この記事のまとめ
- 明確な退職日を伝えて意志の強さをアピール!
- ネガティブな退職理由ならポジティブに変換
- 6つの例文から自分なりの伝え方を考えてみよう
退職を検討しておいるけれど、何となく辞めにくかったり上司に話を切り出せなかったりなどで困っている人は多いのではないでしょうか。いざ勇気を出して伝えても、「忙しい時期に辞めるの?」「新しい人が入るまで居てよ」などと引き止められることも考えられます。
この記事では退職の話がスムーズに進みやすくなる伝え方を、キャリアコンサルタントの永田さん、有馬さん、谷所さんとともに解説します。
周囲から「次の職場でも頑張ってね」と応援されるような退職を目指すために、ぜひ本記事で解説する好印象な伝え方を参考にしてみてくださいね。
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退職理由は伝え方一つで印象が変わる! 誠意をもって伝えよう
退職の話は伝え方が重要であり、話すタイミングや退職理由の言い換えなどの伝え方工夫をすることで、誰でも円満退職を目指せます。
記事前半では退職理由の伝えるタイミングや話の切り出し方など、伝え方そのものについて詳しく解説します。話の切り出し方を間違えてしまうと不誠実と思われることもありますが、ベストなタイミングで失礼のないように伝えれば上司も納得しやすく、退職しやすくなります。
記事後半では上司に引き止められにくい退職理由の伝え方や、退職理由ごとの例文を解説します。注意点を踏まえつつ自分なりの文章が作れれば、退職理由を伝える準備はほぼ完成です。
本記事で周囲の印象を下げない退職理由の伝え方を知って、トラブルのない円満退職を目指しましょう。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
そもそも退職理由は必要? 細かい理由を伝えるべきかプロが解説
上司に退職の話をする際は理由も伝えることが一般常識とされていますが、法律上は退職理由を明らかにする必要はありません。
そのため「一身上の都合により退職」と伝えても退職自体はできるものの、上司が納得する理由を伝えられないと不信感を持たれたり不誠実と思われたりなど、印象が悪くなりやすい点は意識しておくべきです。
しかし退職理由によっては、上司に細かい理由も言いたくないという人もいると思います。ここからは退職理由をどの程度まで伝えるべきか、キャリアコンサルタントの谷所さんが解説するため、細かい退職理由を伏せたい人はぜひ参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る頑なに退職理由を伝えないことはデメリットになり得る
退職理由を伝えないことで、直属の上司などはなぜ伝えないのかと不信感を持つ可能性があります。退職理由を上司が問いただしても言いたくないという返答では、不誠実だととらえられて、退職するまでの期間も円満な関係が築けなくなることもあるのです。
また、不信感を持たれたり、不誠実だと受け取られたりした状態で辞めた場合、退職後にビジネスなどでつながりができても、良好な関係を構築できない可能性があります。
また理由を伝えないことで、会社への不満で辞めるのではないか、競業禁止している企業であれば、同業他社へ転職するのではないかなど、余計な憶測をされることもあるかもしれません。
前向きな理由に置き換えつつ良い関係性を保って退職しよう
退職理由を詳細に伝える必要はありませんが、たとえば待遇面や評価など労働環境の不満が本音でも、実力主義の企業でチャレンジしたいなどポジティブな理由に置き変えることがポイントです。
また未経験の仕事や別の業界で仕事がしたい、資格取得の勉強に集中したいなど、かなえたいことの実現といった理由を簡潔に伝えるもの良いでしょう。現職とは異なる企業への転職やスキルアップであれば、引き留めることが難しいと考えてもらえる場合もあります。
転職先企業名などを問われたときは、決まっている場合でも、今後の方向性を簡潔に伝えるだけで問題ありません。
家庭の事情や健康上の理由など、退職理由をあまり詳しく言いたくなくて「一身上の都合」で済ませたい人も多いと思います。
まずはこの記事で、自分の退職理由が「一身上の都合」に当てはまるかチェックしてみてください。一身上の都合を用いて退職する際の例文や、理由を聞かれたときの対処法について詳しく解説しています。
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退職理由に一身上の都合を使ってはダメ? 使えるケースと例文を紹介
この記事では「退職理由に一身上の都合はダメなのか?」という疑問を解決するべく、一身上の都合を退職理由に使用しても良いのかを解説しています。キャリアコンサルタントとともに、退職理由に一身上の都合が該当するケースや伝え方を解説するので、自身の退職理由が当てはまるかを確認して、円満に退職できるように役立ててくださいね。
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退職理由はいつ伝える? 迷惑をかけないベストなタイミングとは
