未経験からの転職は可能? プロが教える内定獲得のための4つの鉄則

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている

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  • キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表

    Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 未経験での転職は4つの鉄則を守れば内定獲得も夢じゃない!
  • 完全未経験者は「転職しやすい業界」を狙おう
  • 未経験=不利ではない! 評価されるためのコツをプロが解説

転職を考える際、「未経験だと難しいのでは?」「年齢的に厳しいかも」という不安を抱く人は少なくありません。業界や職種を変える、または両方を変えるような未経験からの転職は人生の大きな転換点となりますよね。

多くの人が「未経験での転職は不利」と考えがちですが、実は、そうとも限りません。適切な準備と戦略があれば、未経験でも十分にチャンスをつかむことができるのです。重要なのは転職市場の実態を正しく理解し、自分に合った方法で準備を進めることです。

この記事では、採用のプロフェッショナルである谷所さん、秋田さん、村谷さんの知見を交えながら、未経験転職を成功させるために押さえておきたいコツを解説します。転職市場の現状から、具体的な準備方法、さらには注意が必要なポイントまで包括的に紹介していくので、転職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

未経験からの転職は準備の質で合否が変わる!

未経験転職を成功させるためのポイントは、実は想像以上にシンプルです。記事で紹介する内容を着実に実行することで、未経験でも内定獲得の可能性は大きく広がります。

序盤は転職市場の実態、企業が未経験者に求めるもの、そして転職成功のための具体的な準備方法を解説します。さらに、年齢や給与などの現実的な課題については、対策も伝授するのでしっかりとチェックしていきましょう。プロの視点から見た未経験転職成功のための戦略を、自分の就活に取り入れてみてください。

採用担当者の視点から見た未経験転職の実態を知ることで、より効果的な転職活動が可能になるはずです。転職市場で自分の価値を最大限にアピールし、未経験からでも理想の転職を実現したい人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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転職市場の「未経験者」には3つのタイプがある

転職市場の「未経験者」には3つのタイプがある

  • 完全未経験:業界も職種も異なる領域から転職する
  • 職種未経験:違う職種から転職する
  • 業界未経験:違う業界から転職する

転職を考える際、「未経験」という言葉に不安を感じる人は多いものです。熱意はあっても未経験であることを理由に選考に落ちたり、入社後の仕事についていけなかったりしないかと不安を感じてしまうのもよくわかります。

しかし、実際の転職市場における未経験は、決して一様ではなく、その状況や経験によって大きく3つのタイプに分類されます。そして、それぞれのタイプによって、転職活動のアプローチや成功の可能性も異なってくるのです。

この章では、転職市場における「未経験者」の実態と各タイプの特徴を詳しく解説していきます。転職市場の未経験者の3つのタイプの中から、自分がどのタイプに当てはまるのかを考えてみてくださいね。

①完全未経験:業界も職種も異なる領域から転職する

業界も職種も異なる領域から転職する完全未経験での転職では、業界知識はもちろん、職務に必要なスキルや専門知識も一から習得する必要があります。

たとえば、アパレル販売員からITエンジニアへの転職や、飲食店スタッフから人事職への転職などが該当します。

しかし、完全未経験だからこそ、これまでの経験が逆に強みになることもあるのです。たとえば接客業での経験は、どの業界でも求められるコミュニケーション能力を身に付けている証になります。また、異なる視点や発想を持ち込めるため、その企業で新しい価値を生み出せる可能性を持っていることも完全未経験での転職の強みです。

完全未経験の場合、研修などで入社後に業務の基本を教えてもらえることがほとんどですが、入社前から独学やスクール通学での技術習得、競合調査などの準備を積むことで、熱意を見せることができます。また、なぜ、その業界・職種を選んだのか、自身の強みをどう活かせるのかを明確に説明できるようにしておきましょう。

②職種未経験:違う職種から転職する

同じ業界内で職種のみを変える、職種未経験での転職もあります。たとえば、IT企業での営業職からプロジェクトマネージャーへの転換や、メーカーでの製造職から品質管理職への転換などです。

このタイプの強みは、業界知識やビジネスモデルをすでに理解していることです。取引先との関係性や、業界特有の課題なども把握していることから、新しい職種への適応が完全未経験者よりもスムーズになりやすいと言えます

また、社内転職の場合は、特に有利です。すでに社内の文化や仕事の進め方を理解していることに加え、これまでの業務で築いた人脈も活用できます。社内公募制度がある企業なら、他の企業への転職へと動き出す前に、まずは一度活用を考えてみましょう。

ただし、職種未経験でも必要なスキルの習得は避けては通れません。業務時間外での学習や、資格取得への挑戦が求められることもあります。

③業界未経験:違う業界から転職する

業界は異なるものの同じ職種での転職は、汎用的なスキルを活かせる可能性が高いケースです。たとえば、アパレル業界の経理職から、IT企業の経理職への転職や、食品メーカーの人事担当から、コンサルティング企業の人事職への転職などが該当します。

業界未経験での転職の良さは、これまでの職務経験をそのまま強みとして活かせることです。会計知識や人事制度の理解など、業界を問わず求められるスキルを持っていれば、大きなアドバンテージとなります。また、業界特有の専門知識であっても高度なスキルを意欲的に学び続ける姿勢そのものを評価されることもあります。

ただし、業界特有の商習慣や規制、市場動向などについては、入念な研究が欠かせません。たとえば、BtoB企業からBtoC企業への転職では、ビジネスモデルの違いを理解することで、スムーズに転職を進められます。また、業界特有の専門用語やシステム、法規制なども学んでおきましょう。

アドバイザーコメント

中途採用では即戦力を求める企業が多く未経験の場合は難易度が高い

3つのタイプの中で、業界も職種も異なる領域からの転職が一番難しいでしょう。中途採用は短期間で戦力になることを求めており、業界・職種が異なる領域からの転職は、戦力になるまで時間がかかると考えられるため、難易度が高いと言えます。

ただし、完全未経験でも第二新卒であれば、新卒採用の補填として自社で育成したいと考える企業がありますし、人材が不足している企業は、完全未経験でも採用するケースがあります。

未経験の仕事に挑戦する前向きな理由+戦力になれるポイントを伝えよう
攻略のポイントは、なぜ未経験の仕事に転職したいのかという前向きな理由を伝えたうえで、これまでの経験で身に付けた汎用性のあるスキル、応募職種に関連する自己研鑽、業界に関連する知識を伝えて戦力になれることをアピールしましょう。

次に難易度が高いのは、同じ業界で違う職種への転職です。完全未経験と同様、職種が未経験であれば、スキルや知識を習得して戦力になるまで一定の時間がかかると考えられます。業界経験を強みとして、短期間で戦力になれることをアピールしましょう。

難易度が最も低いのは、職種の経験があるが業界未経験の転職です。企業は、経験してきた職務能力が評価できれば、異なる業界でも経験を積みながら、即戦力になる人材だと考えます。

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就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

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転職で企業が未経験者を採用する3つの理由とは

転職で企業が未経験者を採用する3つの理由とは

  • 新しい視点や考え方が欲しいから
  • 人手不足を解消したいから
  • 自社の人材に育てやすいから

求人情報では「経験者優遇」の文字をよく目にしますが、実際には未経験者の採用に積極的な企業が増えています。特に近年は、業界・企業規模を問わず、未経験者の可能性に注目が集まっているのです。

その背景には、従来の即戦力重視の考え方から、将来性や多様性を重視する採用戦略への転換があります。また、従業員の平均年齢が上がるなかで、若手人材の確保や組織の活性化を図るため、未経験者採用を積極的におこなう企業も増加していることも大きな理由です。

働き方改革や雇用形態の多様化により、キャリアチェンジを希望する人材も増加しています。経験者中心だった採用市場は、今や大きな転換期に来ているのです。

この章では、なぜ企業が未経験者を採用するのか、その具体的な理由と背景にある採用戦略の変化について詳しく解説していきます。

①新しい視点や考え方が欲しいから

他の業界で働いてきた人材は、企業に新しい視点をもたらします。長年同じ業界で働いてきた社員には気づきにくい改善点や、新しい取り組み方を提案してもらえる可能性があることは、企業から見て大きなメリットです。

たとえば、アパレル業界での接客経験者がオンラインでのアパレル事業に力を入れたいIT企業に入社したとしましょう。この場合、実際の顧客とのかかわりから得た知見や消費者の生の声をもとに、利用者目線での具体的な改善点を見出せることが、企業にとって大きな魅力となるのです。

また、顧客となるターゲット層と同じ年齢層や背景を持つ人材を求める企業もあります。トレンドの移り変わりが早い現代で、常に消費者目線に立って意見を発することのできる人材は、企業の成長につながります。多くの企業が未経験者を求める理由の一つは、まさにこの点にあるのです。

企業の募集要項にある「歓迎条件」は満たしていなくても合格できるものなのでしょうか?

秋田 拓也

プロフィール

入社後にクリアできると判断されれば合格の可能性はある

「歓迎条件」とは、業務上で企業側にとって必要な条件だと認識してください。ですが、条件を満たしていなくても合格する可能性は十分にあります。

それは、入社後に「歓迎条件」を満たしてくれそうだと評価した場合です。面接では、入社後の前向きな姿勢をアピールすると良いでしょう。

ただ、必須条件にしてしまうと応募者が少なくなると予想される場合に「歓迎条件」とすることが多く、社内的には必須条件としている場合もあるため、応募しても書類選考で不合格にされてしまうケースがあることも認識しておいてください。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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②人手不足を解消したいから

日本の労働市場では、多くの業界で人材が不足しています。特に介護業界、建設業界などでは、人手不足が深刻化し、事業の拡大を妨げる要因となっています。また、近年DXを推進する企業が増えた背景から、IT人材の需要が高まり、IT業界でも人手不足が嘆かれるようになりました。

この状況に対応するため、企業は採用の基準や方法を見直し、未経験者も積極的に採用するようになっているのです。たとえばIT企業では、プログラミングスクールと協力して未経験者の採用を進めています。介護業界でも、手厚い資格取得支援制度を用意し、他の業界からの転職者を積極的に受け入れる施設が増えています。

