例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー

    Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める

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  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている

    プロフィール詳細

この記事を読んでいる人の中には、扱う素材や商品によってさまざまな種類のある製造業の志望動機でどう差別化して書くべきなのか悩む人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、秋田さん、古田さんとともに、製造業の詳しい仕事内容別の例文をもとにして志望動機の書き方のポイントを解説しつつ、製造業の志望動機を書く前にやるべき準備についても説明していきます。

製造業の理解を深めて必要なポイントを押さえることで、人事の目を引く魅力的な志望動機が書けるのでぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

製造業の志望動機は仕事内容に合った力をアピールして差をつけよう

製造業は、ほかのさまざまな業界にとって必要な物作りを担う業界だからこそ、多くの仕事内容の中で必要となる力を見極めてアピールすることが大切です。

そのためこの記事ではまず、製造業のそれぞれの仕事内容に応じた力をアピールする志望動機の例文を紹介します。例文を読んで、製造業の中で自分が携わりたい仕事内容をイメージしてみてくださいね。

次に、製造業の志望動機を書く前に必要不可欠な3つの準備について解説していきます。例文を読んでいきなり書き始めるのではなく、しっかりと製造業への理解を深めて働くイメージを膨らませましょう。

最後は、製造業の志望動機を差別化するためのテクニックとして、的確に求められる能力をアピールする方法について解説していきます。基本的な志望動機の構成なども併せて説明するため、参考にして、ほかのライバルとはひと味違う志望動機を作成してみましょう。

志望動機の他に製造業の自己PRについて知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。職種別に例文と併せて解説しています。
製造業の自己PRは4つの視点が個性のヒントに! 職種別例文付き

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仕事内容別! 製造業に必要な力をアピールした志望動機の例文5選

製造業に必要な力をアピールした志望動機の例文5選

製造業は、取り扱うものによって提供の形はさまざまですが、業務内容は大きく5つに分類されます。その業務それぞれで求められる力が違うため、同じ製造業でも自分がどんな仕事がしたいかにより志望動機でアピールする力を見極めることが大切なのです。

まずは製造業の志望動機の例文をそれぞれの仕事内容別に解説していきます。お手本となる例文やキャリアコンサルタントの評価を読んで、製造業のそれぞれの仕事で求められる力を志望動機でアピールする方法を理解していきましょう。

生産技術の例文

生産技術は、自社の製造工程を見直し、コストを抑えながらいかに高品質なものを作れるかを検討することが主な仕事です

すでに製造中のもの以外にも新たに製造を進める前の製造設備を準備するなどの業務もあり、経費削減や品質向上のために試行錯誤をし続けることが求められます。

生産技術の志望動機例文

私が製造業を志望した理由はものづくりを通じて人の生活を支え、豊かにするような仕事がしたいからです。とくに、製品の質によって日常生活はより豊かにできると考えているため、生産技術など品質に携わる仕事を志望しています。

御社はシリコン技術を駆使したオリジナル製品が強みであり、御社のシリコン容器は自炊の苦手な私でも使いやすく、学生時代とてもお世話になりました。この商品と出会った経験から日常のささいな出来事を豊かにできる商品を作りたいと考え、御社を志望しています。

私の強みは物事に妥協せず取り組む忍耐力だと考えています。学生時代に所属していたフットサルサークルではチームの目標として表彰台を目指し、技術とスタミナを身に付けるために毎日走り込みとリフティングを欠かさずおこなっていました。

御社に入社できた際にはこの試行錯誤を続けられる忍耐力を活かして、商品の品質向上のための製造工程などの研究を重ねていく所存です。

古田 文子

プロフィール

企業研究の成果がわかる内容です。志望する企業が手掛けている製品に、どうかかわりたいかが伝わってきます。プラスでアドバイスするならば、動機を簡潔にまとめるともっとよくなるでしょう。

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生産管理の例文

生産管理は、製造を依頼する取引先の要望や原料の在庫状況などのあらゆる観点から、生産個数や製造スケジュールを管理する仕事です。品質を落とさずに求められる個数を納期までに定期製造できるようにしなければいけないため、あらゆることから状況を判断する力が求められます

生産管理の志望動機例文

私が製造業を志望した理由は、日本企業の挑戦を支え、日本全体の生産性向上をサポートしたいと考えているからです。

私は今の日本の状況に危機感を感じています。世界的に比較しても不景気で、どんどん他国に抜かれている状況です。このような危機感を感じたのは、先日タイに旅行に行ったことがきっかけです。

以前までのタイは日本よりも物価が安い国でしたが、今は日本とほぼ変わらず、日本で生活するくらいのお金がかかります。このような他国の発展を見て、私たち一人ひとりが危機感を持って行動する必要性があると感じました。

そして、私は計画を立ててそれ通りに実行したり、一度決めたらあらゆる手段を使ってやり通すなど、管理に関する能力に長けていると自負しています。御社は顧客の課題解決に力を入れている社風だと感じたため、そこで積極的に自分の力を活かしたいと思い御社を志望しました。

御社に入社後は生産管理職を志望しており、さまざまな課題や企業からの要望に対し、あらゆる手段を駆使して実現に向けて取り組むことで、日本企業の挑戦の実現や成長をサポートしていきたいです。

秋田 拓也

プロフィール

生産管理を志望する動機付けの内容をエピソードで伝えているのは良いポイントです。強みである管理能力についての具体的なエピソードも交えて伝えると、より高評価につながるでしょう。

企画・開発の例文

企画と開発は、文字通り、製造する商品を新たに考える仕事です。製造業の企業自体がオリジナルの商品を企画する場合もあれば、他社の依頼をもとにその商品を協力して形にしていくことが必要な場合もあり、アイデア力はもちろん、周囲と協力し合える協調性が求められます

企画・開発の志望動機例文

私が御社を志望した理由は、アイデア力を活かして革新的な商品を生み出し、人々がより豊かな生活をできるようサポートしたいと考えているからです。

このような考えに至った背景には、御社の商品企画力の高さを知ったことと、私のアイデア力を活かした経験にあります。

私は大学2年生の頃、地元のアカペライベントの運営に携わっていました。会場の各ブースで歌う参加者の歌を多くの人に聞いてもらうにはどうしたらいいかを考え、新しい試みとしてスタンプラリーで歌を聞きながら会場を回れるコンテンツを企画しました。

その企画が無事大成功し、ターゲットにしていた大人の世代だけでなく、家族連れで会場に来ていた子どもたちにもアカペラを楽しんでもらうことができました。

このような経験から、企画・開発職で多くの人の関心を惹き付けるような商品を作りたいと考えています。御社はそれぞれの商品の口コミを見ていても、着眼点の鋭さや画期的な商品の企画・開発力が強みだと感じています。

御社に入社後は、さらに企画力を身に付けて、人々がより豊かな生活をできるようサポートしたいです。

渡部 俊和

プロフィール

アイデアや企画力というのは説得力を持って証明することがなかなか難しいのですが、目標に沿った行動につなげ、新しい試みで成果がしっかり出せていることが評価できます。また、客層を広げるということに着眼できているのも良い点ですね。

製造業界を目指す人の中には企画職を目指す人も多いのではないでしょうか。以下の記事では企画職の特徴に加え、新卒で就職を目指すための極意をキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

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営業の例文

営業は製造を依頼してくれる取引先を獲得することが主な仕事です。自社の製造技術や製造する商品をいかに魅力的にプレゼンできるかが重要となるため、自社製造への理解やコミュニケーション能力はもちろん、他社の技術の分析や情報収集も欠かせない仕事といえます

営業の志望動機例文

私が御社を志望した理由は、御社が製造した製品を使用する人・企業が日本中に広がってほしいという願いがあるからです。

私は何か商品を購入した際、製造元を見る癖があります。そして、御社の名前が記載されているのをよく目にします。ある時〇〇を購入したのですが、その〇〇の品質の良さに感動しました。そして、いつもの癖で製造元を確認したところ、御社の名前が記載されていて御社への興味が深まりました。

この経験から、もっと御社が製造する商品を日本中・世界中に広めたい、広げなければいけないと考えました。

御社に入社後は営業職を志望しています。より多くの企業が、御社での製造を通じてクオリティの高い製品を販売できるよう貢献するとともに、御社に依頼すれば間違いないと言われるような会社にしていきたいです。

秋田 拓也

プロフィール

志望理由を製品にフォーカスした内容で上手くアピールしてから、営業職で拡販させていきたいという伝え方は、とても高い評価が得られそうです。より高評価を狙うのであれば、営業職としての強みをアピールする内容を付け加えましょう。

製造業の仕事の中でも営業職を目指す人は以下の記事も併せてチェックしてみてください。多くの就活生をサポートしてきたキャリアコンサルタントが営業職の志望動機の書き方の秘訣を徹底解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

軽作業の例文

軽作業とは誰にでもできる簡単な作業全般を指し、単調な作業やマニュアル化された仕事が多くあります。誰にでもできるからこそ、淡々と仕事をこなせる忍耐力や率先して仕事を進める自主性などが大切です

軽作業の志望動機例文

私が御社を志望した理由は、簡単で当たり前のように見えることを、誰よりも当たり前にこなせる性格を活かした仕事をしたいと考えているからです。

このような考えに至った背景には、簡単で当たり前のように見えることは実は当たり前ではなく、続けられる人は少ないと実感した経験があります。私は複雑で難しいことをおこなうのは得意ではありません。一方で、簡単な作業は高い集中力をもって正確にこなすことができます。

大学2年生で倉庫で軽作業をするアルバイトをしたのですが、ほかの人がどんどん入れ替わっていく中、私は1年間そのアルバイトを続けてきました。この経験から、私には集中力や継続力があると自負しています。

御社に入社後は、まずはマニュアルをよく理解し、与えられた仕事を正確かつスピーディにこなして、御社の業務効率化に貢献したいと考えています。

渡部 俊和

プロフィール

自分の弱みも自覚できていて、正直に言えているところに信頼感がありますね。それほど高いスキルがなくとも、定型業務を堅実にこなすことが重要な仕事もあり、業種、職種によってはこのようなアピールが有効な場合があります。

軽作業の志望動機についてもう少し詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。軽作業の志望動機がすらすら書けるようになる方法についても紹介しています。
OK例文7選|軽作業の志望動機がすぐに書けるようになる4ステップ

そもそも志望動機が書けない……という悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。以下の記事は志望動機が書けないときの原因や解決法などをキャリアコンサルタントとともに解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き

面接での志望動機を伝えるポイントがわからない、という人もいるでしょう。下記の記事では面接での志望動機のポイントを回答例を交えながらキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG

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 実際にツールで作成した志望動機例文 
 (IT業界の場合) 
私は貴社が掲げる顧客維持率向上に貢献し、日本企業のIT化の一助になりたいと考えています。私は飲食店でアルバイトをしているのですが、感染症の増加により新しい施策に取り組むことを余儀なくされていました。このとき、新しいシステムを導入してオンライン販売を開始すると、常連客の注文率が60%以上になりました。この経験から、リピーターをつくることとシステム導入の大切さを実感しています。貴社は、先端技術を活用したSaaSを提供しているだけではなく、顧客維持率の向上を事業戦略に掲げており魅力に感じております。入社した際には、営業職として企業へのSaaSの提案・リピート顧客獲得で貢献したいと思っています。

いきなり書き始めるのはNG! 製造業の志望動機に必要な3つの準備

製造業の志望動機に必要な3つの準備

  1. 製造業界の上流~下流までの分類と事業について知ろう
  2. 製造業の具体的な仕事内容から働くイメージを膨らませよう
  3. 製造業のメリット・デメリットから仕事への理解をさらに深めよう

製造業に限らず、良い志望動機を作成するためには事前の準備をしっかりすることがとても大切です。

製造業の志望動機の例文をただ書き写したり、例文を読んだだけでいきなり書き始めても、自分の言葉や気持ちがこもった志望動機にはならず、選考で高評価をもらうことは難しいでしょう。

ここからは志望動機を書く前に必須の3つの準備について解説するため、参考にして、効率よく準備を進めていきましょう。

古田 文子

プロフィール

ここで紹介している3つの事前準備は「企業(業界)研究」の工程です。事前にしっかり研究しておくことで、リアリティショック防止になります。

つまり、入社してから「思っていたことと違う」となるのを防ぐことができるため、この3つの準備はしっかりおこないましょう。

準備その①製造業界の上流~下流までの分類と事業について知ろう

製造業は取り扱う素材や製品の用途によって大きく3つに分類され、「基礎素材型産業」、「加工組立型産業」、「生活関連型産業」があります

まずは製造業の3つの分類とそれぞれの事業について解説するため、参考にして、これから就職を目指す業界についてしっかり理解を深めておきましょう。

製造業とメーカーの違いがわかりません。

秋田 拓也

プロフィール

業界の違いよりもどんな分野に携わりたいかで企業を選ぼう

製造業とメーカーに大きな違いはありません。メーカーも自社製品を製造している製造業に含まれます。

大事なことは「素材」「部分加工」「製品加工」など、まずはどの分野にかかわりたいのかを検討しましょう。その中で、どんな役割を担いたいかも考えて就職先を決めることも重要です。

あるいは、分野よりもメーカーブランドを重視することで「やりがいにつなげる」のも良いですね。

メーカーの場合、自社製品がどのように社会とつながっているのかが「見えやすい」ことで社会貢献度も高くなり、会社や業務に対するモチベーションにも大きな影響があるでしょう。

上流:基礎素材型産業

製造業の分類の中でも上流に位置する基礎素材型産業は、金属や木材、石油などを原料から製造する産業です。基礎素材型産業で製造されるこれらの素材は、そのほかの業界や多くの製造業でも使用されるため、製造業の大元を支えている産業といえます

基礎素材型産業の企業や工場は、加工する素材の調達や製品の運搬のしやすさが求められるため臨海部に建てられていることが多いです。

扱う素材によっては化学物質を扱ったり危険な作業をおこなう場合もあるため、安全性に対する責任や集中力が必要となるでしょう。

基礎素材型産業の主な事業

  • 鉄鋼業
  • 非鉄金属製造業
  • 金属製品製造業
  • 木造製品製造業
  • 石油製品・石炭製品製造業
  • ゴム製品製造業
  • プラスチック製品製造業
  • パルプ・紙・紙加工品製造業
  • 化学工業
製造業の企業は3K(危険・汚い・きつい)のイメージが強いのですが実際のところどうなのでしょうか?

古田 文子

プロフィール

3Kは実際にあります

どの分野の製造業かにもよりますが、製造業の3Kは実際にまだまだ存在しています。

とくに、金属加工製造業などでは、金属を溶かし、加工する工程で油だらけになりますし、立ち仕事、力仕事で、マシンオペレーターを扱う仕事では機械に巻き込まれるなどの危険性もあるでしょう。

また、金属加工は金属が冷えて固まると加工できなくなるため、24時間電気炉を入れたままで、業務も24時間の交代制のこともあります。まさに3Kですが、夜勤がある場合は給与もそれなりにもらえるのは利点といえますね。

もちろん3Kとはほど遠いキレイな製造業もたくさんあるので、どんな条件を重視したいのか考え、自分に合った企業を選びましょう。

中流:加工組立型産業

製造業の中流となる加工組立型産業は、文字通り素材を加工したり組み立てをおこなうことで製品を生み出す産業です。主な事業としては以下のようなものがあります。

加工組立型産業の主な事業

  • 一般機械器具
  • 電気機械器具
  • 精密機械器具
  • 輸送用機械器具

これらの事業は加工や組み立てを通じて製造業で使用される機械を作ったり、電化製品や自動車など生活に必要な機械類を生み出しています。

世の中の多くの製品で次々と新しい技術が取り入れられているため、それらのものづくりを支える加工組立型産業でも常に技術が進歩し続けているといえます

製造業を志望している人の中には自動車業界に興味のある人もいると思います。以下の記事では自動車業界に特化した志望動機の書き方をまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
自動車業界に特化した志望動機が作れる5ステップ|職種別例文8選

下流:生活関連型産業

生活関連型産業は、主に衣服や食品、家具など人々の衣食住を支える産業です。生活関連型産業は製造業の中でも末端に位置していて、製造に必要な原料や機械などを上流や中流から発注することで製造しています。

近年では、景気変動により原料や素材の価格が高騰したことで値上げを余儀なくされるメーカーや企業が増えていて、景気や社会情勢の影響を受けやすい産業といえるでしょう

生活関連型産業の主な事業

  • 食料品製造業
  • 飲料・たばこ・飼料製造業
  • 繊維工業
  • 衣服・そのほかの繊維製品製造業
  • 家具・装備品製造業
  • 出版・印刷同関連産業
  • なめし革・同製品・毛皮製造業

準備その②製造業の具体的な仕事内容から働くイメージを膨らませよう

製造業の具体的な仕事内容から働くイメージを膨らませよう

  • 生産技術
  • 生産管理
  • 企画・開発
  • 営業
  • 軽作業

入社後に任される仕事内容がイメージと違うといったミスマッチを防ぐためにも、2つ目の準備として、実際の業務内容についても調べておきましょう。製造業の仕事内容は大きくわけて5つに分類されます。

製造業に限らず、入社後に自分がどんな仕事をするのかわからないまま志望動機を書いても、やりたいことや興味が具体化できないため、熱意や説得力に欠ける内容になってしまいます。

ここでは製造業の5つの仕事内容について解説するため、参考にして、自分が実際に働くイメージを具体的に膨らませましょう。

生産技術

生産技術は文字通り製造業における技術的な部分となる生産工程にかかわる仕事です。新規に製造する製品の製造工程を考えたり、製造中の製品の生産ラインを見直して品質向上やコストカットに取り組んだりします。

商品に必要な原料の費用や製造過程に必要な人件費などのあらゆる観点を分析し、いかに高品質なものを低コストで製造できるかを考えることが必要です。また、品質向上のための技術の見直しなどもおこなわなければならないため、常に最新の情報にアンテナを張っていなければいけません。

生産にかかわるあらゆる技術の知識はもちろん、生産工程を決定する判断力や情報収集力などが必要となります。

製造業の生産技術で働くために必要な資格などはありますか?

古田 文子

プロフィール

必須資格ではないが役立つ資格もある

生産技術の仕事内容は企業や工場によって異なるため、必須資格はありません。しいて必要なものをあげるなら、現場における実務経験でしょう。

必須資格ではありませんが、スキルアップを兼ねて取得しておくと役立つ可能性がある資格として、生産技術者マネジメント資格(CPE資格)があります。

この資格は、製造業における生産技術のプロフェッショナルのための資格と言われており、さまざまなメーカーが受検を推進しています。業務に必要なマネジメントスキルを身につけることができるので挑戦してみると良いでしょう。

生産管理

生産管理は生産技術で決定した生産工程を滞りなく進めることが主な仕事となります。事前に生産工程を決める生産技術とは違い、生産管理は取引先からの製造依頼をもとに毎日の生産個数や製造スケジュールなどを決めていきます。

また、事前に定められた商品の品質を落とさず、一定の品質を保って定められた数の製品を作らなければいけません。

取引先に依頼された納期に間に合うようにスケジュールを管理することはもちろん、機械トラブルへの対応や従業員への指示など、臨機応変に対応することも求められます

渡部 俊和

プロフィール

原材料の調達や保管、加工設備のメンテナンス、在庫管理など、品質に関する影響は幅広い要素があり、それぞれの段階で適切な対応が求められる複雑系の業務です。

扱う商品にもよりますが、広い意味では納期をきちんと管理することも品質管理の一部とみなされるでしょう。

品質管理に興味のある人はこちらの記事もチェックしてください。品質管理の志望動機の作り方を詳しくまとめています。
例文7選|品質管理の志望動機がグッと光る! 作り方と4つのコツ

企画・開発

企画・開発は文字通り販売する製品アイデアを考え、開発しています。製造業の企業の中には自社のオリジナル製品を持たず、他社からの依頼を受けて製造のみをおこなう場合もあるため、企画職や開発職をメインで目指す場合には企業選びに注意が必要です。

基礎素材型産業では、生み出す製品の多くはほかの企業の原料として使われる場合もあるため、いかに自社の素材を使ってもらえるか、といった汎用性の高さが求められます

また、加工組立型産業では機械類の目覚ましい技術進歩に対応した製品の企画・開発が求められ、生活関連型産業においてはより身近で一般需要の高い製品が多いため、競合他社と差別化できる製品を生み出すことが重要です

営業

製造業における営業職は自社の製品の発注先を増やすために必要な仕事です。いくら性能が良く汎用性の高い製品を作っても、その魅力が広く伝わらなければ製造を依頼してもらえません。

製造業は別の販売事業を支える産業であるため、発注元となる取引先獲得は企業の成長や存続に必要不可欠です。

営業としてのプレゼン力はもちろんのこと、自社の製品を使って何ができるのかを取引先に魅力的に伝えられる製品知識や競合他社の製品と差別化する力が求められます

軽作業

軽作業は、文字だけ見ると軽いものを扱う仕事だと勘違いする人もいるでしょう。しかし軽作業とは誰にでもできる仕事のことで、製造業にはこのような軽作業とよばれる仕事が多くあります。

主な仕事内容は倉庫内の製品や材料を用意するピッキング、商品の検品・梱包・仕分けなどがあり、正社員以外にも派遣社員やアルバイトなどでもおこなえるものが多いです。

簡単な作業であるため仕事が覚えやすいのが特徴ですが、決して楽なわけではなく、正確さやスピード、高い集中力が求められます

準備その③製造業のメリット・デメリットから仕事への理解をさらに深めよう

製造業の全体像や業務内容のイメージがつかめても、実際に働くうえでどんなメリットやデメリットがあるのかまで理解しておかなければ、入社後のミスマッチにつながってしまいかねません

