この記事のまとめ
- インフラエンジニアの資格は必須ではないがメリットが大きい
- インフラエンジニアの仕事内容は幅広く必要な知識も多岐に渡る
- インフラエンジニアの資格を未経験向けとキャリアアップ向けに分けて17個紹介
インフラエンジニアに未経験からなりたいと考えている人も、今よりインフラエンジニアとしてキャリアアップしたいと考えている人も、「資格は取ったほうがいいのか」と一度は悩んだことがあるかもしれません。
インフラエンジニアは求められている知識・スキルの範囲が広いため、資格を取得することで、身につけている専門性を明らかにすることができます。
IT業界で有効に使える資格は豊富に存在していますが、とりわけインフラエンジニアが身につけておくべき資格とはどういったものがあるのかを紹介していきます。
インフラエンジニアが身につけておくべき資格を、「未経験」と「キャリアアップ」に分類したうえで確かめていきましょう。
資格をとれば将来性の高いインフラエンジニアになれる
インフラエンジニアとして成果や功績を残すために、資格に関して意識を向けている人も多いのではないでしょうか。
日本のエンジニア業界は実務経験に注目する傾向が強いため、インフラエンジニアに絶対必要な資格はありません。しかしながら、資格の中でも一定の水準までは意義・価値が認められるのが、ネットワークやサーバーといったインフラ系の管理・運用に関連した資格です。
資格を身につけることで、書類選考や面接などでスキルを証明できます。ITエンジニアに関連する資格は、それぞれ専門分野が異なるものが存在するため、自分のキャリアプランに必要なスキルに合った資格を身につけることが大切だといえます。
インフラエンジニアになるには資格が必要? 取得をおすすめする3つの理由
インフラエンジニアに資格取得をおすすめする理由
- 身につけているスキルの証明になる
- 基礎から知識を習得できる
- キャリアアップしていくための目標になる
インフラエンジニアに必要な知識やスキルを習得していても、それを客観的立場から証明するのは難しいですが、資格であればどの程度のスキルや知識があるのかを証明することができます。
資格を取得することで「身につけているスキルの証明」「基本的な知識を習得」「キャリアアップしていくための目標」といったメリットがあります。
未経験でインフラエンジニアを目標としている場合はもちろんのこと、実務経験者であってもこれからのキャリアアップに向けて、まずはメリットを押さえて資格取得を検討してみてください。
理由①身につけているスキルの証明になる
資格を取得することは絶対に必要な条件ではありませんが、その資格の内容は理解しているというスキルや知識の証明になります。未経験の場合は採用に有利になり、経験者でもより上位資格を取得することでキャリアアップを図ることもできます。
未経験を募集しているインフラエンジニアの求人はありますが、「知識がまったくない人」ではなくあくまでも「実務経験がない」人を採用したいと考えている場合が多いです。そのため、資格を持っていることで未経験だとしても知識の証明になり、採用されやすくなる可能性が高まります。
また、上位資格を取得して一定の評価を勝ち得ることで、水準が高い業務を委ねられる人材としてはっきりと認められやすくなります。資格によって客観的に知識レベルを証明されることによって、たとえばこれまで下流工程しか任されていなかった場合でも上流工程にかかわるチャンスを得られることもあるでしょう。
理由②基礎から知識を習得できる
新しいことを勉強しようと始めたとき、何から学べばいいのかわからないという状態になったことがある人もいるのではないでしょうか。資格の取得を目指すことで、基礎から知識を習得することができます。
実際の具体的な仕事に携わり、実績を重ねていないうちから仕事に恵まれるためには、資格を取得することで実務経験が少ないことをカバーすることが有力な手段となります。資格を身につけるために学習することで、インフラエンジニアに欠かすことのできない、最低限知っておくべき知識を獲得できるのです。
例を挙げると、ITパスポート・基本情報技術者試験などの資格を身につけることで、ITエンジニア全体で効力を発揮できる、ITの基礎となる知識が習得できるでしょう。
そのことをベースとして、難易度が高いといわれる、ネットワークスペシャリスト・シスコ技術者認定にチャレンジすれば、インフラエンジニアに求められるネットワークにかかわるレベルが高い知識が身につけられます。
理由③キャリアアップしていくための目標になる
資格を取得するメリットとして、より知識レベルが高いことを証明できればキャリアアップにつながるという点もあげられます。
インフラエンジニアがキャリアパスを構想するためには、実際に備えている本当の力量をしっかりと客観的に理解して、キャリアアップしていくためのプロセスを考えることが重要です。
活躍できる範囲を広げるためには、新卒・未経験・中途採用にかかわらず、まずはスペシャリストを目標にすることが大きな意味を持っています。
関連している資格を取得していれば、知識・スキルが証明できる方法として有用で、市場価値が高い人材として就職・転職をほかよりも有利に進められるでしょう。
実際は何をやっている? インフラエンジニアの仕事内容
インフラエンジニアにはいろいろな種類があり、それぞれ仕事内容は異なります。ネットワークやサーバーなど、携わる領域は違うとしてもインフラエンジニアの仕事の流れは、「インフラ設計」「インフラ構築」「インフラ運用・保守」の3つに大きく分類できます。
一般的には下流工程といわれる「インフラ運用・保守」の経験を積んだ後に「インフラ設計」の経験を積み、「インフラ構築」の経験を積んでいくことでインフラエンジニアとして成長していけます。
では、そもそもそれぞれどういった工程の仕事内容なのかを理解して、インフラエンジニアとしての仕事のイメージを持ちましょう。
インフラ設計
インフラエンジニアのインフラ設計とは、必要とされる性能や実装すべき機能などを定義する要件定義といっていいでしょう。
自社のITインフラ、顧客のインフラを問わず、必要とされる性能や実装すべき機能の細かい部分まで、注意や気配りが行き届いたヒアリングで設計書に反映させることが、最初のフェーズの仕事内容です。
コストやスケジュールに関しても、インフラ設計のフェーズではっきりと見てとれるようにしておく必要があります。
インフラ構築
インフラ設計のフェーズで作られた設計書に基づいて、実際にITインフラを構築します。
サーバーなどのシステム全体を構成する機器を備え付けることや、ネットワーク回線の構成・敷設などもインフラ構築の要素として含まれています。
こういった構成要素を含むすべてが完了した時点で、ソフトウェアなどを導入・設定して使用できるようにして、実際の業務で持ちこたえる処理能力を持っているかを、しっかり調べて事実を確認するためのテストを実施します。
