この記事のまとめ
- IT業界には業種や職種が幅広く存在する
- 自分がやりがいをもって働ける業界・職種を見極めるのが重要
- 研究する際はIT業界のデメリットもしっかり確認しよう
近年、IT業界は目まぐるしいスピードで成長し、世の中が大きな変化を遂げています。それにともなって、IT業界に就職したい学生も増えてきました。
しかし、変化が早すぎるがゆえに「IT業界の現状を把握できていない」「今後IT業界が衰退することはないの?」「IT業界での仕事内容がわからない」という人もいるのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、瀧本さん、田邉さん、ITエンジニアの経験がある硯里さんと一緒に、IT業界の今後の動向や仕事内容、就職するためのポイントをまとめました。網羅的に解説しているため、参考にして、IT業界・企業を幅広く、かつ深く研究していきましょう。
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IT業界を研究してやりがいを感じながら働けるか見極めよう
IT業界の業務内容は多岐にわたります。そのため、しっかり研究して「自分がやりがいを感じながら働けるかどうか」を見極める必要があるのです。
この記事では、前半でIT業界の基本情報や現状、今後の動向、仕事内容などを解説します。すでにIT業界について調べている人も復習も兼ねて確認しましょう。
そして、後半でIT業界に就職するメリットやデメリット、就職するためのポイントや注意点など、学生目線でIT業界を解説しています。IT業界の実情を把握して、IT業界への就職が自分に合っているかどうか判断できるようになりますよ。
最後まで読んで、IT業界を一通り研究し、自分が就職するべきかどうかを判断しましょう。
あなたがIT業界に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、IT業界に向いているか確認できます。
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IT業界の研究をするうえで絶対に押さえておくべき基本情報
IT業界の研究をするうえで絶対に押さえておくべき基本情報
- IT業界の事業内容:インターネットやソフトウェアなどにかかわる
- IT業界の市場規模:上下はあるものの安定的に成長している
- IT業界の就活状況:応募者が増加し倍率が高くなる傾向にある
- IT業界の待遇:平均より良い傾向にある
最初にIT業界の基本情報を押さえておかなければ、自分に合っているか、どのような職種を目指すかなどを判断できません。
そして、これから解説するIT企業の定義や近年トレンドになっているキーワードの意味などは、IT業界を研究するうえで必ず知っておくべきことなので、押さえておきましょう。
IT業界の事業内容:インターネットやソフトウェアなどにかかわる
そもそもIT企業とは、インターネットやソフトウェア、ハードウェア、情報処理サービスなどを提供する企業のことです。
そして、具体的には大きく分けて以下の5つの事業内容があります。
業種 | 特徴 |
---|---|
インターネット | ホームページ(HP)の制作やSNSの運営などのサービスを提供 |
ソフトウェア | ソフトウェア(コンピュータに命令を出すプログラム)の開発と運営 |
ハードウェア | パソコンやスマートフォンなどの電子機器の開発・販売 |
通信 | 通信をおこなうための回線や設備の整備・提供 |
情報処理サービス(Sler) | システムの開発・設計・運用・コンサルティングなど |
上記に当てはまる企業はIT企業と呼ばれています。上記の通り、一言で「IT企業」と言っても幅広い事業があり、あらゆる角度から生活を支えていることがわかりますね。
幅広い業務の中でも、システム運用はコンピュータのトラブルを事前に防ぐ対策を整えたりする、システムの番人ともいえる仕事です。業務内容を詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
システム運用に向いている人は? 仕事・やりがい・厳しさを徹底解説
上記の他にも、ゲーム業界やデータ販売などの分野があります。また、エンジニアはIT業界以外の企業で社内SEになる選択肢もあります。
DX化のため各社がITエンジニアやデザイナーを採用していて、今後はIT業界以外の選択肢も増えていくことが予想されます。
IT業界の市場規模:上下はあるものの安定的に成長している
IT業界は2000年以降から現在まで成長し続けていますが、今後も市場規模が安定的に拡大すると予想されています。
総務省のICT市場の動向によると、ICTの世界の市場規模の推移は上記の図の通り増加傾向にあります。なお、ICTとはITとほぼ同義です。
つまり、IT業界は10年で1.6倍の伸び率となり、今後も市場が拡大すると予想されています。
- そもそも何がきっかけでIT業界の市場が拡大し始めたのでしょうか?
事業環境に合理化を求める動きや技術の発展
IT業界の市場推移は常に拡大していますが、それは合理化を進める事業環境と周辺技術の発展によるものが大きいと考えられます。
たとえば、事業環境ではDXを推進し、生産性や付加価値の向上がトレンドになっています。
また、周辺技術の発展としてはパソコン、スマホのようなハードウェアの登場、光回線や4Gといったネットワークの発展が挙げられます。今後はAI(人工知能)の発展も期待されています。
IT業界の就活状況:応募者が増加し倍率が高くなる傾向にある
IT業界を志望する学生は年々増加しており、今後は倍率がさらに高くなることが予想されています。
ディスコの23卒就職活動調査によると、数年前までは、一大学あたりでITエンジニアとして就職する人が20人〜40人だったのに対して、現在では100人以上。
さらに、2023年卒の志望業界順位は1位が情報処理・ソフトウェア、ゲームソフト、2位が情報・インターネットサービスと、どちらもIT業界となっています。なお、こちらは2023年3月卒業予定の大学3年生約1300人を対象としたデータが元になった値となります。
このように、IT業界の就活競争はさらに激化するため、学生はより入念な準備が求められるようになります。
IT業界の待遇:平均より良い傾向にある
dodaの平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)から、IT業界と日本全体の平均年収が以下のように差があることがわかります。なお、こちらはdodaに登録している正社員の回答約56万件をもとにした値です。
IT業界 | 436万円 |
---|---|
日本全体 | 403万円 |
このようにIT業界の平均年収は日本全体よりもやや高くなっています。
しかし、上記はあくまでも業界平均で、就職先や職種、雇用形態などによっても年収は変わります。エントリーする前に各企業の平均年収は調べておきましょう。上場企業の場合は各企業の有価証券報告書の「平均年収」という欄から確認できますよ。
ITを用いた事業は初期投資が低く抑えられ、生産性が高くかつスケールしやすいため、年収が高くなる傾向にあります。
また、ITを通して事業状況のフィードバックも早いため、成長スピードが速く年収も上がりやすい特徴もあります。
ここまでIT業界の基本情報を解説しましたが、以下の記事ではIT業界の詳しい仕事内容や業種、将来性についてまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説
IT業界の成長とともに需要が高まる仕事はいくつかあります。次の記事では、その仕事の一つである、QAについてわかりやすく解説しています。ぜひ読んでみてくださいね。
QAの仕事内容とは? 将来性や向いている人の特徴を徹底解説!
3分でできる適職診断! あなたはどのタイプ?
