人や物の空の移動を支える航空業界。その社会貢献度の高さや憧れから航空会社を志望する人も多いでしょう。しかし、航空会社はなんとなくのイメージや憧れだけで就活をしてしまえば、就職成功が遠のくだけでなく入社後のミスマッチにつながりかねません。
人気業界の一つでもある航空会社で就職し、入社後も活躍するためには業界全体への正しい理解はもちろん、航空会社に求められる資質をいかにアピールできるかが成功のカギを握ります。
この記事ではキャリアコンサルタントの佐藤さん、瀧本さん、柴田さんとともに、航空会社の就職に必要な基本の就活対策から、ほかの志望者と差がつくアピールポイントまで解説していきます。航空会社での就職を目指している人は参考にして、高評価で突破するための就活対策をおこないましょう。
航空会社の就職は「自律力」を磨いて差をつけよう
人の命を預かり、社会のための交通事業を支える航空業界だからこそ、そこで働く人には自らを理解し自分をコントロールできる「自律力」が求められます。航空会社の就活では基本の就活対策に加え、自律力をアピールしてほかのライバルと差別化しましょう。
まずこの記事では航空会社に関する4つの基礎知識についてキャリアコンサルタントとともに詳しく解説していきます。航空会社で活躍する自分自身を具体的にイメージするためにも、正しい業界理解で就活準備を進めましょう。
業界理解をもとに、「自律力」のアピール方法と志望動機を書くときの注意点について解説します。ほかのライバルと差をつける重要なポイントとなるため、しっかり読んで実際の対策に活かしてくださいね。
航空会社といえば、ほとんどの人が一度は憧れた経験があるのではないでしょうか。そのため、航空会社は就活市場でもとても人気で就職倍率はかなり高いです。選考をくぐり抜けるにはより入念な準備と対策が必要になります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
航空会社の4つの基礎知識で就活の好スタートを切ろう
好スタートを切るための航空会社の基礎知識4つ
- 航空会社の仕事とは? かかわる場面ごとの仕事の役割を理解しよう
- 航空会社の全体像! 業界内の3つの業種を押さえよう
- 航空会社の動向とは? 業界全体の課題や使命を理解しよう
- 航空会社で働くべき? メリットとデメリットを正しく知ろう
航空会社での就職を成功させるためには、業界分析は必須です。航空会社は社会の中の交通インフラを支える企業の一つであるため、身近な職種や企業については知っている人も多いでしょう。
しかし、航空会社は人気の就職先であり、多くの人が応募するため、元々の知識だけではリサーチ不足でほかのライバルとの情報戦には勝てません。そこでまずは航空会社の基礎知識を4つに分けて解説していくため、就活の好スタートを切るための業界理解を深めましょう。
①航空会社の仕事とは? かかわる場面ごとの仕事の役割を理解しよう
航空会社の仕事
- 運航にかかわる航空会社の仕事
- 運航業務以外にかかわる航空会社の仕事
人や物の空の移動にかかわる航空業界の仕事は、飛行機の運航にかかわる仕事と運航業務以外の仕事の大きく2つに分けられます。
航空会社への就職を目指している人は、ここでの航空業界の仕事から自分が航空業界のどの部分に携わりたいと思っているのかを具体的にイメージできるようにしましょう。
航空会社の業界理解が不十分だと、オペレーションリスクの誤解、企業リスクの見落とし、事業継続計画の認識不足などが生じます。
それにより、面接での不適切な回答やエントリーシート(ES)の内容が浅くなる、企業とのミスマッチが起こるといったリスクにつながってしまうのです。
運航にかかわる航空会社の仕事
職種 | 仕事内容 | 特徴・資格 |
---|---|---|
パイロット | ・乗務前の飛行計画の作成 ・航空機の操縦 ・飛行日誌の提出 | 「定期運送用操縦士」「事業用操縦士」などの資格が必要。 飛行中は常に機体の状態に気を配り、事前に立てた飛行計画と管制官からの指示に従って時間通りに運航することが求められる。 |
客室乗務員(CA) | ・乗客への接客や機内アナウンス ・乗客の安全確保 ・緊急時の誘導や保安対応 | TOEIC600点以上の英語力が求められる。 そのほかにも「サービス接遇検定」や「赤十字救急法救急員」などの資格を取得しておくと有利になる。 |
グランドスタッフ | ・出発客の搭乗手続き ・荷物の預け入れ対応 ・搭乗案内 ・到着客への対応 ・離陸時の航空機の誘導(グランドハンドリング) | 早番・遅番のシフト制。 航空機の運航スケジュールに合わせた業務のため、遅延や欠航などの不測の事態への対応が求められる。 |
管制官(国家公務員) | ・滑走路や航空機の監視 ・航空機への離着陸の許可 ・誘導 | 「航空管制官採用試験」に合格し国家公務員として働く。 業務のほとんどを英語でおこなうため、TOEIC700点以上、英検準1級以上の英語力が求められる。 |
ディスパッチャー | ・気象状況、乗客数、燃料量など運航に必要な情報のリサーチ ・パイロットとともに飛行計画を作成 | 定期便の場合でも1便ごとに飛行計画を作成する。 飛行機の運航中は24時間体制で監視をおこなうため、シフト制で勤務する。 「運航管理者」「航空無線通信士」などの国家資格が必要。 |
飛行機の運航中に活躍する主な職種は大きく分けて5つありますが、どの職種にも共通して求められているのは安全と正確さです。
航空機は空を飛ぶ乗り物であるため、判断や整備の少しの間違いが乗客・乗員の命にかかわります。
また、航空機の運航には多くの燃料費が必要となるため、効率よく乗客を移動させるためにも定刻通りに正確に業務をこなすことが必要です。
- 航空会社で国家資格が必要な職種を目指すときの就活の注意点はありますか?
パイロットは資格の有無が就職時の応募資格に影響する場合がある
パイロットを目指す人で、すでに事業用操縦免許を持っている人は注意が必要です。JALもANAも自社養成パイロットの採用では、日本をはじめとした各国の事業用操縦免許保持者は応募できません。
ときどき「海外で事業用免許を取ってラインパイロットを目指しませんか?」といった広告がありますが、資格を持っていることでかえって受験資格を失う場合があるので気をつけましょう。いずれも必要な国家資格は入社してから社内で指導を受け取得します。
また、2023 年度 JAL グループ パイロット合同採用によると、JALのライセンス保有者の採用では国内の免許保持者に限定されています。資格を取っておけば有利、と安易に考えず早めによく調べておくことが大切です。
航空会社の仕事の中でもパイロットは専門的な知識と高度な操縦技術が求められます。以下のQ&Aでは、就活生に対してパイロットになるうえでの難しさや対策法についてキャリアコンサルタントがアドバイスしているため、ぜひ参考にしてみてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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運航業務以外にかかわる航空会社の仕事
職種 | 仕事内容 | 特徴・資格 |
---|---|---|
航空整備士 | ・出発前の航空機の点検 ・格納庫での航空機の定期点検 ・エンジンなどの部品ごとの整備 | 「航空整備士」の国家資格が必要。 空港では整備や点検作業は24時間体制でおこなわれ、航空整備士の勤務も早番から夜勤などシフト制でおこなわれる。 |
航空部品製造 | ・航空機の部品製造 ・航空部品の組み立て ・製造部品やパーツの検査 | 航空機を安全に飛ばすために部品一つひとつに高い精密さが求められる。 航空機の組み立てには「電気機器組立て技能士」という国家資格が必要とされる場合がある。 大量生産をおこなう工事と比べて人の手でおこなう作業も多い。 |
コールセンター | ・会員や一般顧客への電話対応 | 入社初期の所属先として配属される場合がある。 定期便のダイヤに関する質問はもちろん、マイルに関する質問など顧客一人ひとりのニーズに合わせた受け答えが必要。欠航や遅延など緊急時には多くの問い合わせへの対応が求められる。 |
運航以外に関する主な職種は3つあります。航空整備士が勤める整備会社では、航空機の点検や修理に新たな部品が必要となるため、航空部品製造の会社が整備も合わせておこなっている場合もあります。
航空機を安全に操縦することはもちろん大切ですが、飛ばす機体が安全性に優れたものでなければならないため、航空部品の製造や機体の整備はなくてはならない仕事の一つです。
航空会社のそれぞれの業務を知るには、インターンシップに参加したり、OB・OG訪問で直接話を聞ける場所に行ってみるのが最も効果的です。
また、各航空会社がWeb上において、それぞれの部門で現在活躍している社員を紹介しています。職業ごとに情報がまとまった本も出版されているので併せて読んでみると良いでしょう。
②航空会社の全体像! 業界内の3つの業種を押さえよう
航空業界には大きく分けて3つの業種が存在し、それぞれの業種が協力し合うことで空の便の運航を滞りなくおこなえるのです。
そのため航空会社への就職を目指す場合は、自分が志望する職種だけでなく、各業種について理解し、航空業界の全体像を把握しておく必要があります。ここからは航空業界の大枠となる業種について説明するため、さらに業界への視野を広げていきましょう。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
航空機メーカー
乗客や貨物を運ぶための飛行機を製造し、運航会社へ飛行機の販売をおこなうのが航空機メーカーです。主な企業はアメリカのボーイングやオランダのエアバスなど海外の大企業の航空機が世界で大きなシェアを獲得しています。
飛行機の製造とひとくちに言っても飛行機に必要な部品数は数多くあり、大型の旅客機ではその部品数は300万点ともいわれています。また、飛行機の部品の中には日本製のものも多く、航空部品を生産する日本企業には、三菱重工業や自動車メーカーとしても有名なな本田技研工業、SUBARUなどがあります。
このように、航空機メーカーには各部品や機体のパーツごとに多くの下請け企業が存在し、それらの企業から回収した部品を組み立てて運航会社へ販売しています。
実際に飛行機の運航に携わることはなくても、一つひとつの部品が正しく組み立てられることで飛行機が飛ばせるため、航空機メーカーは影で航空業界を支える重要な事業といえるでしょう。
- 航空機メーカーで働くやりがいはどんなところにありますか?