インフラ運用・保守
インフラ構築が完了したら、ようやくインフラ運用・保守のスタートです。
そもそもITインフラは時と場合によらず、例外なく動いていますが、ソフトウェアを更新して最新の状態にすることや、ハードウェアに障害が発生した場合などは、点検したり手入れをしたりする管理もしなければなりません。
そういった場合でも、できる限りネットワークを停止せずに運用・保守できるシステム構築が重要です。
インフラエンジニアの種類と仕事内容
IT業界におけるインフラとは、情報の処理や流通などを支えるための基盤で使うためになくてはならないサーバーやネットワークを意味しています。
インフラエンジニアが担当する業務範囲はさまざまな方面におよび、技術領域によって「ネットワークエンジニア」「サーバー・クラウドエンジニア」「セキュリティエンジニア」などに分類されています。
企業やプロジェクトによっては、さらに割り当てられる役目が細かく分かれた状態になっているケースも存在します。
インフラエンジニアの種類
- ネットワークエンジニア
- サーバー・クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアの業務内容は、ネットワークの要件定義・設計・構築・保守・監視・運用の領域に分類できます。
最初は保守・監視・運用からスタートして、経験が豊富でスキルを習得した後、要件定義・設計・構築も受け持つことが多くなっているのが現状です。
障害が発生した際に備える行動のために、ネットワーク環境をしっかりと理解しておくことは、将来的に要件定義・設計・構築を担当する場合に必ず役立ちます。
サーバー・クラウドエンジニア
ITインフラでも主にサーバーの設計・構築に携わるエンジニアで、物理的なサーバーを構成する機器・ユーザー権限の管理、ミドルウェアのインストールなど、サーバーに関連するすべての設定を担当します。
近年におけるサーバー構築においては、クラウドを効果的に使って仮想化された環境が、最も優れた選択肢といえるくらい広く行き渡っており、サーバーエンジニアの業務内容に含まれています。
クラウドとは?
クラウドサービス事業者が提供するサーバーやネットワークを借りてシステムを構築し、サービスを提供する方法
クラウド環境を構築することを担当業務としたエンジニアをクラウドエンジニアと呼ぶ場合もあり、クラウドの導入・活用のエキスパートとして期待が高まっています。
クラウドサービスの例
- Amazonが提供する「AWS(Amazon Web Services)」
- Microsoftが提供する「Azure(Microsoft Azure)」
- Googleが提供する「GCP(Google Cloud Platform)」
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報の機密性・完全性・可用性を維持することに配慮したシステム設計から運用まで、サイバー攻撃のような好ましくない事態が生じないようにするための調査・対策などを担当します。
現在に至るまでの社内ITシステムは、サーバーとクライアントといった単純な構成でしたが、スマートフォンの普及・プライベートクラウド環境構築など、ネットワーク環境が複数の異なる分野に及ぶようになり、サイバー攻撃も高度な方法や仕組みになっています。
情報セキュリティに対する社会的な関心や意識が高まるなかで、意識して目を向けられて、動向や詳細に注目が集まっている職種といえるでしょう。
インフラエンジニアに必要な知識
インフラエンジニアは幅広いエンジニアから構成されることを解説しましたが、それぞれのエンジニアごとに必要な知識ももちろん異なります。
ここではインフラエンジニアとして活躍していくために、必要な知識を具体的に解説していきます。資格を選ぶ前に、まずはどんな知識が仕事に役立つのかを把握しておきましょう。
インフラ全般の知識
ITインフラの設計から運用業務までを担当するインフラエンジニアは、ネットワーク・サーバー・ソフトウェアなどの知識・スキルが絶対に必要です。
経験や学習によって培われた、物理的なサーバー・仮想的なサーバー・管理するミドルウェアなどの高度な能力を習得しておくことで、企業が提示する条件を満たしている優れた基盤の構築を目指せるでしょう。
ネットワーク関連の知識
インフラエンジニアは、ネットワークの知識・スキルが必要不可欠なので、ネットワークの基本的な知識とともに、シスコ社などのネットワーク製品を操作するためのスキルも求められます。
物理的なサーバーのリソースを十分に使い活用するために、仮想化技術を役立つようにうまく使う事例も、最近の数年間は増加しているのが現状です。
仮想化技術とは?
サーバーなどのハードウェアを、ソフトウェアを用いて統合・分割する技術。
仮想的なサーバーを作った際に仮想イメージとして情報をデータとして残しておくことで、障害が発生した場合は、簡単にリカバリできます。効率よく運用できるようになるため、仮想化の知識・スキルを習得しておくことは、大きなメリットになるでしょう。
サーバー・クラウド関連の知識
サーバーのOSは、Windows・Linux・Unixなどが中心となる傾向で、どういったOSが求められるかは、企業によって違いがあります。
OS(オペレーティングシステム)とは?
OSとは、パソコンやスマホに組み込まれているシステムのこと。Operating System(オペレーティングシステム)の略称で、コンピュータでハードウェアとソフトウェアの間を結びつける、きわめて大切な役目を果たす。
これまでは、サーバー・データベースなどの情報システムを自社内の設備で管理するオンプレミス環境が中心となる傾向でした。
しかしながら、最近ではクラウドコンピューティングを使ったサービスで、仮想化技術を用いてサーバー構築・大規模データの保管・顧客管理業務などをすることが一般的になりつつあるため、クラウドに関連する知識も求められています。
クラウドサービスは豊富に存在していますが、大多数を占めるAWS(Amazon Web Service)・GCP(Google Cloud Platform)・Microsoft Azureのどれかは考慮できる状態にしておくといいでしょう。
セキュリティ関連の知識
サーバーやネットワークを単に構築するのではなく、セキュリティを強化した設定を意識することが非常に大切です。
たとえば、クラウドサービス上に仮想化技術を用いて環境を構築しても、間違ったセキュリティ設定であったため、無条件で極めて重要な情報が閲覧できる状態になっていた、というセキュリティ事故が生じた事例があります。
自社内の設備で管理するオンプレミスでも、ネットワークの設定が間違っていると、部外者からの攻撃により、サーバー機能が一時的に停止する被害を受ける可能性があります。
オンプレミスとは?
企業などで情報処理をおこなうためのコンピューターシステムであるサーバーやデータベースなどを企業内の設備で運用すること。
クラウドサービスの対比として表現される。
こういったセキュリティ事故に直面しないようにするためには、環境を構築するフェーズでセキュリティを意識することが重要になるので、セキュリティに関連した知識は自分のものにしておきましょう。
インフラエンジニアの資格の選び方ロードマップ
インフラエンジニアの資格の選び方ロードマップ
- どの領域の資格をとりたいか考える
- 自分の知識レベルを見極める
- インフラエンジニアとしてどのように活躍したいか考える
インフラエンジニアは資格を持っていなくとも目標とできる職業ですが、資格を身につけておくことで、どの程度のスキルが習得できているかを第三者の観点を基準として、明らかにできます。
また資格を取得するための学習において、これまでにない知識を獲得したり、より見識を深めていくこともできるのです。
将来的に活躍できる範囲を大きくしていくためにも、業務につながりがある資格を身につけておくといいでしょう。
①どの領域の資格をとりたいか考える
インフラエンジニアはネットワーク環境やサーバー環境を構築する業務に携わります。ITインフラに関する領域は広範にわたるため、すべてを最初から習得するのではなく、ネットワークやサーバーなど、それぞれの領域で資格を取得することを目指しましょう。
どの領域で活躍したいかわからないのであれば、まずはITインフラ全般についての資格を取得してインフラについての知識を学んでみましょう。そこから自分に合った領域を見極めるとしても、遅くはありません。
一方で、まずはとにかくインフラエンジニアとしての一歩を踏み出したいと考えている人は、ネットワーク系の資格がおすすめです。ネットワークはサーバー・クラウド・セキュリティに関する知識を身につけていなくとも学習を進められますが、サーバー・クラウド・セキュリティはネットワークに関する知識を一定の水準は身につけている必要があるからです。
サーバー・クラウド・セキュリティに関連することは、ネットワークの知識を習得してから学習したほうがイメージが湧きやすく容易に理解できます。
②自分の知識レベルを見極める
ITの資格はITSS(ITスキル標準)によって表されることが多いです。資格はレベル1~4まで存在し、ITSSを基準に資格を選ぶことができます。
ITSSのレベルとその基準
- レベル1:情報技術に携わるための必要最低限の基礎知識があり、求められた作業を指導のもと遂行できる
- レベル2:基礎的知識・スキルを有し、一定程度の難易度または要求された作業について自分自身で遂行できる
- レベル3:応用的知識・スキルを有し、要求された作業についてすべて自分自身で遂行できる
- レベル4:高度な知識・スキルを有し、プロフェッショナルとして作業の指示ができる。また、経験を活かして後進育成にも応用できる
IT業界に入ろうと考えている就活生はレベル1からの取得でも問題ありません。未経験からの転職を目指す場合などは、一定の実務経験レベルも含まれるレベル2以上を持っていることで採用される確率を上げることができます。
キャリアアップを目指す場合はレベル3以上の資格を目指してみてください。マネジメントを見据えて資格を取りたい場合は、レベル4の資格に挑戦してみると良いでしょう。
③インフラエンジニアとしてどのように活躍したいか考える
資格を選ぶうえで「どういったインフラエンジニアを目指しているのか」「どういった業務に携わりたいのか」など、実際に働き始めるイメージをはっきりしておくことも重要です。
インフラエンジニアとしての働き方をイメージできたら、以下の2点のポイントを踏まえて選んでいきましょう。
- 資格の種類
- 試験の内容
まず、ITの資格は国家資格、メーカーが運営するベンダー資格、そして国家資格でもメーカーでもない団体が運営するベンダーニュートラル資格の3つにわかれ、それぞれ資格の特徴も以下のように異なります。
IT資格の種類と特徴
- 国家資格:国が主催であるため資格としての評価が確立されている。国内での採用に有利に働く
- ベンダー資格:IT機器を販売するメーカーであるベンダーが自社製品への知識レベルを証明するために開催。特定の領域に関して深く知識を得ることができる
- ベンダーニュートラル資格:国家、ベンダー以外の組織が主催する資格。ベンダー資格同様、出題範囲が特定の領域に限定されるため、より深い知識が求められる
また、インフラエンジニアはネットワークやサーバーなどさまざまな領域を担当するエンジニアが含まれ、資格の種類もそれに合ったものが幅広く存在します。やみくもに挑戦するのではなく、今自分にもっとも必要な知識を得られる資格という観点で選ぶことが重要です。
インフラエンジニアのなかでも、自分はどの領域から挑戦したいのか、どの領域の知識を伸ばしていきたいのかを考えましょう。下の見出しで目指したいエンジニア別に資格も紹介していくので、自分に合った資格を探していきましょう。
未経験からインフラエンジニアを目指す人におすすめの資格8選
インフラエンジニアを未経験から目標とするのであれば、インフラに関係する資格を取得する前に、ITに関係する基本的な資格を身につけておくことが重要です。
特に推奨できる「ITパスポート」は、ITに関係する基本的な知識が証明できる資格で、国家試験ですが難易度は低いので、まずはこの資格から始めて、だんだんと難易度が高い試験へとステップアップしていくといいでしょう。
資格の勉強をしながら、知識の範囲を大きくしていくことで、無理することなく難易度が高い資格の取得を目標とできるのです。
資格名 | 資格種類 | 難易度(ITSS) |
---|---|---|
ITパスポート | 国家資格 | レベル1 |
基本情報技術者 | 国家資格 | レベル2 |
CCNA | ベンダー資格 | レベル1 |
LinuC レベル1 | ベンダーニュートラル | レベル1 |
LinuC レベル2 | ベンダーニュートラル | レベル2 |
AWS認定 FOUNDATIONAL | ベンダー資格 | レベル1 |
AWS認定 ASSOCIATE | ベンダー資格 | レベル2 |
情報セキュリティマネジメント | 国家資格 | レベル2 |
まずはIT全般の知識を基礎から得たい人におすすめの資格|ITパスポート
ITパスポートは国家試験で、ITに関連する基本的な知識が試される情報処理技術者試験です。
ITパスポートの特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル1
- 上位資格:基本情報処理技術者
- この資格がおすすめな人:IT全般の知識をまずは基礎から学びたい人
ITに関係する国家試験では初心者レベルに該当するもので、エンジニアだけでなく事務・営業などの社会人や学生も多く試験を受けています。
ITパスポートに合格することで、ITに関連する業務に最低限必要とされる基礎知識を習得していることが証明できます。ビジネスに関連する知識も試されるため、就職・転職する場合にとても役に立つ資格といえるでしょう。
ITの基礎に加えてマネジメントも学べる|基本情報技術者
「ITに精通している」「ソフトウェアを使いこなせる」「プログラムを作成できる」など、言葉が漠然としているので見解が分かれますが、国家として「デジタル人材として必要とされる知識・スキル」と定義されているのが基本情報技術者試験です。
基本情報技術者の特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル2
- 上位資格:応用情報技術者
- この資格がおすすめな人:ITの基礎からインフラ全般について学びたい人
OS・Web・アルゴリズム・アーキテクチャ・コンピューター・セキュリティ・データベース・ネットワーク・プログラミング・プロジェクトマネジメント・メディア表現・開発手法・経営戦略・統計など、これらすべてが試験範囲となっています。
アルゴリズムとは?
