんが、プロデューサーが全体の計画や進捗を管理したり外部と交渉する人、Webディレクターはコンテンツ制作にかかわる管理や交渉をする人と認識すると良いです。
このように、Webサイトはさまざまな人の力を使って制作するのですが、それを中心で管理するのがWebディレクターの仕事です。
対社外
Webサイトを制作するにあたって、対社外は顧客が主な仕事相手になります。そして、顧客企業の中でも、以下のようなさまざまな職種・立場の人とすり合わせをしてWebサイトを制作していくのです。
Webディレクターがかかわる顧客企業の職種(メーカーの例) | かかわり方 |
---|---|
営業 | Webサイトの方向性や予算、スケジュールなどをヒアリングする |
広報宣伝部 | 商品のPRポイントをヒアリングする |
顧客相談室 | 商品を紹介する場合、「顧客の声」欄を設けるためにヒアリングする |
商品企画 | 商品のコンセプトや具体的な特徴をヒアリングする |
このように一言で「顧客」といっても、さまざまな人とかかわり、真のニーズを汲み取ってWebサイトを制作するのです。
なお、事業会社などがWebサイトを自社制作する場合でも、社外の人と一緒に仕事をすることがあります。たとえば、社内の人が持っていない専門知識・スキルが必要だったり、作業量が多く外注が必要だったりする場合に社外に協力を求めるケースが考えられます。
さまざまな人の中心に立ち、チームをまとめながらWebサイトを完成させることで達成感を味わうことができます。
一方、Webディレクターの大変なところは、納期があるため仕事がハードな面や、さまざまな立場の人から理解を得なければいけない点があります。
将来性
「せっかくWebディレクターを目指しても、将来仕事がなくなる可能性もあるのではないか」と心配する人もいるのではないでしょうか。結論、Webディレクターの仕事がなくなる可能性は低いといえます。
前提として、近年はITの需要が高まり、Web制作の需要も増えています。その中でAI(人工知能)技術の急速な発達が懸念されますが、どちらにせよ人間の対応が必要なくなることはありません。細かい仕事内容が変わる可能性はありますが、人員やコストの管理は必要です。
IT社会が続く以上、Webディレクターの仕事がなくなる可能性は低いため、「Webディレクター自体がなくなるのではないか」という心配は不要です。
WebディレクターはAI(人工知能)が普及しても活躍し続けられる職種の一つだと思います。
Webディレクターがいることで、開発がスムーズに進んだり、より良い機能を開発できたりできます。Webディレクターによってサイトの良し悪しが決まるとも言えますね。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
キャリアパス
Webディレクターのキャリアパスは、大きく分けて「所属を変えながらWebディレクターを続ける」と「職種を変える」の2つのパターンが考えられます。
所属を変える場合は、以下のキャリアパスが考えられます。
所属を変える場合のキャリアパス
- Web制作会社から事業会社へ転職
- 事業会社からWeb制作会社へ転職
- 独立
転職や独立をしつつも、Webディレクターとして働くといったキャリアパスです。
一方で、職種を変える場合は、以下の職種に転身可能です。
Webディレクターからなれる職種の例
- Webプロデューサー
Webサイトの企画に立ち会い、制作・リリース・運営までの統括責任を負う仕事 - マーケター
企業の商品やサービスが売れる仕組みを作る仕事 - デザイナー
製品や施設、書籍、ポスターなどのデザインをする仕事 - アナリスト
Webサイトの収益を上げるためのWebサイトのアクセスや市場などを分析する仕事
WebディレクターはWeb制作に関するさまざまな職種の人とかかわり、知識・スキルを取得するため、描けるキャリアパスも幅広くなるのです。
Webディレクターは、事業会社の中でもコンサルタント業務をおこなう会社での需要が高まっていると感じます。経営コンサルやWebコンサルをおこなううえで、Webの知識は重宝されます。
Webデザイナーの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
Webデザイナーになるには? 仕事内容から将来性まで徹底解説
待遇
2021年8月~2022年7月にマイナビクリエイターのサービスに登録した人の集計によると、Webプロデューサー・Webディレクターの平均年収は全体で450万円とされています。
マイナビエージェントの調査によると、IT業界全体の平均年収は427万円となっているため、やや高い水準となっています。
このように、WebディレクターはIT業界全体で見ると平均年収が比較的高く、待遇の良い職種といえます。
なお、待遇は正社員やアルバイト、業務委託などの雇用形態、保有する知識・スキルによって異なるので注意してください。
未経験でも可能! Webディレクターになる方法
Webディレクターになる方法
- Web制作会社に入社する
- 事業会社のホームページ(HP)制作部門に就く
- フリーランスで活動する
ここからは、Webディレクターになる方法とそれぞれの特徴を解説します。
Webディレクターになる方法は大きく分けて3つあり、それぞれ細かな仕事内容が異なるため、入社後後悔しないためにも事前に把握しておきましょう。
Web制作会社に入社する
Web制作会社は顧客から要望を受けて、Webサイトやアプリなどを制作します。Web制作会社でWebディレクターをやるメリットはこちらです。
Web制作会社でWebディレクターをやるメリット
- さまざまなWeb制作に携われる
- 営業力やプレゼン力を鍛えられる
- IT業界以外の人脈も広げられる
Web制作会社でWebディレクターとして働くと、IT以外の幅広い知識・スキルを身に付けられたり、人脈を広げられたりするといった魅力があります。
