システム運用に向いている人は? 仕事・やりがい・厳しさを徹底解説

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  • ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士

    Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • システム運用の4つの基本情報を解説
  • システム運用の仕事は多岐にわたり向き不向きを見極めることが重要
  • 資格を取得したりスキルを身に付けたりすると就職が有利になることがある
  • この記事を読んでいる人に
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  • 適職診断

    たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!

IT技術は急速な成長を遂げ、多くの企業がネットワーク機器やサーバーなど、コンピュータを活用して仕事をするようになりました。しかし、コンピュータは精密機器であり、故障する可能性と常に隣り合わせです。そこで、トラブル・障害を未然に防ぐための対策や業務をするのがシステム運用です。

システム運用に関して「具体的にどんな仕事をするのかわからない」「自分は向いているかわからない」と疑問がある人もいるのではないでしょうか。

この記事ではキャリアアドバイザーの田邉さん、隈本さん、ITストラテジストの伊沢さんと一緒に、システム運用の仕事内容や向いている人の特徴、就職を有利にする方法などを解説します。システム運用に少しでも興味がある人は、最後まで読むことで、自分が向いているのか、どのように就職活動を進めたら良いのかわかるようになりますよ。

目次

システムの番人! システム運用が自分に合っているか見極めよう

システム運用は、精密機器であるコンピュータがシステム障害を起こすのを未然に防ぐための対策を練ったり、その対策を実施したりするのが主な業務内容です。いわば、システムの番人とも言えます。

近年、コンピュータを導入する企業が増加し、コンピュータがビジネスに与える影響は非常に大きくなっています。システム運用は多くの企業のビジネスを支えられる仕事であるためやりがいがあると考えられますが、自分に合っているかどうかはまた別の話です。

この記事では、前半でシステム運用の概要や仕事内容、必要なスキルなど、システム運用の基本を解説します。理解を深めて、選考対策に役立てましょう。

また、やりがいや厳しい一面、向いている人の特徴を解説するので、自分にマッチしているか考えてみてください。

さらに、システム運用への就職を有利にする方法など、学生に役立つ情報も解説しているので、就活の参考にしてください。

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そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、システム運用に向いているか確認できます。

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最初に確認しよう! システム運用とは?

システム運用とは?

  • システム運用の基本情報
  • 年収
  • 就職難易度
  • システム運用を募集している企業例

始めに、システム運用の概要や年収、就職難易度、募集している企業例など、基本的な情報を解説します。自分に向いているかどうか判断するには基本情報を押さえるのが重要です。すでに知っている人も、おさらいの意味を込めて復習しましょう。

システム運用の基本情報

システム運用とは、サーバーやネットワーク機器などのコンピュータがトラブルや障害を起こすのを未然に防ぐための管理や運用をする仕事です

後ほど詳しく解説しますが、システム運用の主な業務内容は以下の5つです。

システム運用の仕事内容

  1. システムやネットワークの監視
  2. データの管理・バックアップ
  3. トラブル発生時の原因究明と対策
  4. セキュリティ監視
  5. 運用手順書の作成

システム運用による上記のような取り組みによって、多くの企業は安心安全にコンピュータを使用して仕事ができるようになるのです。

システム保守との違い

システム運用と似た仕事にシステム保守があります。これらは名称が似ていて混同しやすいですが、目的や仕事内容が異なります。

システム運用とシステム保守の目的の違いは以下の通りです。

システム運用システムの安定稼働を守り障害を防止する
システム保守発生したシステムトラブルを迅速に対処する
システム運用とシステム保守の目的の違い

このような目的の違いから、仕事内容も以下のように異なります。

システム運用の仕事内容

  1. システムやネットワークの監視
  2. データの管理・バックアップ
  3. トラブル発生時の原因究明と対策
  4. セキュリティ監視
  5. 運用手順書の作成

システム保守の仕事内容

  1. トラブルの対応
  2. システムの復旧
  3. バグの修正
  4. データのバックアップ
  5. 既存システムのアップデート
  6. 新しいシステムの導入

システム障害が発生する前はシステム運用、発生した後はシステム保守が担当すると考えましょう

大規模なシステムは、運用と保守で完全に分業になることが多いです。

中規模、小規模なシステムや、自社で情報システム部門を持つ企業だと運用と保守を兼任することが多く、求められる知識や技術も多岐にわたります。

インフラ運用・サービス運用との違い

システム運用と似た名称にインフラ運用・サービス運用もあります。それぞれの仕事内容の違いは以下の通りです。

システム運用システムの安定稼働を維持し、障害を未然に防止する
インフラ運用ネットワークやサーバー、データベースなどのITインフラを安定稼働させる
サービス運用ITサービスの全体を継続的に改善していく
システム運用とインフラ運用・サービス運用の目的の違い

システム運用はあくまでも、サービスの一部のITシステムを安定的に稼働させ、いわばマイナスをゼロにする役割を担っています。一方で、サービス運用は、ITサービス全体の改善をし、利用者やステークホルダーの期待に応える役割があります。

また、インフラ運用はコンピュータの中のサーバーやネットワーク、データベースなどのITインフラの安定稼働に特化しています。

それぞれ類似していますが、実際の業務内容は異なるため、勘違いしないように気をつけましょう。

システム運用がインフラ運用やサービス運用の業務を担うこともあります。

システム運用の業務では、この3つを1つととらえ、システムの安定稼働を維持し、障害を防止しているのです。

インフラを自社で保有するオンプレミス型か、クラウド型かによって求められる知識も変わります。

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

年収

マイナビエージェントに登録した20代・30代を対象とした職種別平均年収ランキングによるとシステム運用の平均年収は416万円となっています。国税庁の民間給与実態統計調査によると、令和4年の平均年収は以下の通りとなっているので、参考にしてください。

