この記事のまとめ
- サーバーエンジニアの仕事内容は設計・構築・保守・運用と多岐にわたる
- サーバーエンジニアはITに関する幅広い知識とスキルが必要
- サーバーエンジニアに求められるスキルは時代とともに変化が生じる
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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インターネット時代に欠かすことのできない、サーバーをゼロから設計・構築するサーバーエンジニア。企業でも必要不可欠なサーバーを取り扱う仕事に魅力を感じ、目指している人も多いでしょう。
一方で「他のエンジニアとの区別がつかない」「具体的な業務内容や必要なスキルがわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
これからの時代に必要とされるサーバーエンジニアになるには、具体的な仕事内容だけでなく、サーバーを取り巻く環境の変化や求められるスキルについても理解しておく必要があります。
この記事では、サーバーエンジニアの仕事内容や就職方法について、キャリアコンサルタントの田邉さん、小峰さん、ITストラテジストの伊沢さんのアドバイスを交えて解説していきます。
サーバーエンジニアの仕事内容を理解して必要なスキルや資格を見極めよう
サーバーエンジニアは、ネットワークやOS、データベース、セキュリティなどの幅広い知識が求められる仕事です。
サーバーエンジニアを目指すうえで、どのような役割を持ち、どのような業務内容を担当しているのかを知ることは大切なことです。また、サーバーエンジニアを取り巻く環境の変化に目を向けることも非常に重要です。
記事では、まずサーバーエンジニアの詳しい仕事内容や似ている職種について詳しく説明します。次に、サーバーエンジニアの現状と将来性について解説。時代の流れとIT技術の進化によって生じる環境の変化を知ることで、これからの時代に必要とされるスキルや資格を見極められるようにします。
専門性が高い一方で、未経験でも挑戦できるサーバーエンジニア。やりがいや大変な面も理解したうえで、企業から求められるサーバーエンジニアを目指したい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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サーバーエンジニアとは?
ネットワーク上において、ほかのパソコンにさまざまな機能やサービスを提供するコンピュータのことを「サーバー」といいます。このサーバーをゼロから設計・構築し、管理保守する職業がサーバーエンジニアです。
自社内にある多くのパソコンで情報を共有したり、外部から必要な情報を表示できるようネットワークを組む際には、必要不可欠な存在です。
サーバーの設計や設定はもちろん、稼働後の運用や保守などの重要な業務も含まれるため、詳しい仕事内容を理解したうえで、必要な知識やスキルを確認しましょう。
サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーエンジニアには大きく分けて以下の3つの仕事があります。
サーバーエンジニアの仕事
- 設計業務
- 構築業務
- 運用・保守業務
サーバーエンジニアの業務の特徴は、サーバー機器を固定するラッキングや、サーバーを電源やそのほかの機器とつなぐ配線といった、物理的な作業をともなうことです。
サーバーを設定・構築したり、24時間365日しっかり動くように運用・保守をしていくサーバーエンジニアの仕事は非常に幅広いといえます。
それぞれの仕事内容について詳しく説明します。
設計業務
一口にサーバーといっても、Webサーバーやメールサーバーなど種類があります。設計する際は、要求に応じたサーバーの性能や規模を考慮して基本設計をおこなう必要があります。
基本設計の際に考慮する必要がある点は以下の3つです。
基本設計の際に考慮する必要がある点
- ネットワーク回線の通信速度
- 利用電源容量
- コストバランス
上記の内容について、時にはプログラマーなどの関係者と打ち合わせをおこなうこともあります。
基本設計を終えたら、「具体的にどのOSやミドルウェアを使用するのか」「それぞれのパラメータ(変数)をどのように設定するのか」など、細かい設計をおこないます。そのほか、障害発生時の対応なども併せて設計しなければなりません。
サーバーは基本的に休みなく稼働し続けます。1つのサーバーで障害が発生しても、サービス全体に影響が出ないよう、障害への耐性や安全性にも考慮しておこなう必要があるのです。
構築業務
設計業務が終わると、設計図をもとに機器を発注し、実際に運用できるよう調整をおこなう構築業務に進みます。
サーバーのOSインストールから、用途に合わせたミドルウェア・ソフトウェア・アプリケーションなどをインストールして、サービスを提供できるシステムを組み上げます。
OS一つをとっても、「Windows」「Unix系」「Linux系」の構築をおこなうこともあり、サーバーエンジニアは幅広い構築範囲を担当します。
この段階でパラメータを詳細に設定するので、設計図と設定の差異がないよう細心の注意を払わなければなりません。些細なパラメータの違いから障害が発生する恐れがあるため、重要な業務になります。
実際にサーバー機器の配線やラッキングをおこなうのも重要な仕事の一つです。サーバー機器を固定するラッキングをおこなう際は、メンテナンスがしやすいように考慮して設置することも大切です。
その他サーバー同士を配線でつなぎ、断熱材などで保温・保冷環境を整えるなどの物理的な作業をおこない、サーバーが快適に動作する環境を構築します。
運用・保守業務
サーバーエンジニアの仕事は、サーバーを稼働状態にするだけではありません。組み上げたサーバーを、安定して稼働させることが求められます。
運用開始したサーバーが正常に稼働しているか監視し、エラーや障害が発生した場合は迅速に対応に当たらなければなりません。
サーバーは基本的に24時間365日稼働しているため、常に監視しておく必要があります。実際に監視するのは、専用のオペレータを配置することが多く、障害発生時にオペレータから連絡を受けて対応に当たります。
サーバーが物理的に故障した場合は、交換保守などの手配やデータセンターでの立ち会いをおこなうこともあります。
この他にもサーバーエンジニアは、サーバーが潜在的なセキュリティ脅威から保護されるように、適切なセキュリティ対策を実施します。具体的には、ファイアウォールの設定、侵入検知システムの使用、セキュリティパッチの適用などです。
サーバーエンジニアと似ている職種を解説!
サーバーエンジニアと似ている職種として、以下の3つが挙げられます。
サーバーエンジニアと似ている職種
- インフラエンジニア
- サーバーサイドエンジニア
- ネットワークエンジニア
業務内容が似ているため、混同しやすい職種ですが、扱う対象や必要なスキルは異なります。それぞれの仕事内容をよく理解して区別しましょう。
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インフラエンジニアとサーバーエンジニアの関係性
インフラとは、土台基盤を意味するもので、生活するうえで欠かせない水道・ガス・電気などが挙げられます。
IT分野の場合は、ネットワークやサーバーなどのITシステムの土台となるインフラ部分を扱うのがインフラエンジニアです。
インフラエンジニアは、大きく分けてサーバーエンジニアとネットワークエンジニアに分かれます。つまり、インフラエンジニアにサーバーエンジニアが含まれます。
インフラエンジニアの中でも、サーバーの領域のスペシャリストがサーバーエンジニアに分類されます。
インフラエンジニアの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
インフラエンジニアを目指す学生必見! 仕事内容や魅力を解説
ネットワークエンジニアとの違い
インフラエンジニアは、サーバーのスペシャリストであるサーバーエンジニアとネットワークのスペシャリストであるネットワークエンジニアに分類されます。ネットワークエンジニアは、ネットワークをつなぐアプリケーションに関する業務をおこないます。
ネットワークの設計・構築・運用・保守と幅広い業務を担当するのが特徴です。
顧客の要望に沿って設計図を作成し、設計図に基づいてネットワークを構築します。稼働後は顧客企業に常駐するかリモートで監視し、トラブル対応などにあたります。
ネットワークエンジニアの業務内容についてはこちらで詳しく解説しているので、きになる人は参考にしてください。
ネットワークエンジニアの仕事がすべてわかる! 未経験の就職方法も
サーバーサイドエンジニアとの違い
サーバーサイドエンジニアは、サーバーエンジニアが導入したサーバーに、アプリケーションのためのプログラムを書き込む業務をします。
サーバーサイドエンジニアが作り上げるシステムは、サーバーでおこなう処理側のシステムやデータベースの構築です。ユーザーからは見えない部分を担当しているため、あまりなじみがないかもしれません。
すでに構築されたサーバーでシステムを開発し、新機能を実装したりセキュリティに対応する重要な業務を担っています。
- エンジニアにもさまざまな種類がありますが、自分に合ったエンジニアの種類を選ぶにはどうすればいいですか?
まずは自分がその仕事をしている姿を想像してみよう
自分に合ったエンジニアというのは、実際やってみないと向き・不向きがわからない部分が多いと思います。なので、まずは自分がその仕事をしている姿を想像してみて、一番興味を覚えたり、ワクワクしてくるようなエンジニアからトライしてみることをおすすめします。
トライしていく中で実際に作業をしてみて、これは向いてるなとか、これはしんどいなとか感じることがあると思うので、その中で自分の適性を知り、次のエンジニアへのキャリアアップにつなげていけるといいですね。
サーバーエンジニアの現状と将来性
サーバーエンジニアを取り巻く環境に変化が生じていることも理解しておく必要があります。これまで、社内にサーバーを置く「オンプレミス」が一般的でしたが、自社でサーバーを保有せず、クラウドサービス上にアクセスしてサービスを機能させる「クラウド」を利用する企業が増加しています。
「クラウドが主流になればサーバーエンジニアの需要はなくなるのではないか」との懸念が生まれますが、以下の理由からクラウドへの移行が進めづらい現状もあります。
クラウドへの移行が進めづらい理由
- 大きな予算をかけ、オンプレミスのシステムを破棄してまでクラウドに移行するメリットが見出せない
- 既存のシステムが複雑かつ膨大なため、クラウドへの移行が難しい
- 重要な機密情報を扱うため、セキュリティの問題でクラウドに適さない
上記の理由から、一定の企業はクラウドへの移行をしていないのも事実です。さらに、クラウドであってもサーバーが存在する限り、サーバーエンジニアは必要不可欠。
時代の変遷とともに必要なスキルの変化があることを理解し、サーバーエンジニアとして求められる人材になることが大切です。
まずはあなたがエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
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DX推進における需要の高まり
ビジネスにおいてDXという言葉を見聞きしない日はないほど、世の中に浸透してきました。DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、デジタル技術を用いることで生活やビジネスが変容していくことを指します。
企業にとって、業務の効率化や自動化にITの利用は欠かせない存在です。多くの企業はDXの推進、つまりテクノロジーの発達により人々の生活を改善することを最優先課題にしており、エンジニアの存在は必要不可欠です。
DXが推進される状況において、ITシステム・サービスの稼働環境であるサーバーは必要になり続け、サーバーエンジニアの需要も継続して存在するといえます。
サーバーエンジニアに求められる仕事の変化
時代の変遷やサーバー技術の進歩により、サーバーエンジニアに求められる仕事が変化しているのが事実です。オンプレミスからクラウド環境の利用の加速により、現状の物理サーバーでの環境構築に加えて、クラウドを利用したサーバー環境の構築ができるスキルが必要になります。
また、サーバーエンジニアの仕事の中でも監視業務や運用業務については、自動化・効率化が進んでいます。運用・監視のスキルのみでは対応できない恐れもあるため、幅広いスキルを習得する必要があります。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るサーバーエンジニアは新たな分野のスキルが求められる
これからのサーバーエンジニアには、クラウドコンピューティング、コンテナ技術と仮想化技術、自動化ツールなど、新たな分野と技術に対する理解が求められます。
クラウド技術がかなり普及してきていることから、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなど、クラウドサービスの知識が必要になります。
コンテナ技術や仮想化技術の知識も身に付けよう
コンテナ技術とは、複数のコンテナと言われる軽量のソフトウェア実行環境上に、サーバーのソフトウェアを配置する仕組みです。Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーをサーバーごとにコンテナに配置し、1台の物理サーバーで実行することができます。代表的なコンテナ技術として、DockerやKubernetesなどがあります。
仮想化技術は、1台の物理サーバーに、仮想的なサーバーをソフトウェア的に配置する技術です。コンピュータの中に仮想のコンピュータが入っているイメージです。代表的な仮想化技術として、VMwareやHyper-Vなどがあります。
IT業界は常に変化しているため、新しい技術やツールを学び続けることが重要です。オンライン学習サイトなどを活用してスキルを更新し、ベンダー資格を取得して知識を証明するのも良いでしょう。
サーバーエンジニアのキャリアパス
サーバーエンジニアがキャリアパスを考える際、以下の2つのパターンが想定できます。
サーバーエンジニアのキャリアパス
- サーバーを扱う技術者としてのスキルを高めるキャリアアップ
- 他のインフラ領域のエンジニアへのキャリアチェンジ
ITエンジニアとして長く仕事をしていくためには、求められるスキルの変化に柔軟に対応する力と、将来を見すえたキャリアプランの構築が大切です。
それではサーバーエンジニアのキャリアパスについて詳しく見ていきましょう。
どんなキャリアを描くべきかわからない人は、こちらの記事がおすすめです。キャリア形成の方法を解説しています。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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キャリアアップ
サーバーエンジニアのキャリアアップとして一般的なのは、マネージャーとスペシャリストです。それぞれの特徴について詳しく説明します。
①マネージャー
システム開発はチームを組んでおこなうので、インフラエンジニアのメンバーを束ねるマネジメント職が必要です。マネージャーは、予算計画の立案や予算管理、プロジェクトの総括などをおこなう職種です。
インフラに関する技術スキルに加えて、財務諸表(経営・融資・投資など1年間の企業の財務状況を報告する決算書類)の基礎知識や予算管理スキルなども身につけておくと役立ちます。
会社員として管理職に昇格し、社員を束ねるキャリアも用意されています。
②スペシャリスト
スペシャリストは、サーバーに関する高度なスキルと知識を持ち、サーバーの設計や構築や運用、保守を担う職種です。
開発経験を積むことで、OSやミドルウェア、アーキテクチャ(システムの概略構造・基本的な骨組み)の知識を深め、スペシャリストとして幅広い開発をおこなうことができるようになります。
サーバーといってもさまざまな領域があり、案件によって使うサービスも異なるため、すべての領域に長けている必要はありません。
各領域別に資格制度が用意されているので、資格の取得を通してスキル習得およびスキル証明をおこなうと効率的です。キャリアプラン構築の際の参考にしてみてください。
マネージャーは、協力してより大きな課題を成し遂げたいと感じている人に向いています。たとえば、学生時代にリーダーを務めてやりがいを感じたような人が当てはまります。
