セキュリティエンジニアの魅力とは? 新卒から叶える王道3ステップ

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  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

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  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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  • ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士

    Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める

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この記事のまとめ

  • セキュリティエンジニアで活躍するには働き方や将来性の理解が必要不可欠
  • セキュリティエンジニアへの就職を叶えるには王道3ステップを踏もう
  • セキュリティエンジニアに向いている人の特徴6選を解説
  • この記事を読んでいる人に
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セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃などから企業の情報セキュリティを守る役割を果たす重要な職業です。

IT系に興味がある人は、セキュリティエンジニアに興味を持っているかもしれません。しかし、セキュリティエンジニアの働き方や将来性を具体的に理解できている人は少ないでしょう。

セキュリティエンジニアの具体的な仕事内容や年収・キャリアパスを知っておけば、将来的なキャリアのミスマッチを未然に防げます。自分が納得したうえでセキュリティエンジニアへの道を選択できれば、長期的にやりがいや充実感を持って仕事に取り組めるはずです。

この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、田邉さん、ITストラテジストの伊沢さんのアドバイスを交えつつ、セキュリティエンジニアの詳細や、セキュリティエンジニアになる方法や向いている人について解説します。セキュリティエンジニアを目指そうか迷っている人は参考にしてくださいね。

目次

セキュリティエンジニアになるには経験とスキルが鍵! 今すぐできる対策から始めよう

セキュリティエンジニアになるには、経験やスキルの習得が必要不可欠です。求められる資格や能力は幅広いため、学生の段階から対策しておくことが就活で重要です。

この記事では、新卒からセキュリティエンジニアを目指すための王道3ステップについて説明。この王道3ステップに沿って就職前から行動を取れば、セキュリティエンジニアに必要な経験やスキルは自然と身に付きます。

また、セキュリティエンジニアを目指した就職に役立つ資格や、セキュリティエンジニアの経験が活きる多様なキャリアパスについても解説します。

「セキュリティエンジニアに将来性はあるのか不安」「将来の働き方やキャリアで後悔したくない!」という人は参考にしてくださいね。

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セキュリティエンジニアの基本情報

セキュリティエンジニアの基本情報

  • 果たす役割
  • 将来性
  • 年収

デジタル化が進む現代社会では、情報を守るセキュリティエンジニアの重要性がよりいっそう高まっています。

以下では、セキュリティエンジニアの基本情報について詳しく説明します。基本情報を理解しておけば、セキュリティエンジニアになった際のミスマッチがなくなり、自分に合ったキャリア構築につながります。

果たす役割

セキュリティエンジニアの果たす役割としては、以下が挙げられます。

セキュリティエンジニアの果たす役割

  • サイバー攻撃から情報を守る
  • 個人情報の漏洩を防止する
  • ウィルス感染による損失を防ぐ

企業や組織の情報は、常にセキュリティのリスクにさらされ、サイバー攻撃やコンピュータウィルスの手口も年々巧妙化しています。セキュリティエンジニアは、こういったセキュリティ面のリスクから企業を守るのが役割です

以下では、セキュリティエンジニアが果たす役割について詳しく解説します。

サイバー攻撃から情報を守る

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃から企業や組織のデータを守ることが求められます。多くの社員がPCやスマホで企業の情報にアクセスできる利便性と引き換えに、サイバー攻撃を受けるリスクは高まる一方です。

サイバー攻撃により企業の機密情報が漏洩してしまえば、世間からの企業に対する信頼は落ちてしまいます。

セキュリティエンジニアは外部からのサイバー攻撃を防ぐために、セキュリティに脆弱性がないかなどをチェックします。セキュリティのリスクを評価し、適切なセキュリティポリシーや対策を定めることで、企業のセキュリティをアップデートするのが役割です

個人情報の漏洩を防止する

セキュリティエンジニアは、企業や組織で個人情報の漏洩を防止する重要な役割を担っています。個人情報の漏洩は組織に対して大きな損害をもたらし、顧客からの信頼喪失にもつながりかねません。

そこでセキュリティエンジニアは、個人情報の保護に向けて適切なセキュリティ対策をし、リスクを未然に防ぐ役割を果たします。また、最新のセキュリティ技術やツールを導入してシステムの安全性を維持することも、セキュリティエンジニアの役割です。

さらに、セキュリティエンジニアは組織内のさまざまな部門と連携し、従業員に対するセキュリティ意識向上や教育をおこなう役割も担っています。従業員がセキュリティリスクに対して適切に対処できるようサポートすることで、組織全体のセキュリティ意識向上を目指します。

ウィルス感染による損失を防ぐ

セキュリティエンジニアは、ウィルス感染による企業の損失を防ぐことも仕事の一つです。企業や組織がウィルスに感染すると、システムのダウンタイムやデータ損失、個人情報の漏洩といったリスクが生じます。

セキュリティエンジニアは、こういったウィルスの脅威から企業を守るためにセキュリティ対策をするのが役割です。たとえば、ウィルス対策ソフトウェアやファイアウォールなどのセキュリティ対策を導入し、組織のシステムを継続的に監視する体制を整備します。

万が一ウィルスに感染してしまった場合には迅速に効果的な対応をおこない、被害の拡大を防ぐことが大切です。

このようにセキュリティエンジニアは、ウィルス感染による損失を防ぎ、企業や組織の重要な情報資産を守っています

将来性

セキュリティエンジニアの将来性は非常に明るいといえます。デジタル化が進む現代で、組織のセキュリティを守る重要性がなくなることはありません。

また、セキュリティエンジニアがサイバー攻撃などから企業の情報資産を守ることで、企業の商品やサービスを利用するユーザーも安心できます。

情報を守る役割を果たすセキュリティエンジニアのニーズは今後も増加が見込まれるため、将来性は明るいといえます

クラウドコンピューティングの普及により、企業はデータの保護やアクセス管理に対する対策を強化しなければいけません。セキュリティエンジニアは、クラウド環境におけるセキュリティ対策にも大きく関与し、活躍することができるでしょう。

年収

セキュリティエンジニアの求人としては、年収450万円以上が多いです。年収450万円からキャリアをスタートしスキルや経験を積んでいけば、30歳で年収800万円以上も期待できます