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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IT業界の押さえるべきトレンド
IT業界の押さえるべきトレンド
- DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタルディスラプターの推進
- IoTの普及
- クラウドサービスの拡大
- AIとビッグデータの活用
- ECの展開
- 5Gの高速・大容量通信の展開
- シェアリングエコノミーの流行
ここからはIT業界の押さえるべきトレンドを解説します。
IT業界で働くにはトレンドを押さえておくことは重要です。IT業界の現状、そして未来を知ることでIT業界で働くイメージが湧いてきますよ。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタルディスラプターの推進
現在、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタルディスラプターが推進されています。
DXとは
デジタル技術を活用して、人々の暮らしをより良い方向に変えていくこと
デジタルディスラプターとは
クラウドやAI、IoTなどを活用して、業界の既存ビジネスを破壊する企業のこと
たとえば、社内業務のペーパーレス化を進めてテレワークの実施を可能にしたり、人件費削減を目的にロボットを導入したりと、DXを導入している企業があります。また、ウーバー・テクノロジーズやAirbnbなど、業界の代表的なビジネスモデルを大きく変えるサービスも登場しています。
ただ、経済産業省が2023年に発表したDXレポートでは2025年以降に毎年最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある「2025年の崖」問題の克服状況は順調ではないとの指摘があります。その一方で、自己診断に取り組む企業は着実に増えていて、選考企業の割合も増加し続けていることも述べています。
このような損失を生じさせないためにも、国を挙げてDXの推進を図っているのが現状です。
IoTの普及
IoTとは
「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」という意味がある。モノがインターネットを経由して通信できるようにすること
IoTはすでに普及し始めています。IoTに関する製品は以下のような物が販売されていますが、利用している人もいるのではないでしょうか。
IoT製品の例
- スマートスピーカー
- スマートロック
- スマートウォッチ
- スマート電源プラグ
- 防犯カメラ
- 家電コントローラー
- カーテン
これらの製品は遠隔操作が可能で、外出中や就寝中の操作を可能にします。これまではその場で操作しなければいけなかった製品・サービスが、インターネット通信ができるようになることで、どこからでも操作できるようになりました。
クラウドサービスの拡大
クラウドサービスとは
これまで手元のデバイスで利用しなければいけなかったデータやソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供し、管理・運用できるようにしたもの
多くの企業がクラウドサービスを活用して仕事をするようになりました。クラウドサービスには、データ管理や、書類の作成・管理、クリエイティブの作成など、さまざまなサービスがあります。
さらに、クラウドサービスの活用はテレワークの実現に役立ちます。なぜなら、インターネットが接続できる環境であれば、場所や時間関係なくデータを使用できるようになるからです。
クラウドサービスは利用料がかかるものの、管理の手間やコストを削減でき、かつ紛失や流失のリスクも軽減できるため、多くの企業が導入するようになりました。
AIとビッグデータの活用
ビッグデータとは
人間がすべてを把握することが難しいほどの巨大なデータ群のこと
ビッグデータは人間が扱うのは難しいですが、AIに学習させることで、マーケティングや、商品・サービス開発に活かすことができます。AIがビッグデータを正しく把握して分析することで、世の中の状況を正確につかめるようになるのです。
動画サイト内でユーザーの行動データを集めて分析し、その結果をもとに特定のユーザーにピッタリの動画をレコメンド表示することもAIとビッグデータを活用した例の一つです。
このように、AIとビッグデータを活用することはビジネスを急速に成長させる可能性があります。そのため、AIとビッグデータを活用する企業が増加してきました。
ECの展開
ECとは
「Electronic Commerce」の略で、「電子商取引」という意味がある。インターネット上で商品を売買できるサービスを指す
ECには、ネット通販やネットショップなどがあります。
近年、多くの人がAmazonや楽天市場などインターネット上で買い物をするようになりました。その理由には「店舗に向かう時間を短縮できる」や「インターネット上にある多くの商品と比べられる」などが考えられます。
また、経営する側にとっても「店舗を持たずに商品を販売できる」や「顧客データを蓄積できてマーケティングができるようになる」などのメリットがあり、今後も普及していくと考えられます。
5Gの高速・大容量通信の展開
5Gとは
第5世代移動通信システムのこと。2020年3月から提供が開始された
5Gには4GやLTEなどこれまでの通信にはない、以下の3つの特徴があります。
5Gの特徴
- 高速大容量通信
- 低遅延通信
- 多数同時接続
近年4Kなどの高画質動画を観たり、高画質かつ繊細な画質でオンラインゲームができるようになったりしています。これらは5G通信がもたらしたものといえます。
なお、現在では都市部を中心として一部の地域で5G通信が可能になりました。今後はさらに5G通信可能エリアが拡大し、いつでもどこでも高速・大容量通信が可能になることが考えられています。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
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シェアリングエコノミーの流行
シェアリングエコノミーとは
車や家などの形のあるものだけでなく、スキルや知識などの形のないものも含む遊休資産を貸出するビジネスのこと
シェアリングエコノミーはモノや場所、スキル、時間などを共有して、その対価として報酬を得ることを意味します。
たとえば、アプリ上でマッチングした顧客を乗せて目的地まで運ぶ「ライドシェア」や、自宅の空室を貸し出すサービスなどがあります。
シェアリングエコノミービジネスが注目されるようになった理由には、「消費者の思考・価値観の変化」が挙げられます。近年は、従来よりもモノを所有することに対する人々の関心が薄くなっている傾向があります。必要なときだけ使用したいという考えを持つ人が増え、シェアリングエコノミーが注目されるようになったのです。
総務省やデジタル庁などの官公庁もシェアリングエコノミーを推進していることから、今後も成長していくことが予想されます。
- IT業界の専門用語を理解するのが難しいと感じますが、覚えるコツはありますか?
単語単独で覚えるのではなく用例と一緒に耳になじませよう
IT業界の専門用語は確かになじみにくく、単語だけを無理に覚えようとしてもなかなか定着しづらいものです。
そのため、覚え方のコツとしては日々の作業の中でその用語がどのように使われているのかを学ぶようにしましょう。そうするとずいぶん覚えやすくなります。
作業中に新出の単語が急に出てきて困らないように、普段から意味まで覚えなくともさまざまな用語に触れ、耳慣れしておくようにしましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るSaaSについても要チェック
IT業界を志すなら、SaaSについて押さえておきましょう。これは、Software as a Serviceの略で、「サース」または「サーズ」と読みます。
言葉の意味は「サービスとしてのソフトウェア」のことを指しますが、GmailなどのメールソフトウェアやZoomなどの会議用ソフトウェア、Chatworkなどのクラウド上にあるソフトウェアなど、インターネット経由で利用できるサービスを想像すれば理解しやすいでしょう。
これらのサービスは端末へのインストールが不要で、ベンダーが提供するクラウドサーバーに接続するだけでソフトウェアが利用できるため、パソコン以外にもスマホやタブレットのようなさまざまなデバイスで利用することができます。
SaaSは業務の効率化に大きく貢献する技術
インターネットがあればどこでも使えるため、会社だけでなく外出先や自宅からでもいつでも作業をすることができます。また、アクセス権が与えられれば、複数人で同時に作業を進めることもできるため、同時に閲覧して効率的な編集をすることもできます。
懸念点として、利用者側のカスタマイズ範囲が限られること、社内のセキュリティ対策が必要になること、ベンダーのメンテナンスや障害が起こった場合に作業が止まってしまうことなどがありますが、テレワークなどを含む働き方改革を進めるうえでの業務効率化に役立っています。
業種を研究! IT業界の主な種類
一言で「IT業界」といってもさまざまな業種が存在します。
ここからはIT業界の主な業種を紹介します。まずは視野を広げて、どれが自分に合っているか見極めましょう。
インターネット
インターネット業界は、HPの制作やSNSの運営などのサービスを提供することが主な仕事内容です。
インターネット業界には、Webサイト制作に関して指示を出すWebディレクターや、各コンテンツを制作するクリエイターなどの職種があり、職種によっても仕事内容が大きく変わります。
インターネット業界は比較的歴史が浅く、企業によって働き方もさまざま。テレワークなどの新しい働き方を導入している企業も多くあります。
ソフトウェア
ソフトウェア業界はソフトウェア(コンピュータに命令を出すプログラム)の開発と運営をおこないます。
ソフトウェア業界には以下のような職種があります。
ソフトウェア業界の職種
- システムエンジニア
- プログラマー
- ネットワークエンジニア
システムエンジニアやプログラマーは実際にITシステム・ツールを設計・開発し、テストするのが主な仕事内容です。それに対して、ネットワークエンジニアはシステムの基盤となるネットワークのシステムを構築したり、保守・管理したりします。
システムエンジニアの具体的な業務内容についてはこちらで解説しているので、気になる人は参考にしてください。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
ハードウェア
ハードウェア業界はパソコンやスマホなどの電子機器の開発・販売などをおこないます。ハードウェアとソフトウェアの違いは、以下のように認識しましょう。
ハードウェア | パソコン本体や周辺機器などの総称。 |
ソフトウェア | Windows、Word、IEなどのプログラムの総称。 |
パソコンやスマホなどは、ハードウェアとソフトウェアがセットになってようやく機能するのです。
ハードウェア業界に就職した場合、ハードウェアエンジニアとして働くケースが多いです。電気や電子工学、ソフトウェア、品質管理などに関する知識・スキルが求められます。
実際に機械を触って動かすのが好きな人に向いていますよ。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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通信
通信業界は通信をおこなうための回線や設備を整備・提供するのが主な仕事内容です。
通信業界には主に以下の4つの職種があります。
通信業界の主な職種
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
通信業界は、現代社会では欠かせずインフラ的な存在となっている通信の整備・提供をするため、人々を支えているという実感が感じられます。「社会を支えたい」といった気持ちが強い人に向いていますよ。
サーバーエンジニアについて詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
サーバーエンジニアはどんな仕事? 将来性や必須スキルを徹底解説!
通信業界の志望動機の書き方は以下の記事でまとめています。通信業界に興味のある人は参考にしてみてください。
例文6選|通信業界の志望動機を書くコツと業界理解を深める方法
情報処理サービス(Sler)
情報処理サービス業界はシステムの開発・設計・運用・コンサルティングなどをおこないます。
情報処理サービス業界の主な職種はITコンサルタントとセールスエンジニアの2種類。ITコンサルタントは顧客が抱える課題をIT技術を活用して解決する支援を提供します。そして、セールスエンジニアはエンジニアと営業の2つの職種を併せ持った職種となります。
情報処理サービスは、顧客の課題を解決するのが大きなミッションです。コミュニケーション能力と問題解決能力に自信がある人におすすめです。
IT業界の共通点は、他の業界と比べ成果や能力を重視する点です。年齢が若くても給与や役職が上がりやすく、失敗したとしても果敢な挑戦であればプラスに受け止めてもらえやすい風土があります。
ただし、業界が変わると考え方や常識が大きく異なるため自分に合った業界を見つけることが重要です。
仕事内容を研究! IT業界の主な職種
IT業界の主な職種と仕事内容
- エンジニア
- プロジェクトマネージャー
- マーケター
- 営業
- コンサルタント
IT業界は細かく分けると多数の職種がありますが、大きく5つの職種に分類されます。
ここからは、IT業界の主な職種と仕事内容を解説します。どの職種が自分に合うかチェックしてみましょう。
エンジニア
エンジニアは、IT技術者の総称です。エンジニアはさらに以下のように分類されます。
エンジニアの分類
- システムエンジニア
- Webエンジニア
- インフラエンジニア
エンジニアの種類によって仕事内容は異なりますが、コードを書いてWebページを作成したり、プログラミングをしてシステムやアプリを開発したりすることが主な仕事内容です。
エンジニアは特にITに関する専門的な知識・スキルが必要です。そして、人手が不足しているという課題もあります。ただ、エンジニアとしてのスキルを身に付ければ、今後重宝される人材となりますよ。
「どうしてもエンジニアになりたい」と考えている人は、以下の記事で紹介しているエンジニアスクールに通うのもおすすめです。
厳選エンジニアスクール22選! 選び方や注意点も解説
人手が不足している業界はIT業界のほかにもあります。以下の記事では人手不足な業界をまとめています。働くメリットと注意点もまとめているので参考にしてみてください。
人手不足に悩む6つの業界を徹底解説! 就職しやすい仕事も紹介
プロジェクトマネージャー
他の業界と同様に、IT業界にもマネジメント・管理職があります。ITを活用したプロジェクトの多くは一人ではなく、チームでおこないます。そのため、チームやプロジェクトを管理するマネジメントが必要になるのです。
プロジェクトの責任者をプロダクトマネージャーといいます。プロジェクトマネージャーが向いている人には以下のような特徴があります。
マネージャーが向いている人の特徴
- 業務やスケジュールの調整が得意
- 予想外の状況でも冷静に対応できる
- リーダーシップ・責任感がある
- マルチタスクが得意
また、実務経験がなければチームをまとめることが難しいため、新卒ですぐにマネジメントができることはほとんどありません。エンジニアで経験を積んでからマネージャーになるのが多くなっています。
IT業界でマネージャーに就くまでは、エンジニアとしてリーダーを務めた後にプロジェクトマネージャーを担当するキャリアがよくあります。まずは、担当した仕事の中で高いパフォーマンスをすることで仕事の幅が広がりますよ。
プロジェクトマネージャーはIT系プロジェクトの統括を担う重要な仕事で、人気のある役職です。以下の記事では、未経験からでもプロジェクトマネージャーを目指せる必須スキルを解説しているので参考にしてみてください。
未経験から目指すプロジェクトマネージャーへの道|必須スキルを解説
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
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- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
マーケター
Webマーケターとも呼ばれていて、どのような人がWebサイトを閲覧したのか、どこで離脱したのか、ほかのページも見ているかなどを分析して、そのデータをもとにさらに閲覧数や購買率を上げるための施策を実行します。
マーケターは、具体的に以下のような仕事をおこないます。
マーケターの具体的な仕事内容
- Webコンテンツの制作
- SEO施策
- SNSの運用
- 広告管理
- 顧客満足度管理
近年、マーケターは人気のある職種の一つとされていますが、結果が出るまで地道な作業の連続だったり、業務内容が幅広かったりと、厳しい一面もあります。ただ、実行した施策が利益につながったときはやりがいを感じられますよ。
営業
IT業界の営業は、システムの開発やソフトウェアの導入、Webサイトの制作など、ITサービスに関する営業活動をおこないます。提供する商品・サービスはIT関連のものですが、他業界の営業と仕事内容の大枠は変わりません。
IT業界で営業に就く場合は、プログラミングなどの専門的なスキルは最低限で問題ありません。一方で、ITに関する専門的な知識は必要です。なぜなら、顧客に自社のIT商品・サービスをわかりやすく説明する必要があるからです。
また、他業界と同様に、コミュニケーション能力や提案力などがある人は向いています。
営業を志望し、これから志望動機を作成する人は、こちらの記事を読んでおくと面接官を惹きつけられる志望動機が作れますよ。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
顧客がITで新たな導入を考えているときは、そこに何らかの不便や不都合を感じているはずです。そのため、IT業界の営業はこれらを分析し、適切な対応方法を見出す問題解決能力が必要だといえます。
また、課題や解決方法の提示には、それらをわかりやすく顧客に説明するプレゼンテーションスキルも必須です。
コンサルタント
IT業界にもコンサルタントがあります。ITコンサルタントは、顧客が抱える課題に対して、IT技術を活用した解決策を提案し、実装することが仕事内容です。
ITコンサルタントは徹底したヒアリングと情報収集が必要になります。なぜなら、顧客が何を課題としているのか、その解決方法として適切なのは何かを正確に見つけなければいけないからです。また、顧客の業界や業種によってもアプローチ方法が変わるため、ITに関することのみならず、顧客の業界の情報収集も欠かせません。
なお、ITコンサルタントとして働く場合、経営コンサルティングや戦略コンサルティングなどもおこなっているコンサルティングファームに所属することがほとんどで、就職難易度は比較的高めになります。
ITコンサルタントの就活準備を始めようとしている人は、こちらの記事から志望動機の書き方を確認できますよ。
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
- IT業界の職種の共通点はありますか?