一方でスペシャリストは、自分の技術を高めたいと考えている人に向いています。
キャリアチェンジ
サーバーエンジニアが開発をおこなう際、ネットワークアーキテクチャやマネジメントなど、他職種の知識を得ることができます。
サーバーエンジニアとしての業務の中で得た知識やスキルを活かすことで、ほかの職種へのキャリアチェンジがしやすい職種でもあります。サーバーエンジニアがキャリアチェンジしやすい職種は以下の通りです。
サーバーエンジニアがキャリアチェンジしやすい職種
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
それぞれのキャリアチェンジについて詳しく説明します。
①ネットワークエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーを担当するサーバーエンジニアと、サーバーやパソコンを結ぶネットワークを担当するネットワークエンジニアに分類されます。
ネットワークエンジニアはサーバーエンジニア同様、設計・構築・保守運用業務をおこないます。また、サーバーエンジニアは、業務上ネットワークの知識も必要となるため、ネットワークエンジニアへのキャリアチェンジがしやすいといわれています。
②データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースの設計や構築、保守運用業務をおこないます。データベースとは、大量のデータを保存する、デジタル上の保管庫のようなものです。
データベースエンジニアは、データの流出やデータベースへの不正アクセスなどを防止する、セキュリティ対策業務を担当することもあります。
サーバー構築後に、サーバーエンジニアがデータベースのインストールやセッティング、監視などを担当することも多いため、サーバーエンジニアからのキャリアチェンジがしやすいです。
データベースエンジニアの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
データベースエンジニアになるには? 仕事内容や向いている人の特徴を解説
③セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、サーバーやネットワーク、データベースなどさまざまな領域のセキュリティを専門に担当するエンジニアです。
セキュリティに配慮したシステムの設計・運用を担うほか、未然にサーバー攻撃を防ぐための調査や対策などの業務もおこないます。
企業によっては、セキュリティポリシーの策定などにかかわるなど、幅広いスキルを求められる職種です。サーバー専門やネットワーク専門など、特定の領域ごとに分業されている企業も多いため、サーバーエンジニアのスキルを活かしたキャリアチェンジを目指すことができます。
この他にも、クラウドエンジニアへのキャリアチェンジが可能です。AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなどのクラウドサービス上で運用や管理、最適化をおこなう職種です。
サーバーエンジニアが持っているハードウェアとソフトウェアの両方に関する深い理解は、クラウド環境への移行や最適化に大いに役立ちます。
サーバーエンジニアの魅力とは?
日常的に膨大なデータを取り扱う企業にとって、データの適切な管理や処理ができる稼働環境は必要不可欠です。サーバーエンジニアは、サーバーに関する幅広い業務を担当するため、大変な部分もありますが、その分魅力も多くあります。
サーバーエンジニアの魅力
- 将来性が高い
- キャリアアップ・キャリアチェンジの選択肢が多い
- 経験を積めばフリーランスの選択肢がある
- 収入アップが期待できる
- 未経験でもチャレンジできる
上記のような魅力を参考にしながら、サーバーエンジニアを目指すヒントにしてください。
①将来性が高い
DXが推進される状況において、今後もサーバーは必要となり続け、サーバーエンジニアの需要も安定して存在し続けるといえます。
クラウド環境の利用が加速している今、クラウド技術を持ったサーバーエンジニアの需要は特に高まると予想されています。
サーバーエンジニアとして、時代の変遷と環境の変化に柔軟に対応しながら、常に新しい知識と技術を磨き続けられる人材は、非常に貴重な存在になるでしょう。
今は企業におけるクラウド環境への移行が加速しています。外部ネットワークに企業のデータを置くということは、より強固なセキュリティ対策が必要とされます。
そのため、セキュリティ技術に関する知識やスキルを備えたサーバーエンジニアへのニーズは今後も高まっていくと思います。
②キャリアアップ・キャリアチェンジの選択肢が多い
サーバーエンジニアは、サーバーの設計・構築・運用・保守と一連のすべての業務を担当します。そのため、サーバーに関する知識はもちろん、ネットワークやデータベース、セキュリティに関する知識やスキルも求められます。
業務を担当する中で、幅広い知識とスキルの習得ができるサーバーエンジニアは、キャリアアップ・キャリアチェンジの選択肢が多いのも魅力の一つです。
③経験を積めばフリーランスの選択肢がある
フリーランスのサーバーエンジニアとは、組織に所属せず、主にリモートワークと客先常駐の2つの方法で働くエンジニアを指します。
リモートワークは、自宅やコワーキングスペースなど、自分の好きな場所で自由に仕事をする働き方です。サーバーエンジニアも、クラウドサービスの利用や遠隔でサーバーにログインして作業をおこなうだけであれば、リモートワークが可能です。
客先常駐は、顧客先に出勤する働き方です。サーバーを物理的にメンテナンスする必要がある場合など、顧客の会社やデータセンターへ出勤して業務をおこなうケースがあります。
将来的に自由な働き方を求める人には、サーバーエンジニアとしてキャリアを積むことが有効です。
④収入アップが期待できる
サーバーエンジニアは将来性が高いうえ、その専門性の高さから、あらゆる収入アップの方法があります。
収入アップの方法
- サーバーエンジニアに有利な資格・スキルを取得する
- サーバーエンジニア以外の業務に有利なスキルを身につける
- より良い企業への転職やフリーランスへの道を考える
以上のように、自分の努力次第で収入アップが期待できるのは、サーバーエンジニアの大きな魅力です。
⑤未経験でもチャレンジできる
企業にとって、ITシステムの構築や運用を担当するエンジニアは必要不可欠な存在です。一方でIT関連技術者の人材不足が問題なのも事実です。
特に、OSを含むミドルウェアや各種機器の取り扱いができるサーバーエンジニアは、専門性が高く需要が多い人材です。
人材不足解消のため、案件をこなしながら知識と技術を身につける方法で、サーバーエンジニアの育成に力を入れている会社も多くあります。
未経験でも、業務をこなしながら専門的な知識と技術を身につけ、スキルを磨くことができるのは大きな魅力です。
未経験からエンジニアに転職するための職種など、詳しく知りたい人はこちらの記事を確認してください。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
- 未経験でも就職できると言いますが、本当に可能なのでしょうか……?
