この記事のまとめ
- IT業界の扱う商品やサービスは多岐に渡る
- IT業界の就活準備は早めのスタートが吉
- 未経験や文系でも学ぶ意欲があればIT業界に挑戦できる
近年私たちの生活において必要不可欠なものになりつつあるIT。そんなIT業界に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。「IT業界ってどんな業界なのだろう」「自分に合っているのかな」と悩む人もいると思います。
IT業界は、毎年志望する学生も多く、人気の業界です。「将来性がありそうだから」や「人気のある企業だから」という理由で、なんとなく選考を受けてしまうと、選考を勝ち抜くことはできません。
また業界への理解が不十分だと、入社後にミスマッチがおきてしまう可能性もあります。IT業界の特徴を押さえて、後悔のない就活をしましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、瀧本さん、ITストラテジストの伊沢さんのアドバイスを交えつつIT業界を解説します。IT業界に興味を持っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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学生に人気のIT業界を志望するなら業界の仕組みを理解しよう
ITは日々生活の中で欠かせない、身近な存在になりました。そのため将来性や需要も高く、学生に人気の業界です。
しかし、技術の進化やサービスの発展が著しく、多くの業種や職種が存在するため、非常に複雑で理解できないと悩みを抱えている学生もいることでしょう。
IT業界での就活を成功させるためには、業界の仕組みを詳しく理解することが重要です。
この記事では、まずはIT業界の概要を解説していきます。次に業種別に押さえておきたい仕事内容や、将来性、向いている仕事などを解説します。
またIT業界で働くメリットやデメリット、就活の進め方も解説しているので、IT業界の企業研究に役立ててくださいね。
あなたがIT業界に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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そもそもIT業界とは?
事業内容 | 情報技術を活用したサービスを提供する仕事 |
市場規模 | 堅調に成長 |
平均年収 | 平均よりやや高い |
就職状況 | 志望する学生は多い |
まずはIT業界の特徴を理解していきましょう。
特徴を事業内容、市場規模、平均年収、就職状況の4つに分けて解説していきます。
IT業界の特徴を理解して、全体像を把握しましょう。
IT業界情報についてはこちらの記事でも解説しています。基本から解説しているため、ぜひ併せて参考にしてみてください。
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説
事業内容:情報技術を活用したサービスを提供する仕事
ITは「Information Technology(情報技術)」の略で、IT業界とは情報技術を活用したサービスを展開する業界を指します。
IT技術は私たちの生活の身近なところに存在し、自動車や飛行機、家電製品など、身の回りのさまざまなものにIT技術が活用されています。
一言でIT企業といってもその仕事の領域は広く、ITにまつわるさまざまな事業をする企業を大きくまとめてIT業界と呼んでいます。
市場規模:堅調に成長している
IT企業は、市場規模が大きく、業界全体として堅調に成長しています。
総務省の令和4年 情報通信に関する現状報告の概要によると、2020年のIT業界(情報通信産業)実質GDPは51.7兆円で、全体の10.0%で全産業の1割を占めています。
実質GDPとは
物価の変動による影響を差し引いて、その年に生産された商品やサービスの実質的な価値を算出した数字のこと
矢野経済研究所が経済産業省および総務省の調査をもとにまとめた国内企業のIT投資に関する調査(2022年)によると、2018年〜2021年にかけて、市場規模が堅調に成長しています。また、2022年〜2024年も上昇する予測です。
近年では企業のDX化が進んでいるため、ITサービスの需要が高まっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
Digital Transformation。IT技術を商品やサービス、新しいビジネスモデルの開発に活用することで、人々の生活をあらゆる面でより良いものに変革させていくという概念
企業のDX化推進やリモートワークの普及など、社会的な変化によるニーズが増加したことにより、クラウドサービスやビッグデータ、セキュリティなどのITインフラやサービスへの需要も高まっています。
AI(人工知能)やIoTなどの新しいIT技術の普及による新たなビジネスの創出もIT業界の成長を牽引します。
平均年収:平均よりやや高い
dodaの業種分類別の平均年収ランキングによると、2021年9月〜2022年8月の1年間にdodaサービスに登録したIT/通信全体の人の平均年収は436万円で全体の4位です。ビジネスパーソン全体の平均年収は403万円であるため、平均よりもやや高い年収が見込めます。
またIT業界は、実力で評価されることも多く、結果を出せれば早い段階で昇給が可能です。
ただし、職種によって給与差が激しいことや、下請け企業の場合は給与水準が低くなる可能性があることなど、IT業界で働けば必ずしも給与が高いわけではないため、注意しましょう。
就職状況:志望する学生は多い
ITは現代社会に欠かせないサービスで、将来的にさらなる発展が期待できます。また、リモートワークの導入率が高いことや、IT人材不足にともなう好待遇の求人が増えていることなどから、学生の人気は非常に高くなっています。
内閣府の学生の就職・採用活動開始時期などに関する調査報告書(令和3年11月25日)によると、情報通信業界は大学4年生に1番人気のある業界です。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るIT業界で働く人材に求められる能力やスキルを知ろう
IT業界に就職したい人は、IT業界ではどのような人材が求められているかを理解することが重要です。
プログラミングのスキルはもちろん、データベースやネットワーク、情報セキュリティ、クラウド技術など、幅広い知識と技術が求められます。IT分野を学んでいる学生は自分の得意分野が活かせる企業を探すと良いでしょう。
また、ITの知識がまったくなくても、入社後、研修を通してITの知識と技術を身に付けられるIT企業も多くあります。ここで求められている能力は、新しい技術にも柔軟に対応できる能力です。IT技術は日々進歩しています。「学び続ける」こともIT業界で活躍し続けるために必要なスキルです。
必要なのはITに関する専門的な知識やスキルだけではない
IT業界の仕事には、1人でパソコンに向かって黙々とするイメージがあるかもしれませんが、実際はチームでおこなっています。チームで円滑にプロジェクトを進めたり、顧客と良好な関係を築くため、高いコミュニケーション能力が求められます。
IT業界では日々さまざまな問題に直面するので、問題解決スキルも重要です。効果的な問題解決手法や論理的思考力を持つことが求められます。将来的にはプロジェクトを円滑に進めるためのプロジェクトマネジメントスキルも必要です。
IT業界の動向・今後の見通し
IT業界の動向・今後の見通し
- 社会全体のデジタル化が進む
- 人材不足がますます深刻化する
IT業界の特徴を理解したところで、今後はどうなるのだろうと動向が気になる人もいるかと思います。
ここからは、IT業界の動向や今後の見通しを解説していきます。IT業界への理解をより深めていきましょう。
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社会全体のデジタル化が進む
新型コロナウイルス感染症の影響で、人と人の接触が制限されたことにより、生活が大きく変化しました。
その結果、これまで以上に経済・社会のデジタル化の重要性が明確になり、企業ではリモートワークやDXの流れが一気に加速しました。
また、家庭でもAmazonや楽天市場などのECサイトでの購入が増加したり、オンライン飲み会やスマート家電を導入したりと、ITを活用して生活を豊かにする動きが加速しています。
社会全体のデジタル化は今後も続くことが予測され、さらなるIT技術の進化が求められます。
- 新型コロナウイルス感染症が終息しても、IT業界は安泰ですか?
さらなる発展を推測されている
新型コロナウイルス感染症の終息後も、IT業界は引き続き高い需要が予想されています。IT技術の進化に伴い、DXが急速に進んでいて、ITを活用した新しいビジネスモデルやサービスが増えています。
また、テレワークやオンラインサービスの需要の増加により、ITインフラの強化やセキュリティ対策が求められています。さらに、AI、ブロックチェーン、IoTなどの新たな技術の発展により、IT業界の発展が期待されています。
ただし、技術の進化や市場の変化に伴い、新しいスキルや知識の習得が求められるため、「学び続ける」ことが重要です。
人材不足がますます深刻化する
IT業界は市場も堅調に拡大し、学生からの人気も高い一方で、人材不足が深刻な業界でもあります。情報処理推進機構のDX白書2023によると、IT人材は質も量も不足している状況です。
経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、低位のシナリオでも2030年に約49万人のIT人材が不足すると予測されています。
人材不足が加速する理由として以下の背景があります。
IT業界の人材不足が加速する理由
- 少子高齢化による労働人口の減少
- IT技術の急速な拡大
- 人材育成の遅れ
人材不足の対策として、社員教育制度に力を入れている企業も多く、新卒採用では初期スキルがなくても、仕事への適性があれば採用されるケースもあります。
- IT業界は人材不足ということは、就職しやすいのでしょうか?
一定のポテンシャルや適性は必要不可欠
IT業界は人材不足が加速しているので、比較的入りやすい業界といえます。ただ、一定のポテンシャルや適性が求められるので、人材不足だからといって誰でも簡単に就職できると考えない方が良いでしょう。
ただし未経験者を自社で育成する企業が増えているので、新卒で経験がなくても就職できるチャンスがあると捉えてください。
IT業界に就職したいならば、IT業界や業種の情報を収集し、関連する知識や資格を習得するなど、求められている人材に近づくことが大切です。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るIT業界の動向を踏まえながらキャリア選択をすることが重要
昨今IT業界では、SIer(システム開発会社)にシステム開発を依頼せず、自社でシステム開発をするという動きも出てきています。自社に情報システム部門を置き、社内でプログラマーやシステムエンジニアを育成し、自分たちでシステムを開発し、運用するというものです。
自社の業務を熟知している社員で開発することで、質の高い、自社にフィットしたシステムを実現しやすくなります。また、開発のノウハウを自社に残せる点もメリットです。反面、開発まで時間がかかり、自社でのエンジニア育成にコストがかかるなどのデメリットもあります。
IT企業以外で社内システムエンジニアに挑戦するのもおすすめ
就職活動をする際、IT企業にばかり目が行きがちになりますが、非IT企業で自社で開発をするための社内システムエンジニアを募集している企業を検討するというのも一つの方法です。社内システムエンジニアは、IT未経験の人よりITを学んでいる学生におすすめです。
逆に、SIerが活躍するためには、顧客企業の業務をしっかりと理解し、顧客に寄り添い、顧客の課題に真摯に向き合うことが必要です。繰り返しになりますが、技術力はもちろんのこと、ITエンジニアには高いコミュニケーション能力が求められています。
ここまでIT業界の人材不足について解説しました。以下の記事ではIT業界のほかに人手不足の業界をまとめています。また人手不足の企業選びで注意するポイントなどもまとめているので参考にしてみてください。
人手不足に悩む6つの業界を徹底解説! 就職しやすい仕事も紹介
事業内容がまったく異なる! IT業界の5つの業種
事業内容がまったく異なる! IT業界の5つの業種
- インターネット・Web業界
- 通信業界
- ハードウェア業界
- ソフトウェア業界
- 情報処理サービス(SI)業界
IT業界は大きく5つの業種に分かれています。それぞれ特徴が異なるため、IT業界をひとまとめにして業界研究をするのではなく、業種別の理解が必要不可欠です。
ここからは、IT業界の5つの業種に関してそれぞれ職種、向いている人、将来性、企業例の観点から解説していきます。
IT業界の5つの業種に関してはこちらの記事でも解説しています。業種別の志望動機や求められる人物像についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
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①インターネット・Web業界
インターネット・Web業界に含まれるのは、インターネットを利用してBtoB(企業向け)、BtoC(一般消費者向け)向けに多様なサービスを提供する企業です。日常的にサービスを利用している人も多く、IT業界の中でもイメージしやすい企業が多いといえます。
インターネット・Web業界の主な業務内容は、誰に何を提供するのかによって以下のように整理できます。
BtoC企業×商品
BtoC企業×サービス
- SNS
「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略で情報収集・交換ツールを指す。
ビジネスにおけるマーケティングに利用する企業も増加している。
収益は広告収入がメイン。
例:Twitter、Facebook、LINEなど - ユーザー投稿サイト
個人の口コミ投稿などをまとめて情報を提供する。
収益はユーザー課金や、店舗からの広告掲載料など。
例:ゼクシィ、SUUMO、食べログなど - 検索エンジン
インターネット上で調べるときに使用するシステムを提供する。
収益は広告収入がメイン。
例:Google、Yahoo! JAPANなど - マッチングシェアサービス
商品やサービスの売買の場を提供する。
個人間をつなぐCtoC、 企業間をつなぐBtoBの業態もある。
収益は手数料や広告収入など。
例:メルカリ、Uber EATS、タイムズカーシェアなど
BtoB企業×サービス
BtoB、BtoCの特徴や企業の探し方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
BtoB
BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
BtoC
BtoCとは? BtoBとの違いや向いている人を徹底解説
主な職種
インターネット・Web業界は、Webエンジニア・Webデザイナー・Webマーケター・Webディレクターといった職種があります。企業によってはそれぞれの役割が重複していることもありますが、主な仕事内容は以下の通りです。
インターネット・Web業界の代表的な職種
- Webエンジニア:Webサイト制作やWebサービスを開発する。
- Webデザイナー:Webサイトやサービスのデザインを設計する。
- Webマーケター:広告やSNSの運用、Webサイトの分析・施策を考案する。
- Webディレクター:Webサイト制作やプロジェクトを監督、指揮、管理する。
Webディレクターについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
Webディレクターになるには? 就職が有利になる方法を徹底解説
エンジニアについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。転職に関する記事ですが、職種について詳しく解説しています。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
向いている人
インターネット・Web業界は歴史の浅い業界で、急速に成長しています。そのため、新しい技術を常に学ぶ継続力のある人や、向上心のある人が向いています。
また、パソコンに向かって黙々と作業をするイメージを持っている人も多いかもしれませんが、基本的にプロジェクト単位で仕事をします。
多様な職種のメンバーとともに仕事をしたり、顧客企業とかかわったりすることもあるため、相手のニーズを読み取る力や自分の意見を的確に伝える力など、コミュニケーション能力も求められています。
プログラミング、SEO対策、SNSなどインターネットにかかわることが好きな人であれば、向上心を持って仕事をおこなえるので向いているでしょう。
また、チームで仕事をすることが多い業界なので、伝えるだけではなく相手の要望を的確に捉えて対応できるといった、コミュニケーション能力が高い人が向いています。
将来性
経済産業省の情報通信業基本調査(各年)によると、インターネット・Web業界の売上高は年々拡大していることがわかります。
全体としては、まだ規模の大きい業界とはいえませんが、SNSや検索サイトの利用拡大、ECサイトでの購買の増加などから、今後も成長し続けることが期待できます。
クラウド技術の発達により、Webサービスの提供が誰でも簡単にできるようになりました。市場への参入が容易になるので、競争が激しい業界になるといえるでしょう。自らサービスを生み出し、起業するのも一つの選択肢です。
企業の例
インターネット業界に属する企業の2022年時点の売上高上位3社を紹介します。
インターネット業界の大手企業
- 楽天グループ :Eコマースだけでなく、通信、金融、スポーツなど多種多様な業種の企業を傘下に有している。知名度が高く、国内ECサイト会員数1位を誇る。
- Zホールディングス:ソフトバンクグループの連結子会社。インターネット上の広告事業・Eコマース事業・会員サービス事業などを手掛け、トータルデジタルリサーチ国内1位のYahoo! JAPANなどを運営している。
- リクルートホールディングス:リクルートグループの持株会社。求人広告や人材紹介、販売促進、ITソリューションなどのサービスを手掛ける。グローバルなサービス展開が強みで、サービス展開国数60カ国以上、総従業員数 5.1万人以上を誇る。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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②通信業界
通信業界では主に、インターネットサービスを利用する際に必要な通信インフラを設置・運用する仕事をします。これまで三大インフラとされてきた電気・水道・ガスに通信を加えて、四大インフラとする見方もでてきました。
通信業界は、固定通信と移動体通信の2つに分けられます。
固定通信とは
固定電話やPCなどの通信サービス。自宅やオフィスなどの決まった場所でのインターネット接続を提供する
移動体通信とは
スマホ、タブレット型端末などのモバイル通信サービス。場所や時間を選ばずにどこでも利用できる。従来は通信の安定性に課題があったが、技術の進化により高速で安定した通信が可能になる
また、誰に対してのサービスなのかによって、事業内容を以下のように整理できます。
事業内容 | |
BtoC | ・通信インフラを構築し、利用する個人ユーザーから通信費を課金・徴収 ・通信端末機器を販売 ・生活関連サービスの提供(動画配信、金融・決済サービスなど) |
BtoB | ・他の通信キャリアに対し、電波や光回線のインフラを提供 ・法人向けのネットワークサービスや通信機器の提供 ・通信会社が持つ幅広い商材を駆使して、トータルソリューションを提供 |
主な職種
通信業界の代表的な職種は、セールスエンジニア、ネットワークエンジニア、カスタマーサポート、テクニカルサポートなどです。企業によってはそれぞれの役割が重複していることもありますが、主な仕事内容は以下の通りです。
通信業界の代表的な職種
- セールスエンジニア:営業と技術者の両方の側面を持ち、自社製品の導入提案や導入後のサポートをする。
- ネットワークエンジニア:ネットワークシステム構築全般(ネットワーク設計、保守運用、サーバー管理)をする。
- カスタマーサポート:製品やサービスに関するユーザーからの問い合わせに対応する。
- テクニカルサポート:製品の不具合やサービスのトラブルに対応する。
テクニカルサポートのより詳しい仕事内容や魅力、キャリアパスはこちらの記事で解説しています。
テクニカルサポートの仕事とは? 魅力から厳しい一面まで実態を解説
カスタマーサポートやテクニカルサポートも含まれる、コールセンターの仕事について詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
例文8選|コールセンターの志望動機で絶対盛り込むべき4要素
向いている人
通信業界の仕事は、社会のインフラを支える仕事であるため「社会の役に立ちたい」「誰かのために働きたい」と考えている人や、責任感が強い人に向いています。
また、変化の早い業界でもあるため、適応力があることや学習意欲が高いことも求められています。
世の中のトレンドに敏感であり、変化していく状況を楽しめる柔軟なタイプの人も向いています。また、主体的に物事に取り組み、成果や実力に応じて評価される環境が好きな人も向いているといえます。
責任感を強みに持つ人は自己PRでアピールしましょう。責任感の自己PRの作り方は、こちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてください。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
将来性
通信業界は、今まで大手キャリアが市場を独占し、新規参入が難しい傾向にありました。しかし、格安SIMの導入や、5Gの出現により新規参入する企業も増え、通信業界に大きな変化が起きています。
5Gとは
5世代移動通信システム(5th Generation)のことで、2015年から導入されている携帯通信4G LTEの上位にあたる移動通信システム。高速大容量で多数同時接続が可能
