会社に在籍する社員のなかには辞められたら困る人が存在します。つまり優秀で自社にとっては欠かせない人材となっているということです。

そして、このような辞められたら困る人には共通する特徴があります。

この記事では、キャリアコンサルタントの若林さん、隈本さん、永田さんと一緒に辞められたら困る人の特徴や、辞められたら困ると思われるほど優秀な人材になるための方法を解説します。

辞められたら困る人に近づくことでキャリアアップのチャンスも増えるため、この記事を参考にして成長のチャンスをつかみましょう。

辞められたら困る人の特徴の理解が優秀な人材になる近道

万が一退職された場合、会社の売り上げが低迷してしまう、仕事がスムーズに進まなくなってしまうなど、会社にとって欠かせない存在となっているのが辞められたら困る人の特徴です。

そして、このような辞められたら困る人の特徴を理解することが、優秀な人材になるための近道といえます。しかし、「具体的にどんな特徴があるのか」や「どうやったら辞められたら困る人になれるのか」など、疑問を持つ人もいるかもしれません。

この記事では、前半で会社側が「辞められたら困る」と発言する際の本音や辞められたら困る人の特徴などを解説します。まずは会社側の心情や特徴など辞められたら困る人に関する前提を押さえましょう。

そして、記事後半では「辞められたら困る」といわれる人になる方法や実際にいわれた際の対処法などを解説します。「辞められたら困る」といわれることで不利益を被るケースもあります。実際にいわれた際に適切な対処を取れるよう、最後まで記事を読んで参考にしてください。

「辞められたら困る」と発言する会社側の本音

誰に「辞められたら困る」といわれるかによって、その言葉の意味が少し異なります。そのため、発言する人による本音を理解しておかなければ、勘違いをして誤った行動を取ってしまう可能性もあるのです。

ここからは、「辞められたら困る」と発言する会社側の本音を解説します。まずは発言する人それぞれの本音を理解して、発言の意図をとらえられるようにしておきましょう。

上司や役員が発言する場合

会社の上司や役員が「辞められたら困る」と発言する場合、会社全体や所属するチームにおいて重要な存在であることを示しているケースが多いです。

上司・役員はあなたの専門性やスキル、知識が長けていることを認めていて、会社やチームにとって欠かせない存在だと思っています。そのような会社にとって欠かせない人材が辞めてしまうことで業績やプロジェクトの進行に悪影響が出る可能性があるため、「辞められたら困る」と発言することがあるのです。

また、会社やチームのモチベーション向上に寄与している人材も、上司や役員から「辞められたら困る」といわれることがあるかもしれません。

このように、上司や役員から「辞められたら困る」と発言される場合は、会社の業績やプロジェクトの進行に大きく貢献していることを指すケースが多くなっています。

チームの同僚が発言する場合

チームの同僚が「辞められたら困る」と発言する場合は、あなたの仕事がチームで取り組むプロジェクトの進行に大きく貢献しているという意味が込められているケースが多いです。

発言者は、あなたが万が一会社を辞めた場合、チームで取り組むプロジェクトがうまく進まなくなったり、自分の負担が大きくなってしまったりすることに危機を感じています。プロジェクトを効率的、かつ成功に導くためにもあなたの存在が必要だと感じているのです。

このように、チームの同僚から「辞められたら困る」と発言された場合は、チームで取り組むプロジェクトに貢献していたり、良い仕事をしていると思われていたりするケースが多いと認識しておきましょう。

仲の良い同僚が発言する場合

仲の良い同僚から「辞められたら困る」と発言された場合は、発言者の個人的な感情が含まれていることが考えられます。

仕事をともにする同僚のなかには、関係性がプライベートにも及んでいる人もいるかもしれません。そのような人にとっては、あなたが退職することで仲の良い身近な友人を失うような気分になり、「辞められたら困る」と発言することがあるのです。

つまり、仲の良い同僚からの発言の場合は、仕事での影響以上に個人的な感情や関係性を重視していることを指します。このような本音であることを理解し、発言に対する対応は自身にとってプラスになるかどうかを踏まえて考える必要があります。