退職理由を伝えるベストなタイミングとは
- 退職日の2~3ヶ月前
- 繁忙期の後
- 人事異動の前
退職理由を伝えるのは、退職する2~3ヶ月前が理想です。就業規則で「退職は〇日前までに申し出ること」と記載されていることもあるため、まずは勤めている会社の就業規則を確認してみてくださいね。
退職日の1ヶ月前に伝えることも問題ありませんが、引き継ぎなどが発生する場合は余裕を持った期間を設定する方が会社に迷惑かけずに円満退職につながります。
特に繁忙期がある業種では、繁忙期の直前や最中に退職すると人手不足になりがちです。人事異動の直後に退職する場合も部署の再編成が必要になる可能性があるため、人員確保のためにもなるべく早めに伝えることがおすすめです。
ただし内定が決まっている場合やすぐにでも退職したい事情がある場合は、必ずしもベストなタイミングである必要はありません。
法律上は退職日の2週間前に申し出ることで退職できるとされています。「自分が辞めると同僚が忙しくなるから……」と考える人は多いですが、自分の事情を優先することも意識するべきです。
細かいですが、月末近くに伝えるよりは月初や月中のタイミングの方がおすすめです。月末は繁忙になりがちだったり、翌月以降の予定を見据えていたりするため、上司が話を聞く余裕が持てない場合もあります。
すでに転職先が決まっている場合に退職の話を切り出す際は、こちらの記事も参考にしてみてください。上司や転職先の会社に迷惑をかけない伝え方や相談する際のポイントについて詳しく解説しています。
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法律上は2週間前に退職届を出せば会社を辞められますが、急に退職届を出す行為は失礼に当たる可能性があります。退職届を出すタイミングについては、こちらの記事も参考にしてみてください。退職届と退職願いの違いや、それぞれのテンプレートも紹介しています。
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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
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退職の話を切り出せない人必見! 退職理由のスムーズな伝え方
退職理由のスムーズな伝え方
- 直属の上司に時間を作ってもらう
- 嘘のない理由と退職する明確な日時を伝える
- 引き継ぎの計画を伝える
「退職の話をなかなか上司に伝えられない……」と思っている人はとても多いです。
マイナビ転職が転職経験者に「仕事を辞めたいけど言えない理由は?」と質問したアンケートでは、「仕事を辞めたいけど言えない」と悩んだ人は71.3%にのぼり、一番多い理由は「上司に退職の話をしづらかったから」という回答でした。
しかし退職の話をするための環境を整えて退職の意志が強いことを伝えれば、上司からも大切な話として真摯に向き合ってもらいやすくなります。
「怒られそう」や「呆れられそう」といったネガティブな理由でなかなか話を切り出せないという人は、勇気を出してぜひ本記事で解説するステップに挑戦してみてください。
- 直属の上司に退職の話を切り出すと怒られそうで怖いです。こんなときはさらに上の立場の人に相談しても良いでしょうか?
トラブルに発展する可能性があるため避けたほうが良い
なるべく円満に済ませたいのでしたら、役職を超えて報告するのは避けたほうが良いと思います。
直属よりもさらに上の上司がしっかりとプライバシーを保護してくれるような関係性をあなたと築けているのであれば良いかもしれませんが、そのようなデリケートな問題を秘密裏に話し合うことは往々にして問題になってしまうことが多いです。
そのため、できるならばまずは直属の上司に切り出すことが順番としては正しいといえます。
もし仮に、直属の上司が話を聞いてくれない、しつこく引き止めてくる、脅迫まがいのことをしてくるというような問題に発展した場合には、速やかにさらに上の上司や会社に報告するようにしましょう。
退職の話を切り出せずに困っている人は、不安を払拭するために伝えるための準備をしておきましょう。こちらの記事では上司に伝えやすい時間帯や、対面・メールなど伝える手段ごとのメリットについて詳しく解説しています。自分の考えていた伝え方と照らし合わせて問題がないか、チェックしてみてください。
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退職の相談は相手とタイミングの見極めがカギ! 適切な切り出し方も
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ステップ①直属の上司に時間を作ってもらう
まずは退職の相談ができる環境を作るために、直属の上司に「相談があるので、お時間を作っていただきたいです」と伝えましょう。伝え方は対面で話してもメールでも問題ありません。