20代・30代の平均年収

  • 20代前半の平均年収:282万円
  • 20代後半の平均年収:390万円
  • 30代前半の平均年収:455万円
  • 30代後半の平均年収:577万円

IT業界には平均年収が500万円以上の職種も多くあります。その中で平均年収が416万円のシステム運用は、IT業界の中では高いとは言えません。その理由の一つに、IT業界のほかの職種と比べて専門的な知識・スキルがあまり要求されないことが挙げられます。

年収を上げるには、より深くかつ幅広い知識・スキルを身に付けて、キャリアアップすることが求められます。

就職難易度

システム運用の就職難易度はあまり高くありません。理由は前述の通りで、IT業界のほかの職種に比べて、高い知識やスキルをあまり求められないからです。そのため、新卒を募集している企業は多く、未経験からでも対策をすることでシステム運用として就職が可能です。

とはいえ、システム運用として働くにはITやシステムに関する知識・スキルは必要になります。方法は後ほど詳しく解説しますが、あらかじめ知識・スキルを身に付けておくことで、就職が有利になりますよ。

システム運用を募集している企業例

一例に過ぎませんが、以下の企業がシステム運用職を募集しています。

気になる企業があれば、各社のホームページ(HP)や採用ページから確認してみましょう。

システム運用の仕事内容

システムの安定稼働システムの障害防止
・トラブル発生時の原因究明と対策
・運用手順書の作成
・システムやネットワークの監視
・データ管理・バックアップ
・セキュリティ監視
システム運用の仕事内容

システム運用の目的はシステムの安定稼働と障害を未然に防止することですが、大きく分けて5つの仕事内容があります。それぞれどのような仕事をするのか確認しましょう。

システムやネットワークの監視

システム運用は、システムやネットワークが正常に動いているかどうか監視します。具体的には以下のような監視をします。

システム運用の監視業務の内容

  1. ログの確認
  2. 稼働状況の監視
  3. データ使用量の確認
  4. 異常が発生した際の記録

これらの監視をおこない、必要に応じて異常を報告したり、再起動・復旧したりなどの対応をします

データの管理・バックアップ

トラブルが発生するとシステム上からデータが消失する可能性があります。トラブル時でもデータをすぐに復旧できるようにバックアップを取っておいたり、管理したりするのもシステム運用の仕事です

今ではデータは企業の貴重な資産の一つです。コストをかけて獲得したデータが消失してしまった場合、企業活動に大きな悪影響を与えることになります。

とはいえ、システムは障害と隣り合わせであるため、どれだけ気をつけても障害が発生する可能性があるのです。そこで、バックアップを取っておくことで、万が一の場合でもすぐにデータを復旧できるようになります。

トラブル発生時の原因究明と対策

トラブル発生後の対応はシステム保守の業務範囲ですが、企業によってはシステム運用とシステム保守の境界線がはっきりしておらず、トラブル発生後の対応もシステム運用が担うこともあります。

トラブルが発生した際、その原因が不明なままにしておくと、また同じトラブルが発生する可能性があります。同じトラブルを発生させないためにも原因を究明して、しっかり対策を練らなければいけません

システム運用は、「なぜトラブルが発生したのか」を考えられる分析力が必要になります。

あなたがシステム運用に向いているか確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、システム運用に向いているか確認できます。

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セキュリティ監視

ウイルスや不正アクセスなどのセキュリティ面の監視もシステム運用の仕事です。

金銭の収奪や企業のイメージダウンなどを目的に機密情報を窃取する個人・組織がいるのも事実です。ウイルスや不正アクセスなどの被害に遭った場合、情報が漏洩したり、消失したりして、企業活動に大きな悪影響を与えてしまいます

このような事態を未然に防ぐのがシステム運用の仕事です。常にセキュリティを監視し、ウイルス・不正アクセスがあれば、検出・除去をおこないます。

運用手順書の作成

現在の運用に不足や改善すべき点が生じた際、運用手順書を作成・修正します。運用手順書とは家電製品の取扱説明書のようなものです。誰でも正しく、再現性を持って取り組めるようにするためにも作成する必要があります

具体的に運用手順書に盛り込むべき項目は以下の3つです。

運用手順書に盛り込むべき項目

  1. 運用管理ポリシー
  2. 運用ルール
  3. 運用の手順

なお、運用手順書を作成する際は、誰でも理解できるようにわかりやすくすることが求められます。そのため、読み手の立場になって作成することが重要です。

上記以外のシステム運用の仕事は、ユーザーサポートが挙げられます。ユーザーサポートとは、ユーザーからの問い合わせ対応や、新規ユーザーのためのシステム利用支援などをおこなう仕事です。

またほかには、システムのパフォーマンスレポートを定期的に作成し、関係者に提出する業務も挙げられるでしょう。

システム運用の将来性・今後の動向

システム運用として就職しても、将来性がなければ就職後に後悔してしまう可能性がありますよね。

そこで、システム運用の将来性・今後の動向を仕事内容別に解説します。システム運用の将来性や今後の動向を確認して、本当に就職を目指すべきか判断しましょう。

システム運用の需要は高まる

近年、多くの企業がシステムを導入するようになり、今後もシステムを導入する企業が増加すると考えられています。そして、これらのシステムは年中無休で運用し続ける必要があるため、システム運用の仕事はなくなりにくいと考えられます

知識・スキルを身に付けなければ価値がなくなる可能性もある

前述の通り、今後もシステム運用の需要は高まると見込まれますが、人によっては戦力にならなくなる可能性があります。戦力にならなくなる可能性があるのは知識やスキルを学び続けない人です

IT業界は日々目まぐるしく変化していて、システムも日進月歩で進化しています。システム自体が変化しているため、運用や管理に必要な知識・スキルも変化します。

システム運用として活躍し続けるには、将来を見越して知識・スキルを身に付けて、キャリアアップしていくことが求められます。

システム運用の仕事がAI(人工知能)に奪われる可能性はありますか?

AIによって仕事が完全に奪われるわけではない

AIの進化と普及により、一部のシステム運用の業務は自動化され、人間が直接おこなう必要が減る可能性は十分考えられます。

たとえば、システムやネットワークの監視、データのバックアップ、セキュリティ監視などの作業は、AIによる自動化が進んでいくでしょう。

しかし、それは必ずしも「仕事が奪われる」という事態を意味するわけではありません。自動化によりルーチンワークが減るので、人間はより高度な分析、判断、企画など、思考力や創造力が求められる作業に集中することができます。

また、AI自体の管理・監視・調整・改善など、新たな業務も生まれてくるでしょう。それらに対応できる知識と技術を継続的に学習していくことがこれからは重要になると考えられます。

より専門性を高める! システム運用のキャリアパス

より専門性を高める! システム運用のキャリアパス

システム運用のキャリアパスは、監視業務から運用・保守業務へとキャリアアップしていきます。

新卒でシステム運用として就職した場合、基本的には最初は監視業務を任されます。そこで、システムの仕組みや障害が発生する原因、解決方法などを理解します。

監視業務にてシステムの基本を理解できたら、ドキュメント作成や報告業務などを身に付けて運用業務ができるようになったり、OSやアプリケーションの能力を身に付けてシステム保守にキャリアアップしたりします。

システム運用は実務経験と各自の学習によって知識・スキルを身に付けることで、キャリアアップが可能です。キャリアアップすれば業務範囲が広がったり、より専門的なことができるようになったりします。

アドバイザーコメント

システム運用からシステムエンジニアへのキャリアパスもある

学生によっては、システム運用者になった後のキャリアパスが少ないと感じた人がいるかもしれません。たしかに、システム運用(運用業務)とシステム保守の2つしかキャリアの選択がないと、将来性が感じられませんよね。

しかし、システム運用の経験を積むと、上流の仕事であるシステムエンジニアにキャリアチェンジすることもできますよ。 システムエンジニアは、システム開発の要件定義から設計や運用・保守のマネジメントをおこないます。 企業によっては、 予算管理や人員配置、進捗管理などもおこないます。

別のエンジニアやITコンサルタントへのキャリアチェンジも可能

システムエンジニアはマネジメントをする仕事なので、システム運用、保守の仕事内容についてもきちんと把握をしておく必要があります。そのため、 システム運用者として経験をしておくことで、より活躍できるシステムエンジニアになることができます。

もちろんシステムエンジニア以外にもITの知識があることで、別のエンジニアであったり、ITコンサルタントへの転職など、キャリアチェンジできる可能性も高くなります。そのため、ファーストキャリアでシステム運用の経験を積むことは、将来性のある選択肢の一つと考えられますよ。

システムエンジニアの詳細はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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今のうちに身に付けよう! システム運用に必要なスキル・知識

システム運用に必要なスキル・知識

  • システム全般に関する知識・スキル
  • コミュニケーション能力
  • 観察力
  • 分析力

システム運用として働くには、専門的な知識やスキルが必要です。また、ほかにもさまざまな能力が求められます。

あらかじめ必要な知識・スキルを理解しておくことで事前に学習が進められ、就職活動を有利に進められます。

システム全般に関する知識・スキル

システム運用はサーバーやネットワーク、アプリケーション、OSなど、システム全般に関する知識・スキルが求められます。システムを運用するにあたって、これらのシステムの知識・スキルがなければ何もできません。必須条件であるため、就職する前から事前に学習しておきましょう。

また、近年ではクラウドを活用する企業が増加してきました。そのため、AWS(Amazon Web Services)などのクラウドに関する知識・スキルも身に付けておくと、より将来性のある人材になれますよ。

コミュニケーション能力

システム運用は1人でおこなうものではありません。開発チームを始めとする、あらゆる関係者と協力してトラブルがないように運用していくのです。そのため、チーム間でスムーズに仕事ができるようなコミュニケーション能力が必要になります。

また、利用者から問い合わせがあった場合はシステム運用が対応します。

パソコンや機器に向き合う時間が長いですが、チームや顧客と協力して、プロジェクトを円滑に進めるためにもコミュニケーション能力が求められるのです。

コミュニケーションは双方向のやり取りなので、まずは相手の話をしっかりと聞けることが大切です。

そのうえで、「自分が理解したことを相手に返して相互理解を深められる」「自分の意思を相手に伝えられる」といったレベルの対話力は、学生の段階でも求められるでしょう。

コミュニケーション力の自己PRの作り方・伝え方はこちらの記事で解説しています。コミュニケーション力を強みに持つ人は参考にしてぜひアピールしてください。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説

観察力

システム運用は、システムを安定的に作動させるためにも、常にシステムを監視することが求められます。監視する際、一部だけを見ていれば良いのではありません。システム全体を見て、問題が発生した際に瞬時に気が付かなければいけないのです。

システムは膨大な量の要素から構成されているため、精度の高い観察力が求められます。監視に漏れがあった場合、重大な障害・トラブルにつながりかねないため、観察力は鍛えておくようにしましょう。