問題の解答を出したり、課題を解決するために計算する手順や処理する手順のこと。これを図で表したものがフローチャートで、コンピューターで処理するために具体的な手続きを書き記したものがプログラムとなる。
アーキテクチャとは?
情報処理をおこなうためのコンピューターシステムの設計手法・設計観念・設計観念を根拠として構築されたシステムの仕組みなどのこと。
それぞれ考慮される領域でどこまでが基礎であるかを導いてくれるため、合格することで、現在最も求められているデジタル人材として幅広い基礎になる理解力が証明できるでしょう。
ネットワークエンジニアを目指す人向けのおすすめ資格|シスコ技術者認定 CCNA
CCNAは、ネットワーク関連機器メーカーとして最も大きな経営規模を持つシスコ社が実施している、ネットワークエンジニアのスキルを認定する資格試験です。
シスコ社とは?
ネットワーク機器を販売する世界最大手のメーカー。自社製品の知識レベルを認定するために資格試験の主催する。
シスコ技術者認定 CCNAの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:ネットワークの基礎、ネットワークのアクセス、IP接続、IPサービス、セキュリティの基礎、自動化とプログラマビリティ
- 難易度(ITSS):レベル2
- 上位資格:CCNP
- この資格がおすすめな人:ネットワークエンジニアを目指したい人
ルーターやスイッチに関連するスキルが証明できるだけでなく、基本的なネットワークに関する知識を習得していることが証明できます。
一定して変化のない業務に携わっていると、知識全体のつり合いを欠いた状態になってしまうため、足りない知識・得意な分野がどこであるかを、客観的にチェックできるので、未経験からネットワークの学習をスタートしたいと考えている人にも有効です。
ネットワークは領域が広いため、どこから着手すればいいのか理解できないと悩む人もお多いです。CCNAを取得するために学習を進めていくことで、効果的にネットワークの基礎を学べるでしょう。
CCNAについては、こちらの記事でさらに詳しく解説しているのでネットワークエンジニアを目指す人はぜひ読んでみてください。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
サーバーエンジニアを目指す人におすすめの資格|LinuC レベル1
LinuC レベル1は、LinuCで難易度が最も低い資格で、受験に必要な前提条件などは特に設定されていないため、受験して合格すれば誰でも資格を身につけられます。
LinuC レベル1の特徴
- 資格種類:ベンダーニュートラル資格
- 試験内容:サーバーの構築・運用・保守に関する基本的な知識
- 難易度(ITSS):レベル1
- 上位資格:LinuC レベル2
- この資格がおすすめな人:サーバーエンジニアを目指したい人
Linuxサーバーの構築・運用ができるエンジニアであるという証明になるため、インフラエンジニアとして業務に携わりたいと考えている人に推奨されています。
証明できるスキル指標は、「実務で必要なLinuxの基本操作とシステム管理」「Linuxサーバー(仮想マシンとコンテナを含む)の構築・運用・管理」「クラウドセキュリティを運用」「オープンソースの文化を実務に活用」とLPI-JAPANの公式サイトで紹介されています。
Linuxの関連知識を持ち合わせていない人でも、学習を積み重ねることで専門知識が習得できるので、しっかりとした試験対策で受験するといいでしょう。
即戦力だと証明できる資格|LinuC レベル2
LinuC レベル2は、レベル1より難易度がやや高い資格です。LPIC-2認定を受けるためには、まずはLPIC-1認定を取得していることが条件となります。
LinuC レベル2の特徴
- 資格種類:ベンダーニュートラル資格
- 試験内容:サーバーの構築・運用・保守に関する基本的な知識
- 難易度(ITSS):レベル2
- 上位資格:LinuC レベル3
- この資格がおすすめな人:サーバーエンジニアとして即戦力の知識を得たい人
証明できるスキル指標は、「システムの設計・構築・監視と問題解決」「仮想マシン・コンテナの運用・管理」「セキュリティとシステムアーキテクチャの設計・構築や運用・管理」とLPI-JAPANの公式サイトで紹介されています。
LinuC レベル1と比較すると、Linuxを使いこなせるインフラエンジニアとして、即戦力レベルであることが証明できる資格といえるでしょう。
クラウドエンジニアを目指す人におすすめの資格|AWS認定 FOUNDATIONAL
AWS認定 FOUNDATIONALは、AWSクラウドの中核になるサービスが、よくわかるように述べられることを一定の要件としており、ほかのAWS認定を受験するための前提条件とされています。
AWS認定 FOUNDATIONALの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:初歩的なAWSクラウド知識
- 難易度:レベル1
- 上位資格:AWS認定 ASSOCIATE
- この資格がおすすめな人:クラウドの知識を基礎から学びたい人
業務経験が6カ月程度の基本的な操作を経験した人を対象としているので、初歩的な業界知識・情報が求められますが、基礎レベルなので難易度は低く設定されています。
FOUNDATIONALレベルに当てはまるAWS認定は、下記の通りです。
AWS Certified Cloud Practitioner
- 実務経験は必要なし。ユーザーレベルの資格で初歩的なAWSクラウド知識・情報を評価
クラウドエンジニア初心者向けの資格|AWS認定 ASSOCIATE
AWS認定 ASSOCIATEは、業務経験が1年程度の人を対象としているので、実務経験における問題解決能力がある人が想定されています。
AWS認定 ASSOCIATEの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:ソリューション設計、クラウドのアプリ開発、クラウドの運用管理
- 難易度(ITSS):レベル2
- 上位資格:AWS認定 PROFESSIONAL
- この資格がおすすめな人:クラウドエンジニアとして簡単な実務に必要な知識まで学びたい人
AWSを使ったシステムやアプリケーションの構築・環境に反映する知識を習得していることを一定の要件としているので、中位の難易度となっています。
ASSOCIATEレベルに当てはまるAWS認定は、下記の通りです。
AWS認定ASSOCIATEレベルの資格
- AWS Certified Solutions Architect – Associate
ソリューション設計を担当する技術者を評価 - AWS Certified Developer – Associate
クラウドのアプリ開発者を評価 - AWS Certified SysOps Administrator – Associate
クラウド運用管理者を評価