すでにほとんどの人は携帯電話やインターネットを契約しているため、新規ユーザーの獲得に関しては、頭打ち感は否めません。
しかし、通信は社会インフラ的な要素が強く、加速が見込まれるIT化に不可欠であるため、今後も安定した成長が期待できます。
リモートワークの普及や、家庭用品から工業機器まであらゆるデバイスをインターネットに接続するIoTなど、通信インフラの需要はさらに増えていきます。ITと切っても切れない通信業界は今後も成長していくでしょう。
企業の例
通信業界に属する企業の2022年時点の売上高上位3社を紹介します。
通信業界の大手企業
- NTT:総合ICT事業・移動通信事業(NTTドコモ、NTTコミュニケーションズなど)、地域通信事業、グローバル・ソリューション事業などを手掛ける。
- ソフトバンクグループ:1981年に設立した、日本ソフトバンクを母体として発展した企業。通信業界としては後発の企業でありながら、通信に限らず多様な新規事業を起こして、存在感を強めている。
- KDDI:auブランドを中心とした携帯電話事業を手掛ける。2000年に第二電電(DDI)、ケイディディ(KDD)、日本移動通信(IDO)が合併して誕生した。
通信業界を目指している人は以下の記事も参考にしてみてください。志望動機の書き方や業界理解の深め方など詳しくまとめています。
関連記事
例文6選|通信業界の志望動機を書くコツと業界理解を深める方法
通信業界の志望動機を書くときは、目指す職種ややりたいことを明確にすると具体的になります。この記事では、通信業界の志望動機を書く方法や業界が持つトレンドをキャリアコンサルタントと解説します。通信業界の志望動機に悩む人は、ぜひ参考にしてください。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
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③ハードウェア業界
ハードウェア業界では、電子機器など物理的に存在する機械や設備、装置の開発・製造・販売をしています。
ハードウェアの種類
- PC、スマートフォン、タブレットなどの情報端末
- マウス、モニター、プリンター、スキャナーなどのPC周辺機器
- 家電製品
これまでは、PC周辺機器がハードウェアの代表例でしたが、近年ではIoT(Internet of Things)の普及により、モノがインターネットとつながるようになったため、家電などもハードウェアと総称されるようになりました。
BtoCのイメージが強い人もいると思いますが、企業向けの複合機やプリンターなどBtoBに該当する部分もあります。
主な職種
ハードウェア業界の代表的な職種は、ハードウェアエンジニア、組み込みエンジニア、テストエンジニア、セールスエンジニアなどです。企業によってはそれぞれの役割が重複していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
ハードウェア業界の代表的な職種
- ハードウェアエンジニア:ハードウェア内で使用される電子回路の開発や設計をする。
- 組み込みエンジニア:製品に組み込まれるシステムの開発・設計を担当する。
- テストエンジニア:開発したものが設計通り動作するかどうかのテストを、各段階で実施して評価する。
- セールスエンジニア:技術の知識で営業をサポートする。定期訪問やアフターサポートをする場合もある。
向いている人
実際に目に見えるものを取り扱う業界のため、ものづくりが好きな人や、自分の作ったものが形になる仕事をしたい人に向いています。
また、製品開発に時間がかかることや、動作確認などの単純作業が発生する職種もあるため、辛抱強く冷静に作業できる人も適性があります。
技術系であれば電子回路などの知識がある人は向いていますが、海外の売り上げの割合が高い企業では、海外とのビジネスを問題なく遂行できる語学力があり、グローバルな視点で捉えることができる人も向いているでしょう。
将来性
近年では、ハードウェアの開発よりもアプリケーションなどのソフトウェア開発の勢いがあることは否めません。
しかし、ソフトウェアの開発が進めば、それを搭載する高性能なハードウェアが必要となるため、ハードウェアの需要は続くといえます。
また、すでに市場規模は大きく、業界は安定しています。
IoTの普及により、デバイスやセンサーなどのハードウェアの需要が増加しています。スマートホーム、スマートビル、スマート工場などの分野でのハードウェアの需要が増えていて、今後もIoT市場の成長が予想されています。
企業の例
2022年時点のハードウェア企業の売上高上位3社を紹介します。
ハードウェア業界の大手企業
- 日立製作所:日立グループのモノづくりを担う中核企業で、世界有数の総合電機メーカー。
デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズセクターにおける製品の開発、生産、販売、サービス提供など幅広い事業を手掛ける。 - SONY:AV機器を中心に、エレクトロニクス事業の分野で世界的に知名度のある電機メーカー。携帯型音楽プレーヤー「WALKMAN」、ペット型ロボット「AIBO」など社会現象にもなっている製品を開発した。
- Panasonic:松下幸之助によって設立された日本の総合家電メーカーで、海外でも広く認知されている。家電製品で培った技術をほかの事業に活かして開発をしていることが特徴に挙げられる。
④ソフトウェア業界
ソフトウェア業界では、コンピューター上で利用するソフトウェアの開発・販売をしています。ソフトウェアとは、目に見える機器(ハードウェア)を動かすためのプログラムの総称を意味します。
ソフトウェアの種類
- アプリケーションソフトウェア
利用者の目的に応じて特定の機能を動作させるソフトウェア
例:Microsoft(Windows)、Apple(macOS、iOS)など - オペレーティングシステム (OS)
コンピュータの稼動自体に必要となるソフトウェア
例:MicrosoftのWord、Excel、PowerPointなど
ソフトウェア業界のビジネスモデルは大きく分けてパッケージ開発と受託開発の2つに分けられます。
パッケージ開発とは
自社でソフトウェア製品を開発し、不特定多数の企業や個人に販売する形態
受託開発とは
企業や官公庁の業務システム・ソフトウェアの注文を受けてシステム開発をする形態
企業によっては、パッケージ開発と受託開発両方のビジネスを展開している場合もあります。
主な職種
ソフトウェア業界の代表的な職種は、プログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニアです。企業によってはそれぞれの役割が重複していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
ソフトウェア業界の代表的な職種
- プログラマー:プログラミング言語を使い、ソフトウェアを開発する。