必要な基礎能力はほとんど共通している
職種は違ったとしてもIT業界であれば、地頭・主体性・クリエイティブ性といった基礎能力が必要なケースが大半です。
なぜなら、新しい職種が多く、必要なスキルがトレンドに応じて変わっていくことから、自ら考え行動する人でないと活躍できないためです。
また柔軟な職場であることが多いため、正確さよりも速さが評価されることも多々あります。スピード感を持って進められる人は適していると言えるでしょう。
ほかにもITの知識が必要な仕事として、テクニカルサポートがあります。仕事内容や特徴を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
テクニカルサポートの仕事とは? 魅力から厳しい一面まで実態を解説
必要なスキルを研究! IT業界で働くうえで不可欠な力
IT業界で働くうえで不可欠な力
- 情報収集・活用能力
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
- 各職種別に必要な専門知識・スキル
ここからはIT業界へ就職する際に必要なスキルを解説します。
IT未経験でもIT業界に就職することは可能です。ただ、即戦力として活躍したり、良い条件で就職したりするには学生のうちからスキルを身に付けておくことが大切です。
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
- 自己PRで使える強み診断プロンプト
情報収集・活用能力
IT業界で働くうえで、情報収集能力は欠かせません。前述の通り、IT業界は日々変化し、情報が更新されるため、情報収集能力がないと対応できなくなるからです。
IT業界で働くうえで、少しでも情報の遅れがあると命取りになります。なぜなら、最初に始めた企業がその分野の先駆者として注目されることがあるからです。そのため、企業は情報を素早くキャッチし、自社も参入するべきかどうかを短期間で判断できる人材を採用したいのです。
なお、情報収集能力は以下の方法で鍛えられます。
情報収集能力の鍛え方
- 本や雑誌を読むことを習慣化する
- 情報を収集したら人に伝えるなどしてアウトプットする
これらを実践して、情報収集能力を鍛えておきましょう。
基礎知識としてソフトウェア、ハードウェア、データベース、ネットワーク、セキュリティに対する情報収集能力は必要です。
加えて、プログラミングスキル、要件定義などに対するドキュメント作成スキル、論理的思考力、最先端技術への情報収集能力などがあると有利になるでしょう。
論理的思考力
IT業界で即戦力として活躍するには、論理的思考力を学生のうちに身に付けておくことが大切です。
論理的思考力とは
網羅的に論点を整理して考える力。複雑なことをシンプルに整理して考える力とも言われている
論理的思考力はシステムエンジニアやプログラマーを始めとするコンピュータ職、ITコンサルタントや営業職など、ITに関するあらゆる職種に必要な能力です。なぜなら、IT業界は顧客からの要望・要求を整理して、解決策を提案したり最適なシステムを設計したりする必要があるからです。
なお、論理的思考力は以下の方法で鍛えることができます。
論理的思考力の鍛え方
- 自分・他者の意見に常に疑問を抱く
- 自分の思考のクセを把握する
- 根拠がある主張を心掛ける
- 相手にとってわかりやすく話すことを意識する
論理的思考力は身に付くまで時間がかかります。計画的にコツコツトレーニングを積むようにしましょう。
IT業界への就職が有利になるためには、物事を「漏れなく重複なく」分解できるようになりましょう。IT課題を解決するときには、課題発見をする力が必要になるため、対象を分析する力を養っておくことがおすすめですよ。
コミュニケーション能力
IT業界で働くにはコミュニケーション能力が必須です。
エンジニア職はパソコンに向き合って仕事をするというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。しかし、プロジェクトは複数人のチームでおこない、以下のような仕事もするためコミュニケーション能力が必要になるのです。
IT業界でコミュニケーションが必要になる仕事
- スケジュール調整
- チーム間での具体的なタスクの調整
- 情報共有
コミュニケーション能力が欠けていると、情報が共有されていない・伝達ミスなどが発生して、業務上の大きなミスに発展する可能性があります。確実かつスムーズに仕事を遂行するためにも、コミュニケーション能力は磨いておきましょう。
技術職でも営業職でも、報連相がしっかりできることは大切です。また、IT業界で新しいシステムを作り上げることは、当然既知の領域ではないため、その仕様や内容を他者に誤解なく伝えられる言語化能力が必要です。
思ったことを戸惑うことなく言葉にできる能力を身に付けておきましょう。
各職種別に必要な専門知識・スキル
IT業界にはさまざまな職種があることを解説しました。就職する際、志望する職種特有の知識やスキルを身に付けておくことが大切です。
たとえば、エンジニア職はプログラミングスキル、マーケティング職であればアナリティクスツールの知識などが必要になります。
完全未経験でも募集しているIT企業は多くあり、選考のときにこれらの知識が必須になるわけではありませんが、学生のうちからこれらを身に付けておくことで、企業側から即戦力として活躍できると判断され、採用される可能性が高くなります。
自ら就職先を選択できるようになるためにも、志望する職種の知識・スキルは身に付けておきましょう。
- IT業界の自己PRの際にアピールするスキルとしておすすめはありますか?