サーバーエンジニアは未経験者でも就職できる
ここまでに説明されている内容で、すでに難しいと感じた学生にとっては、本当に未経験でも就職できるのかと不安になりますよね。たしかに、経験者を求める企業もありますが、新卒採用であれば未経験でも就職することができますよ。
サーバーに特化した経験をしている理系学生が少ないため、企業は教育をする前提で採用をすることが多いです。未経験者の採用は一握りではないので安心してくださいね。
サーバーエンジニアに求められる技術スキル
サーバーエンジニアに求められる技術スキル
- サーバーOSを扱うスキル
- サーバー運用スキル
- サーバー保守スキル
- サーバー設計スキル
- サーバー構築スキル
- クラウドサーバーを扱うスキル
サーバーエンジニアは、業務内容が多岐に渡ることから、必要な技術スキルも多くあります。上流工程(設計・構築)を担当するサーバーエンジニアと下流工程(運用・保守)を担当するサーバーエンジニアとでは、求められるスキルが異なることも理解しておきましょう。
それぞれの工程によって求められるスキルについて詳しく説明します。
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①サーバーOSを扱うスキル
サーバーエンジニアが、サーバーの構築や運用の際に使用するのがサーバーOSです。サーバーには、アプリケーションサーバーやメールサーバーなどさまざまな種類がありますが、そのOSは、WindpwsServer、Linux、Unixのいずれかです。
企業や現場によって、どのOSを扱うかは異なりますが、サーバーエンジニアにとって、サーバーOSを扱うスキルは必要不可欠です。
ただし、すべてのサーバーOSのスキル習得が必要というわけではありません。企業や案件に合わせたサーバーOSのスキルを身につけましょう。
②サーバー運用スキル
サーバーエンジニアは、サーバーの起動停止やバックアップ業務、サーバーのメモリやCPUの状況監視、障害発生時の対応などのサーバー運用スキルが求められます。
サーバーの監視はツールを使用することが多く、監視ツールに設定された値を超えると運用担当者にアラートが発信される仕組みになっています。
運用担当者は、アラートの内容からサーバーの状況を確認し、どのような処理が必要かを選択します。多くの場合、運用マニュアルが用意されているので、基本的にはマニュアルに沿った対応をおこないます。
③サーバー保守スキル
サーバーエンジニアは、サーバーを継続的・安定的に利用できるようメンテナンスするサーバー保守業務を担います。
具体的には、OSやミドルウェアのアップデート、サーバーライセンスの更新、老朽化した機器の入れ替えなどをおこないます。サーバー運用同様、基本的にはマニュアルに沿った運用をおこなうケースがほとんどです。
サーバーの運用・保守は、若手のサーバーエンジニアが最初に任される仕事です。監視の設定は専用のツールを使っておこなうので、サーバー運用や保守の際に監視すべき項目や方法を知っておく必要があります。
④サーバー設計スキル
サーバー設計スキルとは、主に以下のものについて設計・選択するスキルのことです。
サーバー設計で必要なもの
- サーバーのOS
- サーバーの構築(アプリケーションサーバーやデータベースサーバーなど、構築するシステムに必要なサーバー台数や組み合わせ)
- サーバーのスペック(ハードディスク容量、メモリ容量、CPUなど)
- セキュリティ対策
- サーバー負荷分散(顧客からのアクセス要求処理のため、Webサイトなどのアプリケーションにかかる負荷を複数のサーバーに分散させること)の方法
- サーバーの冗長化(サーバーやネットワークなどの機器故障や突発的なアクセス集中による負荷急増に備えて、必要な設備よりも多めに予備設備を準備しておくこと)の方法
サーバー設計は、構築工程を実務で経験してきたサーバーエンジニアが担当する業務のため、初級のサーバーエンジニアにとって必須の知識ではありません。
しかし、サーバーエンジニアとしてキャリアアップを目指していくには欠かせない知識といえます。
⑤サーバー構築スキル
サーバー構築スキルとは、設計書に従ってサーバーを構築するスキルです。サーバーOSの設定だけでなく、データベースソフトやセキュリティソフトといったミドルウェアなどのソフトウェアをインストールし、設定する業務も含まれます。
サーバー構築の業務内容は幅広く、中には機能や用途に合わせた独自サーバーを構築するケースもあるため、それぞれの場面で対応できるサーバー構築スキルが求められます。
⑥クラウドサーバーを扱うスキル
自社でサーバーを保有せず、クラウドサービス上にアクセスして、サービスを機能させるクラウドサーバーが主流になりつつある昨今、クラウドサービスを構築するスキルは非常に役立つスキルです。
AWSやMicrosoft Azureなどの代表的なクラウドサーバーを扱えるエンジニアは高いニーズがあるので、身につけておいて損はありません。
特に重要なのは、クラウドを扱うスキルです。自社でサーバーを所有するオンプレミスからクラウドへ移行する企業は今後も増えていきます。クラウドへの移行や、クラウドサービスを用いてシステムを実装できる能力は必須と言えるでしょう。
サーバーエンジニアに求められるヒューマンスキル
サーバーエンジニアは専門性が高い仕事が多いため、技術面でのスキルを求められることはもちろんですが、仕事の特徴に応じたヒューマンスキルも求められます。
顧客やチームメンバーと良好なコミュニケーションを図りながら、顧客の要望に応じた正確性の高いサービスを提供することが重要です。
サーバーエンジニアとして活躍するためにも、必要なヒューマンスキルを理解しておきましょう。
IT知識はもちろん重要ですが、就活や入社後の仕事においては、ヒューマンスキルも重要です。
仕事は一人では成り立ちませんし、人は人間関係の中で成長していきます。そのため、ヒューマンスキルの質というのは、仕事や成長に大きく影響するのです。
①綿密な計画力
サーバーエンジニアにとって、サーバーの設計は重要な業務の一つです。細かな基本設定に併せて、障害発生時の対応も考慮して設計しなければなりません。
サーバーは基本的に24時間稼働しており、予告なしに停止することは許されません。トラブルが発生した際の迅速な対応はもちろん、サービス全体に影響が出ないよう、障害への耐性や安全性も視野に入れた綿密な計画力が求められます。
計画力に自信がある人は、選考で積極的にアピールしましょう。計画性を自己PRする方法はこちらの記事で解説しています。
例文10選|企業に刺さる「計画性」の自己PRは3ステップで完成!
