未経験から目指すプロジェクトマネージャーへの道|必須スキルを解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • 応用情報技術者/アスターリンク代表

    Hiroyuki Suzuri◯大手SIerでシステムエンジニア、メガベンチャーでWebエンジニアを経験後、メディアの立ち上げや組織運営、事業運営を経験し独立。現在は転職やキャリア形成の情報を発信中

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役

    Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • プロジェクトマネージャーを目指すなら仕事内容や大変さの理解が必須
  • プロジェクトマネージャーに向いている人には4つの特徴がある
  • プロジェクトマネージャーに有利な資格やキャリアパスも徹底解説
  • この記事を読んでいる人に
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プロジェクトマネージャーは、主にIT業界のプロジェクトにおいて全体の管理や進行についての責任を担う立場です。プロジェクトを期日までにミスなく完了するには、プロジェクトマネージャーの存在が必須といえます。

学生の段階からプロジェクトマネージャーの働き方をイメージできている人は少ないでしょう。しかし、あらかじめ将来の働き方を把握しておかなければ、不安な気持ちを抱えたまま就活を迎えることになります。

プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容や年収・将来性を理解しておけば、自分が目指したいキャリアかどうか自信を持って判断できます。納得のいくキャリアに進むことで入社後も高いモチベーションを維持でき、熱意ややりがいを持って働き続けられるでしょう。

この記事では、キャリアアドバイザーの硯里さん、木村さん、田邉さんのアドバイスを交えつつ、プロジェクトマネージャーの働き方や将来性について解説します。IT系で将来的にどういったキャリアを築こうか迷っている人は参考にしてくださいね。

目次

プロジェクトマネージャーを目指すならまずは仕事内容や将来性を把握しよう

プロジェクトマネージャーは、IT系プロジェクトの統括を担う重要な仕事です。メンバーと協力しながらプロジェクトを成功に導くプロセスに達成感を見出せる、人気の役職です。

プロジェクトマネージャーを目指すなら、まずは仕事内容や将来性を理解することが大切。この記事では、プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容や、年収、将来性を解説していきます。

さらに、プロジェクトマネージャーになる方法や、有利な資格、向いている人の特徴も説明します。

「プロジェクトマネージャーとして働きたい」「今からできる対策を知りたい」という人は参考にしてくださいね。

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プロジェクトマネージャーオフィスと何が違う? プロジェクトマネージャーの役割

プロジェクトマネージャーの役割

  • プロジェクトマネージャー(PM)とは
  • プロジェクトマネージャーオフィス(PMO)との違い
  • プロジェクトリーダー(PL)との違い
  • プロダクトマネージャー(PdM)との違い

IT業界のプロジェクトでは、プロジェクトマネージャー以外にもさまざまなポジションが存在します。プロジェクトマネージャーとほかのポジションの役割の違いを知ると、プロジェクトマネージャーに何が求められているかの理解が深まります。

以下では、プロジェクトマネージャーとそのほかのポジションの役割について説明します。

プロジェクトマネージャー(PM)とは

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの管理や進行の責任を担います。プロジェクトマネージャーが果たす役割は以下の通りです。

プロジェクトマネージャーの役割

  • スケジュールの策定
  • 予算管理
  • リスク管理
  • チーム形成
  • 進捗状況の確認

プロジェクトマネージャーは、「プロジェクトをどのように進めていくか」「どのくらいの費用が必要か」といったスケジュールや予算の策定をおこないます。また、プロジェクトを進めるうえで考えられるリスクを事前に予測し、対応策を立てます。

プロジェクトは、何人ものメンバーがかかわるチーム活動です。全員が同じ方向に向かって業務にあたらなければ、プロジェクトは成功しません。

プロジェクトマネージャーは、チーム全体を管理しプロジェクトを成功に導くのが役割といえます

硯里 宏幸

プロフィール

プロジェクトマネージャーは決められた予算やスケジュールの中で無事にプロジェクトを完了させることが大切です。

また、チームが困っていることや課題となりそうなことに手を打ち、スムーズに進行させることも求められます。

プロジェクトマネージャーオフィス(PMO)との違い

プロジェクトマネージャーオフィスとは、プロジェクトで結果を出すためにプロジェクトマネージャーを支援する部署や組織です。

プロジェクトマネージャーオフィスの役割

  • プロジェクト管理の高効率化
  • プロジェクトマネージャーへの教育
  • プロジェクトの進行状況のチェックおよび支援

プロジェクトマネージャーオフィスは、プロジェクトマネージャーと協力しながら業務の効率化に向けた対策をします。また、プロジェクトの進行状況を確認し、スケジュール調整やタスク追加の支援も担当します。

プロジェクトマネージャーオフィスは、プロジェクトの品質や効率性アップを目的にプロジェクトマネージャーと連携することが求められます。

プロジェクトに問題が発生した際にはプロジェクトマネージャーへの指導・教育の役割も担う、重要なポジションです

プロジェクトリーダー(PL)との違い

プロジェクトリーダーは、プロジェクトの特定の分野でリーダーとしての役割を担います。

プロジェクトリーダーの役割

  • プロジェクトスコープの策定
  • メンバーのマネジメント
  • プロジェクトの進捗管理

プロジェクトリーダーは、担当分野のプロジェクトスコープを策定します。プロジェクトスコープとは、納期内にプロジェクトを完了させるための具体的なアクションのことです。

プロジェクトスコープを明確にすることで、メンバーが効率よく業務を進められる体制が整います。

メンバーの目標達成に向けた指導・教育もプロジェクトリーダーの重要な役割です。プロジェクトメンバーとの良好な関係を築き、プロジェクトの進捗を管理することが求められます。

プロダクトマネージャー(PdM)との違い

プロダクトマネージャーは、製品やサービスのライフサイクル全体の責任を担います。ライフサイクルとは、製品やサービスが世の中に出回ってから衰退するまでの一連のプロセスです。