なお、観察力は以下のような行動で日頃から鍛えられますよ。

観察力が鍛えられる行動

  1. 他者の行動や考えに興味を持つ
  2. 仮説を立ててから行動する
  3. 変化に目を向ける

「異常な状態やパターンを迅速に特定できる」ようになった時、システム運用で活躍できる十分な観察力が身に付いているといえます。

これには、システムの正常な動作パターンを理解し、それと異なる振る舞いやパターンを即座に認識する能力が必要です。

分析力

システムにトラブルが発生した際、さらなるトラブルを防止したり、再発を防いだりするためにも、まずは原因を究明しなければいけません。その際、「なぜトラブルが発生したのか」「どこに原因があったのか」などを分析することが求められます

また、前述の観察力と分析力を掛け合わせて、監視する過程でトラブルが発生しそうな箇所を見つけ出すことも必要になります。

システム運用にも活用できる分析力はどのようにして鍛えられますか。

パターンを漏れなく考える習慣をつけて鍛えよう

トラブルを防止するためには、どのようなパターンが起こるのかを考えることがポイントです。漏れなく検討することができれば、トラブル発生を防げますよね。

たとえば、接客のアルバイトであれば、2人の顧客を「2人席と4人席どちらに案内すべきか」を考えることなどもトレーニングになります。

2人の顧客を4人席に案内すれば快適に過ごしてもらえますが、後に3人の顧客が来店したときに案内ができなくなってしまいますよね。

このように、普段からさまざまなパターンを想定する癖をつけることがポイントです。

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就職に役立つ! システム運用におすすめの資格

資格を取得することで、それに関する知識・スキルを身に付けていることを客観的に証明できるようになります。そして、システム運用は専門的な知識・スキルが求められるため、資格を取得することで、より良いアピールができるようになるのです。

資格によって内容や難易度は異なります。自分の状況に合った資格を見つけて、資格の勉強を始めましょう。

Microsoft認定資格プログラム

Microsoft認定資格プログラムは、ベンダー資格です。

ベンダー資格とは

IT関連製品を製造・販売するベンダーが、自社製品についての適切な操作技術や管理技術を満たしていることを認証するための民間資格制度。

Microsoft認定資格プログラムは、Microsoftの製品に関する知識とスキルをレベル別に認定するプログラムです。MicrosoftはMicrosoft AzureMicrosoft Power PlatformMicrosoft 365など、さまざまな製品を提供していますが、資格を取得すると、これらの製品に関する知識・スキルを身に付けていると認められます。

システム運用はMicrosoft製品を運用・管理する可能性もあります。それに備えてMicrosoft認定資格プログラムを取得しておくことで、即戦力として活躍できます。

Microsoftの認定資格プログラムの基礎知識

  • 主催団体:Microsoft
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
  • 試験日:いつでも可能
  • 受検費:10,780円
  • 目安勉強時間:80時間程度

シスコシステムズ認定資格

シスコシステムズ認定資格は、シスコシステムズが認定する資格です。認定を得ることで、システム運用として働く際に必要なネットワークに関する知識・スキルを身に付けていることが証明できます

なお、シスコシステムズ認定資格には入門レベルのエントリーから、上級レベルのエキスパートまで5つのレベルに区分されています。自身のネットワークに関する習熟レベルに合わせて受検しましょう。

シスコシステムズ認定資格の基礎知識

  • 主催団体:シスコシステムズ
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:選択式
  • 試験日:いつでも可能
  • 受検費:36,960円
  • 目安勉強時間:180〜200時間程度

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は国家資格です。AI(人工知能)やビッグデータ、IoTなど、新しい技術や手法の概要に関する知識、経営・ネットワーク・プロジェクトマネジメント・ITなど、ITに関することからビジネス全般まで幅広い分野を取り扱うITパスポートの上位資格となっていて、加えてソフトウェアの技術的な知識も問われます

基本情報技術者試験を取得することで、システム運用に必要なITやシステムに関する知識・スキルを網羅的に理解していると証明できます。難易度はやや高くなりますが、ITパスポート、基本情報技術者試験の順で資格を取得すると、着実に知識・スキルを身に付けられますよ。

基本情報技術者試験の基礎知識

  • 主催団体:IPA
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:多肢選択式
  • 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
  • 受検費:7,500円(税込)
  • 目安勉強時間:200時間ほど
  • 合格率:58%ほど

ITパスポートが就活でどれほど役に立つのか不安な人もいますよね。以下の記事では、ITパスポートの就活での活用方法を詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説

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応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位資格です。IT・システムに関する知識・スキルを網羅的に身に付けていて、さらに深掘りして学びたい人におすすめの資格です

出題範囲は基本情報技術者試験と大きく変わりません。しかし、問題の難易度が高く、より深い知識・スキルが求められます。

応用情報技術者を取得することで、IT・システムに関するプロフェッショナルであることを証明できます。簡単に取得できる資格ではありませんが、自信がある人はチャレンジしてみることをおすすめします。

応用情報技術者試験の基礎知識

  • 主催団体:IPA
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:多肢選択式
  • 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
  • 受検費:7,500円(税込)
  • 目安勉強時間:500時間程度
  • 合格率:20%前後

システムアーキテクト

システムアーキテクトは国家資格です。合格率は10%で難易度が非常に高い資格ですが、取得することでシステム開発のようなエンジニアの上流工程に関する知識・スキル、ビジネススキルを身に付けていることが証明できます

システム運用は開発者の視点を持つことで、よりスムーズかつ正確にプロジェクトを進められるようになります。システムアーキテクトを取得することで、システム運用にとどまらず、優秀なIT人材として評価されることが期待できます。

システムアーキテクトの基礎知識

  • 主催団体:IPA
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:多肢選択式
  • 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
  • 受検費:7,500円(税込)
  • 目安勉強時間:100〜200時間程度
  • 合格率:10%前後

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは国家資格です。IT系国家試験は難易度によってレベル1〜4に区分されていますが、ネットワークスペシャリストは、最高難易度のレベル4に区分されています。ネットワークスペシャリストを取得することで、ネットワークの企画や要件定義、運用など、ITプロジェクトの中心的な役割を担えると認定されます

ネットワークスペシャリストを取得することで、ネットワークの設計や企画、構築、運用・保守、セキュリティなどの知識・スキルを身に付けられます。特に運用・保守などはシステム運用に必要な知識・スキルであるため、仕事にそのまま活かせるのです。

しかし、上記の通り難易度が高く、合格率は15%前後。未経験の新卒が取得するのは非常に難しいです。そのため、まずは基本情報技術者試験などの比較的難易度が低い資格から挑戦してみるのがおすすめです。

ネットワークスペシャリストの基礎知識

  • 主催団体:IPA
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:多肢選択式
  • 試験日:春期(4月)
  • 受検費:7,500円(税込)
  • 目安勉強時間:半年〜1年ほど
  • 合格率:15%前後

データベーススペシャリスト

データベーススペシャリスト試験は、情報システムの要件定義や開発・運用までの役割を担う人、技術支援をおこなう人を対象にした資格です。データベースの企画・設計・要件定義、開発、管理・運用などに関する知識・スキルを学ぶことができます

近年、データは企業の貴重な資産と考えられるようになりました。そのため、データを扱える人材は重宝されます。そこで、システム運用とデータベースの知識・スキルを掛け合わせることで、即戦力として採用される可能性が高まります。

しかし、データベーススペシャリストも難易度が高いため、入念な対策が必要になります。

データベーススペシャリスト試験の基礎知識

  • 主催団体:IPA
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:多肢選択式、記述式
  • 試験日:秋期(10月)
  • 受検費:7,500円(税込)
  • 目安勉強時間:200時間程度(実務経験者の場合)
  • 合格率:15%前後

アドバイザーコメント

システム運用を目指すなら資格は取得しておこう

システム運用だと、ITサービスマネージャ試験情報処理安全確保支援士試験などの資格がおすすめです。また、AWSの認定資格は取得を奨励する企業が多いです。システムアーキテクト試験は、システムを作る側の人向けの試験になります。

資格があることで、毎月の給料で手当が支給される企業があったり、就職活動で有利であったりします。資格を持っていて損をすることはありません。ITの初学者であればやはり、基本情報技術者試験でしょう。システム運用職の求人にチャレンジするときには有利に働きます。

就職活動をする中で、企業説明会などに参加して実際に利用する技術などを聞いて、Microsoft製品や、シスコ製品を使っているのであれば、Microsoftの認定資格シスコシステムズ認定資格があると良いでしょう。

目指すところを明確にすることで自分に合った資格が見つかる

自分に合った資格の見つけ方のポイントとしては、自分が何を目指しているのか、何が得意なのか、何に興味があるのかというところです。基本情報技術者試験応用情報技術者試験はITの幅広い知識を問われます。

それより難しいネットワークスペシャリスト試験データベーススペシャリスト試験システムアーキテクト試験は人により得意、不得意が出てきます。試験区分によって、スピーディーに設計をしたり計算をしたりする能力を求められる問題や、2時間で2,200文字以上の論文を作成する問題もあります。

多くの試験は過去問題が公開されています。問題冊子を見てみて、「これならできそう」という試験を見つけても良いでしょう。

ITの仕事に役立つ資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説

システム運用のやりがい

システム運用のやりがい

  • あらゆるキャリアに活用可能なシステムの基本知識を学べる
  • システムの運用を通じて経営課題を解決できる
  • トラブルを未然に防いでユーザーの安心・安全を守れる
  • 業務範囲が広くないため一つのことに集中しやすい

システム運用に限らず、働くうえでやりがいを感じられることは重要です。やりがいを感じられなければ、仕事が楽しくなくなってしまい、仕事をする目的を見失ってしまうリスクがあります。

ここからは、システム運用として働くことにはどんなやりがいがあるのかを見ていきましょう。

あらゆるキャリアに活用可能なシステムの基本知識を学べる

システム運用は、システム開発や保守など、システム全体の知識・スキルを身に付ける必要があります。なぜなら、障害が発生した際、システム全体を見て原因を見つけ、解決策を考えなければいけないからです。そのため、業務の中でシステムの基本知識を網羅的に学ぶことができるのです。

業務中に身に付けたシステムの基本知識はほかの職種でも活かせます。あらゆるキャリアへのステップアップが可能になるため、自身のキャリアパスにも良い影響を与えるのです。「将来はシステムの開発がしたい」など、システムにかかわるキャリアパスを描きたい人は、システム運用で基礎知識を学ぶのがおすすめです。

システム運用の経験は、ネットワークの設定やデータベースの管理、セキュリティ対策などの実務に直結します。

また、ハードウェアやOSなどの「クセ」のようなものがわかるようになるので、トラブルシューティングにも役立ちます。

システムの運用を通じて経営課題を解決できる

今ではシステムがビジネスモデルの中核となっている企業も多くあります。つまり、システムがスムーズに運用できればビジネスも好転し、逆に不具合があればビジネスにも悪影響が出ることもあるのです

システムを運用する中で、その企業の課題が見つかる場合もあります。そこで、システム運用がその課題と解決策を提案することで、企業の経営課題の解決に貢献できるのです。

「システム運用」と聞いてルーティン作業を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、実際は企業の経営課題の解決に貢献できるほどの影響力がある仕事です。「システムを通じて世の中・企業を良くしたい」と考えている人に向いていますよ。