②コミュニケーション能力
エンジニアの仕事は、機械を相手に黙々と作業するイメージがありますが、実際は顧客やチームメンバーと良好かつ適切なコミュニケーションを取ることが非常に大切です。
就職・転職活動でサーバーエンジニアに応募して不合格になる理由の一つに、コミュニケーション能力不足があるといわれています。
高いコミュニケーション能力があれば、プロジェクトの推進ができるサーバーエンジニアへのキャリアアップにも有効です。顧客やチームメンバーの要求を理解しながら、適切な情報共有と指示ができる人材として重宝されるでしょう。
具体例を挙げると、トラブルシューティング時にコミュニケーション能力が必要です。
システムに障害が発生した際には、問題を的確に把握し、適切な対応をおこなうための情報を、他のチームメンバーや関係者とやり取りして解決することが求められます。
③正確性を貫く能力
綿密な計画のもと作られた設計図を、いかに正確に構築するかも重要な仕事です。ほかの職種では修正可能な小さなミスも、サーバーエンジニアの場合は許されません。
ミスをしていなくても、外的要因でサーバーにトラブルが発生することもあります。トラブル発生時に、速やかに原因を見つけて迅速な復旧に当たるためにも、前段階での正確な仕事が非常に重要になります。
工程の多いサーバーエンジニアの仕事において、自分が担当する業務で正確性を貫く力は必要不可欠です。
④問題解決力
サーバー保守・運用の業務の中で、サーバー機器の故障や障害などのトラブルに遭遇することがあります。場合によっては、一刻も早くサービスを復旧しなければ、ユーザーにとって大きな損害になることもあります。
サーバーエンジニアにとって、いかに迅速に問題を解決し、サービスを復旧できるかは非常に重要な課題です。
一方の考え方に偏らず、広い視野と柔軟な発想力をもって問題を解決する力は、サーバーエンジニアに求められるスキルの一つです。
選考での問題解決能力のアピール方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
自己PR例文付き|問題解決能力を鍛えるコツと就活でのアピール方法
⑤情報収集能力
IT業界は日々進化し続けており、新しい技術が生まれるサイクルが非常に早いのが特徴です。これまで主流となっていた技術が廃れ、新しい技術が主流となることも多くあります。
サーバーエンジニアとして活躍するには、常に新しい情報に目を向け、時代の変遷に合わせた知識やスキルをキャッチアップする力が求められます。
高い情報収集能力と向上心を持って、自ら新しいことを学び続ける姿勢は、サーバーエンジニアとして活躍するために重要です。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るサーバーエンジニアは特に綿密な計画力が求められる
学生によっては、ここまで解説した5つのヒューマンスキルすべてを習得することにハードルの高さを感じているかもしれません。そのような学生は、綿密な計画力が特に求められることを覚えておきましょう。
エンジニアがプロジェクトを成功させるかどうかは、要件定義と言われる計画段階で決まっていると言われています。この要件で漏れなく実現可能な内容になっていないと、プロジェクトが進んだ後に頓挫してしまうこともあります。そして、プロジェクトによっては年単位のものもあるため、綿密な計画力が求められるのです。
自分自身のスケジュール管理から徹底して計画力を身につけよう
たとえば、計画段階でサーバー容量を見誤ってしまい、開発が終わった後のテストで容量が足りないことに気がついたとします。すると、今までの開発をすべてやり直さなければならないケースもあります。
このように、求められる質のサービスを予算内でスケジュール通りに開発するためには、綿密な計画力が求められているのです。まずは自分自身のスケジュール管理から徹底して、計画力を身につけることがおすすめですよ。
サーバーエンジニアに求められる知識
サーバーエンジニアに求められる知識
- IT全般に関する知識
- コンピュータアーキテクトに関する知識
- セキュリティに関する知識
- 仮想化技術に関する知識
- クラウド技術に関する知識
- コンテナ技術に関する知識
専門性の高いサーバーエンジニアになるためには、実務の前に押さえておきたい知識があります。幅広い業務を担当するため、事前に求められる知識を理解しておきましょう。
①IT全般に関する知識
サーバーエンジニアにかかわらず、エンジニアとして仕事をする以上、基本的なITの知識は必要不可欠です。コンピューターの操作やインターネットを利用する際の基本的なルールなどはいうまでもありません。
サーバーやネットワーク、OSやクラウドなどのIT知識を身に付けておくと就活時に役立ちます。
②コンピュータアーキテクトに関する知識
サーバーの構築業務や保守業務をおこなううえで、コンピュータがどのような仕組みで動いているかを理解する必要があります。
コンピュータの構造(アーキテクチャ)は、サーバーエンジニアにとっての基礎知識です。継続して安定的に稼働できるサーバーを設計するためにも、しっかりと理解しておくべき分野です。
③セキュリティに関する知識
サーバーがサーバー攻撃を受けてデータが流出した場合、ユーザーや企業に大きな打撃を与えることはいうまでもありません。サーバーエンジニアにとって、セキュリティ知識は必要不可欠といえます。
攻撃を未然に防ぐためにも、綿密な設計図とそれに沿った正確な構築作業が求められます。サーバー攻撃は年々高度化されているので、サーバー・ネットワーク・アプリケーションなどシステム全体におけるセキュリティの知識が必要です。
④クラウド技術に関する知識
オンプレミスからクラウド環境の利用の加速により、現状の物理サーバーでの環境構築に加えて、クラウドを利用したサーバー環境の構築ができるスキルが必要になります。
AWSやAzureなどの代表的なクラウドサービスの主要な機能を理解しておきましょう。具体的には、IPアドレスの設定、サーバーの立ち上げ、監視設定、バックアップ設定などが挙げられます。
クラウド技術に関する知識を深めておくことは、これからのサーバーエンジニアにとって非常に大切なことです。
⑤仮想化技術に関する知識
近頃よく耳にするようになったサーバーの仮想化。サーバーの仮想化とは、1台の物理サーバー上に複数のサーバーを集約することで、コスト削減やスペース確保が見込まれる技術です。
仮想サーバーは冗長化構成が簡単にできるため、障害時に強いという特徴があります。遠隔地など複数の拠点間の仮想サーバーにデータをバックアップすれば、災害などで深刻なハードウェア障害が起きたケースでも、すぐに業務が再会できるメリットがあります。
一方で、仮想化技術に関する知識が乏しければ、サーバーリソース配分やセキュリティ対策に支障をきたす恐れもあります。そのため、仮想化技術に関する正しい知識が必要です。
⑥コンテナ技術に関する知識
仮想化と混同しやすい技術としてコンテナ技術が挙げられます。コンテナ技術とは、1つの共有されたOS上で複数の独立したアプリケーションの実行環境を作成する技術です。
仮想化とコンテナ化は、ハードウェアのリソースを使って仮想的な環境を作成する点では同じです。一方でOS環境の違いなどから、コンテナ化の方が使用容量やサーバー負荷を節約できるなどの違いがあります。
コンテナ化は複数のコンテナが特定のOS上で動作するため、大元のOSに不具合が生じた場合はすべてのコンテナに影響が出る恐れもあります。
セキュリティ面においても、コンテナ技術の知識は必要であるといえます。
コンテナ技術と仮想化技術では性能が違います。コンテナは、共有OSを使用してアプリケーションを隔離するため、仮想マシンよりも軽量で、起動が速く、少ないメモリ量で動作します。コンテナのイメージを別のサーバーに配置して実行することもできます。
サーバーエンジニアとして働く際に活かせる資格
サーバーエンジニアとして働く際に活かせる資格
- ITパスポート
- MCP
- LPIC
- LinuC
- CCNA
- CCNP
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- ITIL
サーバーエンジニアの技量を示す一つの指針として「資格」があります。資格は一定のスキルを身につけている証になると同時に、勉強で得た知識が実務の中で役立つことはいうまでもありません。
この章では、サーバーエンジニアにとって有益な資格を9つ紹介します。どの資格を取得するべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 履歴書に書けるような資格が何もないのですが、選考を受けるまでに何か一つはとるべきですか?