そのうえで専門性をさらに高めたり、マネジメント職に就けば、ゆくゆくは年収1,000万円以上の達成も夢ではありません。

dodaの会員を対象にした、2021年9月~2022年8月の調査による平均年収データによると、全年代の平均年収は403万円、50代以上でも596万円となっています。そのため、30歳で年収800万円以上を目指せるセキュリティエンジニアは魅力的ですね。

イメージをつかもう! セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容

  • 企画
  • 設計
  • 実装
  • テスト
  • 運用・保守

セキュリティエンジニアの全体的な仕事の流れとして、まず効果的なセキュリティ対策を立案します。その後、具体的なシステム設計書を作成します。

作成した設計書をもとにセキュリティ対策をシステムやネットワークに実装し、システムのセキュリティに問題がないかテストをします。

システム導入後は継続的にシステムを運用・保守するのが、セキュリティエンジニアの全体的な仕事の流れです。

上記を知っておけば、セキュリティエンジニアになった際の働き方を具体的にイメージできます。

以下では、セキュリティエンジニアの仕事内容についてそれぞれ詳しく解説します。

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

企画

セキュリティエンジニアの最も上流の仕事が、企画業務です。具体的な企画業務の内容は、以下の通りです。

企画業務の内容詳細
セキュリティポリシーの策定組織のセキュリティ方針を明確にして、従業員が理解しやすいように文書化する
脅威分析サイバー攻撃の最新の動向や組織が直面する脅威を分析して、リスクを評価する
セキュリティ対策の提案分析した脅威に対して、効果的なセキュリティ対策を提案する
予算管理セキュリティ対策に必要な予算を見積もる
ベンダー管理セキュリティに関連する外部ベンダーとの協力関係を構築する
企画業務の詳細

企画業務では、組織の情報セキュリティに関する目標や方針を策定して、効果的なセキュリティ対策を実行することが求められます

通常の企画職と、セキュリティエンジニアの企画の仕事に違いはありますか?

谷所 健一郎

プロフィール

到達目標や実施する手法が異なる

通常の企画職は、経営データや市場動向などを分析し、顧客や消費者が求めるものを捉えて、売り上げを伸ばしていくためのシステムやノウハウを体系化していく仕事です。

一方セキュリティエンジニアの企画の仕事は、組織の情報セキュリティ確保のための企画・提案です。

セキュリティ診断をおこない、脆弱性などのウィークポイントや将来的なリスクなどを洗い出したうえで、状況を報告し対策の企画・提案をおこなう業務になります。

通常の企画職は企業の売り上げを伸ばすための企画であり、セキュリティエンジニアの企画の仕事は、企業や組織のITにおけるセキュリティ確保の企画であり、到達目標や実施する手法が違うといえるでしょう。

企画職の仕事や適性はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

設計

セキュリティエンジニアの仕事に含まれる設計業務の具体的な内容は、以下の通りです。

設計業務の内容詳細
セキュリティ要件の定義システムやネットワークのセキュリティ要件を明確に定義し、それに基づいて設計を進める
セキュリティポリシーの整備システムの運用で遵守すべきセキュリティポリシーと手順を整備する
セキュリティドキュメントの作成設計に関する情報を整理してセキュリティドキュメントを作成する
設計業務の詳細

設計業務では、情報システムやネットワークのセキュリティを強化して、サイバー攻撃から組織を守ることが役割です

実装

セキュリティエンジニアの仕事に含まれる実装業務の具体的な仕事内容は、以下の通りです。

実装業務の内容詳細
セキュリティ対策の導入設計に基づき、ファイアウォールやセキュリティソフトウェアなどの対策を導入する
暗号化技術の適用データの機密性を保つために、適切な暗号化技術を選定してデータの転送や保存に適用する
認証機能の実装システムやネットワークへのアクセスを制限するため、強固な認証機能を実装する
セキュリティ運用手順の作成実装したセキュリティ対策の運用手順を作成する
実装業務の詳細

実装業務では、設計されたセキュリティ対策を具体的にシステムやネットワークに適用し、安全なシステム運用環境を構築することが求められます

テスト

セキュリティエンジニアの仕事に含まれるテスト業務の具体的な仕事内容は、以下の通りです。

テスト業務の内容詳細
セキュリティテスト計画の作成テストの対象や手法、スケジュールなどを明確にして、効果的なテストを実施するための計画を作成する
脆弱性チェック攻撃者の視点からシステムの侵入を試みる。また、コードレビューをおこなうことで、システムやネットワークの脆弱性を評価する
テスト結果の分析実施したテストの結果を分析して、問題点を明確にする
改善策の提案問題点を解決するための改善策を関係者に対して提案する。また、改善後に再度テストを実施する
テスト業務の詳細

テスト業務では、システムに脆弱性がないかチェックすることが求められます。ここで誤った評価をすると、システムのリリース後にサイバー攻撃を受けて情報が漏洩してしまう可能性があるため、セキュリティエンジニアのテストの仕事は重要といえます。

運用・保守

運用・保守は、セキュリティエンジニアの中で最も下流の業務です。運用・保守業務の具体的な仕事内容は、以下の通りです。

運用・保守業務の内容詳細
セキュリティ監視システムやネットワークの状況を常に監視して、異常なアクセスパターンを検出する
設定管理セキュリティポリシーに従って、システムやネットワーク機器の設定を最適化し不正アクセスのリスクを軽減する
ログ分析システムから収集されたログデータを分析して、セキュリティ上の問題点を特定する
ドキュメント管理システムのセキュリティ対策の履歴を管理して、情報共有や改善策の検討に活用する
運用・保守業務の詳細

運用・保守では、システムやネットワークのセキュリティを継続的に確保することが求められます

アドバイザーコメント

セキュリティエンジニアの役割は経営陣の理解を得ることから

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティについて経営陣の理解を得て、ユーザーに対して情報セキュリティ教育をおこない、情報モラル向上を図ることが求められます。

経営者にとって、情報セキュリティ対策はコストと考える経営者もいます。経営者に情報セキュリティの重要性を理解してもらうためには、セキュリティ脅威やリスクがもたらす可能性のある損失、ブランドの評判悪化、法的責任などを具体的に説明しなければなりません。