また、後ほど詳しく解説しますが、事業会社に入社した場合、志望しても必ずしもWebディレクターの仕事に就けるとは限りません。一方で、Web制作会社に就職すれば、高い確率でWebディレクター職に就けるのも魅力の一つです。
なお、Web制作会社で働く際、求められるスキルが高かったり、応募者が多かったりすることから就職難易度は比較的高いと言われています。
Web制作に特化した仕事ができ、さまざまなWeb制作に携われます。クライアントを通じて人脈を広げられることもメリットです。
デメリットは、原則としてWebサイト制作に特化しているため、別の職種へのキャリアチェンジが難しくなる点が挙げられます。
事業会社のホームページ制作部門に就く
事業会社とは
商品やサービスを生産して、営利を目的として事業経営をおこなう会社。事業会社にはメーカーやスーパー、飲食店などが含まれる
事業会社はWebサイトの制作自体で利益を得るわけではありませんが、自社の商品・サービスを効率的に宣伝・周知するためにHPを作成します。そして、規模が大きい会社の場合は、HP制作部門が設けられており、その仕事の一つとしてディレクションがあります。
事業会社でWebディレクターをすることには以下のメリットがあります。
事業会社でWebディレクターをすることのメリット
- 一つのWebサイトを継続的に運用し続けられる
- マーケティングスキルを得られる
- 自社の事業の知見を深められコンテンツ制作以外の専門知識を付けられる
事業会社でWebディレクターをすると、一つのWebサイトを継続して運用することができるため、ノウハウを蓄積しやすいメリットがあります。また、ほとんどの業務が自社内で完結するため、さまざまな施策も試しやすく、マーケティングスキルを身に付けやすいといった特徴もあるのです。
しかし、入社時に希望が通らず、Webディレクターに就けない可能性も考えられることには注意しましょう。
事業会社のHP制作部門は、社内の人間とやりとりするため、現場の意見をHP制作に反映させやすいメリットがあります。一方で、HP制作の専門ではないため、制作会社に比べると専門性に乏しいことはデメリットです。
フリーランスで活動する
会社には属さず、フリーランスのWebディレクターとして活動するという選択肢もあります。
フリーランスとして活動することには以下のメリットがあります。
フリーランスでWebディレクターをするメリット
- 努力次第で収入を増やせる
- 仕事をする時間・場所の自由度が高い
ただ、まずは見込み顧客に営業をする必要があります。営業をする際は、主に実績が見られるため、未経験からフリーランスのWebディレクターとして働くのは難しいです。
また、収入が安定しない、Webディレクション以外の雑務・事務作業以外が増えるといったデメリットもあります。
フリーランスとして働くことを希望している人は、デメリットもよく理解したうえで判断することが重要です。
フリーランスはオールリモートでもおこなえる仕事なので、ワーケーションや地方への移住などでプライベートも仕事も充実させやすいです。この職種をしている友人の中には、キャンピングカーに乗って日本中を巡りながら働いている人もいますよ。
Webディレクターになるために必要な知識・スキル
Webディレクターになるために必要な知識・スキル
- 基本的なプログラミング知識
- リーダーシップ
- コミュニケーション能力
- プロジェクトマネジメントスキル
- 予算管理能力
- ワイヤーフレーム作成スキル
- SEOに関する知識
- クオリティチェックスキル
前述の通り、未経験からでもWebディレクターになれます。ただ、Webディレクターとして働くにはある知識やスキルを身に付けなければいけません。
ここからは、Webディレクターになるために必要な知識・スキルを解説します。Webディレクターを目指している人は、学生のうちから鍛えておくと就職が有利になるケースが多くありますよ。
あなたがWebディレクターに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、Webディレクターに向いているか確認できます。
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①基本的なプログラミング知識
Webディレクター自身がコーディングやプログラミングをすることは基本的にはありません。ただ、Webディレクターはコーダーやプログラマー、Webデザイナーなどに指示を出したり、やり取りをしたりする機会があります。スムーズにやり取りするためには基本的なプログラミング知識は身に付けておくべきです。
具体的にはHTMLやCSS、JavaScriptの基礎知識は身に付けておきましょう。また、WordPressをはじめとするCMSの使い方も把握しておくのがおすすめです。これらは業務上使用する機会が多い言語・ツールです。
基本的なプログラミング知識は参考書やインターネット上の動画などで学習できますよ。
Webディレクター自身がプログラミングをすることは基本的にないので、Webサイト制作であればHTML、CSS、JavaScriptの基礎知識があれば問題ないでしょう。ただしプログラミングができることで、将来のキャリアパスが広がります。
②リーダーシップ
Webディレクターは複数人の制作チームの指揮官的な役割を担います。顧客からの依頼・自社制作のどちらにせよ、Webサイトに関する目標を設定する必要があります。その目標を達成させるにはWebディレクターがリーダーシップを発揮して、チームを巻き込む必要があるのです。
また、Web制作はどう進めるか決断の連続で、制作チームはその決断を待っています。その際、Webディレクターがリーダーシップを発揮して、最適かつ迅速な決断をする必要があります。
