
就活は「しんどい」で良い
就活はしんどいと思っている人へ。まずお伝えしたいのは、その感情は極めてまともで、健全な反応だということです。
就活では、「自己分析をしてやりたいことを見つけ、キラキラした笑顔で面接に挑もう」とよく言われます。そして就活セミナーに行けば、まるで正解があるかのような顔で講師が話し、周りの友達は焦ったようにエントリーシート(ES)を埋めています。
そんな光景を見て、「何をして良いかよくわからない」「自分がやっていることが正しいのか自信がない」と立ち止まってしまうのは、当然のことです。誰かの真似をしてその場をやり過ごすのではなく、自分の人生を自分でなんとかしようと考えている証拠だからです。
とにかく、わからないことばかりなのですから、しんどくなるのは当たり前です。就活はしんどくて良いのです。
本コラムのコンセプト
生成AIによる一般的な情報がすぐに手に入る時代。就活生や求職者にいま求められているのは、経験や体験に基づく血の通ったアドバイスではないか。そうした読者のニーズに応えるために、編集部がテーマを選定し、参画するキャリアコンサルタントらに寄稿いただくコラム企画を始めました。自身の経験や実アドバイスをベースに、綺麗事を一切排除した本音の就活対策をお届けします。
「やりたいことがない」のは当たり前
「好きなことや、やりたいことなんてわからない……」という声を聞きます。
それで良いのです。わからなくて当然です。
生まれてから20年ほどずっと学校生活を送ってきたのに、急に数万とある企業のなかから運命の一社なんて見つけられるはずはありません。
そもそも、本当は働きたくないというのが本音ではないでしょうか。
あるいは、真面目に働いてお金をもらって、それなりの生活ができれば良いと思っている。それなのに、就活になると「この会社で成し遂げたい夢」を語らなければならない。アルバイトなら履歴書一枚で済んだのに、「適職」だの「自己実現」だのと難しいことになっている。
こうしたギャップに戸惑っているのは、あなただけではありません。
ともかく、大丈夫
自分一人だけが取り残されるような恐怖。どうすれば行きたい会社に絶対に入れるかわからないから、動くこと自体が無駄に思えてしまう。その気持ちは痛いほどよくわかります。
ですが、したり顔をしている社会人のほとんどが、かつて経験してきた道です。だから大丈夫なのです。
無理にやりたいことを探す必要はありません。好きなことなんて、働いてから見つけたって大丈夫です。やったこともない仕事が自分に合っているかどうかなんて、誰にもわかるはずがありません。
しかし、働くことは単にお金を稼ぐだけではありません。社会における居場所づくりでもあるのです。だからこそ、就活を投げ出さずに大切にしなければいけないのです。
まず、働き始める
とりあえず、どこでも良いから就職しましょう。
驚くかもしれませんが、やったことがないことが自分に向いているかどうか、最初からわかる人なんていません。
そもそも、人生において「やったことがあること」のほうが圧倒的に少ないのです。そして、やったことがない未経験の領域に、あなたの才能が隠れていることがよくあります。
だから、まずはどこでも良いから働き始めることが大切です。
「どこでも良い」を少しだけ考える
大切なのは、「どこでも良い」と選んだところから、ほんの少しでも「これなら許せる」「ここだけはちょっと気に入った」と思える部分を見つけることです。
たとえば、「職場の近くにおいしいカフェがある」「制服が少しだけ可愛い」「人間関係がさっぱりしていそう」など、そういった小さなことで十分です。
完璧な「適職」を最初から狙い撃ちしようとするから、動けなくなってしまいます。そうではなく、まずは入ってみた場所で、自分なりの「お気に入り」を探しましょう。
そうしているうちに、後から「やりたいこと」がついてくるケースを私はこれまでたくさん見てきました。
必要なのは、ほんの少しの思い切り
どうやったら行きたい会社に入れるのか悩む気持ちもわかります。でも、一歩踏み出さなければ、その会社があなたに合うかどうかも一生わからないままです。
「正解」を探しても、そう簡単には見つかりません。これから何十年と働いていくのですから、どの時点での選択が「正解」なのか、確かなことは誰にも言えないのです。
必要なのは、緻密な計画ではなく、ほんの少しの「えいやっ」という思い切りだけです。働いてから考えたって、見つけたって良いのです。
ちょっとの勇気があれば、就活はそこから動き出します。それは、あなたが社会へ出るための、大きな一歩になります。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi




