日本一ソフトウェアはやばい? イメージ低下の理由をプロと判定

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    Fujiwara Kumi〇大手人材会社にて大学生・社会人のUIターン就職を支援。フリーランスとして、企業内1on1カウンセリングや新卒学生のグループワーク支援も担い、求職者・企業両面を幅広く支援。

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    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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    Hiroshi Sakai〇大手ICT企業で人事部長・人材開発部長として採用・育成・制度・労務を統括。面接は5,000人超。国家資格キャリアコンサルタントとして就労支援・研修講師も担当。

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本企画について

「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。

「日本一ソフトウェアの業績悪化がやばい」「社内のごたごたで社員が大量離脱」

ネット上では日本一ソフトウェアに関する噂が飛び交っています。そんな話を聞いて不安を感じる人もいるでしょう。ただし噂には事実と違う要素が含まれたり、オーバーな表現も使われがちです。

この記事では、日本一ソフトウェアへの就活を検討している人たちに向けて、同社に関する噂の真相に近づくためのプロの意見も交えながら考えてみます。

1分でわかる日本一ソフトウェア

日本一ソフトウェアとは

日本一ソフトウェアとは1993年に家庭用ゲームソフトの開発を目的として会社設立。翌94年に「スタッフひとりひとりが誰にも負けない能力を持ち続け、努力し続ける」という意味を込めて日本一ソフトウェアに商号変更。

95年からプレステ用ゲームソフトを発売。2003年にヒットシリーズとなる「魔界戦記ディスガイア」を発売。

2007年ジャスダック上場。2012年には「最も多くのシミュレーションRPGを発売した会社」としてギネス世界記録に認定。2021年には「魔界戦記ディスガイア」の世界累計出荷本数が500万本を突破した。

会社名株式会社日本一ソフトウェア(Nippon Ichi Software,Inc.)
従業員数107人(2025年3月現在)
本社所在地岐阜県各務原市
主な事業コンピューターソフトウェアの開発・製造・販売を主とするエンターテインメント事業を主力としている。「魔界戦記ディスガイア」を始めとする独自性の高い数多くのソフトウェアを、自社または他社メーカーへの委託によって開発。またオンラインサービスを提供しコンテンツ配信をおこなっている。
売上高52億9989万円(2025年3月期連結)
営業損失 2億7,472万円(同上)
経常損失7,502万円(同上)
企業HPhttps://nippon1.co.jp
採用HPhttps://nippon1.co.jp/recruit
企業情報

「日本一ソフトウェアはやばい」と言われる4つの理由|プロが紐解く

「日本一ソフトウェアがやばい」と噂されるのはなぜなのか。客観的なデータに基づき解説します。キャリアコンサルタントの説明も参考にしながら、対象企業を自分で評価し就活に役立ててください。

①最近業績が悪化しているから

業績が悪化しているのは事実です。2025年3月期決算(グループ連結)では赤字に転落し、当期純損失が約1憶5,700万円となっています。日本一ソフトウェアの単体では当期純損失が3億8,200万円にのぼります(※1)。

また2026年3月期の通期業績予想については、昨年6月発表時点では連結での黒字回復と単体での大幅な損失圧縮を見込んでいましたが、2026年2月に予想を下方修正。厳しい状況が続き2期連続の赤字となる見通しです(※2)。

理由とされるのは新作タイトルの販売不振による売り上げ減少と、販売費や一般管理費の増加です。ただしゲームソフトのビジネスではヒット作が1本出れば状況が大きく変わることもあります。

ネット上では「日本一ソフトウェアつぶれる」といった過激な表現も見受けられますが、これは大げさすぎる表現でしょう。財務諸表を見れば財務面にはまだ余裕が見られます。

※1 企業HP 有価証券報告書
※2 企業HP 業績予想の修正に関するお知らせ

プロのアドバイザーならこうアドバイス!財務状況は良いが上昇率は低い見込みとなっている

国家資格キャリアコンサルタント

藤原 公美

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日本一ソフトウェアの財政状況を簡単に説明すると、「財務体力は十分あるが、今期は稼ぐ力が落ちている」状態と言えます。

