縛りなしのWi-Fiはやめた方がいい!“縛り”にこだわらない最適な回線の選び方を紹介
「契約期間の縛りがないWi-Fiを使いたい」
多くのWi-Fiには契約期間の縛りが存在しますよね。もしこの期間の間に解約をすれば、多額の違約金が発生してしまう・・・それなら最初から縛りのないWi-Fiを選んで、違約金を気にせず使いたいものです。
しかし、正直なところ縛りなしのWi-Fiを使うのはおすすめしません。縛りがない…つまり“いつ解約しても違約金ゼロ”だからといっても、中長期的に見れば金銭的メリットはほとんど無いケースが多いからです。
そうは言っても、縛りがあると違約金が怖い・・・でも、実は最近は違約金もあまり高額ではなくなってきているのですよ。
一体どういうことか?じゃあ結局のところ縛りなしと縛りあり、どちらのWi-Fiを選ぶべきなのか、すべてまとめてこの記事で詳しく解説します。
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縛りなしのWi-Fiは3種類のサービスの中から選べる
まずは「縛りのないWi-Fiを使いたい」とのことなので、ひとまず条件にあったWi-Fiをいくつかご紹介しますね。
そもそも一口に”Wi-Fi”といっても、主に”光回線””ホームルーター””モバイルルーター”の3つに分けられます。
光回線
速度が速く、しかも安定したWi-Fi。ただし使うためには開通工事が必須であることが多い。
ホームルーター
自宅据え置き型のルーターで、コンセントを挿せばすぐにWi-Fiが使える。ただし速度は光回線に劣るうえに、Wi-Fiがたくさん使われる夜頃は速度がさらに落ちやすい。
モバイルルーター
持ち運びできるWi-Fi。外出先でもWi-Fiを繋げられるので、ギガを気にせずネットを使えるのがメリット。ただし3つの中で最も速度が遅く、安定性も低い。
どのWi-Fiにしても、縛り(最低契約期間や自動更新制度)の有無はプランや契約内容次第。では、それぞれ詳しくご説明していきましょう。
1.光回線
まずは光回線から。”光回線には契約期間の縛りがある”というイメージも強いかもしれませんが、実は大概のサービスは縛りをつけないで契約できるものがほとんど。
縛りなしで契約できる光回線の例
- ソフトバンク光
- auひかり
- ドコモ光
- NURO光
一度は名前を聞いたことのあるような大手の光回線でも、縛りなしでの契約は可能です。
ただし導入にあたっては工事が必要な場合があり、使うまでに若干時間と手間がかかる可能性があります。その分、3種類のWi-Fiの中で速度と安定性はダントツなので、特段希望がなければこちらを使うと良いですね。
2.ホームルーター
次にホームルーター。ホームルーターはそのほとんどに最低契約期間の縛りはありません。以下に代表的なホームルーターをピックアップしました。
縛りなしで契約できるホームルーターの例
- ドコモ home 5G
- Softbank Air
- au ホームルーター5G
- UQ WiMAX
- モバレコAir
コンセントに挿すだけですぐにWi-Fiが使えるのが最大のメリット。「光回線の開通工事の時間がない、すぐにWi-Fiを使いたい。」このようにWi-Fiの利用を急ぐ人には、光回線よりも速度は劣るもののぴったりのWi-Fiです。
3.モバイルWi-Fi
次にモバイルWi-Fi。モバイルWi-Fiもほとんどが縛りなしのものばかりです。
縛りなしで契約できるモバイルWi-Fiの例
- UQ WiMAX
- Rakuten WiFi Pocket
- カシモWiMAX
- どんなときもWiFi
- THE WiFi
モバイルWi-Fiも、ルーターが届いた時点ですぐに使えるうえに持ち運びができるので、出先でもWi-Fiを使いたいという人にはおすすめです。
ただ3種類の中ではもっとも電波が弱く、人混みや電車内、鉄筋コンクリートマンションに囲まれた場所では通信が途切れやすくなるので注意が必要ですね。
この中からどれにしたらいいかというと、ひとまず光回線を選ぶと良いです。
ただし”縛りなし”のWi-Fiはおすすめできない
ただ、正直なところ当社としては縛りなしのWi-Fiはおすすめできません。その理由としては主に以下の2つが挙げられます。これから順に説明していきますね。
縛りなしのWi-Fiがおすすめできない理由
- いつ解約してもデメリットがないわけではない
