この記事のまとめ
- 退職は会社ではなく労働者の意思によって成立する
- 会社を辞めさせてくれないとしても規則や法律に従って適切に行動することが重要
- 会社から辞めさせないための違法な行為を受けたら労基や弁護士に相談しよう
上司に退職の意思を伝えたり、退職願を提出したのに受け取ってもらえないと、「辞めずに続けるしかないのかな」という気持ちになる人がいます。もしかしたら、上司に脅されて「違約金を払わなければ辞められないのだろうか」と不安になっている人もいるかもしれません。
この記事では、社労士の涌井さん、キャリアアドバイザーの秋田さん、平井さんのアドバイスを交えつつ、辞めたいのに会社が辞めさせてくれないときの対処法を解説します。
今まさに辞められない状況で悩んでいる人や、これから会社に退職を申し出ようとしている人は、ぜひ参考にしてください。
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会社を辞めさせてくれなくても諦めずに意思を固く持とう
退職したいと会社に伝えたものの、まともに取り合ってもらえなかったり、損害賠償や懲戒をほのめかされたりと、辞めさせてくれない会社があるのは事実です。ただ、会社がどのような対応をしようと、それに合わせてあなたが辞めることを諦める必要はありません。
記事ではまず、会社を辞めさせてくれないのは違法かどうかを労働関係の法律の専門家である社労士が解説します。結論を述べると、会社が社員を辞めさせない行為は違法となる場合があります。記事では、違法な行為の具体例も社労士とともに詳しく紹介します。
併せてそこまでして社員を辞めさせたくない企業側の事情については、キャリアコンサルタントとともに説明します。
記事後半では、会社を辞めさせてくれなかったり、その中で違法な行為を受けた場合の対処法を解説しているので、辞められずに悩んでいる人は要チェックです。
これから退職を申し出る人に向けては、円満に退職するポイントも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
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社労士が解説! 会社を辞めさせてくれないのは違法?
退職が成立する条件について民法627条1項には、以下のように規定されています。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
この条文によると、雇用期間の定めがない労働者であれば、申し出て2週間が経過した時点で退職は成立することになります。では、労働関係の法律の専門家である社労士の涌井さんがこの法律についてさらに詳しく解説します。
アドバイザーコメント
涌井 好文
プロフィールを見る条件を満たしていれば会社側が労働者の退職を拒むことはできない
労働者は、原則として会社を自由に辞める権利を有しています。無期雇用のいわゆる正社員であれば、2週間前までに退職の意思を示せば、いつでも自由に退職することが可能です。
つまり、極端なことを言ってしまえば、入社1カ月目であっても、申し出てから2週間後には退職できることになります。
退職が成立する条件は雇用形態で異なる
一方で、パートやアルバイトなど、期間の定めがある有期雇用労働者の場合は、原則としてやむを得ない理由がない限り、契約期間内は退職できません。やむを得ない理由には、自身の体調不良や怪我などの個人的事情のほかに、介護や育児など家庭の事情も含まれます。
ただし、契約当初から1年を経過した後であれば、やむを得ない理由がなくても、自由に退職できるようになります。
有期雇用であれ、無期雇用であれ、条件を満たしているのであれば、会社が退職を拒むことは法律上許されません。仮に会社が退職を拒んだとしても、退職の意思表示から2週間が経過すれば退職が成立します。
社員を辞めさせないための行動で会社側が違法となる例
社労士の涌井さんの解説にある通り、社員を辞めさせないための行為は違法となる場合があります。違法行為であれば、会社側の主張や要求には決して従う必要はないということです。
実際に違法となるのはどのようなケースなのでしょうか。具体例を見て、自分が該当する状況にないか確認してください。
「損害賠償を請求する」と言われた
退職したいと上司や担当者に伝えたところ、「今辞めたら損害賠償を請求する」「辞めるなら違約金を払え」などと脅された場合、会社側の行為は労働基準法第16条に反しています。
労働基準法第16条
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
仮に、就業規則に違約金を払うよう示されていた場合、これは就業規則自体が違法なのでいずれにせよ支払う必要はありません。なお、違約金を給与から差し引くのも違法です。
退職を理由とする損害賠償請求は、契約期間内の一方的な離職や、必要な引き継ぎを怠った場合など、極めて限定された状況でしか許されません。そのため、「辞めるのであれば損害賠償を請求する」などと言われても、従う必要はありません。
理由を付けて懲戒解雇扱いにされた
「退職するなら懲戒処分にする」といった脅しも違法に当たります。懲戒は、離職票に「重責解雇」と記載され、経歴に大きな傷がつくほど、労働者にとっては重い処分です。労働契約法15条では、懲戒について以下のように規定しています。
労働契約法15条
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
懲戒が認められる理由の例
- 重大な就業規則違反をした
- セクハラをおこなった
- パワハラをおこなった
- 採用選考時に経歴を詐称していた
- 犯罪行為をおこなった
「退職」を理由とした懲戒は、社会通念上相当であるとは認められず無効といえます。たとえ、過去の仕事での失敗を持ち出されたとしても、従う必要はありません。
- 過去に自分のミスで会社に損害を出してしまったことがあります。退職する際、これが影響する可能性はありますか?
仕事上のミスで生じた損害を社員に請求することはできない
会社は社員に働いてもらうことで利益を上げています。もし生じた損害を社員に請求できるのであれば、社員は会社に生じた利益を請求できることになってしまいます。これは退職したからといって変わるものではありません。
ミスを犯し会社に損害を与えたからといって、退職を認めないことも許されません。ただし、退職金が減額または不支給になる可能性はあります。
退職金は法律上義務付けられた制度ではないため、不支給事由を定めても問題はありません。大きなミスを繰り返し、懲戒解雇に該当するような場合には、不支給としている会社がほとんどでしょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
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有給休暇の消化が認められなかった
通常、退職を申し出た後でも有給休暇は消化でき、退職時に使い切る人がほとんどです。一方、引き留める目的で、退職を希望する社員に対し有給休暇の消化を認めない企業もあります。この場合、会社の行為は労働基準法第39条に違反します。
労働基準法第39条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
有給休暇は労働者に与えられた権利です。退職を申し出ても、その権利が失われることはありません。
- 退職を理由に有給休暇の取得が認められないことはあるのでしょうか?
不当な対応といえるが認めない会社が存在するのは事実
一般的に退職時には残っている有給休暇を使い切りますが、会社が拒むこともあり得ます。
しかし、有給休暇は理由を問わず自由に使用可能な労働者の権利です。そのため、「退職するなら使わせない」などということは許されません。
もし、そのような扱いを受けた場合には、労働局などに設置された総合労働相談コーナーに相談してみると良いでしょう。
離職票の交付を拒否された
離職票の交付については雇用保険法第76条3項で、以下の通り規定されています。
雇用保険法第76条3項より抜粋
離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主又は当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付に関する事務を処理する労働保険事務組合に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。
その請求があつたときは、当該事業主又は労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。
ここに記載された「求職者給付の支給を受けるために必要な証明書」が、離職票です。
離職票とは
勤務していた会社を退職する際に発行される書類。失業保険の申請をする際などに必要