また、注目すべきは、企業のデジタル化が進むことで、動画クリエイターやAI(人工知能)エンジニアなど新しい職種が生まれていることです。これらの職種は経験者自体が少ないことから、企業は未経験者の採用と育成に力を入れています。

③自社の人材に育てやすいから

未経験者採用には、企業独自の文化やノウハウを一から教育できるという大きなメリットがあります。経験者が持つ「これまでのやり方」という既成概念にとらわれることなく、その企業にとって最適な人材を育成できるからです

近年は、未経験者の人材育成を支援するための体制も充実してきました。オンラインでの学習システムや、段階的に知識やスキルを習得できる研修プログラムなど、未経験者の成長をサポートする仕組みが整備されてきています。

また、未経験者の指導を通じて、教える側の社員も成長するという相乗効果も生まれます。知識やノウハウを整理し、わかりやすく伝える経験が、組織全体の成長につながっているのです。

そもそも転職をするにあたってわからないことが多いという人は、こちらの記事で網羅的に対策や準備について学んでおきましょう。

転職のタイミング
転職に迷うときは? 後悔しない決断のコツをキャリアのプロが解説

転職のためにやるべきこと
転職したいけどスキルがない! 今からやるべきことや注意点を徹底解説

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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転職市場のリアルを解説! 未経験だとやっぱり不利?

未経験での転職に不安を感じている人は多いものの、実際の採用市場ではどのような評価をされているのか、具体的な状況を知らない人もいるのではないでしょうか。

昨今の人材不足を背景に、未経験者の採用に積極的な企業が増えているとも言われていますが、実際のところはどうなのかが気になりますよね。特に完全未経験者が転職を成功させるためには何をどう準備すべきなのか。未経験者に対する企業の本音を谷所さんに詳しく話を聞きました。

アドバイザーコメント

過去の業務経験と関連した志望理由を伝えると納得感のある内容になる

未経験者の採用は、経験者にはない新しい視点や考え方を持つ人材を採用したい、経験者の採用が難しいため未経験者を育成したいといった企業の意図があります。そして多くの企業が、未経験者であっても短期間で戦力になることを求めています。

未経験の仕事に転職するためには、なぜ未経験の仕事がやりたいのか、汎用性のあるスキルや経験は何か、どういった能力を発揮していきたいかについて、整理をしてアピールすることが大切です。

未経験の仕事に携わりたい理由は、前職が嫌だからという理由ではなく、「前職で関連する仕事をおこない適性や興味を持った」など、これまでの経験と関連させると採用担当者が納得する内容になります。

未経験の転職の成功には前向きな姿勢と適応力のアピールが重要
また、汎用性のあるスキルや経験に加えて、未経験の仕事に関連するスキルや知識を自己研鑽していることで、短期間で戦力になる人材だとアピールできます。同業界からの転職であれば、業界知識をアピールできますし、同じ職種で異なる業界であれば、職務能力がアピール材料になるでしょう。

未経験の仕事の転職は、自ら積極的に業務知識などを習得していく姿勢と、新たな仕事への適応力が求められます。未経験の職種や業界についてリサーチをして、やりたい仕事を実現したいという思いで転職をすることが大切です。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

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参考にしよう! 未経験でも転職しやすい職種って?

参考にしよう! 未経験でも転職しやすい職種って?

  • 人手不足で採用が多い職種
  • 未経験でもスタートしやすい職種
  • これから成長が期待できる職種

転職市場では「未経験可」の求人が増えていますが、その中身は職種によって大きく違います。入社後の学び方一つを取っても、研修制度が充実していて基礎から学べる職種もあれば、実務をこなしながら覚えていく職種もあります。中には、資格取得の支援制度があり、働きながら必要な資格を取得できる職種もあるのです。

では具体的に、どのような職種が未経験からチャレンジしやすいのでしょうか。この章では、「人手不足で採用が多い職種」「未経験でもスタートしやすい職種」「これから成長が期待できる職種」という3つの観点から、詳しく解説していきます。

自分に合った職種選びのヒントとして、参考にしてください。

人手不足で採用が多い職種

現在、多くの企業が人材確保に悩んでいるなか、未経験者にも門戸を広げている職種があります。

代表的な例が、ITエンジニアです。システム開発やWebサービスの需要が高まる一方で、経験者の数は限られています。そのため、プログラミングスクールでの学習経験があれば、未経験でも採用される可能性が高まっています。

未経験者の受け入れが活発な職種として、従来から注目を集めているのが介護職です。慢性的な人手不足が続いており、働きながら資格を取得できる支援制度を設ける施設も多く、異業種からの転職者を積極的に受け入れています。

同様に、未経験者の採用に積極的な職種が営業職です。IT業界やメーカーでは、商品知識は入社後に習得できるという考えのもと、コミュニケーション能力や学習意欲を重視した採用をおこなっています。営業のスキルは汎用性があるので、業界問わず転職市場での価値を高めたい人にもおすすめです。

