この記事のまとめ
- インフラエンジニアはITシステムの基盤を扱う職種
- 工夫次第で未経験でもインフラエンジニアを目指せる
- インフラエンジニアの実態を理解して選考対策に活かそう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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システムの基盤となるITインフラを構築するインフラエンジニア。インフラエンジニアに興味があっても、普段使うシステムからは見えにくく、仕事内容がわかりづらいため「どのような仕事をしているのだろう?」「インフラエンジニアは自分に向いているのかな?」と悩んでいる人もいるでしょう。
理解が不十分なまま志望してしまうと、選考を突破できないだけでなく、入社後にミスマッチがおきてしまう可能性もあります。納得度の高い就活をするために、インフラエンジニアの実態を正しく理解しましょう。
この記事では、インフラエンジニアの実態や就活に向けた準備方法を、キャリアアドバイザーの木村さん、谷所さん、ITストラテジストの伊沢さんとともに解説していきます。インフラエンジニアに興味を持っている人や、選考を受けようと考えているという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
縁の下の力持ち! インフラエンジニアの仕事は多岐に渡る
IT基盤を構築し、私たちが社会生活を送るうえで重要な役割をはたしているインフラエンジニアですが、実際の仕事内容は見えにくく、イメージしづらい職種です。
インフラエンジニアの仕事や求められているスキルは多岐に渡るため、選考を受けるのであれば、特徴や仕事内容を正しく理解して対策する必要があります。
この記事では、インフラエンジニアの基本情報から仕事内容、魅力や大変なところなどを網羅的に解説します。インフラエンジニアについてしっかり理解し、働く姿をイメージしてみてください。
さらに未経験からインフラエンジニアに挑戦するために必要なスキルや知識、アピールできる資格を解説するので、ぜひ参考にして準備してみてくださいね。
あなたがインフラエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、インフラエンジニアに向いているか確認できます。
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インフラエンジニアとは?
インフラエンジニアとは?
- そもそもインフラとは
- インフラエンジニアの3つの種類
- システムエンジニアとの違い
インフラエンジニアは、エンジニアの中でもサーバーやOS、ネットワークなどのIT基盤を取り扱う職種です。
インフラエンジニアについて正しく理解するために、インフラとは何かや、インフラエンジニアの種類、混同してしまいやすいシステムエンジニアとの違いを解説していきます。
そもそもインフラとは
インフラとは、生活を支える基盤のことです。たとえばガスや水道・電気・道路・線路・電話・公共施設などの、ないと生活が成り立たないものを指します。
IT分野でのインフラは、ITインフラと呼ばれていて、サーバーやPCなどのハードウェア、OSなどのソフトウェア、インターネットやLANなどのネットワークを指します。
インフラエンジニアの3つの種類
インフラエンジニアの種類
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- セキュリティエンジニア
インフラエンジニアは使用する技術や担当領域によって3種類に分けられます。企業によって明確に区分していることもあれば、まとめてインフラ全般を担当していることもあります。
ここからはインフラエンジニアの3つの種類を解説します。それぞれの違いを理解しましょう。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、設置するサーバーの選定や設計、構築、運用、保守などを担います。サーバーにはWebサーバーやメールサーバー、データベースサーバーなどさまざまな種類があります。
サーバーエンジニアはサーバーの知識に加えて、動作するOSやクラウドに関する知識も必要です。
OSとは
オペレーティング・システム(Operating System)であり、コンピューターを動かすためのソフトウェアのこと
クラウドとは
インターネットなどのネットワークを経由して、ユーザーにサービスを提供する形態のこと
サーバー機器の固定やほかの機器とケーブルでつないで配線するなどの、物理的な作業も業務の範囲に含まれます。
サーバーエンジニアで大変なところは障害対応をするときです。障害対応は、サーバーがダウンしたり、パフォーマンスが低下してしまったりした時に必要になります。
障害対応はとてもプレッシャーがかかります。しかし、システム障害の原因を追求して解決策を見つけ、問題を解決したときの達成感がやりがいにつながります。
サーバーエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
サーバーエンジニアはどんな仕事? 将来性や必須スキルを徹底解説!
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの設計、構築、運用、保守などを担うエンジニアです。
快適な通信環境を維持するために、ネットワークシステム構築後も、随時メンテナンスやネットワークの追加などをする必要があります。
ネットワークエンジニアの大変なところも障害対応です。なぜなら、ネットワークがダウンすると、迅速な復旧が求められるからです。
ネットワークを迅速に復旧するのにはとてもプレッシャーがかかります。しかし、ネットワークは企業の運営にとって不可欠なものなので、高品質なネットワークを維持・改善できればやりがいにつながりますよ。
ネットワークエンジニアの詳細はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ネットワークエンジニアの仕事がすべてわかる! 未経験の就職方法も
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、社内ネットワークやシステムを外部のIT攻撃から守るための、情報セキュリティに特化したエンジニアです。
サイバー攻撃やウイルス感染を未然に防ぐための調査や対策、セキュリティ機器やソフトウェアの選定や導入などを担います。
企業の個人情報や機密情報を狙ったサイバー攻撃が増加し、社会全体で情報セキュリティが重要視されています。そのため、セキュリティエンジニアの需要は年々上昇し、注目が集まっています。
サイバーセキュリティの世界では、新たな脅威と攻撃手法が日々登場します。それに対抗するためには、新たな脅威を常に学び、理解し、対策を考える必要があります。
学び続けることが好きな人は、それ自体がやりがいと感じられるかもしれません。
セキュリティエンジニアの仕事内容や就活対策はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
セキュリティエンジニアの魅力とは? 新卒から叶える王道3ステップ
システムエンジニアとの違い
システムエンジニア | インフラエンジニア | |
仕事内容 | ソフトウェアやアプリケーションなどの ITシステム全般を開発する | サーバーやネットワークなどの IT基盤を取り扱う |
一般的には、インフラエンジニアが環境を整え基盤を構築し、システムエンジニアがその基盤の上で動かすシステムを開発・運用する流れで分業が成立しています。
しかし、どちらも仕事内容に幅があるため明確に区別するのが難しく、企業やプロジェクトによって担当範囲が異なります。
システムエンジニアについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
- システムエンジニアとインフラエンジニア、どちらの仕事にも興味があります。どちらかに絞った方が良いですか?
どちらも気になるなら両方エントリーしよう
どちらにも興味があるなら、両方エントリーしておくのがおすすめです。選考が進む中で、それぞれの違いをより深く理解できるようになると、自分が当初イメージしていたのとは異なる印象を持つ可能性があるからです。
また、早い段階でどちらかに絞ってしまうと、あとで「どちらにも真剣に応募したい」または「エントリーしなかった方により興味が湧いてしまった」となったときに、応募できなくなってしまう可能性もあります。
もし両方にエントリーしておくのであれば、それぞれの業務内容や役割、立場の違いについてよく理解し、「自分はどのような点に興味があるのか」を具体的に説明できるようにしておきましょう。
未経験者におすすめのエンジニア職はこちらの記事で解説しています。IT業界のトレンドや勉強しておくべき技術も解説しているので併せて参考にしてみてください。
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説
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インフラエンジニアの基本情報
需要 | 人手不足で高い傾向にある |
就活状況 | 未経験可の求人もある |
年収 | やや高い傾向にある |
将来性 | クラウド化が進んでも仕事は完全にはなくならない |
インフラエンジニアを理解するために、まずは基本情報を押さえましょう。特徴を、需要、就活状況、年収、将来性の4つに分けて解説していきます。
具体的な仕事内容や就活の対策の解説をする前に、全体像を把握しましょう。
需要:人手不足で高い傾向にある
インフラエンジニアの需要は、今後も高いと予測できます。その要因は、インフラエンジニアの仕事内容とITエンジニアの不足にあります。
近年、企業のDX化推進やIoTの普及により、IT業界やITサービスを提供する企業以外にも、さまざまな業界でIT技術が活用されています。IT技術を活用するためには、ITインフラは必須であり、インフラエンジニアはなくてはならない職種といえます。
また、日本ではITエンジニアの不足が問題となっていて、経済産業省のIT 人材需給に関する調査によると、今後の需要拡大次第で、2030年に最大約79万人、最低でも約16万人のIT人材が不足するといわれています。
エンジニアが足りていないということは、インフラエンジニアも不足していることが考えられます。
各業界のDX化の流れにともない、インフラエンジニアの知識は一定の規模以上の一般企業にもいずれ必要とされると考えます。
そのため、インフラエンジニアの活躍の場所は今後ますます広がっていくと推測されます。
就活状況:未経験可の求人もある
専門性が高いため、未経験では難しいと考えている人も多くいますが、未経験求人も多くあり、インフラエンジニアになることは可能です。
未経験でもインフラエンジニアを目指せる理由
- 人手の必要なプロジェクトが多い
- インフラエンジニアを希望する人が少ない
インフラエンジニアがかかわるプロジェクトは、シフトを組んで24時間サーバーを監視しなくてはならないことも多くあり、人手が必要です。アラート検知や、初動対応ができる人材がいるだけでもプロジェクトの負担が軽くなるため、未経験でも受け入れやすい環境といえます。
また、エンジニアを目指す学生の多くが、プログラマーやシステムエンジニアなどの職種を目指すため、最初からインフラエンジニアになろうとする学生が多くありません。そのため、未経験でもインフラエンジニアとしての意欲ある学生を採用し、自社の研修プログラムで育成しようと考えている企業もあります。
一方で、幅広い知識や技術が必要とされている職種のため、ほかのエンジニア職を経験してからキャリアチェンジする人も多いのが現状です。
プログラマーになる方法は必要なスキル、プログラマーに仕事内容についてはこちらで詳しく解説しているので、気になる人は読んでみてください。
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
- インフラエンジニアは、ほかのエンジニア職に比べて就職しやすいのでしょうか?