また、ほかの企業が過去に経験したセキュリティインシデントやその対処方法を紹介することで、経営者に現実味を持たせることができます。

情報セキュリティ教育は新たな脅威に備えたアップデートが大切

情報セキュリティ教育では、ユーザーにとって理解しやすいカリキュラムを作成し、セキュリティの基本知識や実践的な対策、企業内のポリシーやガイドラインなどを学習できるよう、整備する必要があります。

また、情報セキュリティの状況は常に変化しているため、定期的な教育やアップデートが必要です。ユーザーに対しての情報セキュリティ教育は、新入社員向けの研修だけでなく、全社員を対象とした定期的な教育を実施する必要があります

セキュリティエンジニアになるには? 新卒から目指す王道3ステップ

セキュリティエンジニアになるには? 新卒から目指す王道3ステップ

サイバー攻撃から情報を守るセキュリティエンジニア。年収が高く将来性も明るいため、「セキュリティエンジニアになりたい」と考える学生もいるでしょう。

そこで以下では、新卒からセキュリティエンジニアを目指す王道3ステップを解説します。最短でセキュリティエンジニアに到達するためにも、必ずチェックしてください。

あなたがエンジニアに向いているか確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
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ステップ①大学や専門学校でスキルアップ

大学や専門学校でITスキルを習得することは、セキュリティエンジニアへの第一歩です。情報工学やコンピュータサイエンスの学部・学科で、プログラミングやネットワークなどの基礎的なITスキルを学びましょう。

「今から大学でITスキルを勉強するのは難しい……」という人は、大学卒業後に専門学校で学ぶのがおすすめです。最近では、情報セキュリティに特化したカリキュラムを提供している専門学校が増えています。

セキュリティエンジニアの夢を叶える第一歩として、大学や専門学校でのITスキル習得を目指しましょう

大学卒業後に専門学校に入り直すのは学費的に厳しいです。大学でIT専攻でなければどうするのが良いでしょうか。

IT専攻ではない学生は独学で理解を深めることがおすすめ

たしかに、専門学校への入学やスクールへの通学は費用がかかるので、現実的ではない学生が多いですよね。そのような人は、独学で理解できる範囲で勉強することがおすすめです。

独学であっても理解を深めることができるだけでなく、セキュリティエンジニアの志望意欲が伝わるため、面接官に好印象を与えることができますよ。

学習をすることで、セキュリティエンジニアが自分に合っているのかも判断するきっかけになりますね。

また、勉強をしたら、インターンやアルバイトで実務経験を積むと仕事のイメージがつきやすくなったり、就活で有利になったりするのでおすすめです。

未経験からIT職を目指す方法は、こちらの記事で解説しています。必要となる具体的なスキルも説明しているので、併せて参考にしてくださいね。
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説

ステップ②資格を取り知識をブラッシュアップ

次のステップが、ITに関する資格を取りスキルをブラッシュアップすることです。資格を取得するための勉強を通して、ITに関する知識が広く身に付きます

「大学や専門学校で勉強しても、なかなかモチベーションが続かない……」という人にも資格取得はおすすめ。資格を取るという明確な目標があれば、勉強のやる気やモチベーションが継続しやすいはずです。

後述するおすすめの資格も参考にしながら、セキュリティエンジニアへの就職に役立ててください。

IT初心者が取るべき資格はこちらの記事でも説明しています。勉強方法も解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説

ステップ③ITエンジニア経験を積みキャリアアップ

最後のステップは、ITエンジニア経験を積んでキャリアアップすることです。

新卒からいきなりセキュリティエンジニアを目指すのは、現実的に難易度が高いです。そこで、まずはITにかかわるエンジニアとして経験を積み、セキュリティエンジニアへのキャリアアップを目指しましょう。

実務経験を通してシステムやネットワークの仕組みに対する理解を深めれば、より高度なプロジェクトや業務に挑戦するチャンスが生まれ、将来的に活躍できるセキュリティエンジニアになれます

ITエンジニアとしての経験はセキュリティエンジニアの仕事とも関連します。高いレベルのセキュリティエンジニアになるためにも、まずはITエンジニアの仕事をしっかりこなし理想のキャリアの土台を築き上げましょう。

セキュリティエンジニアは、幅広い知識と技術が求められます。新卒でこれらをすべて習得していることは考えくく、いきなりセキュリティエンジニアを目指すのは難しいといえるでしょう。まずは開発や運用からスタートしていくことが圧倒的に多いです。

ITエンジニアの種類やITエンジニアになる方法はこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
ITエンジニア20選! 必要なスキルと業務内容をわかりやすく解説

就活が有利に! セキュリティエンジニアへの就職に役立つ資格

セキュリティエンジニアに役立つ資格

  • シスコ技術者認定
  • CompTIA Security+
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 情報処理安全確保支援士
  • 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
  • ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM)
  • 基本情報技術者

適切な資格を取得すれば、セキュリティエンジニアへの就職の際に専門スキルの高さを採用担当者にアピールできます。

以下では、セキュリティエンジニアへの就職に役立つ資格について詳しく説明します。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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シスコ技術者認定

シスコシステムズ社認定のベンダー資格

シスコシステムズが認定するシスコ技術者認定資格は、上の画像の4種類に分類されます。難易度としては、CCTが最も易しく、CCIEが最も高難度という位置づけです。

以下では、それぞれの資格について詳しく解説します。

CCT

CCTはシスコ製品の基本的な知識や技術を証明する資格です。CCTを取得することで、ネットワーク機器の設定やトラブルシューティング、保守などの基本的な業務をこなせるスキルの証明になります

CCTは、シスコ製品の知識や技術のレベルが問われる試験です。CCTの勉強では、セキュリティエンジニアになる前の初歩的な段階として、ネットワークの基礎を学ぶためにも役立ちます。

独学でしっかり勉強すれば合格できる資格なので、最初の資格取得に向けて取り組んでみましょう。

CCNA

CCNAはネットワーク技術の基礎的な知識とスキルを証明する資格です。CCNAを取得することで、企業のネットワーク環境で必要とされるスキルをアピールできます。

CCNAは、ネットワーク技術の基礎知識やトラブルシューティング、ルーティングやスイッチングなどに関する試験です。試験に合格することで、ネットワークの仕組みやセキュリティ上の問題点を理解し、対策を立案できるようになります

CCNAの具体的な内容や取得メリットはこちらの記事で詳しく説明しています。難易度や学習方法も解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説

CCNP

CCNPはネットワーク技術の中級者向けの資格で、より高度なネットワーク知識とスキルが求められます。

CCNPを取得することで、大規模なネットワーク環境でのセキュリティ対策や問題解決が可能となり、セキュリティエンジニアとしての専門性が高まります

CCNPは、ネットワークの設計や構築、運用に関する高度な知識や技術が問われる試験です。試験には複数の専門分野があり、セキュリティに特化したCCNP Securityも選択できます。CCNP Securityでは、ファイアウォールやVPN、侵入防止システムなどのセキュリティ技術に関する知識も深められます。

CCIE

CCIEはネットワーク技術のエキスパート向けの資格で、高い専門性が求められます。CCIEを取得することでセキュリティエンジニアとしての高度な専門性と経験を評価され、就職やキャリアアップに大きなアドバンテージを得られます

CCIE試験は、筆記試験と実技試験の2段階から構成。筆記試験では、高度なネットワーク技術やセキュリティ技術に関する知識が問われます。実技試験では、実際のネットワーク環境での問題解決や設定が求められます。

CCIEはさまざまなコースに分類されていますが、セキュリティエンジニアを目指すならCCIE Securityがおすすめです。合格できれば非常に高いスキルをアピールできるため、ぜひ挑戦してみてください。

CompTIA Security+

CompTIA Security+は、セキュリティの基本的な知識や技術を証明する国際的な資格です。セキュリティエンジニアを目指す人にはおすすめの資格といえます。CompTIA Security+の合格率は約15%ですが、しっかりと勉強すれば合格できる可能性は十分あります。

CompTIA Security+の試験では、セキュリティの基本概念やネットワークセキュリティ、暗号技術やアクセス制御、リスク管理など幅広い分野のスキルが問われます。CompTIA Security+に合格すれば、セキュリティエンジニアの就活に活かせますよ。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関する幅広い知識とマネジメント能力を評価する資格です。合格率は約60%のため、比較的取得しやすい資格です。

情報セキュリティマネジメント試験では、セキュリティポリシーの策定やリスク分析、セキュリティ対策の計画、情報セキュリティマネジメントシステムの運用などが問われます。

試験に合格すれば、組織全体のセキュリティを管理できる能力を就活でもアピールできます

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士とは、情報セキュリティ対策の専門家を認定する資格です。合格率は約20%と難易度は高めですが、取得すれば就活に役立ちます。

情報処理安全確保支援士の試験では、情報セキュリティ基本方針の策定やリスクアセスメント、セキュリティ対策の立案や評価、情報セキュリティ教育・啓発などが問われます

この資格を取得することで、情報セキュリティの実践力を身に付けられるため、ぜひ積極的に挑戦してみてください。

公認情報セキュリティマネージャー(CISM)

公認情報セキュリティマネージャー(CISM)は、国際的に認められた情報セキュリティ管理の資格です。合格率は約50%のため、難易度は比較的低いです。

CISMの試験では、情報セキュリティガバナンスやリスク管理、セキュリティプログラム開発・管理、インシデント管理などの知識が問われます。

この資格を取得すると、情報セキュリティマネジメントの高度な知識と実践力が身に付き、企業のセキュリティ戦略立案に携われます。セキュリティエンジニアとして活躍したいなら取っておいて損はありません。

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基本情報技術者

基本情報技術者試験は、情報技術の基本的な知識や技能を証明する資格です。セキュリティエンジニアを目指す際に取得しておけば、基本的なITスキルの高さをアピールできます。

基本情報技術者の試験では、プログラミングやネットワーク、データベースやシステム開発、ハードウェアやソフトウェアなど、幅広い分野が問われます。合格率は約25%と低めですが、しっかり勉強して臨めば合格できないレベルではありません。

基本情報技術者を取得することで、情報技術の基本的な知識が身に付くだけでなく、セキュリティ関連の資格取得に挑むための土台を作れます

アドバイザーコメント

資格を取得したい人は簡単な資格からチャレンジしてみよう

資格を取るときに大事なことは、簡単な資格から着実に合格していくことです。日本であれば、国家資格である情報処理技術者試験がおすすめです。

情報セキュリティ分野であっても、まずはITパスポート試験の受検から始めていくと良いでしょう。テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系といった、情報処理技術者試験で出題される試験分野の基礎を押さえることができます。

次に、情報セキュリティマネジメント試験です。この試験は計算問題がほとんど出題されることがありません。しっかりと知識を身に付けることで合格に近づけます。

最終的な目標は情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士を合格するには、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の順に受検し、合格後に受検すると良いでしょう。応用情報技術者試験に合格すると次の試験から4回、午前Ⅰという科目の試験が免除になるのも魅力です。

情報処理安全確保支援士もほとんど計算問題が出題されません。情報セキュリティの用語をしっかりと理解していて、情報セキュリティについての長文問題を読んで理解し解答する力があれば、情報処理安全確保支援士の合格が現実的になります。

ITパスポートの就活への活用方法はこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてください。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説

取りやすいはこちらの記事で解説しているので、まずはここで紹介している資格から挑戦してみてくださいね。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

自己PRに役立てよう! セキュリティエンジニアに求められる能力・スキル

セキュリティエンジニアに求められる能力・スキル

  • 基本的なIT関連知識
  • サイバーセキュリティ関連知識
  • プログラミングスキル
  • コミュニケーションスキル
  • ルールを遵守する高いモラル意識
  • 柔軟な発想力
  • 論理的思考力

セキュリティエンジニアには、多種多様な能力・スキルが求められます。就活では、IT関連スキルだけでなく思考力などの汎用的なスキルも自己PRで効果的です。

以下では、求められる能力・スキルについて詳しく解説します。

基本的なIT関連知識

セキュリティエンジニアは前提として、以下に示した基本的なIT関連知識が求められます。

基本的なIT関連知識

  • ネットワーク
  • プログラミング
  • データベース
  • ハードウェア
  • ソフトウェア

求められる知識は幅広いですが、しっかり勉強すれば必要なスキルは必ず身に付きます。セキュリティ問題に対する効果的な対策を立案する土台にもなるので、将来のキャリアを築くためにも確実に学んでおきましょう