リーダーシップは実際にリーダーの経験をすることで身に付けられます。アルバイトやサークル、大学のイベントなどで積極的にリーダーに立候補して経験を積みましょう。
③コミュニケーション能力
Web制作は、基本的には複数人のチームでおこないます。クオリティが高く、かつスムーズに仕事を進めるためにはチーム内でのコミュニケーションが欠かせません。
また、顧客ワークの場合、顧客の要望をヒアリングして、それをWebサイトに反映させる必要があります。ヒアリングをする際、コミュニケーション不足で本当の要望を引き出せなかったり、聞きそびれたりすることがあると、後戻りが発生してしまいます。
顧客からのヒアリングや調整、制作チームの円滑な進行をするためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。
④プロジェクトマネジメントスキル
Webディレクターは決められたリリース日や予算、リソースから逆算して、プロジェクトをマネジメントする必要があります。具体的には、スケジュール調整や進捗管理、人員の割り当て、外注費の調整などがあります。
Webディレクターは限られた日数・人員・予算の中で、効率的かつ正確な仕事ができるようにマネジメントする力が求められるのです。
プロジェクトマネジメントスキルはアルバイトや大学のイベントなどで、実際にプロジェクトをマネジメントしてみることで身に付きます。最初は苦戦するかもしれませんが、徐々にスキルを身に付けて、効率良くプロジェクトを遂行できるようになりますよ。
- 自分にプロジェクトマネジメントスキルがあるかわかりません……。
仕事をしながらでも身に付けられる
一般的には、分析力や計画性のある人物が向いているとされますが、そういったスキルは仕事をしていく中で身に付く部分も多いです。
そのため、最初から「スキルがないかもしれない」と心配しなくても大丈夫。
入社後に、先輩や上司に教わりながら自分に合った方法で管理能力を身に付けて、少しずつステップアップしていけば良いと思いますよ。
⑤予算管理能力
顧客からWeb制作を依頼される際、「〜〇〇円の中で制作してほしい」という予算が言い渡されます。Webディレクターはその予算内でプロジェクトを遂行しなければいけません。
予算内でプロジェクトを進めるには、メンバーの工数や外注費、ツール利用料などを管理する必要があります。このように、Webディレクターは予算内でプロジェクトを遂行するために予算管理能力が必要になるのです。
⑥ワイヤーフレーム作成スキル
ワイヤーフレームとは
Webページのレイアウトを決めるための設計図
Webディレクターは、Webサイトを設計する際に、配置やデザイン、仕様の詳細などを可視化した構成案を作成し、顧客とすり合わせしたり、チームに共有したりします。
このワイヤーフレームがあまりにも大雑把すぎると、顧客やチームメンバーはWebサイトの完成形がイメージできません。お互いの認識を合わせるためにもワイヤーフレーム作成スキルが必要になります。
ワイヤーフレームスキルは、実際にワイヤーフレームを作成することで身に付けられます。インターネット上であらゆるWebサイトのデザインや配置を見て、それを参考にして実際にワイヤーフレームを作成してみましょう。
⑦SEOに関する知識
SEOとは
「検索エンジン最適化」のこと。GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンからWebサイトに訪れる人を増やすための施策
Webサイトを多くの人に見てもらうためには、検索の上位に表示させる必要があります。制作したWebサイトを検索上位に表示させるにはSEOに関する知識が重要です。
WebディレクターがSEOに関する知識を持っていると、顧客に検索上位に表示させるための提案ができたり、制作チームに指示したりすることができるようになります。
SEOに関する知識は実際にブログやWebサイトを運営することで身に付けられます。「どのようにしたらブログを上位表示できるか」「上位表示されている記事にはどんなキーワードが入っているのか」などを分析することで、徐々にSEOに関して詳しくなります。
⑧クオリティチェックスキル
ライターやWebデザイナー、プログラマーなどが作成した成果物の品質チェックもWebディレクターの仕事です。
成果物の品質チェックをする際、細かい誤りを見落とすと、顧客からの信頼を下げたり、工程を後戻りしたりと手間がかかったりします。スムーズにプロジェクトを進行させ、顧客の希望通りのWebサイトを制作するためにも、クオリティチェックのスキルは欠かせません。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る学生のうちからスキルや知識を身に付けておくのがおすすめ
Webディレクターを目指すために学生のうちにやっておくと良い方法について、考えてみましょう。
Webサイトを自作する
Webディレクターは、自分でコーディングやデザインができる必要はありませんが、知識やスキルがあればデザイナーやエンジニアとスムーズに会話ができるようになります。時間に余裕があるならば、プログラミングスキルと、デザインスキルを身に付けて、Webサイトを自作してみると良いでしょう。
SEO知識を学ぶ
Webサイトの運営では、SEO対策が欠かせないので、基本的なSEO知識について学んでおくと良いでしょう。SEO知識があることで、Webディレクターとして最適な提案ができるようになります。
コミュニケーション能力を高める
Webディレクターにはコミュニケーション能力が求められます。
クライアントやメンバーが納得できる説明をおこなうことや、相手の要望を的確に理解することが求められるので、相手に伝えたいことをきちんと理解してもらい、反対に相手が言わんとしていることも理解するよう意識しながら、コミュニケーションを取るようにしましょう。