人手不足のためほかのエンジニア職より就職しやすい
インフラエンジニアは、導入にともなう設計だけでなく監視・ヘルプデスクや運用・保守など仕事の幅が広く、人手を必要とするプロジェクトが多いため、ほかのエンジニア職より就職しやすいでしょう。
人手が不足しているので、研修やサポート体制を整えて意欲のある学生を積極的に採用している企業もあります。
一方ネットワークやサーバー、データベース、セキュリティ、クラウドなど幅広い知識が必要になる仕事なので、業界研究や関連する知識を習得するなど、しっかり準備をして臨みましょう。
年収:やや高い傾向にある
求人ボックス給料ナビのインフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料によると、2024年3月に求人ボックス上で掲載されていた求人情報から算出したインフラエンジニアの平均年収は約520万円です。
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は458万円のため、インフラエンジニアの給与は高い傾向があるとわかります。
また、ほかのIT系職種の中でもインフラエンジニアの年収はやや高い傾向にあります。
しかし、インフラエンジニア全体の給与幅が比較的広いため、経験や求められるスキルによっても大きな差があると考えられます。
多くのインフラエンジニアは24時間体制での対応が求められる職種です。2交代制、3交代制での働き方をする場合もあります。
企業によっては、夜勤手当などが支給されることもあります。また、時差を活用して海外勤務でデータセンターで働く例もあるので、海外赴任手当が支給されることもありますよ。
給料が高い仕事に就きたいと考えている人や、インフラエンジニア以外の職業の給与を知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。
給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説
将来性:クラウド化が進んでも仕事は完全にはなくならない
近年では、クラウド上でインフラ構築が可能になったため、企業は自社でサーバーを保有し管理する必要がなくなりました。
企業側はメンテナンスの手間やコストを削減できたり、社内資源の効率的利用につながったりと、多くのメリットが得られます。そのため、今後もクラウド化は進むと予想されています。
クラウド化が進むことで、インフラエンジニアの仕事がなくなってしまうのではないかと懸念している人もいると思いますが、ニーズの種類が変わったとしてもITインフラを担うインフラエンジニアの仕事がなくなるということは考えづらいです。
インフラエンジニアとして長く活躍するためには、ニーズの変化に応じて、新たな知識やスキルを身に付けることが求められています。
今後サーバールームなどに限定した技術者は減少していきますが、クラウドの利用が拡大しても、インフラの構築や保守、運用はなくなりません。
これから新たなサービスや事業環境をクラウド上に構築し運用する人材が求められるので、将来性がある仕事だといえるでしょう。
仕事の流れをつかもう! インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアを理解するために、仕事内容を把握しましょう。
インフラエンジニアの仕事内容は、上流工程と下流工程に分けられます。ここからは一般的なシステム開発の流れに沿って、インフラエンジニアの仕事内容を解説します。働く姿をイメージしてみてください。
①上流工程(設計・構築)
上流工程である設計・構築は、インフラシステムを開発するための業務です。
設計では、インフラを構築する目的や必要とする機能など、インフラの要件を決め、設計書を作成します。具体的には予算やスケジュール、どのようなネットワーク機器や技術が必要なのかなど詳細な点を突き詰めてまとめていきます。
その後の構築作業をスムーズに進めるためには、設計を詳細に決めておくことが重要です。
構築では、設計に沿ってインフラを作り上げていきます。インフラ機器の発注や設置、サーバーの設定、ソフトウェアの導入、機能追加などをして、最後にテスト作業をします。不具合があれば修正を繰り返し、すべてが滞りなく作動すれば、顧客に納品します。
②下流工程(運用・保守)
下流工程である運用・保守は、構築したインフラを維持するための業務です。基本的にはシステムが完成し、顧客に納品した後の業務を指します。
運用保守では、バグなどのトラブルがないかや外部からの攻撃がないかを監視し、インフラに異常が発生した際は、原因を素早く突き止め対応します。
インフラが機能しなくなってしまうと、基盤としていたシステムすべてが停止してしまう恐れがあり、大きな損害につながることもあるため、重要な業務です。
通常は、有事に備えたルーティンワークも多いため、運用保守などの下流工程からキャリアをスタートさせ、徐々に経験を積むパターンが多い傾向にあります。
上記のほかに、災害復旧計画やビジネス継続計画といった万が一の事態に備えてシステムの復旧策を計画し、ビジネスが継続できるようにするためのプロセスも管理します。
インフラの提供方法として、クラウド技術を利用した方法も対応できる必要があります。
まずはあなたがインフラエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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担当業務が異なることも! インフラエンジニアの主な活躍の場所
インフラエンジニアの主な活躍の場所
- 大手SIer
- 下請けSIer
- 一般企業
インフラエンジニアの主要な勤務先は、大手SIer、下請けSIer、一般企業の3種類です。
ここからはインフラエンジニアの主な活躍の場所を解説します。それぞれ仕事内容が異なるため、違いを理解して企業選びに役立ててください。
大手SIer
SIer(エスアイアー)とは、顧客の課題を把握・分析し、システムの設計・運営をする企業のことを指します。
すべてのSIerが直接顧客から依頼を受けているわけではなく、実際は大手SIerと独自の強みを持った一部の中小SIerのみが顧客から直接プロジェクトを受託しています。
直接プロジェクトを受託する大手SIerでのインフラエンジニアは、プロジェクトの要件定義から設計までを担うことが多く、実際に現場でシステム構築をすることはほとんどありません。
大規模なプロジェクトを統括することもあり、その場合マネジメントスキルも身に付けられます。
大手SI企業のインフラエンジニアは、大規模で複雑なプロジェクトに取り組むことを求められるので、高い技術とコミュニケーションスキルを求められます。
要件定義や設計など、上流工程の仕事に取り組めることがやりがいにつながりますよ。
下請けSIer
下請けSIerは、顧客から直接プロジェクトを受託せずに、大手SIerから流れてくる案件に参加する企業を指します。
下請けSIerの場合、設計、構築、テストは中規模SIer、運用保守は小規模SIerというように、業務が分担され多重下請け構造になっていることが多い傾向にあります。
多重下請け構造とは
顧客から元請け企業に委託された業務が、二次請け、三次請け、四次請けと何層にもわたって再委託されている構造
企業によってインフラエンジニアの業務範囲が限られてしまう点や、スケジュールのコントロールが難しく残業が多くなりやすい点などのデメリットがあります。
- 下請けSIerのインフラエンジニアはやめた方が良いですか?
