キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント / システムエンジニア

    Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている

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  • キャリアコンサルタント/atWill代表

    Masayo Miyoshi〇幅広い領域においてキャリアコンサルティングの経験を積み、行政や企業向けのキャリア研修PG開発、講師業などにも携わる。対個人・対組織の支援を両輪でおこなっている

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  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

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近年、キャリア形成の重要性が問われており、学生の皆さんも意識しているのではないでしょうか。「キャリア形成って何をすれば良いの?」「どれくらい踏み込んで考えるべき?」など、疑問に思いますよね。

キャリア形成とは、端的に言えば、キャリアを築くための長期的な計画や必要なスキルを考えることです。「就活で必死なのにそんな先のことなんて考えられない」と思うかもしれませんが、一つずつ段階を踏んで考えれば難しいことではありません。

記事では、キャリアアドバイザーの小峰さん、三好さん、渡部さんと、キャリア形成をするコツを解説するので、この時代を生き抜くために、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

満足のいく社会人生活を送るならキャリア形成は必要不可欠

「そもそもキャリア形成をする必要があるの?」と疑問に思う学生もいるかもしれません。従来は、会社に入れば、その後は部署での昇進や異動など、決められたルートに従いキャリアを積むのが一般的でした。

しかし、現代はそうとはいかず、満足のいく社会人生活を送るためには、主体的にキャリアを形成することが必要不可欠となっているのです。

記事では、まずキャリア形成をするときの3つのポイントを解説します。形成するうえで前提となる考え方があるため、それを考慮していきましょう。

そのうえで、キャリア形成の方法を4ステップに分けて解説します。難しそうと感じる人もいるかもしれませんが、段階を踏んで丁寧に進めればしっかりと形成することができますよ。

さらに、就活で「どんなキャリアを歩みたいですか」などと質問された際の、考え方や答え方のコツも解説するので、面接前にぜひ参考にしてください。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

キャリア形成とは

キャリア形成とは

職業を軸とした人生設計をおこない、必要なスキルを身に付けていくこと

キャリア形成とは、一般的には「仕事に必要なスキルを身に付ける」という意味ですが、近年では「どんなキャリアを歩みたいかを明確にし、必要なスキルや強みを身に付けるという意味で使われています。

三好 真代

プロフィール

「キャリア」の語源は「馬車の轍(わだち)」です。経験を積み、歳を重ね、ふと立ち止まり振り返ったとき、自分の軌跡として後ろにできているのがキャリアです。

キャリアは未来を決めるものではなく、今ここにあるもの。自由に思い描いてみましょう。

終身雇用制度が一般的であった旧来は、定年まで企業の指示に従いキャリアを積み上げることが一般的でした。しかし、現代は終身雇用制度が崩壊しつつあると言われており、主体的にキャリアを選択する必要が出てきています。

社会人として目指す姿を明確にしたうえで、スキルや強みを得る長期的な計画を立て実行する、キャリア形成の重要性が唱えられているのです。

キャリアデザイン・キャリアプラン・キャリアパスとの違い

類似している言葉に、キャリアデザイン、キャリアプラン、キャリアパスがありますが、それぞれ違いがあります。

キャリアデザイン・キャリアプラン・キャリアパスとの違い

  • キャリアデザイン:プライベートも含めて将来なりたい姿を明確にし、人生設計をすること
  • キャリアプラン:異動や転職や独立、スキルアップなどキャリアの計画を立てるもので、プライベートは含まずに職業人生を設計すること
  • キャリアパス:1つの企業内でのキャリアの流れを設計すること

キャリア形成とは、「キャリアプランを実現するためにキャリアを作っていく」ことです。具体的に必要なスキルや資格などを明らかにし、キャリアプランをかなえていくための方法を考えることになります

同じく似た言葉でキャリアビジョンという言葉もあります。意味や就活でキャリアビジョンを描く意義を以下の記事で解説しているので、確認してみてくださいね。

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就活準備は適職診断から始めてください!

適性がある仕事を選ぶ事は非常に重要です。適性が低い仕事に就職してしまうと、ミスマッチから早期退職につながる可能性が高まってしまいます。

そこで活用したいのが「適職診断」です。40の質問に答えるだけで、あなたのキャリア志向を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ絞れていない人
・得意な分野で働きたい人
・早期退職を避けたい人

入社後のミスマッチを防ぐためにも、自分の適職を診断してみましょう。

キャリア形成が重要な2つの理由

「キャリア形成をわざわざ今考える必要があるの?」「就職してから考えれば良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、キャリア形成を就職前におこなわなければ、社会人になってから後悔してしまうことも。

ここからは、キャリア形成が重要な理由を解説するので、まずはキャリア形成をするための心構えをしましょう。

①VUCAの時代で雇用形態や働き方が多様化したから

VUCAとは

「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)」「Complexity(コムプレクシティ:複雑性)」「Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)」の頭文字をとったもので、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味する

近年では、テクノロジーの進化により顧客のニーズが大きく変わったり、市場が急拡大・縮小したり、さまざまな価値観が生まれたりと、これからどんな未来になるのか、誰にも予測することはできません。

従来までは終身雇用制度が主な就業形態で、つまり定年まで1つの企業でキャリアを積むことが一般的でしたが、現在は転職や独立、あえて非正規社員として働く人も増え、雇用形態は多様化しました。

また、リモートワークや時短勤務など、働き方についても自由度が高くなり、自分に合った就業スタイルを探す必要性があります。

終身雇用制度の「会社に守られている」時代から、主体的にキャリアを探す時代へと変化しているのです

三好 真代

プロフィール

VUCAの意味を知ると、何だかとても不安な気持になるかもしれませんね。ただ、予測不能な時代は今に始まったことではありません。

VUCAという名前により、そういう時代だと認識させられているだけにすぎません。主体的に行動する重要性はこれまでずっと訴え続けられてきたことです。あえて言うならば、ようやくその重要性を承認する社会が整ってきた時代、なのかもしれません。