ここからは志望動機を書く前の3つ目の準備として、製造業のメリットとデメリットについて解説するため、参考にして、より業界の実情を理解して志望動機を作成しましょう。

製造業のメリット①未経験からでも挑戦できる

製造業は商品知識や専門的な技術が必要な難しい仕事だと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、製造業は機械化が進んでいたり単純な作業の繰り返しだったりするため未経験からでも技術を身に付けることができるという点がメリットの一つです。

未経験から挑戦できるとはいえ、製造業の仕事の一つひとつが重要な役割を担っていて、どこか一つの工程でミスをしてしまえば、周囲や自分自身の安全を損なったり、製造業全体の利益の損失につながってしまいます。

未経験でもチャレンジしやすいことを製造業の魅力として志望動機で書く場合でも、ミスをせずに早く業務を覚えるにはどうすべきかなどを考え、プラスαの力をアピールしましょう

経験も資格もない状態で製造業を志す場合の志望動機のポイントは何ですか?

古田 文子

プロフィール

等身大の自分をどう見せるかがポイント

実際に「未経験で資格も不要で誰にでもできる簡単な仕事」だとしても、それをそのまま「自分にもできそうだから」とすると「やる気が感じられない」と受け取られてしまいます。

これを「未経験で、これといった資格を持っていない自分でも、何ができるかチャレンジしてみたい」としたらどうでしょうか? 印象が変わりませんか?

そこに「ものづくりに携わって人の役に立ちたい」「御社の製品にお世話になったことがある」のように、志望している企業と自分との関係性などを加えるだけで、志望動機が180度違うものになります。等身大の自分をどうアピールするか、したいか、が重要です。

製造業のメリット②勤務環境が整っている

製造業では、機械化やマニュアル化されている部分が多く製造前にしっかり工程やスケジュールまで管理されるため、勤務環境が安定しているというメリットがあります。

必要な生産量や製造にかかる時間などをもとに従業員のシフトが割り振られるため、基本的に残業もなく、休憩時間も交代で取りやすいのが特徴です

しかし、志望動機でこの労働環境だけをメリットとして挙げてしまうと「業界への興味が薄いのでは?」と疑問を持たれてしまうため伝え方には気を付ける必要があるでしょう。

秋田 拓也

プロフィール

製造業には、ルーティンワークのような業務もあれば、受注製品の内容や納期が毎回異なる業務もあります。まずは、志望する製造業の会社が自分に合った業務の流れになっているかを確認してください。

製造業のデメリット①単調な作業が多い傾向にある

製造業は仕事によっては単調な作業が多いことが特徴で、それゆえに経験がなくても挑戦できるのが利点ですが、淡々とした作業が苦手な人には大きなデメリットとなる場合があります。

また、自分の裁量が求められる仕事がしたい人や自由度の高い制作がしたいという人にとっても製造業のルーティン化された業務はミスマッチにつながりかねません

しかし、このようなデメリットでもプラスに捉え、自分なりに目標ややりがいを見つけられる人や集中力に自信がある人には向いている業界といえるでしょう。

製造業のデメリット②体力が必要

製造業は基本的に立った状態での作業がほとんどで、材料の運搬などでは重いものを扱う場合もあるため体力に自信がない人にとってはそれがデメリットとなり得ます

また、製造するものによっては温度調整が厳しく管理される場合もあるため、商品に応じた室温の中で体調を管理して働かなければいけません。

一方、常に立ち仕事であるがゆえに勤務時間もしっかりと決められ、休憩もきちんと取れるメリットもあります。体力に自信がない状態で製造業を志望するとしても、規則正しい勤務時間の中でしっかり体調管理を意識することで克服することができるデメリットといえるでしょう。

業界理解と併せてやろう! 製造業の志望動機を書く前の2つのアクション

これまでの業界理解を深める3つの準備と並行して、志望動機を作成する際に必要となることが2つあります。それは自己分析と将来像のイメージです。

製造業の理解が深まっても、自分がそこでどうなりたいかを具体的にイメージできなければ、志望動機で自分がアピールすべき力がわからないことはもちろん、入社後にやりがいを見いだせない、ということになりかねません。

志望動機を書くときにやるべき2つの注意点を押さえて、自分だけの志望動機を書くための要素を集めていきましょう。

①自己分析で自分の特性を把握する

志望動機は自分の強みや考えを企業にわかりやすく伝えることが求められるため、自己分析で自分を客観的に理解することはとても重要です。そのため製造業の志望動機を書く際にも自己分析で自分の特性や価値観、興味のきっかけなどを分析してみましょう。

まずは、自分はどんな性格なのか、得意なことや苦手なことなどを思い起こしていきます。次はその自分の性格や考えたことに対し、「なぜその性格になったのか」のような自分自身に深掘り質問を繰り返すことで、自分の性格や価値観を客観的に理解することができるのです。

自分の特性を深掘りする際には根拠となるエピソードや経験まで具体的にすることがポイントです。このエピソードは志望動機で自分の特性や強みを裏付ける根拠として活用できるため、小さなエピソードでもしっかり書き出しておきましょう。

製造業の会社に刺さる良いエピソードが思いつきません……。

渡部 俊和

プロフィール

あらゆるものが持つストーリーやかかわる人の努力を想像しよう

私たちは多くのものに囲まれて生活しています。それらの一つひとつに原材料、加工、物流、販売といったストーリーがあり、そこで働く人の努力が蓄積、結集されているものと考えてみてください。

あなたが体験しているあらゆることは、そのどこかに必ずつながるはずです。その接点が見つけられない場合は、自己分析よりも職業や製品に対する理解が足りない可能性があります。

一つひとつのものをよく見て、素材、デザイン、生産国、価格設定なども比較検討し、作る立場になって再度考えてみてください。

製造業の志望動機を深掘りするために自己分析は必須です。しかし、そもそもの自己分析のやり方がわからないという人は以下の記事で自己分析の正しいやり方を徹底解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

②入社後の姿ややりたいことまでイメージする

製造業は立ち仕事やその日の状況に合わせて臨機応変さが求められる仕事が多いからこそ、企業は入社後にもやりたいことや目的の軸をしっかり持って取り組んでくれる人材を採用したいと考えています。

そのため、志望動機を書くときにも自分が入社後にどうなりたいのかをしっかりイメージしておきましょう。

入社後に目指したいポジションや製造したい商品など、自分が製造業界について調べたり、企業を研究したりする過程で感じたワクワクや「やってみたい」という気持ちを具体的にすることがポイントです

やりたいことが実現できるかどうかは重要ではなく、企業に入社したあとのことまで見すえて興味や関心を示せるようにしておきましょう。

古田 文子

プロフィール

これといった資格やスキルが必要ない製造現場でも、ある程度は昇格することができます。マシンオペレーターやリーダーを始め、新人の教育担当などを経てマネージャーや主任、係長や課長になることも可能です。

「志望動機に書けそうなやりたいことがない……」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。以下の記事では志望動機で、やりたいことがなく思ってもいないことしか書けないと悩む人にキャリアコンサルタントがアドバイスしているのでぜひチェックしてみてくださいね。

キャリアアドバイザーに聞く! 製造業の志望動機を書く前の注意点とは

ここからは、製造業の志望動機作成の基本情報を踏まえて、ほかのライバルと差がつく志望動機を作成するために注意しておきたいポイントについて、キャリアアドバイザーの秋田さんに解説してもらいます。

漏れのない志望動機を作成するためにも、多くの就職支援をおこなってきたキャリアアドバイザーからのアドバイスをぜひ参考にしてみてくださいね。

アドバイザーコメント

惜しいのは「ものづくりが好き」というだけの志望動機になること

製造業の志望動機で多いのが「ものづくりが好きだから」です。悪い回答ではありませんが「なぜ、好きなのか」、この部分をしっかりと伝えてください。

ここでは「ものづくりが好きになった」具体的なエピソードを交えることが重要です。ものづくりなら何でも良いと思われたら「当社でなくても良いのでは?」と面接で深掘りされることでしょう。

業務内容に合わせた自分らしさを忘れずにアピールしよう

ルーティンワークが中心な製造業の面接などでは、採用担当者が「毎日同じ作業ですが、大丈夫ですか?」という質問をされることがあります。質問の意図には、仕事に飽きて辞めてしまうのではないかという心配もありますが、将来的に成長が期待できる人材かを見定めているのも事実です。

そのような質問の後には、それぞれの業務内容に合わせた「自分らしさ」をアピールすることを忘れないようにしてください。「指示されたことだけやれば良い」「働く時間が明確になっている」などの理由だけで、志望動機にしていると思われないようにしましょう。

志望動機を差別化しよう! 製造業で的確に能力をアピールする3ステップ

製造業の志望動機で的確に能力をアピールする3ステップ

製造業は経験にかかわらず誰にでもできる仕事の多い業界だからこそ、自分にどれだけ製造業の仕事に必要な力があるかをアピールしなければ「この人でなくてはいけない理由」が伝わらず、ほかの人と差をつける志望動機にはできません。

ここからは製造業に必要な力を見極めてアピールする方法を3つの手順で解説していくので、参考にして、自分と企業とのマッチ度の高い志望動機を作成しましょう。

①製造業のそれぞれの仕事で求められる資質を考える

製造業の仕事でどんな力が必要となるのか理解しておかなければ、自分の適性のどの部分がアピールポイントになるのかわからず、見当違いな能力をアピールしてしまいます。まずはそれぞれの仕事で求められる力を把握して自分の力が活かせるポイントを探していきましょう

また、各業務の関係性や製造過程の全体像なども併せて調べることで、その業務の中で必要となる力以外に、製造業全体で求められる力も見えてきます。

たとえば、生産管理では日々のスケジュールや製造工程などから臨機応変に対応する力が求められます。

それと平行して製造業の全体像を理解することで、どの業務も一人ではおこなうことができないという点から製造業全体では協調性も必要となることがわかるのです。

②求められる資質と自分の特性で当てはまる部分を見つける

製造業の仕事で必要な力がイメージできたら、今度は自己分析で見つけた自分の強みや特性と照らし合わせていきます。

たとえば、あなたが自分の強みを部活動の練習や試合で鍛えた集中力や体力であると考えたと仮定した場合、製造業の仕事と照らし合わせると力仕事の多い軽作業でもっとも発揮できる資質といえるでしょう。

このように、自分がその仕事をやりたいかどうかではなく、その仕事で自分が能力を発揮できるかどうかという基準で照らし合わせてみることで、自分が活躍できる、つまりはアピールポイントとなる部分を見つけだすことができます

③マッチした資質を製造業の仕事内容になぞらえて伝える

最後のステップとして照らし合わせて見つけ出した自分が製造業で活躍できる資質を実際の業務になぞらえて伝えていきましょう。

ただ一方的に自分の強みを主張するよりも、製造業での実際の仕事を例に挙げ、そこで求められる資質を自分が持っていることをアピールすることで、企業側があなたの働く姿を具体的にイメージでき高評価につながります。

たとえば、自分の強みがこれまでのサークル経験から協調性や自主性といった強みを持っているとします。

これを軽作業の仕事内容になぞらえて「上長からの指示や日々の作業の中で、自分なりに考えて業務のクオリティを高められるように取り組める」と表現することで軽作業で必要な力の形とマッチさせた自分の能力を示すことができます。

志望動機は自分のことを伝えるものですが、読み手・聞き手となる企業の目線に立って意味が伝わる内容か、魅力がわかりやすいかなどを確認しながら書くことが大切です

製造業とのマッチ度を仕事内容になぞらえて伝えるときのポイントはありますか?

秋田 拓也

プロフィール

自分の関心度の高い仕事にフォーカスしてアピールしよう

製造業の業務役割がいくつもあることを理解しましょう。

たとえば、営業、生産管理、現場製造、調達、開発などがあります。どの分野で活躍したいのかによって、それぞれ自分の強みや得意な部分をどこで活かせるのかを知ることが必要です。

まずは、自分の得意なことや関心度の高い仕事内容にフォーカスしてアピールポイントを探していきましょう。製造業の大きな枠で伝えようとせずに、それぞれの役割業務に限定してアピールする方が高い評価につながりますよ。

さらに、決して得意ではなくても「興味がある仕事内容」ついて伝えても良いでしょう。

やったことのない仕事は、未知数ですが「挑戦したい熱意」を持って伝えることに意味があり、それが担当者に伝われば評価されるポイントになります。

実際に書いてみよう! 製造業の志望動機で押さえておきたい4つの構成

製造業の志望動機で押さえておきたい4つの構成

  • なぜ製造業界なのか・なぜその産業なのかを伝える
  • 根拠となるエピソードを伝える
  • なぜその企業なのかを具体的に伝える
  • 製造業の仕事で自分がどのように貢献できるかを伝える

製造業の志望動機で差を付けるポイントが理解できても、肝心の志望動機の構成でつまづいてしまっては意味がありません。

そこで最後は、製造業の志望動機を書くときの魅力的な構成の組み立て方について4つの手順を解説していきます。ここまでの記事のポイントと正しい構成を押さえて、志望動機にさらに磨きをかけていきましょう。

渡部 俊和

プロフィール

構成ができていると、無駄なく簡潔に結論を伝えることができます。製造業では「なぜなぜ分析」「5S」「3ム」などの言葉があるように、物事を具体的に突き詰めて改善していく体質があるので、論理構成のしっかりした内容が評価されやすいでしょう。

なぜなぜ分析

課題の解決や問題の改善のために、原因となる部分を見つけるための分析方法。一つの問題に対して「なぜ?」を繰り返し質問することで問題を掘り下げ根本的な原因を突き止める。

5S

整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つのSを合わせた言葉。安全かつ仕事のクオリティを高めるために製造業で重視されている要素。

3ム

ムリ・ムダ・ムラの3つを合わせた言葉。

無理をすると安全性が下がり、無駄が多いと生産性が下がり、ムラが大きいと品質が下がる、といった製造業において重要な安全・生産性・品質の3つの維持や改善にかかわる用語。

①なぜ製造業界なのか・なぜその産業なのかを伝える

志望動機の構成として、まずは製造業界とその中の産業に対する志望理由を述べましょう。これは製造業の志望動機の結論となる部分であり、企業としてもこの部分をが最も知りたい内容であるため、一番最初に伝えることがポイントです。

製造業は未経験から始められる仕事とはいえ、「きつい」「汚い」「危険」の3Kのイメージを持っている人が多いため、製造業の企業は応募者に対して、製造業で働き続ける意思がどのくらいあるのかを重要視しています

ただ目的もなく製造業界に飛び込んでも、実際の仕事の大変さに挫折したり、やりがいを見出せなかったりして、長く働くことはできません。自己分析をしっかりおこない、製造業で働くことに対して自分が抱く気持ちや熱意を企業にしっかり伝えましょう。

なぜその製造業界でその産業なのかを伝える書き出しの例文

私は自分のこれまでのスポーツ経験で感じたスポーツ用品の技術や性能の高さから、繊維製品や衣服の製造に携わることで自分自身がスポーツ業界を支えていきたいと思い、この業界を志望しています。

②根拠となるエピソードを伝える

2つ目のステップは製造業界や産業を志す理由の根拠としてエピソードを交えながら伝えることです。ここでは自己分析で自分の特性を客観視したときに思い浮かべたエピソードが活かせます。

自分の特性を根拠付けるエピソードの中で、自分の製造業やものづくりに対する興味のきっかけとなる経験を見つけてみましょう。そして、思い浮かべた経験からどのように感じたことで製造業を志したのか、という視点で大元となる業界の志望理由につなげていきましょう

たとえば、工場見学をした経験を根拠となるエピソードとして挙げるとします。

ただ「工場見学におこなって製造業に興味を持った」と考えるのではなく、「工場見学中にたくさんの機械が正確に動いている様子がおもしろく、機械のしくみや製造工程に興味を持った」というように業界の興味も嚙み砕いて伝えることが大切です。

③なぜその企業なのかを具体的に伝える

製造業に携わる企業は、扱う素材や生産する商品によって企業の特徴もさまざまです。そのため志望動機では、業界理由の次になぜその企業を選んだのかを明確にしていきましょう。

ホームページ(HP)や説明会などで得た情報から企業分析をおこない、他社よりもその企業に惹かれるポイントを見つけていきます。ここでも企業を知ったきっかけとそこで何を感じたのかを簡潔に述べることで、企業に対する志望度をアピールできるでしょう。

ほかの業界でもそうであるように、製造業の企業にも競合他社が存在します。のため企業分析では、ただ応募先企業を見るだけでなく競合となる企業と比較し、応募先企業ならではの魅力を見つけることがポイントです

なぜその企業なのかを伝える例文

私は先日旅行で訪れた京都の法隆寺で、その釘が木で作られていると知り、日本の木造建築の技術力に感銘をうけ木材製造に興味を持ちました。御社は、木材の質はもちろん、最新の技術が取り入れられた正確なカット加工が強みだと考えています。

日本の昔ながらの木造建築の技術は、木の性質を理解し正確な形で提供する技術があってのものだと思うので、私は御社に入社して高度な木材加工の技術を学び、日本の建築を支えたいです。

建築業界に興味のある人は以下の記事を参考にしてみてください。建築業界で評価される志望動機の書き方を解説しています。
例文8選|建築業界で評価される志望動機とは? 書き方のコツ

④製造業の仕事で自分がどのように貢献できるかを伝える

製造業の志望動機最後の締めくくりは、企業への貢献度でアピールしていきましょう。前述の通り、製造業の就職ではいかに自分が採用するに相応しい人材かをアピールすることが差を付ける秘訣です。

志望動機の締めくくりは、準備の段階で自分の特性とそれぞれの仕事で必要な資質を照らし合わせたことを活用することがポイントとなります。それぞれの仕事に求められる力を自分が発揮できた場合、企業にどんなメリットがあるのかを言語化してみましょう

企業が「この人を採用したい」と思わせる採用の決め手となる要素を志望動機の最後に提示することで、印象に残る魅力的な内容にできますよ。

自分がどのように貢献できるかアピールする例文

私の強みは塾講師のアルバイトを通して培った、生徒の「わからない」を理解したり、問題を聞き手に伝わりやすい形で伝えられるコミュニケーション能力です。

御社に入社できた際には、このコミュニケーション能力を活かして、顧客の求める最善の商品を提案することはもちろん、顧客の声を現場に届けることで更なる品質向上の一助となるよう努めたいと考えています。

志望動機の締めくくりに磨きをかけたいという人は下記の記事で志望動機の締めくくりの書き方をテンプレート付きで紹介しているためぜひ参考にしてみてください。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介

キャリアアドバイザーが解説! 製造業の志望動機でアピールすべき能力とは

ここまで、製造業に求められる力を見極める方法や志望動機の構成について解説してきましたが、具体的に製造業でアピールすべきなのはどんな能力なのでしょうか。

さまざまな業界を目指す学生を支援してきたキャリアアドバイザーの渡部さんの解説を参考にして、自分の能力と照らし合わせてみてください。

アドバイザーコメント

商品やサービスの品質について深く理解できる力が求められる

日本の製造業は第二次産業に区分されていますが、第二次産業は日本が経済大国と言われるまで戦後の急成長を支え、自動車産業に代表されるように、品質の高さ、日本人ならではの細部へのこだわりで世界をリードしてきました。

現在ではサービス業に代表される第三次産業が70%を超え、第二次産業は30%を割り込んでいますが、歴史の浅いサービス業に比べ、ものづくりに従事する会社と人には、これまでの歴史や自社の品質に対するプライドを感じることが多々あります。

企業の歴史や細部へのこだわりに共感できることが高評価を得るポイント

たとえば、一般にはほとんど知られていないのですが、地方の製造業でも、AppleのiPhoneの基盤を作っている企業や、Amazonの倉庫の部材を作っている企業があります。

私は、企業側で採用支援、求職者側では就活の支援をしたことがありますが、いずれの場合も、企業の沿革や商品やサービスの品質についての理解が重要な意志決定要因になっていました。

ものづくりが好きであること、その会社の商品が好きであることに加え、企業研究で歴史を知り、細部のこだわりに共感できることが志望動機の評価を得る重要な要素だと思いますね。

製造業の志望動機は仕事内容に合った力を示して選考突破を目指そう

製造業は未経験からでも始めやすく、単純作業から専門的な技術までいろいろな業務に携わることができる業界だからこそ、仕事で求められる力を自分で理解し発揮することが求められます。

志望動機を作成するうえでも、自分自身と業界を理解して必要となる力をアピールできなければ、ほかの応募者の動機と似通ってしまい、魅力的な志望動機にはなりません。

製造業での就職を目指している人は、ぜひこの記事を参考に、仕事への適性を存分にアピールした志望動機で就職成功を目指してくださいね。

アドバイザーコメント

製造業は人々の生活を支える大事な仕事

みなさんの周りに当たり前にある机や椅子、着ている服、文具に至るまで、すべて「誰かが作ってくれたもの」であり、それらがないと今の生活は成り立ちません。製造業とは、人々の生活を支えるものを作る素晴らしい仕事です。

とはいえ、毎日の作業は単純であまり変化がなく、退屈なのではないかと心配している人もいるのではないでしょうか。そんなことはありません。

未経験でも受け入れられる業界だからこそ新しい自分を見つけられる

私は医薬品製造の会社で働いたことがありますが、日々起こる小さなトラブルを解決するべく、一緒に働く人たちと一致団結して乗り越えることに達成感や充実感を得ることができました。

顧客から直接「ありがとう」の言葉を聞く機会は少ないですが、日常生活の中に自分が製造に携わった製品を見つけると、「これ! 私の会社で作ってる!」とうれしかったものです。

自分に適性があるかわからず不安になるかもしれませんが、実際に働いてみることで新しい自分を発見することもあります。未経験でも受け入れてもらいやすい業界なので、ぜひ希望を持って飛び込んでみてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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