セキュリティエンジニアを目指す人におすすめの資格|情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメント試験とは、セキュリティリスクに対応する情報セキュリティマネジメントに携われる人材を育て上げるために新しくつくられた国家試験です。
情報セキュリティマネジメントの特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:情報セキュリティ管理の実践規範、各種対策、情報セキュリティ関連法規、ネットワーク、システム監査、経営管理などの関連分野の知識
- 難易度(ITSS):レベル2
- 上位資格:情報処理安全確保支援士、応用情報技術者
- この資格がおすすめな人:セキュリティエンジニアを目指したい人
情報セキュリティマネジメントの計画から運用・評価・改善までをこなせるようになるための初歩的な知識が試されるので、企業の情報セキュリティ担当者・セキュリティエンジニアを目指している人に最適な試験となっています。
資格を取得することによって、情報セキュリティマネジメントに関連した知識・仕事をする強い意志を持っていることもアピールできます。
「情報処理安全確保支援士試験」「応用情報技術者」といった上位にあたる資格を目標にしているのであれば、情報セキュリティマネジメントを受験することで、基礎になる知識を習得しておくといいでしょう。
エンジニアの資格以外にも就職に役立つ資格はたくさんあるので、こちらの記事でチェックしてみてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
インフラエンジニアとしてキャリアアップしたい人におすすめの資格10選
資格名 | 資格種類 | 難易度(ITSS) |
---|---|---|
応用情報技術者試験 | 国家資格 | レベル3 |
ネットワークスペシャリスト | 国家資格 | レベル4 |
CCNP | ベンダー資格 | レベル3 |
CCIE | ベンダー資格 | レベル4 |
データスペシャリスト | 国家資格 | レベル4 |
LinuC レベル3 | ベンダーニュートラル | レベル3 |
AWS認定 PROFESSIONAL | ベンダー資格 | レベル3 |
AWS認定 SPECIALTY | ベンダー資格 | レベル4 |
情報処理安全確保支援士 | 国家資格 | レベル4 |
CompTIA Security+ | ベンダーニュートラル | レベル3 |
インフラエンジニアには、ネットワーク・サーバーに関連する知識と経験が求められるため、越えるべきハードルが高く感じられるかもしれません。
言うまでもなく、経験をすぐに重ねていくことはできませんが、必要とされる知識は人を問わずに入手できます。資格を取得することでスキルさえ習得してしまえば、キャリアアップや年収アップが期待できる仕事といえます。
インフラエンジニアとしてキャリアアップをしていくためにも、自分がスペシャリストを目指す領域の資格を取得して知識を証明することもおすすめです。
自分に必要な知識を見極めて、これから紹介する資格を参考にキャリアアップを目指してください。
基本情報技術者試験の上位資格|応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は高度なIT人材を目標とする国家資格で、プログラマー・システムエンジニア・インフラエンジニアなどが多く受験しており、ITに関連する資格の中でも代表的といえるでしょう。
応用情報技術者の特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル3
- 上位資格:データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリスト
- この資格がおすすめな人:エンジニアとしてIT全般のより高度な知識を得たい人
基本情報技術者試験と似ていますが、エンジニアとしての経験をこれから重ねようとしている人やエンジニアを目標としている学生などが多く受験する基本情報技術者試験に対して、応用情報技術者試験は多くの現役エンジニアも受験していることが大きな特徴です。
応用情報技術者試験では、エンジニアが最低限知っておくべき知識・スキルに関連した問題が幅広く出題され、プログラミング・アルゴリズム・ハードウェアなどのITスキルは言うまでもなく、マネジメント・ストラテジーに関する知識も求められます。
ネットワーク系の国家資格の最高峰|ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリスト試験は、情報処理技術者試験では高度情報技術者試験として区分され、IT関連の国家資格では最上位に位置する難関資格のひとつです。
ネットワークスペシャリストの特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル4
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:ネットワークエンジニアとしてキャリアアップを目指したい人
ネットワークに必要とされるスキルから一般的に変化するサービスの傾向まで、幅広い知識が求められる資格なので、インフラエンジニアとして活躍したい人には最適といえるでしょう。
大規模で強固なネットワークシステムの企画・要件定義・開発・運用までのすべての業務で中心的な役割が期待されています。
また、ネットワークに関する高度な知識や経験を有効に使って技術支援することも、ネットワークスペシャリストに割り当てられた役目で、現代におけるネットワーク社会でエンジニアとして活躍するには必須の資格といえます。
CCNAの上位資格|シスコ技術者認定 CCNP
CCNPとは、シスコ社が実施しているシスコ技術者認定グレードのうち「プロフェッショナル」レベルのスキルを認定する資格です。
シスコ技術者認定 CCNPの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:エンタープライズ、セキュリティ、コラボレーション、データセンター、サービスプロバイダ、CyberOps、DevNet
- 難易度(ITSS):レベル3
- 上位資格:シスコ技術者認定 CCIE
- この資格がおすすめな人:ネットワークエンジニアとしての業務を独力で遂行できるようになりたい人
ネットワークエンジニアに関連した、最も世間に名が知られている資格である「CCNA」の上位に位置づけられた資格で、仕組みが大がかりなネットワークの導入・運用・保守に携わるためのスキルを習得していることが証明されます。
CCNPの試験コースは、以下に挙げる5種類に区分されているので、興味のある領域に重点を置いて試験コースを選ぶといいでしょう。
CCNPの試験種類
- エンタープライズ
- セキュリティ
- コラボレーション
- データセンター
- サービスプロバイダ
シスコ認定資格の最上位資格|シスコ技術者認定 CCIE
CCIEとは、シスコ社が実施しているシスコ技術者認定グレードの中で、「エキスパート」レベルのスキルが認定される資格となっています。