②AIの成長でやるべき仕事を見極める必要があるから

AI技術の革新により、さまざまな仕事はAIが代替できるようになりました。たとえばAIに取って代わられる可能性が高いとされている、一般職や経理などの採用を撤廃している企業もあります。

終身雇用が収束しつつある現代、社会において必要な存在にならなければ、需要がなくなり、最悪の場合キャリアが断絶してしまうこともあるのです。

長期的な視点で、自身が活躍できる仕事を考え、生き残る必要があります

アドバイザーコメント

自分で主体的に選んだ道であれば後悔なく歩める

「キャリア」という言葉があいまいに使われることが多いため、ピンと来ない人も多いかもしれませんが、どんな人生を歩む人であっても、生きていくうちに必ずその足跡が残っていきます。

行き当たりばったりで方向性を見失ったり、自分で道を決めずに人が示す道を辿ってしまう足跡もあるでしょう。後で振り返って、そんな足跡を後悔とともに振り返ることもあるかもしれません。

職業人生においてどの道を通れば正しいということはなく、100人いれば100通りの道があって良いのですが、せめて他の人が決めた道ではなく、自分が主体的に選んだ道を通りたいと思うのが人情ではないでしょうか。

間違っても良いのでどこに向かうべきかを自分で考えることが大切

キャリア形成というのは、職業人生の道筋を自ら選ぶことと言い換えても良いと思います。スキルを身につけたり、業界を選択したりすることは、行きたい道を進むうえでどんな道具を使い、どんな乗り物に乗るのか、というふうに解釈できるでしょう。

そもそもどこに向かっているのかがわからなければ、道具も乗り物も考えようとはしないものです。しかしこれを自分なりにしっかり考えるか考えないかは人生を左右します。途中修正があっても良いので、まず行先を決めて手段を選び、行動を起こすことです。

キャリア形成をするときの3つのポイント

キャリア形成をするときの3つのポイント

  • 周囲と比較しない・合わせない
  • 具体的に計画を立てる
  • ポジティブに考える

キャリア形成に取り掛かるまえに、重要な3つのポイントを押さえましょう。これを押さえなければ、考えている途中で行き詰ったり、悪い方向に考えてしまうことがあります。

ここで解説する3つのポイントを踏まえ、スムーズに、自分にとって良いキャリアを考えていきましょう。

①周囲と比較しない・合わせない

特に重要なのは、周囲と比べたり、周囲に合わせたりせず、自分の価値観に沿って形成することです。

他人が決めた価値観に合わせて考えると、社会人になってから後悔することがあります。たとえば「組織のマネジメントを目指す」ことが普通となっている風潮の中、マネジメントに関心がないのにもかかわらずその道を安易に目指すと、マネージャーになってから苦しい思いをするかもしれません。

自分の価値観を見極め、それに沿ってキャリア形成を考えることが大切です

こちらでは、プロジェクトマネージャーについて詳しく解説しています。どういったキャリアを形成していくのかの参考にしてみてくださいね。

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周囲を気にしないことが大切とはいえ、親の意見とかは特に気になってしまいます……。

小峰 一朗

プロフィール

他者の意見は受け止めつつ自己理解を深めることにつなげよう

そうですね。親の意見というのは気になりますよね。

親だけではありませんが、いろんな意見をもらうことは良いことだと思います。自分には見えていない視点で意見を言ってくれますからね。「他者から自分はこう見えているんだ」という自己理解を深める貴重な機会にもなります。

ただ、その意見を額面どおりにそのまま受け取ると、軸がブレたり、影響されたりしてしまいがちです。大事なことは、その意見を自分がどう捉えるかです。その意見を自己理解を深めるためのフィードバックとして活用できるといいですよね。

自己理解を深めることができれば、自分の価値観もクリアになっていきます。そうすれば、どのようなキャリアを形成すると自分という人間がいきいきと働いていけるのか考えやすくなりますね。

親の意見もありがたく頂戴し、自己理解につなげる。そして、どのようなキャリアを形成していくかは自分で決める、という意識を持つことがとても大事なことだと思います。

②具体的に計画を立てる

キャリア形成とは、希望するキャリアを築くために必要なスキルや資格を考えることだと解説しました。いつ何の資格やスキルを取得するのか、具体的に計画を立てることが大切です。将来やるべきことを明確にすることで、入社後も常に「今何をすべきか」を考えながら有意義に働けるためです。

ただ、もちろん入社後に考え方が変わることもあるので、計画は細かくしすぎず、3年、5年、10年などの長期的なスパンで考えましょう

もしくは、「主任になったら」「課長になったら」など、役職ごとに必要なスキルを具体的に考えても良いですね。

③ポジティブに考える

キャリアを考えていると「この道をかなえられる人は少ないからどうせできないだろう」「この難しい資格を取れるわけがない」などと、ネガティブになってしまう人もいますが、できるだけポジティブに考えることが大切です。

「自分ならできる」などまずはポジティブに考えることで、「あれもやってみたい」「これも挑戦してみたい」と発想が浮かびやすくなり、キャリア形成がはかどります

就活がうまくいっていないなど、ネガティブな状況にある人も、大丈夫です。今自身にマッチする企業が見つかっていないだけで、必ず良い結果が出ると考えて、まずはポジティブに考えていきましょう。

