Q
大学4年生
男性
一族経営の企業が「やばい」と言われるのはなぜですか?
現在内定をもらった企業が、創業家による一族経営の会社です。事業内容や社風には魅力を感じているのですが、ネットで「一族経営 やばい」という書き込みを多く見てしまい入社をためらっています。
具体的にどのような点が「やばい」と言われる原因になるのでしょうか? 一族経営の企業に入社する場合、注意すべきことやうまくやっていくための心構えなどがあればアドバイスをお願いします。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
閉鎖的で外部の人は不当な扱いを受けるケースがある
一般的に「その世界(一族)しか知らない人」が経営層を占めがち、という問題があります。たとえば、創業家に生まれ、「将来は社長になる」という環境で育ち、そのまま後継者として社長に就任し、引退後は相談役となり、また自分の子供を後継者に据える、といったサイクルが続くと、組織は閉鎖的になりがちです。
「やばい」と言われる一族経営の企業には、残念ながらそうした閉鎖的な傾向が実際に多く見られます。典型的な悪い例としては、従業員も一族やその関係者で固めようとし、人手が必要なため外部からも採用はするものの、彼らは(身内とは異なる)低い扱いを受けがちです。
また、そうした企業が地域で力を持っている(有力企業である)場合、誰もその経営方針を指摘できなくなってしまいます。
経営基盤が安定しているために問題があっても体制が見直されることがなく、いざ経営危機など何か問題が起こった際には、外部から来た従業員に責任を押し付けたりリストラしたりして、一族だけが生き残りを図ろうとします。
これが、一般的に「やばい」と言われる一族経営の典型です。
閉鎖的でない企業もあるため一概に判断はできない
もちろん、これはあくまで悪い典型例であり、すべての一族経営がそうであるわけではありません。
私自身も事業者団体の集まりに参加することがありますが、そこでは、先祖代々続く企業であっても、血族ではなく外部から有能な人物を社長に迎え入れ、その結果、企業として大きく成功している地元企業も存在します。
したがって、一概に判断することはできません。
閉鎖的な一族経営の企業でやっていけるかは「文化に染まれるか」にかかる
もしそうした企業で働く場合、注意すべき点は、先に述べた「閉鎖性」です。もし企業が閉鎖的な体質であった場合、外部からの入社であれば扱いは良くない可能性が高いでしょう。
そうした企業でうまくやっていくには、その企業文化(色)に染まるしかなく、それを自身が許容できるかどうかが問われます。閉鎖的な組織に対し、「自分が入って改革してやる」と意気込んで入社しても、返り討ちに遭う(排除される)ケースが多いです。
しかし、それでもなお、組織に取り入って地位を築き、そこから組織を改革したいという強い思いがあるのであれば、やり方はあるかもしれません。
ただ、就職先として選ぶ場合、そもそも組織の内部に入り込むこと自体が難しい可能性も考慮すべきでしょう。
実体験からも「やばい」は大げさでないといえる
私自身、1社目がいわゆる一族経営のオーナー企業でした。実際に勤めた経験があるため、ネットなどで一族経営が「やばい」と言われる理由はよく理解できますし、実体験からしても決して大げさではないと感じています。
もちろん、すべての一族企業がそうだとは思いません。
何が「やばい」か(問題か)と申しますと、結局のところ、意思決定がオーナー一族中心に進んでしまう点です。
社員側がどれだけ意欲的に提案をしてもすぐには採用されなかったり、どうしてもオーナーの方を向いて仕事をする人が増えてしまう、そちら側に力学が働いてしまったりすることがあるかと思います。
これが、個人的には一番良くない点だと感じていました。
人を大切にするという良い点も! 自分に合うかで考えよう
ただ一方で、その一族が事業を支えているため、事業の社会的な意義はもとより、仕事そのものに対する愛情が人一倍あり、ドライ(割り切った関係)ではない点は、ある種いいところかなとも思います。
加えて、社員を大切にする会社も多い傾向があり、いわゆる終身雇用のように、安定していると捉えることもできるでしょう。
最終的には、その一族(経営陣)との考え方、評価の仕組み、働き方などが、自分にフィットするかどうかが全てだと思います。
次のQ&Aでは、一族経営の大企業で働くメリット・デメリットについてキャリアコンサルタントが解説しています。一族経営の企業を志望している人はぜひチェックしてみてください。
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