リーダーシップについて学ぶ
Webディレクターは、メンバーに対してリーダーシップを発揮し、目標を達成することが求められるので、書籍などでリーダーシップについて学ぶこともおすすめします。さらにサークル活動などでは、メンバーをまとめる役割を率先して経験するようにしましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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Webディレクターとして働くことの4つのメリット
Webディレクターとして働くことのメリット
- 多くの分野で活かせるスキルを身に付けられる
- さまざまな企業と一緒に仕事ができ視野を広げられる
- 影響力が大きくやりがいを感じやすい
- 枠にとらわれない自由な発想を活かせる
Webディレクターに魅力を感じつつも、実際に働いてみると本当に良い仕事と感じられるのか、疑問に思う人もいると思います。ここからは、Webディレクターとして働くことのメリットを解説します。
Webディレクターはやりがいのある仕事です。どんなメリット・やりがいがあるのかを確認して、本当に自分がやりたい仕事かどうかを判断しましょう。
①多くの分野で活かせるスキルを身に付けられる
Webディレクターは制作チームのまとめ役として、さまざまな職種の人の調整をしたり、指示を出したりします。指示を出すにはWeb制作に関して幅広い知識・スキルが必要になるため、仕事をしていくうちに多くの分野で活かせるスキルを身に付けられるのです。
Webディレクターで身に付けたスキルは、自身のキャリアの選択肢を広げてくれます。たとえば、好きな分野に特化したり、さらに、さまざまな業界のWeb制作に対応できるオールラウンダーなWebディレクターを目指したりなどが考えられます。また、Webデザイナーやプログラマーなどの職種にキャリアチェンジすることも可能です。
Webディレクターはマネジメントスキルも習得できるため、将来的にシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーなどでも活躍できます。プロジェクトの進捗管理やメンバーのマネジメントで経験が活かせますね。
②さまざまな企業と一緒に仕事ができ視野を広げられる
Web制作会社の場合、さまざまな企業と一緒に仕事をすることになります。担当者から話を聞いたり、その業界や商品について調べたりするうちに視野を広げられるというメリットもあります。
ライターやプログラマーなど、実際に手を動かす職種になると、顧客折衝の機会が少なくなるため、どうしても目の前のタスクに集中してしまいます。一方で、Webディレクターは顧客から直接話を聞く機会もあるため、さまざまな知識を得やすいのです。
このようにして広げた視野は、今後の仕事の幅を広げてくれたり、後にキャリアパスを選択する際に活用できたりします。
③影響力が大きくやりがいを感じやすい
Webサイトは影響力が大きく、世界中の人に利用してもらえる可能性もあります。自ら設計し、運用し続けているWebサイトを日本中または世界中の人に利用してもらえた場合、やりがいを感じられることもあります。
ほとんどのWebサイトは、多くの人に利用してもらい、商品やサービスの購買につなげることが目的で制作されます。「目的を達成できた」や「自分が制作したWebサイトが多くの人に認められた」など、感じることは人によって異なりますが、やりがいを感じられることは間違いありません。
- 影響力が大きければ大きいほどやりがいを感じやすいと思うのですが、どうすれば影響力のあるコンテンツに携われますか?
影響力のある仕事をしたいなら企業選びが鍵
影響力のあるコンテンツに携わりたいならば、影響力のあるコンテンツを発信している事業会社に就職をして、HPの制作をおこなう方法の他、影響力が大きいコンテンツの制作をおこなっているWeb制作会社に就職する方法があります。
なぜ影響力のあるWebサイトが構築できるのかを分析したうえで、企業が欲しい人材として能力を高めていくことが大切です。
④枠にとらわれない自由な発想を活かせる
WebディレクターはWebサイトの企画からかかわることがほとんどです。「こんなWebサイトにしたい」という顧客の声をヒアリング後、それに沿って自由な発想でWebサイトを制作できます。
毎日決められたことを繰り返す職種もある中、自由に考え、それを実行できるのはWebディレクターならではの魅力です。「自分の考え・発想を世の中に発信したい」と考える人に向いていますよ。
発想力を強みに持つ人は自己PRでアピールしてみましょう。こちらの記事で、発想力の自己PRの作り方・伝え方を解説しています。
例文10選|発想力の自己PRで勝負するならエピソードが最重要
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る自分の取り組みが数字になって現れることもやりがいの一つ
影響力が大きいことは魅力的だとわかっているものの、WebディレクターなどのWeb関連の仕事は、HPを訪問したユーザーから直接声を聞く機会はないですよね。仕事の特徴を考えると、やりがいを感じられるか不安に感じた学生もいるのではないでしょうか。
たしかに、営業職や接客、販売、コンサルタントは顧客と直接かかわるためやりがいを感じやすいです。
アクセス数や滞在時間で提供価値を実感できる
Webディレクターの仕事についても、数字として多くの顧客の力になっていることが実感できますよ。たとえば、HPに訪問した顧客の数はアクセス数として把握でき、HPにどれくらい滞在したのかも確認することができます。
また、HPで紹介している商品やサービスが購入された数もHP経由で知ることができます。他にも、HPの改善をしたときの結果も数字で知ることができるため、自分のアイディアが顧客の力になったことを実感できます。
このように、対面ではかかわることができない顧客に価値提供をするだけでなく、それを実感できることも魅力的ですね。
把握しておこう! Webディレクターの4つの厳しさ
Webディレクターの4つの厳しさ
- 常に納期に追われている
- 顧客と制作チームの板挟みになりやすい
- 案件が重なると残業が多くなることもある
- 常に知識を学び続けなければいけない
Webディレクターとして働くことはやりがいやメリットだけではありません。厳しい一面もあります。
ここからは、Webディレクターの厳しい一面を紹介します。Webディレクターを志望している人は、入社後に後悔しないためにも把握しておきましょう。
①常に納期に追われている
前述の通り、ほとんどのWeb制作は最初にリリース日が決まります。そのリリース日から逆算して、あらゆる作業の納期が設定されます。Webディレクターは常にその納期に追われることになるのです。
さらにほとんどのWebディレクターは、抱えている案件が一つではなく、複数の案件が同時に進行します。多数の納期が次々とやってくるため、常に追われている感覚になるのです。
このように、納期に追われ、時間に余裕がなくなるのはWebディレクターの厳しい一面といえます。
②顧客と制作チームの板挟みになりやすい
Webディレクターには人間関係の悩みも絶えません。なぜなら、顧客と制作チームの板挟みになりやすい立場だからです。
Webサイトは、Webディレクター・プロデューサーが顧客の要望を聞き、それを制作チームに指示して制作していきます。ただ、Web制作に知識がある顧客ばかりではないため、仕様や納期、金額など無理な要望をされることもあります。
一方で、結果的にその無理な要望で作業をするのは制作チームであるため、制作チームの中で不満が溜まってしまうのです。
このように、Webディレクターは顧客からの要望と制作チームの声の板挟みとなる中、上手く調整する必要があります。人間関係にストレスを感じやすい人は気疲れしてしまうことがあります。
③案件が重なると残業が多くなることもある
前述の通り、Webディレクターは複数の案件を同時進行させます。たくさんの案件を抱えすぎたり、納期が重なったりしてしまうと、一時的に業務量が多くなり、残業が増える可能性があります。
案件が重なっている状態では、身体的にはもちろん、「あのプロジェクトの納期は大丈夫だろうか」と精神的な疲労も出てくることもあります。また、休日も働かなければいけない場合もあります。
Webディレクターを志望している人は、業務量が多いという事実も把握しておかなければいけません。
Web制作会社などでは、裁量労働制が導入されていることが多く、案件が少ない時には午後から出社したり、早めに帰宅することも可能です。
確かに残業が多い職種ですが、働き方は労働者の裁量に委ねられていることも多いので、オンオフを上手に切り替えられるようにしましょう。
④常に知識を学び続けなければいけない
デザインやプログラミング、マーケティングなどWebに関する知識は膨大で、目まぐるしく変化し続けます。Webディレクターはその膨大な知識を網羅的に学び続け、さらに最新情報に追いつく必要があるのです。
どの職業でも勉強し続けることは大切です。しかし、Webディレクターはあらゆる専門職種の人に指示を出さなければいけないため、他の職種よりも幅広く知識を学ばなければいけないのです。業務量が多いうえに幅広く知識を学び続けなければいけないため、時間に余裕がなくなってしまいます。
このように、業務量が多いことに加えて、幅広くかつ変化が激しい知識を学び続けなければいけないことに辛さを感じることがあります。
- Webディレクターは忙しいと思うのですが、どのようにして勉強時間を捻出すれば良いのでしょうか?
業務を通じて自分に必要なことを見極めよう
Webディレクターは仕事の範囲が広く責任もあるため、業務時間を減らして勉強時間を確保することはハードルが高いです。そのため、業務を通じて自分に足りないことを明確に把握し、少ない勉強時間でも効率的に学ぶことが重要ですよ。
学ぶべきことが明確になっていれば、本を1冊すべて読む必要もありませんし、YouTubeなど無料コンテンツで必要なことだけを学べば仕事に活かせますね。
Webディレクターが向いている人の7つのの特徴
Webディレクターが向いている人の7つの特徴
- 業務やスケジュールの調整が得意な人
- 予想外の状況でも冷静に対応できる人
- 体力やストレス耐性に自信がある人
- リーダーシップ・責任感がある人
- マルチタスクが得意な人
- 新しいもの・情報に敏感な人
- 顧客・ユーザー目線で物事を考えられる人
「Webディレクターに興味があるけど、自分が向いているかわからない」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
ここからは、Webディレクターに向いている人の特徴を解説します。自分が当てはまるかどうかチェックしてみてください。
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①業務やスケジュールの調整が得意な人
日頃から業務やスケジュールの調整が得意な人はWebディレクターに向いています。前述の通り、Webディレクターの主な仕事は顧客から指示されたリリース日までにWeb制作を完了させること。そのために、制作チーム内でタスクやスケジュールの調整をしなければいけないのです。
また、業務やスケジュールを調整するには他の人を巻き込む必要があります。そのため、一人で黙々と作業するのが好きという人よりも、人とかかわりながら仕事がしたいという人の方が向いています。
自己PRで自身の計画性をアピールする予定の人は、こちらの記事を読むことでより効果的なアピールができるようになりますよ。
例文10選|企業に刺さる「計画性」の自己PRは3ステップで完成!