現在はテレワークの普及から上司と直接会う機会が減っているという人も多く、メールで退職する旨を伝えたり退職届を机の上に置いたりなども伝え方の一つですが、誠実さが欠けていると思われる可能性があるため避けることをおすすめします。
たとえ自分の中で退職することが確定しているとしても、急に退職の話を切り出すより、まずは一言「相談したいことがある」と伝えると上司も話を聞く準備ができるため、話がスムーズに進みやすいです。
もし退職について話しても取り合ってもらえない場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。会社側が違法となる行動や辞めさせてくれない場合の対処法について細かく解説しています。
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会社を辞めたいと申し出たのに辞めさせてくれない時、会社の行為が違法に当たる可能性があります。違法となるケースや辞めさせてくれないときの対処法について、社労士やキャリアコンサルタントとともに解説します。
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ステップ②嘘のない理由と退職する明確な日時を伝える
実際に直接話す場を設けたら、ここで退職の話を切り出します。「相談」というていで話しても問題ありませんが、相談になると退職するかしないか悩んでいることが前提になってしまいます。
そのため自分の中で辞めたいと決まっているのであれば、「退職させていただきます」と伝えると引き止められにくくなり、話がスムーズに進みやすいです。その際は明確な日時を伝えることで、意思が固いと思われやすくなります。
退職理由を聞かれた際は、なるべく嘘をつかずに答えることが円満に退職するポイントです。ネガティブな退職理由で辞める際は、記事中盤で退職理由のポジティブな言い換えを解説しているためぜひ参考にしてみてください。
退職までの在職期間で嘘がバレることで、これまで築いてきた信用が一気になくなり、気まずくなります。また退職後ビジネスなどで関わることがありますので、、両親が病気のため実家に帰るなど、嘘が発覚して困る退職理由は避けるべきです。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
ステップ③引き継ぎの計画を伝える
引き継ぎが必要な業務を担当している人は、上司に退職する旨を伝える前に、引き継ぎの計画についても考えておく必要があります。
内容によっては1ヶ月以上かけて後任者に指導したり資料を作ったりなど、会社の方針や自分のポジションにより引き継ぎにかかる期間が異なるため、あらかじめ計画を立てて「この通りに進めてよろしいでしょうか?」と相談すると、最後まで責任感を持って取り組んでいると好印象です。
そのため退職日は、引き継ぎにかかる日数に加えて有給休暇の残り日数を計算して決めることをおすすめします。
引き継ぎを丁寧に行うというのは残された人がスムーズに仕事を覚えられるだけでなく、最終的に退職日を迎えた際に感謝の気持ちで送り出してもらえることにも繋がります。
放り出して辞めてしまう人もいますが、とても重要な最後の大仕事と言えるでしょう。
退職理由の伝え方は前向きに! ポジティブな言い換え一覧
退職理由のポジティブな言い換え一覧
- 労働環境の不満全般→よりライフワークバランスを整えたい
- 仕事内容がつまらない→さまざまな仕事を通じて成長したい
- 仕事にやりがいを見いだせない→アイディアが活かされる仕事をしたい
- 人間関係がうまくいかない→チームで協力して仕事をしたい
- 給与が低い→実力主義の現場で活躍したい
- 残業が多い→効率的な仕事で成果を上げたい
- シフト制で生活リズムが乱れる→家庭の時間を確保したい
- 自分の考えと経営方針が合わない→自分の意見を活かして働きたい
- 通勤時間が長い→時間を有効活用して有意義に働きたい
退職理由は嘘をつかないことが誠意を持った伝え方といえます。しかし素直にネガティブなことのみを伝えると、印象が悪くなったり上司から引き止められたりする可能性があるため、嘘のない範囲でポジティブな言い換えに挑戦してみてください。
退職理由を言い換えるコツは、本当の理由の中にどのような願望が隠れているか考えてみることです。たとえば人間関係に不満があるとすれば、周囲と適切にコミュニケーションを取って仕事がしたいという願望を持っているのではないでしょうか。
その際は「〇〇さんが原因で退職する」と言うよりも、「さらにチームワークを活かした働き方がしたい」や「より自分に合う働き方を見つけた」といった内容の方がポジティブに聞こえます。
また独立を目指していたりや介護など家庭の事情で退職したりなどは、そのまま伝えても問題ありません。会社に対する不満が原因で辞める際は、ぜひこの言い換えを参考にしてみてくださいね。
通勤時間が長い場合やフル出社が退職理由なら、時間を有効活用して有意義に働きたいという言い換えは使いやすいです。多様な働き方が増えた現代では、時間を有効活用したい気持ちは理解してもらいやすいと思います。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
退職理由を伝える前に知っておきたい4つの注意点
退職理由を伝える前に知っておきたい4つの注意点
- 会社の不満は伝えない
- 上司に伝える前に同僚に言わない
- 退職を決めたら早めに伝える
- 引き継ぎの計画を立てておく
記事前半では上司に退職を切り出す方法や伝えるタイミングについて解説しました。しかしいざ伝える際は印象が悪くなりにくい理由を考えたり、上司のみでなく周囲にも気を使ったりなど、いくつかの注意点があります。
退職の話を伝える前に注意点を把握しておかないと、トラブルが起こり円満退職にならない可能性もあるため、ここで解説する4つの注意点を踏まえて退職日まで何事もなく仕事に取り組めるようにしましょう。
①会社の不満は伝えない
会社に不満を持って転職を検討している人は多いですが、上司に退職を伝える際は正直に不満を伝えるよりも、記事中盤で解説したポジティブな言い換えを使ってみてください。
人間関係や仕事内容など会社の不満が原因で辞めることを伝えると、上司から「何とかするから」と引き止められることもあります。
人事異動や待遇の交渉などで実際に労働環境が改善して、自分が仕事しやすい環境になれば問題ありませんが、対策されず現状維持になるリスクも考えられるため、引き止められたくない人は会社の不満を直接伝えず、ポジティブな理由に言い換える伝え方がおすすめです。
- 会社の不満を伝えて改善されれば残りたいのですが、その際は正直に不満を伝えても良いでしょうか?
不満はまず改善を試みるべきであるため伝えないのがベスト
辞めることを前提に会社の不満を相談すれば、良い印象を持たれませんので、改善されれば退職しないならば、退職を申し出る前に相談をすべきです。
たとえば、給与などの待遇面の不満であれば、給与を上げて欲しいと伝えるだけでなく、これまでの成果や実績、同職種の平均給与など根拠となる数字を示すことで交渉できるものといえます。
労働環境の不満であれば、不満だけを伝えるのではなく、具体的にどのように改善して欲しいのか、改善策を示して相談すべきなのです。相談をしても改善が難しい場合は、退職を申し出ると良いでしょう。
そもそもなぜ会社はすぐに人員募集をかけずに、辞める人を引き止めようとするのでしょうか。退職の決意が固く、退職そのものを交渉したくないという人は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。引き止めに合った際のパターン別の対処法を詳しく解説しています。
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②上司に伝える前に同僚に言わない
同僚と世間話をしていると、退職を検討しているといった話題になることもあると思いますが、退職が確定しているのであれば上司に伝える前に同僚に話すことは避けましょう。
本来退職を一番先に伝えるのは直属の上司です。先に同僚に話すと人づてに上司の耳に入ることもあり、誠実さが欠けているといった悪い印象を残してしまう可能性があります。
漠然と「退職したいな」といった世間話であれば大きな問題にはなりにくいですが、内定が決まったり辞めることが確定していたりなどの事情があれば、すぐに上司に伝えましょう。
まずは自己分析ツールで自分の強み・弱みを確認しよう!
「自己分析って時間がかかるし、正直面倒だな」と思っていませんか。
「自己分析ツール」を使えば、たった3分であなたの強みに合った適職を見つけられます。
自己分析を億劫に感じるときは、ツールを使って効率化しましょう。
- 自分の強みや弱みが分からない人
- 自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
- 自分にあった仕事を知りたい人
③退職を決めたら早めに伝える
退職が決定したらなるべく早めに上司に伝えることで、人事異動や大きな仕事を任せる人物などを決めやすくなります。たとえ就業規則で「退職は1ヶ月前に申し出ること」とあっても、2~3ヶ月前と早めに伝えて問題ありません。
また法律上は退職日の2週間前に会社に伝えることとされていますが、2週間前は最低限の条件であるため、円満退職を目指す伝え方としては適していません。言い出しにくい話ではありますが、勇気を出してなるべく早めに伝えましょう。
④引き継ぎの計画を立てておく
退職に際して業務の引き継ぎが発生する場合は、資料を作ったり後任者に指導したりなどが普段の業務に加わります。これまでお世話になった取引先への挨拶も後任者とともにおこなうことで、社外からも好印象のまま退職できます。
引き継ぎは内容によって1ヶ月以上かかることも考えられるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
退職の旨を伝える前に、退職日までの期間でどのように引き継ぎを進めていくのか計画を立てることで、上司も安心して見送ることができます。
- 内定が決まりましたが、業務の量が多くて引き継ぎが間に合わなさそうです。転職後でも電話やメールで教える必要はありますか?
引き継ぎ状況とともに転職先企業に相談してみよう
引継ぎが間に合わないのであれば、まずは一度転職先と入社日の調整ができるか相談しましょう。
どうしても調整できない場合、転職後に前職の仕事の対応をするのは転職先に迷惑をかける可能性もあるので避けたほうが無難です。
資料がどこにあるかなどの短時間で回答できる内容なら対応するのも一つの選択ですが、継続的なやりとりが発生してしまうと転職先の業務にも支障が出ます。
どこまで引き継ぐかの認識合わせをあらかじめしておき、退職後の対応はできない旨を明確に伝えておきましょう。
プロが解説! 上司に引き止められにくい退職理由の伝え方
退職理由を伝えると、上司から「改善するから居てくれないか」と打診されることがあります。
家庭の事情で退職せざるを得ないことやすでに内定が決まっているといった退職理由であれば引き止められる可能性も低いですが、特別な事情がない場合は「後任が見つかるまで」や「次の繁忙期が過ぎるまで」と交渉されるケースも珍しくありません。
ここからはキャリアコンサルタントの永田さんが、引き止められにくい退職理由の伝え方について解説します。確実に退職したいけれど、退職理由で嘘はつきたくないという人はぜひ参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る引き止められないためのポイントとして大事なことですがこれは「すでに決めていますという姿勢」です。
どういうことかと言いますと、大抵引き止められてしまうパターンというのは「やめようかと考えています」「辞めるつもりでいます」とまだ”考える余地”があるような言い回しをしてしまうことで上司も「もしかしたら説得できるかもしれない」と思ってしまいます。
すると面談の時間を作られたり、上司が2〜3人出てきて自分は一人で囲い込まれてしまったり、そのままずるずると引き伸ばされて結局辞められずにいる。。。というパターンも実際にありました。
ですから、気持ちとして「辞めることはもう確定であとはいつ辞めるか」という確固たる強い気持ちで伝えることが大切になってきます。
どうしても、上司を目の前にすると相手が怖かったり、申し訳なくなってしまったりして打ち明け出せない方がいますが、辞める会社のことなど気にする必要はありません。会社は会社で抜けた穴などなんとでもできるのです。
それよりも、自分の将来や今後の幸せを模索して行動していくことの方が大切です。怖い気持ちもわかりますが、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。
自己分析で悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
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引き止められない伝え方! 退職理由の例文ケース別6選
退職理由の例文ケース別6選
退職の話をする際は、スムーズに話を進めるためにもあらかじめ文章を作っておくことをおすすめします。しかし上司に個別で相談できる時間を作ってもらっても、いざ話を切り出す際にどのような内容を伝えれば良いかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここからは退職理由を伝える際の例文をケース別に6つ解説します。感謝の挨拶や具体的な内容まで細かく解説するため、ぜひ会話に合わせて使ってみてください。
①人間関係に不満がある場合の例文
人間関係に不満がある場合の例文
本日はお時間を作っていただきありがとうございます。実は〇日に退職することにいたしまして、その報告となります。
現在の部署は個人が活躍できるような環境ですが、今よりさらにチームワークを意識して、グループが一つの目標に向かえるような働き方がしたいと感じるようになり、退職を決意しました。
事後報告となってしまい申し訳ありません。引き継ぎに関しては退職日までに完了するようにまとめております。
人間関係の不満をダイレクトに伝えるのではなく、チームワークを重視する企業で働きたいという理由は、説得力のある理由です。
これまでと違う環境で、スキルアップしていきたいという伝え方もできます。事後報告であれば、現職の状況ついてあえて伝えなくても良いでしょう。
②労働環境や待遇に不満がある場合の例文
労働環境や待遇に不満がある場合の例文
大変急な話で申し訳ないのですが、この度転職先が決まりましたので退職日の報告をさせていただきます。
現在の仕事は満足して取り組めていますが、プライベートも充実させたいという考えが強くなり、自分の求めている労働環境にマッチした企業から内定をいただきましたので退職を決意いたしました。
〇日を退職日として、新たな場所で働きたいと考えております。これまでご指導いただきありがとうございました。
率直に不満を持っている内容を嘘偽りなく述べていてわかりやすいところは良いですね。一方で、いささか直接的すぎて人によっては不快と捉えられる場合がありそうです。
「プライベートを充実させたい」という言葉を本当に採用すべきか検討は必要だと思います。
③仕事が自分に合わなかった場合の例文
仕事が自分に合わなかった場合の例文
お忙しいところお時間を作っていただきありがとうございます。この度は、退職のお話をしたく呼び出させていただきました。
今の環境に不満はありませんが、以前から興味のある〇〇業界の仕事が諦めきれず、年齢的にも挑戦するなら今がベストだと思い、退職を考えております。
引き継ぎの期間を考えて〇日を持って退職させていただきたいのですが、この期間でよろしいでしょうか?
