フレッツ光のマンションタイプをわかりやすく解説|ただし利用はおすすめできない
インターネット回線を引きたいんだけど…
「フレッツ光ってうちのマンションでも使えるのかな?」
自宅のマンションにインターネット回線を引く場合、どこの回線が利用できるかわからないので迷いますよね。
最近ではメディアの露出も減ってはいますが、知名度でいえば昔からある「フレッツ光」を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
フレッツ光は、NTT東日本/西日本が提供する光回線で、日本全国の約99%を網羅する世帯カバー率を誇っているので、基本的にはどのマンションでも利用することができます。
この記事では、フレッツ光のマンションタイプに着目して、マンションタイプを利用するための条件や費用面のことを解説しますね。
そのうえで、フレッツ光のマンションタイプは最適な回線かどうか答えを出しますので、最後までご一読ください。
フレッツ光は新しく始めるには適さない回線
記事内でも説明しますが、フレッツ光は加入特典が無いため新しくインターネットを始めるには不向きな回線です。
ネットを導入するなら、月額料金も安くてスマホのセット割引がある他社回線に目を向けましょう。
「そうはいっても、どれが自分に適しているのかわからない」
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フレッツ光はマンションでも使えるけど…
大前提として、フレッツ光は運営する会社がNTT東日本とNTT西日本に分かれています。
「フレッツ光」というサービス名称は同じでも、月額料金などは東西で異なるという事は憶えておいてください。
その中で、フレッツ光は、戸建て向けの「ファミリータイプ」、集合住宅向けの「マンションタイプ」にわかれていて、今回はマンションタイプのお話をしますね。
そもそも、フレッツ光のマンションタイプとは何かというと…
マンション内にフレッツ光の屋内設備を設置して、その設備まで光回線を引き込み、設備から各住居へは建物内の配線をつかってインターネットを提供する方式のこと。
つまり、1本の光回線をマンション内の住人でシェアして利用しているという事ですね。
シェアするメリットとして、1本の光回線を1軒の戸建てだけで占有するファミリータイプに比べて、インターネットが若干安い料金で利用できるのです。
ただし、マンションタイプを利用するには、マンションにフレッツ光の屋内設備が導入されていることが条件になります。
実際のところ、マンション側の意向や、世帯数が少ない住宅などでは、マンション設備が導入されていないことがあるんですよね。
では、マンションタイプの設備が導入されていない場合はどうすればいいのでしょうか?
マンション設備がない場合は、戸建て向けのファミリータイプを利用することでフレッツ光を使うことができます。
このように、設備がない集合住宅では、ダイレクトに光回線を引き込むことも可能です。
ただし、勝手に引き込むことはできないので、事前に建物の管理者や所有者の許可を得て初めて、集合住宅でファミリータイプが利用できるのです。
続いて、フレッツ光マンションタイプの中身に関して説明しますね。
マンションごとに利用できるタイプは限られる
フレッツ光のマンションタイプはNTT東西ごとに様々なタイプが存在し、正直に言って複雑です。
なので、ここでは一般的なタイプに絞って紹介しますね。
タイプ名 | 配線方式 | 最大速度 |
---|---|---|
ギガマンション・ スマートタイプ | ひかり配線方式 | 1Gbps |
マンション・ ギガラインタイプ | ひかり配線方式 | 1Gbps |
マンション・ ハイスピードタイプ | ひかり配線方式 VDSL方式 | 200Mbps 100Mbps |
マンションタイプ | LAN方式 | 100Mbps |
一番上の「ギガマンション・スマートタイプ」と、1つ下の「マンション・ギガラインタイプ」の違いは、「ギガマンション・スマートタイプ」は無線LANルーターのレンタルがセットになっています。
タイプ名 | 配線方式 | 最大速度 |
---|---|---|
マンション・ スーパーハイスピードタイプ隼 | ひかり配線方式 | 1Gbps |
マンション・ ハイスピードタイプ | ひかり配線方式 | 200Mbps |
マンションタイプ | ひかり配線方式 VDSL方式 LAN方式 | 100Mbps |
東西、似たような表ではありますが、インターネットのタイプによって最大速度が違う事がわかりますね。
この最大速度の違いは、表中にある「配線方式」によって大きく変わるので解説しますね。
配線方式とは、マンションタイプの設備から各部屋まで、どんなケーブルを使って配線されているか?という事です。
VDSL方式は部屋までは既存の電話回線を利用します。電話回線はノイズの影響を受けやすく、配線が長いと速度が低下する性質があるので、速度的には不安定になりやすい配線方式です。
LAN配線方式はイーサネット方式とも言い、建物内に張り巡らされたLANケーブルを使います。速度は電話回線よりも安定していますが、ケーブルの劣化等で速度が落ちることもあります。
光配線方式は、設備から部屋までは光ケーブルになり、最も速度が出る配線方式です。最大速度も1GMbps~100Mbpsまでありタイプによって異なります。
以上、簡単に説明しましたが、大事なのは、自分の住んでいるマンションが、どのタイプに対応しているかという事です。
「ネットは速い方が良いから光配線方式がいいな」と思うかもしれませんが…
フレッツ光の設備のスペックと配線方式はマンションごとに決められていて選ぶことができないのです。
最大100MbpsのVDSL方式って使い物になるの?
配線方式は選ぶことができないので、VDSL方式のマンションであれば、最大100Mbpsの速度までしか利用できないという事になります。
「じゃあ、最大100Mbpsって使い物になるの?」という疑問がわくと思いますが…
一般的なインターネットの利用ならば、30Mbpsくらいの速度が出ていれば大体の用途はこなせると言われています。
以下に一般的なインターネットの用途に必要な速度をまとめました。
用途 | 必要な速度目安 |
---|---|
メール・LINE | 1Mbps |
WEBページ閲覧 SNS | 1~10Mbps |
動画視聴 テレワーク | 5~20Mbps |
オンラインゲーム | 30~70Mbps |
このように、30Mbpsほどの速度が出ていれば問題なさそうですが、そもそもマンションタイプは住人同士でシェアしている回線なので、利用者が増えると速度が落ちる性質があります。
例えば、夜などの時間帯はインターネットをやっている住人が増え、混み合う事が多いため、速度低下が起こりやすくなりますね。
イメージ的には、高速道路のように混雑すると出せるスピードが落ちますよね。それと同じようなものです。
また、家族全員で別々にネットをしたり、テレワークをしながら動画を視聴するなどの同時に2つ、3つの用途をする場合は、速度が低下してテレワークの画面がカクついたりする可能性がありますね。
なので、利用環境や時間帯の違いや、パソコンやスマホのスペックの違いなどはありますが、VDSL方式であっても一般的なネット利用はできるものの、混雑時には快適に利用ができないと言えます。
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フレッツ光は月額料金の他にも費用がかかる
さて、続いてフレッツ光マンションタイプの月額料金に関して解説していきますね。
フレッツ光の月額料金は…
そのマンションで見込める加入者数で段階を付けていて、加入者が多く見込める方が安く、加入者が多く見込めない場合は高くなります。
とはいっても、よくわからないと思いますので、具体的な金額を出して説明しますね。
プラン2 | プラン1 | ミニ | |
---|---|---|---|
NTT東日本 ギガラインタイプ | ¥3,245 | ¥3,685 | ¥4,345 |
NTT西日本 スーパーハイスピードタイプ 隼 | ¥3,135 | ¥3,575 | ¥4,345 |
※各種割引後の金額(NTT東日本:にねん割、NTT西日本:光はじめ割)
このように、「プラン2」が最も安くなり、16契約以上見込めるマンションがこのプランになります。
なんと「プラン2」を「ミニ」と比べると¥1,000以上の差が出るのですね。
こういった、「プラン2・プラン1・ミニ」というのが各タイプで設定されていて、これも、マンションごとに決められているので変更することができません。
そして、この金額は、フレッツ光の“物理的な回線の利用料”なので、この月額料金を払うだけではインターネットはできないのです。
月額料金の他にプロバイダー料金が必要
フレッツ光でインターネットを利用するにあたっては、回線と一緒にプロバイダーの契約が必要になります。
プロバイダーとは、例えるなら、フレッツ光回線を道路だとすると、その道路を使って「インターネット通信という商品」を運んでくれるトラックのようなものです。
そのプロバイダーは数百社あるのですが、どれかを選んで契約をしないとフレッツ光ではインターネットが利用できないのです。
フレッツ光とプロバイダーのそれぞれで契約をしなければいけないのは結構面倒です。
契約が2つなので、将来的に引っ越しする際の連絡も2回、トラブル時の連絡先も2か所、解約時の連絡も2回することになるので、人によっては億劫になるかもしれませんね。
また、当然のことですが、プロバイダーにも月額料金が発生します。
では、プロバイダーの料金はどのくらいなのでしょうか?代表的なプロバイダーと料金を紹介しますね。
名称 | マンションタイプ 月額料金 |
---|---|
Yahoo!BB | スタンダード ¥1,045 |
OCN | ¥715~¥990 |
BIGLOBE | ¥990 |
@nifty | ¥1,045 |
プロバイダー料金は各社¥1,000前後が一般的ですね。
ただ、安いところでは月額¥500程度で提供しているプロバイダーもありますが、安いなりの理由があって、通信速度が遅いので正直おすすめできません。
このように、フレッツ光はプロバイダーの料金が別途かかるので、フレッツ光の料金を正しく理解するには、フレッツ光の月額料金+プロバイダー月額料金となります。
フレッツ光は初期工事費用が有料
フレッツ光を新しく始める場合、基本的には初期費用がかかります。
初期費用というのは、契約料と初期工事費です。
契約料は¥880なのですが、初期工事費は最大¥22,000となり、工事の内容により金額が変わるのです。
屋内配線の工程がある場合 | ¥22,000 |
屋内配線の工程がない場合 (LAN配線方式) | ¥11,660 |
無派遣工事 | ¥3,300 |
屋内配線の工程とは、工事業者がマンションのフレッツ光の設備まで行って、配線の接続作業と部屋内に機器を設置する作業を行います。
なので、一般的には、¥22,000の工事費がかかり、一括か分割払いで支払う事になります。
ただし、フレッツ光を導入する部屋で過去にフレッツ光の工事が済んでいる場合は、「無派遣工事」となります。
無派遣工事とはNTTの局側だけの工事で済む工事内容で、工事業者がマンションに派遣されないため工事費が安いのです。
自分の住んでいる部屋が無派遣工事の対象になるかどうかは、申し込みをした後でないと確定しないので、基本的には工事費¥22,000はかかるものと思ってください。
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フレッツ光は良い回線か?月額料金を他社と比較
フレッツ光マンションタイプの料金に関して解説してきましたが、フレッツ光単体で見ても料金が高いのか安いのかわからないですね。
なので、ここでフレッツ光の各プランの料金と、比較対象として他社の光回線のマンションタイプの月額料金と比べてみたいと思います。
比較対象としては、同じフレッツ光回線を使った「光コラボ」という、プロバイダーが回線と一体型のサービスを挙げます。
光コラボも600社以上あるのですが、ここでは大手の3社と比較しますね。
回線名 | 月額料金 |
---|---|
マンション・ギガラインタイプ プラン2 プロバイダーOCN(¥990) | ¥4,235 |
マンション・ギガラインタイプ プラン1 プロバイダーOCN(¥990) | ¥4,675 |
マンション・ギガラインタイプ ミニ プロバイダーOCN(¥715) | ¥5,060 |
ドコモ光 | ¥4,400 |
ソフトバンク光 | ¥4,180 |
ビッグローブ光 | ¥4,378 |
前提として、光コラボのサービスには加入者見込み数による「プラン2、プラン1、ミニ」といった料金の違いはなく一律になってます。
フレッツ光と光コラボ3社を比較すると…
フレッツ光のプラン2であれば、光コラボと同等の価格ですが、プラン1はやや高め、ミニはかなり高いという事になりますね。
また、初期工事費に関しては、上記光コラボの3社の場合は実質無料となっています。
実質無料とは、工事費の分割払いの請求に対して、毎月同額の割引を行うことで相殺し、分割払いの期間が終わるまで割引が続くため実質的には無料になるということ。
それに対し、フレッツ光は無派遣工事の可能性はあるものの、¥22,000の工事費がかかる可能性もあることから、総合的に見てもフレッツ光は料金的には高いと言わざるを得ないですね。
フレッツ光だとスマホのセット割が使えない
上記で紹介した光コラボの3社には、各社に対応したスマホのセット割があります。
スマホのセット割とは、光回線と対応したスマホをセットで利用することで、スマホ1台に対して最大¥1,100/月、スマホの料金が割引されるサービスのこと。
今回の場合は、ドコモ光ならドコモのスマホ、ソフトバンク光はソフトバンクのスマホ、ビッグローブ光はauのスマホに対応しており、各社適用条件はありますが利用することでよりお得になります。
また、家族で同じキャリアのスマホを利用している場合は、割引額も増えるのでよりお得に使えるということ。
こういったスマホと絡めた割引サービスはフレッツ光にはないんですよね。
他にも光コラボは初回の加入特典が豊富なので、新しくインターネットを始める場合は、フレッツ光のマンションタイプではなく、利用中のスマホに合わせた光コラボのマンションタイプが最適と言えます。
関連記事
- おすすめ光回線4社を紹介|後悔しない“選び方”も解説
当社がオススメする光回線については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
まとめ.フレッツ光マンションタイプは特定の人以外におすすめできない回線
今回はフレッツ光のマンションタイプに着目して解説してきました。
フレッツ光全体的に言えることですが、新規で申し込みをするメリットはありません。
なぜならば、現在はNTT自体がフレッツ光の個人向け回線に力を入れてないからです。
その証拠に、工事費用は有料、加入特典もなし、引越しの際の移転工事費も半額負担から全額負担になりました。
おそらくですが、NTTとしては、フレッツ光回線を光コラボ事業者に貸し出し、新規の顧客を光コラボの方で増やしてもらうことで、自社の顧客管理やサポートに使っていた人件費や管理費などを削減していく方向なのではないでしょうか。
つまり、NTT側の意向としては「フレッツ光ではなくて光コラボを使ってね!」と暗に言っているようにも思えます。
ただし、フレッツ光にもメリットがあって、プロバイダーに縛りがないというのは特定の人には必要なサービスとなります。
仕事上の理由で特定のプロバイダーを利用しなければいけない場合などがそれにあたり、珍しいケースですがその場合はフレッツ光が最適な回線になりますね。
また、今回は詳しく説明しませんでしたが、「フレッツ光クロス」のような最大10ギガの超高速回線は、オンラインゲームを本気でやっている人や、ネットで動画配信をする人、仕事上で容量の大きいファイルのやり取りを頻繁にする人などには最適ですね。
結論、そういった特定の人でなければフレッツ光を利用する必要性がなく、一般的な人はシンプルに特典が豊富な光コラボの回線を利用するのがおすすめです。
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記事の編集責任者 奥山 裕基 Okuyama Yuki