• スペシャル対談!日南市 市長 﨑田恭平 × ポート株式会社代表 春日博文

スペシャル対談!日南市 市長 﨑田恭平 × ポート株式会社代表 春日博文

調印式前日、日南市の﨑田市長とポートの代表・春日の特別対談インタビューが行われました!

ポートが日南市と組むことになった理由。ITベンチャー企業として日南市に進出することで、どんな変化をもたらすのか。はたまた働き方の理想像から行政の在り方まで…!

熱く、存分に語ってもらいます!

◆今回日南市に初めてのIT企業としてオフィスを出すことになったポート株式会社。一体どんな会社なのですか?

春日:僕はこの会社を大学卒業直後、2011年の4月に立ち上げました。 その時に思っていたのは、どうせ会社を立ち上げるのであれば、社会に対してなくてはならないビジネスや、なくてはならないサービスを作り続ける会社になっていきたいということです。

今は人材領域で様々な企業さまの新卒採用のご支援と、インターネットメディア事業としていろんな領域、たとえばキャリアや、旅行、ヘルスケアなどのwebメディアを展開しており、情報を発信しています。 現在は月間約700万人の方が弊社のサイトを使ってくださっています。

◆数多い地方都市の中から、なぜ日南市を選んだのですか?

春日:まず大きかったのが、9月末に初めて日南市の方々にお会いしたのですが、その時から﨑田市長にトップセールスできていただけたことです。 日南市の良さを積極的に市長自らご紹介いただけたという部分、そして僕らがなんとなく「この仕事は地方に置いた方がいいだろう」と考えていたことを本格的に、ここまで真剣に語っていただけるのであれば前向きに検討しよう、という気持ちになれました。

あとは、制度面の充実とスピード感ですね。 今までの企業の地方進出の主流なかたちとして、メーカーさんなどが工場を置くというのはよくあると思うのですが、そういった企業のための制度は、なかなかITの企業にとっては適切になっていないケースが多いんですね。例えば、IT企業は大きな土地は必要ないですが、土地を購入する際に優遇されるといった制度しかない。

そのような制度面において、お話ししていたこの2カ月間で一気にIT企業に必要な制度を整えていただけたというのが、非常に大きなポイントでした。 このスピード感があれば、今後市と組んで何かをご一緒させていただくとなった場合も、問題なくいろんなことができるのではないかと感じることもできました。

◆日南市にとってIT企業が進出してくるということは、どんなメリットがあると考えていますか?

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﨑田:日南市にいる若者がITやパソコンを使った仕事をしたいと思っても、今までは市外、県外にいかないと希望するような仕事がありませんでした。 地域の敬老会などの行事に参加する中で「うちの息子がこんな仕事をしているのだけど、こっちにはそういう仕事がなくて中々地元に帰れないのよね。」と言ったお話しを聞き、地域にそのような仕事があればいいのにな、というのは強く思っておりました。

また、今の小学校低学年の子が20歳になるころには、現在存在しない仕事に65%がついているということが今はアメリカの研究などで発表されています。 そういう意味でも、今地方は工場誘致など、そのような限定された仕事ばかりを増やしていてもダメなのではないか、今までになかったような仕事をどんどん呼び込んでいかないといけないと考えておりました。

私自身、IT企業、ベンチャー企業のスピード感はすごいなと思っていましたし、そんな企業が日南にくるということで、地元の若者に元気を与えることもできますし、また、故郷に帰ってきたいと思う若者も増えるのではないかと思っています。

◆東京で働いている社員に対し、地方で働くというキャリアを提供できると思いますか?

春日:本当は地元に帰りたいけれども、東京にしか仕事がないという方の他にも、一定期間、地方で働いてみたいという方もいると多く思います。そういった方々には日南市で期間を限定して働く、という選択肢を与えてあげられればと思っています。

そして逆もまたしかりで、日南・宮崎で働く方々にも一定期間東京で働くという場を提供するのもアリかなと思っております。 やはりキャリアづくりという観点でみると、東京で働くというのは重要な意味があると思うので、そういった意味でも、お互い行き来をしながら仕事をしていくのが理想だと思っています。

◆ポート日南オフィスが目指す理想像はありますか?

春日:ぼくら単独ではなくて、日南市との共同事業になっていくと思うのですが、ITのベンチャー企業が日本一来やすいと思える、地域にしていきたいというのがありまして。 僕らのオフィスができたら、そのオフィスの一部を共有し、そこから自分たちのオフィスを構えるというかたちにしてそれこそ固定費を一切持たずに地方に来やすい状態をつくることができると思います。

東京で会社を立ち上げようとすると、固定費が比較的高い中、思うようなことができなくなってしまうかもしれない。それならばまず日南で、賃料が安い中でまずプロダクトをつくるとか、そういった環境づくりなど、ある種、企業家の支援にもつながるといいのではないかと思っています。

 

﨑田:今回一緒にご提案いただいているのは、行政のIT化というところです。そういったところを東京から進出してきたIT企業として色々をサポートさせていただきたいと春日社長から仰っていただいています。

私たちはまさにそれに乗っかって、行政として、日南市としては、企業と日本一組みやすい地域にしていきたい、そして、日南の地域資源と企業のリソースを組み合わせて、社会の課題、地域の課題を解決していくということにチャレンジしていきたいなと思っています。

その中で春日社長をはじめ、ポートさんの姿勢・考え方に我々は非常に期待をしておりますし、ぜひ我々も同じスピード感で動いていきたいと思います。

◆自治体における企業誘致や企業立地に関する支援をどう思っていますか?

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春日:たとえば、僕らみたいなベンチャー企業が意思決定をするときの融資の制度は、1000万円単位でなくてもいいんですよ。おそらく100万円もいかないくらい、50万円支援するだけで他の市に比べて圧倒的にバリューを出せると思うんですよね。

それって、道路を作れば数億円、というものに比べたらこの数十万って消費税レベルなので、そこの一つ一つの意思決定に対してのお金のバリューをどれだけ考えられる市かっていうのはとても大きいなと思いました。

﨑田:そうですね。道路など作ることに比べたら、何百万とか何十万というのは実はとても安い金額なのだと。そうであれば、そこはスピード感をもってどんどん進めていくべきだと私は思っているので、そこに関して私たちの市は早く意思決定できているのかなと思っています。

春日:今回、47都道府県の誘致制度を全てだして、日南市に無いものをお伝えしたら、すぐにその部分を整えてくださって。 そうしたら、制度上においても、日南市が他の地域に負ける要素がなくなってしまったんですよね(笑)。

とくに企業からしたら、行政に何かご相談したときにすぐに返事がこないという感覚があると思うんですが、そのレスポンスの速さをみて、実際に自分がその場所で仕事をしたときも、そのような対応スピードなんだろうなというのを感じられたのですごくポジティブに映りましたね。

◆日南市はなぜベンチャー企業並みのスピードで意思決定や制度変更ができるのですか?

﨑田:行政としてできることはたくさんあるはずで、私たちはそのできることを常に探しています。 日南市の場合、そもそもベンチャー企業のような規模感なんです。大きな自治体ではないので、発想を変えれば、議会にしっかり予算などいろいろなことを通しながらやっていく部分と、議会を通さなくても行政の裁量の範囲内でできる部分があるんです。その範囲内でできることであれば、スピード感をもってやるんだという意識を持ち、できることはすぐに取り組みます。

そのように、できることをひとつひとつ取り組んでいるだけなのかなと思います。   あとは、日南市は他の自治体が目をつけていないところを先にやるというところを得意としているのかなというのはありますね。

春日:そうなんですよね。日南市はそもそも他の自治体では考えていないようなところまで、みているというか。たとえば、ベンチャー企業を誘致する意味を考えていないんじゃないですかね。そこが日南市の魅力ですね!