未経験でIT業界への転職を目指している人は、こちらの記事で転職事情を押さえておきましょう。

IT業界への転職
未経験からIT業界の転職で役立つ5つの実情|企業選びのコツも紹介

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未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方

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未経験でもスタートしやすい職種

業務の基本を段階的に学べる職種では、未経験者でも確実にスキルアップを図ることができます。

そのような職種の代表として、まず事務職が挙げられます。基本的なPC操作スキルがあれば、文書作成や資料管理、データ入力といった基本業務から始めて、徐々に専門的な業務へとステップアップしていけるからです。特に一般事務や営業事務は、業務の流れが体系化されており、未経験者でも着実に成長できる環境が整っています

カスタマーサポート職も、未経験者が挑戦しやすい職種の一つです。多くの企業が充実した研修プログラムを用意しており、対応手順やコミュニケーションスキルを基礎から学ぶことができます。また、ここで身に付ける電話応対やクレーム対応のスキルは、どの業界でも通用する普遍的な能力となります。

さらに、Webディレクターという選択肢もおすすめです。技術的なスキルがなくても、プロジェクトの進行管理や関係者との調整といった基本的な業務からスタートし、徐々にデジタルマーケティングなどの専門知識を習得していくことができます。

未経験でもスタートしやすい職種の中で、特におすすめのものはありますか?

村谷 洋子

プロフィール

IT業界は自己学習もしやすく需要も高いため挑戦しやすい

IT技術職・プログラミングは、専門的な知識や技能が必要ですが、現在はWebなどで気軽に自己学習できるため、興味があれば挑戦しやすい分野です。

また、IT業界は人材の需要が高く、未経験者向けの求人も豊富で、キャリアアップできる可能性があります。他にも、営業職、接客業、飲食・販売業などがおすすめです。

営業職は、業界未経験からでも採用されやすい傾向があり、業務知識は、入社後に身に付けることが可能です。小売業も、特殊な能力や資格がなくても就職しやすく、品出しなどの簡単な業務から始められます。

飲食業などの接客職も、未経験者歓迎の求人が多く、人柄とやる気を重視される傾向があるため、コミュニケーション能力のある人に向いています。

Webディレクターと同様デザイン系の仕事も未経験者を募集していることがあるので、どんな仕事があるのか見ておきましょう。

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これから成長が期待できる職種

デジタル化が加速する現代では、新しい職種が次々と生まれています。例として挙げられるのが、データアナリストです。企業活動のあらゆる場面でデータの活用が求められるなか、分析のスペシャリストへのニーズは年々高まっています

また、企業のデジタル化を推進するDX専門職も、今後の成長が期待される職種と考えられます。しかし、業務プロセスの見直しやデジタル化の推進といった役割は、必ずしもITの技術経験を必要としません。むしろ、業務改善の視点や組織をまとめるマネジメント力など、ビジネスパーソンとしての基本的なスキルを活かせる分野です。

さらに、人事分野でも新たな専門職が生まれています。働き方改革の推進や人材育成の重要性が高まるなか、採用戦略の立案や従業員のキャリア開発支援など、より専門性の高い職務が求められるようになってきました。

これらの職種では、必ずしも人事実務の経験は問われないため、これまでのビジネス経験を活かしながら、新しいキャリアを築いていける分野として大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。

谷所 健一郎

プロフィール

縮小傾向にある業界を4つ紹介します。

まず、銀行業界では、銀行窓口業務がネットバンキングやATMの普及により、縮小傾向です。

また製造業界は、ロボットなどの自動化で人員が削減されていく可能性がありますし、テレビ業界はインターネットの動画配信サービスの普及により縮小が予想されます。

そして、店舗の販売職は、無人店舗やECサイトの転換により減少していくでしょう。

これからの社会を生き抜いていくなかで、なくならない仕事の特徴を押さえることが重要です。記事を参考に長く働ける仕事を探しましょう。

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未経験の業界・職種への転職を成功させる4つの鉄則

未経験の業界・職種への転職を成功させる4つの鉄則

  • 条件に優先順位をつける
  • 企業や業界のリサーチを徹底的におこなう
  • 転職理由をポジティブな言葉に言い換える
  • 転職後のキャリアビジョンを具体化する

未経験での転職を成功させるためには、綿密な準備と戦略的なアプローチが欠かせません。しかし、何から始めれば良いのか、どのような点に気をつければ良いのか、迷う人も多いのではないでしょうか。

特に近年は、企業の採用基準や選考方法も多様化しています。従来の職歴や学歴重視の採用から、ポテンシャルや意欲を重視する採用へとシフトする企業が増えており、未経験者にとってのチャンスは確実に広がっています。その一方で、ライバルが多いからこそ企業へのアプローチの仕方も、より戦略的に考える必要が出てきました。

ここでは、多くの転職成功者に共通する4つの鉄則を紹介します。これらは、未経験という立場を強みに変え、新たなキャリアを築くための具体的な指針となるはずです。ぜひ、転職活動を始める前のチェックポイントとして活用してください。

①条件に優先順位をつける

ケース最優先する条件妥協できる条件
学びを重視するケース1年間の研修制度がある
先輩社員による個別指導がある
資格取得の支援制度がある
給与(現状より3割ダウンまで)
通勤時間(片道90分まで)
生活リズムを重視するケース土日祝日が確実に休める
残業が月20時間以内
有給休暇が取りやすい
給与(現状より2割ダウンまで)
職場の規模や知名度
将来性を重視するケース3年後の年収がイメージできる
昇進・昇格の条件が明確
業界の市場規模が拡大している
初任給(当面の給与ダウン)
勤務地(転勤の可能性あり)
優先順位の例

転職活動では、給与、勤務地、雇用形態、福利厚生など、さまざまな条件を考慮する必要があります。特に未経験の場合、すべての条件を満たす求人を見つけることは難しいと考えられます。

そこで大切なのが、自分にとって譲れない条件と、ある程度妥協できる条件を明確に分けることです。たとえば、通勤時間を重視するなら給与面での譲歩を検討したり、逆に将来的な収入アップを重視するなら、当面は少し遠い勤務地でも受け入れたりするなど、優先順位に基づいた判断が必要です。

また、未経験者の場合、最初から理想的な条件を求めるのではなく、キャリアアップの可能性を重視することも賢明と言えます。教育制度の充実度や、スキルアップの機会の有無なども、重要な判断材料となります

秋田 拓也

プロフィール

条件などの数字にこだわることは、非常にリスクが高いです。給与や休日の数字は部署によって異なる条件を平準化して公開しているケースが多いので、自分の優先順位が高い条件をどれだけ満たしているかが重要です。

②企業や業界のリサーチを徹底的におこなう

志望する業界や企業について、深い理解を持つことは、未経験転職の成功に不可欠です。表面的な情報だけでなく、業界特有の課題や最新のトレンド、将来性についても把握しておく必要があります

具体的なリサーチ方法としては、業界専門メディアの定期的なチェック、企業の決算資料や事業計画の確認、さらには業界セミナーやイベントへの参加なども効果的です。また、可能であれば、その業界で働く知人から話を聞くことも、実態を理解するうえで役立ちます。

このような詳細なリサーチは、面接での質疑応答に活かせるだけでなく、自身のキャリアプランを具体化するうえでも重要な情報となります。業界への理解が深まることで、自分の強みをどう活かせるかも見えてきますよ。

間違った業界や企業の絞り方は、就活失敗となったり、入社後に後悔することになったりしかねません。リサーチに悩んでいる人は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

業界研究
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説

企業研究
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ

③転職理由をポジティブな言葉に言い換える

未経験の業界や職種に挑戦する理由を、前向きな表現で説明できることは、採用面接での重要なポイントとなります。単に「今の仕事に不満があるから」「自分に合う仕事じゃないから」という消極的な理由ではなく、新しいキャリアへの意欲や展望を示すことが大切です。

たとえば、「前職での経験を活かしながら、新しい分野でスキルを磨きたい」「成長市場で自身のキャリアを築きたい」といった、具体的かつ建設的な説明を準備しましょう。また、なぜ、その業界・職種を選んだのか、どのような価値を提供できると考えているのかについても、説得力のある説明ができるよう整理しておく必要があります

言い換えの方法がわからない人は、次の言い回しを覚えておくことをおすすめします。

言い換えの例

  • 「残業が多くてつらい」→「ワークライフバランスを大切にしながら、より専門性を高められる環境を探しています」
  • 「給料が安い」→「今後の市場価値を高めるため、成長産業(〇〇業界)でスキルを磨いていきたいと考えています」
  • 「人間関係が合わない」→「より多様な価値観に触れ、視野を広げられる環境で働きたいと思います」
  • 「やりがいが感じられない」→「自分の強みをより活かせる分野で、企業に新たな価値を提供していきたいと考えています」
  • 「会社の将来性に不安がある」→「市場の成長性が高く、自身のキャリアを長期的に築ける業界で挑戦したいと思います」
  • 「スキルアップの機会が少ない」→「新しい技術やトレンドを積極的に学べる環境で、専門性を高めていきたいと思います」
転職理由をポジティブな言葉に言い換えることは嘘にはならないのでしょうか?

谷所 健一郎

プロフィール

伝え方を変えているだけで根本的な理由は同じため問題ない

ポジティブな表現は、伝え方が異なるだけで根本的な理由は同じです。自己都合であれば、自分の考え方や捉え方なので、ポジティブな言葉に言い換えることは嘘にはなりません。

業績不振などの会社都合は、事実を伝えたうえで、このことをきっかけに実現したいと考え始めたことまで伝えると良いでしょう。

採用担当者は、転職理由が会社の不満などネガティブな内容だと自社でも同様の問題が起きないかと考えます。応募企業で実現できるポジティブな転職理由を伝えましょう。

④転職後のキャリアビジョンを具体化する

未経験からの転職は、「今」だけでなく「これから」を見すえた明確なビジョンを持つことが、成功への重要な鍵となります。

まずは3年後、5年後の具体的な目標を描いてみましょう。たとえば、「最初の1年で業界の基礎知識と実務スキルを習得し、3年後には幹部メンバーとして活躍している」といったように、段階的な成長イメージを持つことが大切です。そのうえで、目標達成に必要な資格取得や、身に付けるべきスキルについても、具体的な習得計画を立てていきましょう。