シスコ技術者認定 CCIEの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:エンタープライズインフラストラクチャー、セキュリティ、コラボレーション、データセンター、エンタープライズワイヤレス、サービスプロバイダ
- 難易度(ITSS):レベル4
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:ネットワークエンジニアとしてマネジメントができるレベルを目指す人
ネットワークに関連した専門知識において、最も高いレベルのスキルを世界のあらゆる場所で明らかにできる資格として、ネットワークエンジニアの間で意義がとても大きな資格です。
CCIEの試験コースは6種類に区分されて分類されており、いずれかひとつに合格することで、CCIEホルダーとして認められます。
CCIEの試験種類
- エンタープライズインフラストラクチャー
- セキュリティ
- コラボレーション
- データセンター
- エンタープライズワイヤレス
- サービスプロバイダ
データーベースの難関資格|データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、企業活動で非常に多くのデータを管理する人や、ビジネスにおける意思決定する際にデータ分析の基礎となるものを提供する人などに推奨される資格です。
データベーススペシャリストの特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル4
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:データベースを極めたい人
試験を主催する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、この試験は「レベルが高いIT人材として専門的な知識を習得して、システムの要件定義・開発・運用までの中心を占める役割に携わったり、技術的な支援に携わる人」を対象としています。
高度情報技術者試験として区分されており、最高レベルになるレベル4なので、難易度が非常に高い資格となっています。
ビジネスの現場でビッグデータを効果的に使うことが、今まで以上に大切になってくる時代において、資格を取得することは貴重な人材として期待されるでしょう。
専門家だと証明できる資格|LinuC レベル3
LinuC レベル3は、LinuCで難易度が最も高い資格で、受験するためには、失効していないLinuC レベル2の資格を取得しておく必要があります。
LinuC レベル3の特徴
- 資格種類:ベンダーニュートラル資格
- 試験内容:Linuxを含む複数のサーバーを使ったシステムの構築・運用・保守に関する知識
- 難易度(ITSS):レベル3
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:サーバーエンジニアの専門性を高めたい人
レベル3を取得するにはある程度の時間を要してしまいますが、即戦力として業務に携われるインフラエンジニア、専門家の立場から企画・立案を手伝えるインフラエンジニアの証明になるので、資格を取得しておく重要性は高いといえるでしょう。
ちなみに、LinuCレベル3は「300試験」「303試験」「304試験」が用意されており、その中のひとつの試験に合格することで資格を取得できます。
LinuCレベル3の試験種類
- 300試験
Linux・Windows・UNIXが混在する環境でのシステム構築・問題解決
LDAP・OpenLDAP・Sambaの冗長構成を使ったシステム・認証サーバーを構築 - 303試験
Linux環境の認証技術でセキュリティを考慮した設計・構築・実装堅牢なシステムを構築するための脆弱性評価・トラブルシューティング - 304試験
Linux/OSSで仮想化システムを構築・運用
高可用性のためのLinux/OSSで負荷分散・クラスタ管理を構築・運用
証明できるスキルはそれぞれの資格で相違はありますが、いずれにしても、レベル3の資格を手に入れることで「Linuxに関する専門家としての知識・スキル」が証明できることには変わりありません。
すべての試験を受けることもできるので、将来的なキャリアプランや実際の業務内容に相応する資格を取得するといいでしょう。
シェア1位のクラウドサービスの上位資格|AWS認定 PROFESSIONAL
AWS認定 PROFESSIONALでは、業務の課題解決のために導入される情報システムの設計・運用・トラブルシューティングを2年程度経験した人が対象です。
AWS認定 PROFESSIONALの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:クラウドソリューション設計、クラウドのソリューション開発と運用
- 難易度(ITSS):レベル3
- 上位資格:AWS認定 SPECIALTY
- この資格がおすすめな人:クラウドエンジニアとしてキャリアアップを目指す人
満たさなければならない一定の要件は、AWSサービス全体に関する最新のサービスを網羅した設計ができることになっているため、難易度は高めに設定されています。
PROFESSIONALに当てはまるAWS認定は、下記の通りです。
AWS認定 PROFESSIONALの種類
- AWS Certified Solutions Architect – Professional
クラウドソリューション設計の上級技術者を評価 - AWS Certified DevOps Engineer – Professional
クラウドのソリューション開発と運用の上級技術者を評価
AWSの最難関資格|AWS認定 SPECIALTY
AWS認定 SPECIALTYでは、ある特定の領域に重点を置き、業務内容を限定した専門家が対象です。
AWS認定 SPECIALTYの特徴
- 資格種類:ベンダー資格
- 試験内容:クラウドサービスのネットワーク設計、データレイクと分析、AWSデータベースソリューション、機械学習モデルの構築・トレーニング・チューニング・デプロイ、データやワークロードのセキュリティ知識、SAP ワークロードの最適化
- 難易度(ITSS):レベル4
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:クラウドエンジニアとして作業指示ができるレベルを目指す人
それぞれの分類ごとに高度な専門性が求められているため、PROFESSIONALレベルと同じく、難易度は高めに設定されています。
SPECIALTYに当てはまるAWS認定は、下記の通りです。
AWS認定 SPECIALTYの種類
- AWS Certified Advanced Networking – Specialty
クラウドサービスのネットワーク設計の専門性を評価 - AWS Certified Data Analytics – Specialty
データレイクと分析の専門性を評価 - AWS Certified Database – Specialty
