転職が決まらないと悩む人へ|ビジュアルでつかむ転職成功へのカギ

意を決して転職活動をはじめても、思うように転職先が決まらず悩む人も多いでしょう。転職活動が長引くと、「このまま転職できないのかな……」「社会に必要とされていないのかも……」と、どんどんマイナスな考え方になってしまいますよね。

しかし、その状況を打破しようと焦って転職先を決めてしまうのは危険です。焦ると冷静な判断ができなくなり、転職活動に後悔が残ってしまう可能性が高くなります。

この記事では、転職先が決まらないときに陥りやすい考え方とその際の注意点を解説します。また、選考の段階別の対処法も紹介するので、自分の状況に合わせて参考にしてみてくださいね。

「転職が決まらない」と悩む人はどれくらいいる?

転職が決まらないと悩む人はどれくらいいるのでしょうか?  厚生労働省のデータによると、1カ月~3カ月転職が決まらない人は全体の62.8%と、実は全体の半数以上います。

参照:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」

転職先が決まらないと、「自分だけうまくいっていないのかな……」と落ち込んでしまう人も多いですが、厚生労働省のデータからもわかるように、実は1~3カ月ほど転職先が決まらないのは特にめずらしいことではありません。

転職が決まらないときに陥りやすい負のスパイラル

自分以外にも転職先が決まらずに悩んでいる人がいるとはいえ、予想より転職活動が長引くとネガティブな考えに傾いてしまいますよね。転職活動のモチベーションもどんどん下がり、次第に負のスパイラルに陥ってしまいます。

転職活動が長引くと、だんだんとネガティブになり、負のスパイラルに陥ることがあります。  予定より転職活動が長引いてるな、早く転職先を見つけなきゃだめだと悩む中で、どんどん自分に合う企業って何だろう、受ける企業を増やしても受からないとネガティブな考えに偏っていきます。  そして、自分の何が悪いのかわからない、転職活動が上手くいっていないのは自分だけなのかな、どの企業も受からない気がすると負のスパイラルから抜け出せなくなるのです。  最後には社会に必要とされていないような気がするとまで考えてしまう人もいます。

特に初めて転職活動をする人は、どのように進めるべきかわからず不安な点も多いでしょう。しかし焦ったり不安になったりする気持ちを否定すると、余計にネガティブな方向に考えが進んでしまうこともあります。きちんと向き合うことで、負のスパイラルから抜け出すことができますよ。

自責思考になりすぎないように注意

自責思考と他責思考の違い  自責思考には3つの特徴があります
1つ目は問題が起きた際は、自分に問題があると捉えてしまうこと
2つ目は責任感が強いこと
3つ目は1人で抱え込む傾向があるということです。  一方、他責思考にはこの3つの特徴があります。
1つ目は問題が起きた際は、周りに問題があると捉えること
2つ目はトラブルも楽観的に考えられること
3つ目は当事者意識が芽生えにくいことです

負のスパイラルから抜け出せない人は、自責思考が強すぎる傾向もあります。自責思考は良い面もありますが、転職先が決まらずネガティブになりすぎてしまう人こそ適度に他責思考を取り入れて、自分ひとりで抱え込みすぎないように気をつけましょう

転職が決まらないことに焦ったまま転職活動を進めると……

転職が決まらないことに焦ったまま転職活動を進めると、この3つの結果になる可能性が高まります。  1つ目は、冷静な判断ができなくなり、企業分析が不十分で、自分に合っていない企業でも「内定が取れたから」と決めてしまう可能性が高まります。  2つ目は、内定を取りたい気持ちだけが先行して、自分に嘘をついて本来より良く見せようとして、本当の強みや魅力が伝わらなくなる可能性が高まります。  3つ目は、転職先が合わず、就職できても結局また転職活動をすることになり、モチベーションが下がってしまう可能性です。

ネガティブな考え方のまま焦って転職活動をすると、気持ちが空回りして、結果的に納得した状態で転職ができない可能性が高くなります。こうならないためにも、自分がどのようなことに悩んでいるのかを分析することが必要になります。

転職が決まらないと悩む人に共通する5つの特徴

転職が決まらないと悩む人には共通する5つの特徴があります。  1つ目は、転職の方向性が決まっていないため、志望業種・職種があいまいなままで、とりあえず企業に応募しているということ。  2つ目は、スキルや経験を上手くアピールできておらず、企業に合わせたスキルや経験のアピールを意識できていないということ。  3つ目は、現状を変えたい気持ちが先行しすぎて、現状の不満を解消したいというネガティブな志望動機になっていること。  4つ目は、企業研究が不十分で、もとめている職場環境と異なる企業を受けていて、応募企業と理想のミスマッチが起きていること。  5つ目は、失敗の原因分析ができておらず、上手くいかない原因に向き合わないまま転職活動を進めていることです。

転職が決まらない人の多くは、共通の特徴を持っています。そのため、この5つの状態になっている原因を深掘りして対策をすることで、転職先が決まらないという現状を打破できるのです。まずは自分がどこでつまずいているのかを知ることからスタートしましょう。

どこでつまずく? 選考のフェーズ別で対処法を分析しよう!