取得しなくても良いが資格学習をしておくことがおすすめ
専門的なサーバーエンジニアに就職するためには、資格があった方が良いのではと不安になりますよね。
しかし、新卒採用であれば人物像やポテンシャルで採用活動がおこなわれることが多いため、資格がなくても就職できる可能性はありますよ。
より熱意をアピールするためには、資格学習をしておくことがおすすめです。学習をしておくと説明会や面接で専門的な話を理解できたり、サーバーエンジニアに対する志望度の高さがアピールできたりするため、高評価につながります。
①ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明する国家資格で、12種類ある情報処理技術者試験の中ではレベル1、つまり入門レベルです。
インターネットがあらゆる分野で浸透している現代において、ITに関する知識はどの業界でも必要になります。
ITパスポートなどのITに関する資格は、エンジニア職にとって一番難易度が低く、取得しやすい資格といえます。
ITパスポートの基礎知識
主催団体:IPA独立行政法人 情報処理推進機構
資格種類:国家資格
試験形式:マークシート式
試験日:約月2回
受検費:7,500円
目安勉強時間:約100時間
合格率:50%前後
ITパスポートは情報処理の基礎知識なので、エンジニア以外のどんな業界や職種にも活かせる資格です。特に文系の職種、たとえば事務や経理などで保有していると、その有用性をよりアピールできると思います。
ITパスポートを取得するメリットはこちらの記事でさらに詳しく解説しているので、興味のある人は併せてチェックしましょう。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説
②基本情報技術者
基本情報技術者試験は、ITパスポートより一段階レベルの高いIT技術者向けの資格です。顧客の課題に対して戦略立案やシステムの設計開発、保守・運用の知識や技術が問われます。
具体的な出題カテゴリーは、テクノロジー系、マネジメント系、ストラテジー系、情報セキュリティ系と幅広く、データ管理や処理において、作業の効率化をはかる技術を取得している証明になります。
基本情報技術者の基礎知識
主催団体:情報処理推進機構
資格種類:国家資格
試験形式:マークシート式
試験日:年2回
受検費:7,500円
目安勉強時間:約150~300時間
合格率:22~27%前後
③応用情報技術者
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験より一段階レベルの高い資格で、ITエンジニアとしてレベルアップを図るのにおすすめです。技術から管理、経営など幅広い知識と応用力が身につき、IT基盤構築などの面で高いパフォーマンスを発揮できる人材として活躍できます。
応用技術者試験に受検資格はありませんが、基本技術者試験と出題範囲が似ているので、基本情報技術者に合格してから、次のステップとして挑戦する人が多いようです。
応用情報技術者の基礎知識
主催団体:情報処理推進機構
資格種類:国家資格
試験形式:記述式、マークシート式
試験日:年2回
受検費:7,500円
目安勉強時間:約150~300時間
合格率:20%前後
④LPIC(Linux技術者認定)
Linux技術者認定は、Linuxサーバー系の資格であり、未経験者でも勉強しやすく、取得する人が多い資格です。
サーバーエンジニアとして最もニーズが高いといわれているLinuxの知識を身につけられます。
LPICは、Linux技術者認定のうち、数多くの国で実施されており、世界で認められている資格です。
レベル1からレベル3までの3段階があり、レベル1の認定を受けてから上位レベルへと段階を進めていく形になります。
LPICの基礎知識
主催団体:NPO法人 The Linux Professional Institute
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:1試験あたり15,000円(認定を受けるのに2試験必要な場合は30,000円)
目安勉強時間:約100〜200時間(レベル1の場合)
合格率:50%前後(レベル1の場合)
⑤LinuC(Linux技術者認定)
LinuCは、Linux技術者認定のうち、日本市場向けに最適化して作られた資格です。試験問題の翻訳が複雑な点や、過去に海外の違法業者によりLPICの試験情報が漏洩した問題をうけ、LPI-Japanが運営・管理する試験が提供されるようになりました。
クラウドや仮想化に対する知識など、時代の流れに適した必要な要素が出題範囲に組み込まれており、Linuxの取得がクラウド時代に求められるスキルの証明になります。
LPIC同様、レベル1からレベル3までの3段階があり、レベル1の認定を受けてから上位レベルへと段階を進めていく形になります。
LinuCの基礎知識
主催団体:NPO法人 LPI-Japan
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:1試験あたり16,500円(認定を受けるのに2試験必要な場合は33,000円)
目安勉強時間:約200時間(レベル1の場合)
合格率:50%前後(レベル1の場合)
⑥MCP
MCPはマイクロソフト認定資格で、アメリカをはじめとして世界150カ国以上で試験がおこなわれています。マイクロソフト認定資格は、世界共通資格の一つです。
Windowsサーバーにかかわる知識や技術が問われる試験で、各製品やバージョン、フェーズごとに試験が異なります。細かく分類されているため、自身のサーバーエンジニアとしての技能やキャリアに最適なものを組み合わせて取得することも可能です。
MCPの基礎知識
主催団体:マイクロソフト社
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:初級は12,500円、中級・上級は21,102円
目安勉強時間:約160時間
合格率:非公開
⑦CCNA
CCNAは、コンピュータネットワーク機器の大手シスコシステムズによる認定資格の一種で、ネットワーク関連の入門資格といわれています。
サーバーエンジニアは、ネットワークに関する知識も求められるので、非常に役立つ資格といえます。CCNAの取得は、ネットワークに関する最低限の知識やスキルを有していることの証明になります。
CCNAの基礎知識
主催団体:シスコシステムズ
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:36,960円
目安勉強時間:約180〜200時間
合格率:20〜30%前後
CCNAの試験の詳細はこちらの記事で詳しく解説しているので、興味のある人は併せてチェックしましょう。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
⑧CCNP
CCNPは、CCNAの上位資格として位置付けられており、大規模ネットワークの導入・運用・保守などをおこなう技術を有することが証明される資格です。
CCNPの試験コースはセキュリティ分野やデータセンター分野など7種類に分類されており、興味のある分野に特化して試験コースを選んで受検することができます。
受検するコースによって認定される資格も異なり、どのコースも複数の科目に合格する必要があります。1科目に合格してから3年の間にすべての科目に合格すれば、CCNPの資格として認定されます。
2020年に改定がおこなわれ、以前のような受検の条件がなくなりましたが、公式では「3年から5年の実装経験を持つこと」を推奨しています。
CCNPの基礎知識
主催団体:シスコシステムズ
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:68,970円
目安勉強時間:約300〜400時間
合格率:10〜20%前後
⑨ITIL
ITILとは、ITサービスマネジメントの成功事例を体系化し、ITシステムのライフサイクルマネジメントを示したガイドラインです。ITサービスマネジメントの世界的な業界標準として普及しています。
2019年に最新版となるITIL4がリリースされ、この理解度を問うための資格に合格すると、英国のAXELOSという組織によって認定されます。
ビジネス部門向けの内容ですが、ITサービスマネジメントの知識が身につくため、サーバーエンジニアにとっても押さえておきたい資格です。
ITILの基礎知識
主催団体:AXELOS
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:随時
受検費:48,279円
目安勉強時間:約20〜40時間
合格率:50〜60%前後
- これらの資格を持っていると、実際に就活で有利になることはあるのでしょうか?