AWSデータベースソリューションの専門性を評価 - AWS Certified Machine Learning – Specialty
機械学習モデルの構築・トレーニング・チューニング・デプロイの専門性を評価 - AWS Certified Security – Specialty
データやワークロードのセキュリティ知識の専門性を評価 - AWS Certified: SAP on AWS – Specialty
SAP ワークロードの最適化を評価
キャリアップ向けセキュリティの国家資格|情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する国家資格で、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて、情報処理に関する国家資格を持っている技術者としての知識・スキルを習得していることを認定します。
情報処理安全確保支援士の特徴
- 資格種類:国家資格
- 試験内容:テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系
- 難易度(ITSS):レベル4
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:セキュリティのスペシャリストを目指したい人
この資格試験制度が創設された目的は、年ごとに増加傾向にあるサイバー攻撃に関して、セキュリティ対策に携われる人材を育成することです。
IT関連の資格ではただひとつの、登録制で士業として分類されているので、サイバーセキュリティ分野に関する高いレベルの知識について評価されています。
士業としての業務独占資格ではありませんが、資格を取得していない人が自称できない名称独占資格なので、取得することで社会的に高水準の評価を得られるでしょう。
セキュリティについて幅広く網羅した資格|CompTIA Security+
CompTIA Security+はサイバーセキュリティに重点を置いた、対象が決まっているベンダー製品に依存しない「ベンダーニュートラル」な資格です。
CompTIA Security+の特徴
- 資格種類:ベンダーニュートラル資格
- 試験内容:脅威、攻撃、脆弱性、アーキテクチャと設計、実装、運用とインシデントレスポンス、ガバナンス、リスク、コンプライアンス
- 難易度(ITSS):レベル3
- 上位資格:なし
- この資格がおすすめな人:セキュリティエンジニアとしてキャリアアップしたい人
インシデントレスポンスとは?
特定の基準に従い優先順位を決めた結果、コンピューターシステムにセキュリティインシデント(保安上の脅威)が発生した際に対応する組織である、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)が対応すべきと判断した場合において、セキュリティインシデントに対応するフェーズのこと。
セキュリティエンジニアの業務で、特に重んじなければならないセキュリティマネジメント・セキュリティスキルが余すことなく取り込まれています。
最近の傾向が反映されたセキュリティに関する知識を全体にわたって習得できるため、セキュリティエンジニアとしてキャリアアップを目指すうえで役に立つでしょう。
米国国防総省指令 8570.01(DoD Directive 8570.01)でも認められており、情報保証が必要とされる人材に取得が課されている資格としても認められているため、明白な信頼性の高さを表しています。
理系向けの専門性の高い資格はこちらの記事でも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
インフラエンジニアの資格を取得するための学習方法
IT社会を維持する「インフラエンジニア」を目指す人は増加する傾向にありますが、インフラエンジニアとしての経験がないと、どのようにして学習を進めればよいかがわかりません。
インフラエンジニアの業務は、世間一般の人々がイメージするエンジニアとは少し違うため、学習すべきことや学習する方法をしっかり理解しておかないと、途中でそれ以上進まない状態になってしまいます。
そういった事態に陥らないように、インフラエンジニアの資格を取得するための学習について、必要なことを確認しておきましょう。
①市販されている教材を利用する
インフラエンジニアに関連する資格に挑戦する前に知識を習得しておきたいという場合は、市販されている教材で学習する方法があります。
未経験の人でも簡単に理解できるインフラエンジニアに関することがまとめられた教材もあるので、具体的にどういった学習を進めていけばよいのか、あらかじめ考えやすくなるでしょう。
インフラエンジニアに関連する教材は、非常に多く出版されているため、その中からどういった教材を効果的に利用して学習すればよいかがきわめて大切だといえます。
インフラエンジニアとして業務に携わるうえで必要不可欠な知識を身につけるために、ITインフラ全般・クラウド・サーバー・ネットワークの領域に関する教材を紹介するので、以下から選んでみるのもおすすめです。
インフラエンジニアにおすすめの本
- インフラエンジニアの教科書
ITインフラについて幅広く基礎から学べる - インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門
実務で有用なインフラ設計に関する思考の筋道が正しくわかる - ゼロからわかる Amazon Web Services 超入門 はじめてのクラウド
初めてクラウドから勉強する場合でも理解しやすい教材 - マスタリングTCP/IP―入門編
ネットワークの理解には欠かせないTCP/IPに関することを学習できる教材 - 新しいLinuxの教科書
初めてLinuxを覚える人向けに、Linuxを実行できる環境を構築する段階からわかりやすく解説
②学習できるサイトを利用する
ITスクールで学習できるようなことを自宅でも学習したいという場合に有効なのが、学習サイトを効果的に使った方法です。
前もって準備されている動画を好きな時間に学習できるものや、インターネットを通じておこなわれる授業に加わるものがあるので、有効に活用していくといいでしょう。
しかしながら、ひとくちに学習サイトといっても、たとえば「インフラ 資格 学習方法」と検索しても、非常にたくさんのWebサイトが表示されます。
どれが学習するために有用であるか、一つひとつ閲覧してみないとわからないとともに、検索して上位であるからといっても、学習したい内容とは限りません。
インフラエンジニアにおすすめのサイトをいくつか紹介するので、自分に合ったもので勉強を始めてみてください。
インフラエンジニアにおすすめのサイト
- Ping-t
主としてIT系の資格に関することを効率的に学習できるサイト - 3分間ネットワーキング
ネットワークについて語句から易しく解説されているので基礎から学習できるサイト - エンジニアの入り口