トラブルを未然に防いでユーザーの安心・安全を守れる

システムはトラブルと隣り合わせです。一方で、近年はシステムがビジネスの中心となっている企業も多く、会社を安定稼働させるためにはなくてはならない存在となりました。

このように繊細だが非常に重要なシステムのトラブルを最小限に抑えるのがシステム運用の仕事です。トラブルを未然に防いで、ユーザーが安心・安全な状態でシステムを利用できるようにします。

前に出て目立つ職種ではありませんが、システムを利用する人・企業にとっては欠かせない縁の下の力持ちのような存在です。「陰から世の中を支えたい」と考えている人におすすめです。

業務範囲が広くないため一つのことに集中しやすい

システム運用が身に付けるべき知識・スキルは幅広いですが、実際の業務範囲はそこまで広くありません。もう一度システム運用の仕事内容を見てみましょう。

システム運用の仕事内容

  1. システムやネットワークの監視
  2. データの管理・バックアップ
  3. トラブル発生時の原因究明と対策
  4. セキュリティ監視
  5. 運用手順書の作成

新卒で入社した場合は監視業務がほとんどです。知識・スキルを身に付けてキャリアアップすると管理・バックアップやトラブル対処などの仕事も任されるようになります。

このように、業務範囲はそこまで広くないため、「一度に複数のことを考えるのが苦手」「一つのことに集中して仕事がしたい」と考えている人に向いています

アドバイザーコメント

システム全体の効率化を進められることにやりがいを感じられる

システム運用は業務の見える化や業務効率化を通じて企業の生産性向上に貢献できる点もやりがいとして挙げられます。具体的には、クラウドサービスを活用してコスト削減を図るといったところでしょう。これにより、自身のスキルが直接的に組織の業績改善につながるという実感を得られます。

また、システム運用の業務は、ITインフラストラクチャの整備・保守に対する深い理解を必要とします。ネットワークやサーバー、データベースなど、各分野に関する知識を深めることで、システム全体の構造を理解し、それを最適化していく達成感は大きいです。

システム運用の仕事は「スキルを活かせている」という実感を得やすい

これらを挙げると、業務範囲が広くないと述べましたが、その中でも挑戦的な課題に取り組むことが多いため、高い専門性と技術力が求められます。そのため、自分が持っているスキルが直接的に結果に反映され、その結果を通じて自己成長を実感できることも大きなやりがいとなるでしょう。

システムが止まってしまえば、業務が停止したり、得られるはずの売り上げが得られない機会損失につながります。システム運用で特に重要なのは、「システムを止めないこと」です。

システム運用の厳しい一面

システム運用の厳しい一面

  • 休日出勤や夜間勤務が多い
  • 新しいことを学ぶ機会が少なく新鮮味に欠けやすい
  • 監視業務中は何もしない時間が長い
  • 閉鎖的な空間で作業するケースが多い
  • 苦情が多い一方で直接感謝される機会が少ない

システム運用にはやりがいがある一方で、厳しい一面もあります。入社後に「思っていたキャリアと違った」とならないように、厳しさも事前に把握しておきましょう。

休日出勤や夜間勤務が多い

システムは24時間365日稼働します。そのため、システム運用もシステムの稼働に合わせて常に監視・対応する必要があるのです

会社によって異なりますが、システム運用の勤務形態は基本的にはシフト制です。3交代制・2交代制などの制度が設けられています。夜間勤務が多くなる可能性は十分に考えられ、人手不足や急な対応が必要になった場合は休日出勤が求められることもあるのです。

システム運用は不規則な働き方になる場合があります。生活リズムが崩れて体調に悪影響を与えることもあるため、身体的なストレスがかかるといった厳しさもあります。

新しいことを学ぶ機会が少なく新鮮味に欠けやすい

前述で「ルーティンワークだけでなく、システム運用は経営課題の解決にも貢献できる」と解説しましたが、とはいえマニュアルや運用手順書に沿ったルーティンワークが多くなります。

毎日同じような業務を繰り返すため、業務中に新しいことを学ぶ機会が少なくなり、新鮮味に欠けやすいといったデメリットがあります

しかし、キャリアアップするにはシステムやITに関する知識・スキルを身に付けることが求められます。そこで、業務時間外で自ら学習する必要があるのです。拘束時間が長いシステム運用ですが、プライベートの時間も学習しなければいけないことにストレスを感じる場合があります。

学習時間の捻出ができている人は、学習そのものをルーティン化しています。ポイントは「スキマ時間」です。

短い時間でも確保できるタイミングを見つけて毎日コツコツと学習していくことが重要です。毎日20分勉強すれば、1カ月で約10時間学習したことになりますね。

監視業務中は何もしない時間が長い

前述の通り、新卒でシステム運用として入社した場合、最初に任されるのは監視業務です。監視をする中でシステムの仕組みや、トラブルが発生した際の原因・解決方法を学びます。

新卒にとって多くの時間を占める監視業務ですが、何もしない時間が長く、退屈に感じてしまうことがあります。監視も重要な業務であるため気を抜くことは許されませんが、変化が少ないため、退屈でつらく感じてしまう場合が考えられます

閉鎖的な空間で作業するケースが多い

障害や不具合を最小限に抑えるために、サーバーなどのシステムは日光も入らないような閉鎖的な空間で作業するケースが多くなっています。業務中は室内にいる時間が長いため、体内リズムが崩れてしまう可能性があるのです。