このように明確なキャリアビジョンを持つことは、面接でも大きな強みとなります。「なぜ、この業界なのか」「この仕事を通じて何を実現したいのか」といった質問に対して具体的な展望を示せることは、採用担当者の心を動かすはずです

また、入社後のギャップを防ぐためにも、自身の将来像を具体的に描いておくことは非常に重要です。企業側から見ても、あなたの成長への意欲と覚悟を感じる大きなアピールポイントとなります。

​​難しく考えてしまいがちなキャリア形成ですが、実は4ステップで簡単に考える方法があります。キャリア形成で悩んでいる学生は、次の記事も読んでおきましょう。

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未経験だからこそ慎重に! 転職先を選ぶ前の準備

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  • 過去3年間の離職率を調べる
  • 社長・社員のインタビューや広報の記事を確認する
  • 残業時間や有給消化率をチェックする
  • 口コミサイトで企業の評価を見る

せっかく新しいキャリアをスタートさせるのであれば、自分らしく長く活躍できる環境を選びたいものです。

繰り返しになりますが、近年の転職市場では、企業の採用や働き方に大きな変化が起きています。リモートワークの導入や副業の解禁、通年採用の実施など、従来では考えられなかった柔軟な制度を積極的に取り入れる企業が増えています。

その一方で、まだこうした変化に対応できていない企業も存在するのもたしかです。そのため、求人情報だけを見ても、その企業の本当の姿を理解することは難しくなっているのです。

そこで企業が公開している情報はもちろん、SNSでの発信内容や社員の声、さらには口コミ情報まで、できる限り多くの情報を集めて総合的に評価することが求められます。ここでは、転職先を選ぶ際に必ず確認したい4つのポイントについて詳しく解説していきます。

過去3年間の離職率を調べる

企業選びにおいて、離職率は組織の健全性を映し出す重要な指標となります。特に未経験者の採用に積極的な企業を検討する際は、この数値に注目する必要があります。

一般的に、離職率の高い企業では、教育体制の不備や過度な業務負担、職場の人間関係の硬直化といった課題を抱えていることが少なくありません。一方、低い離職率を維持している企業では、計画的な人材育成や働きやすい職場環境の整備に力を入れている傾向が見られます。

ただし、成長フェーズにある企業では、事業拡大にともなって一時的に離職率が上昇する可能性もあります。そのため、数値だけでなく、企業の成長ステージや今後の事業展開なども含めて総合的に評価することが大切です。

社長・社員のインタビューや広報の記事を確認する

企業の本質を知るうえで、社長や社員のインタビュー記事は非常に価値のある情報源です。近年は企業の公式note、Wantedly、各種SNSなど、さまざまな媒体で社員の率直な声や企業の成長ストーリーに触れることができるので、チェックしておきましょう

社長のインタビューからは、経営の軸となる考え方や将来の構想を、企業の公式noteでは、新規事業への挑戦や社内制度の変革など、組織の生きた営みを知ることができます。また、Wantedlyなどの採用プラットフォームでは、実際に働く社員のリアルな姿や成長の軌跡が描かれています。

注目したいのは、未経験からキャリアをスタートした社員の体験談です。どのような研修制度があり、どのようなサポートを受けながら成長できたのか、また、どんな壁にぶつかり、それをどう乗り越えたのかが書かれています。こうした具体的なストーリーは、自身の未来を思い描くうえで貴重な情報となるはずです。さらに、企業の日常的なSNS投稿からは、組織の雰囲気や文化を自然な形で感じ取ることができます。

残業時間や有給消化率をチェックする

働き方改革が進むなか、残業時間や有給休暇の取得状況は、企業の労働環境を示す重要な指標となっています。特に未経験者の場合、業務習得のための時間も必要となるため、生活とのバランスを保ちやすい環境かどうかの確認は欠かせません。

多くの企業は、採用サイトや求人票で月平均残業時間や有給休暇の取得率を公表しています。しかし、より実態に近い情報を得るためには、社員への質問が有効です。たとえば繁忙期の残業状況、育児休暇の取得のしやすさ、研修期間中のサポート体制などを具体的に確認することで、より正確な労働環境が見えてきます。

また近年は、フレックスタイム制度やリモートワークの導入も進んでいます。特に未経験者の場合、業務に慣れるまでの時間的余裕があることは、スキルアップの面でも大きなメリットです。柔軟な働き方が可能な環境かどうかも、企業選びの重要な判断材料となります。

村谷 洋子

プロフィール

残業時間や有休消化率については、面接時に直接質問することが最も効果的です。

そのほか、企業ホームページ(HP)や厚生労働省の「しょくばらぼ」などのウェブサイトで情報が公開されているケースもあります。また、企業説明会などでも確認できる可能性があるでしょう。