下請けSIerはキャリアアップの基礎として役に立つ
下請けの場合の制約やデメリットを考慮すると、下請けSIerのインフラエンジニアをあえて志望することに特別なメリットはあまりないかもしれません。
しかし、大手SIerと下請けのSIerにはそれぞれの規模に応じた役割があり、要件定義や設計にほぼ限定されたかかわり方を選ぶか、実際の開発業務を担うかかわり方を選ぶかは、個人の志向と向き不向きがあるため、必ずしも下請けSIerのインフラエンジニアを避けるべきとは言えないでしょう。
キャリアの前半で下請けSIerのインフラエンジニアを数年経験することは、その後の転職を前提としたキャリアアップの基礎として必ず役に立つはずです。
SIerのSIはシステムインテグレーションの略ですが、SIがよくわからない人もいると思います。以下の記事ではSIについて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
SI業界を研究! 仕事内容や将来性、向いている人を徹底解説
一般企業
SIerで働く以外にも、一般企業のIT部門や情報システム部門で働くインフラエンジニアもいます。
一般企業のインフラエンジニアの主な業務内容
- 社内システムの運用
- ウェブサイトの管理
- セキュリティ対策
- ビッグデータの活用
- パソコンの設定
一般企業のインフラエンジニアの場合、社内システムの運用だけでなく、IT関連業務全般を任されることも多くあります。
社内のインフラシステムを新しく構築する際は、社外のSIerに依頼することが多いため、一般企業に属するインフラエンジニアがシステムの設計・構築をすることはほとんどありません。
一般企業でのインフラエンジニアは、IT部門のリソースが限られていることが多く、特定の領域だけでなく広範囲な技術領域にわたる知識とスキルが求められるのが大変なところです。
ただ、仕事を通してさまざまな技術を学ぶことができる点はやりがいにつながります。
ここまでインフラエンジニアの勤務先について解説しました。以下の記事では企業別の志望動機をまとめているので参考にしてみてください。
未経験でも安心! インフラエンジニアの志望動機の作り方を徹底解説
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
インフラエンジニアとして働く魅力
インフラエンジニアとして働く魅力ややりがい
- 社会貢献度が高くやりがいを感じられる
- 大規模な仕事に携われる
- 市場価値の高い技術や知識を身に付けられる
- 顧客から信頼を得られる
- 実力が評価されやすい
インフラエンジニアの仕事や業界の構造を知って、興味はあるけど大変そうと感じた人もいるでしょう。
ここからは、インフラエンジニアとして働く魅力ややりがいを解説します。インフラエンジニアの仕事に興味を持っている人は、魅力ややりがいを理解して、自分に合っているか判断してみてください。
社会貢献度が高くやりがいを感じられる
ITインフラは幅広い分野で活用され、人々の生活に欠かすことのできない存在です。そのITインフラを構築・運用するインフラエンジニアは、社会全体を支える社会貢献度が高い仕事であるといえます。
ITインフラにトラブルがあれば、世の中の多くのサービスが使えなくなってしまい、多数の人や業務に影響が出る責任をともないます。しかし、仕事を通して社会を支える存在になれるということは、やりがいにつながります。
大規模な仕事に携われる
インフラエンジニアは、大規模なプロジェクトにかかわる機会も多く、個人では扱えないような巨大なITインフラの設計や構築に携わることもあります。
規模の大きな仕事は、何千人何万人もの多くの人に影響を与えることにつながり、責任も増しますが、大規模なサービスを支えているという達成感ややりがいを味わえます。
市場価値の高い技術や知識を身に付けられる
インフラエンジニアとして働くためには、サーバー、ネットワーク、OS、セキュリティ、クラウドなどの複数分野の専門スキルが求められます。
これらの専門スキルを独学で学ぶのは時間もかかり大変ですが、インフラエンジニアは日々の業務の中で、技術や知識を身に付けられます。
また、インフラエンジニアの実務の中で身に付く技術や知識は、市場価値の高いものばかりのため、自分の技術や知識を活かして、キャリアアップを狙うことも可能です。
顧客と長期的な関係を築ける
インフラの運用・保守は、顧客の事業や開発経歴などを理解しておく必要があるため、一度契約を締結すると、長期にわたり更新を続けることが多くなります。また、顧客と合同で業務をすることも少なくありません。
長い付き合いの中で信頼関係を構築し、顧客から頼られたり、トラブルを解決した際に直接感謝の言葉をもらえたりすることもあり、大きなやりがいにつながることも多いです。
実力が評価されやすい
インフラエンジニアは、技術的なスキルやマネジメントスキルが重要視され、実力が評価につながる可能性が高い職種です。
スキルを磨いてインフラエンジニアとしての実力を客観的に示せる資格を取得すれば、若手でもリーダーを任されるケースもあります。
自分の実力次第で、スピーディーにキャリアや収入を上げることが可能である点も、インフラエンジニアの魅力の一つといえます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るインフラエンジニアは将来性が高く幅広い技術を身に付けられるのが魅力
インフラエンジニアとして働く魅力は以下の3つが考えられます。
①仕事がなくならない
インフラエンジニアは、ITの世界で欠かすことができないサーバーやネットワークなどに携わるエンジニアです。インフラエンジニアは高度で幅広い知識や技術が求められていて、ITが必要不可欠な現代社会では、今後需要が増えていくことはあってもなくなることはないでしょう。
②システムの根幹に携われる
アプリケーション開発やプログラミングが、あくまでもインフラという土台の上で成り立っていることを考えれば、インフラエンジニアは、システム運用の根幹で重要な役割を担っていて、魅力的な仕事だといえるでしょう。
またシステムの根幹であるインフラの運用・保守は、顧客と一度契約を締結すれば、長期的な関係を築けることも魅力でしょう。
③広範囲な知識や技術が身に付く
インフラエンジニアは、OS、ネットワーク、サーバー、セキュリティなどについて、業務を通じて知識や技術を身に付けることができるのも魅力です。
日々の業務を通じて幅広い知識や技術を習得していくことができ、特に仮想化技術やクラウドサービスが浸透していくことで、これまでと違った先端技術を習得していけることもやりがいにつながるでしょう。
実際どうなの? インフラエンジニアはきついと言われる7つの要因
インフラエンジニアがきついと言われる要因
- 予想外のトラブル対応がある
- 深夜勤務や残業が多い
- 常に勉強しなくてはならない
- 単調な業務内容も多い
- 達成感や成果を実感しにくい
- ミスをしてはいけないプレッシャーが大きい
- 就業環境が良くない傾向にある
やりがいや魅力も多いインフラエンジニアですが、きつい仕事だと耳にしたことがある人もいるかもしれません。
きついかどうかは人にもよりますが、就活を始めるまえに理解しておきたい大変な点もあるのは事実です。
ここからはインフラエンジニアがきついと言われている要因を解説します。メリットだけでなくデメリットも理解しておくことで、自分に向いているのかどうか判断しやすくなりますよ。
①予想外のトラブル対応がある
インフラは業務システムやネットワークなどを支える基盤であり、トラブルが発生してインフラが使えなくなってしまうと、顧客に損害が発生する可能性もあります。
そのため、インフラエンジニアはトラブル時にすぐに復旧対応をしなくてはならず、急な残業や休日出勤が発生することもあります。
しかし、トラブルの対応は企業によって方針が異なります。トラブルが発生しても引き継ぎで対応したり、対応人数を多く設定したりして、ワークライフバランスへの取り組みをしている企業も増えています。
②深夜勤務があり勤務体系が不規則
インフラのシステムは24時間365日正常に稼働している必要があるため、運用・保守を担当するインフラエンジニアは深夜勤務をすることもあります。
また、メンテナンスの際は一時的にシステムを停止することがあり、インターネットやシステムを利用する人が少ない夜間や早朝に作業することがほとんどです。
プロジェクトによっては夜勤がない場合もありますが、夜勤の多いプロジェクトに参画し、勤務体系が不規則になる可能性があることも理解しておきましょう。
③常に勉強しなくてはならない
インフラエンジニアとして働くためには、ネットワークやサーバー、データベース、セキュリティ、クラウドなど幅広い知識が求められます。
覚える範囲が広いことに加えて、IT技術は日々進化を続けているため、知識を常にアップデートしていく必要があります。
業務をこなしながらも常に学習し、スキルアップが必要になる点は大変なところといえます。
④単調な業務内容も多い
ITシステムの運用・保守は、すでにあるインフラのトラブル発生時に対応する仕事のため、普段は有事に備えるためのルーティンワークがメインです。
ミスをなくすために手順がマニュアル化されていることも多く、同じような作業を繰り返すことが苦手な人は、単調でつまらないと感じてしまうかもしれません。
