Q

大学3年生
女性

海運業界の今後の見通しはどうですか?

現在、就職活動を進めている大学3年生です。グローバルな仕事に興味があり、日本の経済を支える重要な役割を担っている海運業界に魅力を感じています。

しかし、ニュースなどで国際情勢の変動や環境規制の強化といった話題を目にすることが多く、海運業界の今後の見通しについて、良い面と懸念される面の両方があるように感じています。

海運業界は今後、どのような方向に進んでいくのか教えていただきたいです。成長性はあるのか、それとも縮小していく可能性があるのでしょうか?

また、就職先として海運業界を考えた場合、今からどのような知識やスキルを身につけておくべきなのか、海運業界に詳しい方からのアドバイスをいただけますと幸いです。

2人のアドバイザーが回答しています

質問日 :

※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています

産業カウンセラー/EQGA公認プロファイラー

佐々木 紀子

プロフィールを見る

海運業界は脱炭素とデジタル化で次の成長段階へステップアップしている

海運業界は今、変革と再成長の入り口に立っています。環境規制の強化や国際情勢の変動といった課題に直面しながらも、脱炭素とデジタル化を軸に大きく進化しようとしている業界です。

リスクが多い分、変化に強い企業ほど新たな成長機会をつかんでおり、今後は適応力がカギとなります。

2025年に始まるEUの排出量取引制度を前に、水素やアンモニアを燃料とする船舶の開発が急ピッチで進んでいます。

さらに、AI(人工知能)での航路最適化や、IoTを活用したトラブル予防など、運航の効率化も加速中。国際情勢によって航路が変わるような状況にも、迅速に対応できる体制が整いつつあります。

成長の可能性と今後の懸念点を知っておこう

業界全体としては、国際貿易の回復と環境投資の増加により、中長期的に成長が期待されています。一方で、船員不足や新技術への対応負担、地政学リスクといった課題も存在します。

こうした状況下では、企業による格差が広がる可能性があり、志望する企業の事業方針や財務体質をよく確認することが大切です。

就職を目指すうえで、次の3つのスキルが大きな強みになります。

・英語力(TOEIC800点以上)
・データ分析・数値管理への理解
・国際情勢や物流構造への関心と学習意欲

特に営業・運航管理・企画といった職種では、国をまたぐ調整力や、変化に対する柔軟な発想力が重視されます。

「グローバルに働きたい」「経済にリアルにかかわりたい」そんな想いがあるなら、海運業界はまさに挑戦のフィールドです。環境変化の大きい今だからこそ、成長意欲と柔軟な姿勢を持った人材が求められています。

あなたの挑戦を待つフィールドが、ここにはあります。

国家資格キャリアコンサルタント

畠山 千春

プロフィールを見る

海運業界の未来は安定需要と変革対応の両立がカギ

海運業界は長期的に見て非常に安定した業界だと言えます。

世界の貿易量の約80〜90%が海上輸送でおこなわれており、特にアジア地域の経済成長と物流需要は拡大すると見込まれているため、安定的な需要があるため成長性があります。

ただ、質問者の方が言う通り、中東情勢の悪化や景気動向に影響を受ける可能性があるため、短中期で見ると市況の影響を受けるかと思います。

脱炭素・人材不足・地政学リスクにどう向き合うかを見極めよう

また、IMOが出している「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」という目標に向けての脱炭素化対応やデジタル化、人材不足への対応など課題は山積みです。

就職活動時は各社どのような戦略を掲げているのかを調べていただくとより理解が深まるのではないかと思います。

また、日々更新される時事情報と海運業界の関連性も考えてみるのもおすすめです。

これらの知識をつけることで海運業界への深い理解・業界が直面する課題や各社の戦略が明確になり、そこに合わせたご自身の貢献意欲を示せば志望度をアピールすることにもつながります。

ぜひやってみてくださいね。少しでも参考になれば私も嬉しいです。

以下の記事では海運業界の特徴や向いている人などを解説しています。海運業界への就職を視野に入れている人は、事前にチェックしておきましょう。

関連記事

海運業界を知ろう! 仕事内容・最新トレンド・就職のコツを一挙解説

海運業界のイメージはつかみにくいかもしれませんが、選考を勝ち進むには、業界理解が必須です。この記事では海運業界の仕事内容や魅力、就職するための対策を、キャリアコンサルタントと解説します。

記事を読む

海運業界を知ろう! 仕事内容・最新トレンド・就職のコツを一挙解説

あなたが受けないほうがいい業界・職種を診断しよう

就活では、自分に合った業界・職種が見つからず悩むことも多いでしょう。

そんな時は「業界&職種マッチ度診断」が役に立ちます。簡単な質問に答えるだけで、あなた気になっている業界・職種との相性がわかります

自分が目指す業界や職種を理解して、自信を持って就活を進めましょう。

その他関連Q&A

TOP

PORTキャリア