プロダクトマネージャーの役割

  • 製品の戦略的方向性の策定
  • 市場調査や顧客ニーズの分析
  • 製品の仕様の策定
  • 開発プロセスの改善
  • 製品の販売促進

プロダクトマネージャーは、「どんな製品を、誰に対して、どのように売るか」を詳細に決めます。市場調査や顧客ニーズを分析し、製品の仕様を策定します。

製品の売上や認知度向上のために販売促進をすることもプロダクトマネージャーの重要な役割です

プロダクトマネージャーはプロジェクトマネージャーと連携しながら、価値のある製品やサービスの創出につなげることが求められます。

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容

以下では、プロジェクトマネージャーの具体的な仕事内容を解説します。プロジェクトマネージャーの仕事内容を詳細に理解し、自分のやりたいこととマッチしているか確認しましょう。

プロジェクトの企画を立案する

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの企画を立案します。以下のポイントに沿ってアクションを明確にし、必要な予算や納期の見積もりをおこないます。

企画立案で考えること

  • 何をおこなえば目標を達成したといえるのか
  • 目標達成のために何が必要なのか
  • 必要な人員や設備・時間はどのくらいか

プロジェクトの企画立案は、今後のプロジェクトが進む方向性を左右する重要なステップ。プロジェクトが失敗すれば、企業にとって大きな損失につながります。

プロジェクトマネージャーはあらかじめプロジェクトのリスクを予測し、トラブルが起きた際の対応策まで含めたプロジェクトの企画立案が求められます

企画に興味がある人は企画職もおすすめです。企画職の具体的な仕事内容はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード? 

プロジェクトのチームを編成する

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのチームを編成します。スキルや経験、専門知識や性格などを考慮したうえで、最適なチームを組むことが大切です

「プロジェクトが上手くいくにはどのようなスキルが必要なのか」を熟知したうえで、メンバーを適材適所のポジションに配置します。

また、編成したチームに対しては日々のコミュニケーションを通した信頼関係の構築や、メンバーのモチベーション向上に向けた取り組みが求められます。

チーム内にスキルや経験が欠けている人がいれば積極的にフォローしたり、チーム編成を見直したりすることもあります。

プロジェクトの進捗を管理する

プロジェクトの進捗を管理することは、プロジェクトマネージャーのメインの仕事といえます。

「スケジュールよりも遅れている」「上層部から新しい要望がおりてきた」など、プロジェクトに想定外の出来事が起きた際は、迅速な対応が求められます。必要に応じて、スケジュールの再調整や予算の見直しも必要です。

メンバーのモチベーション向上もプロジェクトの進捗管理の一環です。メンバーのモチベーションは仕事の生産性に直結するからです。

プロジェクトマネージャーは、「プロジェクトにはどんな重要な意義があるのか」「そのためには全員の力が必要」と日頃からメンバーに伝え、チーム全体の士気を上げてプロジェクトを成功に導きます

このようにプロジェクトマネージャーは、より良いチーム形成に努めながらプロジェクトの進捗を管理します。

木村 千恵子

プロフィール

適切な進捗管理をおこなうためには、プロジェクトに参加している各メンバーの作業状況を的確に把握するスキルと、自分に集まってくる情報を素早く判断してチームにタイムリーな情報提供をおこなうスキルが求められます。

プロジェクトの業務を効率化する

プロジェクトの業務効率化も、プロジェクトマネージャーの重要な仕事です。プロジェクトは人員が限られているケースが多いため、全体の責任を担うプロジェクトマネージャーが業務の効率化を担当します。

今までのプロジェクトの進め方に満足せず、常に試行錯誤して業務を効率化することが大切です。たとえば、プロジェクトのワークフローを見直し、タスクを自動化できるツールを導入して無駄なタスクを省きます。

業務プロセスが改善すれば、メンバーの生産性も最大化されプロジェクトの業務効率化につながります。プロジェクトマネージャーの業務効率化は、プロジェクトをスムーズに進めるうえで必須です。

プロジェクトの振り返りをする

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト完了後に振り返りをします。プロジェクトの良かった点だけでなく改善すべき点も洗い出し、次回のプロジェクトに活かすことが目的です。

振り返り会にはチームメンバー全員が参加し、正直な意見を述べてもらいます。プロジェクトマネージャーが「あの場面ではこうすべきだった」と思っていても、メンバーから見たら「それは難しい」と意見が食い違うケースがあるからです。

また、プロジェクトマネージャーは、メンバーに振り返りをする目的をしっかり伝えることが大切です。振り返り会を「ダメな箇所をあげていく」というネガティブなものと認識しているメンバーがいる可能性があるからです。

「次のプロジェクトをより良くするにはどうしたら良いか」といったポジティブな意見をメンバーから引き出すのが、プロジェクトマネージャーの役割といえます

アドバイザーコメント

プロジェクトマネージャーの仕事は利用者の声を尊重することが大切

プロジェクトマネージャーは、プロダクトを通して実現したいビジョン・ユーザー価値・収益を達成する仕事です。

しかし企業にもよりますが、民間企業においては、ユーザー価値よりも収益を重視する傾向にあります。そのため売上を伸ばしたい営業・マーケター・経営者・事業責任者の意見が強くなるでしょう。しかし、プロジェクトマネージャーであれば、利用者の声やサポートチームの声も尊重しプロダクトのあり方を模索していくことが求められます。

プロジェクトマネージャーは各部署を調整する力が必要

当然プロダクトの改善にあたっては、技術的な実現可能性や工数、リリース後の保守性も考慮しながらリードしていく必要があります。

そのため、プロジェクトマネージャーは技術力・事業的な視点・競合の状況も把握しながら、各部署と協力しプロダクトの開発を進めるスキルや調整力が必要となります。複数の専門性とバランスが必要な仕事といえるでしょう。

また、普段からさまざまな分野のプロダクトの訴求・差別化・付加価値などに触れ、アンテナを立てておくことで自分が担当するときに役立つでしょう。

あなたがプロマネに向いているか確認してください

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気になるポイント! プロジェクトマネージャーの年収の相場

経済産業省の調査結果によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円です。IT系全体の平均年収は約600万円のため、プロジェクトマネージャーは平均より高年収といえます。

プロジェクトの成功を左右する重大な責任がともなう分、プロジェクトマネージャーには多くの報酬が支払われます。

また、経済産業省の調査結果によると、IT関連産業は年齢の増加にともない年収も増加する傾向が見られました。

プロジェクトマネージャーは30代後半から40代の人が多いです。20代でIT関連の経験やスキルを重ね、30代以降に全体の責任を担うプロジェクトマネージャーにキャリアアップし高収入を得るという流れが一般的です。

若手社員の教育に力を入れている企業では、20代でプロジェクトマネージャーに就くケースもあります。「IT業界で活躍し高年収を得たい」という学生には、プロジェクトマネージャーはぴったりの仕事といえます

プロジェクトマネージャーの高い年収や責任ある仕事を魅力に感じています。できるだけ早い年齢でプロジェクトマネージャーになるにはどうしたら良いですか? 