辞められたら困る人の特徴11選

冒頭のとおり、「辞められたら困る」といわれる人には共通した特徴があります。この特徴を押さえ、近づけるような行動を取ることで優秀な人材になれる可能性が高まるのです。

ここからは、辞められたら困る人の特徴を11選解説します。優秀な人材に近づく一歩として、まずは辞められたら困る人の特徴を理解しておきましょう。

①会社の売り上げに大きく貢献している人

会社のなかには、常に営業成績がトップである人や、人気の商品・サービスを数多く企画してきた人など、売り上げに大きく貢献している人もいると思います。このような高い実績を残し、貢献している人は辞められたら困ると思われている可能性が高いです。

世のなかには2：6：2の法則、またはパレートの法則というものがあり、トップの2割の人が会社の売り上げの多くを作り出しているという傾向があります。会社の売り上げに貢献している人が辞めるということは、トップの2割である人材がいなくなるということです。

売り上げに貢献している人が辞めた場合、会社の売り上げに悪影響を及ぼしてしまうため、会社側は辞められたら困ると考えるのです。

②専門性の高いスキルや知識を身に付けている人

専門性の高いスキルや知識は誰でも有しているわけではありません。会社のなかでもごく一部の人が高いスキルや知識を身に付けていて、その人を軸に企画が考えられていたり、商品・サービスが作られていたりすることもあるでしょう。

このような専門性の高いスキルや知識を身に付けている人が辞めた場合、会社の商品やサービスの質が落ちたり、提供できなくなったりする可能性があります。

このように、専門性の高いスキルや知識を身に付けている人は、商品・サービス、事業を存続させるためにも欠かせない存在となっているのです。また、競合他社に転職した場合、自社よりも質の高い商品・サービスを作れてしまうのではないかと恐れを抱く人もいるかもしれません。

③コミュニケーション能力が高くて社内外から信頼されている人

ほとんどの会社には顧客や取引先などの社外の関係者が存在します。そして、当然ながら社内で一緒に働くメンバーがいます。このような社内外の人から信頼されるようなコミュニケーション能力を持つ人は辞められたら困ると思われる可能性が高いです。

売り上げを立てるには社外の人との関係構築は欠かせません。また、依頼されたプロジェクトをスムーズに進めるには社内の人との連携が必要です。このように、スムーズに仕事をして成功に導くためには、社内外とのコミュニケーションが必須なのです。

ただ明るかったり、口数が多かったりするだけでなく、関係者にヒアリングして、課題の抽出から解決策の提案までをおこなえる人は、より辞められたら困ると思われる人材になるでしょう。

コミュニケーション能力に自信があり、就職・転職活動でアピールしたいと考えている人は、以下の記事を参考にしてください。自己PRでコミュニケーション能力を効果的にアピールする方法を解説しています。

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④社会人として基礎的なマナーや常識を完璧にこなせる人

社会人として働くうえで、顧客や取引先などに失礼がないよう行動するのは当然のことです。しかし、長年の社会人経験を積んでもマナーや常識を完璧にこなせる人は多くありません。そこで、社会人としての基礎的なマナーや常識を完璧にこなせる人は、会社にとって手放したくない存在といえます。

たとえば、社会人としての基礎的なマナーや常識には以下があります。

これらはマナーや常識の一部に過ぎませんが、完璧にこなせる人は多くないかもしれません。そのなかで、これらのマナーや常識を身に付けていると、稀有な存在になり、辞められたら困ると思われる人材になるでしょう。

特に、まだ実績が少ない第二新卒の時期などは社会人としてのマナーや常識を徹底することで、社内外からの信頼を獲得することができますよ。

⑤成長意欲が高い人

特に入社したばかりの頃や第二新卒の時期は、目に見える成果が出ていないケースが多いです。責任の重い仕事を任される機会が少なく、経験年数も短いため、成果が少ないのは当然のことです。

目に見える成果がない状況のなかでも、成長意欲が高い人は上司に「今後活躍できるのではないか」と思われて、辞められたら困ると考えられている可能性があります。

成果が出ていない時期は、成果を出すための行動で示すことが求められます。そして、成長意欲の高い人は「今後成果を残してくれるはず」と期待されて、辞められたら困る人となることができるでしょう。

⑥論理的な思考で物事を判断できる人

道筋立てて物事を考えられる論理的思考力のある人は、素早い課題の発見と解決が可能になるため、ビジネスを進めることにおいて必要不可欠な存在になりやすいといえます。

しかし、論理的な思考は誰もができることではありません。訓練をして身に付ける必要があります。ただ、意識して訓練をしなければ、長年の社会人経験があっても論理的な思考ができないまま仕事をすることになります。

このように、すでに論理的な思考で物事を判断できる人は会社にとって貴重な存在となれる可能性が高いです。

⑦柔軟性が高くて臨機応変な対応を取れる人

会社で仕事をするにあたって、柔軟性や臨機応変な対応が求められる機会が多くあります。たとえば、顧客から急ぎで資料を要求されたり、急な人材不足でサポートに入ったりするなどが考えられます。

このような緊急な対応が求められる状況が多々あるなかで、「自分は今取り組んでいる仕事しかできない」や「いわれていた仕事と違う」など、臨機応変な対応が取れないと優秀な人材とはいえません。

一方で、柔軟性が高くて臨機応変な対応が取れる人は、会社にとってありがたい存在となり、辞められたら困ると思われる可能性が高くなります。

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⑧任せられる人が少ない重要なポジションに就いている人

特に専門職やマネジメントするポジションは、誰にでも任せられるものではありません。専門性の高いスキル・知識やマネジメント力が認められたうえで、そのポジションに就くことができているのです。

任せられる人が少ない重要なポジションに就いている人に辞められると、後任を見つけたり、育成したりするのに再度長期間かける必要があります。そのため、会社側は、すでに重要なポジションに就いている人に辞められたら困ると考えているのです。

新卒や第二新卒で重要なポジションに就けるケースは少ないですが、もし該当する人は会社側から辞められたら困ると思われていることを把握しておきましょう。

⑨他人を第一に考えて行動できる人

仕事はチームで取り組むケースがほとんどです。自分の都合ばかりで仕事に取り組めることはほとんどありません。そのため、他人を第一に考えて行動することが求められるのです。

具体的には、自分の後に作業する人がやりやすいように説明を加えたり、相手の行動を先読みして丁寧な説明をしたりするなどが挙げられます。

ただ、社会人として働く人のなかには、「自分の仕事が早く片付けば良い」「自分の仕事が終わったらあとはどうでも良い」など、自分の都合ばかりを考えて行動する人がいるのも事実です。

そのなかで、他人を第一に考えて行動できる人は、辞められたら困る人材といえるでしょう。

⑩スピーディかつ質の高い仕事ができる人

仕事を進めるにあたって、スピードの早さと質の高さを実現することは非常に重要です。仕事が早く、かつ質の高いものを提供できることに越したことはありません。

ただ、スピードの早さと質の高さの両方を実現するのは、長年の社会人経験を積んでも簡単とはいえません。そのため、スピーディかつ質の高い仕事ができる人は貴重な存在であり、辞められたら困ると思われる可能性が高いのです。

特に重要視されるのはスピードです。スピードが早ければ、質が低くても修正できる期間を長く確保でき、質を上げることができます。

これから仕事のスピードと質を上げたいと考える人は、まずはスピーディに取り組むことを意識するのがおすすめです。

⑪自ら考えて積極的に行動できる人

多くの企業は自ら考えて積極的に行動できる人材を採用したいと考えています。受動的な人よりもアイデアや意見を出してもらえて、早いスピードで、かつ多角的な視点から会社の事業を進められるようになるからです。

誰しも自分の意見は持っているはずです。しかし、それを発言して、行動に移せる人は多いとはいえません。そのため、自ら考えて積極的に行動まで移せる人は貴重な存在であり、辞められたら困ると思われる可能性が高いです。