- システムエンジニア:システムの設計・開発・テストをしてプロジェクト全体の進行を指揮する。
- ネットワークエンジニア:コンピューターネットワークのシステム構築や保守管理をする。
向いている人
ソフトウェアはプロジェクトチームを結成して開発するのが一般的です。そのため、チームメンバーと円滑に連携しながら、仕事を的確にこなす必要があります。
また、顧客にヒアリングしてニーズを正しく捉えなくてはなりません。そのため、コミュニケーション能力のある人が向いているといえます。
どのようなプログラムを組み込めば課題を解決できるのか考える論理的思考力を持った人や、目に見えないものを顧客にわかりやすく伝える力がある人も向いているといえます。
納期が守れる真面目で几帳面な人、時期によってはハードなときもあるので体力のある人、ニーズを聞き入れて柔軟に対応できる人、常に学ぼうとする姿勢がある人も向いています。
柔軟性がある人は自己PRでアピールしましょう。柔軟性の自己PRの作り方・伝え方はこちらの記事で解説しています。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
将来性
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、ソフトウェア業界の売上高は長期的に増加傾向にあり、今後さらに発展していくことが予想されます。
ソフトウェア業界の需要が高まる理由
- クラウド化による市場規模拡大
- Iotの普及による組み込み系ソフトウェアの需要増加
- ビッグデータ活用などによる、分析ソフトウェアの開発需要増加
- 企業のセキュリティ問題を解消するためのソフトウェア開発の需要増加
企業や組織のDX化が進んでおり、ソフトウェアが重要な役割を果たしています。
クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI、IoTなどの技術を活用したソフトウェアの需要が今後も見込めるでしょう。また、ローコードやノーコードといったプログラム開発技術も普及していくと考えられます。
企業の例
ソフトウェア業界に属する企業の2022年時点の売上高上位3社を紹介します。
ソフトウェア業界の大手企業
- 日本オラクル:米国オラクル・コーポレーションの日本法人として1985年に設立。データベース管理ソフトで高いシェアを誇る。
- トレンドマイクロ:セキュリティ関連製品の開発・販売をおこなっている企業。法人向けのPC端末保護で高いシェアを誇る。個人向けでは、総合セキュリティ対策ソフトのウイルスバスターシリーズを展開している。
- オービック:コンサルティングからシステム構築、ソフトウェア開発、稼働、導入後のサポート&サービスまでを一貫して提供。主力製品は、導入実績No.1の統合業務ソフトウェアOBIC7シリーズ。
ソフトウェア業界についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
ソフトウェア業界のすべてがわかる! 選考を突破する方法も解説
ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
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⑤情報処理サービス(SI)業界
情報処理サービス業界では、企業から依頼を受けて、独自のシステム開発を企画から運用、保守まで請け負う仕事をしています。
システムインテグレーション(SI)業界とも呼ばれ、SIを展開する企業をSIer(エスアイアー)と呼びます。
SIerが自社だけでエンジニアをまかなえない場合、SESを利用してエンジニアを確保することもあります。
SES(システムエンジニアリングサービス)とは
必要な期間・人数のエンジニアを顧客企業に派遣して技術的サービスを提供する契約形態を指す。報酬対象は成果物ではなく、作業した時間や工数
SESについてはこちらの記事でより詳しくまとめています。興味のある人は併せて参考にしてみてください。
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SES企業への就職は、新卒でもさまざまなプロジェクトに参加できるなどさまざまなメリットがあります。一方、学生にとっては想像しにくいデメリットもあるので、記事ではキャリアコンサルタントの見解と合わせて、SES企業の特徴を解説します。
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主な職種
情報処理サービス(SI)業界の代表的な職種は、ITコンサルタント、システムエンジニア、インフラエンジニア、保守運用です。企業によってはそれぞれの役割が重複していることもありますが、主な仕事内容は以下です。
情報処理サービス(SI)業界の代表的な職種
- ITコンサルタント:顧客をヒアリングし、ITを活用して顧客企業の抱える課題を解決する。
- システムエンジニア:システムの設計・開発・テストをしてプロジェクト全体の進行を指揮する。
- インフラエンジニア:サーバー・ストレージ・ネットワークなどのIT基盤の構築をする。
- 保守運用:システムを安定的に稼動させるために、システム監視やトラブル対応をする。
向いている人
情報処理サービス(SI)業界は企業の問題解決がメインの仕事のため、企業の抱える問題を的確に捉えるヒアリング力や、課題解決能力がある人に向いています。
また、顧客がIT分野の知識を備えているとは限らないため、自分の考えを的確にわかりやすく相手に伝えられる言語化能力やプレゼンテーション能力があることも求められています。
論理的な会話ができ、良好な人間関係が構築できる人は、顧客とも信頼関係を構築し、うまくやっていけます。またITが好きで向上心がある人は、ITの知識や技術を積極的に習得し顧客の課題解決ができるため、向いているでしょう。
将来性
近年セキュリティ犯罪の増加や巧妙化が問題視され、システムの強化やセキュリティシステムを導入するニーズが高まっています。そのため、情報処理サービスの需要は今後も高いと考えられます。
また、既存顧客企業の情報システムが継続して利用されているのに加え、AIやIoTなどの新技術の発展により、今後さらに市場が拡大することが予想されます。
SI業界の今後は、慢性的な人材不足が予想されます。その反面、企業から求められるソリューションの品質は高いものを求められるようになっていくでしょう。
既存のIT技術だけでなく、新しい技術も積極的に扱える企業が今後も活躍していけると考えられます。
ここまでSIの仕事や向いている人を解説しましたが、以下の記事ではSI業界をより詳しくまとめているので参考にしてみてください。
SI業界を研究! 仕事内容や将来性、向いている人を徹底解説
企業の例
情報処理サービス企業の売り上げ収益上位3社を紹介します。
情報処理サービス業界の大手企業
- IT業界にはさまざまな業種があることを理解しました。その中で、どのような基準で業種を決めると良いですか?