硯里 宏幸

プロフィール

大手SIerに就職するのがおすすめ

高い年収や責任に魅力を感じてプロジェクトマネージャーを目指す人は、大手SIerに就職することをおすすめします。中小企業の場合は二次請けとなり、プロジェクトマネージャーといった上流を担当できない可能性があるためです。

プロジェクトマネージャーであったとしてもシステムに関する知識が求められるため、まずはシステムエンジニア(SE)として現場経験を積みましょう。

複数のプロジェクトに参画しているうちに、流れやトラブルになりがちなポイント、運営の仕方を体感的に学ぶことができ、貴重な経験となるはずです。

システムエンジニアの詳しい仕事内容はこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてください。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説

大手SIerの「SIer」がわからない人もいると思います。SIerはSI業界に属する企業のことです。以下の記事ではSI業界の仕事内容など詳しく解説しているので参考にしてみてください。
SI業界を研究! 仕事内容や将来性、向いている人を徹底解説

プロジェクトマネージャーになるには? 考えられる3つのキャリアパス

プロジェクトマネージャーになるために考えられる3つのキャリアパス

プロジェクトマネージャーは、ITエンジニア以外の職種からも目指せます。プロジェクトマネージャーになる方法を理解しておくことで、目指すキャリアへの可能性が広がります。

以下では、プロジェクトマネージャーになるための3つのキャリアパスを説明するので、ぜひ参考にしてください。

ITエンジニアからのキャリアアップ

ITエンジニアからのキャリアアップは、プロジェクトマネージャーになるための王道の手段といえます。

ITエンジニアで得られるシステム開発などの知識やスキルは、プロジェクトマネージャーでも必要です。システム開発の進捗管理やコミュニケーション力、品質管理などのスキルもプロジェクトマネージャーで活かせます。

ITエンジニアは、プロジェクトマネージャーの補佐役として業務にあたることもあります。プロジェクトマネージャーの仕事を具体的にイメージできるため、キャリアアップ後のミスマッチを減らせる点がうれしいですね。

未経験からエンジニアになる方法はこちらの記事で解説しています。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方

エンジニアに有利な資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説

ヘルプデスクからのキャリアチェンジ

顧客からの問い合わせや、システムのトラブル解決を担当するヘルプデスク。さまざまな部署と協力して、システムの問題を解決することが求められます。

ヘルプデスクの仕事を通して身に付く問題解決能力やコミュニケーションスキルは、プロジェクトマネージャーにおいても必須です。ヘルプデスクはさまざまなITサービスにもかかわることから、プロジェクトマネージャーに必要な情報関連知識も身に付きます

プロジェクトマネージャーになるためのキャリアパスとして、ヘルプデスクからのキャリアチェンジは有効といえます。

ヘルプデスクからのキャリアチェンジは狭き門のように思えますが、可能なのでしょうか?

木村 千恵子

プロフィール

キャリアチェンジできる可能性は十分ある

IT系の企業で営業やコンサルタントとして顧客と開発プロジェクトに深くかかわった経験がある場合は、顧客の要望を把握しながら、自社チームのリソースや技術の強みを活かしてプロジェクトマネージャーとして活躍できる可能性があるでしょう。 

プロジェクトマネージャーの顧客目線を持ちながら「プロジェクトを推進するためにチームとして何を重視すべきか」という視点は、営業ともコンサルタントとも共通する部分が多いため、キャリアチェンジできる可能性は十分あると考えられます。

Webデザイナーからのキャリアチェンジ

Webデザイナーからのキャリアチェンジも、プロジェクトマネージャーのキャリアパスとして有効です。

Webデザイナーの仕事は顧客の要求を満たすWebデザインの構築が必要なため、顧客目線が求められます。プロジェクトマネージャーにおいても顧客ニーズの理解は必須のため、Webデザイナーの経験が直接活かせます

また、Webデザインは日々新しい技術が生み出される分野です。常に最新情報を取り入れるWebデザイナーのリサーチ能力は、IT系プロジェクトの統括を担うプロジェクトマネージャーの仕事にも役立ちます。

上記のように、Webデザイナーとプロジェクトマネージャーの共通点を伸ばせば、プロジェクトマネージャーに転身しても活躍できるといえます。

Webデザイナーに興味がある人はこちらの記事も参考にしましょう。仕事内容や就職方法を解説しています。
Webデザイナーになるには? 仕事内容から将来性まで徹底解説

Webデザイナー以外でもキャリアチェンジできる職種があれば教えてください。

硯里 宏幸

プロフィール

営業やコンサルタントからのキャリアチェンジもある

プロジェクトマネージャーはプログラマーやSEがキャリアップしてなることが大半ですが、一部では営業やコンサルタントがプロジェクトマネージャーを担当することもあります。

ただし、顧客とのコミュニケーションに長けている一方で、開発プロセスや技術への理解が低いため開発側の負担が高くなりがちです。

開発側にもサポートをしてもらうことで、スムーズに運営を進めることができるでしょう。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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学生のうちからプロジェクトマネージャーを目指すメリット

学生からプロジェクトマネージャーを目指すメリット

  • 志望動機に説得力を持たせられる
  • 10年先を見すえたキャリアを形成できる
  • 高い市場価値を得られる

以下では、学生のうちからプロジェクトマネージャーを目指すメリットを解説します。自信を持って就職活動を進めるためにも、プロジェクトマネージャーの魅力を把握しておきましょう。