自分に合う対策を見つけるには、自分のフェーズを理解する必要があります。  企業選びの軸がなく、応募企業の選定はスムーズでない人は企業選びから見直しましょう。  また書類選考で落とされる場合は、書類選考を見直しましょう。  最後に面接で苦戦することが多く、苦手意識がある人は面接対策を見直しましょう。

転職活動を成功させるためにも、まずは自分がどの選考フェーズでつまずいているのかを知ることが重要です。企業選び、書類選考、面接対策のどのフェーズかによって見直すべき内容が変わるので、自分に合った対策を見つけましょう。

応募の段階で迷ってしまう人への対処法

企業選びの軸や転職活動のゴールが定まっておらず、企業に応募する段階でつまずいている人は、自己分析企業分析を見直してみましょう。それぞれの方法を紹介します。

対処法①もう一度自己分析して軸を見つける

応募企業で迷ってしまう人への1つ目の対策は自己分析です。自己分析の効果的な方法は4ステップで振り返る方法です。  1ステップ目は振り返りで、過去の経験からどのような価値観を持っているのかを振り返ります。  2ステップ目はやりたいことを考える段階で、理想の働き方や身に付けたいスキル、知識を考えます。  3ステップ目は、できることを考える段階で、自分の強みや活かせるスキルを思い浮かべましょう。  最後の4ステップ目は、やるべきことを考える段階で、企業が求める人物像との共通点・ギャップを明確にして、何をやるべきなのかを考えましょう。

自己分析にはさまざまな方法がありますが、過去の経験から事実ベースで自分のことを知る方法がおすすめです。自己分析をもとに就活の軸も定めて、どのような企業が合っているのか、どのような企業なら活躍できそうかを判断するための指針として活用しましょう。

対処法②深く企業分析をしてマッチ度の高さを分析する

応募企業で迷ってしまう人への2つ目の対策は企業分析です。企業とのマッチ度を考えるためには、企業分析と自己分析が必要になります。  まず企業の情報では、業界の動向や企業の強み、求める人物像、社風、業務内容などを調べましょう。  また自己分析では、強みやスキル、実績、価値観、理想の働き方を考えてみましょう。  企業と学生の情報で重なる部分が多いほどマッチ度が高いことがわかります。

企業分析も応募企業を絞るためには必須です。なぜなら企業の特徴や業務内容を知らないと、自分のやりたいことができるのか、自分の価値観と合っているのか判断しにくいためです。企業分析は求人票に書かれている情報も大切ですが、そこから一歩踏み込んだ情報を分析すると、より自分とのマッチ度を測ることができますよ

書類選考が通らない人への対処法

書類選考が通らないと悩んでいる人は、自分の経験やスキルのアピール方法を見直してみましょう。アピールできる経験があっても、適切にアピールしないと企業側には伝わらないこともあります。2つの対策を紹介します。

対処法①スキルと経験を徹底的に振り返る

書類選考でつまずいてしまう人への対処法の1つ目は、スキルの棚卸しです。  今までの経験をできるだけ細かく振り返って、スキルや経験の棚卸しをすることで、どんな分野でも活かせるスキルや価値観を見つけることができます。

書類選考で強みを適切にアピールするためには、まず自分自身のスキルや経験を細かく棚卸しすることが重要です。すべての経験が転職活動に活かせるかもしれないという気持ちで、日々の業務で意識していた点や同僚・上司に褒められたことなどまで、細かく振り返ってみてくださいね。

対処法②応募職種や企業に合わせたアピールを意識する

書類選考でつまずいてしまう人への対処法の2つ目は、応募職種や企業に合わせたアピール方法を考えることです。  たとえば、営業での経験をアピールしたい人には2つの選択肢があります。  1つ目は、職種に関係なく営業で評価されていたことをアピールする方法。
この場合は、強みが十分に伝わらず働く姿が想像されにくくなる可能性があります。  2つ目は職種や企業に合わせて経験やスキルの切り口を変えてアピールする方法。
この場合は未経験の分野でも強みを活かせることが伝わる可能性が高くなります。

スキルや経験の棚卸しができたら、そのエピソードの伝え方を考えましょう。ただ同じ内容で自己PRするのではなく、企業や職種に合わせてエピソードの切り口を変えて伝えることが重要ですよ