口コミサイトで企業の評価を見る

口コミサイトは、企業の実態を把握するための貴重な情報源です。未経験者の受け入れ体制や教育制度の実態、職場の雰囲気といった、公式情報だけではわかりにくい部分を知ることができます。

ただし、口コミ情報を見る際は、いくつかの注意点があります。まず、投稿時期に注目しましょう。古い情報は現在の状況と異なる可能性があります。また、特定の部署や職種に偏った評価なのか、会社全体の傾向なのかを見極めることも大切です。

そして、ネガティブな評価とポジティブな評価の両方に目を通すことで、より立体的な企業像が見えてきます。最近では、年齢層や経験年数など口コミ投稿者の属性もわかりやすく表示されているため、より自分に近い立場の投稿者の評価を探してみましょう

未経験でも評価される! 就活のプロが明かす転職のコツ

転職市場では経験者優遇が一般的と思われがちですが、実は未経験者だからこそ高く評価されるポイントも存在します。しかし、具体的にどのような要素が評価されるのか、詳しく知らない人が大半ではないでしょうか

実際の選考では何が重視されているのか、就活のプロである秋田さんに未経験者が押さえておくべき転職のコツを聞きました。

アドバイザーコメント

職務経歴書の内容を具体的に書くことで書類選考の通過率を高められる

未経験の仕事に応募する場合にハードルとなるのが「書類選考」です。「未経験者歓迎」となっていても現実的には、経験者を求めているので書類選考を通過することは難しいと言えます。

ですが、未経験者であっても「書類選考」を通過することはあります。ポイントになるのが「一度会って話をしてみたい」と採用担当者に思わせることです。そのために重要なのが「職務経歴書」になります。「職務経歴書」の内容で最も重要なのは、それまでに得てきた職務経験の内容です。

簡潔に書く人も多いのですが、できるだけ具体的に書いてください。できることを多くアピールすることで、活躍できそうな一面があれば面接に進める可能性は高まります。

面接では仕事への意欲や入社後のビジョンなどをアピールすることが大切
また、面接でポイントとなるのは、入社後に努力して条件を満たす人材になってくれそうかどうかです。

面接での志望理由について「給与や休日などの条件が良かった」ということより「未経験だがとても仕事に興味がある」や「入社後のビジョンを持っている」など、意欲的な面をアピールできると良いですね。面接は「人物重視」であることが多いので、自信を持って自分を売り込んでいきましょう。

未経験での転職は3つの落とし穴にも注意しよう

未経験での転職は3つの落とし穴にも注意しよう

  • 最初は給料が低いことが多い
  • 35歳以上は応募できない企業もある
  • ブラック企業が紛れているケースがある

未経験での転職には注意すべき点もあります。多くの求人情報やメディアでは、未経験転職の成功事例や魅力が語られがちですが、実際にはいくつかの課題も存在します。たとえば収入面の一時的な低下や、年齢による制限、さらには働く環境に関する懸念事項などです。

こうしたリスクは、事前に把握して対策を講じることで、ある程度回避できます。また、これらの課題を理解しておくことで、より現実的な転職計画を立てられるのです。安定した転職を実現するためには、プラスの面だけでなく、起こりうる問題についても十分な知識を持っておくことが必要です。

ここでは、未経験転職で特に注意すべき3つのポイントについて、具体的な対処法を含めて詳しく解説していきます。

①最初は給料が低いことが多い

未経験での転職では多くの場合、前職よりも給与水準が下がることを想定しておく必要があります。これは、新しい分野での経験がないため、「初心者」として扱われることが主な理由です。

給与ダウンの幅は職種や業界によって異なりますが、20%から30%程度下がるケースも少なくありません。特に、管理職やマネジメント経験者が未経験職種に転向する場合、この差が大きくなる傾向にあります。

ただし、これは永続的なものではありません。多くの企業では、スキルや経験を積むにつれて段階的に給与が上がる仕組みを設けています。1年から3年程度で前職と同等の水準に追いつくケースもあるので、長期的なキャリアプランの中で検討することが大切です

谷所 健一郎

プロフィール

未経験の仕事は、最初は契約社員として雇用されて、経験を積むことで正社員として登用されるケースがあります。正社員を希望する場合は、正社員登用の条件や契約社員から正社員になった人数などを確認しておきましょう。

こちらの記事では、年収が下がっても価値がある転職についてキャリアコンサルタントが解説しています。転職での企業選びに役立ててくださいね。

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②35歳以上は応募できない企業もある

転職市場では、未経験者の採用において年齢制限を設ける企業が存在します。特に35歳以上の場合、応募資格から外れてしまうケースがあります。

このような制限が設けられる背景にあるのが、給与体系や教育制度の問題です。多くの企業では、若手向けの研修プログラムや給与体系を基準に未経験者の受け入れを想定しているため、一定年齢以上の応募者に対応できない場合があるのです。

しかし、すべての企業がこうした制限を設けているわけではありません。特に専門性の高い職種や、これまでのビジネス経験を活かせる職種では、年齢にとらわれず実力や意欲を重視する企業も増えています。重要なのは、応募前に年齢制限の有無を確認し、可能性のある企業を見極めることです。

記載されている年齢制限を超えてしまっているのですが、応募はしないほうが良いでしょうか?