正当な理由がないのに離職票を発行しない行為は、上記の雇用保険法第76条3項に違反しているため、企業側に罰則が課せられます。
離職票の発行および交付は、雇用保険法に定められた企業側の法的な義務です。離職票を発行しない場合には、雇用保険法違反となり、懲役や罰金が科される場合もあります。
もし会社が発行してくれない場合には、ハローワークへ相談しましょう。事実関係を確認し、督促をおこなってくれる場合があります。
スムーズに辞めさせてくれなくても会社からお願いの段階は違法とはいえない
違法となる会社の行為について解説してきましたが、引き留め行為のすべてが違法というわけではありません。たとえば、「繁忙期が終わるまでは続けてほしい」「代わりの人が見つかるまで待ってほしい」と引き留められ、退職願をすぐに受理してもらえないことがあります。
これは、あくまでも会社からお願いしている段階で強制ではないので、違法とは言い切れないのです。
ただ会社側から提示された退職日がかなり先であったり、いつまで経っても後任を決めないなど、退職をズルズルと先延ばしにされるケースもよくあります。
会社側からお願いされたとしても、労働者に従う義務はありません。決定権は自分にあると心得ておきましょう。
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なぜ会社は社員を辞めさせたくない? 会社側の事情
退職の意思を示した場合、すんなりとは受け入れられず、引き留めに合うことは珍しくありません。中には違法な行為をしてまで社員を辞めさせない企業もありますが、それはなぜでしょうか。
会社が社員を辞めさせたくない理由としては、以下のような事情が考えられます。
会社が社員を辞めさせたくない理由
- 繁忙期で人手が足りないから
- 新たな人材を採用するコストが惜しいから
- 会社の離職率を上げたくないから
- 上司が自身の評価を下げたくないから
繁忙期なのに人手が足りなくなってほかの社員の負担が増えたり、新たな人材をコストを割いて採用しなければならなくなったりと、企業からすればどれもなるべくして避けたい事態です。特に社員の数が少なかったり、育成にコストをかけている企業であれば、社員一人が辞める影響はとても大きくなります。
社員を辞めさせたくない企業側の事情を理解しておくと、スムーズに辞めるにはどのようなことを考慮すべきかが見えてきます。
ここではさらに、企業の人事事情に詳しい、キャリアコンサルタントの平井さんにも解説してもらうため、企業側の事情をしっかりと理解して、退職の手続きを進める際に活かしましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る会社側が辞めさせてくれない場合は2つの理由が考えられる
退職を申し出たものの拒まれた場合、会社側は以下の2つのどちらかの理由で退職を拒否していると考えられます。
理由①採用と育成に費用がかかるから
会社が社員を採用して仕事ができるように育成するには、費用がかかります。社員を一人雇用するには、その人の給与の倍の金額がかかるといわれています。
せっかく育成して一人前になった社員に辞められると、また一から募集をかけて選考をおこない、採用して育てないといけません。その間は給与に見合ったリターンを得ていないと会社は考えます。会社が社員の退職を止める理由は、基本的にこの点にあるでしょう。
理由②離職率が高くなるから
最近は求職者から会社を評価する指標として「離職率」が重視される傾向があります。「離職率の高い会社は働きやすい職場ではない」と見られがちです。
同じ離職率でも、管理職が自分の評価指標として気にするケースもあります。「〇〇さんの部署は人が定着しない」との評価を嫌がり、部下を引き留めようとすることもあるようです。
「会社を辞めさせてくれない」事態を未然に防ぐ4つの方法
「会社を辞めさせてくれない」事態を未然に防ぐ4つの方法
- 就業規則に従って行動する
- 退職日や引継ぎの期間が繁忙期と重ならないようにする
- 退職希望日の1~2カ月前に伝える
- 転職先が決まってから伝える
会社にどのような事情があっても、退職は労働者の自由です。退職の意思が固いなら、毅然とした態度で対応しましょう。とはいえ、なるべく円満に退職できるに越したことはありませんよね。辞めたいと伝えたのに辞めさせてくれない事態になると、円満退職からは遠ざかってしまいます。
そこでここでは、これから退職を申し出る人に向けて、「会社を辞めさせてくれない」事態を未然に防ぐ方法を解説します。