志望動機に説得力を持たせられる

学生がプロジェクトマネージャーを目指すことで、志望動機に説得力を持たせられます。

たとえば、「これから伸びるIT業界で働きたい」よりも「プロジェクトマネージャーとして新しいサービスを開発したい」の方が、IT業界を志望する説得力を感じられます。

「将来はプロジェクトマネージャーになりたい」という理由も含めて面接官に伝えられれば、入社後のミスマッチが減り、目指すキャリアを実現しやすくなります。

ただし、面接でプロジェクトマネージャーに触れる場合は深掘りされる可能性が高いです。「なぜプロジェクトマネージャーになりたいのか」「どんなプロジェクトにかかわりたいのか」をきちんと言語化しておきましょう

IT業界の志望動機の作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介

IT企業の志望動機で「プロジェクトマネージャーになりたい」と話すときは、必要なスキルがあることや実現したいことを伝えましょう。

憧れで志望していると思われてしまうと、マイナス評価になりかねないので注意してくださいね。

10年先を見すえたキャリアを形成できる

10年先を見すえたキャリアを形成できるのも、学生からプロジェクトマネージャーを目指すメリットの一つです。

プロジェクトマネージャーは、IT関連の幅広い知識やスキルが求められます。学生の段階からプロジェクトマネージャーを10年後の目標に設定しておけば、目的を持って必要な知識やスキルを学び仕事に最大限活かせます

10年先を見すえることで一貫したキャリアを築き、IT関連の専門性を高められる点がメリットです。

木村 千恵子

プロフィール

5年後、10年後に目標とする理想のキャリアをイメージしておけば、そこに近づくためのステップがより明確になります。

イメージはあとで変わっても軌道修正できますが、イメージを持っていないとキャリアを進めるうえで迷子になってしまいます。

そもそもキャリア形成とは何か、なぜ必要なのかがわからない人は、こちらの記事を参考に、自身の将来像を考えてみましょう。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう

キャリアプランの作り方や選考での答え方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
例文14選|面接で聞かれるキャリアプランを効果的に伝えるコツ4選

高い市場価値を得られる

市場価値とは、自分のスキルや能力の社会的価値・ニーズを表す指標です。市場価値が高いと、将来的に活躍できる業界の幅が広がります。企業からのニーズが高く、高収入を得られる点もメリットです。

プロジェクトマネージャーを目指すことで、非常に高い市場価値を得られます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理しながらプロジェクトを成功に導く責任ある役割を果たすため、高水準な市場価値を得られます。

将来あなたがどこの企業で働いても通用する人材となるには、高い市場価値が必要です。高い市場価値を得たいなら、学生時代からプロジェクトマネージャーを目指すメリットは大きいといえます。

アドバイザーコメント

プロジェクトマネージャーを目指すなら開発力も身に付けておこう

将来プロジェクトマネージャーを目指す人は、プログラミングスキルを中心とした開発力が必須と考えておきましょう。

たとえば、開発力があれば顧客の要望に対して技術的に可能であることを精査したうえで即答ができるだけでなく、その開発にかかる時間も概算で伝えられます。

もし価格やスケジュール感が合わなければ、代替案も提案できるでしょう。品質が不安定な場合も早い切り分けができるためスムーズです。開発ができる人ほど、よりプロジェクトマネージャーとしての対応を早くできます。

プロジェクトマネージャーは顧客の課題への理解力も必要

ただし、開発力あれば良いというわけではありません。顧客の業務や課題感も理解が必要です。顧客業務のどの部分にシステムが導入されどのような問題を解決するのかを知らなければ真に使いやすいシステムの提案ができませんし、顧客も不信感を持つでしょう。

単にマネジメントしている人と勘違いされがちですが、プロジェクトマネージャーも立派な専門職であることを理解し、一つずつ積み上げることが大切です。

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仕事が辛い? 知っておくべきプロジェクトマネージャーの大変さ

プロジェクトマネージャーの大変な部分

  • ストレスやプレッシャーがかかる
  • マルチタスクが必要とされる
  • 多くの知識や能力が求められる

「プロジェクトマネージャーの仕事は辛そう……」という印象を持つ学生もいるでしょう。そこで以下では、プロジェクトマネージャーの仕事の大変さについて解説します。

事前にプロジェクトマネージャーの大変さを理解しておけば、働いてからのギャップをなくせます。ぜひ参考にしてくださいね。

ストレスやプレッシャーがかかる

プロジェクトマネージャーの仕事は、ストレスとプレッシャーがかかりやすいです。たとえば、プロジェクトのスケジュールの遅れが発生すればプロジェクトマネージャーの責任になり、ストレスの原因となります。

また、「このプロジェクトは絶対に失敗できない」とプレッシャーを感じることも多いです。プロジェクトマネージャーとして活躍するには、自分のメンタル管理を心掛け、ストレスやプレッシャーとうまく付き合うことが求められます

マルチタスクが必要とされる

プロジェクトマネージャーは、スケジュール調整やチームマネジメントなど、多くのタスクを同時にこなすマルチタスクが求められます。

仕事をマルチタスクにこなすには、優先順位をつけて物事を計画的に進めるスキルが必要です

膨大な業務に同時に取り組む場面が多いと、「この仕事は辛い……」と感じるかもしれません。

多くの知識や能力が求められる

プロジェクトマネージャーは、多くの知識や能力が求められます。変化の激しいIT業界では、新しい技術がめまぐるしく登場します。5年前に使われていたITサービスがすでになくなり、新しいものに代わっているケースも珍しくありません。

また、プロジェクトマネージャーはIT関連知識だけでなく、問題解決スキルやビジネスコミュニケーションスキルといったさまざまなスキルの習得が必要です

このように、プロジェクトマネージャーは多くの知識や能力が求められるため、辛いと感じてしまう人もいます。

アドバイザーコメント

プロジェクトマネージャーの大変なところは問題の矢面に立つこと

プロジェクトマネージャーは問題が生じたときに矢面に立って解決を進める必要があり、大変な仕事です。ここでは特に大変な2つのポイントを紹介します。

①スケジュール遅延

受注をするために少しでも安い見積もりとなるように生産性を高めに見ていることが大半です。実際に開発を始めると想定ほど生産性が出なかったり想定外の事象が発生して遅延することが多々あります。インフルエンザで開発メンバーが次々と休むこともよくある話です。

この場合、メンバーに残業を依頼したり原価が悪化してでも新しい人員を投入するなど対策が必要です。プロジェクトによっては遅延した際に損害賠償を求められることもあり、非常に大変な思いをするでしょう。

②不具合

不具合が発生すると顧客の業務に影響が出ることも多く、レポートとともに原因や根本解決策を求められます。

バグのために第三者が個人情報を閲覧できたり、システムが停止したことによりトラックが出発できず混乱するなど、その影響はさまざまです。開発会社の役員がお詫びに行き経緯や対応をする場合もあり、プロジェクトマネージャーとしてはストレスを強く感じるでしょう。

適性をチェック! プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴

プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴

  • 話すことが苦にならない
  • 気遣いができ思いやりがある
  • おおらかで落ち着きがある
  • ストレス耐性がある

プロジェクトマネージャーの仕事には、向き・不向きがあります。ここからは、プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴を説明します。

プロジェクトマネージャーの適性を確認することで、あなたにマッチしている仕事かわかるので、ぜひ参考にしてくださいね。

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話すことが苦にならない

プロジェクトマネージャーは、多くのメンバーとコミュニケーションを図り、モチベーションの確認や進捗のチェックをします。

また、顧客や自社の経営層にプロジェクトの進捗状況や問題点などを説明することも少なくありません。

話すことが苦にならず、日頃から他人とスムーズにコミュニケーションを取れるなら、プロジェクトマネージャーに向いているといえます

コミュニケーション能力に自信がある人は、自己PRで積極的にアピールしましょう。詳しい方法はこちらの記事を参考にしてください。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説

気遣いができ思いやりがある

プロジェクトマネージャーが果たす重要な役割の一つが、チームのマネジメントです。

「期限までに自分のタスクが完了しそうにない」と悩んでいるメンバーがいたら、プロジェクトマネージャーは悩みに寄り添い、適切なアドバイスやフォローを与えます。

日頃から他人に寄り添う姿勢を持っている人は、マネジメントの観点からプロジェクトマネージャーに適性があるといえます

気配りができることも選考で立派なアピールポイントになります。詳しいアピール方法はこちらの記事を参考にしてください。
自己PRの「気配り」は一工夫が必要! 効果的にアピールする秘訣

特に「相手の立場に立って考えられる人」は、マネジメントに向いています。

プロジェクトはさまざまな利害の人が参画しているため、メンバーの目線に立ってプロジェクトを推進できる人は円滑な仕事ができますよ。

相手の立場に立って考える強みがある人は、こちらの記事もおすすめです。選考でのアピール方法を解説しています。
例文5選! 相手の立場に立って考える力を魅力的に伝える3ステップ

おおらかで落ち着きがある

プロジェクトで突発的に問題が生じた際、適切に問題を処理するためには、プロジェクトマネージャーの冷静さが必要です。プロジェクトマネージャーがパニックにならず冷静さをキープできれば、損失を最小限に抑えられます

想定外のトラブルに対して柔軟に対処するおおらかさや落ち着きがある人は、プロジェクトマネージャーに向いているといえます。

ストレス耐性がある

ストレス耐性があることも、プロジェクトマネージャーでは重要です。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを成功させる大きな責任を担います。想定外の問題が起こることも多いので、ストレス耐性は必須です。

ストレス耐性がないと、前向きに仕事に取り組むことができずに、プロジェクトをうまく進められません。一方で、ストレス耐性があれば「どうすればこのトラブルを解決できるだろうか」とポジティブな考え方に変えられます

ストレス耐性がある人は、忍耐力として選考でアピールするのも有効です。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
例文17選! 自己PRで企業が求める忍耐力をアピールするコツ

向いている人の特徴に当てはまりませんでした……。プロジェクトマネージャーは向いていないのでしょうか? 

向いている特徴に当てはまらない人もプロジェクトマネージャーになれる

ここまでに紹介された特徴に当てはまらないと、プロジェクトマネージャーになれないのでは、と不安になりますよね。

しかし、業界や企業、プロジェクトによってマネージャーに求められるスキルやスタンスが異なります。そのため、あなたが活躍するチャンスは十分になります。

活躍できる企業を見つけるためには、企業が求める人材の特徴とあなたが仕事で活かせる強みを明確に把握することが必要です。

まずは自己分析に力を入れて、企業に何を自己PRするのかを考えましょう。

自己分析の詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

今から対策! プロジェクトマネージャーに求められる9つのスキル

プロジェクトマネージャーにはさまざまなスキルが求められます。以下では、プロジェクトマネージャーに求められる9つのスキルを解説していきます。

プロジェクトマネージャーに必要なスキルを理解し、今から対策を始めましょう。

①システム開発スキル

プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトを担当するケースが多いです。プロジェクトを円滑に進行するためには、システム開発の基礎知識や技術に精通している必要があります

「顧客の要望をどうシステムに落とし込むか」「安定的に運用できるシステムをどう構築するか」などを考えながらプロジェクトを進めます。システム開発の知識を武器に、プロジェクトで結果を出すことが求められます。

②リーダーシップスキル

プロジェクトマネージャーは、リーダーシップスキルも必要です。メンバー全員が同じ方向を向いているわけではなく、やりたいことがバラバラというケースもあります。仕事の進め方や目標も、メンバーによってまったく異なります。

プロジェクトマネージャーはメンバーの多様性を理解したうえで、メンバー全員が同じ方向を向くようにリーダーシップを発揮しなければいけません。プロジェクトの目指すべき形を共有して、ゴールまで導くことが求められます

木村 千恵子

プロフィール

プロジェクトを成功に導くために必要なのは、決してカリスマ的なリーダーシップだけではありません。

それよりも、メンバー一人ひとりがベストパフォーマンスを発揮できるように、関係各所との調整の繰り返しを快くこなせる黒子のような役割のリーダーシップが求められる場面が多いでしょう。