昼勤の場合、日中も閉鎖的な空間で作業するので、気分が沈むこともあるでしょう。このように、いつ体調を崩してもおかしくない環境で働くことになるといった厳しさがあり、注意が必要です。

苦情が多い一方で直接感謝される機会が少ない

システムに障害やトラブルが発生した場合、個人・企業にかかわらず行動が制限されるため、「すぐに復旧してほしい」や「原因は何なのか」などの苦情が寄せられることが考えられます。そして、システム運用は至急対処することが求められるため、残業や休日出勤する場合もあるのです。

しかし、ユーザーにとってはシステムが安定稼働している状態が当たり前です。そのため、システム運用が日々監視したり、未然にトラブルを防いだりしても感謝される機会が少なくなります

このように、苦情が多い一方で感謝される機会が少ないことに厳しさ・ストレスを感じる人もいる可能性があります。

システム運用が感謝を伝えられることはまったくないのでしょうか。

専門性の高い障害を解消できたときに感謝される

システム運用の仕事でも感謝されることはあります。たしかに、システムは正しく動いて当然と思われがちなうえに、システムについて理解が乏しい人も多いので、仕事の大変さはなかなか伝わりにくいという一面があります。

また、顧客とかかわる機会が少ないこともあり、直接感謝を伝えられることは少ないかもしれません。

ただ、専門性が高いがゆえに、システムを使う人が直接障害を解消できないので頼られる存在でもあります。そのため、ほかの仕事と同様に、システムの稼働トラブルや導入に悩んでいる人の悩みを解決することで感謝を伝えてくれる人もいます。

自分に当てはまる? システム運用が向いている人の特徴

システム運用が向いている人の特徴

  • ITに関する知識を幅広く身に付けたい人
  • 課題を解決することにやりがいを感じられる人
  • ルーティンワークが得意な人
  • 体力・ストレス耐性に自信がある人

システム運用には向き不向きがあります。向いている人にとってはやりがいが感じられる職種ですが、向いていない人にとっては厳しい一面だけが目立ってしまう可能性があります。

向いている人の特徴から、自分に当てはまるかどうかをチェックしましょう。

ITに関する知識を幅広く身に付けたい人

システム運用として活躍するには、システム開発やIT全般に関する知識・スキルが必要になります。プライベートの時間も活用して学習する必要がありますが、幅広く深いIT知識を身に付けられます。

ITに関する知識を幅広く身に付けることで、自身のキャリアパスを柔軟に選択できるようになります。そのため、「まだやりたいことは明確でないが、将来はIT業界で活躍したい」と考えている人にもシステム運用がおすすめです。

やりたいことが見つかっていない人は、こちらの記事を参考にして自分のやりたいことを見つけてみましょう。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動

課題を解決することにやりがいを感じられる人

システムの運用中にユーザーの課題が見つかった場合、課題とその解決策を提案することがあります。

たとえば、大規模なシステムのわりに実際の使用頻度・量などが釣り合っていなくてコストがかかっていたり、新しいシステムが必要だったりなど、運用中に課題が見つかることも少なくありません。

このように、システム運用は課題を発見し解決する機会も多いため、課題を解決することにやりがいを感じられる人に向いています。ある物事に対して、強い責任感を持って課題を発見し、解決に向けて行動した経験がある人はチャレンジしてみるのがおすすめです

ルーティンワークが得意な人

システム運用は監視業務やデータの管理・バックアップなど、ルーティンワークが多くなる職種です。このような特徴から、毎日同じことを繰り返したり、習慣化するのが得意な人に向いています

一方で、トラブルや障害が発生する可能性もあるため、臨機応変な対処を求められることもあります。そのため、ルーティンワークが得意であることと同様に、急なトラブルにも冷静に対応できる能力も求められることを忘れてはいけません。ルーティンワークと臨機応変な対応が得意な人におすすめです。

臨機応変な対応力がある人は、就活で自己PRしてみましょう。こちらの記事で臨機応変な対応力の自己PR法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文8選|臨機応変に対応する力の自己PRで印象に残す4ステップ

体力・ストレス耐性に自信がある人

システム運用は24時間365日監視する必要があったり、夜中にシステムのメンテナンスをする必要があったりするため、夜間対応が求められます。また、人手が足りなかったり、トラブル・障害が発生した際には休日出勤を要請されることもあります。

このように、システム運用は心身に負担をかける働き方といえるのです。そのため、体力・ストレス耐性に自信がある人はシステム運用に向いています。

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システム運用には注意力・学習意欲・コミュニケーション能力・忍耐力が必要

記事で紹介されている特徴のほかにも、以下のような特徴を持つ人は、システム運用の仕事に向いている可能性が高いといえるでしょう。

細部への注意力が高い人

システム運用は、システムの安定稼働には欠かせない仕事であり、そのためには細部への注意力が必要です。繰り返しの業務の中で起こる微妙な異変を見逃さず、それが大きな問題に発展する前に対処する能力が求められます。

②学習意欲が高い人

IT業界は急速に進化し続けていて、新しい技術や手法が次々と生まれてきます。その変化に対応し続けるためには、常に新しい情報を取り入れ、自ら学ぶ意欲が高い人が向いています。

③コミュニケーション能力が高い人

システム運用は1人でおこなう仕事ではありません。多くの場合、チーム内や他部署、顧客などとのコミュニケーションが欠かせません。そのため、他人と円滑にコミュニケーションを取る能力がある人にとって、システム運用は適しているといえます。

④耐久力と忍耐力がある人

システム運用は、一貫したパフォーマンスを維持することが求められる仕事です。一時的なエネルギーではなく、長期的に一定の品質を維持できる耐久力と、厳しい状況でもくじけずに続けられる忍耐力が必要です。

忍耐力がある人は、こちらの記事で忍耐力の自己PRの伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文17選! 自己PRで企業が求める忍耐力をアピールするコツ

システム運用への就職を有利にする方法

システム運用への就職を有利にする方法

  • システム運用に必要なスキルを身に付けて実際に発揮する経験を作る
  • 資格を取得して自己PRでアピールする
  • システム運用の実務経験が積めるインターンに参加する

システム運用はITやシステムに関する知識・スキルを身に付けられる魅力的な職種であるため、企業によっては就職志望者が多い可能性も十分にあります。

ここからは、システム運用への就職を有利にする方法を解説します。ほかの学生と差別化するためにも、事前にチェックしておきましょう。

システム運用に必要なスキルを身に付けて実際に発揮する経験を作る

大学生のうちにシステム運用に必要な知識・スキルを身に付けておくことで就職が有利になる傾向にあります。

しかし、ただ学習して知識を身に付けるだけではアピールが弱くなります。身に付けた知識・スキルを実際に発揮する経験を作り、そのエピソードをアピールすることでより面接官に刺さる自己PRができるようになるのです

そのため、知識・スキルを身に付けたら、それを発揮する経験までセットで作るようにしましょう。そうすることで、実際に働いている姿をよりイメージしてもらえるようになり、即戦力と判断される可能性も高まります。

とはいえ、新卒はポテンシャル採用をしている企業が多いのも事実です。システム運用に必要なスキルを身に付けても、必ずしも有利になるとは限らないことには注意しましょう。

エピソードを交えた自己PRを作る際、以下の記事を参考にするとより面接官に刺さる内容を考えられるようになりますよ。
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選

資格を取得して自己PRでアピールする

前述の通り、資格を取得することで、それに関する知識・スキルを身に付けていることを客観的に証明できます。つまり、資格を取得しておくことで、自分がシステム運用に必要な知識・スキルを身に付けていることをアピールできるのです

システム運用におすすめの資格は、前述でも紹介した以下の7つです。

システム運用におすすめの資格

  1. Microsoft認定資格プログラム
  2. シスコシステムズ認定資格
  3. 基本情報技術者試験
  4. 応用情報技術者試験
  5. システムアーキテクト
  6. ネットワークスペシャリスト
  7. データベーススペシャリスト

上記の中には難易度が高く、未経験での取得が難しいものもあります。一方で、しっかり勉強すれば取得できる資格もあるため、自分のレベルに合った資格を取得して、自己PRでアピールしましょう。

なお、前述の通り、新卒はポテンシャル採用が基本のため、資格を取得すれば必ず有利になるわけではないことには注意が必要です。

システム運用の実務経験が積めるインターンに参加する

実務経験がある人は就職が有利になりやすいです。なぜなら、すでに知識・スキルを身に付けていて、業務の進め方を把握しているため、即戦力として採用できるからです

大学生のうちにシステム運用の実務経験を積む方法には、インターンへの参加があります。システムに関する知識・スキルはもちろん、職種にかかわらず社会人に必要なビジネススキル・マナーも学ぶことができます。

さらに長期インターンの場合は給料をもらえる場合がほとんどであるため、生活との両立もしやすいです。

インターンについてまだ何も把握できていない人は、こちらの記事からインターンの全体像をつかみましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説

システム運用として就職したいのですが、何から始めれば良いかわかりません。

システム運用の求人から求められる技術水準を見てみよう

まずはナビサイトでシステム運用の求人を探してみましょう。企業によって求められる技術水準は変わってきます。

高い技術や前提条件を求められる企業も、現時点でITの知識を求められない企業も存在することに気づくはずです。自分自身でチャレンジできる企業を見つけることができます。

理想は、就職活動に向けて、見つけた企業のもうワンランク上の企業にチャレンジできれば最高です。ITを学んだり、資格を取得することは好待遇の企業への内定につながります。

向き不向きを見極めてシステム運用への就職を実現させよう!

IT業界の中では比較的新卒が入社しやすいシステム運用ですが、働き方が独特であるため、向き不向きが分かれます。向いている場合はやりがいを感じながら働けますが、向いていなかった場合は入社後に後悔する可能性もあります。

理想のキャリアパスを描くためにも、まずはシステム運用が自分に向いているかどうかを見極め、向いていると判断した場合は、この記事を参考にして就職を実現させましょう。

アドバイザーコメント

システム運用を志望するなら学生のうちから基礎知識を深めておこう

システム運用は、IT化が進んで多くの企業でデジタル機器を利用したシステム導入が拡大していく中で、なくてはならない仕事の一つです。

システム運用の仕事は、サーバーやネットワークの監視、セキュリティ対策、ユーザーサポートなど多岐にわたり、システム関連の専門知識だけでなく、コミュニケーション力やトラブル発生時の分析力、臨機応変な対応力も求められます。

ソフト開発などのエンジニア職に比べると新卒でも就職しやすいですが、希望する企業に就職するためには、基本情報技術者試験などの関連資格を取得するなど、学生時代から業界知識を深めて基礎的なスキルを習得しておくことが望ましいでしょう。

システム運用の仕事内容はインターンや説明会で理解を深めよう

IT技術の進歩にともなってシステム自体も高度化していくため、キャリアアップするにはIT分野の幅広い知識をブラッシュアップする必要があり、学び続ける意識が欠かせません。

システムの運用・保守は業務内容がイメージしにくいので、インターンや企業説明会に参加して、実際にシステム運用の仕事に触れたり理解を深めたりするなど、自分の適性を見定めましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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