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①就業規則に従って行動する
退職したいと伝える際は、就業規則をあらかじめ確認しましょう。多くの企業の就業規則には、退職する際に社内で踏むべき手続きが記載されています。トラブルを避けるには、会社側が定めたルールにはなるべく従った方が良いでしょう。
しかし、就業規則の内容が極端に労働者に不利なケースもあります。そのような場合は、就業規則自体が違法かもしれません。就業規則が絶対的なルールというわけではないので、労働関連の法律も参照しながら、適切な行動をとりましょう。
就業規則では、退職届の提出方法や何日前までに届け出をする必要があるかなどの重要事項を確認しましょう。また、有給休暇が残っている場合は、消化方法や有給休暇の買取り制度などがあるかなどについても調べてください。
②退職日や引継ぎの期間が繁忙期と重ならないようにする
繁忙期に人手が減ってしまえば、業務に支障が出てしまいかねません。一人でも抜けたらたちまち事業が立ち行かなくなるほど、切羽詰まった状態の現場もあるでしょう。このような場合、退職を伝えても引き留められる可能性が非常に高いです。
退職する側としても、自分が辞めることでほかの社員が大変な思いをするとなると、罪悪感から辞めようという気持ちが揺らいでしまうかもしれません。そうならないためにも、繁忙期を考慮したうえで退職日を決めると良いでしょう。
退職するとなると、自分の業務をほかの社員に引き継ぐ時間も必要です。引継ぎの期間も含めて繁忙期と重ならないようにすれば、業務への影響を少なくできます。
自分が辞めたら周囲に迷惑がかかるとなると、「悪く思われたら嫌だな」と退職するのが怖くなってしまう人もいますよね。こちらの記事では、罪悪感を払拭する方法を解説しているので、ぜひチェックしてください。
転職が怖い原因17個を徹底分析! 怖さを軽くする方法も解説
③退職希望日の1~2カ月前に伝える
法律の規定によると最短2週間で会社を辞められますが、なるべく早めに伝えた方が気持ち良く退職の手続きを進められます。有給休暇の日数や引継ぎにかかる時間にもよりますが、退職希望日のできれば2カ月前、遅くても1カ月前が妥当でしょう。
自分の仕事を漏れなく丁寧に引き継ぐことは、円満に退職するために欠かせません。また引継ぎが中途半端になってしまえば、自分としても心残りができてしまい、気持ち良く新しい場所でのスタートを切れないのではないでしょうか。
ただ伝えるタイミングが早すぎても、その間引き留める機会を多く会社側に与えることになり、予定通りの時期に辞められないこともあります。やはり、すぐに退職の手続きを進められてかつ余裕を持って引継ぎができる1〜2カ月前がベストでしょう。
退職希望日の1~2カ月前に申し出ることで、会社側の都合も考慮してくれていると上司も察するでしょう。
退職は確固とした意思でも、自分の退職によって発生する影響を極力抑えることは、円満退社のために大切です。そのために、早めに意思表示をして、会社が後任人事など必要な対応をとれるようにしましょう。
④転職先が決まってから伝える
退職を引き留められても、「転職先が決まっている」と伝えれば引き下がる上司がほとんどです。さらに今の仕事が嫌だから辞めるのではなく、「やりたいことができたから」というように前向きな理由が伝えられます。そのような理由であれば、意思の固さが伝わり、会社も背中を押してくれるでしょう。
また、転職活動で空白期間の長さは不利になることが一般的です。働きながら転職活動を進めた方が内定も出やすいと考えられます。
在職中に転職活動をするメリットは、転職先が決まらなくて長期化した場合でも安定した収入が得られるため、焦らず余裕を持った転職活動ができることです。
希望の求人は短期間で見つかるとは限らないので、時間をかけて探すことができる在職中に活動する方が良いでしょう。
転職活動を長期化させないコツは、こちらの記事で解説しています。
第二新卒の転職必勝法|納得のいくキャリアを見つける3つのコツ
転職活動を始める時期やタイミングに悩んでいる人には、こちらの記事がおすすめです。
転職のタイミングはいつが正解? 目的に合わせた最適な時期を解説
会社を辞めさせてくれないときの4つの対処法
会社を辞めさせてくれないときの4つの対処法
- 退職の意思を会社側にはっきりと伝える
- 直属の上司よりも上の上司・人事部に伝える
- 退職願ではなく退職届を提出する
- 退職代行サービスを利用する