20代前半と後半で気を付けてほしいポイントの違い

アピール方法を考えるときの注意点として、20代前半と後半のアピール内容の違いもあります。  20代前半は実績がなくても、ポテンシャルや熱意で通りやすいので、強みや得意なことの深掘りと適切なアピールが重要です。  一方で20代後半は、経験やスキルを重視され、即戦力であることをもとめられるので、もとめられるレベルのスキルや経験の説得力のあるアピールが重要になります。

書類選考でつまずいてしまう人の中には、年代によって求められるアピールの違いをしっかり理解できていない人もいるかもしれません。20代前半と後半では、企業からの見られ方や求められる経験も変わってくるので、そのレベルに合わせてアピール内容を精査する必要があるのです

面接でつまずいてしまう人への対処法

面接でいつも上手くいかないと悩んでいる人は、通過できない原因の分析に時間をかけてみてください。失敗から学んで、転職活動を良い方向へと進めましょう。

対処法①落ちてしまった理由を細かく分析する

面接でつまずいてしまう人の対処法の1つ目は、落ちてしまった理由の詳細分析です。  面接の振り返りをする際は項目ごとにマインドマップ化することが重要です。  たとえば志望動機について振り返るなら、その企業だけの価値を言えなかったなと振り返れます。  また話すスピードなら、緊張して速くなってしまったなど、改善点を上げられるのです。
このようにマインドマップ上に振り返るとわかりやすいでしょう。

面接でいつも上手くいかないと悩んでいる人は、まず面接の振り返りを徹底的におこないましょう。落ちてしまった面接を思い出すのは精神的に辛いかもしれませんが、振り返りからしか学べないことがたくさんあります。「数をこなせばいつか内定がもらえるから」と考えるのではなく、内定へのヒントを見つけるためにもしっかり振り返りましょう

対処法②面接練習を繰り返す

面接でつまずいてしまう人の対処法の2つ目は、キャリアアドバイザーとの面接練習です。  面接練習を重ねて、想定質問の回答や表情、話し方などのアドバイスをもらい、場数をこなすことで、面接への苦手意識や緊張感を和らげられるのです。

面接が上手くいかないと悩む人は、「面接」という場に慣れていない可能性があります。面接練習を重ねることで緊張もやわらぎ、表情や声のトーンにも意識を向けることができるでしょう。家族や友人に練習相手を頼むのも良いですが、より専門的なアドバイスを求めるならキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめですよ。

対処法③自信がなくても堂々とした態度を意識する

面接でつまずいてしまう人の対処法の3つ目は、自信がなくても堂々とした態度を意識することです。  面接時の印象による強みの伝わり方の違いを紹介します。  まず自信がなさそうな求職者だと、どんなに強みやスキルをアピールしても疑われることもあるので、せっかくの強みが十分に理解してもらえない可能性があります。  一方で堂々としている求職者だと、強みを落ち着いて堂々と伝えられるので、エピソードの説得力が増すので、強みやスキルを十分に理解してもらえる可能性が高まります。

面接では、堂々と自信があるように振る舞うことも重要です。なぜなら、自信を持って自分の経験やスキルを伝える人の方が説得力があるためです。転職活動が長引くほど自分に自信がなくなってしまうかもしれませんが、面接の間だけでも、自分の実績に自信を持ってアピールするようにしてみてくださいね。

転職のやる気が下がってしまったら一度頑張っている事実に目を向けてみよう

転職活動が長引いてモチベーションが下がると、選考対策をする元気がなくなってしまうこともありますよね。そのようなときには、無理をせずに休むことが大切です。

転職活動のモチベーションが下がったときにやってほしいことが3つあります。  1つ目は、自分の頑張りを書き出してみること。転職活動でどんなアクションができたか思い出して、自分が頑張った事実を認めましょう。  2つ目は「不採用でも大丈夫」と思うようにすること。「早く受からなきゃ!」と自分にプレッシャーをかけすぎず、気楽に行動してみましょう。  3つ目は、リフレッシュの時間を作ること。転職活動のことを一度忘れて、自分にご褒美をあげる時間を作りましょう。

なかには「選考に落ちる=人格を否定されている」と捉えてしまう人もいますが、転職活動は企業とのマッチングでしかありません。ただ今まで受けていた企業とマッチしなかっただけで、ほかにマッチする企業が存在する可能性は大いにあります。まずは少しでも前向きに転職活動に臨めるように、自分の頑張りを認めて、リフレッシュの時間を取ってみてくださいね

転職が決まらなくても焦りすぎず選考の段階別で対処しよう!

なかなか転職先が決まらないと、どうしても焦ったり不安になってネガティブな考えに陥ってしまいますよね。そんなときは自責思考になりすぎないように、自分の頑張りを適度に認めてあげることも重要です。

この記事で選考フェーズ別での対処法も紹介しているので、自分に合った対策からはじめて、転職活動を成功させましょう!

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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