アドバイザーコメント

キャリア形成は計画的におこなうと同時に「偶然」を大事にしよう

キャリア形成を考えるうえで、計画的偶発性理論というキャリア理論がとても役に立ちます。

幸運を手にする人のキャリアの8割は「偶然に起こる事象」によって作られている、という研究結果があります。

たまたまのご縁、偶然の出来事、思いがけない機会。

幸せを実感する多くの人が、そのように過去を振り返っているのです。

5つの行動を心がければ「計画的な偶然」を起こせる

予測不能な時代だからこそ「今ここ」に焦点を当て「偶然」に起こる出来事から行動を起こしてみることも大事です。そして計画的偶発性理論では、その「偶然」は、5つの心がけや行動から、計画的に起こせるとしています。

 ①好奇心
 ②持続性
 ③柔軟性
 ④楽観性
 ⑤冒険心

新しいことに興味を持ち続け、あきらめず努力し、こだわりすぎず、何事もポジティブに、失敗を恐れず行動すること。 

綿密に計画を立てることも今の行動を決めるために大切なことです。それと同時に「今ここ」の自分が感じるワクワク感に素直に従い、時には「何とかなるさ」の気持ちで未来を選んでみても良いでしょう。

楽観性をもって自由に思い描く未来は明るく、そして一歩踏み出す足取りもきっと軽やかになりますよ。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選びましょう!適性が低い仕事だと、就職前に思い描いていたイメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクも。

そこで活用したいのが「適職診断」です。カンタンな質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

4ステップで簡単! キャリア形成をしよう

キャリア形成のやり方

  • キャリア形成のステップ①最終的になりたい姿を考える
  • キャリア形成のステップ②なりたい姿になるためのプランを考える
  • キャリア形成のステップ③必要なスキルを考える
  • キャリア形成のステップ④スキルを身につける方法を考える

では、実際にキャリア形成をしていきましょう。キャリア形成は4つのステップでおこなうことができます。

「キャリア形成って難しそう……」「本当にキャリアを見つけられるのだろうか」と不安に感じている人も、このステップに沿っておこなえば確実に見つけることができるので、ぜひ実践してくださいね。

キャリア形成のステップ①最終的になりたい姿を考える

キャリア形成で大切なのは、まずゴールである「最終的になりたい姿」を定めることです。そのゴールを目指して具体的にやるべきことを考えます

とはいっても、どんな社会人になりたいのか、すぐに思い浮かばない人は多いでしょう。ここからは、キャリアのゴールを考えられるようになる5つの方法を解説するので、自身に合うものを見つけて挑戦してみてくださいね。

WILL・CAN・MUSTで考える

Will・Can・Mustで考える

WILL・CAN・MUSTとは

  • WILL:やりたいこと。欲求や動機
  • CAN:できること。経験や能力、スキルや強み
  • MUST:やるべきこと。社会が必要としていること

ゴールを見つけるには、WILL・CAN・MUSTで考える方法があります。「自分に合う仕事がわからない」と悩む人は多いと思いますが、この方法でマッチする働き方や仕事内容を考えることができます。

まず、WILL・CAN・MUSTをそれぞれ紙に書き出します。WILLとは関心を持ったり挑戦したいと思うもの、CANはすでに持っている強みや得意なこと、MUSTは社会から必要とされている力やスキルです。

これらを書き出したうえで、その共通点から自分がなりたい姿を導き出します。たとえば以下の通り考えてみましょう。

WILL・CAN・MUSTからやりたい仕事を考える例

WILL:チームで物事を動かしたい、海外で働きたい
CAN:物怖じせず人に意見を言える行動力がある、手先が器用、論理的思考力がある
MUST:グローバル文化に対応できる人材になること、先見の明があること、変化に対応すること

⇒共通点を見出した働き方
海外支店に勤務する営業職として活躍する

小峰 一朗

プロフィール

どうしても目先のWILLやCANでやりたい、やれることを考えてしまいがちになりますが、社会で生きるということは、自分が人から求められることや必要とされること、すなわちMUSTに応えていくことが大事です。

誰も求めていないことをやっても、働きがいにはつながりにくいですからね。

ikigaiチャートで考える

ikigaiチャートで考える

自分の生きがいを仕事にする方法として、ikigaiチャートもあります。やり方はWILL・CAN・MUSTと似ていますが、項目が4つに増え、その共通点を見つけ出すものです。

ikigaiチャートの4つの項目

  • 好きなこと
  • 得意なこと
  • 得たい報酬
  • 社会貢献になること

好きなこととは自ら進んで前向きに取り組めること、得意なこととはそこまで努力しなくても他人よりも成果を出せることを考えましょう。得たい報酬とは、たとえば「毎年2回は海外旅行に行きたいから最低でも500万円は欲しい」と、目安の年収などを考えましょう。

そして社会貢献になることとは、自分が仕事をすることで、他者をどのように幸せにできるのか考えると良いです。たとえば「貧富の格差を解消したい」「マイノリティーの方が生きやすい世の中を作りたい」「小さい子どもの笑顔を作りたい」など、他者にどんな貢献をしたいか考えてみましょう。

そしてその4つの共通点を見出して、やりたい仕事を考えます

ikigaiチャートからやりたいことを考える例

好きなこと:サッカー、旅行、料理、ドライブ
得意なこと:人と仲良くする、場の雰囲気を盛り上げる、人を惹きつけるアイディアを出す地理を覚える
対価:海外旅行に年1回は行きたく、30代で最低でも年収500万円
社会貢献になること:自身のアイディアで人を笑顔にする

⇒4つの共通点から見出した働き方
旅行代理店で顧客が楽しめるプランを提案して活躍する

次の記事では、人を笑顔にする仕事について例とともに解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてくださいね。

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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

自分にとっての仕事の位置づけを考える

そもそも自分にとって仕事とはどのような役割を担うのかを考えることも大切です。「生きがい」「趣味をするお金を稼ぐためのもの」「自分を成長させるもの」など、人によって仕事に求めるものはさまざまですよね。

それを明確にすることで、携わるべき仕事内容もはっきりとしてきます。たとえば以下のように考えられます。

自分にとっての仕事の位置づけから仕事を考える例

仕事=生きがいと考える人
仕事内容が自身とマッチしている、やりがいを感じられるものを選ぶ

仕事=趣味をするお金を稼ぐためのものと考える人
報酬やワークライフバランスが自身が求める基準を満たすものを選ぶ

仕事=自分を成長させるものと考える人
裁量権が大きく、ビジネススキルがつくものを選ぶ

自分にとっての仕事の位置づけ、つまり自分が仕事に求めることを考えることで、選ぶべき企業の方向性をつかむことができます

アルバイトしかしたことがないので、自分にとっての仕事の位置づけを今考えられないのですが、どう考えれば良いのでしょうか。

渡部 俊和

プロフィール

「何のために」「なぜ」働くのかを考えてみよう

難しく考える必要はありません。「何のために」「なぜ」働くのかを現時点である程度決めておき、それを軸にして考えましょう。

また、将来的にそれは変わることもあって良いのです。一般的に、最初はやりたいことやできることがあり、経験を経てやるべきことやしなければならないことが増えていきます。

その中で「何のために」「なぜ」の答えは変化していきます。その変化の過程もまた「キャリア」の一部として考えられます。

さまざまな社会人の話を聞く

さまざまな社会人の話を聞き、参考にできるキャリアを探すことも有効です。

まずはサークルやアルバイト先の、社会人になった先輩に聞いてみるのがおすすめです。どんな仕事をしていて、将来的にどうなりたいと考えているのか聞いてみると、キャリアを描く参考になります

また、大学のキャリアセンターに行くと、OB・OG訪問を受け付けている人の名簿を紹介してもらうことができます。基本的には、興味のある業界や業種で働いている人を5、6名ピックアップして、話を聞くことがおすすめです。

OB・OG訪問のやり方はこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてください。良い情報を引き出す質問例70選も紹介しています。

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OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。

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目指したい人を見つける

具体的な社会人像がなかなか思い浮かばない人は、「あの人のようになりたい」と思える人に出会えるまで、さまざまな社会人を見ると良いです。

OB・OG訪問を繰り返したり、実在する人に惹かれる人がいなければ、ドラマや映画などの社会人でもかまいません。憧れる社会人を見つけ、参考にしてキャリアを描いてみましょう

アドバイザーコメント

キャリアのゴールはワクワク感を大切に前向きに考えること

キャリアのゴールとして「なりたい姿」を考えるとき、どの方法であってもなかなかしっくりくる姿を想像できない人も多いのではないでしょうか。

まだ働いた経験や出会う人も少ない中では仕方のないことかとも思います。また、なりたい姿に対して、自分には無理だと思ったり、現実的な範囲で考えてしまいがちですね。そうなるとなかなか「なりたい姿」を描くことは難しくなります。

何にもとらわれず柔軟になりたい姿を考えてみよう

「なりたい姿」を描くコツは、何にでもなれる、どんなことでもできるようになる、という前提でワクワクするような未来の姿を描く視点が大切です。

実際になれるかどうかはあまり問題ではなく、その「なりたい姿」に向かってワクワクしながら進んでいけそうかどうかがポイントです。ワクワクしながら楽しく進んでいくことができれば、自分をより成長させることができますよね。

そしてその成長を継続させることができれば、加速度的に「なりたい姿」へ近づいていくことができます。そんな「なりたい姿」を、自由に、子供の頃のように、思い切って描いてみてはいかがでしょうか。

キャリア形成のステップ②なりたい姿になるためのプランを考える

キャリア形成のゴールを考えたら、その姿になるためのプランを練りましょう。プランを立てるためのポイントは2点あり、これを踏まえることで柔軟に考えられるようになりますよ

ここからキャリアプランを立てる際のポイントを解説するので、チェックしてどうキャリアを築いていくべきか考えましょう。

川下り型または山登り型で考える

川下り型または山登り型でキャリアを考える

川下り型・山登り型のプラン

  • 川下り型:川の流れに身を任せるように、そのときどきで実績を積むプラン
  • 山登り型:登る山を決めて挑む登山ように、目標に向けて効率的なルートで実績を積むプラン

プランの考え方には、川下り型、山登り型があります。川下り型は、具体的な目標を設けず、目の前の仕事を頑張る方法です。この方法であれば、柔軟にさまざまなスキルをつけることができます。

対して「海外で働きたい」「マネジメントをしたい」など、具体的な目標がある場合は、最短距離で目標に到達する山登り型が適しています。

目標達成のために必要なスキルや資格と、それを取得するのにかかる年数を具体的に考えてプランを立てると良いです。

川下り型、山登り型は組み合わせることも可能です。たとえば「若手のうちは流れに身を任せていろいろなことにチャレンジし、就業後5年経過したら、その中から自分に合ったキャリアを見つけて目指すべき姿を考え、スキルや資格を取ろう」などと考えても良いのです。

川下り型でプランを立てようと思うのですが、今決められることは少ないと思うので、今後留意すべきことがあれば教えてください。

渡部 俊和

プロフィール

川下り型は目の前のことに集中して突き進もう

川下り型は明確な目標を定めない分「勢い」が重要です。目の前のことに集中して取り組むことで力をつけ、その結果見えてくるものを大事にします。

そのため考えすぎず、立ち止まらず、行動と経験をどんどん積み上げていくことが大切です。集中してがむしゃらに取り組むことができないと意味がありません。

実務能力を高めるためには、この川下り型の期間はある程度必要ですね。

所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう

適職診断


「適職診断」のおすすめポイント
・たったの3分で簡単に診断ができる
受けない方がいい職業がわかる
・エントリーする業界・職種が絞れる

名詞ではなく動詞でやりたいことを考える

キャリアプランは、名詞よりも動詞で考えた方が幅が広がります。たとえば以下のように動詞で考えてみましょう。

△名詞でキャリアプランを考える例

営業をやりたい
・20年後に課長になりたい

〇動詞でキャリアプランを考える例

・人に商品の良さを伝えたい
・リーダーシップを活かしてマネジメントしたい

名詞で考えると、上の例では、将来営業職の仕事がAIに取って代わられたときに、次に何をすべきかわからなくなってしまいます。対して「人に商品の良さを伝えたい」と動詞で考えていれば、営業のほか、広報やコピーライターなどさまざまな仕事が考えられるため、将来の可能性が広がります。

名詞ではなく動詞で考えることで、キャリアの選択肢を絞りすぎることなく、仕事選びの軸を持つことができるのです

アドバイザーコメント

まずは思いつく限りのなりたい姿を考えてみよう

ここまでで、キャリア形成のイメージが湧いてきたでしょうか。少しでも頭に浮かんだアイデアがあれば、その存在をちゃんと認めてあげましょう。

あなたのアイデアを邪魔する人は誰もいません。ブレインストーミングで思いっきり出してみましょう。出せば出すほど一見考えが散乱していくように感じますが、出し尽くしたと思った先で、とても素敵なアイデアに出会える時があります。それはとても洗練された、本質的なアイデアかもしれません。

そんなアイデアに出会うために、徹底的に可能性を探ってみましょう。

幼少期に憧れたキャラクターからなりたい姿を考えるのも効果的

そんな中、もし「結局自分は何になりたいのか」と目的を見失った時は、以下を試してみてください。

①幼少期大好きだった(憧れた)キャラクターを3人思い出す
②3人の特徴を書き出す
③3人の特徴を統合させて1人のキャラクターを作る

キャラクターの特徴は自分の主観的な印象で思い出すことがポイントです。そのキャラクターをどのように捉えていたかを考えてみましょう。

そして3で出来上がったキャラクターが、あなたが本当に目指している姿です。

これは自分のロールモデルを見つける手法の1つになっています。幼少期のあなたは本能的にそのキャラクターを選び、まねしたり自分自身に取り込もうとしたりしたことでしょう。実はそのキャラクターこそ、あなたがなりたい理想の姿と言われています。

キャリア形成のステップ③必要なスキルを考える

キャリアを築くプランを考えたら、それを実現するために必要なスキルを具体的に考えましょう。

ここからは、ほとんどのキャリアに必要とされるスキルを解説します。最低限このスキルは身に付ける必要があるのだと心得ましょう

また、具体的にやりたい仕事がある場合は、併せて、その仕事でどのようなスキルが必要なのかインターネットで調べたり、その職種や業界のOB・OG訪問で聞いてみることも大切です。そのうえで、それらをつけるために必要なことは何か考えてみましょう。

人間関係構築力

社会人になって大切なのは、人間関係を構築する力です。企業で働く場合、社員が協力し合い、企業が掲げる1つの目標を達成することになります。そのため、円滑なコミュニケーションをおこない、良い人間関係を築くことが、仕事をスムーズにおこなううえで大切です

また、顧客を相手にする営業職などでも同様であり、顧客と信頼関係を築くことができると購入につながり、成果を上げることができ、さらなるステップアップが望めます。

相手が求めることを理解しそれに答えるだけでなく、相手が直接伝えなくとも、先回りして相手の要望に答えるなどして信頼を得ながら、人間関係を構築する力が大切です。

小峰 一朗

プロフィール

仕事とは、人間関係があるからこそ生じるものですよね。もし世の中に自分一人しかいなければ仕事は生まれないわけです。

そのため、どんな仕事であってもそのベースとして人間関係は重要であり、キャリア形成においても人間関係構築力を培っていくことがとても重要です。

自己分析力

キャリアを築くうえで大切なのは、今何が不足していて今後どうすべきかを考える、自己分析力です。

社会人になると日々の仕事に忙殺されがちですが、自己分析をして日々現状と、目指す姿とのギャップを埋められるよう意識して活動していると、なりたい姿に早く到達することができます。

たとえば「マネジメントができるようになりたいけれど、リーダーシップが不足しているから社内のリーダーシップ養成研修に参加しよう」などと考えて行動するイメージです。

自身の強みや弱み、身に付けるべきスキルなどを自己分析する力が、キャリアの方向を定め、成長するための重要な力となります

自己分析の方法がわからない人はこちらの記事を参考にしてみてください。詳しくやり方を解説しています。

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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。

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課題解決力

キャリアを築くために必要なのは、「今何が問題であり、どう対応すべきか」を考えて行動する課題解決力です。

自己分析力と似ていますが、特に、自身の弱みやスキル不足になっている点を見つけ、解決することが成長になり、キャリア形成につながります。

仕事をしていると、たくさんの失敗があります。そこで「なぜ上手くいかないのか」「どうすればうまくいくのか」を自問自答し、解決策を見つける、ということを連続しておこなうことで、キャリアを積み上げ成長することができるのです

自己啓発力

キャリア形成とは、スキルや資格を取得して理想のキャリアを築くものと解説しましたが、難易度の高い資格を取得したり、知識を付けるために本を読んだりと、自身を成長させる自己啓発力も欠かせません。

社会人は業務に忙殺され、自己研鑽する時間を取れないと悩む人も多いですが、その中でも工夫して時間を作り、必要なスキルを身に付ける努力ができれば、大きく成長できます。

自分を律して計画的に勉強し、スキルや知識をつける自己啓発力もキャリア形成には重要です

渡部 俊和

プロフィール

自己啓発や自己育成は自発的におこなうことなので、強い動機がないと挫折しやすいものです。自分自身への動機付けのコツは、新しい刺激や体験をときどきインプットすることです。一般的には読書やセミナー、人に会うことなどが契機になります。

将来予測力

現在はVUCAの時代であり、予測不能な社会と言われていると解説しました。また、自身もライフスタイルの変化などが起こる可能性があります。変わりゆく世の中と、自身の変化も考慮し、今後自分はどのように社会に価値を生み出せるか、将来を見通す力も大切です

自身やその企業、業界、日本経済全体に、将来どのようなことが起こりそうかを考えられるように、日々ニュースを読んだり、先輩社会人の話を聞いたりして、予測する力を身に付ける必要があります。

アドバイザーコメント

キャリア形成には「内省力」も欠かせない

キャリア形成において特に重要な力の一つとして「内省力」があると思います。キャリア形成とは、言い換えれば、自分らしさを見出していく経験の積み重ねです。

1人では自分らしさはわからない。だからいろいろな人との出会いや仕事の経験を積み重ねることで、自分らしさというものをより深く理解していくのです。

自分の中にある正解を常に探す力が重要

ただ、自分らしさを理解していくためには、自分と向き合っていく力が必要になります。それが「内省力」です。「内省力」とは、さまざまな人との出会いや仕事の経験を振り返りながら、自分の価値観や能力、適性や役割への理解を深めていくことで自分らしさを言語化していく力です。

自分らしさが見えてくると、それを活かした将来の「なりたい姿」を描いていくことができます。

キャリア形成においては、自分の外に正解はありません。自分の内にある自分らしさから自分で正解を創っていくことが大切です。そのためにも自分はどんな人間なんだろうか? という問いを常に意識して「内省力」を培っていくことをおすすめします。

キャリア形成のステップ④スキルを身につける方法を考える

スキルを身に付ける方法

  1. 資格を取得する
  2. 教育研修やハロートレーニングに参加する
  3. 裁量権がある仕事をおこなう

さらに具体的に、スキルを身に付ける方法を考え、キャリア形成は完成です。スキルの種類や、いつ、どれくらいの時間をかけて習得するかなどを考えます

「キャリアを積むための資格やスキルを主体的に考える」キャリア形成において、このステップが最も重要であるため、ここから解説する内容をしっかりとチェックしてくださいね。

資格を取得する

業務に必要な知識を得るためには、資格の勉強が効果的です。資格を取得すればスキルの証明にもなり、また高難易度の資格を持っていれば高収入が見込めることもあります

企業の中には、資格の教材購入費や受検料などを補助しているところも多くあるので、気になる企業の資格支援制度を確認してみましょう。企業HPの福利厚生の項目にて確認することができますよ。

キャリアに活かせる資格を就活中に取得しておけば、即戦力になる人材としてアピールにもなります。そのような、就職に有利な資格はこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてくださいね。

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専門的な知識の取得や高収入が望める業種として、証券会社が挙げられます。次の記事では証券会社について解説しているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

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今から資格を取得しようと思うのですが、キャリアを築くうえで長期的に役立つ資格があれば教えてください。

三好 真代

プロフィール

専門性の高い資格であれば役に立つ可能性が高い

基本的に、資格を役に立たせるかどうかは「自分次第」ですが、国家資格における下記の特徴は知っておくと役に立つかもしれません。

・業務独占
・名称独占
・設置義務

業務独占は、その資格を持っている人だけがおこなえる専門性が非常に高い資格です。

名称独占は、資格を取得した人のみがその名称を名乗ることを認められている資格になります。

設置義務は、特定の業務をおこなうにあたり有資格者の設置が義務付けられている資格です。

それぞれ、専門性の高い業務において求められる資格になるので、取得を検討する際の参考にしてみてくださいね。

教育研修やハロートレーニングに参加する

近年では社員のキャリア形成に協力的な企業も多くあります。たとえばスキルアップのための教育研修をおこなっていたり、外部の企業と提携してキャリアを考える講座を開いたりしています

さらに、ハロートレーニングと言い、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを無料で習得できる公的な職業訓練もあります。

これらを受けることで、スキルアップをし、希望する部署に異動できたり、昇進したりしやすくなります。キャリア形成をする際は、新卒のうちからもこれらを視野に入れましょう。

裁量権がある仕事をおこなう

一人ひとりの裁量権が大きい仕事を選ぶことも効果的です。ベンチャー企業などは、一人ひとりに任せられる業務量や責任が大きいため、その分スキルが身に付きやすくなります。

対して大企業などは、業務の規模が大きい分、一人ひとりの仕事の裁量権は小さく、その分スキルは身に付きにくいことがあります。

もちろん一概には言えないため、企業にOB・OG訪問をして、裁量権の大きさやスキルの成長度合いを聞いてみましょう。

入社後も、裁量権のある職務に希望を出すなどして、スキルアップを目指すことをおすすめします

小峰 一朗

プロフィール

大企業のような大きい組織よりは、ベンチャー企業のような小さい企業の方が裁量権は大きいとは思います。

ただ、裁量といってもいろいろな形があるので、自分が積み上げていきたいスキルの方向性に沿っている裁量かどうかを意識して選んでいくことが大切です。

アドバイザーコメント

キャリア形成には3つの心構えが重要

キャリア形成をおこなううえで、重要な3つのポイントを紹介します。

➀高い目標を持つ

上司に納得されるだけのレベルではなく、社外に出しても良いレベルの質の高い仕事を目指します。自分の中の基準を常に周囲より高い水準に置いて、それにこだわってみることです。そうすればいろいろなことを調べるようになり、成長できます。

➁自分より優れていると思う人と仕事をする

これは社内の人に限りません。取引先や顧客の中にも「すごい人」はたくさんいます。

私自身も取引先の商社や人材関連企業の人の仕事ぶりに啓発されたことが何度もあります。生きたモデルを身近に持つことは、考え方やスタイルなど言葉にできない部分まで学ぶことができるので、おすすめです。

③メンタルトレーニング

盲点になりがちですが、知識や技術を身につけるうえで最も重要なのは心の持ちよう。恐れや些細な不満、周囲への余計な忖度など、無駄なものに足を引っ張られないようにすることです。

瞑想法や呼吸法、運動、アロマテラピーなど、心を整える方法はいろいろあるので、困った時や焦った時に実践できる自分に合ったものを1つか2つ用意しておくことをおすすめします。

まったく思いつかない人向け! キャリア形成のヒントを見つける方法

キャリア形成のヒントを見つける方法

  • キャリア形成促進のための国のサービスを利用する
  • 就活のプロに相談する
  • やりたくないことから考える

キャリア形成のやり方を解説してきましたが、ここまで読み「将来なりたい姿をうまく考えられない……」「必要なスキルなど何も思いつかない……」と、悩んでしまった人もいると思います。

ここからは、キャリア形成をうまく考えられない人向けに、ヒントを見つける方法を解説します。これをおこなうことで、キャリア形成の糸口を見つけやすくなるので、ぜひ実践してみてくださいね。

キャリア形成促進のための国のサービスを利用する

国全体でキャリア形成の重要性が問われており、厚生労働省では、労働者のキャリア形成を促進する以下のサービスが設定されています。

厚生労働省のキャリア形成促進のためのサービス

キャリア形成サポートセンターでは「今後どう生きていくべきかわからない」など、ざっくりとした悩みでも相談に乗ってもらうことができます。

またジョブカードは、強みやスキルなどかなり細かく記載するため、目標達成までのプロセスをより明確化することができ、キャリアを考えるツールとして有効です

三好 真代

プロフィール

キャリア形成サポートセンターは国が設置したサービスなので、無料で受けられることがメリットです。ただし、個別のキャリアコンサルティングを申し込めるのは「在職者」のみです。

学生の皆さんは、学校を通してのジョブ・カードセミナーなどで支援を受けることができますよ。

就活のプロに相談する

キャリアアドバイザーや大学のキャリアセンターなど、就活のプロに相談することもおすすめです。親身に寄り添ってもらい、キャリア形成の道筋を、一緒に考えてもらうことができます

キャリアアドバイザーには、就職エージェントに登録することで相談できます。おすすめの就職エージェントは以下です。

おすすめの就職就職エージェント

上で解説したWILL・CAN・MUSTや、ikigaiチャートなどを作ってから相談に行くと、より効果的なアドバイスをもらうことが可能です。「このような仕事につきたいと考えますが、どのような職種や業界があるか教えていただきたいです」などと伝えると良いですね。

小峰 一朗

プロフィール

キャリアアドバイザーがアドバイスできることとしては、キャリア形成の描き方や情報提供が中心になるかと思います。

自己理解・仕事理解を深めてもらったうえで「なりたい姿」を描く支援と必要とする情報を提供しつつ、そこに向けたスキルアップの計画を立てるサポートをおこないます。

やりたくないことから考える

「目指すべきロールモデルが見つからない」「やりたいことがわからない」とキャリア形成の糸口を見つけられない人も多いと思いますが、その場合やりたくないことから考えることも効果的です。

やりたくないことを避けることで、比較的ストレスが少ない状態で働くことができます

たとえば以下の通りやりたくないことをリストアップしてみましょう。

やりたくないことの例

  • 体力が必要な仕事
  • 勤務時間が一定でない仕事
  • 責任が大きい仕事
  • 多くの人と話す仕事
  • 専門的な文書を取り扱う仕事

そして、リストアップした条件以外の仕事を就職サイトなどで検索したり、キャリアアドバイザーに探してもらってみてください。

アドバイザーコメント

あえて苦手なことに挑戦すると大きく成長できる

苦手なことを避けてキャリアを描くやり方がある一方、人によっては有効な方法として、「あえて苦手なことをやってみる」ということがあります。

これはすぐ心が折れてしまう人にはおすすめできませんが、長い目で見れば、苦手なことができるようになることが、キャリア形成のための大きなメリットになると思うのです。

職業人生は短距離走ではなくマラソンのようなものなので、目先のやりたいことばかり選んでやりたくないことを避けていたら、絶対にスキルが上がるはずもないし、やれることも長期的にはどんどん減っていくのではないでしょうか。

キャリアの選択肢を増やすためにも苦手なことに立ち向かうことが大切

「できないことができるようになる」というのが成長だとすれば、できないことにまず取り組んでみるのが成長の絶対条件ということになりますよね。

だからはじめは失敗するし恥もかくと思いますが、やがてできるようになればスキルが上がり、キャリアの選択肢も増える、ということになります。

よく「失敗は成功の条件」と言われるのはそういうプロセスを指している言葉です。必然的にそうなるのです。

今後のキャリアについて面接で聞かれた時の答え方

今後のキャリアについて面接で聞かれた時の答え方

  • 将来なりたい姿・目指す姿を伝える
  • その企業で成し遂げたいことを伝える
  • 目標をかなえるために身に付けるスキルなどを具体的に伝える

満足のいく社会人生活を送るためにキャリア形成を考えることは大切ですが、就活の面接でキャリアについて聞かれることもあります。

ここからは、面接で今後のキャリアについて聞かれた場合の、回答方法を解説します。これを心得ればキャリアを明確に伝えることができ、かつ「わかりやすく伝える力がある」と好印象を残すことができるので、ぜひ実践してみてください。

①将来なりたい姿・目指す姿を伝える

「今後のキャリアを教えてください」と聞かれたら、まずは将来なりたい姿や目指す姿を端的に伝えます。ゴールを先に伝えることで、その後の論理展開がしやすくなるためです

将来なりたい姿・目指す姿を伝える例

営業職として、海外支店で御社の商品の魅力を広げたいです。

私は学生時代2年間カナダに留学しており、グローバル感覚や語学力は人に負けない自信があり、これを活かしたいと考えたためです。

最終的にどのような姿を目指したいのか、理由とともに端的に伝えましょう。

5年または10年ごとに区切って伝えると効果的

将来なりたい姿は、5年後、10年後に区切って伝えると「具体的によく考えられている」「計画的である」と好印象につながります。キャリアプランは山登り型または川下り型で考えると良いと解説しましたが、それを5年ごと、10年ごとに区切って考えてみましょう

5年または10年ごとに区切って伝える例

新卒での海外支店への配属は難しいとお聞きしているので、まずは国内の支店で5年程営業職としてのスキルをつけたいと思っています。

その後アジア地域の海外支店に異動し、10年後には支店長となり、アジア地域の営業戦略を考案したり、部下に海外での営業ノウハウを伝える立場になり活躍したいです。

面接ではキャリア形成のほかに将来の夢を聞かれることもあります。以下の記事では将来の夢で好印象を残すコツをまとめているので参考にしてみてください。

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②その企業で成し遂げたいことを伝える

加えて、「キャリア形成のためにその企業で成し遂げたいこと」を伝えることが大切です。「目指すキャリアはその企業でしか成し遂げられない」というアピールをすることで、志望動機に説得力を増すことができます

その企業で成し遂げたいことを伝える例

御社はアジア地域で業界1位の売上を達成しています。

つまり、当地域の人に愛される商品を作り出されているということであり、そのような魅力的な商品を、さらに多くの人に届けたく、御社で海外支店の営業職として活躍したいです。

目指すキャリアと、その企業の企業理念や事業内容などとを紐づけて、その企業で成し遂げたいことをアピールしましょう。

企業理念の志望動機はこちらの記事で作り方、伝え方を詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。

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③目標をかなえるために身に付けるスキルなどを具体的に伝える

最後に、目標をかなえるためにスキルや資格を取得するプランを具体的に伝えましょう。これを伝えることで、「自身のキャリアについてしっかりと考えている」「キャリアプランを実現する覚悟がある」と好印象を得ることができます

目標をかなえるためにつけるスキルなどを具体的に伝える例

まず入社3年目までにTOEIC990点を取得し、専門的なやりとりも英語でできるようにします。現在はTOEIC850点を取得していますが、毎日英語の勉強を2時間はおこない確実な英語力を身に付けます。

また、入社後5、6年後に、営業支店長となった際のマネジメントスキルをつけるために、社内外のマネジメント研修にも参加できればと思います。御社のアジア地域の売り上げを担うリーダーとして活躍できるよう、社員の良いところを引き出すマネジメント力を学びます。

アドバイザーコメント

キャリアは「いつ」「どこを」「どのように」を具体的に示そう

面接で今後のキャリアについて聞くということは、企業側はあなたの計画性やビジョン、目標や人生の目的などを知ることにより、あなたの成長の方向性と自社の方向性のマッチングを確認したいという意図があるのかと思います。

そのため、あなたがどのような山に登っていきたいのか、どのような川を下っていきたいのか、いつ、どこを経由しながら進んでいきたいのか、などの将来構想をより具体的に話せるといいですね。

伝えたいのはあなたの進みたい方向性ですから、夢のようなワクワクする目的地に向かって、誰とどんなことを経験しながら進んでいきたいのか、楽しいプランを描いておくと良いと思います。

「今後のキャリアを教えてください」と類似の質問で、「入社後やりたいことはなんですか」という質問を受けることもあります。その場合に備え、こちらの記事を参考に回答を準備しておきましょう。

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企業が入社後にやりたいことを質問するのは、就活生の希望を知りたい意向が強いためです。入社後にやりたいことを見つけるための方法やどうしても見つからなかったときの対処法をキャリアコンサルタントが解説します。

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キャリアは逆算して徹底的に考え抜き、後悔しない社会人生活を送ろう

キャリア形成について、今の時点でしっかり考えることで、社会人になってからも後悔せずに人生を送ることができます。

なりたい姿から逆算して、必要なスキルや資格などを考えて計画していきましょう。そうすることで、きっと満足のいく社会人生活を送れるようになりますよ。

アドバイザーコメント

思い描いた通りにはならないことも考えておこう

キャリア形成の考え方について、さまざまなアプローチを確認できましたね。ヒントは見つかったでしょうか。

最後に、ぜひ取り入れてほしい考え方をお伝えします。

誰にも予測できない未来。これは企業にとっても同じこと。どれだけ確定的に思える計画を立てていても、その通りにはならない現実が来る可能性を、多くの採用担当者は知っています。

学生が自分の入社後のキャリア形成を明確に語れば、企業はその意欲的な姿勢や自律的な思考力を高く評価するでしょう。しかし一方で、そのイメージが明確であればあるほど、学生が期待した未来が来なかった場合への懸念が採用担当者に生じてしまいます。

4つの心がけでキャリアの変化に柔軟に対応しよう

そこで役に立つのが「キャリア・アダプタビリティ」という考え方です。「個人のキャリアについて環境の変化を受け入れ適応できる能力」を表します。

このキャリア・アダプタビリティを持つ人は以下4つの条件を満たす、と定義づけられています。

①自分のキャリアについて関心を持つ
②自分の責任においてキャリアをコントロールできる意識がある
③常に好奇心を持つ
④どのような変化が起こっても、対応できると自分を信じて行動できる

選考でもこれらの姿勢を伝えられると良いです。夢をかなえる道筋はいくつもあります。変化に対応する柔軟なキャリアを思い描き、そして今ここで選択する行動を決定していきましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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