チームプレーで役立つ能力のアピールがおすすめ
プログラマーやエンジニア職は、組まれたプロジェクトの中で集まったメンバー同士が協力をして仕事を進めていきます。
このことから、チームワークやリーダーシップを発揮して成果につなげた経験や、課題解決力、論理的思考力をアピールポイントとして自己PRにすると良いでしょう。
就職先を研究! IT業界の企業例
IT業界の企業例
- NTTデータ
- 大塚商会
- 野村総合研究所
- 伊藤忠テクノソリューションズ
- TIS
今回は2022年3月時点での売上高が高い、日本のIT業界の企業5社を紹介します。
これから紹介する企業はほんの一例に過ぎませんが、「どんな事業に取り組んでいるか」「自分のやりたいことにマッチしているか」などの視点で確認してみましょう。
NTTデータ
NTTデータはテクノロジーやITインフラ・運用などを手がけており、業界最大級のデータ通信会社です。
NTTデータは、社会インフラなど大規模なシステムを構築してきたことから世界中の企業・人々から信頼性を獲得。さらに、積極的に技術を開発したり、顧客に最適なサービスを提供したりすることから、高い技術力や先進性も強みとしています。
インフラを支えるような大規模な事業に携わりたい人におすすめです。
野村総合研究所
野村総合研究所は、以下の4つの事業を展開しています。
野村総合研究所の事業内容
- コンサルティング
- 金融ITソリューション
- 産業ITソリューション
- IT基盤サービス
野村総合研究所は、コンサルティング事業も手がけていることから、顧客の問題発見から解決策の提案、実行までの総合力を強みとしています。市場分析からソリューションの提案、システムの開発・設計、実行までを一貫できるため、高額の売り上げを上げることができるのです。
「さまざまな業界の人と仕事がしたい」「とにかく成長スピードを重視したい」と考えている人におすすめです。
大塚商会
大塚商会は、企業が事業をするうえで欠かせない基盤となるIT機器の提供や、システムの提案から導入までをサポートするシステムインテグレーション事業などをおこなっています。
大塚商会の強みは、ソフトウェアやハードウェア、インフラ環境の整備など、ITにかかわるサービスを一社ですべて提供できることです。顧客のあらゆる問題を解決できるだけでなく、コストも抑えられるというビジネスモデルを展開しています。
扱う商材が多く、かかわる人も幅広くなるのが特徴的です。その中で、一つの分野に精通したり、オールラウンダーを目指したりするなど、多様な働き方ができますよ。
伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズは、金融業や製造業、官公庁などあらゆる業界の顧客に、ITシステムの設計・開発・保守・運用・コンサルティングなどを提供しています。
伊藤忠テクノソリューションズは伊藤忠商事グループの主要子会社であり、海外から最先端IT技術を仕入れ、日本で販売する事業を展開。海外の最新かつ優れた製品を日本で販売できるのは、伊藤忠テクノソリューションズならではの強みといえます。また、伊藤忠商事グループが顧客となっているため、事業の安定性も高いといえます。
「インフラ事業にかかわって人々の生活を支えたい」「海外の企業と仕事がしたい」と考える人に向いています。
TIS
TISは銀行やエネルギー、通信、製造など幅広い業界に対して、以下の事業を提供しています。
TISの事業内容
- 事業戦略コンサルティング
- ペイメント
- デジタルマーケティング
- エンタープライズ
- ITプラットフォーム・セキュリティ
- AI・ロボティクス
- R&D(研究開発)
このように、コンサルティングからシステムの設計・開発・運用までを一気通貫で提供しているのが特徴的です。
また、中国・ASEAN地域やシリコンバレーなど海外にも拠点を置いていることから、日本・海外の最先端技術とノウハウが集まり、高い技術力を提供できるのも売上高が高額な理由の一つといえます。
とはいえ、国内事業がメインであるため、「日本国内でITに就職したい」「幅広い分野の業界とIT技術を駆使して仕事がしたい」と考えている人におすすめです。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るIT業界を志望するならGAFAMの動向をチェックしよう
ここまでに紹介した企業以外にも、注目しておくべきIT企業があります。それは、グローバルで活躍しているGAFAM、つまり以下の会社です。
・Google
・Apple
・Facebook(現Meta Platforms)
・Amazon
・Microsoft
ITのトレンドはどんな企業を受ける場合でも知っておくべき
これらの企業は、ビックテックと言われており世界的なITトレンドを作り出しています。たとえば、Meta Platformsはメタバース開発に取り組んでいて、MicrosoftはAIを搭載した検索エンジンをリリースしています。
このようなトレンドを把握しておくと、本文で紹介されている以外の将来性がある国内IT企業を見つけることにもつながります。
エントリーするかどうかとは別に、世界のITトレンドにどのようなことがあるのかを把握するためにも、GAFAMの動向はチェックしておきましょう。
マッチ度を研究! IT業界に向いている人の特徴
IT業界に向いている人の特徴
- ITに興味・関心がある
- 継続的な学習が得意
- コミュニケーション能力がある
- 論理的に物事を考えられる
- 変化に柔軟に対応できる
- 体力やストレス耐性に自信がある
「IT業界に興味があるけど、自分が向いているかわからない」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
ここからは、IT業界に向いている人の特徴を解説します。自分に当てはまるかチェックしてみてください。
ITに興味・関心がある
IT業界で働く以上、ITに関する興味・関心は必須です。なぜなら、毎日ITに触れることになり、興味・関心がなければ仕事が苦となってしまうからです。
自分がITに興味・関心があるかどうかは、以下の基準を元に判断するのがおすすめです。
ITへの興味・関心の判断基準
- 頻繁にITに関するニュースを見ている
- SNSでITに関するアカウントをフォローしている
- あるIT企業の動向を追いかけている
- 最新のIT技術を認知している
上記の一つでも当てはまった人はITに興味・関心があるといえます。ITに興味・関心がある人は、毎日楽しく働ける可能性が高いですよ。
- IT自体には興味がなくてもIT業界で楽しく働けるでしょうか?
業界研究と自己分析をおこなったうえで向いてるかどうかを判断しよう
興味が持てないのは、もしかしたらIT業界のことをよく知らないのかもしれません。一度IT業界に対して、どのようなことでも良いので情報を集め、どこが自分に合っていないと言えるのか客観的に分析してみましょう。
詳しく知ることができれば、合っていない要素を見つけるよりも前に、興味が湧いてくるかもしれません。また、働き始めたら案外楽しみを見出せることもよくあります。
しかし、どう感じるかは個人差があるので、そもそもなぜさほど興味がないIT企業で働く必要があるのか、その意味をよく考えてみましょう。
継続的な学習が得意
IT業界は変化が激しく、それに対応するためにも継続的な学習が必要になります。受験や資格など、これまでコツコツ勉強するのが得意だった人はIT業界に向いているといえます。
なお、職種によっては業務量や残業時間が多いことも。忙しい中で学習しなければいけないことにつらさを感じてしまうこともあります。また、休日を利用して勉強しなければいけないことも考えられます。
このような働き方の中でも学習できそうな人はIT業界に向いていますよ。
何から始めて良いかわからない人はITパスポートや基本情報技術者試験の資格取得から始めましょう。ITに関する基礎知識を得ることで、ニュースに対する感度も高くなり理解もスムーズにしやすくなるでしょう。
また、学習の内容が資格という形で残る点も就活でのアピール材料となるためおすすめです。
IT系のおすすめの資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
コミュニケーション能力がある
「IT業界はパソコンに向き合って黙々と作業する」といったイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。実はIT業界の多くの職種ではコミュニケーション能力が必要です。