④家庭の事情がある場合の例文
家庭の事情がある場合の例文
本日は退職についてのお話がありお呼び出させていただきました。
現在遠方の家族に介護が必要な状況になり、サポートするため実家に戻ることにいたしました。緊急で申し訳ないのですが、介護が長期にわたる可能性もあるため、家族を優先させていただきたく思います。
引き継ぎに関しましてはこのようなスケジュールを予定しており、〇日までに完了いたします。そのため退職日を〇日とさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
退職への意思が固まっていることとあわせて引継ぎのスケジュールも踏まえた退職日の相談をしている点が良いと思います。家族の状況が変わったため家庭に軸足を置いて働きたいという程度の伝え方でもいいかもしれません。
⑤体調不良が原因の場合の例文
体調不良が原因の場合の例文
本日はお忙しいところ申し訳ありません。最近体調不良が続き当日に欠勤を連絡することも増えるなど、正常なペースで働くことが困難になってしまったので、退職させていただきたいと思います。
一時的な休職も検討しましたが、いつ復職できるかも分からず、これ以上皆さんにご迷惑をかけたくありませんので、〇日付で退職とさせていただきたいです。
これまで大変ご迷惑をおかけいたしました。引き継ぎの資料に関してはこれから作成を進め、予定の退職日までに完成できる予定です。
⑥独立を目指す場合の例文
独立を目指す場合の例文
お時間を作っていただきありがとうございます。本日は退職についての相談をしたくお呼びいたしました。
実はこの度起業することとなりました。すでに準備段階に入っており、2~3ヶ月には開業する予定となっています。そのため退職日の日程をここで決めさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
この会社で培ってきた経験を活かし、自分の夢を叶えたいと思っています。これまでご指導いただき、本当にありがとうございました。
夢を叶えたいという表現は、好感が持てます。開業する予定になっているという伝え方は、退職の相談ではないと受け取られますので、開業したいと考えているという表現が良いでしょう。
独立の意志が強く具体的に準備を進めていれば、引き留めることは難しいと考えます。
退職理由は伝え方を工夫すれば円満退職に! 自分の進みたいキャリアを目指そう
円満退職を目指すには、ネガティブな退職理由の表現を避けて誠意をもって伝えることがポイントです。
「給与が低いので〇日に辞めます」と退職理由と用件のみを伝えるよりも、6つの例文で解説した文章構成の退職理由を伝えたほうが上司からの印象も悪くならず、周囲からも「お疲れさま」と声をかけてもらえるでしょう。
退職は後任の育成や人員確保のため早めに伝えることがポイントです。なかなか退職の話を切り出せない人も、本記事で解説した伝え方や注意点を参考にして、勇気をもって直属の上司に伝えてくださいね。
アドバイザーコメント
有馬 恵里子
プロフィールを見る退職の意思が固まったら、その場の雰囲気に流されずにしっかり退職を伝えましょう。こう思われたらどうしようと考えて曖昧に伝えるとかえって相手に不誠実に思われたり詮索されたりすることがあります。
ポイントは、明確に伝える部分と深くは触れない部分を押さえることです。
明確に伝える部分は、退職の意思と退職時期です。退職の意思が固まっているのに相談ベースで伝えてしまうとまだ引き留める余地があると思われ、交渉のために余計な労力がかかります。
また、退職時期を曖昧に伝えてしまうとなかなか引継ぎ業務が進まずに退職日が後ろ倒しになる可能性もあります。
逆に深く触れなくていい部分は、会社への不満や個人的な事情です。今までお世話になった上司に誠実に伝えることは必要ですが、会社の不満を言いすぎてしまうと印象は悪くなります。
また、個人的な事情を深く話すことで状況の改善を打診されるなど、退職しないで済む方法を見つける方向に話が進むこともあります。自分のキャリアを決めるのは自分自身です。自分がどうしたいのか、意思を持って伝えることが誠実さです。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/NC Harmony代表
Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
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