サイバーセキュリティ関連知識

サイバーセキュリティ関連知識も、セキュリティエンジニアには欠かせません。

サイバーセキュリティ関連知識の例

  • 脆弱性の検出
  • 侵入検知
  • 暗号技術
  • アクセス制御

これらは、セキュリティエンジニアの仕事内容に直結する専門知識です。サイバーセキュリティ関連知識が不足していると、そもそもセキュリティエンジニアの仕事をまともにこなせません。

逆に言えば、サイバーセキュリティ関連知識について理解を深めれば、セキュリティエンジニアとしての高いスキルや素質を伝えられます

プログラミングスキル

セキュリティエンジニアとして活躍するためには、プログラミングスキルが必須です。脆弱性を検出したりセキュリティ対策を実装したりするためには、プログラミングスキルがベースとなるからです。

PythonJava、C++など、システムによってセキュリティ対策で必要とされるプログラミング言語は異なります。

まずはプログラミング言語を1つずつ学び、徐々に使える言語を増やしていくのがおすすめです。プログラミングスキルは自己PRとしてもわかりやすくアピールできる要素なので、習得しておいて損はありません

アドバイザーコメント

おすすめのプログラム言語はJavaとPython

Javaは多くの企業で利用されている言語であり、Webアプリケーションのセキュリティを理解するうえで役立ちます。Pythonはセキュリティツールやスクリプトの開発に広く利用されているため、セキュリティエンジニアにとって非常に有益です。また、学習が容易で読みやすいコードが特徴です。

学習方法はいろいろな方法があります。Youtubeなどの動画サイトではプログラミング学習の動画が多く公開されています。また、学習したいプログラム言語の書籍を1冊購入し学習する手もあります。

時間短縮したいのであれば、オンラインでも対面でも良いので、プログラミングスクールに通うのも良いでしょう。

実践を重ねて環境構築のコツをつかもう

プログラミング学習で挫折しやすいのは、環境構築です。環境構築とは、パソコンでプログラミングができる環境を整えることです。書籍や動画の指示通りにやってもうまくいかないということはよくあります。

インターネットを利用して対処方法を探りながら環境を作っていくこともあるでしょう。上達のコツとしては、自分でしっかりと手を動かしトライアンドエラーでプログラムを完成させることを繰り返すことです。

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コミュニケーションスキル

セキュリティエンジニアは、ほかのチームメンバーや部門と連携して仕事を進めるため、コミュニケーションスキルが重要です。

課題の整理や対策の提案をメンバーに対しておこなう時に、コミュニケーション力がなければ仕事がストップしてしまいます。メンバーに迷惑をかけず、プロジェクトを円滑に進行していくためには高いコミュニケーションスキルが必要です。

コミュニケーションスキルがあれば、顧客からセキュリティに関する問題点をスムーズにヒアリングできます

今のうちにコミュニケーションスキルを磨いておき、エピソードとともに自己PRでアピールしましょう。

ルールを遵守する高いモラル意識

セキュリティエンジニアは、個人情報や企業情報に触れる機会が多いため、高いモラル意識が求められます。情報漏洩や不正アクセスなどの事故を防ぐためには、法令や企業の内部規定を遵守して、倫理的に正しい行動を常に心掛けることが重要です

「ルールを守るのが苦手」という人は、セキュリティエンジニアに向いていない可能性があります。セキュリティエンジニアを目指すなら、ルールや法律を守ることの重要性をしっかりと理解しておきましょう。

柔軟な発想力

サイバーセキュリティの脅威は日々進化し、新たな手口が次々と登場しています。そのため、セキュリティエンジニアにはあらゆる手口に対処できる柔軟な発想力が求められます。

既存の枠組みにとらわれず、独創的なアイデアで新しいセキュリティ対策を考える能力が大切です。「新しいことを考えるのが得意」「画期的なアイディアを生み出せる」といったアピールポイントを持つ学生は、柔軟な発想力を面接でアピールしましょう。

柔軟性を自己PRで伝える注意とコツはこちらの記事で説明しています。13個の例文をもとに解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ

論理的思考力

セキュリティエンジニアは、セキュリティ関連の複雑な問題を解決するために論理的思考力が必要です。物事を客観的に捉えて論理的に考える力がなければ、問題の原因を見つけられず適切な対策を立案できませんよね

顧客が抱えている問題点を把握するには、論理的思考力により解決策を生み出し提案することが求められます。「論理的に物事を考えるのが得意」という学生は、論理的思考力を自己PRでアピールしてみてください。

アドバイザーコメント

セキュリティエンジニアとして活躍するには3つの能力が必要

セキュリティ関連知識

最新のサイバー攻撃やセキュリティに関する情報は、常に情報収集しておく必要があります。

一般的なプログラミングに関する知識に加えて、特にシステムやアプリケーションの脆弱性を事前に排除し、情報漏洩やシステムダウンなどを防ぐためのプログラミング手法であるセキュアプログラミングが重要になります。

さらに、サーバやOS関連の知識、セキュリティ、ネットワークなどのIT関連知識もセキュリティ関連知識として必要な力でしょう。

強い責任感とモラル

セキュリティエンジニアの仕事は、自社だけでなく顧客企業の個人情報を含む機密情報を扱う仕事のため、常に情報漏洩に気を配り業務をおこなう必要があります。

情報漏洩が原因で企業の社会的信用を失ってしまうこともあるので、業務への強い責任感と個人情報や機密情報を扱うモラルが求められます。

法律に関する知識

セキュリティ対策は、個人情報保護法、不正アクセス禁止法、サイバーセキュリティ基本法など、法律に関連した対応が含まれるので、セキュリティ対策に関する法律について、最新の改正された法律を理解しておくと良いでしょう。

セキュリティエンジニアはやりがいが多い! 3つの魅力

セキュリティエンジニアの魅力

  • 高い技術力を付けられる
  • 社会貢献度が高くやりがいが大きい
  • 仕事の難易度が高く達成感が大きい

セキュリティエンジニアは責任感がある分、やりがいも多いといえます。

以下では、セキュリティエンジニアの3つの魅力を解説します。

将来のキャリアに対するモチベーションを高めることにもつながるため、ぜひチェックしてくださいね。

高い技術力を付けられる

セキュリティエンジニアは、高度な技術力を身に付けられます。日々進化しているサイバーセキュリティの脅威に対抗するためには、最新の技術を常に習得する必要があるからです。

仕事をしながら幅広い知識やスキルを獲得でき、セキュリティエンジニアとしての専門性が高められるのが魅力です。ハイレベルな技術力はほかの分野でも活かせるため、高い市場価値を持った人材として活躍が見込めます

ほかのエンジニアと比べても高度なスキルが身に付くのでしょうか?