IT業界の仕事の多くが、チームで協力する必要があったり、顧客と話し合いを重ねながら成果を出す必要があります。プロジェクトを円滑に進めるためにも、コミュニケーションを取り合い、報・連・相を徹底することが重要なのです。
報・連・相とは
報告・連絡・相談の略
そのため、コミュニケーション能力に自信がある人はIT業界も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
論理的に物事を考えられる
IT業界のほとんどの職種で論理的に物事を考えられる力が必要になります。
IT業界にはシステムエンジニアやプログラマー、ITコンサルタントなどさまざまな職種があります。どの職種も論理的な解決策を導き出す必要があるため、論理的に物事を考える力が必要なのです。
前述の通り、論理的に物事を考える力は以下の方法で鍛えることができます。
論理的思考力の鍛え方
- 自分・他者の意見に常に疑問を抱く
- 結論から述べる
- 書籍を読む
- 相手にとってわかりやすく話すことを意識する
論理的思考力にまだ自信がない人は、日頃から上記を念頭に入れ少しずつトレーニングを積みましょう。
変化に柔軟に対応できる
特に顧客ワークの企業で働く場合、変化に柔軟に対応する力が求められます。顧客の都合でシステムの仕様が変更になったり、納期が変更になったりする場合があるためです。
そのため、ルーティンワークを好む人はIT業界で働くのは厳しいといえます。一方で、「違う毎日を過ごしたい」「変化があっても楽しく対応できる」と考えている人はIT業界に向いていますよ。
ただ、IT業界にも定型作業を繰り返す仕事はあります。
たとえばサポートデスクの業務は、技術的な問い合わせや社員からの製品の使い方、トラブルなどに関する問い合わせに対応する仕事なので、ある程度決まった業務になりやすい傾向にあります。
柔軟性がある人は、選考でアピールしてみましょう。こちらの記事で柔軟性の自己PRの作り方、伝え方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
体力やストレス耐性に自信がある
職種によっては激務と言われるほど業務量が多い場合があります。一例に過ぎませんが、ITコンサルタントの場合は、通常時が月間40時間、繁忙期が70〜80時間の残業時間となるようなケースもあると言われています。
また、Webディレクターなどの自社と顧客の中間に立ってまとめる職種では、両者の要望を板挟みになって聞くことになるため、大きなストレスがかかることもあるのです。
このように、IT業界は体力とストレス耐性のどちらも必要になるため、これらに自信がある人は向いています。
Webディレクターが気になる人は、こちらの記事でWebディレクターの詳細を解説しているので併せてチェックしてくださいね。
Webディレクターになるには? 就職が有利になる方法を徹底解説
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るIT業界は成長に貪欲な人が活躍できる
ITに関する技術は留まることなく進化しています。新しい技術やサービスが次から次へと世の中に輩出されるので、それらの急速な変化に対し興味を持って情報を収集する好奇心と、自分のものにしようと考え、常に学び続ける姿勢を維持する向上心は必須の要素です。
また、IT業界での仕事は、自分一人で対応できるものはほとんどありません。開発には顧客も含めて大きなチームでお互いの役割を認識し、プロジェクトを進めていく必要があります。自分の意見も伝えながら、相手の立場も尊重できるチームワークを大切にしている人はIT業界に向いているといえます。
どんな職種でも忍耐力は必要
開発の段階では、設計通りに事が進まないことも多々あります。開発職が途中で投げ出さずに業務を続けなければならないのはもちろんですが、営業職も顧客のニーズと費用などの間に挟まれ苦心します。
そのような状況でも継続的にかかわる必要があります。このように、IT業界に携わっていればあらゆる職種で忍耐力が求められるでしょう。
忍耐力がある人は選考でアピールしてみましょう。こちらの記事では、忍耐力の自己PRの作り方・伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文17選! 自己PRで企業が求める忍耐力をアピールするコツ
IT業界に就職するメリット
IT業界に就職するメリット
- 自由な働き方ができることが多い
- 成長産業で年収が高い傾向にある
- 未経験でもさまざまなことに挑戦可能である
- 専門的な知識・スキルを身に付けられる
- 時代の最先端に触れられる
- チームで協力し合うため高い目標を成し遂げられ達成感が大きい
ここからはIT業界に就職するメリットを解説します。
IT業界は成長と自由度が高いという観点でたくさんのメリットがあります。IT業界に就職するか迷っている人は参考にしてください。
自由な働き方を導入する企業が多い
IT業界で自由な働き方を導入する企業が多い理由は、パソコンとインターネット環境さえあれば、場所・時間に縛られずに働ける仕事が多いためです。そのため、出社せずに自宅やカフェで仕事したり、朝または夜などの集中しやすい時間に仕事をしたりすることができます。
また、服装も自由としている企業が多く、スーツではなく私服で通勤する人が多い傾向にあります。
このように、IT業界は働き方の自由度が高い企業が多く、ストレスを最小限にして働けるといった魅力があります。
成長産業で年収が高い傾向にある
IT業界は成長産業であり、中には売り上げを急拡大させている企業もあります。そのような企業で結果を出すことができれば、年収が高くなります。
また、前述の通り人手不足の傾向があり、IT人材の需要が高まっているため、高給になりやすいのです。
しかし、年収が高いからという理由だけでIT業界を選ぶのは危険です。入社後「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクがあります。自己分析・業界研究をしっかりおこない、本当に自分に合っているかどうかを判断することが重要です。
未経験でもさまざまなことに挑戦可能である
前述で「学生のうちからスキルを身に付けよう」と解説しましたが、IT業界は未経験でも挑戦が可能です。入社後に研修を受けて、知識・スキルを身に付けられる企業もあります。
ただ、未経験から就職する場合、最初は誰でもできる単純作業ばかりを任されたり、慣れるまで長時間労働になってしまったりする可能性があります。
そのため、業務経験がなくとも、学生のうちから基本的な知識・スキルを身に付けたり、資格を取得したりするのがおすすめです。
未経験からさまざまなことに挑戦するためには、研修が充実している会社がおすすめです。
研修が充実しているIT業界の企業の見分け方は、講師がすべて現役のエンジニアであること、研修は新人エンジニアの現場力育成が中心となっているかどうかに注目することが大切です。
また、ITスキルだけでなくビジネススキルまで学べたり、実務に近い形でプログラミングスキルも高められるかどうかを見分けるポイントにすると良いでしょう。
専門的な知識・スキルを身に付けられる
IT業界は専門性の高い業界です。複雑だったり、難しかったりするものも多いですが、仕事に取り組む中で専門的な知識・スキルを身に付けられます。
さらに、近年IT業界が急激に成長していることから、IT人材の需要は高まっています。その中で専門的な知識・スキルを身に付けると、今後さまざまな場面で必要とされる人材になります。キャリアの選択肢を広げることができ、理想の働き方を叶えやすくなりますよ。
時代の最先端に触れられる
IT業界は凄まじく成長していて、時代の最先端とも言えるサービスや製品が世に出されるようになりました。IT業界で働けば、時代の最先端に携われます。
このような経験は、「自ら社会を切り開いている」「社会の進歩に貢献している」というやりがいを感じられる場合もあります。社会貢献したいといった想いが強い人は、自分の目標や目的を達成させながら仕事ができますよ。
チームで協力し合うため高い目標を成し遂げられ達成感が大きい
前述の通り、IT業界の仕事のほとんどはチームでおこないます。そして、チームで協力することは、個人で取り組むよりも大規模なことができるため、高い目標を成し遂げられる達成感を感じられるのです。
「部活のようにチームで協力して目標を達成したい」「規模の大きいことをしたい」と考えている人はIT業界が合っているといえます。
- どちらかといえば個人で黙々と作業したいと考えています。IT業界でそのような働き方は可能ですか?