具体化させたキャリアビジョンに合う業種を見つけよう
全体に共通していえるのは、幅広いIT知識とプログラミングスキルが必要になってくるということです。ただ、それぞれの業種によって必要とされるスキルは変わってきます。
一度、自分の適性やこの業界での目標を確認し、この業界でどのように活躍していくかという将来像を思い浮かべながら業種選びをすると良いでしょう。
迷っている人必見! IT業界で働くメリット
IT業界で働くメリット
- 新しい価値を生み出すやりがいがある
- 専門的な知識が身に付く
- チームで達成感を感じられる
- 比較的柔軟な働き方ができる
IT業界の現状や業務内容を理解したところで、志望するかどうか迷っている人もいるかもしれません。
ここからは、IT業界で働くメリットを解説します。メリットを理解して、自分の価値観と合っているかどうか判断してみてください。
メリット①新しい価値を生み出すやりがいがある
時代とともに、ITの技術は急速に変化・拡大しています。
前例にとらわれずに急速に変化している業界だからこそ、新しい技術を駆使して、新しい価値観を生み出しやすくなります。
生み出した新しい価値が人々の生活の豊かさにつながることも多く、やりがいも大きい仕事です。
メリット②専門的な知識が身に付く
IT業界は高度な知識や専門技術を用いて働く必要があり、業務を通して専門的な知識を身に付けられます。
IT業界で身に付けられるスキルは会社や業界、国を越えても通用することも多く、IT業界で働くことは、どの会社でもどの国でも働けることにつながります。
今後さらなるITの進歩が予測され、専門的な知識を持つ人の需要は増える見込みです。キャリアの選択肢を増やす意味でも、専門的な知識が身に付けられる点は大きな魅力といえます。
メリット③チームで達成感を感じられる
IT業界では一つのプロジェクトに対して、複数人でチームを組んで仕事をすることが多くなります。そのため、仲間と切磋琢磨しながら、高い目標を成し遂げる達成感を得られます。
また、他社のメンバーと協力してプロジェクトを実施することもあり、さまざまな人とかかわり合い刺激をもらいながら仕事ができます。
メリット④比較的柔軟な働き方ができる
IT業界は、テレワークやフレックスタイムなどの制度を導入している企業も多く、比較的柔軟な働き方ができます。
テレワーク
情報通信技術の活用により、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと
フレックスタイム
あらかじめ定められた総労働時間内で始業・終業時刻を労働者自身が自由に決められる制度のこと
時間や場所に縛られずに、自分のライフスタイルにあった柔軟な働き方を選択できる点は、IT業界で働くメリットといえます。
インターネットを使って在宅で仕事をしたいと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。
インターネットを使った在宅の仕事16選|探し方や準備を徹底解説
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る可能性と働きやすさがIT業界の魅力
経済状況の変化が激しい時代を迎え、今後も発展し続ける業種がIT業界です。日々の技術革新によって次々と新しいサービスが提供されるということは成長が続いていくという証拠になるので、そこには多くのビジネスチャンスがあり、将来性と可能性に満ちているといえます。
IT業界の職種は、インターネットやパソコンが使える労働環境が整っていれば、基本的に出社する必要がないので柔軟な働き方を受け入れている企業も多く、ワークライフバランスを考えた働き方が実現しやすい業界であるといえます。
出産や子育てなどのライフイベントがあったとしても時間を調整しやすく、仕事と家庭の両立が可能です。
汎用性が高いスキルを身に付けられることもメリット
提供される商品は高付加価値のものが多いことと、人材不足によってエンジニアの市場価値が高まっているので比較的給料も高く、勤続年数や年齢に左右されることなく、自分の成果に見合った昇給や昇格が見込まれます。
そして、身に付けたスキルはその企業以外でも通用する「ポータブルスキル」となるので、転職や転居などにも対応しやすいというメリットがあります。
事前に知っておこう! IT業界で働く注意点
IT業界で働く注意点
- 残業が多くなりやすい
- 勉強し続ける必要がある
- 福利厚生が整っていない場合もある
IT業界ならではのやりがいや、働きやすい環境であるといった魅力がある一方で、残業が多いことや常に勉強が必要になることなど、大変な点もあります。
ここからはIT業界で働くデメリットを解説します。メリットだけに注目するのではなく、デメリットも理解しておくことで、後悔せずに働ける可能性が高くなります。
デメリット①残業が多くなりやすい
残業時間が多いか否かは職種や企業によって異なりますが、IT業界は残業時間が多い傾向にあります。
厚生労働省のIT業界の長時間労働対策についてによると、情報通信業は、年間総実労働時間が1,933時間(全産業平均は1,724時間)、所定外労働時間が198時間(全産業平均は129時間)と、労働時間が長く、残業も多いことがわかります。
特に下請け仕事を受注することが多い中小のIT企業では、急な発注や締め切りでプロジェクトを急いで完成させなければならない状況などもあり、納期が近づくにつれて残業が多くなることもあります。
デメリット②勉強し続ける必要がある
IT業界は、時代とともに急速に拡大・成長し、最新情報や技術の移り変わりも非常に速いといった特徴があります。
新技術や新しい概念が次々生まれているので、常に好奇心を持って学び続けなくてはなりません。
知識や技術を習得するためには、日々の業務時間以外もスキルアップに時間を割く必要があり、勉強が苦手な人やルーティンワークを好む人はストレスに感じることもあります。
デメリット③福利厚生が整っていない場合もある
IT業界は他業界と比較するとまだ歴史が浅く、ベンチャーやスタートアップなど新しい企業が多い傾向にあります。
自由な面も多い一方で、福利厚生や教育制度が整っていない面もあり、安定的な働き方や企業のフォローアップを希望する人にとっては、デメリットに感じる可能性もあります。