セキュリティエンジニアは幅広いスキルを身に付けられる

セキュリティエンジニアは、ほかのエンジニアでは求められていないネットワーク、暗号化技術、認証技術、セキュリティポリシー、脆弱性評価技術などが求められており、身に付けることができますよ。

これらのスキルが「ほかのエンジニアに比べて高度なスキルかどうか」は人によって判断が異なります。

しかし、専門的な知識が求められていることは事実なので、専門的なスキルを身に付けたいと感じている学生にはおすすめのエンジニア職です。

社会貢献度が高くやりがいが大きい

セキュリティエンジニアは個人情報や企業情報を守ることによって、大きな社会貢献を果たせます。

セキュリティに関する事件の例

  • 銀行の個人情報がハッキングされた
  • ホテルの個人情報が一部漏洩した

上記のようなニュースはときおり話題になりますよね。サイバー攻撃や情報漏洩は、個人や企業だけでなく、社会全体に大きな影響を及ぼします。

そのため、セキュリティエンジニアの仕事は社会貢献度が高く、大きなやりがいを感じられるはずです。自分の技術や知識が社会の安全を支えることにつながると実感できれば、大きな達成感を味わえます。

仕事の難易度が高く達成感が大きい

セキュリティエンジニアは高度な専門知識と技術が求められるので、難易度が高いとされています。しかしその分、やりがいや達成感を感じやすい仕事といえます。

また、難解な問題を乗り越えることで自己成長し、スキルアップにもつながるでしょう。ほかのエンジニアや部門と連携してプロジェクトを進め、チームワークを活かして顧客の問題を解決した際にも、大きな充実感を得られます。

情報セキュリティ分野は日々進化しています。新たな技術や脅威に対応するために、絶えず学び続ける必要があります。知識を更新し続けることが好きな人にとって、セキュリティエンジニアはやりがいがある職種といえるでしょう。

セキュリティエンジニアはやめとけって本当? 気を付けるべき注意点

セキュリティエンジニアの注意点

  • 緊急対応に追われるケースが多い
  • 責任とプレッシャーが重い
  • 常に最新情報を取り入れる必要がある
  • 原因究明の難易度が高い
  • 各方面との調整に難航しやすい
  • 業務量が増加しやすい

セキュリティエンジニアの仕事は多くのやりがいを感じられる一方で、「やめとけ」と言われるケースもあります。

以下では、セキュリティエンジニアになる前に気を付けるべき注意点を解説します。セキュリティエンジニアになってから後悔しないためにも、事前に確認しておいてくださいね。

緊急対応に追われるケースが多い

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃やシステム障害などの緊急対応に追われる場面が多いです。緊急対応が求められた場合は速やかな対処が必要となり、休日や夜間でも働かざるを得ないことがあります

そのため、プライベートが犠牲になったりと、人によってはストレスを感じやすいです。緊急事案に対して柔軟に対応できるスキルやメンタルが求められます。

責任とプレッシャーが重い

セキュリティエンジニアは企業や個人の重要な情報を守る役割を担うため、責任感とプレッシャーが非常に大きいです

仕事のミスは情報漏洩やシステムダウンといった問題に直結します。場合によっては損害賠償が求められる可能性もあるため、セキュリティエンジニアは責任重大です。

セキュリティエンジニアにふさわしい強いメンタルを養うにはどうしたらいいですか。

谷所 健一郎

プロフィール

成功体験を積み重ねて自信を持とう

メンタルが弱い人は、どうせうまくいかないだろうと諦めてしまう傾向があります。小さな目標を設定してクリアし、成功体験を築き、自尊心を高めることができれば、メンタルが強くなります。

また、どうせ無理だと簡単に諦めるのではなく、できるかもしれないとポジティブに捉える癖をつけるのも、強いメンタルを養ううえで有効でしょう。

プレッシャーに弱いと感じているならば、あえてセキュリティエンジニアのような責任感が求められる仕事をおこない、意図的にプレッシャーをかけることで、強いメンタルを養うことができます。

苦手だと考えていることにチャレンジしてみるのも良いでしょう。

常に最新情報を取り入れる必要がある

セキュリティエンジニアは常に進化するサイバー攻撃に対抗するため、最新の技術や情報を継続的に取り入れる必要があります。定期的な研修やセミナーへの参加、関連書籍の閲覧、オンラインでの情報収集など、積極的な自己学習が必要です

また、業界の動向や法規制の変更にも敏感であることが求められます。知識や技術を日々アップデートする意識を持ち、知識をインプットする癖をつけておきましょう。

原因究明の難易度が高い

安全性の脅威となるセキュリティ問題が発生した際、セキュリティエンジニアは原因究明をおこなう必要があります。しかし、問題は複雑化しているケースも多いため、原因究明の難易度は非常に高いです。

サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しているため、高度な技術力と分析力が必要といえます。難しい問題に立ち向かい解決することに喜びを感じられなければ、セキュリティエンジニアの仕事を苦痛に感じてしまう可能性があります。

各方面との調整に難航しやすい

セキュリティエンジニアは、企業内外のさまざまな部門や関係者と連携することも仕事に含まれます。しかし、個々のセキュリティ上の問題に対する理解や優先順位の違いから、調整が難航することがあります。

各方面との調整をうまく進めるためには、高いコミュニケーション力や説得力、交渉力が求められますよ

業務量が増加しやすい

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが高まる現代社会で業務量が増加しやすい職種です。脅威を防ぐためには、新たなサイバー攻撃への対策やシステム改善など、多くの業務をこなすことが求められます

業務量が増えればワークライフバランスが崩れ、体調不良につながるケースもあります。セキュリティエンジニアを目指すなら、仕事の効率化やストレス対策も重要と心得ておきましょう。

将来性もチェック! セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアのキャリアパス

  • プロジェクトマネージャー
  • セキュリティコンサルタント
  • セキュリティアナリスト
  • フリーランスエンジニア
  • ホワイトハッカー
  • 最高情報セキュリティ責任者(CISO)
  • 他分野のエンジニア

「セキュリティエンジニアになりたいけど、将来的にはどんなキャリアが目指せるのかな」と疑問に感じている学生もいるでしょう。

そこで以下では、セキュリティエンジニアのキャリアパスについて解説します。将来どういったキャリアを目指したいかイメージを鮮明にすれば、就活でも熱意を示したり、志望動機の説得力を増すことにつながります。ぜひ参考にしてくださいね。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、セキュリティプロジェクト全体の管理やチームリーダーとして活躍するポジションです。セキュリティエンジニアの仕事を熟知したうえで、プロジェクトにおける予算管理やスケジュール管理、リソース管理など、全体の状況を把握し仕事を滞りなく進行させる役割を担います

また、チームメンバーとのコミュニケーションや関連部門との調整も大切な業務です。プロジェクトマネージャーでは、マネジメントスキルやリーダーシップ能力も求められます。

セキュリティエンジニアを取りまとめるケースもあるため、セキュリティエンジニアの仕事の中で得たセキュリティ関連知識が役立ちます。

プロジェクトマネージャーは、チームメンバーや関係者と効果的にコミュニケーションを取る必要があります。明確かつ適切な情報伝達や、聞く力を向上させることが重要です。また、関係者と交渉する機会もあるので交渉力も必要です。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントは、企業のセキュリティ対策やリスク管理を支援する役割を担います

セキュリティポリシーやガイドラインの策定、脆弱性を評価し、顧客企業の情報セキュリティ対策の向上を目指します。

また、顧客企業に対してセキュリティに関する教育やトレーニングをすることも。セキュリティエンジニアで得られたセキュリティ関連知識が直接活きる場面は多いです。

セキュリティコンサルタントは、優れた分析力や説得力、高いコミュニケーション能力が求められます。

セキュリティアナリスト

セキュリティアナリストは、安全性の脅威となるセキュリティ問題に対して、分析や対応策を実行する専門家です。たとえば、侵入検知システムやファイアウォールなどから収集されたログの分析や、脆弱性スキャン結果の解析をおこないます

セキュリティアナリストとして役割を果たすには、幅広いセキュリティ知識や分析力、緻密な調査能力が必要です。セキュリティエンジニアの経験で培ったセキュリティ関連知識を活かせるメジャーな働き方といえます。セキュリティ解析後は、問題点を解決するための改善策を作成するスキルも求められます。

フリーランスエンジニア

フリーランスエンジニアは、個人事業主のエンジニアとして企業から依頼を受けてセキュリティ対策をします。セキュリティエンジニアで得た高い技術力が認められれば企業からの信頼も高まり、安定して仕事が取れます。

自由度が高く、自分で仕事を選べる点がメリットです。その反面、仕事を獲得するには営業活動が必要であり、収入が不安定になりやすいというデメリットが挙げられます。独立する前には、企業から求められるような実績作りや経験・スキルの習得に努めておくと安心です

フリーランスエンジニアとして成功するためには、高い技術力や営業スキル、プロジェクト管理能力が求められます。

フリーランスならやはり、実務経験は必須です。メリットとしては、実績やスキルに応じて高い報酬を得ることができます。

デメリットとしては、クライアントやプロジェクトを獲得するために、自分で営業活動をおこなう必要があることです。

ホワイトハッカー

ホワイトハッカーは、企業のセキュリティ対策を強化するために、サイバー攻撃をおこなう側の視点でシステムやネットワークをテストし、脆弱性を発見する仕事です。セキュリティ関連知識を熟知している必要があるため、セキュリティエンジニアからのキャリアアップに適切です

ホワイトハッカーは、依頼された企業のシステムに対して合法的に攻撃を仕掛けます。セキュリティリスクが明らかになれば、企業に対して改善策を提案しセキュリティの向上につなげます。

ホワイトハッカーとして活躍するためには、高度な技術力と提案力が必要といえます。

最高情報セキュリティ責任者(CISO)

最高情報セキュリティ責任者(CISO)は、企業の情報セキュリティ戦略全体を統括する役割を担います。たとえば、セキュリティポリシーやガイドラインの策定、リスク管理が担当範囲です。

責任ある立場のため、高いセキュリティ関連知識は必須です。キャリアエンジニアで得たスキルが存分に活かせるキャリアパスといえます

さらに、社内外への情報セキュリティ意識の向上や法規制の遵守なども徹底し、企業全体の情報セキュリティ体制を構築する責任もあります。

CISOになるためには、幅広いセキュリティ知識だけでなく、マネジメントスキルやリーダーシップが求められます。

他分野のエンジニア

セキュリティエンジニアが活躍できる分野

  1. コンサル系
  2. インフラ系
  3. メーカー系
  4. 商社系
  5. 金融系

セキュリティエンジニアは、以下のようなIT業界以外の場でも活躍が見込めます。

「IT業界以外の業界で働いてみたい」と感じた場合も、セキュリティエンジニアのキャリアを活かした業界変更は十分可能です。

以下では、セキュリティエンジニアが各業界でどのように活躍できるか解説します。

コンサル系

コンサルティング業界に転職したセキュリティエンジニアは、IT戦略策定やデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援などを担います

コンサルティング業界が解決する企業の悩みの例

  • 海外展開を進めたいけど、やり方がわからない
  • リモートワークをスムーズに導入したい

企業が抱えている上記のようなさまざまな悩みを解決するのが、コンサル企業の仕事です。

問題を解決する際にはIT関連知識を駆使することが多いため、セキュリティエンジニアで培った経験やスキルを活かせます。

インフラ系

インフラエンジニアは、ネットワーク構築や運用、データセンター管理などが担当範囲です。

セキュリティエンジニアの中で得られたセキュリティ関連知識は、インフラの安全性や信頼性を向上させるうえで高いニーズがあります。企業の情報システムを構築するインフラエンジニアは企業にとって必須のため、大きなやりがいにつながります。