自分の仕事が目に見える形で社会の役に立っていること
自分が製造に携わった航空機が実際に空を飛ぶのを見ることができることは、この上ないやりがいを感じることでしょう。また、その航空機が世界の街をつなぎ、人と人が出会う機会を生み出しているため、航空機メーカーもその一助となっているのです。
さらに、航空機は物流において最も速達性が高いため、その運航は世界の流通や経済に大きく貢献しています。これらのことから、自身の仕事が目に見えて社会に役立っていると感じられるのは、航空機メーカーで働く醍醐味といえるでしょう。
運航会社
航空業界の運航会社は、航空券を販売し、フライトの時刻表に合わせて飛行機の運航をおこないます。有名な大手企業には日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)などがあり、この2社を利用したことのある人は多いでしょう。
ほかにも、ローコストキャリア、いわゆるLCCと呼ばれる格安航空会社があり、主な企業としてSPRING JAPANやピーチ・アビエーションなどが挙げられます。これらの企業は人件費や機内設備のコストカットをおこなうことで大幅に運賃を抑えて運航できるのが特徴です。
国土交通省の我が国のLCC旅客数の推移によると、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年~2021年は落ち込んでしまった旅客数も、2022年にはコロナ禍以前の2019年を上回る旅客数となっていて、LCCは注目度の高まっている成長事業といえます。
- JALやANAのような大手の運航会社に入る方法を教えてください。
あらゆることへの準備を計画的に進めることが重要
まず、航空業界に関連する学部や専攻を選ぶことが有利であり、特に英語を含む外国語能力は重要視されます。
大学在学中には、これらの会社のインターンに参加して実務経験を体験すると良いでしょう。これにより、企業文化を理解し、業界知識を深めることができます。
また、ESの作成や面接対策にも力を入れることが必要です。自己PRや志望動機を明確に表現し、面接でのコミュニケーション能力を磨くことが求められます。
さらに、航空業界の最新動向や各社の特色、ビジョンを研究し、それに合わせたアプローチを考えることも大切です。これらのポイントを踏まえたうえで、具体的な採用情報は各社のキャリアページや就職情報サイトで確認し、計画的に準備を進めていきましょう。
航空整備会社
航空整備会社はその呼び名の通り、飛行機の整備をおこなっています。航空整備会社は、航空機メーカーの部品製造もおこなっている企業や、運航会社のグループ企業として事業展開されている場合も多く、企業例としてはジャムコやJALエンジニアリングなどがあります。
整備を担当する航空機は、運用先である運航会社や運航スケジュールによって機種が違うため、それぞれの機種に応じた部品の知識と整備のスキルが求められます。また、整備会社には航空機の部品の製造もおこなう企業もあるため、製造分野でのスキルが活かせる場合もあるでしょう。
航空整備の過程は大きく分けて3つ存在します。離陸前におこなう「ライン整備」、格納庫での航空機の定期点検をおこなう「ドック整備」、機体から部品を取り外しておこなう「ショップ整備」に分けられます。
特にライン整備では運航スケジュールに合わせて遅れることなく正確な整備をおこなわなければいけません。航空整備事業は日々の正確な点検作業や航空機の管理を通して航空会社を利用する人の安全を守る大切な事業といえます。
ANAなどは、大学の理系学部を卒業する学生を航空整備士として採用しています。大学ごとの採用実績は、各社の航空整備士採用ページに紹介されています。
過去には指定校に近い形ですが高校生の採用実績などもあるため、専門学校に通っていなくても正しく対策することで航空整備士を目指すことができるでしょう。
③航空会社の動向とは? 業界全体の課題や使命を理解しよう
航空会社の動向
- 環境に配慮した運航への取り組み
- コロナ禍以降の需要回復
- ウクライナ情勢の影響によるコスト高騰
航空業界では人や物を安全に運航する使命があるため、情報をアップデートし続けることは必須であり、それに対して自分なりの考えや意思を持って行動しなければなりません。そのため就活でも航空業界についての皆さんなりの考えなどを求められる場合があります。
しっかり航空業界の動向を理解できていなければ、就活においても、これから航空会社で働くうえでも遅れをとってしまうことになるでしょう。
ここからは航空業界の動向について解説するため、これからの航空業界に求められる課題や使命について自分なりの意見を見つけてみましょう。
環境に配慮した運航への取り組み
昨今は日本に限らず世界中で環境問題が取り沙汰され、環境へ配慮した取り組みをおこなう企業は多く存在します。中でも航空業界は、扱う航空機が多くの燃料を必要とするため、脱炭素化といった環境に配慮した取り組みが求められます。