②予想外の状況でも冷静に対応できる人
Webディレクターとして働くと予想外な出来事が多く発生します。たとえば、顧客からリリース日を早めてほしいと要望があったり、制作チームの人員が途中で変更になったり、Webサイトの仕様が大きく変更したりなどがあります。
Webディレクターは予想外の状況になっても冷静に対応することが求められます。なぜなら、その状況に対応して制作チームに指示を出さなければいけないからです。
そのため、どんな状況でも臨機応変な対応ができる人はWebディレクターに向いているといえます。
こちらの記事では、自己PRで臨機応変な対応が得意であることをアピールする方法を解説しています。臨機応変な対応が得意な人はぜひ参考にしてください。
例文8選|臨機応変に対応する力の自己PRで印象に残す4ステップ
③体力やストレス耐性に自信がある人
複数の案件を同時進行させたり、納期が重なったりすると、Webディレクターの業務量は多くなり、繁忙期には残業が続くことも考えられます。そのため、Webディレクターとして働くには体力も重要になります。
また、顧客と制作チームの板挟みになるのがWebディレクターの立ち位置です。顧客から無理な要望を言われた際には、制作チームから不満を言われることも考えられます。このような状況はストレスが溜まるため、ストレス耐性が必要です。
Webディレクターはどんな状況でも体調を崩したり、心が折れたりせずに働き続けられる心身の強さがある人に向いています。
- Webディレクターは華々しいイメージがあったのですが、過酷な職業だと覚悟した方が良いのでしょうか?
縁の下の力持ちとしての役割は覚悟した方が良い
実際にWebディレクターの人と接していると、華々しい仕事というよりは、顧客や製作チームそれぞれに常に細やかな心配りをしながら、複数の案件をこなしている縁の下の力持ちのような存在だと感じます。
華やかさだけを求めるのなら、イメージとは違うかもしれませんが、どんな職業も華やかな部分だけではありません。
Webディレクターは、任される仕事の幅も多いので、やりがいのある仕事の一つだと個人的には思っています。
④リーダーシップ・責任感がある人
Webディレクターは、制作チームのまとめ役として指示を出さなければいけません。リーダーシップや責任感を持ち、担当者が期限までに対応できるよう管理しなければなりません。
また、顧客から無理な要望をされたときに、それを断るのもWebディレクターの仕事です。無理な要望ばかりを引き受けると、制作チームから不満が生まれてしまいます。
このように、顧客と制作チームの両者を考慮した決断をして、責任感を持って指示を出せる人はWebディレクターに向いています。
責任感がある人は自己PRでアピールしてみましょう。こちらの記事では責任感の自己PRの作り方・伝え方を解説しています。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
⑤マルチタスクが得意な人
Webディレクターの業務は、以下のように多岐にわたります。
Webディレクターの業務内容例
- 顧客とのミーティング
- 制作チームへの指示
- スケジュール・タスク調整
- 予算管理
- 品質チェック
これらは一つずつではなく、同時進行でおこなわなければいけません。そのため、Webディレクターになるためには、マルチタスクが得意なことも求められます。
Webディレクターは、制作チームへの指示、予算管理、スケジュール調整、品質チェックなど幅広い業務を担っているため、マルチタスクが苦手だと納期に間に合わないケースやWebサイトの品質に問題が生じることなどが予想されます。
⑥新しいもの・情報に敏感な人
前述の通り、Webディレクターはあらゆる職種の人の指示を出さなければいけないため、ITに関する情報・知識を学び続けなければいけません。そして、ITは目まぐるしく変化し続けているため、常に最新情報に触れる必要があるのです。
一方で、勉強を疎かにしたり、最新情報を取り入れなかったりすると、指示を出せなくなるだけでなく、競合と差を付けたWebサイトが作れなくなり、顧客からの信頼が下がることもあります。
意識的にITに関する情報収集をしなければいけない人にとっては苦に感じる場合もあります。一方で、ITに関する情報収集することが好きな人はWebディレクターに向いています。
⑦顧客・ユーザー目線で物事を考えられる人
WebサイトはWebディレクター自身が満足するものを制作すれば良いというものではありません。顧客が満足し、かつユーザーにとって使いやすいものである必要があります。
ただし、他人の目線で物事を考えるのは難しいことです。自分の主観や感情が混じって、いつの間にか自分が作りたいWebサイトを作っているということも考えられます。
その中で、常に顧客やユーザーの目線で物事を考えられる人は、Webディレクターに向いています。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見るWebディレクターとして活躍するにはコミュニケーション能力も大切
仕事に関する知識や、常に新しい情報を収集する力など、スキル面の能力も重要ですが、個人的にはコミュニケーション能力も大切だと思います。
これまで何人ものWebディレクターと仕事をしましたが、仕事ができると思った人はコミュニケーション能力が高い人ばかりでした。
顧客とのヒアリングでは、顧客が本当に求めているものは何なのか、無意識で考えていた部分まで引き出す力がいりますよね。そしてそれをブラッシュアップして、制作チームに指示を出さなくてはいけません。
調整役を担うことも少なくない
制作チームからの提案と顧客の要望をすり合わせるなど、両者が心地よくプロジェクトに取り組めるように調和させる役割もあります。
仕事をする時には、外注のカメラマンやライターを使うこともありますが、外部の人に対しても制作意図が伝わる的確な発注が求められます。
このように、作業にかかわる多くの部分は、人とのコミュニケーションで占められています。チームで仕事をするのが好きな人、人とかかわり合うのが好きな人、コミュニケーション能力が高い人は、特にこの仕事に向いていると思いますよ。
差別化を図れる! Webディレクターへの就職に有利になりやすい方法
差別化を図れる! Webディレクターへの就職に有利になりやすい方法
- デザイナー・エンジニア・ライターなどの制作側の経験をしておく
- Webサイトを自作してWeb周りの専門知識を習得する
- 資格を取得する
Webディレクターについて網羅的に把握したうえで「自分はWebディレクターに向いていそう」「Webディレクターとして働きたい」と感じた人もいるのではないでしょうか。
ここからは、Webディレクターへの就職が有利になる方法を解説します。他の学生と差別化を図るためにも、ぜひ参考にしてください。
デザイナー・エンジニア・ライターなどの制作側の経験をしておく
Webディレクターはデザイナーやエンジニア、ライターなど、制作側を経験しておくことで、Web制作に関する知識を得られるだけでなく、制作側の気持ちも理解できるようになります。
たとえば、デザイナーの経験がある人は、デザイナーに対して「自分だったらどのくらいの時間がかかるだろう」と経験に基づいた想定をしたうえで指示ができます。一方で、経験がない人は、実際にどのくらいの時間で作業を完了させられるかわからないため、無理な指示を出してしまうことがあるのです。
学生のうちからデザイナーやエンジニア、ライターなどの制作側の経験をするにはインターンやアルバイト、クラウドソーシングを活用した業務委託などがおすすめです。インターンやアルバイトの場合は、スキルを身に付けながら制作側の経験ができる場合もありますよ。
おすすめのクラウドソーシング
インターンに参加するメリットや企業の選び方などを知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
制作側の経験がある人がWebディレクターになると、制作者に寄り添って対応できるため、制作にかかわるメンバーからも信頼を集めやすいです。
Webサイトを自作してWeb周りの専門知識を習得する
Webディレクターを目指して、Web周りの専門知識を習得するのは就活に有利になります。その中でもWebサイトを自作するのは特に効果的です。
本を読んだり、教えてもらったりしてもWeb周りの基本的な知識を習得できます。一方で、Webサイトを自作した方がより知識やスキルが身に付き、Webディレクターになった際に、より具体的な指示ができるようになるのです。
また、自作したWebサイトは就活の際にポートフォリオとしても提示できますよ。
ポートフォリオとは
クリエイターが実績をアピールする際に使用する作品のこと
- Webディレクターになるためには、どんなWebサイトを作るのがおすすめですか?
元々興味がある分野で始めてみるのがおすすめ
趣味など興味のある分野、あるいは所属しているサークルなどをテーマにしたものであれば、コンテンツを理解しているため、Webサイトを立ち上げやすくおすすめです。
また身近な音楽、映画、旅というテーマでも良いでしょう。その他ユーザー目線になり、ユーザーが見やすく使いやすいWebサイトなど、Webサイトの品質を考えたWeb制作をしてみることもWebディレクターになるために役立ちます。
どういった目的で、どのような人に見てもらいたいかを考えて、Webサイトを制作しましょう。
資格を取得する
Webディレクターを志望する人におすすめの資格
- ITパスポート試験
- Webアナリスト検定
- Google Analytics Individual Qualification
- Webディレクション試験
- Webリテラシー試験
- ウェブ解析士
資格はその分野に関する知識やスキルを保有していることの証明になります。就活の際にWebディレクターの業務内容に関する資格を保有していることをアピールすることで、すでにWebに関する知識があると思ってもらえるのです。
Webディレクターを志望する人におすすめの資格は6つあり、ここからはそれぞれの資格の内容について解説します。
履歴書で資格について記入する際、好印象を持ってもらう書き方があります。すでにWebディレクターへの就職が有利になる資格を持っている人は、こちらの記事を参考にしてください。
履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅
ITパスポート試験
ITパスポートとは、AI(人工知能)やビッグデータ、IoTなど、新しい技術や手法の概要に関する知識、経営・ネットワーク・プロジェクトマネジメント・ITなど、IT業界やビジネスなどに関する幅広い分野の知識が問われる試験です。
ITパスポート試験はIT系の国家資格の中でも最も難易度が低いと言われており、短い勉強時間でも取得可能です。取得するとITに関する基礎知識や社会人として働くうえで必要な知識を保有していることを証明できます。
「Webディレクターを目指したいけどまだITに関する知識がない」という人は、ITパスポートの試験対策の過程で基礎的な知識を身に付けましょう。
ITパスポートの基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:春期(4月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:150時間ほど
- 合格率:50%ほど
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、Googleアナリティクスのアクセスログの解析について、基礎から実用的なことまで学べる資格です。
Webディレクターの仕事は、Webサイト制作だけでなく運用も含まれます。運用する際、Googleアナリティクスでアクセスログを確認し、Webサイトをもっと多くの人に利用してもらうための施策を考えなければいけないのです。
そのため、Webアナリスト検定を取得することで、Webサイトの運用が得意なWebディレクターを目指せますよ。
Webアナリスト検定の基礎知識
- 主催団体:日本Web協会
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:オンラインテスト
- 試験日:毎月開催
- 受検費:22,330円
- 目安勉強時間:5〜15時間
- 合格率:80%ほど
Google Analytics Individual Qualification
Google Analytics Individual Qualificationは、Googleアナリティクス個人認定資格で、Googleアナリティクスの習熟度をGoogle公式が認定する資格です。
WebディレクターはGoogleアナリティクスを確認して運用の方向性や施策を検討しますが、Google Analytics Individual Qualificationがあれば、Googleアナリティクスの機能に詳しく、実務も可能であることをアピールできます。