リーダーシップに自信がある人は、こちらの記事を参考に選考でアピールしましょう。
例文17選|自己PRでリーダーシップを最強の強みとして伝える方法

③マネジメントスキル

プロジェクトマネージャーは、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)を合わせたQCDという3要素を踏まえてプロジェクトをマネジメントします。

QualityCostDelivery
品質:何をするのかコスト:予算や人員納期:いつまでに
プロジェクトに求められるQCD

プロジェクトマネージャーはQCDを意識しながら、仕事を進めていきます。

たとえば、「この日までにタスクを終わらせるためには、このくらいの費用と人員が必要」「スケジュールの遅れを取り戻すために、予算を増やして業務改善アプリを導入する」といった観点が重要です。

このように、QCDの要素を考えながらプロジェクトをマネジメントすることが求められます

④スケジュール管理スキル

プロジェクトマネージャーは、スケジュール管理スキルも求められます。プロジェクトは、企画時に設定したスケジュールに沿って進めていきます。

しかし、「顧客から違う要望が入ってきた」「システム開発中にバグが発生した」など、予想外の出来事のせいで遅れが出るかもしれません。

そこでプロジェクトマネージャーは、常にプロジェクトの進捗状況を監視して、スケジュールを管理します。トラブルが起きた場合は対応策を講じて、プロジェクトを期日までに完了させることが求められます

スケジュール管理にあまり自信がありません……。今から身に付ける方法を教えてください。

タスクを細分化する習慣をつけよう

スケジュール管理が苦手な人は、自分がやるべきことを整理できていないことが多いです。やるべきことを分解して把握する習慣をつけると、逆算して目標が立てやすくなりますよ。

たとえば、就活においても自己分析と企業分析、ES作成などに分解できますよね。大きな「就活対策」として捉えていると、どのタスクにどれくらいの時間がかかるのかがイメージができず、スケジュール管理がしづらいのです。

まずはタスクを細分化して、やるべきことを把握することから始めましょう。

⑤リサーチスキル

プロジェクトを成功させるためには、リサーチスキルも必要です。

近年、さまざまなITサービスが登場しており、競争は激しさを増しています。厳しい競争の中で競合他社よりも魅力的なサービスを生み出すためには、リサーチスキルが必要です

マーケットや顧客ニーズを分析したり、競合他社の強みや弱みを調べることで、顧客の満足が得られるITサービスのアイデア創出につなげます。

したがって、プロジェクトマネージャーには高いリサーチスキルが求められます。

⑥問題解決スキル

プロジェクトが進んでいくと、さまざまな問題が発生します。「システム開発が予定よりも遅れた」「経営層から無茶な要求が飛んできた」などのときには、プロジェクトマネージャーが解決策を考えなければいけません。

優れた問題解決スキルがあれば、早急に問題を解決できプロジェクトをスムーズに進められます

問題解決スキルの鍛え方はこちらの記事で詳しく解説しています。問題解決スキルを高めたい人は参考にしましょう。
自己PR例文付き|問題解決能力を鍛えるコツと就活でのアピール方法

⑦ビジネスコミュニケーションスキル

プロジェクトマネージャーは、ビジネスコミュニケーションスキルも求められます。

プロジェクトには、メンバーだけでなく顧客や自社の経営層などもかかわっています。日々の実務をこなすのはメンバーですが、顧客や経営層が満足する結果を出せなければ、プロジェクトは失敗といえます。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトにかかわる全員と円滑にコミュニケーションをおこない、それぞれの考えをヒアリングすることが必要です

プロジェクトの成果を納得してもらうためにも、ビジネスコミュニケーションスキルは必須といえます。

コミュニケーションスキルの中でも、特に傾聴するスキルが重要です。プロジェクトを成功させるためには、初期に要件をきちんと聞けることがポイントになります。

きちんと傾聴せずにプロジェクトを進めると、後半になって後戻りしなければいけない可能性が出てくるので注意してくださいね。

⑧プレゼンテーションスキル

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進捗状況や成果物などを顧客や自社の経営層に報告するときに、プレゼンテーションスキルが必要とされます。

どれだけ素晴らしい成果物であったとしても、わかりやすく伝えるプレゼンテーションスキルがなければプロジェクトは失敗につながります。

プロジェクトマネージャーが効果的にプレゼンテーションすることで、顧客や経営層の満足度がアップし、社会貢献につながります

⑨アーキテクトスキル

プロジェクトマネージャーは、システム全体を設計するアーキテクトスキルも必要です。アーキテクトスキルを持つことで、システムの構造や機能に関する理解が深まり、システム全体を見渡して効率的に開発できます

ITサービスを開発する際に、システムの一部だけを理解していても全体像は見えません。構造全体を理解することで、「この部分は省略した方が良い」「ここはもっと本腰を入れるべきだ」などのマネジメントが可能となります。

そのため、プロジェクトマネージャーにはシステムの構造全体を把握するアーキテクトスキルが求められます。

選考時にもアピール可能! プロジェクトマネージャーに役立つ資格

以下では、プロジェクトマネージャーに役立つ資格を解説していきます。

ここで説明する資格を勉強すれば、プロジェクトマネージャーに必要とされる知識を習得できます。ぜひ参考にしてくださいね。

プロジェクトマネージャーに限らず、就活で役立つ資格を取りたい人は、こちらの記事もおすすめです。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネージャーに必要な知識やスキルを評価する資格試験です。試験では、プロジェクトの資源や予算、リスクやマネジメント業務、作業量見積もりなどの内容が問われます

合格率は約13%と低く、難易度は高いといえます。しかし、プロジェクトマネージャー試験に合格すると、選考時に「プロジェクトマネージャーとしてのスキルがある」とアピールできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

プロジェクトマネージャ試験の基礎知識

  • 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:多肢選択式・記述式・論述式
  • 試験日:秋期(10月)の年1回
  • 受検費:7,500円
  • 目安勉強時間:70時間以上・半年以上
  • 合格率:約13%

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、情報処理に関する資格試験です。情報戦略の策定やシステムの企画・導入・運用などに必要な知識が求められます

試験は、プロジェクトマネージャーに必要な知識に加えて、情報システム戦略の策定やビジネス戦略の考え方など、幅広い分野から問題が出題されるのが特徴です。

ITストラテジスト試験の合格率は約15%と難易度は高いですが、その分、合格すれば幅広いIT関連能力を証明できる資格です。「ITに精通しているプロジェクトマネージャーになりたい」という人におすすめです。

ITストラテジスト試験の基礎知識

  • 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:多肢選択式・記述式・論述式
  • 試験日:春期(4月)の年1回
  • 受検費:7,500円
  • 目安勉強時間:150〜200時間
  • 合格率:約15%

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、高度IT人材としてのスキルを証明できる資格試験です。高度IT人材とは経済産業省が提唱する、システムに新しい付加価値を与えるスキルを持つ人材のことです。

試験は、プロジェクトのスコープや品質、システム設計や導入、ビジネス戦略やマーケティングなど、さまざまな分野から問題が出題されます。

出題範囲が広く、合格率は約20%と低いです。高難易度の資格ですが、ITを活用したハイレベルな問題解決ができる高度IT人材であるとアピールできます

応用情報技術者試験の基礎知識

  • 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:多肢選択式・記述式
  • 試験日:春期(4月)と秋期の年2回
  • 受検費:7,500円
  • 目安勉強時間:約500時間
  • 合格率:約20%

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)試験

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)試験は、アメリカのプロジェクトマネジメント協会が認定する、国際的に高い評価を得ている資格試験です。

PMP試験に合格するためにはPMBOKといわれる参考書で、プロジェクトマネージャーが知るべきプロジェクトを成功させるための知識を勉強する必要があります。

試験では、プロジェクトのスコープの明確化や品質評価、タスクの洗い出しやリスク分析などの知識が問われます。

合格率は約60%といわれており、しっかり勉強すれば合格できます。アメリカの団体が認定する資格なので、国際的に認知度は高いです。「グローバルなプロジェクトマネージャーになりたい」という人におすすめの資格です

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)試験の基礎知識

  • 主催団体:Project Management Institute(PMI)
  • 資格種類:国際資格
  • 試験形式:多肢選択式
  • 試験日:ほぼ毎日
  • 受検費:405ドル(PMI会員)・555ドル(非会員)
  • 目安勉強時間:300時間以上
  • 合格率:約60%

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する資格試験です。試験は、脆弱性診断や組織マネジメント、サイバー攻撃の手法や法的措置などの分野から問題が出題されます。

合格率は約20%で、難易度は高いです。しっかり時間をかけて勉強する必要があります。

情報処理安全確保支援士試験に合格すると、選考の際に「サイバーセキュリティ対策の分析をおこなって必要なサポートを担える」とアピールできます

情報セキュリティに詳しいプロジェクトマネージャーになりたい人は、挑戦してみてください。

情報処理安全確保支援士試験の基礎知識

  • 主催団体:独立行政法人 情報処理推進機構
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:多肢選択式・記述式
  • 試験日:春期(4月)と秋期の年2回
  • 受検費:7,500円
  • 目安勉強時間:500時間以上
  • 合格率:約20%
上記の中でも特におすすめの資格はどれですか? 

硯里 宏幸

プロフィール

国家資格のプロジェクトマネージャ試験がおすすめ

国家資格でもある「プロジェクトマネージャ試験」を取得すれば完璧です。

ただし、プロマネの経験がない学生が論述式の試験は難しすぎると思うので、「応用情報技術者試験」もしくは「基本情報技術者試験」を取得すれば十分に就職活動でアピールとなります。

資格を取得することで基礎知識や意欲の高さ、地頭の良さが評価され有利に就活が進むでしょう。

IT系の資格についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説

将来性はある? プロジェクトマネージャーのキャリアパス

ここからは、プロジェクトマネージャーになった先のキャリアパスを説明していきます。

プロジェクトマネージャーになった後のキャリアパスを確認し納得感を持ってキャリアを構築するためにも、ぜひ参考にしてください。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、プロジェクトマネージャーをサポートする部署や組織のことです

PMOは立場上、プロジェクトマネージャーよりも客観的にプロジェクトを管理します。プロジェクトマネージャーの経験があれば、プロジェクトマネージャーのサポート役として活躍しやすいです。

より客観的な立場からプロジェクトを成功に導きたいなら、PMOは有効なキャリアパスといえます。

ITスペシャリスト

ITスペシャリストは、セキュリティやデータベース、システム管理などの分野でハイレベルな仕事をこなします

プロジェクトマネージャーは、繰り返し同じ技術分野のプロジェクトにかかわることが多いです。たとえば、ネットワークの分野の中で一つのプロジェクトが完了すれば、次もネットワークに関するプロジェクトに携わるケースが多いです。

そのため、プロジェクトマネージャーは経験を重ねるほど、特定の技術分野に精通するようになります。

このように得意分野の知識が深まると、ITスペシャリストとしても活躍できます。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業に対してITを活用した業務改善や戦略策定などの支援をします

企業が抱えている問題を解決するためには、幅広いIT知識が求められます。たとえば、A社の問題を解決できたIT技術であっても、環境やリソースなどがまったく違うB社には通用しない可能性もあります。

ITコンサルタントは、柔軟に解決策を考えるために多様なIT技術をインプットしなければいけません。

プロジェクトマネージャーは、さまざまなプロジェクトを経験することでIT知識を培えます。ITコンサルタントに転身しても、十分通用するといえます。

ITコンサルタントの詳しい仕事内容は、こちらの記事を参考にしてください。
ITコンサルタントは激務? 仕事内容・適性・就職方法を徹底解説

CTO(最高技術責任者)

CTO(最高技術責任者)は、企業の最高技術責任者であり、企業の技術戦略を担当します。IT技術だけではなく、ビジネス戦略に関する知識も必要です。企業の中長期計画から逆算して、情報技術を活用した戦略を考えなければいけません。

プロジェクトマネージャーは、自社全体の戦略と紐づけてプロジェクトを企画・実行することから、ビジネス戦略ノウハウも豊富です。

プロジェクトマネージャーの経験を活かして、CTOでも活躍できるといえます。

CIO(最高情報責任者)

CIO(最高情報責任者)は、企業の情報化戦略を担当する最高責任者です。企業のビジネス戦略を理解し、情報システムを活用して戦略を立案・実行する役割を担います。

戦略を立案・実行するには、高いマネジメントスキルが求められます。すべての社員が自分の強みを発揮できるような環境を整えることが大切です。

CIOでは、プロジェクトマネージャーのマネジメントスキルが存分に活かせるといえます。

CDO(最高デジタル責任者)

CDO(最高デジタル責任者)は、企業のデジタル戦略を担当する最高責任者です

データの分析やAI・IoTなどの先端技術を活用して、企業のDXを推進することが求められます。新しいシステムやサービスの開発にも取り組む役割を担っているので、システム開発力が問われます。

CDOでは、プロジェクトマネージャーのシステム開発スキルが活かせます。また、プロジェクトマネージャーはDX関連のプロジェクトを経験することも多いので、CDOでも活躍しやすいです。

経営層

経営層は、社会に価値を提供して企業を成長・存続させることが求められます。魅力的な商品・サービスを提供して、顧客に選ばれ続けるためには、社員をまとめるリーダーシップが必要です。

社員一人ひとりのモチベーションは異なり、部署によってもそれぞれの考えや思惑があります。その中で、経営層が企業の目指すべき姿を示して、部署の垣根を越えて、全員の向かう方向性を一致させる必要があります。

こういった場面でもプロジェクトマネージャーのリーダーシップは活かせるといえます。

フリーランス

企業に所属せずに自分の力で活動するフリーランスは、顧客開拓や契約交渉、報酬交渉などを一人でするため、高いビジネスコミュニケーションスキルが求められます。顧客と密にコミュニケーションを交わし、信頼関係を築くことが大切です。

交渉時には、自分の魅力を伝えるだけでなく、相手にとってのメリットを提示することも必要です。こういった場面で、プロジェクトマネージャーのビジネスコミュニケーション力が活かせます。

プロジェクトマネージャーでの豊富な経験があれば、フリーランスとして独立しても活躍が期待できます。

木村 千恵子

プロフィール

フリーランスとして働く場合、同じ組織内でプロジェクトマネージャーとして参加するよりも、お互いについて知らない面が多くなります。

そのため、各メンバーが持つ知識やスキルなどの特徴をよく把握する努力と、メンバーのメンタル面にもより深く配慮する必要が出てきます。

アドバイザーコメント

プロジェクトマネージャーは経営層へのキャリアアップが一般的

大手SIerに在籍した経験からお伝えすると、プロジェクトマネージャーのキャリアパスは課長・部長・事業部長といったように経営層へのキャリアアップが一般的です。

具体的には、複数のプロジェクトマネジメントを運営する部門長となっていくということです。多くの人員と予算を管理する立場となります。

それ以外のキャリアパスを選択する人はほぼいない状態ですが、例外として上記以外のキャリアパスを紹介していきます。

PMOへキャリアチェンジ

プロジェクトマネージャーのハードワークから心身に問題が出た場合、後方支援役としてPMOを担当するケースがあります。

ITコンサルタント

プロジェクトマネジメントをおこなっていると担当した業界に強みが出てきます。

顧客の課題をヒアリング・提案を繰り返しているうちにコンサルタントとしての付加価値ができ、ITコンサルタントに転身する人もいます。

社内SE

プロジェクトマネージャーの責任の重さややりがいを見直した結果、社内SEに転職する人も若干名います。

フリーランス

同様にプロジェクトマネージャーのきつさから、Web制作のフリーランスに転身する人も中にはいます。

要チェック! プロジェクトマネージャーに関するよくある質問

プロジェクトマネージャーのよくある質問

  • プロジェクトマネージャーに英語力は必要? 
  • プロジェクトマネージャーになるために資格は必須? 

最後に、プロジェクトマネージャーに関するよくある質問に回答します。迷いなくプロジェクトマネージャーを目指すためにも、ぜひ参考にしてください。

プロジェクトマネージャーに英語力は必要? 

プロジェクトマネージャーに英語力は必ずしも必要ではありません

とはいえ、英語力があると仕事の幅が広がります。最近のプロジェクトでは、メンバーに外国人が含まれていることが増えています。プロジェクトをグローバルに展開するためには、英語力は必要です。

英語が話せない状態だと、日本国内のプロジェクトに限定されてしまいます。「グローバルなプロジェクトにもかかわりたい」と思っている人は、ビジネス英語を学ぶことをおすすめします

プロジェクトマネージャーになるなら、どの程度の英語力があると有効ですか? 

硯里 宏幸

プロフィール

昇進の際にTOEIC600点以上が求められることも

国内のSIerであれば英語力は特に求められません。日々の開発では英語を利用することはありませんし、オフショア開発も爆発的に増える見込みは現在無さそうです。

大手企業であればTOEICの得点を一定以上取らなければ昇進に影響することがあります。その場合は600点以上を求められることが多いでしょう。

英語力を選考でアピールするコツや勉強方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説

プロジェクトマネージャーになるために資格は必須? 

プロジェクトマネージャーになるために、資格は必須というわけではありません

ただし、資格を取得すると選考時に「プロジェクトマネージャーに役立つ知識やスキルを持っている」というアピールにつながります。面接官もあなたの知識がどれくらいの水準に達しているのか、確認しやすくなります。

そのため、選考まで時間に余裕がある場合は、プロジェクトマネージャー試験や応用情報技術者試験など専門スキルの証明となる資格の取得にチャレンジするのがおすすめです

プロジェクトマネージャーは将来性抜群! スキルや資格を武器に納得のいくキャリアを築き上げよう

プロジェクトマネージャーの仕事内容や将来性について説明しました。

プロジェクトマネージャーはさまざまなスキルが求められる分、高い市場価値が得られます。PMOやITコンサルタントなどキャリアパスも広がるため、将来性は抜群といえます。

ただし、プロジェクトマネージャーになるにはITエンジニアからのキャリアアップや、そのほかの職種からのキャリアチェンジが必要です。

おすすめの資格も紹介したので、将来的にプロジェクトマネージャーとして活躍したい人はぜひ挑戦してみてくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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