- 長く使えば使うほど料金面で損をする
おすすめできない理由1.いつ解約してもデメリットがないわけではない
まず、1つめの理由から。ここをお話しする前に、大前提として”縛りなし”という言葉の定義づけをしましょう。というのも、お客様が思う”縛りなし”と、通信会社側が考えている”縛りなし”は、実は微妙に意味が違うからです。
おそらくお客様は、”縛りなし”という言葉に対して【どんなときでも辞められる】うえに【辞めても何のデメリットもない】というイメージをもたれているのではないでしょうか?”縛りあり”で一番厄介なのは違約金で、縛りがなければ違約金というデメリットを負わなくていいと思いますよね。
ところが、通信会社側が言うところの”縛りなし”は【どんなときでも辞められる】ただそれだけです。つまり【いつでも辞められるけど辞めることで何らかのデメリットはあるかも】ということ。
お客様 | どんなときでも辞められ、かつ辞めても何のデメリットもない |
会社側 | いつでも辞められるけど、辞めたときに何らかのデメリットはあるかも |
縛りがなくても何らかの支払いが発生することも
では具体的に何のデメリットがあるのかというと、工事費や端末代の残債です。
たとえばau ホームルーター5Gに、契約期間の縛りはありません。いつでも辞められ、違約金も発生しません。ただ、Wi-Fiを使う際は据え置き型のルーターを購入することになるのですが、その額は¥48,600。
基本的にはこれを36回に分けて、36ヶ月間月々のネット料と併せて端末代も支払っていくことになるのですが、これを仮に12ヶ月使って解約すると、残り24回分、¥32,400の残債が一括で請求されることになります。
端末代全額 | 月々で払う端末代 | ~12カ月目までに 支払った端末代 | 解約時に請求される 端末代の残債 |
---|---|---|---|
¥48,600 | ¥1,350 | ¥16,200 | ¥32,400 |
また、たとえばソフトバンク光を使う場合、開通工事費として最大で¥31,680がかかります。そしてこれも工事費が24分割され、月々のネット料と併せて毎月¥1,320ずつ支払っていくのですが、途中で解約した場合はこの工事費の残債が一括で請求されるのです。
縛りがなくても結局自由に解約するのは難しい
つまり、通信会社が言っている”縛りなし”とは、工事費や端末代の支払いが残っている場合を想定していない縛りなしのことで、解約はいつでもできるものの何の支払いも起こらないというわけではない、ということ。
タイミングによっては解約時に多額の請求が発生するなら、”縛りなし”とは言えず、実質”契約期間の縛りはある”と言えるのではないでしょうか。結局のところ契約期間を気にせず自由に解約はできないということですね。
おすすめできない理由2.長く使えば使うほど料金面で損をする
続いて2つ目。縛りなしのWi-Fiは、縛りがない分月額料金も高めになってしまうのです。これはお客様にとってネガティブポイントでしかありません。
先ほど挙げた光回線で例をお見せしましょう。
回線名 | 【縛りなし】年間料金 | 【縛りあり】年間料金 |
---|---|---|
ソフトバンク光 | ¥64,680 | ¥50,160 |
auひかり | ¥64,680 | ¥50,160 |
ドコモ光 | ¥63,360 | ¥52,800 |
NURO光 | ¥73,200 | ¥68,400 |
どの回線も、年間でかかるネット料金は縛りなしの方がかなり高くなっていますね。
光回線業者にとって、契約期間の縛りがあれば、その期間中はほぼ確実に自社にネット料として利益が入ってきますよね。ただ契約期間の縛りがないと、いつその利益がなくなってしまうかわかりません。
だから縛りなしの場合、料金を少し高めに設定することで、いつか利益がなくなってしまうことのリスクヘッジをしているのです。
長く使うなら違約金を含めても”縛りあり”の方がお得
縛りがあることで生まれる高額な違約金が気になっていると思いますが、縛りなしのほうが月々の料金が高いことで、実際は縛りアリを契約した場合の方が安くつくのです。具体的には4ヶ月以上使うなら縛りを気にしない方がいいですね。
実際にソフトバンク光で料金を比較して見てみましょう。
ソフトバンク光の基本プランは2年縛り・違約金¥4,180です。
ソフトバンク光のプラン別の料金