⑤達成感や成果を実感しにくい
前述したとおり、インフラエンジニアの仕事は単調な作業が多いため、成果を感じにくい部分があります。
また、システムに詳しくない顧客やエンドユーザーは、インフラ環境は異常がなくて当たり前と考えていることも珍しくありません。
障害が起きた際はクレームにつながる一方で、ユーザーの満足度や評価が見えにくいため、大変な割に報われないと感じてしまうかもしれません。
⑥ミスをしてはいけないプレッシャーが大きい
インフラエンジニアはIT基盤を扱っているため、1つのミスが重大なシステム障害を引き起こしてしまう可能性があります。
また、インフラエンジニアの仕事は影響の範囲が広いため、インフラ障害が発生すると、多くのユーザーや企業のシステムを止めてしまうことにつながり、顧客に大きな損害を与えてしまう可能性もあります。
最悪の場合、損害賠償や企業の信用を失うことにもつながるため、ミスが許されないプレッシャーが大きいといえます。
⑦就業環境が良くない傾向にある
インフラエンジニアは、機械が集まるサーバールームで作業をすることが多くなります。
サーバールームは機械の熱による暴走を防ぐために、温度を下げて管理していることがほとんどです。寒さが苦手な人にとっては、作業場で働くこと自体がつらい要因になってしまう可能性もあります。
また、機械音や独特な機械のにおいが気になる人もいるかもしれません。快適な就業環境とは言い難い場所で仕事をする可能性もあることを理解しておきましょう。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るインフラエンジニアは常に新しい技術を学び続ける必要がある
インフラエンジニアは、求められるスキルや知識のレベルが比較的高い割に、その貢献度を認知されにくい職種といえるかもしれません。
たとえば、サーバールームでの低温度環境での作業などに象徴されるように、体力的・精神的なタフさが求められる傾向が強い仕事でもあります。
そのため、技術者としての知識とスキルの向上を目指して常に新しい技術を学び続けることができる向上心や、自分自身のメンタルの状態を把握し、適切にセルフケアができる能力も必要になります。
客先で業務をおこなう場合はコミュニケーション能力も必要になる
また、インフラエンジニアは営業職とは異なり、いわゆる接客が中心の職種ではないという認識が一般的です。しかし、職場にもよるものの、実際には客先でおこなう業務も少なくありません。
そのため、顧客や取引先の関係部署の担当者と連携して課題解決にあたる、コミュニケーション能力も非常に重要になります。
インフラエンジニアは、技術的知識とスキルの向上に加えて、タフな作業環境に対する適応力、さらに対人コミュニケーション能力も必要とされる、想像以上に大変な仕事といえるでしょう。
選考通過率がグッと上がる!
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インフラエンジニアに向いている人
インフラエンジニアに向いている人
- 機械を扱うことが好き・得意
- 論理的思考力がある
- 知的好奇心がある
- 細部に気づくことができる
インフラエンジニアの特徴を確認しましたが、「自分に向いているだろうか?」と不安になり、インフラエンジニアを目指すかどうか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、自分がインフラエンジニアに合っているのかどうか確認するために、向いている人の特徴を解説します。
機械を扱うことが好き・得意
インフラエンジニアが扱うのは、サーバー機器やネットワーク機器などハードウェアがメインです。
取り扱う機器はメーカーによって仕様が異なったり、メーカーが同じでも時期によって型が違ったりします。さまざまな機器の設定や組み立て、接続などをするため、機械を扱うことが苦手だと苦労する可能性が高くなります。
そのため、普段から家電や機械を扱うのが好きな人や、興味がある人に向いているといえます。
論理的思考力がある
インフラエンジニアは、システムのトラブルが発生した際に、課題を正しく把握し、解決する最適な方法を導き出す必要があります。
焦って誤った対応をしてしまうと、時間がかかってしまうだけでなく、大きなミスにつながってしまうためです。
そのため、冷静に原因を洗い出し、「なぜ障害が起きたのか」「原因はどこか」「どうすれば正常に作動するのか」などを順序立てて、論理的に物事を考えられる力が求められます。
選考でも論理的思考力をアピールしましょう。結論から伝えるようにするだけでも、伝えたいことを論理的に説明することができます。
そして結論に至った経緯を、客観的な事実と自分の考えを混同させず、それぞれ分けて説明することで、論理的思考力があることを伝えられるでしょう。
知的好奇心がある
インフラエンジニアを取り巻く環境は日々進化しているため、継続してスキルを磨き知識をアップデートさせる必要があります。
学び続ける必要があることを苦痛と捉えるのではなく、新しい技術や知識を得ることを楽しめる人であれば、インフラエンジニアに適性があるといえます。
細部に気づくことができる
インフラエンジニアの仕事は、細かい設定作業が多いため、細部まで注意を払って丁寧に取り組む必要があります。
また、小さなミスが一つでもあると正常に稼働しないことがあるため、トラブルが起きた際には、ささいなことでも検証し、細かいミスに気がつく力が求められます。
大雑把な人よりも、慎重で注意深い人に適性があるといえます。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るインフラエンジニアは守備範囲が広いので責任感のある人に向いている
インフラエンジニアは、守備範囲が広くさまざまな分野の技術知識が必要とされますが、それだけ現代のネットワーク社会に必要不可欠な仕事であり人材であるとも言えます。
そのため、作業環境や条件が厳しいという側面はあるものの、自分の技術やスキルが社会のネット環境のインフラを支えているという誇りと責任感を持てる人には、インフラエンジニアは適職といえるでしょう。
また、インフラエンジニアは一般の人にはその役割の重要性がわかりづらい面もあるため、インフラエンジニアが担っている業務の重要性や技術レベルを一般の人にもわかりやすく説明できるコミュニケーション能力がある人は、今後さらに重宝される可能性が高いと考えられます。
別の職種にも応用できるので計画的にキャリアアップしたい人にもおすすめ
インフラエンジニアは、必要となるスキルと知識が幅広いため、将来的にIT業界の中で別の職種でも活躍できる可能性も高く、それまで培った技術力と知識を活かして計画的にキャリアップをしたい人にも役立つ職種といえます。
未経験からインフラエンジニアになるために必要なスキルや知識
スキル | コミュニケーションスキル マネジメントスキル 語学スキル |
知識 | IT技術に関する知識 セキュリティに関する知識 クラウドに関する知識 プログラミングに関する知識 |
インフラエンジニアは、幅広いスキルや知識を活かして仕事をするIT技術者です。
未経験でもインフラエンジニアになることは可能ですが、必要なスキルや知識を理解して準備できていないと、挫折してしまう可能性が高くなります。
ここからはインフラエンジニアに求められるスキルと知識を解説します。インフラエンジニアになるためには何が必要なのかを見ていきましょう。
インフラエンジニアに求められるスキル
インフラエンジニアに求められるスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- 語学スキル
まずはインフラエンジニアに求められるスキルを確認しましょう。ITの専門スキル以外にもコミュニケーションスキルやマネジメントスキル、語学スキルも必要になるため、順番に解説していきます。
コミュニケーションスキル
インフラエンジニアの仕事は、個人で完結するものではなく、顧客やチームでやりとりする場面も多くあります。
技術力があっても、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションが上手に取れていないと、プロジェクトを成功に導くことは難しいです。
また、トラブル発生時に状況を的確に伝える場面でも、コミュニケーションスキルは必要不可欠です。
設計を担当する際は、顧客の要望を的確にヒアリングし、提案をわかりやすく説明する必要もあります。
コミュニケーションスキルは、インフラエンジニアの仕事のどの工程でも必須のスキルといえます。
インフラエンジニアは、職務上の役割と責任を踏まえたうえで、現実的かつ顧客とユーザーの立場に配慮した誠実なコミュニケーションが求められます。
作業をおこなう環境や条件が好ましくない状況であっても、笑顔でコミュニケーションが取れるスキルは必須といえるでしょう。
マネジメントスキル
インフラエンジニアとしてのキャリアアップを目指すのであれば、マネジメントスキルも必要不可欠です。
マネジメントスキルはリーダーに求められるスキルですが、始めから身に付けておいて損はありません。
自分の業務を把握し、納期との兼ね合いや周囲のスケジュールを考えて行動できれば、効率的に作業を進められます。また日頃から、リスクを管理し、損失の回避や軽減を図る行動ができていれば、トラブル発生時に適切に対応することも可能です。