自由でチャレンジングな社風を好む人の中で、福利厚生も重視したいという人はメガベンチャーを選択肢にいれるのもおすすめです。メガベンチャーの多くがIT企業となっていますよ。
メガベンチャーはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
人気のメガベンチャー20社紹介! 特徴や選考難易度などを解説
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る成長途中の業界ならではのデメリットもある
IT業界で働くうえで大変なことや知っておくべき注意点について、考えてみましょう。
納期に追われる仕事が多い
IT業界ではチームでおこなう仕事が多く、常に納期が存在します。プロジェクトの納期が短くなる傾向があり、納期に間に合わせるために、残業時間が増えるだけでなく休日出勤などをおこなうケースもあります。
顧客からの要望の変更や追加があれば、さらに時間に追われて仕事をおこなうことになります。
研修体制が整っていない企業がある
IT業界はベンチャー企業が多く実力主義であるため、研修体制が整っていない企業があります。マニュアルなどがなく、未経験の場合でも関連する書籍を短期間で読んで対応するケースも珍しくありません。
一方、人員不足を補うために、マニュアルの整備や研修体制を強化している企業も増えてきています。
適応力や向上心が求められる
変化の激しいIT業界では常に新しい技術が生まれていて、数年前の技術が通用しなくなってしまうこともあります。このためIT業界では、技術の変化に対応していける適応力や、新たな技術を積極的に習得していく向上心が常に求められています。
早めに始まることも? IT業界の就活の進め方
早めに始まることも? IT業界の就活の進め方
- 自己分析をする
- 最新の情報を収集する
- インターンに参加する
IT業界では、前述したとおり人材不足の問題を抱えていることから、優秀な人材を確保するために、早い時期から選考に向けて動き出す傾向があります。
また、通年採用を取り入れている企業も多く、採用を決定する時期も他業界と比べて早い傾向にあります。
他業界志望の人と同じ流れで良いだろうと構えて準備不足にならないように、前倒しで対策をしましょう。
ここからはIT業界の就活の進め方を解説します。IT業界ならではの準備方法もあるので参考にしてくださいね。
IT業界は人材不足の影響もあり、他社の選考が本格化する前に、夏のインターンなどを通じた早期選考を積極的に展開する企業もあります。
インターンで仕事内容を知ってから候補を絞ろうと思っていると後手に回る可能性があるので、早めに準備しておくことが大切です。
早期選考をおこなう企業や選考対策の方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
早期選考を実施する業界一覧! 早めに内定を獲得する5つの秘策
業界や企業によって異なる就活のスケジュールや事前準備についてはこちらの記事で解説しています。
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自己分析をする
まずは自己分析をして、自分に向いている仕事内容を客観的に理解しましょう。
IT業界には、さまざまな業種や職種があります。憧れや知名度だけで決めるのではなく、自分にはどのような企業が合っているのかをしっかりと見極めましょう。
自己分析のポイント
- 自分はどのような価値観があるのか
- 強みや弱みは何か
- ITのどの分野に興味があるのか
- どのようなビジョンや目的があるのか
- どのような働き方をしたいのか
- 社会にどのような役割を果たしたいのか
自己分析を入念にすることは選考対策にもなります。たとえば、自己分析で見つけ出した自分のビジョンと企業のビジョンが合致していれば志望動機に活かせます。また、自分の強みと企業に求められる力が合致していれば自己PRとしてアピールすることが可能です。
準備不足で自己分析が不十分だと企業とのミスマッチが生じ、アピールも不十分になってしまいます。
自己分析は時間がかかることも多く、一度すれば終わりというものでもありません。そのため、IT業界を志望している人は、早い段階から自己分析をしておくと安心です。
自己分析をしっかりすることで、自分にとって良い企業は何か考えることができます。以下の記事も参考にしてみてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
最新の情報を収集する
IT業界は技術の進歩・変化のスピードが著しいため、情報のキャッチアップが重要です。新しい技術がたびたび登場するため、古い情報を鵜呑みにしてしまうと、情報が間違っている可能性もあります。
ここからは、最新の情報収集の仕方を解説します。最新の情報を取り入れ、企業研究に活かしましょう。
ITに特化したニュースサイトを読む
ニュースサイトや情報サイトは、情報のアップデートが頻繁にされるため、常に最新の情報に触れることが可能です。
意識しておきたいのは、正しい情報を取捨選択することです。インターネットはさまざまな情報であふれているため、意見や主張の偏りがないかや信ぴょう性の高い情報かどうかを慎重に検討する必要があります。
おすすめのITに特化したニュースサイト・情報サイト
またYouTubeなどを活用した動画コンテンツで情報収集する方法もおすすめです。画像や音声付きで情報を得られるため、理解しやすい点がメリットです。
専門書を読む
ITに特化したニュースサイトの情報よりも、さらに知識を深めたい人におすすめしたいのがITの専門書です。
専門書は、その領域に詳しい人が執筆や監修しているため、一般的にインターネットよりも信頼性が高いという特徴があります。
一方で、出版年度が古くなると情報も古くなってしまう点や、一冊だけだと情報が偏ってしまう点、何冊も読もうとすると費用が多くかかってしまう点などのデメリットもあります。そのため、無料のニュースサイトや情報サイトと併用して情報収集するのがおすすめです。
- 業界研究や企業研究をする際に、特に研究しておくと良いポイントはありますか?