ネットワークからサーバーの代表的存在といえるLinuxに関することまで基礎からわかりやすく説明されているサイト - ネットワークエンジニアとして
ベテラン講師がシスコシステムズ社の製品を利用したネットワークの設定方法に関すること中心に、日常生活の使用場面も合わせて解説するサイト
③ITスクールに通学する
学習をひとりで進めていくことに自信がなく不安だと感じている人は、ITスクールがおすすめです。
ITスクールによって授業内容は異なっていますが、以下のようなメリットがあります。
スクールに通うメリット
- 学習内容がカリキュラムとしてまとめられている
- 教材などを自分で用意する必要がない
- 困ったら直接質問して解説できる
ITスクールを選ぶ時は特に教育課程に注意して、即戦力として対応できるような講習を実施していること、細かなところまでインフラをよく知っている専任の講師が受け持っていることを確かめるようにしましょう。
④勉強会に参加する
インフラエンジニアに関する知識は独学で学習することもできますが、現役で業務に携わっているインフラエンジニアや、企業などで開かれる勉強会で、直接かかわっている人の意見や感想を聞いてみることもいい経験になります。
実際にどういった業務に携わっているのか、開発現場ではどれくらいの知識が必要になるのかを細かいところまで教えてもらえるため、独学が苦手だという人や勉強がうまく先へ進まなくなっているという人は使ってみるといいでしょう。
オンラインの勉強会も数多く存在するため、どれが良いのかという評価をしかねて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。おすすめの勉強会を探せるサイトは以下になります。一度訪れてどんな勉強会があるのかを見てみてください。
インフラエンジニアの資格取得を魅力的に自己PRする3つの秘訣
インフラエンジニアの資格取得を魅力的に自己PRする秘訣
- 資格取得の過程の努力について詳しく伝える
- インフラエンジニアへの熱意を伝える
- 資格取得とキャリアプランを合わせて伝える
資格の取得は、インフラエンジニアの就職には有利に働きますが、取得したという事実を伝えるだけでは自己PRとして不十分な可能性があります。インフラエンジニアの資格を努力して取得したのであれば、就職活動にも十分に活かしたいですよね。
資格を取得したら、その事実だけでなくその過程や、なぜ資格を取得しようと思ったのかまで伝えると、人柄や価値観まで伝えることができます。
資格の取得をより魅力的に伝える秘訣を3つ紹介するので、参考にしてみてください。
①資格取得の過程の努力について詳しく伝える
資格を就職に活かすためには、資格を取得したという事実だけでなく、どのように工夫して勉強したかなどの経緯や過程をアピールしましょう。
資格名をアピールすることで知識があるという証明、資格取得までの工夫などを伝えることで、目標達成能力や継続力、課題解決能力などをアピールできます。
さらに、資格取得にあたって困難に感じた点やそれに対する具体的な解決方法を盛り込むと、問題に対面したときの対処方法などから価値観や強みまでイメージしてもらうことができるため、より魅力的なアピールにつなげることができるのです。
資格取得で自己PRする場合は、以下のような流れで伝えてみてはいかがでしょうか。
資格を自己PRするときの構成
- 取得した資格と取得しようと思った理由を伝える
- 資格の勉強にあたって難しかったことと対処法を伝える
- 資格取得で得られた学びや知識を活かしてどのようなインフラエンジニアになりたいか伝える
自己PRを面接で魅力的に伝える方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!
②インフラエンジニアへの熱意を伝える
インフラエンジニアになるために、資格は必要ありません。だからこそ、勉強して資格を取得するくらいインフラエンジニアという仕事に対して熱意があるというアピールにつなげることができます。
未経験の場合は、「即戦力として活躍できるように資格取得しました」と伝えると、インフラエンジニアになりたいという熱意がよく伝わります。経験者の場合でも、実務経験から必要だと感じた知識を得るために資格取得を目指したのであれば、継続して勉強し続けられるエンジニアだということがアピールできます。
インフラエンジニアとして活躍していくには、新しい知識や情報へのキャッチアップは欠かせません。資格を取得したという実績から、新しい知識への興味や関心をアピールすればより好印象を残すことができるのです。
③資格取得とキャリアプランを合わせて伝える
「就職したいから資格をとった」というよりも、「将来的に携わりたい業務があるためそれに関する資格を取得した」と伝えると良いでしょう。
就職をゴールに資格取得を目指す人は多いです。そのなかで、入社後のキャリアを見据えて資格を取得したことをアピールできれば、採用担当者の印象に残りやすくなります。
入社した後にどういったインフラエンジニアを目標として、どういった業務に携わりたいと意図しているのか、将来の綿密なキャリアビジョンを持っていることと、そのために資格の勉強をしたと伝えましょう。
たとえば、CCNAを取得したのであれば、なぜネットワーク系の資格を取得したのかなど、キャリアプランを交えて解説できるようにしておいてください。また、上流工程に携わりたいので上位資格を取得したなど伝えれば、入社後に希望の仕事を任されやすくなるというメリットもあります。
将来的にどういった能力を身につけて、どういった活躍をする計画で、そのために具体的にこういう資格も取得を目指しているなど、キャリアビジョンが描けていると、インフラエンジニアとして長期的に活躍してくれるのではと採用担当者に好印象を残せるでしょう。
キャリアプランがまだわからない人は、こちらの記事を読んでみてください。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
将来目指すインフラエンジニアのキャリアプランにふさわしい資格を取得しよう!
インフラエンジニアの仕事に資格は必須ではありませんが、資格を取得することで未経験からの就職やキャリアアップなど、さまざまなメリットがあるとお伝えしました。
インフラエンジニアの領域は幅広く、自分がどのように活躍していきたいかを考えたうえで、資格を選ぶことが最も重要です。やみくもに勉強するのではなく、資格を取ってどのように役立てていきたいのかを具体的にイメージして勉強していくと、途中で挫折することもありません。
ネットワークがなければITシステムを動かすことはできず、ITインフラを支えるインフラエンジニアは今後も需要がなくなることはなく将来性は高いといえます。一方で、新しい技術が多く生まれていることも事実。常に新しい情報や知識にキャッチアップしていくためにも、資格の勉強は有効です。
インフラエンジニアとして活躍し続けるためには、自分のキャリアプランに合った領域を中心に常に新しい知識をインプットする姿勢は忘れないようにしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi