【看護師から転職】経験者が語る、資格に縛られずに後悔しない未来を選ぶための視点

この記事の執筆者 幅広い業界での経験とキャリア支援実績がある専門家が書き下ろしました
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藤原 公美
国家資格キャリアコンサルタント
Fujiwara Kumi〇大手人材会社にて大学生・社会人のUIターン就職を支援。フリーランスとして、企業内1on1カウンセリングや新卒学生のグループワーク支援も担い、求職者・企業両面を幅広く支援。保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号23015821)/GCS認定コーチ(認定番号2008SP2586)/ 看護師免許(第1685885号) SNS:Instagram/litlink/Udemy

今転職を考えているあなたへ

「やりがいがある仕事だけれど、この生活をずっと続けていけるのかな?」

「ほかの仕事にも挑戦したいけれど、未経験だと難しいのかな?」

今、この記事を読んでいるあなたは、看護師として働きつつ、そんな葛藤のなかにいるのではないでしょうか。

毎日、命を預かるプレッシャーと戦い、不規則な勤務で心と身体が消耗していく。そして、ふとした瞬間に「一生、この生活を続けるのかな?」と疑問が頭をよぎる

でも、周りを見渡せば同期や友人がみんな当たり前のように看護師として頑張っていて、弱音を吐ける場所もなく、結局一人で悩みを抱え込んでしまう……。

私は今でこそ、キャリアコンサルタントとして多くの求職者の相談を受けていますが、実はかつて、あなたと同じように「看護師からの転職」に悩み、実際に転職を経験した一人です。

この記事では、私の実体験とキャリアコンサルタントとしての視点を交えながら、あなたが今の「苦しさ」の正体を整理し、納得して次の一歩を踏み出すための考え方をお伝えしていきます。

本コラムのコンセプト

生成AIによる一般的な情報がすぐに手に入る時代。就活生や求職者にいま求められているのは、経験や体験に基づく血の通ったアドバイスではないか。そうした読者のニーズに応えるために、編集部がテーマを選定し、参画するキャリアコンサルタントらに寄稿いただくコラム企画を始めました。自身の経験や実アドバイスをベースに、綺麗事を一切排除した本音の就活対策をお届けします。

私自身の話—やりがいと収入だけでは続けられなかった

私が看護師を目指したのは、「人の役に立ちたい」「手に職をつけて経済的に自立したい」という想いからでした

実際に働き始めると、患者さんやその家族から直接感謝の言葉をもらえる喜びや、一人の人間として患者さんと深いコミュニケーションが取れることに大きなやりがいを感じていました。そして収入も安定していて、当初の目的は達成できていたはずでした。

それでも働き続けるうちに、じわじわと「このままの生活を続けるのか?」と疑問が湧くようになったのです。その理由は大きく分けて3つありました。

命を看るプレッシャー

1つ目は、「命を看るプレッシャー」。

私が気づかなければ、知識がなければ命にかかわる。その緊張感を持ち続けることに、私の心は少しずつ摩耗していきました。

不規則な勤務による疲労

2つ目は、「不規則な勤務による疲労」。

体質的に夜勤が合わず、休みの日も身体が重い。かといって、夜勤をしなければ収入は大きく下がってしまう。得た収入もほとんど手がつけられないまま仕事中心の日々が続いていました。

閉鎖的な人間関係や視野の狭さ

そして3つ目は、医療業界特有の「閉鎖的な人間関係や視野の狭さ」でした。

命を預かる現場なので緊張感はあって当然です。ただ、勤務時間外にまで「こうあるべき」という固定観念に縛られる感覚があり、少し息苦しさを感じていました

そして始めた知識ゼロでの転職活動

そんな疑問が積み重なり、私はついに転職を決意しました。ただ、決意したは良いものの、当時の私は転職に関する知識がまったくありませんでした。

まずは手探りでハローワークへ

何から始めたら良いかわからない。

相談したくても、周りは看護師の友人ばかりで「みんな頑張って働いているのに」と気が引けて相談できず、孤独感を感じ、一人で抱え込んでいました。

それでも少ない知識を活用して最初はハローワークに訪問。担当カウンセラーに相談した時は、自分でも予想外なことに涙が溢れてしまいました。

再び医療業界へ

その後も「自分がどんなキャリアを積んでいきたいか」、前職で何に「不満」を感じて、次の職場では「何を得たいのか」。そういった自己分析をまったくせず、ひとまず「資格を活かさなければいけない」という気持ちだけを軸に活動し、次の仕事として治験コーディネーター(CRC)を選択しました。

しかしCRCも医療業界の仕事です。転職理由のひとつだった「業界の閉鎖性」という課題をそのままにした結果、数年後また同じように「どうキャリアを積んでいきたいか」が見えなくなり、悩むことになりました

今度は自己分析から始めた

そこで初めて、「将来ありたい姿」など自己分析をおこない、その指針にそって行動をした結果、今の仕事にたどり着いています

この私の例は、今振り返ると結構遠回りしたキャリアだったと思います。それでも、未経験の分野・職種への転職は、知識ゼロの私でもできました。

転職したいと考えたら、最初にやってほしいこと

この記事を読んでいるあなたには同じ遠回りをしてほしくない。そんな思いで、転職を考え始めたときにやってほしいことをお伝えします。

この後のワークをおこなううえで大事な心構えは、「看護師資格を活かすべき」という思考を一旦置いておくこと。世間の考えがどうかではなく、まずフラットな目線で自分と向き合うことが非常に重要です。

①過去の自分を振り返り、やってみたいことを考える

物心ついた時〜現在までにあった、印象に残っている出来事や興味関心があったこと、やっていたことを詳しく紙に書いてみましょう

それから、なぜそれが印象に残っているのか、当時どんな心の動きがあったのか、自分はどんなことをしていると生き生きしていたか、どんな環境が好きかなど振り返ることで、自分がどんな状況で満たされるのかが浮かび上がってきます。

②今の職場の「不満・満足」を項目ごとに考えてみる

「給与」「休暇」「職場環境」「仕事の裁量・内容」「自己成長」「人間関係」「キャリアパス」「他者への貢献性」——これは仕事の満足度に関わる主な項目です。まずはこの項目を書き出し、自分がどの項目を重視しているか、どの項目に不満を感じているか考えてみましょう

こうして振り返ると、この先のヒントが見えてきます。

たとえば、「看護師の仕事は好きだけど、夜勤と人間関係がつらいから、場所を変えてみよう」と感じることもあると思います。

また「医療業界そのものが合わない」と感じるなら、もっと広い視野で転職先を探す必要があります。この整理が、今後の方向性を決める土台になります。

看護師からの転職先:道は大きく2つ

看護師からの転職を考えたとき、道は大きく分けて2つあると考えます。

①看護師資格を「場所を変えて」活かす

看護師としての仕事内容はそのままに、クリニックや検診センターなどで働くという選択肢もありますが、ここでは看護師の資格を活かしつつ、仕事内容が変わる職種を一部ご紹介します

治験コーディネーター(CRC)・臨床開発モニター(CRA)

まず、治験コーディネーター(CRC)臨床開発モニター(CRA)は治験にかかわるお仕事です。

CRCは病院・患者さん・製薬会社の三者調整をし、治験がスムーズに進むようにさまざまなサポートをおこないます。一方CRAは製薬会社側で、病院が正しく治験を実施できているかモニタリングする仕事です。

CRCはデスクワークが多めで、CRAは出張が発生する場合があるので、やや外勤が多いです

医薬情報担当者(MR)・クリニカルスペシャリスト

次に、医薬情報担当者(MR)やクリニカルスペシャリストは、医療機器や医薬品の専門家として病院に情報提供をおこない、使用する際のサポートをする仕事です。営業要素があるため外勤が多いです

産業看護師

そして、産業看護師は企業の医務室などで産業医のサポートをし、従業員の健康診断の実施、健相談対応・保健指導などをおこないます。

②新しい業界・職種へ進む

「看護師しかしてこなかったので、ほかの仕事への転職は難しいのでは……?」という声もありますが、結論、どんな職種にでも転職できます。

看護師時代に培ってきた、「マルチタスク」や「コミュニケーションスキル」、「エビデンスを考えて仕事をする力」はどの職業でも必要とされる能力です

異業種への転職で最も大切なのは、「なぜその仕事をしたいのか」という意欲と根拠を、自分の言葉で語れるかどうかです。目的意識をもってキャリアプランを描き、熱意をもって面接で伝えられれば、転職は十分に可能です。

おわりに:あなたの道は、あなたが決めて良い

周りに看護師が多い環境にいると、違う道を探すのはとても苦しく、時には「逃げ」のように感じてしまうかもしれません。

でも、キャリアコンサルタントとして自身の経験を含め、断言できるのは、「自分が納得して選んだ道であれば、後悔はない」ということです

現状を振り返り、看護師が好きだと気付いたなら場所を変えて、もう少し頑張ってみるのも良い。もし「まったく別の世界を見てみたい」と思うなら、勇気を持って一歩踏み出せば良い。

また、転職を考える際、自分探し、適職探しをしすぎると「100%自分に合う仕事」を見つけるまで動けない、と足が止まってしまうことがあります。でも、数年先の正解なんて誰にもわかりません。

大切なのは、誰かの期待に応えることではなく、今、あなた自身がこれなら納得できると思える答えを見つけることです。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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