特別扱いされる？ 辞められたら困る人が受ける待遇

会社にとって、辞められたら困る人が実際に退職することは避けたいと思う可能性が高いです。そして、退職されないためにも、待遇面で優遇することもあります。

ここからは、辞められたら困る人が受ける待遇について解説します。すべての会社が当てはまるわけではありませんが、どのような待遇を受けることになるのか把握しておくことで、より良いキャリアを描くために交渉する際の参考になりますよ。

辞められないために高い給料が支払われる傾向がある

特に営業職などで実施されている成果報酬は、社員に辞められないための施策の一つといえます。

近年は年功序列制度を廃止する企業が見受けられ、中小企業やベンチャー企業を中心に成果報酬として高い給料が支払われる傾向があります。その背景には、他社よりも高い給料を支払って、自社に在籍し続けてほしいという思いが込められているのです。

給料の高さをモチベーションに仕事を頑張る人も少なくありません。そのなかで、高い給料が支払われることは、その会社に在籍し続ける大きな理由となります。

このように、特に営業職で辞められたら困る人として認められると、給料が高くなる可能性があります。

重要な仕事を任せられるため残業や休日出勤が多いことがある

辞められたら困る人は、自社にとって欠かせない優秀な人材ともいえます。そのため、会社にとって重要、かつ責任のある仕事を任される機会が多く、残業や休日出勤が増える可能性が高まります。

また、専門性の高いスキルや知識を持ち合わせている人はほかに任せられる人が少ないため、自分ばかりが仕事量が多くなり、残業や休日出勤が増えることもあるのです。

しかし、20代は重要な仕事を任せられる機会は多くない傾向にあるため、このような責任のある仕事は成長のチャンスとなります。残業や休日出勤で忙しい日々になりますが、悲観的にならず、成長のチャンスととらえて、全力で取り組むのがおすすめです。

そもそも残業が発生する背景を理解できていない人は、以下の質問とキャリアコンサルタントからの回答を参考にしてください。

仕事量が多く悩んでいる人はこちらの記事を参考にしてみてください。多くなってしまう原因と対処法をまとめています。

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福利厚生はほかの社員と変わらない

辞められたら困る人かどうかで福利厚生が変わることはほとんどありません。福利厚生はどの社員にも平等に提供されます。

たとえば、営業成績が高いから家賃補助が多く支給されたり、成長を期待されているから休暇が多くもらえたりすることはほとんどありません。

そのため、これから「辞められたら困る」といわれるような優秀な人材を目指す人は、福利厚生が手厚くなるなどは期待しないのが無難です。

優秀な人材を目指す！ 「辞められたら困る」といわれる人になる方法

「辞められたら困る」といわれる人は、良い待遇を受けられるだけでなく、成長のチャンスが次々と舞い込んでくる可能性が高くなります。そのため、仕事で成功を収めるためには、「辞められたら困る」といわれるほどの優秀な人材を目指すべきなのです。

ここからは、「辞められたら困る」といわれるほど優秀な人材になる方法を解説します。簡単なことではありませんが、コツコツ行動を積み重ねることで、着実に優秀な人材を目指せるようになりますよ。

社内で自分だけにしかないスキルや知識を身に付ける

専門性の高いスキル・知識は誰もが身に付けられるものではありません。社内で自分以外の人が身に付けていない専門性の高いスキル・知識を身に付けることで、あなたの希少性や必要性を高めることが可能です。

しかし、会社にとって必要なスキル・知識でなければ意味がありません。たとえば、保険営業の会社で宅建士を取得しても会社の業績に大きく貢献することはできませんよね。

このように、「辞められたら困る」と思われる人になるためには、社内のほかの人が身に付けていない、かつ会社にとってニーズのあるスキル・知識を身に付けるのがおすすめです。

ほかの社員よりも圧倒的な成果を出す

会社側は成果を出せる人材を求めて採用や育成に取り組んでいます。会社側の「成果を出してほしい」という要望を実現し、かつ圧倒的な成果を出せる人材は「辞められたら困る」と思われる可能性が高いです。

特に営業職の仕事は会社の業績に直結しやすく、20代の若手が就く可能性が高い職種です。営業職としてほかの社員よりも圧倒的な成果を出せる人は、会社にとって辞めてほしくない人材といえます。

優秀な人材を目指して何をしたら良いかわからないと悩む人は、まずは圧倒的な成果を出すためにどうすべきかを考えるのが良いでしょう。

「〇〇さんなら」と人間関係を属人化させる

ビジネスは会社同士でおこなわれているように見えますが、最終的には人と人のコミュニケーションによって成り立っています。

特に近年は似たような商品・サービスは数多く存在し、機能面で差別化を測ることが難しくなりました。そこで、顧客が商品・サービスを購入するにあたって重要な判断材料となるのが担当者の人柄です。

「丁寧な対応をとってくれたから」や「我が社を第一に考えて行動してくれたから」など、最終的には人柄で判断するケースが少なくありません。そして、「〇〇さんがそこまで言うなら」と、信頼を勝ち取ることが営業活動において非常に重要になります。

このように、顧客から信頼を得られる人になるためも、他人を第一に考えて行動したり、丁寧な対応をしたりすることを心掛けるところから始めましょう。

社会人として基本的な常識やマナーを徹底する

前述のとおり、社会人としての基本的な常識やマナーを徹底できている人は多くはありません。誰しも知らずのうちに顧客にとって失礼に値する行動を取っている可能性があります。

そのなかで、社会人としての基本的な常識やマナーを徹底できている人は貴重な存在といえます。社内外からの評価が高まり、責任のあるプロジェクトを任せてもらえる可能性も高まるのです。

基本的な挨拶や報告・連絡・相談、電話・メール対応など、当たり前とされていることを徹底して取り組むところから始めましょう。

経験者が解説！ 「辞められたら困る」は良い・悪いどちらの意味？

会社を退職する際、上司や同僚などに「辞められたら困る」といわれる可能性があります。しかし、その言葉が良い意味なのか、悪い意味なのかはしっかり見極めなければいけません。誤って見極めて会社に残ったり、退職したりすると後悔する可能性があるからです。

ここからは、社会人として経験豊富なキャリアコンサルタントの若林さんに、「辞められたら困る」という発言が、良い・悪いどちらの意味で使われているのかについて聞いてみました。実際に「辞められたら困る」といわれて、判断に迷っている人は参考にしてください。

不利益を被る？ 「辞められたら困る」といわれた人が陥る罠

ここまでの内容から「辞められたら困る」といわれる人材は、優秀な人材として認められたと認識している人も多いと思います。誤りではありませんが、現状を俯瞰的に見なければ、会社にとって都合の良い形で利用されて不利益を被る場合も考えられるのです。

ここからは、「辞められたら困る」といわれて人が陥りやすい罠について解説します。確実にキャリアアップを目指すためにも、どのような罠があるのか把握しておきましょう。

成果に対する報酬が少ない

特に営業職の場合は、会社に貢献している売上高に対して報酬が少ないケースがあります。特に成果報酬制度が導入されていない企業は、成果に対する報酬が少なくなる可能性が高いです。

会社にとっては少ない人件費で多くの売り上げを立てることができるため、「辞めてほしくない」と思っているのです。そのような会社はどれだけ成果を上げても給料が上がることは見込めない可能性があります。

営業職として成果を上げて多くの報酬を手に入れることをモチベーションにしている人は、成果と報酬が見合っているかどうかをしっかり見極めましょう。

多くの仕事が振られてさらに忙しくなる

企業側が「辞められたら困る」と発言する理由の一つに、優秀な人材の不足が挙げられます。

顧客に満足してもらって成果を上げるためにも、優秀な人材は欠かせません。そして、優秀な人材は限られているのも事実です。

そのため、優秀な人材に多くの仕事が舞い込んできて、残業や休日出勤が増えるほど忙しくなる可能性があるのです。

多くの仕事が振られて忙しくなることは、成長のチャンスでもあるため決して悪いことではありません。ただ、心身の健康に影響することも考えられるため、上司に仕事量を調整してもらったり、異動や転職をしたりすることを検討しましょう。

第二新卒の転職を成功させる方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。

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似た仕事を任されて成長の機会が得られにくくなる

特定のスキルや能力が認められて「辞められたら困る」と思われている場合、似た仕事ばかりを任される可能性があります。

企業側はあなたに「そのスキル・能力を活かした仕事をしてほしい」と考えています。顧客やチームは変わりますが、毎回特定のスキル・能力を活用した似た仕事を任されることがあるのです。

そのスキル・能力のプロフェッショナルを目指すのであればあまり問題ではありません。しかし、幅広く仕事を経験したいと考えている人にとっては成長の機会を得られにくくなってしまいます。

幅広く仕事を経験したいと考えている人は、上司に部署の異動やチームの変更などを相談して、自ら成長の機会を獲得しにいくのがおすすめです。

「辞められたら困る」といわれたときに取るべき行動

上司や同僚から実際に「辞められたら困る」といわれた場合、発言者の本音を見極めたうえで、自身のキャリアにとって最適な行動を取る必要があります。

また、「辞められたら困る」といわれたときは交渉のチャンスでもあります。交渉次第ではこれまで嫌気を感じていたことを排除できる可能性もあるのです。

ここからは、「辞められたら困る」といわれたときに取るべき行動を解説します。キャリアアップ・キャリアチェンジのチャンスとなるため、この機会を逃さないよう適切な行動を取れるようにしましょう。

スキルや知識を共有してほかの人にも仕事を振れるようにする

スキルや知識が自分に属人化して仕事量に悩んでいる場合、転職を検討している人もいると思います。そのような人は、スキルや知識を共有してほかの人にも仕事を振れるようにするのがおすすめです。

なお、「辞められたら困る」といわれた場合は、スキルや知識を共有するために時間やお金をかけることを提案してみるのも良いでしょう。

ただ、万が一提案が却下された場合は、しばらくは働き方が変わらないことが考えられます。心身の健康に悪影響が出そうな場合は転職を検討するのもおすすめです。

給料の値上げを交渉する

現在の成果に対する給料に満足できず、転職を考えている人もいるかもしれません。

そのような状況で、会社側が「少ない報酬で大きな成果を上げてくれるから辞められたら困る」という意図で発言している場合は、給料の値上げを交渉してみるのがおすすめです。

もし、あなたが会社側も納得のいく成果を出していれば給料を値上げしてもらえる可能性があります。

一方で、明らかに成果を出しているにもかかわらず給料が値上げされない場合は、勤務し続けても給料面で満足を得られない可能性も考えられます。給料の値上げが実現できない場合は転職を検討するのもおすすめです。

ただ、値上げを交渉する際は、交渉できるだけの成果を出しているかどうかは、客観的な視点で見極めなければいけません。

何も希望が通らない場合は転職を検討する

ほかの人に仕事を振ったり、給料の値上げを交渉したりなど、希望が通らない場合もあります。何も希望が通らない場合は転職を検討するのがおすすめです。

理想のキャリアを実現するための行動として、自分が変わるか、環境を変えるかの2パターンがあります。

何か希望を交渉するという行動は、これまでの自分から変化するためのものといえます。しかし、この行動で成果が出ない場合は環境を変えるのが適切な判断といえるでしょう。

注意すべきことは、社内でやれることをすべて取り組んだ後に転職を検討することです。何も行動を起こさず、環境のせいにして転職するのは責任感の欠如と判断される可能性があるからです。

そのため、まずは社内で希望することをすべて発言してみることから始めましょう。

辞められたら困る人の特徴を理解して自身のキャリアアップを目指そう

会社の成長や売上高の向上に欠かせない人、これから成長が見込まれる人などが辞められたら困る人に該当します。そして、これらの辞められたら困る人には共通した特徴があります。

優秀な人材を目指したり、会社を引っ張っていったりするような人になるには、辞められたら困る人の特徴を知り、近づくための行動を実践することが大切です。

この記事を参考にして辞められたら困る人の特徴を理解し、自身が目指すキャリアを実現できるよう行動していきましょう。

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO（非営利団体）での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan（キャリアカウンセラートレーニングプログラム）を修了

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