語学スキル
インフラエンジニアは、業務上英語力が求められることもあります。
インフラエンジニアが扱う機器は海外製品が多く、製品マニュアルが英語で書かれていることも少なくありません。また、製品サポートへの問い合わせに英語が必要になる場合もあります。
メッセージやログも英語表記であることが多いため、システムの状況を素早く正しく把握するためにも、最低限エラー内容の英語を読み取る語学力は必要です。
また、ソフトウェアの不具合やバージョンアップの最新情報が公開されるときは、最初に英語で発表されることも多いです。英語力があると、最新情報をいち早く取得でき、インフラエンジニアの仕事に大いに役立ちます。
クラウドサービスによっては、サポートデスクとのやり取りが英語でおこなわれる場合もあります。
電話で会話をしたりすることはありませんが、メールで問い合わせてやり取りをしたりすることはあります。新しく豊富な技術情報に触れるためにはやはり英語は必要です。
日本語で調べても出てこなかった技術情報も、英語で調べれば手に入るということもありますよ。
就活で英語力をアピールしたいと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
インフラエンジニアに求められる知識
インフラエンジニアに求められる知識
- 法令に関する知識
- IT技術に関する知識
- セキュリティに関する知識
- クラウドに関する知識
- プログラミングに関する知識
次に、インフラエンジニアに求められる知識を確認しましょう。選考の段階で必須の知識ではありませんが、求められる知識を理解し、少しでも学んでおくと、入社後スムーズに仕事を習得しやすくなります。
法令に関する知識
インフラエンジニアは、法律に基づいた適切なシステム運用が求められています。
特に個人情報や機密情報の流出は、企業の信頼失墜や損害賠償にも発展するインシデントであり、細心の注意を払う必要があります。
個人情報保護法など、業務に関連する各種法律の内容を理解しておくことは、インフラエンジニアとして必要不可欠です。
法令に関する知識は、サイバーセキュリティ基本法や著作権法、電気通信事業法を押さえておくと良いでしょう。まずは法律の存在を理解して、必要に応じて条文を読むくらいで充分です。
また、業界特有の法律や規制も理解しておくと、その業界でITサービスを提供する際に役に立ちますよ。
IT技術に関する知識
インフラエンジニアは、業務範囲が広いため、IT技術に関する全般的な基礎知識が必要です。
幅広い知識を身に付けておくと、顧客に合ったより良いシステム構築ができたり、トラブル発生時に適切な判断ができたりと、業務に活かすことが可能です。
中でも、サーバーやネットワークの知識は必須といえます。サーバーであればLinux、Windows、Unix、ネットワークであればシスコなどの、主流の技術や製品に対する知識を身に付け、どれも扱えるようになるのが理想です。
セキュリティに関する知識
インフラ設計をする際に、セキュリティ対策は必要不可欠です。インターネット上で扱われる機密度の高い情報を攻撃者から守らなくてはならないためです。
近年セキュリティ犯罪の増加や巧妙化が問題視され、企業にとってITインフラのセキュリティを担保することは急務といえます。そのため、セキュリティ知識を持った人材の需要は非常に高まっています。
クラウドに関する知識
近年オンプレミス型のインフラから、クラウド上でインフラ環境構築ができるように変化し、クラウドサーバーの運用保守案件は増えつつあります。
サーバーの管理コストや手間の削減、社内資源の効率的利用につながるため、企業側のメリットも大きく、クラウド化は今後も進んでいくと予測されています。
オンプレミス型が主流の時代は、WindowsやLinuxの知識があれば問題ありませんでしたが、クラウド化が進んだことにより、AzureやAWSなどクラウドサーバーに関する知識も併せて持っていることが求められるようになってきました。
オンプレミス型
ネットワークインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自社で保有し開発・運用すること
プログラミングに関する知識
インフラエンジニアがサーバー上で動作するプログラムの作成を担当することもあり、その際にプログラミングスキルが必要です。
インフラエンジニアとしてプログラミングに関する知識は必須ではありませんが、身に付けておくことでインフラ設定作業を効率化でき、業務の幅を広げられます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るインフラエンジニアは専門知識だけでなく幅広いスキルが必要
インフラエンジニアに求められる知識やスキルについて考えてみましょう。
①サーバーの知識とスキル
IT技術のなかでも主流であるWindows、Linux、UnixなどのサーバーのOSについての基本的な知識とスキルは習得しておいた方が良いでしょう。
②プログラミング知識とスキル
サーバーエンジニアは、バッチファイルやシェルなどサーバー上で動作するプロブラムの作成を担当することがあるので、必須ではありませんが身に付けておくと仕事の幅が広がるでしょう。
③セキュリティに関する知識
インフラエンジニアがセキュリティ設定を担当することが多いので、セキュリティ対策や製品の知識があると良いでしょう。
④ネットワーク知識
インフラ構築では、どのようにネットワークの接続をおこない設計するかが重要であり、未然にトラブルを防ぐために負荷を分散させるなど、ネットワークの知識が必要になります。
⑤クラウドサーバー知識
オンプレミス型のWindowsやLinuxに加えて、クラウド化の進化にともない、AWSやAzureなどの知識を習得しておくと良いでしょう。
⑥コミュニケーション力
チームでシステム構築や運用をおこなうことが多いため、チーム内で円滑に業務をおこなううえで、コミュニケーション力が求められます。特に顧客や他部署との連携では、相手の要望を的確にヒアリングし、提案する能力が求められます。伝える力と聴く力を高めるようにしましょう。
インフラエンジニアのスキルを習得する方法
インフラエンジニアに求められるスキルや知識を解説しましたが、そもそもどのように習得したら良いのかわからない人もいるでしょう。
スキルを習得する主な学習方法は、「独学で学ぶ」か「スクールに通う」の2つです。効率良く習得するためには、自分の状況に応じたやり方を選ぶことが重要です。
ここからは、それぞれの学習方法を詳しく解説していきます。自分にとって最適な習得方法を選んでいきましょう。
独学で学ぶ
メリット | 自分のペースで学習できる 自分に合った教材や学習方法を選択できる 費用が抑えられる |
デメリット | 正しい勉強方法かどうかの判断が難しい 不明点を自分で調べなくてはならない 時間管理が難しい |
独学で学習するメリットは、自分のペースで好きな学習方法を選んで勉強できること、費用を抑えられることです。
一方で、不明点を自分で調べなくてはならないことや、選んだ教材や学習方法が最適かどうかの判断が難しいなどのデメリットもあります。一人で勉強するとつい自分に甘くなってしまうという人も、予定通り勉強が進まない可能性があります。
ここからは独学で学ぶ際のおすすめの勉強法を解説します。
書籍で勉強する
独学で知識を習得する方法の一つとして、書籍での勉強が挙げられます。
図や絵を入れて視覚的にわかりやすくまとめられている本もあり、学習しやすい点がメリットです。
書籍で勉強する際は、本の選定が重要です。レベルが合っていなかったり、説明がわかりにくいなどという理由から挫折してしまわないように、自分に合った書籍を選ぶようにしましょう。
インフラエンジニアのスキルを習得するためにおすすめの本
オンライン学習サイトで勉強する
インフラエンジニアの知識が学べるオンライン学習サイトも多数あります。
PCやスマホとインターネット環境さえ準備できれば、すぐに勉強を開始できるため、手軽に勉強したい人におすすめです。
すべて無料で使えるものから、一定期間が過ぎると有料になるもの、講座別に購入するものなど料金形態はさまざまなため、始めに確認しましょう。
インフラエンジニアのスキルを習得するためにおすすめの学習サイト
エンジニアスクールに通う
メリット | 不明点をすぐに講師に質問できる 必要な知識を効率的に学習できる 同じ目標を持った仲間から刺激をもらえる 就職支援が受けられることもある |
デメリット | 通学の場合通うのが大変 費用がかかる場合もある |
インフラエンジニアに関するコースを提供しているエンジニアスクールもあります。
どこから勉強するべきか迷ってしまっている人や、疑問点が解決できずに挫折してしまった人などは、エンジニアスクールを利用することがおすすめです。
たとえばネットビジョンアカデミーでは、無料でIT知識を学ぶことができ、オンラインと通学の両方に対応していますよ。
エンジニアスクールでスキルを習得することを視野に入れている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
厳選エンジニアスクール22選! 選び方や注意点も解説
知識をアピールしよう! インフラエンジニアの就活でアピールできる資格
インフラエンジニアの就活でアピールできる資格
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- システムアーキテクト試験
- 情報処理安全確保支援士試験
- LinuC
- LPIC
- CCNA
- CCNP
- ORACLE MASTER
- AWS 認定ソリューションアーキテクト
- Microsoft Azure認定試験
インフラエンジニアとしてのスキルを証明する一つの手段に資格があります。資格は客観的な指標となるため、就活時のアピールにも効果的です。
またインフラエンジニアへの熱意や関心のアピールにもなります。
ここからは、インフラエンジニアを目指す人が就活でアピールできるおすすめ資格12選を解説します。資格の概要や難易度も解説するので、ぜひ参考にしてください。
業界問わず就職に有利な資格を知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
IT資格の取得のメリットや選び方はこちらの記事でも解説しています。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
インフラエンジニアを含む、エンジニア職につきたいと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。エンジニアの種類別におすすめの資格を解説しています。
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、基礎的な知識を身に付けたITエンジニアであることを証明できる国家資格です。情報処理推進機構(IPA)が主催する試験で、毎年10万人以上が受検しています。
国家資格というとハードルが高いイメージを持つ人もいると思いますが、出題範囲は事前に公開され、過去問題も公式ホームページ(HP)から入手できるため、努力次第で未経験であっても合格できる資格です。
試験時間 | 190分(科目A90分・科目B100分) |
出題形式 | 科目A(知識を問う問題):多肢選択式(四肢択一) 科目B(技能を問う問題):多肢選択式 |
実施日 | 随時実施 (受検後30日間は再受検できない) |
合格率 | 48%(令和5年度4月~1月の平均値) |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル2 |
基本情報技術者試験の学習を通して、インフラエンジニアに必要なネットワークや情報セキュリティなど、基本知識を理解することができます。
これらの知識を土台にして、さらに上位の資格やベンダー資格の合格にもつなげることができます。試験に合格すれば就職でかなり有利になりますよ。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報技術に関する応用的な知識があることを証明できる国家資格です。
基本情報技術者試験の応用版で、出題範囲はほぼ同じですがより深い知識を必要とします。
記述式の問題があるため難易度が高く、合格率も毎年20%前後と低めです。
試験時間 | 300分(午前150分・午後150分) |
出題形式 | 午前:多肢選択式(四肢択一) 午後:記述式 |
実施日 | 4月、10月実施予定 |
合格率 | 27.2%(令和5年度春季試験) |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル3 |
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関する専門知識を持っていることを証明できる国家試験です。
難易度が非常に高い試験と知られているため、取得できればネットワークに詳しいインフラエンジニアとして即戦力になれることをアピールできます。
免除制度があり、要件をクリアすれば2年間は午前Ⅰの試験を免除できます。
午前Ⅰ試験の免除条件
- 応用情報技術者試験の合格者
- 高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の合格者
- 高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点を獲得した者
高度情報処理技術者試験とは
情報処理推進機構が設定するスキルレベル4に属する試験を指す
試験時間 | 300分 (午前Ⅰ50分・午前Ⅱ40分・午後Ⅰ90分・午後Ⅱ120分) |
出題形式 | 午前Ⅰ・Ⅱ:多肢選択式(四肢択一) 午後Ⅰ・Ⅱ:記述式 |
実施日 | 4月実施予定 |
合格率 | 14.3%(令和5年度春季試験) |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル4 |
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、業務を分析して適切なシステムを設計できる知識があることを証明できる国家資格です。
情報システムや組み込みシステムに関する専門的な知識が求められる、難易度の高い資格です。システム開発の上流工程を主導する立場を目指す人におすすめといえます。
ネットワークスペシャリスト試験同様、免除制度があるため、要件をクリアすれば2年間は午前Ⅰの試験を免除できます。
試験時間 | 300分 (午前Ⅰ50分・午前Ⅱ40分・午後Ⅰ90分・午後Ⅱ120分) |
出題形式 | 午前Ⅰ・Ⅱ:多肢選択式(四肢択一) 午後Ⅰ・Ⅱ:記述式 |
実施日 | 4月実施予定 |
合格率 | 15.8%(令和5年度春季試験) |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル4 |
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティの専門家として幅広い知識とスキルを持っていることを証明できます。
試験に合格し登録することで、情報セキュリティのスペシャリストである情報処理安全確保支援士を名乗ることができます。
国内にある情報セキュリティ関連の資格の中でも、最難関といえる資格です。
試験時間 | 300分 (午前Ⅰ50分・午前Ⅱ40分・午後150分) |
出題形式 | 午前Ⅰ・Ⅱ:多肢選択式(四肢択一) 午後:記述式 |
実施日 | 4月、10月実施予定 |
合格率 | 19.7%(令和5年度春季試験) |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル4 |
LinuC
LinuCは、LPI-Japanが実施している試験です。サーバーOSとして世界的に大きなシェアを持つLinuxに関する知識やスキルを証明できます。
同じくLinuxの実用的なスキルを証明するLPICとの違いは、日本国内向けの資格であることです。LinuCは日本の市場ニーズに最適化されているため、日本の企業で求められる技術を学べます。
試験問題が自然な日本語であったり、Webサイトがわかりやすかったりと、日本人が取り組みやすい資格です。
レベル1から3に分かれていて、レベル1が未経験者向けの資格です。
試験時間 | 90分(すべての試験共通) |
出題形式 | 選択式、記述式の併用 |
実施日 | 通年で試験を実施 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | LinuCレベル1:情報処理推進機構が設定するスキルレベル1 LinuCレベル2:情報処理推進機構が設定するスキルレベル2 LinuCレベル3:情報処理推進機構が設定するスキルレベル3 |
LinuCを持っていることでLinuxオペレーションの知識を証明することができます。プログラムが書ける人に比べると、Linuxのオペレーションがおこなえる人は少ないといえます。
企業サーバーの多くはLinuxで運用されているので、インフラエンジニアの就職に有利になります。
LPIC
LPICは、Linux技術者認定機関であるLPの日本支部が実施している試験です。LinuCと同様に、Linuxに関する知識やスキルを証明できます。
LPICは世界共通基準で認定される資格であるため、海外での活躍も視野に入れている人におすすめです。
レベル1から3に分かれていて、難易度もLinuCと同様です。レベル1に合格すれば、Linuxの基本操作やシステム管理などができることをアピールできます。
試験時間 | 90分(すべての試験共通) |
出題形式 | 選択式、記述式の併用 |
実施日 | 通年で試験を実施 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | LPICレベル1:情報処理推進機構が設定するスキルレベル1 LPICレベル2:情報処理推進機構が設定するスキルレベル2 LPICレベル3:情報処理推進機構が設定するスキルレベル3 |
CCNA
CCNAは、ネットワークのスキルが証明できるシスコ技術者認定資格の一つです。
シスコ技術者認定資格とは
アメリカに本社を置くネットワーク機器メーカーであるシスコ社が認定する資格。「CCT:エントリー」「CCNA:アソシエイト」「CCNP:プロフェッショナル」「CCIE:エキスパート」の順番で難易度が上がる。
未経験の入門編といわれているCCT(Cisco Certified Technician)を取得してから、CCNA(Cisco Certified Network Associate)を取得する流れが一般的ですが、未経験からCCNAを取得する人も多くいます。
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 選択問題 ドラッグアンドドロップ問題 穴埋め入力 シナリオ問題 シミュレーション問題 |
実施日 | 通年で試験を実施 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル2 |
CCNAについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。試験の内容や勉強方法を解説しています。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
CCNP
CCNPはCCNAと同様、ネットワークのスキルが証明できるシスコ技術者認定資格の一つです。
CCNPは、CCNAの上位資格にあたり、難易度も高くなります。CCNAが中級エンジニアレベルだとしたら、CCNPは上級エンジニアレベルとして認識されています。
CCNPの認定を取得するためには、コア試験とコンセントレーション試験の2つの試験に合格する必要があります。
試験時間 | 210分(コア試験:120分、コンセントレーション試験:90分) |
出題形式 | 選択問題 複数選択問題 コマンド入力問題 ドラッグアンドドロップ問題 |
実施日 | 通年で試験を実施 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | 情報処理推進機構が設定するスキルレベル3 |
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、日本オラクルが実施しているベンダー資格です。データベースのシェア世界1位を誇るOracle製品に関する知識やスキルが証明できます。
Bronze・Silver・Gold・Platinumの4つのレベルがあり、Bronzeから順番に取得していく必要があります。Silverからは世界共通基準で認定される資格であるため、世界で活躍したいと考えている人におすすめです。
初級レベルのBronzeでも、Oracle製品になじみのない人にとっては難しい内容になっているため、キャリアアップ向けの資格といえます。
試験時間 | Bronze:120分 Silver:120分 Gold:120分 Platinum:2日間 |
受検形式 | Bronze・Silver・Gold:CBT(コンピューター入力)方式 Platinum:実技試験 |
合格率 | 非公開 |
難易度 | Bronze:情報処理推進機構が設定するスキルレベル1 Silver:情報処理推進機構が設定するスキルレベル2 Gold:情報処理推進機構が設定するスキルレベル3 Platinum:情報処理推進機構が設定するスキルレベル4 |
AWS 認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトは、AWS認定資格の中でも、AWSを利用したクラウド環境の設計、構築、提案などができるスキルを証明する資格です。
AWS認定資格とは
クラウドで最大のシェアを誇るAWSの認定資格。基礎レベル、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベルと段階別に分かれている。
AWS認定ソリューションアーキテクトは、アソシエイトとプロフェッショナルの2種類のレベルがあるため、まずは中級者向けの「AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)」から目指すことをおすすめします。
クラウドサービス中でもAWSは高いシェアを誇るため、AWSの知識を持っているエンジニアのニーズは高いといえます。
試験時間 | アソシエイト:130分 プロフェッショナル:180分 |
出題形式 | 択一または多肢選択式 |
合格率 | 非公開 |
上記の資格を勉強する場合、AWS認定資格試験テキストや問題集で学習するだけでなく、無料で公開されているAWSの公式サイトの学習コンテンツを活用すると良いでしょう。
ある程度勉強したら模擬試験を受けてみるのもおすすめです。
Microsoft Azure認定試験
Microsoft Azure認定試験は、マイクロソフトの認定資格であるMCPの一つであり、Azureに関する知識やスキルを証明できる資格です。
Microsoft Azure認定資格は、基礎のFundamentalsレベル、中級のAssociateレベル、上級のExpertレベルに分かれていて、さらに技術や要件別に複数の試験が存在します。
まず始めに、Azure Fundamentalsを目指すのがおすすめです。Azure FundamentalsはMicrosoft Azure認定試験の中で最も難易度が低く、クラウドサービスやAzureのサービスなどに関する一般的なテクノロジーの概念や基礎知識を問う試験です。
試験時間 | 45分 |
出題形式 | 選択肢形式 ドロップダウンリスト形式 クリック形式 ドラッグ&ドロップ形式 |
合格率 | 非公開 |
- IT系の資格を何も持っていません。何から始めれば良いですか?
応募する企業が求める技術レベルに合った資格に挑戦しよう
まずは、応募する企業が求める技術レベルに対して、「現在の自分がどのくらい勉強すれば合格できる資格があるか」を確認するところから始めましょう。
また、挑戦するだけでなく、合格レベルに達するのに必要な学習時間が確保できるかどうかの検討が大切です。
もし、志望企業が入社時に一定のレベルの資格取得を求めている場合は、試験日程を確認して最短で合格するための学習法と学習スケジュールを作成し、計画的に資格に挑戦することをおすすめします。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るインフラエンジニアを目指すなら資格は大きなアピールになる
インフラエンジニアの業務をおこなううえで、資格が絶対必要というわけではありませんが、資格を取得していることで知識やスキルを可視化して証明ができ、特に未経験であれば、戦力になる人材かどうか見極めるうえでも、有効な判断材料になります。
また、資格を取得していれば、インフラエンジニアに就きたい本気度をアピールすることができます。資格取得をアピールする場合は、以下の2つを意識してみてください。
①アピールできる内容を考える
資格をアピールするうえで、資格の特徴を押さえてインフラエンジニアとしてどのように活かせるか考えておくと良いでしょう。たとえばITパスポートは、社会人として知っておくべきITの基礎知識を、基本情報技術者試験はプログラミングや開発の仕組みの知識を活かせるでしょう。
データベーススペシャリストであれば、インフラとしてのデータベース構築知識やデータベースの要件定義、開発、運用、保守をおこなうための知識や実践能力が活かせます。
②自己PRで活用する
資格を所持していることだけ伝えても、インパクトのあるアピールになりません。所持していることで、どのように知識や技術を活用できるかまで伝えることが大切です。
履歴書などの資格取得欄に記載するだけでなく、自己PRとして応募企業で活かせる知識や技術を具体的に伝えたうえで、インフラエンジニアで活かせる資格を所持していることを伝えれば、能力や知識を客観的にアピールすることができるでしょう。
インフラエンジニアになるならどの企業? 未経験でも働きやすい会社選びのポイント
未経験でも働きやすい企業
- 一定期間研修をする企業
- 資格取得支援のある企業
- 幅広い業務を担当できる企業
いざ企業選びをしようと思っても、未経験でインフラエンジニアに挑戦する場合、どのような企業を選べば良いかわからない人もいるかもしれません。
ここからは、未経験でも働きやすい企業選びのポイントを紹介します。未経験者は特に、最初に就職する企業選びが重要です。企業選びのポイントをしっかり理解して後悔のない就活をしましょう。
インフラエンジニアを含むエンジニアに未経験から挑戦する際の求人の見極め方はこちらの記事も参考にしてください。転職に関する記事ですが、新卒学生に共通する内容も多く解説されています。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
一定期間研修をする企業
入社後に、新卒社員に対して研修がある企業は多くありますが、一定期間同様にフォローしてくれる企業は多くありません。
継続的に研修が受けられるような教育体制が整っている企業に入社すれば、未経験からでもスキルを身に付けることが可能です。
中には特に研修をせずに、すぐに現場に配属する企業もあるため、研修制度の有無を公式HPなどで確認しましょう。自分で調べてもわからない場合は、大学のキャリアセンターや企業説明会などで研修制度について質問して、確認しておくと安心です。
- 研修がなくすぐに現場に配属になるような企業は避けた方が良いでしょうか?