有価証券報告書の財務状況を見ると、現金及び現金同等物の期末残高が約51億あり、有利子負債残高は約16億にとどまっています。つまりこれは「手持ちの資金>借金」の状態を表し、借金が少ない状態であることを指します。

赤字だけでは判断できない! 市場という規模で見てみよう

また財務の健全性という観点から見ると自己資本比率も重要です。

自己資本比率が高ければ高いほど、自社の資金で運営していると言えますが、日本一ソフトウェアは連結で約69%と、ゲーム業界の平均に位置しており安定していると評価できます。

売り上げとしては減少し業績に落ち込みは見られるものの、ゲーム業界としては市場拡大傾向にあるため、追い風となる環境は続いています。目先の赤字だけで経営危機と判断するのはやや早計です。

②同業他社より給料が安いから

ゲームのソフトウェア会社は比較的に給料水準が高い傾向にあります。大手のスクエア・エニックス・ホールディングスは平均年収が1,400万円を超えていて、ほかの大手でも1,000万円を超えるケースがあり、600万円以上はざらにあるのが実態です。

そうした同業他社と比較すると、日本一ソフトウェアの給料は見劣り感が否めません。同社の平均年収は380万7,397円(※3)で、過去の年収推移を見ても増加傾向にあるとまではい

2021年3月期413万7,755円
2022年3月期450万8,263円
2023年3月期373万9,789円
2024年3月期350万2,592円
2025年3月期380万7397円
平均年収の推移

地方都市である岐阜県各務原市に本拠を置き、従業員の生活コストは比較的低く抑えられるため、大都市圏の企業と単純比較はできませんが、それでもやはり給料レベルが低いと感じられてしまう面がありそうです。

※3 企業HP 有価証券報告書

アドバイザーのリアル・アドバイス!年収は会社の規模と合わせて考えてみよう

国家資格キャリアコンサルタント

酒井 宏

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平均年間給与380万7397円という水準だけを見ると、たしかに同業他社と比べて見劣りはします。

ただ、有価証券報告書では平均年齢35.65歳、平均勤続年数7.88年、単体従業員107人とあり、まだ大規模な会社とは言えません。

大手ゲーム会社のように複数の大型IPや周辺事業で高い人件費を支えやすい構造とは異なり、給与水準には会社規模や収益基盤の差が表れやすいです。

条件だけではなく居住の可否まで確認しよう

一方で、採用ページでは四大卒月給20万円に加え、住宅手当や家族手当なども示されています。地方勤務の良さは額面賃金だけでは測れず、住居費や通勤負担を抑えやすい点も含めて考える必要があります。

給与額だけで判断せず、その地域で無理なく暮らせるかまで含めて見たいところです。

③大量離職などもあり経営陣に不信感があるから

日本一ソフトウェアでは2019年頃に大量離職が発生し、会社も退職者が多かったことを認めています。新入社員の採用拡大や子会社からの転籍で人数はカバーしましたが、離職者には優秀な社員も含まれていたと思われ戦力ダウンは避けられなかったはずです

この頃、看板タイトルである「魔界戦記ディスガイア」のスマホ向けアプリ版RPGのメインテナンスに問題があり、社内トラブルに嫌気がさしたエンジニアなどが数多く離職したようです。

また同時期に取締役報酬枠を5倍に拡大する計画を示したことから「社員が減っているのに役員の報酬を上げてどうする」との批判が起き、経営陣への不信感が広まった可能性があります。

会社は役員報酬をすぐに上げるわけではなく、業績連動報酬を含めた柔軟な報酬体系を構築するための提案だったと説明しました(※4)。

※4 企業HP 株主総会の質疑応答要旨

プロのアドバイザーならこうアドバイス!離職者が相次いだことだけでは判断できない

キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

野村 芳克

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大量離職は企業にとって大きなインパクトを持つ出来事ですが、その影響は一律ではなく、「いつ・誰が・どの層で辞めたか」によって大きく異なります

特に、中核人材や技術ノウハウを担う人材層が離職した場合、採用・育成・戦力化までに2~5年程度を要し、その間は開発力や組織力に影響が残る可能性があります。

一方、日本一ソフトウェアのように2019年の事象であれば、すでに数年が経過しており、現在は「影響がどこまで回復しているか」を評価するべき段階にあると思われます。

トラブル後の企業の状態や防止策を含めて判断しよう

就活生として重要なのは、「過去に大量離職があった」という事実だけで早急に判断をしないことです。むしろ見るべきは、その後の変化です。

具体的には、①現在の採用・定着状況、②主力タイトルの開発体制やプロジェクトの安定性、③現場を支えるリーダー層や中堅人材の厚みなどがどうかです。

さらに、当時の問題に対して、どのような改善策が講じられ、再発防止の仕組みが整っているか、組織として学習・改善が進んでいるかも重要な視点となります。

④何となく怪しい印象があるから

「何となく怪しい」イメージがあるとしたら、日本一ソフトウェアにとっては非常に運が悪かったということでしょう。

2025年に日本一ソフトウェアの社名を騙った偽のショッピングサイトが見つかり、個人情報流出などの詐欺被害に遭う恐れが発生しました。日本一ソフトウェアではすぐに注意喚起を促しました。

しかし、この一連の騒動を通じて「日本一ソフトウェアの怪しいサイト」という部分だけがクローズアップされてしまったのかもしれません。本来は被害者的な立場にある企業にまで悪いイメージが波及してしまったのなら不運としかいいようがありません。

プロのアドバイザーはこう分析!企業が被害者でもマイナスイメージを持られることがある

国家資格キャリアコンサルタント

藤原 公美

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日本一ソフトウェアのほかにも、銀行、証券会社、日本郵政等、本来被害者の立場である企業が結果的にイメージダウンにつながってしまう例は過去に多数ありました。

たとえば、みずほ証券では2025年以降、同社を騙った偽メール・偽サイトによるフィッシング詐欺が多発。

「配当金入金のお知らせ」などを装った巧妙な偽メールで偽サイトへ誘導し、ID・パスワードを搾取され、不正ログインにより身に覚えのない株式売買が相次ぐ事態となりました。

みずほ証券はこれに対し、株式の返還や金銭補償といった対応を迫られ、直接的な財務負担が生じました。

悪い評判が出回るリスクも考えられる

また、ネット上では「みずほ証券 乗っ取り」といったマイナスな検索ワードが増え、セキュリティへの不信感を持つ顧客も現れました。

同社は被害者であるにもかかわらず理不尽な風評被害を受けたという点で日本一ソフトウェアの問題と同様と言えるでしょう。

噂の実態を正しく見極めて企業を見ていこう

日本一ソフトウェアに関するさまざまな噂の中には、根拠のあるものもありました。反対に表現が大げさだったり、そもそも事実を反映していない内容も含まれていました。今回の記事が企業を正しく見極めるための参考になることを期待します。

アドバイザーのリアル・アドバイス!

国家資格キャリアコンサルタント

酒井 宏

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中堅以下のゲーム会社が不安定に見えやすいのは、噂のせいというより事業構造の影響が大きいです。日本一ソフトウェアも2025年3月期は連結赤字となり、2026年3月期予想も下方修正しています。

有価証券報告書でも、ゲーム機の高性能化にともなう開発費の高騰や開発期間の長期化、販売計画未達による業績への影響がリスクとして示されています。つまり中堅以下の会社は、一本ごとの成否が業績に出やすい構造です。

大手は複数の人気IPや周辺事業で波をならしやすい一方、中堅以下はどうしても振れ幅が出ます。ただ、不安定だから就職先として劣るとは言えません。

少人数の会社では企画、開発、販促までの距離が近く、若手でも作品にかかわる範囲が広がることがあります。

知名度だけでなく企業の内側まで見て判断しよう

見るべきなのは知名度より、赤字でも財務余力があるか、過去作や海外販売など収益源が複線化しているか、新作不振のあとに改善策を打てているかです。

安定性を重視するなら大手、作品との距離の近さや裁量を重視するなら中堅以下も十分に選択肢になります。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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