国土交通省が定めた航空脱炭素化推進基本方針によると、持続可能な航空燃料であるSAFの導入を促進するとあり、航空業界の脱炭素化は国をあげての大規模な取り組みとして求められている課題の一つといえるでしょう。
SAF
持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の略称。これまでのジェット燃料が原油から精製されるのに対し、SAFは再生エネルギーや廃棄物が主な原料であるため、ジェット燃料と比べて約60~80%のCO₂削減効果がある。
多くの航空会社が2030年までにSAFの導入を10%に増やす目標を掲げていて、SAF生産企業も新設や拡張を進めています。
たとえば、デルタ航空は2035年にSAF利用率を35%、2050年には95%以上にするという目標を設定しているなど脱炭素化への動きが大きくなってきているといえるでしょう。
コロナ禍以降の需要回復
2020年の新型コロナウイルス感染症の蔓延により、人の移動が制限されたことで、航空業界は大きな影響を受けました。現在は航空業界に対する需要は回復傾向にありますが、依然課題が残っている状況なのです。
国土交通省の本邦航空会社の国内線・国際線旅客数の推移によると、新型コロナウイルスが日本に上陸した2020年の旅客数は大きく減少しましたが、徐々に外出緩和がおこなわれた2021年の国内線の旅客数は回復傾向にあります。
しかし、コロナ禍以前である2019年の国内線旅客数ほどの回復はできておらず、国際線にいたっては2020年からほとんど変化していないため、ここからどのように旅客需要を回復させていくのかがこれからの航空業界に求められることになるでしょう。
コロナ禍で航空各社は国際線の運航規模縮小を余儀なくされ、パイロットやCAなどの乗務員、空港職員は自宅待機や社内あるいは日本全国の自治体への出向などさまざまな業務に振り分けられました。
このような人材配置の背景から、各航空会社の職種において、その専門性を活かす、または超える多様なキャリア形成を支援する制度を設けるなどの変化があったようです。
ウクライナ情勢の影響によるコスト高騰
航空業界は航空機を飛ばすための燃料に膨大な費用がかかるため、景気や社会情勢の影響を受けやすい業界の一つです。そのため、2022年のロシアのウクライナ侵略による景気への影響や燃料費の高騰は無視できない問題となっています。
資源エネルギー庁の令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)によれば、2022年のロシアのウクライナ侵略でロシア産の原油輸入を制限する議論が起こったことにより、原油価格が100ドル/バレル以上となるなど高騰し続けているようです。
原油価格の観点だけでなく、環境汚染問題の観点から見ても原油に代わるエネルギーの導入や燃費の良い機材、航路を取り入れるなど、対策が求められることになります。
アドバイザーコメント
佐藤 恭子
プロフィールを見る航空業界は未来に向けた課題が多い
コロナ禍で苦しんできた航空会社の業績は現在回復してきています。しかし、未来に向けた課題も多くあるというのが現状です。
地球規模で取り組みが求められている脱炭素化、また空飛ぶ車が今後どのように広がっていくのか、といったトピックスに加え、足元の部分では2030年頃にパイロットが不足するという問題も抱えています。
また、搭乗手続きの自動化への取り組みや、国際線でもLCCが登場するなどさらなる競争激化が予想されます。
さまざまな問題や課題に挑戦しながら成長していける場所でもある
世界が舞台でありライバルとなるため、新型コロナウイルスなどの感染症、世界の情勢、金融危機、テロなどの影響を直接的に受けることになります。
航空業界はこれまでも日航機墜落事故、9.11同時多発テロ、SARS、リーマン・ショックなど、その度に利用者が減少し業績が落ち込みました。しかし、その都度課題を克服し成長してきた実績があります。
業界全体として新たなものに挑戦する姿勢も持っていて、最近であればマイレージ事業も広がっています。「陸マイラー」という言葉があるように航空マイルには一定数のファンが存在し、この事業はコロナ禍でも好調でした。
このように、航空各社はこれからもさまざまな問題や課題を解決しながら成長していくでしょう。
④航空会社で働くべき? メリットとデメリットを正しく知ろう
航空業界では多くの企業や人がそれぞれ協力関係を保ちながら、社会における交通インフラの基盤を支えています。社会における影響力が大きいからこそのメリットもありますが、逆をいえば社会的な責任の大きい業界ゆえに大変な部分もあるのです。
航空会社は、そのような業界の良い面も大変な面も理解したうえで就職に望まなければ、就活で業界理解の不十分さを見抜かれるだけでなく、入社後のミスマッチにつながってしまいます。
ここからは航空会社で働く際に考えられる主なメリット・デメリットについて解説するため、参考にして航空会社で働く意欲を高めていきましょう。
- 航空会社で起こりやすい入社後のミスマッチにはどんなものがありますか?