いろいろな教育体制がある! しっかり調べてから判断しよう
研修がなく未経験でもすぐに現場に配属になるような企業であれば、通常は避けた方が良いかもしれません。
ただし、新卒新入社員を採用している企業であれば、先輩社員が配属後マンツーマンでOJT研修をおこなっているなど、独自の育成システムがあるかもしれません。
興味がある企業ならば、キャリアセンターや企業説明会で質問をしてみたり、OBやOGなどに確認をしたうえで、避けるべきか決断すると良いでしょう。
Web説明会への参加方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
資格取得支援のある企業
インフラエンジニア向けの資格の中には、高額な受検料がかかるものも多くあります。
こうした資格取得に対して、資格の受検費用、セミナー参加費などを支援してくれる企業や、取得後に報奨金や手当を出してくれる企業もあります。
資格はスキルを客観的に証明する手段として有力であり、キャリアを積むために多くのインフラエンジニアが資格取得に励んでいます。
資格取得を目指すからには、バックアップ体制が整っている企業に就職した方が、モチベーションや収入も上がりやすくなるためおすすめです。
幅広い業務を担当できる企業
インフラエンジニアの勤務先の中には、運用保守のみを請け負っているなど限られた工程のみを担当している企業もあります。基礎をしっかり学べるメリットはありますが、スキルアップをしたいと考えたときに担当できる業務の幅が限られてしまいます。
設計や構築などの業務も担当している企業であれば、自分がスキルや知識を身に付けることによって上流工程に携わることも可能です。
未経験でインフラエンジニアを目指す場合、自分に向いていることやキャリアの方向性を就活の時点で決めるのは難しいこともあります。そのため、幅広い業務を担当できる企業に就職し、将来の選択肢を増やしておくと安心です。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る教育制度を重視して企業を選ぼう
同じインフラエンジニア職のある企業でも、その企業が主に取引している企業の規模や業種によって、実際に担当する業務の範囲が大きく異なる場合も少なくありません。
そのため、未経験のインフラエンジニアをどのように教育して技術とスキルを身に付けさせる仕組みの企業なのか、できるだけ詳しい情報を得たうえで選ぶことが重要です。
選ぶ際の基準も、待遇面だけでなく入社後の働き方や教育制度についてもしっかり調べましょう。
入社後の働き方も現場社員に直接聞いてみるのがおすすめ
可能であれば、現在の社員に直接社内の様子や人間関係について話を聞ける機会を設けてもらえないか、面接時にたずねてみることも有効です。
日本では現在DX化を推し進めていて、多くの企業が優秀なIT人材を取り合っています。そのため、人材育成と労働環境の改善などで社員のエンゲージメントを高める努力をしないと人材確保が難しくなっていきます。
応募または入社を検討している企業が、積極的に人材育成と社員のエンゲージメント向上に真剣に取り組んでいるかという点も、企業を選ぶうえで重要なポイントになるでしょう。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアのキャリアパス
- プロジェクトマネージャーを目指す
- ITスペシャリストを目指す
- ITコンサルタントを目指す
インフラエンジニアとしてその後のキャリアイメージが湧かない人もいるでしょう。キャリアパスも考えて企業選びをすることで、より納得度の高い就職先を見つけられますよ。
ここからは、インフラエンジニアのキャリアの選択肢を解説します。
具体的なキャリアを知ることで、入社後にどのような経験を積んで働いていくのかイメージしてみてください。
- インフラエンジニアになったあとのキャリアパスも、今から決めておいた方が良いですか?
就職する企業を明確にするためにもキャリアパスをしっかりと考えておこう
キャリアパスを考えておくことで、選択すべき企業が明確になります。たとえばインフラエンジニアから将来ITコンサルタントを目指す場合、自社のインフラの構築をおこなう企業ではなく、Sler系の企業を選択すべきでしょう。
仕事に就いた後でも目指す方向の変更は可能ですが、将来やりたいことが実現できる企業を選択することが目標に到達するうえでも大切なポイントになります。
キャリア形成の考え方は、以下の記事で解説しています。詳しく知りたい人は併せて参考にしてみてください。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
プロジェクトマネージャーを目指す
インフラエンジニアとして経験を積み、さまざまな領域に対して幅広い知識やスキルを持てるようになると、チームを率いて品質や納期、進捗を管理するプロジェクトマネージャーを目指せます。
プロジェクトマネージャーの業務範囲や役割は、企業によって大きく異なります。
基本的には現場で手を動かして作業することはほとんどなく、プロジェクト全体をマネジメントし、社内外とコミュニケーションを取ることが主な業務です。
プロジェクトマネージャーは、IT系プロジェクトの統括を担う重要な仕事で人気のある役職です。以下の記事では、未経験からでもプロジェクトマネージャー目指せる必須スキルをまとめているので参考にしてみてください。
未経験から目指すプロジェクトマネージャーへの道|必須スキルを解説
ITスペシャリストを目指す
特定の分野の技術を磨き、ITスペシャリストを目指すことも可能です。
チームを率いてプロジェクトを管理するよりも、現場で知識や技術力を発揮して仕事がしたい人に向いています。
ITスペシャリストは常にアンテナを張って、スキルのアップデートをしておくことが重要です。
また、特定の分野だけでなくプラスアルファのスキルを身に付けると業務の幅が広がります。たとえば、クラウド、AI、プログラミングなど、周辺領域の知識もあると活躍の機会が増えます。
ITスペシャリストは、求められることの水準が高くなります。
そこで必要なスキルとして、チームで課題に取り組むためのコミュニケーション能力や、問題を見つけて解決策を提示できる問題解決能力が挙げられます。
ITコンサルタントを目指す
インフラエンジニアとして培った経験を活かしてアドバイザーとして活躍したい人は、ITコンサルタントを目指すことも可能です。
ITコンサルタントは、顧客のニーズに合わせて、システム開発の提案やシステムを最適化し、企業の経営課題を解決する職種です。
現場で直接的に作業することはなくなりますが、インフラ構築や運用に関する知識を活かして、顧客にアドバイスをします。
ITコンサルタントには、経営に関する知識が必要です。また、経営陣が実現したいこと、すなわち経営戦略も理解しておく必要があります。
経営戦略を成功に導くためのIT施策を、IT戦略と言います。経営に関する知識をしっかりと身に付けておくことで、適切なIT戦略を策定し、実現することができます。
ITコンサルタントの詳細はこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる人はぜひ参考にしてください。
ITコンサルタントは激務? 仕事内容・適性・就職方法を徹底解説
ニーズが高まるインフラエンジニアの実態を正しく理解して就活を成功させよう
インフラエンジニアは、ITサービスを提供するために必要不可欠なインフラを取り扱う職種です。
IT業界の急速な拡大や成長を陰で支えるインフラエンジニアの役割は非常に大きく、今後もニーズが高まることが予測されます。
インフラエンジニアの仕事は社会的貢献度が高いなどのやりがいも多い一方、選考に臨む前に理解しておきたい大変な面や、身に付けておきたい知識やスキルも存在します。
インフラエンジニアの実態を正しく理解して、選考対策を進めていきましょう。今回解説した内容を参考にして、選考突破の手がかりにしてくださいね。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るインフラエンジニアに就く前に業界・企業研究や自己分析は不可欠
インフラエンジニアは今後もニーズの高い専門職です。求められる知識と技術は簡単に習得できるものではありませんが、未経験からキャリアをスタートすることも可能です。
積極的に情報収集をし、インフラエンジニアが必要とされている業界、企業、現場の特徴をよく知り、「どのような企業で活躍したいか」「なぜそう思うのか」を自己分析してみてください。
興味を持った企業の特徴とインフラエンジニアに期待されている役割を正しく理解することが、内定獲得に向けて適切な対策を取るための第一歩です。
企業とのギャップを埋めたうえで意欲を伝え選考を突破しよう
企業分析がしっかりできれば、あとは応募から内定獲得までのステップを具体的に決めて、日々の行動に落とし込んでいくことができます。
志望する企業が求めている人物像を知り、今の自分とのギャップがどこにあるかがわかれば、ある程度対策することができます。
IT系の資格は、具体的に求められない限り入社前に無理して取得する必要はありません。入社後に新しい知識や技術を意欲的に学び続けられる能力があることを伝えて、インフラエンジニアに対する強い想いを伝えるようにしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士
Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める
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