IT業界でも事務職であれば個人で黙々と仕事ができる
IT業界の仕事と聞くと、エンジニアや営業職などのイメージが強く、周りと協力する働き方しかないのではと感じますよね。
しかし、IT企業であっても事務職のように個人で黙々と作業をする仕事で活躍している人もいますよ。
ただし、新卒採用の場合は、総合職採用で配属先を選べないことも多いです。職種別採用なのか総合職採用なのかは必ずエントリーをするときにチェックしてくださいね。
事務職を志望する人は、こちらの記事で事務職の志望動機の作り方を解説しています。職種の詳細な説明もしているので、併せてチェックしてくださいね。
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説
IT業界に就職する際の注意点
IT業界に就職する際の注意点
- 結果が出ないと評価されにくい
- 常に最新情報を取り入れる努力が必要
- コミュニケーション不足になる職種もある
IT業界で働くことには、メリットがある一方でデメリットもあります。
ここからはIT業界に就職することのデメリットを解説します。入社後に後悔しないためにも、事前に把握しておきましょう。
結果が出ないと評価されにくい
IT業界は良くも悪くも実力主義です。結果を出さなければ評価されません。そのため、評価してもらうために常に勉強したり、オーバーワークにも耐えたりと、結果重視で働きストレスを感じることがあります。
つまり、「成長はしなくても良いから安定して給料を得られれば良い」と考えている人には向いていないといえるのです。
一方で、「とにかく仕事を頑張りたい」「どんどん成長して結果を出したい」と貪欲な人はIT業界が向いています。
常に最新情報を取り入れる努力が必要
前述の通り、IT業界は日々目まぐるしく変化しています。IT業界で働く人は、顧客に最善の提案をしたり、自社の拡大に貢献したりするためにも最新情報を取り入れる必要があります。
一方で、ITに関する最新情報をキャッチすることを苦に感じる人は働きづらいでしょう。ただでさえ目の前の業務で日々忙しく、情報収集をする時間がないため疲弊してしまう可能性があります。
一方で、情報収集能力に長けていたり、ITに関する情報収集が好きな人は、プライベートの時間も自らITにかかわれるため適職といえます。
- IT業界で現役で働いている人は、どのようにして学習時間を捻出しているのでしょうか?
オンライン学習サービスを活用している
平日は拘束された時間内で仕事をしているので、ただ時間をかけて勉強をするのではなく、短い時間でも効率が上がる「オンライン学習サービス」をうまく活用し、アウトプットすることを大切にしています。
ほかにも勉強会やセミナーに参加するなどして、自分に合った勉強方法を見つけ、毎日決まった時間を確保し、継続して取り組んでいることが多いです。
コミュニケーション不足になる職種もある
職種によっては、毎日パソコンばかりに向き合うことになり、コミュニケーション不足になる場合があります。
基本的にはチームを組んでプロジェクトを進めます。しかし、プロジェクトによっては、ミーティングの数が少なかったり、ミーティングまでの期間が空いたりと、人と話さない期間が多くなることがあります。
入社してコミュニケーション不足になると、社会人としてのマナーを身に付けられない可能性も考えられます。コミュニケーション不足を感じる場合は、自ら人と会う機会を作らなければ、将来的に苦労してしまいます。
ほかの学生と差別化可能! IT業界に就職するための対策
ほかの学生と差別化可能! IT業界に就職するための対策
- アルバイトやインターンでIT企業を経験しておく
- 資格を取得して知識・スキルを保有していることをアピールする
- ITスクールで知識・スキルを身に付けておく
- やりたいことを細分化して志望動機を準備する
前述の通り、IT業界への就職は未経験でも可能ですが、あるポイントを押さえることで就職が有利になります。
ここからはIT業界に就職するためのポイントを解説します。IT業界への就職を本気で目指している人は参考にしてください。
アルバイトやインターンでIT企業を経験しておく
社会人として働く前に、アルバイトやインターン、業務委託などでIT企業を経験しておくと就職が有利になります。
IT業界の人気企業は競争が激しく、企業側は即戦力として活躍できる人材を求めています。そして、アルバイトやインターン、業務委託での経験は、立派な業務経験です。業務経験のある学生は働くうえで必要な知識・スキルをすでに身に付けているため、企業側は魅力を感じるのです。
まだ知識やスキルに自信がない人は、学習しながら仕事ができるアルバイトやインターンがおすすめです。一方で、基礎的な知識・スキルを身に付け、簡単な業務ならできる人は、クラウドソーシングなどを活用して仕事を受注し、業務委託として働いてみるのがおすすめですよ。
クラウドソーシングとは
企業がインターネット上で、不特定多数の人に業務を発注し、選考を通過した人に仕事が割り当てられる業務形態
インターンについてまだ何も把握できていない人は、まずはこちらの記事でインターンのメリットや選び方を確認しましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
IT系のアルバイト経験がある人は選考でアピールしましょう。こちらの記事ではアルバイト経験の自己PRの方法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)でもアルバイト経験のアピールは可能です。こちらの記事で、ガクチカでアルバイト経験をアピールする方法を解説しています。
例文15選|アルバイトのガクチカの作り方と印象に残すコツ
資格を取得して知識・スキルを保有していることをアピールする
IT業界を志望する人におすすめの資格
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- CISCO認定資格
- Oracle Master
- ITストラテジスト
ITに関する資格があると、知識やスキルを保有していることを客観的に証明できます。就活の際にその職種の知識・スキルの証明ができる資格を取得することで、就活が有利になります。
それぞれの資格の詳細を解説します。
ITパスポート
ITパスポートとは、AIやビッグデータ、IoTなど、新しい技術や手法の概要に関する知識や、経営・ネットワーク・プロジェクトマネジメントなど、ビジネス全般の幅広い分野の知識が問われる試験です。
IT系の国家資格の中でも比較的難易度が低いと言われているため、IT業界経験が浅い人でも取得可能です。取得するとITに関する基礎知識や、社会人として働くうえで必要なビジネスに関する知識を保有していることを証明できますよ。
まだITに関する知識がない人は、ITパスポートの試験対策の過程で基礎的な知識を身に付けましょう。
ITパスポートの基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:春期(4月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:150時間ほど
- 合格率:50%ほど
ITパスポートの詳細や就活でのアピール方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は国家資格で、ITパスポートの上位資格となります。試験ではITに関する基礎的な知識だけでなく、ソフトウェアの技術的な知識も問われます。
基本情報技術者試験はITパスポートよりも前にできた試験で、IT業界では歴史があり、名前の通っている資格です。取得することで、エンジニアに必要な知識・技術力を保有していることが証明できます。即戦力として就職したいエンジニアは取得しておくことをおすすめします。
基本情報技術者試験の基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:200時間ほど
- 合格率:58%ほど
CISCO認定資格
CISCO認定資格はシスコシステムズが運営するベンダー資格です。
ベンダー資格とは
IT関連製品を製造・販売するベンダーが、自社製品についての適切な操作技術や管理技術を満たしていることを認証するための民間資格制度
企業によっては、就職時にCISCO認定資格を取得していることが必須条件の一つとなっている場合もあるほど信頼性の高い資格です。なお、CISCO認定資格は以下の8つのプログラムに分けられています。
CISCO認定資格のプログラム
- コラボレーション
- CyberOps
- データセンター
- DevNet
- 設計
- エンタープライズ
- セキュリティ
- サービスプロバイダー
それぞれのプログラムで入門レベルから上級レベルまで最大5つの段階に分けられていて、自分の実力に見合った資格試験を受検可能です。
CISCO認定資格の基礎知識
- 主催団体:シスコシステムズ
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:随時実施
- 受検費:16,800円〜
- 目安勉強時間:180~200時間程度
Oracle Master
Oracle Masterは、データベースシステムのベンダーであるOracle社が実施する資格試験です。Oracle Masterは4つのレベルに分けられており、各レベルに相当する国家資格を比較すると以下のようになります。
国家資格 | Oracle Master |
---|---|
ITパスポート | Oracle Master Bronze |
基礎情報技術者試験 | Oracle Master Silver |
応用情報技術者試験 | Oracle Master Gold |
データベーススペシャリスト | Oracle Master Platinum |
IT業界の経験が浅い人はOracle Master Bronzeの取得から目指すのがおすすめです。
なお、出題される問題はOracle社の製品がベースとなっていますが、取得していると企業からデータベースに関する知識を網羅していると評価されます。データベースに関する職種を志望する人は取得しておくと就職が有利になりますよ。
Oracle Masterの基礎知識
- 主催団体:Oracle
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:随時実施
- 受検費:29,400円
- 目安勉強時間:20〜40時間程度
- 合格率:60%〜70%ほど
ITストラテジスト
ITストラテジストとは、システム開発の上流の事業計画作成の段階から参加して、IT戦略の立案と実行ができることを証明する資格です。システムエンジニアやコンサルタント職などに必要とされる知識・スキルを身に付けられます。
IT技術を活用して経営戦略を策定し、実行するような上流の職種に就きたい人は取得しておくことをおすすめします。
ただ、難易度が高く合格率が低いため、比較的取得しづらいと言われています。IT業界未経験の人は前述した資格の取得から始めるのがおすすめです。
ITストラテジストの基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:春期(4月)
- 受検費:5,700円
- 目安勉強時間:150〜200時間程度
- 合格率:15%前後
それぞれの資格で証明できる知識や技術は異なるので、一概にどれを取っておくべきと断言することはできませんが、まだどの資格も取得していないのであればITパスポートから始めてみると良いでしょう。
ITについて、その利用環境なども含め幅広く問われるので、取得のための学習によって最低限必要な情報を得られます。
ITスクールで知識・スキルを身に付けておく
ITスクールで、プログラミングを始めとするIT関連の知識・スキルを身に付けておくこともおすすめです。お金はかかりますが、短期間で実務で活かせるような専門的な知識・スキルを身に付けられます。
また、「何から勉強を始めれば良いかわからない」といった人もいるでしょう。ITスクールに通えば、スキル習得までの道筋・計画も提示してもらえるため、効率良く勉強できますよ。
なんとしてでもIT業界への就職を成功させたい人は、ITスクールに通って徹底的に知識・スキルを身に付けることがおすすめです。
やりたいことを細分化して志望動機を準備する
就職試験に応募する前に、その企業でやりたいことを細分化して志望動機を準備しましょう。同じ会社でも職種によって仕事内容がまったく異なるため、事前に希望する仕事を細かく捉えて考えておかなければ、入社後「やりたい仕事じゃなかった」と後悔する可能性があります。
たとえば、営業職とエンジニア職を募集している企業が多くありますが、これらでは仕事内容が違うのは一目瞭然です。営業職は顧客に訪問して自社商品を導入してもらうことが仕事内容ですが、エンジニア職は、プログラミングをして製品を作ります。
各職種の仕事内容をきちんと把握して、自分がやりたいことを明確にしてからエントリーすることが大事です。職種選びを間違うと、入社後に後悔してしまう可能性もありますよ。
IT業界を志望する人は、こちらの記事でIT業界の選考で使える志望動機の作り方を解説しています。職種別の例文もあり、仕事内容を深く理解しつつ志望動機を完成させられますよ。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
- IT業界でやりたい仕事の見つけ方を教えてください。
業界の動向をリサーチしてIT業界でやりたい仕事を見つけよう
やりたい仕事が見つからない学生の多くは、どのような働き方があるのか・どのような仕事がIT業界で活躍をしているのかを知らないことが多いです。
やはり、選択肢がない状態だと働き方のイメージができないため、まずは想像できるようにIT業界に関する情報を収集することがおすすめです。
たとえば、「ITmedia(アイティメディア)」や「日経クロステック(xTECH)」「Wired Japan」などのメディアをチェックすると、IT業界に関する情報収集を効率良く進めることができますよ。
各社の研究に活かそう! 企業を調べる際のポイント
ここからはIT業界の企業を調べる際のポイントを解説します。
各企業それぞれ特徴があり、詳細を調べなければ自分に合っているか判断できません。これから企業を検討する際の参考にしてください。
得意とする技術領域や形態、業種、請負先などを詳細に押さえる
各企業の得意とする技術領域や形態、業種、請負先などの詳細は押さえておきましょう。入社後、それにかかわる仕事を請け負う可能性が高いためです。その仕事が自分に合わなかった場合、入社後に後悔する可能性もあるのです。
なお、得意分野は各企業のHPからも確認できます。業務内容や事例紹介記事などを参考にして、その企業は何を得意としているのかを見極めましょう。
売上構成比を見てみると、その企業の中でどの分野をどれぐらいの規模感で取り組んでいるのかがわかるので、各企業の得意分野を把握することに役立ちます。
長期的な観点で業績を押さえる
企業を研究する際、売上高を見る人もいますよね。その際、「赤字だからやめておこう」と判断する人もいるのではないでしょうか。実は「赤字だから悪い」とは一概には言えないのです。
IT業界には先行投資を実施する企業が多くあります。
先行投資とは
目先の利益にとらわれず、長期的に利益を得ることを見越して投資をおこなうこと
直近で赤字になっていても、設備などに投資して、長期的な視点で利益を得て損失を取り戻す企業も多くあるのです。そのため、長期的な観点で業績を押さえることが重要です。
直近の売上高だけでなく、「何をしたから赤字なのか」「売上・利益の推移は上昇傾向にあるのか」などを見て確認しましょう。
上場企業であればIRとして決算説明資料がHPで公開されています。そちらから赤字の理由を自分なりに理解してみましょう。
ただし、十分に理解することは難しいと思います。
その場合は親や学校、その他詳しい人にアドバイスを求めることがおすすめです。決算内容が非公開の企業の場合は、会社説明会や面接、内定後の面談で質問をしましょう。
Web説明会の特徴や参加方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
IT業界を広く・深く研究して自分に合った企業に就職しよう
一言でIT業界といっても、さまざまな業種・職種があり、どれも自分に合っているとは言えません。そのため、IT業界について幅広く・深く研究することが重要になります。
そして、IT業界を研究するうえで最も重要な基準が、自分がやりがいを持って働けるかどうか。ぜひこの記事を参考にして、やりがいを持って働ける企業を見極められるような研究をしましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るIT業界はこれからも成長が期待できるおすすめの業界の一つ
IT業界をリサーチしても、「難しそうで就職できるかわからない」や「就職しても仕事についていける自信がない」と不安を抱えている学生がいるかもしれません。たしかに、専門的な用語が多く、目に見えないサービスなのでイメージが湧きづらいですよね。
もちろん、知識や技術を習得することは簡単ではありません。しかし、これからも発展していく業界なので、業界の成長とともに自分も大きく成長することができるおすすめの業界です。
世の中を発展させる技術に立ち会えるやりがいのある業界
たとえば、「ブロックチェーン」や「AI」、「量子コンピューター」などは現在も研究・開発がおこなわれています。このような世の中を変える技術の発展にかかわれる可能性があるのです。業界の成長に必要なスキルを学ぶことで、自分も大きく成長することができますよ。
このような業界の最先端のことを学びたい・仕事を通じて成長したいという意欲が少しでもあれば、IT業界はあなたを大きく変えてくれる業界です。業界について引き続きリサーチをして、納得感のあるキャリア選択をおこないましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細応用情報技術者/アスターリンク代表
Hiroyuki Suzuri◯大手SIerでシステムエンジニア、メガベンチャーでWebエンジニアを経験後、メディアの立ち上げや組織運営、事業運営を経験し独立。現在は転職やキャリア形成の情報を発信中
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