航空会社では職種によってさまざまなミスマッチが起こる
航空会社における入社後のミスマッチは、営業職、総合職、客室乗務員(CA)、グランドスタッフ、パイロットなどの職種においても顕著に現れるでしょう。まず営業職では、航空業界特有のビジネスモデルや顧客ニーズの理解不足がミスマッチの原因となることがあります。
総合職の場合、多岐にわたる業務内容と高い柔軟性の要求に対応できないことがストレスとなることがあり、客室乗務員(CA)やグランドスタッフは、シフト制や長時間勤務、厳しいサービス基準などにより、労働条件のミスマッチが生じやすいです。
また、パイロットに関しては、高い専門性とストレス耐性が求められるため、これらの要件に適合しない場合、ミスマッチが生じる可能性があるでしょう。
メリット①福利厚生が整っている
航空業界は飛行技術の進化とともに発展してきた歴史ある業界です。そのため航空会社も経営基盤が確立されている場合が多く、福利厚生が充実していることがメリットの一つです。
管制官や航空整備士などのような、空港の運営中は24時間体制で業務をおこなうような職種であっても、シフト制である場合が多いため、イレギュラーな事態が発生した場合を除き、基本的に長時間の残業はありません。
また通常の福利厚生などに加え、航空会社に勤める社員は一般の乗客よりも安く航空券を購入できるなど航空業界ならではの福利厚生もあります。
メリット②空の運航を通して社会貢献ができる
交通インフラの一つである航空業界は、人や物の移動をおこなうという重要な役割を担っているため、社会に対する貢献度の高い業界です。
航空業界の運航業務は国内だけでなく世界中の人の移動に貢献できるため、ほかの交通インフラと比較しても大規模な移動に携わることができ、日本と世界をつなぐ窓口として業務をおこなえることはやりがいにつながります。
また、航空会社は多くの人や物の移動に携わるがゆえに、さまざまなニーズが求められ、日々新しい情報が行き交っています。社会貢献度の高さに加えて、社会の変化やさまざまな文化に触れながら仕事ができることはメリットの一つといえるでしょう。
乗務員や空港勤務の職員など、航空会社でも現場で働く人の仕事はフライトごと、1日ごとに完結します。
どんなにつらいことがあっても短いスパンで完結するので、ネガティブな気持ちをすぐに切り替えて次の業務に向かうことができるのは航空業界で働くメリットです。
航空会社は社会貢献できる仕事ですが、志望動機として伝える際には注意が必要です。以下の記事では「社会貢献」を志望動機に効果的に盛り込むコツをまとめているので参考にしてみてください。
業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ
デメリット①勤務時間が不規則
航空会社は飛行機の定期便のスケジュールに合わせて業務がおこなわれるため、勤務時間が不規則な点はデメリットの一つといえます。
パイロットや客室乗務員(CA)などは国内線でも地方のあちこちで業務があり、国際線であれば時差のある中で仕事をこなさなければいけません。ほかにも、管制官や航空整備士は24時間体制、グランドスタッフでも空港運営中は常に業務が求められるため、必然的に業務時間が不規則になります。
業務時間が不規則な状態でも常に体調管理に気を配り、安全な運航のために業務をおこなうことが求められるため、大変だと感じる人も多いでしょう。
デメリット②職種によって給料の差が大きい
航空会社のもう一つのデメリットに職種の給与格差が挙げられます。
航空会社の仕事は、パイロットのように専門的な知識や高度な操縦技術が必須の仕事から、特別な資格などがなくても働けるグランドスタッフのような仕事まで多岐にわたります。そのため、技術を要する仕事とそうでない仕事とでは給与待遇に差が出てしまうのです。
また、航空会社の仕事は人気が高い職種が多いこともその職種の給与待遇に影響しています。人気があるということはそれだけ人手が足りているということなので、給与が低くても応募が途切れることがありません。
たとえば、客室乗務員(CA)などは給与改善が遅れていても、職種や業界そのものへの憧れや熱意を持って応募する人が多い職種であるため、実際の業務内容と比べて一般的に給与が低いといわれています。
- 航空会社のキャリアアップは遅いのでしょうか?
航空会社は技能や資格の習得がキャリアアップに直結する
航空会社はメガキャリア(大規模航空事業者)とローコストキャリア(LCC・格安航空会社)に分かれ、それぞれ異なる特徴を持っています。
採用基準や雇用形態は日系と外資系で異なり、日系は正社員雇用が一般的ですが、外資系では契約社員が多いです。
キャリアアップには、コミュニケーション能力、責任感、情報収集力が重要であり、業界特有の動向や職種理解が必要です。
他業界と比較してキャリアアップが遅いかどうかはさまざまな職種があるため、一概には言えませんが、航空業界は特定の技能や資格を求められることが多く、それらを身に付けることがキャリアアップに直結します。
また、国際的な業務が多いため、英語力や国際感覚を磨くことも重要です。航空業界は変化が激しいため、柔軟な対応能力と学習意欲がキャリアアップには欠かせません。
仕事を選ぶ基準に給料や年収を重視している女性もいると思います。以下の記事では女性の給料が高い仕事をまとめているので参考にしてみてください。
女性の給料が高い仕事おすすめ15選|最新版平均年収ランキングも
キャリアコンサルタントに聞く! 航空会社の就職成功のカギとなる「自律力」とは
航空会社では、自分以外の人や社会のために業務に携わることになるため、まずは自分自身が航空会社に求められる力を身に付けておかなければなりません。中でも「自律力」は、社会責任の大きい航空会社に就職するうえで成功のカギとなります。
では、航空会社に求められる「自律力」とは具体的にどんなものなのか、元客室乗務員(CA)としての勤務経験もあるキャリアコンサルタントの佐藤さんに詳しく解説してもらいましょう。
アドバイザーコメント
佐藤 恭子
プロフィールを見る自律力とは自らの意思で責任のある行動ができる力
現在航空会社以外の場でも「自律型人材」が求められています。自分の意志を持って考え行動できる自立型の人材です。上司の指示がなくても自分で考え迅速に行動に移せる社員が増えることで企業活動にもスピード感が増すでしょう。
特に航空会社においては、世界のさまざまな状況に素早く柔軟に対応することが求められます。一人ひとりの社員には、「自分の意志で自分から行動できる」「責任を持って行動できる」「周りに流されず自分を持って行動できる」といった自律力が必要となります。
日々変化する状況に対して瞬時に判断していくことも求められる
航空機の中では、日々さまざまなことが起こります。通常のフライトの中でも出発から到着までの間、いろいろな場面が訪れます。当然、顧客も違えば気象状況も違うわけです。
その都度でそれぞれが自分の業務において責任を持って最善の判断をすることが必要不可欠となります。こうした判断が遅れると大きなトラブルになりかねません。
また、ひと度離陸すると、基本的にはその便に乗務している客室乗務員(CA)、パイロットが判断して行動する必要があります。それが顧客の安全を守ることにも直結し、顧客に安心して利用してもらうことにもつながるからです。
航空会社で求められる「自律力」は2つの手順でアピールしよう
航空会社で求められる「自律力」は就活の段階から企業にアピールすることで、入社後も活躍できる姿を人事にイメージさせることができるため、就活時の印象アップにつながります。
そこでここからは就活で「自律力」を伝えるための2ステップについて解説していくため、参考にしてほかのライバルと差をつける強みとしてアピールしていきましょう。
①航空会社と自分とのマッチ度を明確にする
航空会社で求められる「自律力」とは自分自身を俯瞰して捉え、自分をコントロールできる力です。その力を示すためにもまずは自分自身について客観的に捉えられていなければいけません。
そこで航空会社の業界や企業の分析と並行して自己分析をおこない、航空会社と自分とのマッチ度を明確にしていきます。その際にはその会社と自分がどの部分でマッチしているか、という説明で人事を納得させることを意識してみると良いでしょう。
このマッチ度がしっかり伝わるだけでも、自律力の前提条件である「自分自身を客観的に理解できる」ことを人事に評価してもらえます。
航空会社との相性を見つけるためには、自身の過去の経験やスキルに基づく「Can軸」、未来の目標や希望に基づく「Want軸」、そして絶対に譲れない価値観に基づく「Must軸」を考慮し、自分に合った企業を見極めると良いでしょう。
②マッチ度から入社後のキャリアビジョンを立てて伝える
「自律力」の中の自分をコントロールできる力は、入社後のキャリアビジョンを具体的に伝えることでアピールできます。
入社後のキャリアビジョンが明確で説得力があればあるほど、航空会社に必要な「自律力」は伝わりやすくなります。実現可能かどうかは重要ではなく、航空会社でやりたい仕事や自分がどんなふうに成長していくのかなど、プラスのイメージを具体的に伝えましょう。
その際は自分の将来像を実現するためにどう動けば良いのかまで詳しく伝えるように意識してみてください。
目的の実現のために自分がすべきことを自分で決められる、つまりは「自律力」のある人材であることが証明でき、人事からの高評価につながります。
自律力をアピールする例文
私は大学で実行委員として学祭運営に取り組んできた経験から瞬時に自分や周りの状況を判断し臨機応変に動ける力を培ってきました。これは御社の求める資質の一つである自律性として活かせる強みだと考えます。
御社に入社できた際にはまず、最初の1年間で全ての業務をマスターし、3年後には客室乗務員チームのリーダーを任されるような人材を目指したいです。
その後は教育などの立場にも興味があるため、自分のように航空業界を志す後輩にとって「航空業界に入ってよかった」と思えるような人材育成をしていきたいと考えております。
航空機内では、予想以上に突発的なトラブルが起きるものです。いかなる場合においても客室乗務員(CA)は冷静に事態を把握し、早急に解決に導いて安全運航に努めなければなりません。
そのためにも「臨機応変」はとても重要なポイントです。また、そのような素質を持っているとアピールできているだけではなく、将来的にそれを活かしてどうなりたいのかまで述べられている点も評価されるでしょう。
- 航空会社ではキャリアビジョンから何を見ているのですか?
各選考フローの中のキャリアビジョンからその人の全体像を見ている
航空会社が応募者のキャリアビジョンを通じて見ているのは、その人物の全体像です。まず、ESにおいては、教育背景やこれまでの経験がどのように応募者のキャリアビジョンと連動しているかを見ています。
次に、グループディスカッションや面接を通じて、応募者がチーム内でどのようにコミュニケーションを取り、どう協力して問題解決に取り組むかを評価していくのです。これは、航空業界特有のチームワークの重要性を反映しています。
企業は最終的に、面接で応募者の人物像、情熱、長期的なキャリアプランを深く掘り下げ、その人が航空業界でのキャリアをどのように考え、実現させようとしているかを見極めたいのです。これらの総合的な評価によって、応募者が航空会社の文化や価値観に合致しているかが判断されることになるでしょう。
そもそも自己PRをどう組み立てれば良いかわからないという人は、下記の記事で人事に刺さる自己PRの構成をキャリアコンサルタントとともに解説しているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
キャリアビジョンの考え方や書き方がよくわからない人は以下の記事もおすすめです。これまで数多くの就活生のキャリアをサポートしてきたキャリアコンサルタントが就活でのキャリアビジョンの描き方の秘訣を徹底解説しています。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
熱意の後押しが重要! 航空会社の志望動機を伝える3つのポイント
熱意の後押しが重要! 航空会社の志望動機を伝える3つのポイント
- 憧れだけの理由ではなく自分なりの深掘りした理由を述べる
- 航空会社で自分がどう貢献できるかを伝える
- 航空会社の動向に対する自分の意見も述べる
航空会社の就職のためには「自律力」のアピールだけでなく志望動機でも人事を納得させなければいけません。人気の業界である航空会社は応募者が多いからこそ、中途半端な内容では埋もれてしまうでしょう。
最後に航空会社の志望動機で注意すべき3つのポイントについて解説するため、参考にして、人事の目を引く志望動機を作成してくださいね。
以下の記事では航空業界の志望動機の書き方について詳しく解説しているので参考にしてみてください。
刺さる航空業界の志望動機のコツ|職種別18例文付き
①憧れだけの理由ではなく自分なりの深掘りした理由を述べる
航空会社の志望動機に、空や飛行機への「憧れ」だけを語るのは要注意です。なぜなら、航空業界を志望する人の多くは空や飛行機が好きで憧れなどのプラスなイメージを持っているため、企業側としては何度も見聞きした動機だからです。
憧れを志望動機にしてはいけないというわけではなく、その気持ちをより深くまで掘り下げ、自分なりの理由にしていきましょう。
たとえば、「空への憧れ」という志望動機に対して、「なぜ空に憧れるのか」「空への憧れからどんなことがしたいのか」などの深掘り質問をしていきます。
その深掘り質問に答える形で「小さい頃に飛行機に乗って飛行機にかかわる仕事に興味を持った」「その後の留学経験から多くの文化に触れ、自分のような経験を多くの人にしてもらいたいと思った」など、根本にある興味や憧れる理由を見つけることが重要です。
航空機を利用した際に自身が感動した場面について書かれたものをよく見ますが、それではファン目線でしかありません。
自分が社員としてどう貢献していきたいのかを考え、それについて書くことがポイントです。また、その理由に自分自身のエピソードを入れると信憑性が増します。
留学経験は自己PRの題材にしやすいですが、アピールポイントを間違えると企業に響かなくなってしまいます。以下の記事では無駄なく活かせるコツをまとめているので参考にしてみてください。
自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も
②航空会社で自分がどう貢献できるかを伝える
志望動機はただ業界や企業への興味を示して「御社に入りたい」と伝えるだけでは自分本意な理由で応募しているように見えるため、魅力的な志望動機にはなりません。そこで重要なのは自分の将来性を企業に提示することです。
自分本意な志望動機にならないためにも、航空会社で自分がどう貢献できるのかを具体的に伝えましょう。
伝える貢献ポイントの例としては、「自分の強みや特性を航空会社の仕事のどんな場面で活かしていくのか」「航空会社で求められる課題に対し、自分ならどういう姿勢で取り組めるのか」などが挙げられます。
人気の高い仕事が多いからこそ、航空会社の志望動機は、自分を採用することが企業側にとってメリットになることを伝えられるかどうかが特に重要なポイントです。
- 航空会社に貢献できる人材とはどういう人ですか?
航空会社に貢献できる人には5つ資質がある
航空会社での貢献度の高い人材として、チームワークができる人、リーダーシップがある人、ホスピタリティ精神がある人、責任感のある行動ができる人、成長意欲のある人の5つが挙げられると思います。
航空会社では各関係職種がチームワークを発揮し、連携しながら安全で快適な飛行に貢献しています。加えて、出発時間に合わせて瞬時に判断をしなければならない場面も多くあるため、リーダーシップも必要とされるでしょう。
また、目の前の相手に対してホスピタリティ精神を持って接することはとても大切なことです。
そして最も重要なのは一人一人が責任感を持って行動することといえるでしょう。これくらいは大丈夫だろうという考えが小さなミスを誘い、それが重なり大きな事故やトラブルにつながります。
最後に、航空業界は常に取り巻く環境も変化していくため、今の自分に満足することなく成長できる人も業界への貢献度の高い人材といえるでしょう。
航空会社で働く人材に必要な責任感を自己PRでどのようにアピールすれば良いのか気になる人は以下の記事を参考にしてみてください。責任感の自己PRでやりがちな失敗例から魅力的に伝えるポイントまでキャリアコンサルタントが徹底解説しています。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
③航空会社の動向に対する自分の意見も述べる
航空会社で働く人には、航空業界に求められる課題や使命に応えることが求められるため、その課題や使命に対して「自分はどうすべきか」を理解していなければいけません。そのためにもただ業界の知識を付けるだけでなく、業界の動向や課題に対して自分の意見を持っておくことが大切です。
志望動機でも、業界の動向から航空会社に求められることについて触れる場合もあるでしょう。その場合、航空会社の抱える課題や使命に対して自分はどう考えているのか、その考えからどうしていきたいのかなどまで盛り込めると良いでしょう。
3つのポイントを押さえた志望動機の例文
私は空の運航を通して人々の異文化交流を促進していきたいと考えこの業界を志望しました。このように考えるきっかけとなったのはインドネシアに留学した経験にあります。
インドネシアではほとんどの人が日常的に昼寝をする文化があり、現地でそれを知った私は、日本にはない新しい感覚や文化に触れることに対してとてもワクワクしました。
一方で、インドネシアでは社会の発展による環境汚染が深刻な問題となっており、特に現地で感じたのは水質の悪さで、日本との飲み水の安全性の違いにショックを受けたことを覚えています。
これらの経験から、新しいことに触れたり真実を知ったりすることにつながる異文化交流の機会をもっと多くの人に持ってほしいと考えました。
御社は環境問題へ配慮した運航の取り組みだけでなく、将来的な人の移動を促進するための活動などもおこなっていて、私はそこに深く共感しています。
御社に入社できた際には、お客様個人の課題にも対応できるCAを目指し、環境への取り組みや日本の魅力を発信することで、多くの人が異文化に触れるきっかけ作りの一助となりたいです。
キャリアコンサルタント直伝! 航空会社で確実に内定に近づくための対策とは
倍率の高い航空会社は、自律力のアピールのコツや志望動機の注意点などに加え、ほかにもライバルと差をつけるための就活対策があります。
今回はキャリアアドバイザーの瀧本さんにさらに差をつける対策法について解説してもらうため、ぜひ参考にして、後悔しない就活をおこなってくださいね。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る志望動機以外の対策でもまずは業界と企業の理解を深めることが先決
航空業界への就職を成功させるためには、まず業界の特性と各社の理念を深く理解することが重要です。たとえばANAでは、「安心と信頼」を基盤に、挑戦的な精神と顧客への深い配慮が強調されています。
これは、業界自体が安全性への強いコミットメントや顧客サービスへの熱意が求められていて、ほかの航空会社においても共通する価値観であるためです。自己PRでは、これらの価値観に合致する経験やスキルを具体的に示していきましょう。
たとえば、困難な状況でのリーダーシップの発揮やチームワークを通じた成果の達成など、自身の強みを明確に伝えることが求められます。
業界の動向にも自分なりの考えを持ってアピールに活かそう
志望動機の作成では、単に航空業界への憧れを語るだけでなく、具体的な業界の課題や自分がどのように貢献できるかを考えることが大切です。たとえば、環境問題への取り組みや新しい技術の導入に対する意見など、業界の未来に対するビジョンを示すことができれば、採用担当者に強い印象を与えることができます。
最後に、航空業界は常に変化しているため、最新の動向やニュースに敏感であることも重要です。業界の動向を追いかけ、それに対する自分の考えを持つことで、面接などでの議論に深みを持たせることができます。
以上のポイントを踏まえ、自己PRや志望動機を練り上げることで、航空会社への就職活動を成功に導くことができるでしょう。
航空会社には語学力が必要とされる職種も多いため、英語での面接や志望動機などにも対策が必要です。下記では英語面接で押さえておきたい質問例と志望動機の英語での書き方について解説しているためぜひ参考にしてみてください。
英語面接の対策について
英語の面接を完全対策! 絶対に欠かせない3つの鉄則と質問例60選
英語の志望動機の書き方について
例文3選|英語の志望動機を簡単に作成する方法を4ステップで大公開
就職後も活かせる! 「自律力」をアピールして航空会社で活躍しよう
航空会社での就職を成功させるためには、まずは業界を深く知り、それに対して自分の意見を持つことが必要不可欠です。また、航空会社の仕事は人の命を預かる責任を持たねばならないからこそ、自分自身の言動に責任を持つことが求められます。
そのためどんな状況でも自分を理解しコントロールできる「自律力」は、航空会社の就活だけでなく、就職後に活躍するためにも求められる力なのです。
航空会社を志望している人は、この記事でのステップを参考に、ほかのライバルとはひと味違う「自律力」をアピールして就職後も活躍できる人材を目指してくださいね。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る航空業界は華やかさの裏で地道な努力が必要不可欠
航空会社は誰にとっても身近な存在であり、頻繁にドラマや映画でも取り上げられるので多くの人に憧れられる業界であるといえます。
しかし安全に航空機を運航するには、乗務員や地上職員などさまざまな人の厳しくもきめ細やかな業務遂行の積み重ねが必要です。メディアでは華やかな部分ばかりが取り上げられがちですが、表に出てこない部分での地道な努力が欠かせません。
航空会社への理解を深め適切な能力をアピールしよう
航空会社の乗務員に関しては、その職種で採用されればすぐさまその仕事ができるという訳ではなく、入社後の訓練や試験などさまざまなハードルを乗り越える必要があります。訓練で成績が良くなければ職種転換を余儀なくされることもあると覚悟しておきましょう。
業務時間だけに集中していれば良いという訳ではなく、日頃からの健康維持などハードな自己管理が求められます。だからこそ、あこがれだけでは決して務まらない厳しい世界です。
航空業界を志すのなら自分自身でよく調べ、仕事理解を充分にしたうえで適切な能力をアピールしましょう。高いハードルだからこそ実際に自分たちの手で航空機を飛ばすことができるようになれば、その達成感は何物にも代えがたいものになるはずですよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Kyoko Sato〇証券会社や航空会社のCAとしての勤務を経て、キャリアコンサルタントとして就職支援をおこなう。大学では就活講座や個別相談、企業では新卒採用関連業務を担当。転職相談などでも幅広く活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細