資格があると就活で有利になるが内定に直結するわけではない
資格の勉強をしたとしても、就活に有利にならないのでは勉強するモチベーションが上がらないですよね。結論からお伝えすると、資格を持っていることで選考で有利になることはあります。
ただし、資格を持っていても企業が求める経験やスキルがないと選考落ちになってしまうこともあります。資格を取ることで有利になることはありますが、資格取得が条件になっていない限り、内定獲得に直結することはありません。
企業が何を求めているのかをきちんと把握して、資格取得するかどうかを判断しましょう。
エンジニアとして取得しておくべき資格は非常にたくさんあります。資格について詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
事前に確認! サーバーエンジニアがキツイと言われる理由
サーバーエンジニアの主な仕事は、顧客が要求するシステムのサーバー設計・構築・保守・運用まで幅広く担当します。扱うサーバーの種類も多く、決して楽な仕事ではありません。
サーバーエンジニアがキツイと言われる理由
- 急なトラブル対応に追われることがあるから
- 夜勤によるサーバー監視が必要だから
- 不定休の勤務が多いから
- IT知識のアップデートが常に求められるから
- プレッシャーがかかる仕事だから
上記の理由から、サーバーエンジニアは「きつい」「やめとけ」といわれることもあります。サーバーエンジニアになる前に、大変な部分も知っておくことは、長く続けるために大切なことでもあります。
仕事選びにおいて、そのマイナス面を知っておくことは重要です。
どんな仕事にも、自分にとってプラス面もあればマイナス面もあります。やってみてはじめて後悔するのと、知ったうえでやってみるのでは、仕事に対する主体性の気持ちに違いが出てきます。
辛いことがあっても前向きに頑張れるかどうか、事前に確認しておくことがとても重要なのです。
急なトラブル対応に追われることがあるから
サーバーは基本的に24時間365日稼働し続けます。そのため、サーバーの不具合やトラブルは、いつ発生するのか予測がつきません。
夜間や休日などにトラブル対応に追われることもあるため、場合によってはプライベートが確保しづらく、生活リズムを崩しやすい面もあるといえます。
夜勤によるサーバー監視が必要だから
サーバーエンジニアの業務の中で特にきついといわれているのが監視業務です。急なシステムトラブルに備えて、常にサーバーを監視する必要があり、当然夜勤もあります。
監視業務は他会社の専用のオペレーターに業務を任せることもありますが、場合によってはサーバーエンジニアが担うこともあります。
障害が起きなければほぼ仕事がなく、逆に障害が発生すれば迅速に対応しなければならないため、大変な業務といえます。
不定休の勤務が多いから
サーバーエンジニアの仕事で、特に監視や障害対応担当の人は不定休の場合があります。また、システムリリース直後などで障害が頻発する時期には、障害対応のため休みの予定を立てにくいこともあります。
カレンダー通りに休みたい人にとってはきついと感じるかもしれません。一方で、障害が発生しなければ、ある程度まとまった休みの取得は可能です。
IT知識のアップデートが常に求められるから
ITを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、常に知識のアップデートが必要です。これはサーバーエンジニアに限らずITエンジニア全般にいえることです。
近年はクラウド環境の利用化が進み、AWSといったクラウドサービスが登場したことで、社内の業務の一部を外部に委託する企業も増加しています。
今後サーバーエンジニアは、クラウドサービスなどの新しいスキルと知識のアップデートを常に求められます。
プレッシャーがかかる仕事だから
多くの従業員が関係する社内システムや、多くのユーザーが利用するサービスにかかわるサーバーに不具合が起こると、その影響は甚大です。場合によっては、ユーザーからの信頼を失うこともあるので、サーバーエンジニアには非常に大きな責任が発生します。
障害発生時には、迅速な復旧作業が求められ、そのプレッシャーがストレスになることもあるでしょう。
特に急なトラブル対応に追われることは、サーバーエンジニアがきついと言われる理由です。
サーバーは常に安定稼働していることが求められるため、深夜に対応が必要になることや、外出中に対応が求められることもあります。
サーバーエンジニアがやりがいを感じる瞬間3選
サーバーエンジニアがやりがいを感じる瞬間3選
- システムが完成したとき
- 構築したサーバーが正確に動いたとき
- 予期せぬトラブルを未然に防げるシステムを構築できたとき
サーバーエンジニアは、大変な面が多い分、やりがいを感じる瞬間もあります。サーバーエンジニアがやりがいを感じる瞬間3選を紹介します。
①システムが完成したとき
サーバーの設計や構築には多くの工程があります。設計の段階だけでもコストの比較や容量の検討など、さまざまな項目を検討しなければなりません。構築段階でも、配線やラッキングなどの物理的作業を要します。
非常に多くの工程を経てシステムが完成した瞬間は、サーバーエンジニアにとっての大きなやりがいにつながります。
②構築したサーバーが正確に動いたとき
サーバーエンジニアは、サーバー稼働までに多くの段階を要します。膨大な時間と労力をかけた分、自分が構築したサーバーがスムーズに情報処理をおこなっているのを確認した時は大きな達成感と喜びを感じられます。
③予期せぬトラブルを未然に防げるシステムを構築できたとき
サーバーエンジニアは、あらゆるトラブルを想定してサーバーを設計します。ユーザーが爆発的に伸びて高負荷になる場合に、サーバーダウンやページ表示速度が遅くなることを予測して設計をするなど、常に良質なサービスを提供しなければなりません。
また、サーバーによっては予期せぬトラブルが発生することもあります。想定されるトラブルを未然に防ぐことはもちろん、あらゆる想定と柔軟な発想力をもって良質なシステムを構築することは、サーバーエンジニアの醍醐味であり、やりがいでもあります。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るスキルを発揮できる点や社会的責任がやりがいにつながる
サーバーエンジニアの仕事は技術的なスキルと知識が必要であり、それらを活かして課題を解決した時には、大きなやりがいを感じられます。
たとえば、パフォーマンスチューニングです。サーバーシステムの動作を最適化することで、ユーザー体験を向上させたり、システムの拡張性を高めたりすることが可能です。一見単純な作業に見えるかもしれませんが、その裏には深い理解と緻密な計算が必要とされ、それを達成した時は大きな充実感を得られます。
また、システムのセキュリティ面でもやりがいを感じることがあります。情報セキュリティは現代のIT社会において非常に重要なテーマです。だからこそサーバーエンジニアとしてシステムを安全に保つ責任は大きく、やりがいにつながります。
新しい技術を学ぶワクワク感も醍醐味
さらに、新しい技術を学び、それを使ってシステムを改善したり、新たなシステムを構築したりすることもやりがいを感じる瞬間です。
常に進化し続けるIT業界では、新しい技術やツールを自ら学び、それを現場で活用することが求められます。新しい技術を手にした時のワクワク感、それを使って問題を解決した時の喜びは、サーバーエンジニアの大きなやりがいとなります。
サーバーエンジニアに向いている人
サーバーエンジニアは、専門性が高く、トラブル発生にも対応しなければならないため、決して簡単な仕事ではありません。仕事の内容や特徴から、向いている人、そうでない人がいます。
サーバーエンジニアに向いている人
- PCなどのメカニックなものが好きな人
- 職人気質で完璧主義な人
- 柔軟な思考力と責任感がある人
上記に当てはまる人はサーバーエンジニアに向いているといわれています。サーバーエンジニアを目指すにあたって、自分自身の性格と照らし合わせながら参考にしてみてください。
PCなどのメカニックなものが好きな人
サーバーエンジニアに最も向いているとされるのが、「PCいじりが好きな人」です。サーバーエンジニアの仕事は、PCを自作することと似ていると言われています。
日常的にPCに触れ、ソフト・ハードにかかわらず各種設定をおこなうほか、構築段階では実際に配線やラッキングなど物理的作業もおこないます。
PCを取り扱うことが好きで、新しい機器や技術はとにかく試してみたい、という探究心のある人は、サーバーエンジニアに向いているといえます。
職人気質で完璧主義な人
サーバーエンジニアは、趣味でPCを組み立てるのとは異なり、綿密な計画性と正確性が必須の仕事です。実際の現場において、細かく設定した設計図に基づき、小さなミスも見逃さずにシステムの構築やエラー処理にあたらなければなりません。
仕事に対して真摯に取り組み、忍耐を持って完璧に計画をやり遂げる職人気質の人は、周囲からも信頼されるサーバーエンジニアに成長できるはずです。
職人気質と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人が多いと思います。以下の記事では職人気質な人が仕事で活かせる強みをまとめているので参考にしてみてください。
職人気質とは|仕事に活かせる強みとタイプ別のおすすめ職種14選!
柔軟な思考力と責任感がある人
サーバーエンジニアは、トラブル発生時に迅速に原因を解明する能力が求められます。どんな場合においても、冷静に現状把握に努め、責任感を持ってエラー処理にあたらなければなりません。
業務で処理する不具合の中には、予測ができないエラーが発生することもあります。一つの考え方に縛られず、柔軟な思考力を持って原因究明と問題解決に当たることができる人は、サーバーエンジニアに向いているといえます。
柔軟性や責任感を強みに持つ人は、選考で積極的にアピールしましょう。詳しいアピール方法はこちらの記事で解説しています。
柔軟性
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
責任感
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見るサーバーエンジニアの適性は「正確性」「協調性」「忍耐力」からチェックしよう
サーバーエンジニアはしっかりした土台を作りあげる仕事です。そのため、正確性、協調性、忍耐力を持っていることが、仕事への適性としてとても重要な要素になってくると思います。
正確性
正確性とは、一つひとつの作業をきちんと誤りなく積み上げていくことです。レンガをひとつずつズレなく積み上げていくようなイメージですね。
そのためには、正確な情報にもとづき、きちんと確認をとりながら作業をおこなっていく慎重さも必要です。土台がズレてしまうと、その上に構築されるものへの影響が大きくなってしまいます。
協調性
協調性とは、関連する人たちとのコミュニケーションを密にスムーズにとれることです。サーバーはシステムの土台になるので、システム上のすべての要素に関連してきます。
思い込みやすれ違いによって、関連するインターフェースがうまく動作しないということにもなりやすいので、しっかりしたコミュニケーションがとれることは、とても重要な要素になってきます。
忍耐力
忍耐力とは、正確性や協調性をいつでも安定して発揮するために、トラブルなどの過酷な状況においても、その適性をしっかり維持していける力です。
これは経験によって培われていく部分も大きいですが、そこにやりがいや責任感を感じることのできる価値観が備わっていると、より適性があるといえるのではないかと思います。
未経験からサーバーエンジニアを目指す方法
サーバーエンジニアは、専門性の高い職種ですが、未経験でも目指すことができます。未経験で目指すには、以下の準備項目があります。
未経験からサーバーエンジニアを目指す方法
- IT全般の知識を磨く
- サーバーOSのスキルを取得する
- 資格取得をする
- 運用・保守業務からスタートする
それぞれの内容について、詳しく説明します。
IT全般の知識を磨く
現代社会においてなくてはならない存在であるITに関する知識は、サーバーエンジニアにかかわらず、どの企業、どの職種においても必要不可欠です。
日常生活に浸透しているスマホやパソコンに関する基礎知識はもちろん、ハードウェアやソフトウェア、セキュリティに関する知識を身につけておくことが必要です。
- ITの知識を磨くために、まず何から始めればいいのでしょうか?
ITパスポートでITの知識を身に付けよう
まずは、ITについて学習するところからスタートすると良いでしょう。
学習はゴールがないと頑張れないので、国家試験であるITパスポート試験を目指すのがおすすめです。ITに関する基礎的な知識が求められる試験なので、学習を通してITの知識が身に付きます。
次に、そこからプログラミングを学習していくと良いでしょう。オススメのプログラム言語はPythonです。文法が簡単で入門者も簡単に始めることができます。
家にパソコンがあれば、プログラムを作成・実行するためのツールは無料でダウンロード・利用が可能です。学習についても、無料で学べるオンラインの教材もあるので、すぐに学び始めることができます。
サーバーOSのスキルを取得する
サーバーエンジニアに必要な知識として一番優先度が高いといわれている内容は、WindowsやLinux(Unix)といった「サーバーOS」に関する知識です。
特にLinuxは、仕事で使う頻度や市場からの評価も高く、一番勉強しやすいとされています。パソコンがあれば無料でサーバー構築ができるので、サーバーOSのスキルを取得するには最も手軽で簡単です。
Linux技術者認定試験(LinuC)の資格を提供しているLPI-Japanから「Linux標準教科書」を無料ダウンロードします。それを見ながら、実際に手を動かして構築作業を体験することで、スキル取得につなげることができます。
資格取得をする
サーバーエンジニアになるために必須の資格はありませんが、サーバーエンジニアは開発系のエンジニアに比べて資格が重要視される傾向が強いといわれています。
サーバーエンジニアに有利な資格
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- LPICまたはLinuC
- MCP
- CCNA
- ITIL
上記は汎用性の高い資格なうえ、未経験でも挑戦しやすい資格となっています。サーバーエンジニアとして必要な知識を身につけるためにも、資格取得は有効な手段といえます。
エンジニアを目指す人におすすめの資格はこちらの記事で詳しく解説しています。
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
未経験からエンジニアになりたい人向けのスクールもあります。詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
おすすめのエンジニアスクール14選|失敗しない選び方の秘訣も紹介
運用・保守業務からスタートする
サーバーエンジニアの仕事は、上流工程(設計・構築)を担当する人と、下流工程(運用・保守)を担当する人に分かれており、それぞれ求められるスキルが異なります。
中でも下流工程の業務は、実際の仕事を通じて上司や先輩から指導を受けながら知識や技術を身につけることができるほか、多くはマニュアルに沿ったやり方で対応が可能です。
未経験からサーバーエンジニアを目指すには、まずは運用・保守業務からスタートすることが必須です。
サーバーエンジニアに必要なスキルを理解して求められる人材になろう!
サーバーエンジニアは、専門性の高さと幅広い業務内容が求められます。一方で未経験でもチャレンジできるのが大きな特徴です。
DX推進にともない、今後も継続して需要が存在し続けるサーバーエンジニアは、将来性の高い職種です。
サーバーエンジニアを取り巻く環境や求められるスキルの変化に注目し、これからの時代に活躍できるサーバーエンジニアを目指してくださいね。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るサーバーエンジニアは社会貢献度の高い仕事
サーバーエンジニアに興味がある学生の中には、専門性の高さややりがいに魅力を感じるものの、障害対応や不定期休みなどを考えると一歩踏み出せないと感じている人もいるかもしれません。たしかに、他のエンジニアに比べると、深夜対応や突然の対応が多く、きついと感じることがあります。
一方で、ITインフラを支える社会貢献性が高いエンジニア職と捉えることもます。そのため、専門性を高めることに加えて、インフラとして社会や企業を支えたいと思っている人におすすめのエンジニア職です。
普段利用しているサービスもサーバーエンジニアがかかわっている
たとえば、私たちが普段使用しているSNSやWebサイトは、サーバーエンジニアが活躍しているおかげで利用することができています。これらのサービスが安定稼働することで、社会に大きな貢献をしていますよね。
また、AWSやAzureなどのクラウド技術を学ぶことで、より多くのサービスを支え、将来性があるエンジニアとして活躍することもできます。
自分がエンジニアとして実現したいことを考えて、納得感のあるキャリアを選択しましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士
Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める
プロフィール詳細