退職を申し出たのにまともに取り合ってもらえなかったり、強引に引き留められたときは、円満に退職することばかりを優先させていられません。
以下に紹介する対処法を参考に、社会人としての責任は果たしつつ、確実に退職できるように行動しましょう。
①退職の意思を会社側にはっきりと伝える
退職したい意思を上司に伝えたもののまともに取り合ってもらえない場合、本気度が伝わっていないのかもしれません。たとえば、「仕事がつらいから辞めたい」「もう続けていくのは難しい」といった曖昧な伝え方をすると、弱音を吐いているだけだと受け取る上司もいます。
辞めようと決意したなら、「辞めます」や「辞めさせてください」のように、上司に退職は決定事項として伝えましょう。退職希望日も併せて伝えると、本気であることがわかり、上司も手続きを進めるために動かざるを得なくなります。
- いざ上司を目の前にすると、どうしても辞めたいと強く言えず言いくるめられてしまいます……。
自分の「確定した意思」を伝えよう
「辞めたい、相談したい」のように伝えていては、上司は「まだ説得できる」と考えてしまいます。
退職希望の日付を明確にしたり、転職先が決まっていることを伝えたり(転職先の会社名を伝える必要はありません)して、意思が固いことを強調しましょう。
言いくるめられそうになったときは、上司と議論するのではなく、「仰ることはわかります。でも私は退職します」と、上司の考えを否定することなく、自分の意思を明確に伝えましょう。
②直属の上司よりも上の上司・人事部に伝える
退職する際は、まず最初は直属の上司に報告するのが一般的です。ただ、直属の上司から強引に引き留められたり、損害賠償や違約金を請求するなどの脅しを受けた場合は、直属の上司のさらに上の上司、もしくは人事部に伝えても問題ありません。
直属の上司とは多少関係が悪くなってしまうかもしれませんが、辞めるためにはやむを得ないことです。
役職が上の人や人事部であれば、退職にまつわる法律も理解している可能性が高く、不当な対応はせずに退職の手続きを進めてくれるでしょう。
③退職願ではなく退職届を提出する
退職願と退職届の違い
- 退職願:労働者から会社に対して「辞めさせてほしい」とのお願いの意思を表示するための書面。会社が承諾しなければ、退職の効果が生じない
- 退職届:労働者の「辞めます」との一方的な意思を表示する書面。会社の承諾を前提としておらず、会社に到達した時点で退職が成立する
どちらかといえば、退職願を受理してもらって退職が成立した方が円満な辞め方といえます。しかし、退職希望を聞き入れてもらえない場合は、一方的に退職を成立させられる退職届を提出した方が良いでしょう。
ただ、用意した退職届も受け取ってもらえないことがあります。その場合、内容証明郵便に配達証明をつけて送付すれば、会社に退職届が到達したことを証明できます。
内容証明郵便とは
いつ、どのような内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度
「退職届」や「退職願」に法律上の定めはありません。そのため、労働者が退職の意思を示すことができれば、名称は何であっても構いません。
ただ、一般的に退職届は一方的な退職意思表示、退職願は会社への退職許可を求める際に使用されています。
こちらの記事では、退職届の「転職理由」の欄の書き方を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
転職理由の10例文|面接官を納得させて好印象を掴む伝え方を解説
④退職代行サービスを利用する
退職代行サービスとは
労働者本人に代わって、弁護士や代行業者が会社に退職の意思を伝えるサービス
どうしても自分では会社に退職を認めさせることができない場合は、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行業者であれば、感情的にならずに交渉を進められ、強引な引き留めも回避できます。
当然ながら料金は発生し、相場は2〜5万です。業者によって価格もサービス内容も異なるため、利用する際は複数の代行業者を比較したうえで決めましょう。
個人的には、退職を申し出ても掛け合ってもらえないケースや不利益を被る可能性がある場合を除き、退職代行サービスはおすすめできません。
退職の手続き、会社を辞めるにあたっての対応なども自分の経験につながります。嫌なことでも、なるべく自分自身で向き合ったうえで退職代行を検討しましょう。
会社から辞めさせないための違法な行為を受けたら?
万一、会社から引き留めるために違法な行為を受けた場合は、自分一人で解決しようとせず、適切な窓口に相談することをおすすめします。自分はまったく悪いことはしていないとしても、大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
収拾がつかなくなる前に、これから紹介する窓口に相談することを検討してください。
退職を希望する社員に対し、会社が退職を拒否することはできません。まずそれをしっかり理解しましょう。
退職させないために会社が何かをすることは、違法の可能性が高いです。しかるべき相談窓口に、問い合わせましょう。
労働基準監督署に相談する
労働基準監督署とは
通称「労基」。厚生労働省管轄の機関で、労働条件や安全衛生の改善や指導・労災保険の給付などを担う
社内であらゆる手を尽くしたけれど退職を認めてもらえないときは、労働基準監督署への相談も選択肢の一つです。
労働基準監督署は、労働者が仕事に関するトラブルで悩んでいる際の窓口としての役割も担っています。直接会社への訪問や指導・勧告をおこなってくれるケースは稀ですが、退職させてくれなくて困っていると相談すれば、助言をもらうことができます。
弁護士に相談する
上司や担当者からもっともらしい理由で損害賠償や違約金を請求された場合、自分一人で毅然と対応するのは難しいでしょう。この場合、法律の専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。特に、労働問題の解決実績が豊富な弁護士が適切です。
脅された場合だけでなく、未払いの給与や残業代を請求するときや、離職票などの必要書類を求める際も、弁護士を通して交渉すればスムーズに進めやすいです。
費用はかかりますが、収拾がつかなくなってから依頼するより、早めに相談した方が不利益は最小限に留められます。電話で相談を受け付けている事務所も多いため、まずは自分の状況を共有して、料金や依頼した場合の退職の進め方などを聞いてみましょう。
会社を辞めさせてくれなくてもなるべく適切な手順を踏んで退職を成立させよう
会社の行為が不当だからといって、無断で欠勤したり会社からの連絡を無視するなど、無理やりな辞め方をすると、大きなトラブルに発展して後々自分が損をするリスクもあります。感情的にならず、冷静に対応しましょう。
記事内でも紹介した通り、退職は労働者に与えられた当然の権利で、これを侵害する行為が会社側に見られるのであれば、あなたをサポートしてくれる機関が存在します。一人で抱え込まず、近くの窓口に相談してくださいね。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る会社を辞めさせてもらえないときは3つのポイントを押さえよう
会社を辞めさせてもらえず悩んでいる人は、以下の3つのポイントを押さえて、交渉を進めてください。
①就業規則や労働基準法などを知る
就業規則の確認や労働基準法などの情報収集をしましょう。届け出があった場合、法律的にも14日間で受理しなければならないので、手順を踏めば退職は可能です。
どうしても退職を認めてくれない場合は、就業規則や法律に基づいた話し合いを進めましょう。
②退職理由や退職意思を強く持つ
退職理由が曖昧であったり、退職意思が弱い場合は、会社の説得に押し切られてしまいます。
ですが、説得されて慰留してしまうような場合は、退職するタイミングではなかったということです。正しい選択なのかを再検討してみてください。
退職理由や退職意思が明確であれば、次のステップも自信を持って進めるはずです。
③退職することは悪いことではない
退職することを悪いことだと思っていませんか。負い目を感じていると、引き留められた場合に退職しにくい状況になります。
新たな人生の選択をすることは、決して悪いことではありません。ただし、転職を選択したことを後悔しないようにするためにも、一人で考えずに「相談する」ことが重要です。より慎重に検討したうえで決断してください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
社労士/涌井社会保険労務士事務所代表
Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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