村谷 洋子

プロフィール

多くの企業は年齢より能力などを重視するため挑戦してみよう

年齢要件をマスト要件としている企業もありますが、大幅に超えない場合はチャレンジする価値があります。高い能力と適性があれば、企業によっては年齢を超える候補者を採用するケースもあります。

応募する際は、「年齢は超えておりますが、ぜひ一度お目通しいただければ幸いです」といった一言を添えると良いでしょう。

多くの企業は、年齢よりも候補者の能力・経験・熱意を重視する傾向にあります。自己PRや経歴書で、その企業に貢献できるあなた独自の価値を明確に示すことが重要です。

③ブラック企業が紛れているケースがある

未経験者を積極的に採用する求人の中には、残念ながら労働環境に問題のある企業が含まれていることがあります。「未経験歓迎」「学歴不問」「即戦力募集」などの魅力的な文言で募集をかけているものの、実際には長時間労働や過度なノルマ設定が常態化しているケースもあります。

こうした企業の見極め方として、次のようなポイントに注目しましょう。

ブラック企業の可能性が高い求人の例

  • 求人の頻度が異常に高い
  • 給与や労働時間の記載があいまい
  • 研修制度や教育体制の説明が具体的ではない
  • 口コミサイトでの評価が極端に低いか、情報が少ない

リスクを避けるため、企業研究は慎重におこないましょう。内定承諾の直前まで、労働条件をよく吟味することが大切です。可能であれば、その企業で働く社員の声を聞いたり、企業の財務状況や成長性を確認したりすることをおすすめします

秋田 拓也

プロフィール

上記のほかブラック企業の可能性がある求人の特徴は、みなし残業代が給与に含まれているケースです。そういったケースでは、残業時間があいまいなことがあります。

賞与は基本給をベースに計算されることが多く、基本給を低くして職務給などの手当で給与の金額を高く表記しているのです。

転職に困ったときは就活エージェントを活用しよう

未経験での転職活動は、思い通りに進まないことも少なくありません。「求人を見つけても応募する自信が持てない」「書類選考を通過できない」「面接でうまく自分をアピールできない」など、さまざまな壁にぶつかることがあります。そんなとき、心強い味方となるのが転職エージェントです。

転職エージェントの最大の特徴は、一人ひとりの状況に合わせた、きめ細やかなサポートを受けられることです。特に未経験転職に強いエージェントでは、業界や職種の選び方から応募書類の作成、面接対策まで、プロの視点からアドバイスを提供してくれます

また、エージェントを介することで、一般には公開されていない求人情報について知ることができるのも大きなメリットです。人材紹介会社には、企業から直接依頼される非公開求人が多数あり、その中には未経験者の受け入れに積極的な企業も含まれていることもあるのです。

エージェントに転職の動機や希望する働き方やキャリアビジョンなど、具体的な希望を伝えることで、より適切なサポートを受けられます。

未経験での転職という大きなチャレンジで悩んでいる人は、プロのサポートを活用してみてはいかがでしょうか。

対策さえすれば未経験でも転職は成功させられる!

未経験での転職は、誰もが不安を感じる大きな挑戦です。しかし、記事で紹介したように、市場では未経験者の可能性に注目が集まっており、その需要は着実に高まってきています。

転職市場にはさまざまなタイプの未経験者がいて、それぞれに適した道が開かれているのです。もちろん、給与面での一時的な調整や、年齢による制限など、注意すべき点はあります。しかし、それらは事前に把握し、対策を講じることで十分に乗り越えられる課題です。

企業研究をおこない、自身の転職理由を整理し、将来のビジョンを描く。そして、企業選びの際は、さまざまな情報をしっかりと確認する。これらの準備を着実に進めることで、転職成功の可能性は大きく高まります。

未経験でも十分な準備と強い意志があれば、自分に合った企業への転職が現実のものになるはずです。

アドバイザーコメント

過去の経験が転職先で評価される場合もあるため積極的に挑戦しよう

「未経験歓迎」の求人は、企業が新たな視点と可能性を求めている証です。他業種での経験を活かして働いてほしいという思いが込められていることも多いです。

企業側が「会社に新たな風を吹き込んでくれそう!」といった、ともに成長できる未来をイメージできることが、採用の決め手になる場合もあります。

あなたの今までの経験には、職場を超えて活きるポータブルスキルがたくさんあるはずです。事務処理能力、マルチタスク管理能力、人間関係構築力など……前職で普通に培ってきた能力が、転職先で大きく評価される可能性は十分にあります。

未経験の転職が不安な人はキャリアコンサルタントなどを活用してみよう
未経験での転職に自信がない場合は、キャリアコンサルティングで自己分析や職業理解を深めることをおすすめします。未経験という経歴を、むしろ一種のブランドととらえ、新たなキャリアづくりの一歩を踏み出しましょう。

最初は不安でも、新しい挑戦にはワクワクが待っています。これまでのキャリアの積み重ねを武器にして前に進んでいけば、きっと自分らしい未来が見つかりますよ! 応援しています!

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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