- 縛りなしプラン
月額料金:¥5,390
違約金:なし - 縛りありプラン(2年縛り)
月額料金:¥4,180
違約金:¥4,180
縛りなしの場合は、毎月月額料金のみを支払えばOK。縛りありの場合、2年の契約期間中に解約すると違約金も支払うことになりますよね。このリスクを踏まえて、それぞれの金額を比較できる月々の料金表を用意しました。
解約月 | 縛りなしプラン | 縛りありプラン (違約金含む) | 差額 |
---|---|---|---|
1ヶ月目 | ¥5,390 | ¥8,360 | ¥2,970 |
2ヶ月目 | ¥10,780 | ¥12,540 | ¥1,760 |
3ヶ月目 | ¥16,170 | ¥16,720 | ¥550 |
4ヶ月目 | ¥21,560 | ¥20,900 | -¥900 |
12ヶ月目 | ¥64,680 | ¥54,340 | -¥10,340 |
すでに4ヶ月目の段階で、縛りなしのほうが高くなっているということがわかりますね。これはつまり、”たった4ヶ月目で解約しても、違約金を含めても縛りなしのほうが支払額が高くなっている”ということ。
1年間使えば、その差額は¥10,000以上に膨らみます。
光回線に限らず、ご自宅で使うWi-Fiを3ヶ月で解約するということはまずありません。Wi-Fiは生活するうえで必須ですし、そもそもお客様もそんな短期間で解約する前提でWi-Fiを探しているわけではないですよね。
それが縛りなしでソフトバンク光を使っていると、もう4ヶ月という短い利用期間で損が生まれてしまう。だから、縛りなしでWi-Fiを契約することはおすすめできないのです。
違約金も現在は相当安くなっている
今のお話の中でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが・・・
「違約金」と聞くと、めちゃくちゃ高額なイメージがあると思うのですが、先ほどお見せした通り、今は違約金はけっこう安くなっています。
これは、令和4年の7月にあった法改正により、光回線事業者全体の解約金が大幅に引き下げられたことが理由です。今ではどこの通信会社でも、違約金はだいたい月々のネット料と同じくらいになっていますね。
違約金を肩代わりしてくれる会社も増えてきた
また、今は多くの通信会社で、Wi-Fiを別の会社に乗り換える時に、発生する違約金を肩代わりしてくれるところも増えてきました。
ただし厳密には、違約金をお客様にお支払いいただいたあと、乗り換え先の会社から同額分のキャッシュバックがある、という形にはなります。
違約金のキャッシュバックをしてくれる回線の例
- ビッグローブ光
- ソフトバンク光
- auひかり
- NURO光
つまり、もし契約期間中に解約して違約金が発生したとしても、実質その違約金はご自身で負担しなくてよい、ということですね。
違約金の負担が減るなら”縛りなし”にこだわる必要はない
違約金の負担がなくなるなら、違約金を恐れて違約金のない縛りなしのWi-Fiを選ぶ必要はありません。それどころか長い目で見ると、縛りなしのWi-Fiは損でしかありません。
だから、“縛りなし”だけでWi-Fiを選ばずに、あくまでも自分に最適な回線を選んだ方がいいのですよ。
”縛り”にこだわらず自分に最適な回線を選ぼう
基本的には速度が速くて料金が安いものを選ぶと良いです。そのうち速度については、先ほどお伝えした通り光回線一択。
その中で「どれが安いか」はお客様個々人によって変わってきますね。詳しくは以下の記事で説明していますので、こちらを参考にして選ぶと良いですよ。
まとめ.”縛りなしWi-Fi”はメリットなし!縛りにこだわらないでWi-Fiを選ぼう
”縛りなし”は”いつ辞めても違約金が発生しない”ととらえがち。たしかに違約金が発生しないため、自由に辞められるという点で非常に魅力的ですよね。
しかしふたを開けてみれば、違約金は発生しないものの別の高額な支払いが発生したり、長く使えば使うほど損をしたりと、実はさまざまなデメリットがあるのです。
お客様が恐れている”違約金”も、現在はそれほど高額ではなくなってきましたし、違約金を代わりに負担してくれる通信会社も多くあります。だからこそ”縛りなし”にこだわらずに、”自分にとってもっとも最適か”なWi-Fiを選んでみてはいかがでしょうか。
記事の編集責任者 奥山 裕基 Okuyama Yuki