資格の有効期限は18カ月と限られていますが、Google Partnersであれば無料で、かついつでも受検が可能なためおすすめです。
Google Analytics Individual Qualificationの基礎知識
- 主催団体:Google
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:複肢択一式
- 試験日:いつでも可能
- 受検費:無料
- 目安勉強時間:10〜20時間
- 合格率:非公開
Webディレクション試験
Webディレクション試験とは、一定の品質が保たれたWeb業界のディレクション業務をおこなえることを証明する資格です。
現状分析やサイトの設計、集客施策の立案など、Webディレクションに関する実践的な知識を幅広く学べます。Webディレクター一本で志望する人は取得しておくのがおすすめです。
Webディレクション試験の基礎知識
- 主催団体:社団法人全日本能率連盟登録資格Web検定
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:毎日
- 受検費:10,000円(税抜)
- 目安勉強時間:30時間ほど
- 合格率:65.6%ほど
Webリテラシー試験
「Webリテラシー」とは、Webデザイナー・ディレクター・プロデューサーの最も重要な知識を指し、Webリテラシー試験はそれらの知識を備えているかどうかを測る資格です。
Webリテラシー試験は立場の違う3つの職種の知識が得られるため、実際に働いた際にコミュニケーションエラーを防げるようになります。
誰でも受検可能なため、Webディレクターに関係する職種の知識を網羅的に把握しておきたいという人は取得しておくのがおすすめです。
Webリテラシー試験の基礎知識
- 主催団体:社団法人全日本能率連盟登録資格Web検定
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:毎日
- 受検費:10,000円(税抜)
- 目安勉強時間:15〜20時間ほど
- 合格率:61.6%ほど
ウェブ解析士
ウェブ解析とは、Webサイトのあらゆるデータをもとに事業を最大化させることです。ウェブ解析士は、Web解析に必要な能力や知識が身に付いていることを証明する資格です。
ウェブ解析士を取得すると、以下のようなことができるようになります。
ウェブ解析士ができること
- KPI設計
- 経営戦略とWeb戦略を連動させる
- サイト改善と施策の実行
- 計画の立案
- アクセス解析を軸としたレポートの作成
- ファシリテーション
また、ウェブ解析士には「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3階級があります。まずはウェブ解析士の取得から目指すのがおすすめです。
ウェブ解析士の基礎知識
- 主催団体: 一般社団法人ウェブ解析士協会
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:4択問題
- 試験日:月2回
- 受検費:17,600円(ウェブ解析士の場合)
- 目安勉強時間:25時間ほど
- 合格率:55%ほど
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るWebディレクターになりたい人はウェブ解析士の勉強が特におすすめ
Webディレクターで活かせる資格がたくさんあり、どの資格から勉強をすればいいのかわからないという学生もいるのではないでしょうか。たしかに、それぞれの資格学習で得られることが異なるため、何から取り組めば良いか悩みますよね。
このように悩む人は、「ウェブ解析士」の資格の勉強から始めることがおすすめです。
数字を使った分析ができるようになっておこう
HP制作はデザインや文章などのコンテンツを重視すべきと思われるかもしれません。しかし、大切なことは「HPを通じて商品・サービス購入を促すこと」です。HPは集客の手段の一つなので、数字を使った分析ができることが求められます。
ウェブ解析士は、KPI設計やアクセス解析などの知識があるかどうかを問う、Webディレクターにもっとも求められることが学べる資格です。他にも、経営戦略を達成できるようなWeb戦略を考えることも知識として得られます。
このような知識があるWebディレクターは多くないので、他のWebディレクターとの差別化にもなりますよ。
就職に役立つ資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
やりがいがある仕事! スキル・知識を身に付けてWebディレクターを目指そう
Webディレクターはやりがいがある一方で、厳しい一面もある仕事です。自分に向いていることを確認してから目指さないと、入社後に後悔してしまう可能性があります。
また、Webディレクターへの就職を有利にするには、学生のうちからWeb周りの知識・スキルを身に付けておくのがおすすめです。
この記事を参考にスキル・知識を身に付けてWebディレクターを目指しましょう。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見るWebディレクターは幅広い能力が必要な仕事
Webディレクターは、基本的なプログラミング知識・プロジェクトマネジメントスキル・SEOに関する知識など、さまざまな能力が必要とされる職業です。
常に新しい情報を吸収し、知識を深める自己研鑽も必要な職業なので、仕事でスキルアップしたい、仕事で活躍したい人にも向いていると思いますよ。
しかし、その分仕事量も多く、ある程度覚悟して入社したほうが良いでしょう。
Web制作会社を経営する友人から、「Webディレクターは、Webというツールを使って何ができるのか、発想転換できる力・応用力・マッチング力がある人を求めている」と聞きました。
柔軟な発想が成功の鍵
ここからわかるのは、ディレクションにかかわる知識に加えて、柔軟な発想ができる人材が求められているということです。
Webディレクターの仕事は多岐に渡るので、制作会社・広告代理店・コンサルタント会社の他にも、事業会社の制作部門などさまざまな会社で活躍できます。
今はフリーランスのWebディレクターも増えているので、将来独立したい人にもおすすめできる仕事の一つですよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
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