また、セキュリティエンジニアの仕事の中で身に付くプログラミングスキルや論理的思考力は、インフラエンジニアでも活かせます。

インフラエンジニアの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
インフラエンジニアを目指す学生必見! 仕事内容や魅力を解説

インフラエンジニア関連の資格はこちらの記事で詳しく解説しています。インフラ系を視野に入れたいなら、併せて参考にしてくださいね。
インフラエンジニアの資格18選|キャリアプラン別に選び方も解説

メーカー系

メーカー系とは、製品開発や品質管理、生産技術といった製品に携わる仕事を指します。

時代とともにセキュリティ関連の技術も急速に発達していて、自社で独自にセキュリティ製品を開発しているメーカーもあります。メーカーでもセキュリティエンジニアの知識が活かせる場面は多いといえます

また、セキュリティエンジニアで培ったコミュニケーション能力も強い武器です。メーカーはセキュリティの知識に疎い社員も多いです。セキュリティエンジニアが持つITスキルとコミュニケーションスキルがあれば、企業にとって貴重な存在として活躍できます。

商社系

商社系のエンジニアは、物流や輸出入、経理などのシステムを構築して運営することが求められます。

たとえば、物流のネットワークシステムがサイバー攻撃を受ければ、取引先に製品やサービスを届けられなくなり信頼を失いかねません。商社が滞りなく業務を進めるためには、セキュリティ面の整備が必須です。こういった場面でセキュリティエンジニアの経験やスキルが活きます。

また、セキュリティエンジニアで培った情報収集力も商社での仕事に活かせますよ。物流や輸出入、経理などのシステムは変化が激しいのが特徴です。商社で働く際は、常にアンテナを張り最新情報をインプットできるセキュリティエンジニアのスキルが役立ちます。

5大商社の事業内容や社風はこちらの記事で説明しています。商社の仕事のイメージがわかない人は、併せて参考にしてくださいね。
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説

金融系

金融系のエンジニアは、窓口業務をサポートするシステムや、入出金を管理するシステムを開発・運用する仕事を担います。

顧客との信頼関係が何よりも大切な金融業界。ミスがあって、顧客の口座情報やクレジットカード情報が漏洩すると大問題につながります。セキュリティエンジニアで得たセキュリティ関連知識は、金融系のエンジニアでも活かせます。

IT業界以外であれば、セキュリティエンジニアにとってどの業界がおすすめですか?

金融業界のセキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、IT業界だけでなく金融業界や医療業界、製造業界、公共サービスなど、さまざまな業界で活躍しています。

特に金融業界は、顧客情報や資金移動などの取り扱いがあり、情報漏えいや不正アクセスなどの問題が発生する可能性があり、非常に高い専門性が求められています。

ただし、自分がやりがいを感じる業界で働くことで、モチベーション高く働くことができます。さまざまな業界をリサーチして、自分が魅力に感じる業界を見つけましょう。

金融業界の中でも銀行や証券など細かい分類があります。詳細はこちらの記事で解説しているので、金融系に興味がある人は併せて参考にしてくださいね。
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖

アドバイザーコメント

セキュリティエンジニアのキャリアパスを知ってビジョンを描こう

セキュリティエンジニアは以下3つのキャリアパスがおすすめです。

セキュリティコンサルタント

企業に対してセキュリティの専門家としてさまざまな助言や支援をおこなう仕事であるセキュリティコンサルタントは、コミュニケーション力やプレゼン力が活かせるキャリアパスです。

セキュリティ専門のエンジニアが不在で、セキュリティ対策が必要な企業も多く、セキュリティエンジニアとしての技術力が活かせるでしょう。

セキュリティアナリスト

サイバー攻撃が発覚した際に、攻撃手法の分析や対策をおこなうセキュリティアナリストは、セキュリティエンジニアとしてのサイバー攻撃や不正アクセス対策の経験や知識が活かせる仕事であり、今後より必要とされる仕事です。

セキュリティエンジニアのキャリアパスとして魅力的でしょう。

セキュリティアーキテクト

セキュリティエンジニアが兼務する場合もありますが、セキュリティアーキテクトは、セキュリティシステム開発における要件定義やシステムのあり方を検討・提案し、システム全体の方向性、運用、保守まで提示する技術者です。

システムエンジニアとして上流工程に携わった経験が活かせる仕事です。

セキュリティエンジニアは経験とスキルが鍵! 新卒就活の段階から準備を始めよう

セキュリティエンジニアの具体的な仕事内容や、新卒から目指す王道3ステップについて解説しました。

セキュリティエンジニアは経験とスキルが必須です。まずは大学や専門学校でIT関連の知識やスキルを磨きつつ、資格を取得して就活成功につなげましょう。その後、IT周辺の仕事で経験を積む中で、セキュリティエンジニアへのキャリアアップのチャンスも生まれます。

将来的に優れたセキュリティエンジニアとなるためにも、スキル習得に向けて新卒就活の段階から行動をスタートさせましょう。

アドバイザーコメント

セキュリティエンジニアを目指す学生は徹底的にリサーチしよう

セキュリティエンジニアは本文で説明されているとおり、経験とスキルが必須のエンジニア職です。しかし、経験を積むこと以上に、具体的な仕事内容のイメージをできるようにすることが大切です。仕事についてリサーチして理解を深めることで、自分が何をすべきなのか具体的に把握することができます。

セキュリティに関する学習はもちろん必要ですが、企業ごとに定められているセキュリティ基準に準拠してセキュリティ対策をすることは、座学とは異なることも多いです。

実際にどのようなことを意識して、どのような実務をやっているのか理解を深めなければ、学んだことが実務では活かせないということにもなりかねないのです。

セキュリティエンジニアとして活躍している人から話を聞こう

リサーチをするためには、実際にセキュリティエンジニアとして活躍している人に話を聞くことがおすすめですよ。そうすることで、理解を深めるだけでなく、就活対策としてすべきことのアドバイスももらえます。

就活対策や就職した後のミスマッチが生まれないように、徹底的にリサーチをして納得感があるキャリア選択をおこないましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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