OB・OGを訪問したりインターンに参加しよう
ITに特化したニュースサイトなどで情報収集をおこなうことに加えて、IT業界は企業によって業務内容や働き方が異なるので、興味のある企業のOB・OGなど先輩社員から直接話を聞いたり、インターンを通じて研究をしておくと良いでしょう。
たとえば顧客のシステム開発に関する業務を請け負うSler系の企業では、顧客企業で仕事をおこなうこともあります。
企業の業務内容やテレワークを含めた具体的な働き方について、しっかり研究しておきましょう。
先輩の話を聞く
より実態に即した情報を得たい人は、OB・OG訪問や座談会の際に先輩に話を聞く方法もおすすめです。
自分だけで調べようとすると、偏った情報を収集してしまう可能性がありますが、先輩などほかの人の話を聞くことで、新しい視点を取り入れられます。
IT業界は企業によってさまざまな特色があるため、押さえておきたい情報も異なります。志望企業の先輩に最新情報を教えてもらえれば、より企業研究が深まる可能性も高くなります。
志望企業の先輩がいないか大学のキャリアセンターに問い合わせたり、企業が設定するOB・OG訪問や座談会がないか確認したりしてみましょう。
IT業界についてOB・OG訪問や座談会で話を聞きたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。
OB・OG訪問
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座談会
座談会とは? 質問例50選と本選考への活かし方を企業目線で解説
インターンに参加する
同じIT業界でも、事業内容や業務範囲、キャリアパスや職場の雰囲気など企業によってさまざまです。
そのため、インターネットや書籍で調べた情報のみでIT業界を一括にして考えていると、入社後にギャップが生まれやすいため注意しましょう。
生の情報を得るためには、インターンの参加がおすすめです。
実際に働いている人の話を聞いたり、仕事を体験したりする中で、企業独自の特色や職場の雰囲気などをつかめます。また、社員の考えを深く知ることで、自分の価値観と合っているか測ることもできます。
興味のある企業のインターン情報を調べて積極的に参加しましょう。
IT業界について理解を深めたい人には、インターンへの参加がおすすめです。インターンについてはこちらの記事で解説しています。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るIT系の資格を取得したりインターンに参加すると一歩リードできる
業界としては人材不足が続いていることもあり、理系で情報系の大学生なら特に、資格がなくても学部で学んだことを活かして就職することは比較的簡単です。
しかし、基本情報技術者試験などの情報処理技術者試験に合格していたり、文系学生でもITパスポート試験に合格していると、将来的なビジョン設計にも役立つのでおすすめです。
また、インターンも盛んにおこなわれています。実際の業務の体験を通して自身のITスキルを高めたり、顧客とかかわるコミュニケーション能力を高めることもできます。
適性検査CABの対策をしておこう
IT業界の採用試験では、適性検査としてCABをおこなうところが多く、対策をしていないと選考で不合格になってしまいます。
適性検査は「企業側が求める人材として基礎的な能力があるかどうか」を識別し、「社会人の一般常識があるかどうか」も問われる試験ともなるため、早いうちから準備しておくと良いでしょう。
IT業界は、大学3年次の9月ぐらいから冬にかけて早期選考をおこなう企業もあります。夏のインターンへの応募時を利用して、自己分析や応募書類の添削などは早めに受け、早期選考にも備えておくと良いでしょう。
Web-CABの対策方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
Web-CABでハイスコアを取る! 例題付きで突破するコツを解説
面接で聞かれることも! IT業界のトレンドワード
IT業界のトレンドワード
- IoT(アイオーティー)
- クラウド
- AI(人工知能)
- XR(クロスリアリティ)
- X-Tech(クロステック)
IT業界に興味を持っている人は、注目されているトレンドを押さえておくことをおすすめします。
IT業界を深く理解できているかどうかを判断するために、面接でトレンドワードに関する質問をされることもありますよ。
ここではIT業界の押さえておきたいトレンドワードを解説します。トレンドワードをしっかり理解して、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
IT業界の変化や動きが非常に早いので、最新の動向やトレンドを理解しておくことが重要です。たとえば最新のトレンドワードについて面接で質問をされて回答できないと、IT知識が不足していると判断されて採用を見送られてしまうことがあります。
①IoT(アイオーティー)
IoTとは
従来インターネットに接続されていなかった家電や自動車などのモノが、インターネットに接続する仕組み
総務省の情報通信白書令和2年版によると、世界のIoTデバイスは急速に普及し、今後ますます発展することが予測されます。
IoTの事例
- 家庭での活用事例
・出先からスマホでエアコンや照明を操作する
・留守中にペットにフードサーバーからエサを与える - 企業での活用事例
・工事の稼働状況を可視化し生産効率向上に役立てる
・自動販売機をインターネットにつなげて在庫や温度を遠隔で管理したり、天気や時間別の人気商品を分析したりする
IoTは人々の生活をより良くするビジネスとして、IT業界で非常に注目されています。
②クラウド
クラウドとは
インターネットなどのネットワークを経由して、ユーザーにサービスを提供する形態
以前はソフトウェアをインストールした決まった端末からサービスを使用するのが一般的でしたが、クラウドサービスが浸透したことにより、インターネット環境がありさえすればどのような端末からでも同一のサービスが利用できるようになりました。
総務省の令和4年版 情報通信白書のクラウドサービスの利用状況によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は70.4%と、多くの企業が導入しています。
また、毎年割合は上昇し、クラウドは企業で急速に普及しつつあります。
新型コロナウイルス感染症により、オンライン化が進みテレワークが普及してからは、より重要性が高まっています。
クラウドサービスの例
- SNS
- Webメール
- 名刺管理ツール
- テレビ・Web会議
- オンラインストレージ
- 勤怠管理システム
③AI(人工知能)
AIとは
コンピュータが人間のような知能を持ち、独自の判断で動作する技術
AIが搭載されていないシステムはプログラミングされたとおりにしか作動しませんが、AIが搭載されたシステムは、与えられた情報からコンピュータが独自に判断して、最適解を導くことが可能です。
AIは1950年代から研究が続けられていて、現在のディープラーニング(深層学習)を用いたAIの発展は「第三次人工知能ブーム」ともいわれています。
ディープラーニング(深層学習)とは
AIを支える手法の一つであり、機能学習を発展させたもの。十分なデータ量があれば、指示をしなくても自動的にデータの中から特徴を抽出して分析できる
ディープラーニングにより、従来の技術ではできなかったことが達成できるようになり、多様な分野への実用化が進んでいます。
ディープラーニングでできること
- 画像認識
自動車の自動運転、類似画像検索など - 音声認識
音声入力、自動翻訳など - 自然言語処理
問い合わせの自動応答など - 異常検知
品質管理、不良品検知など
④XR(クロスリアリティ)
XR(クロスリアリティ)とは
VRやAR、MRなどといった現実世界と仮想世界を融合させることで、新しい体験を作り出す技術の総称
VRとは「Virtual Reality」の略で仮想現実のことで、仮想世界が360度表示され、現実とは別の空間を体験できます。ゲームや不動産の内見などで活用されています。
ARとは「Augmented Reality」の略で、拡張現実を指します。現実世界の映像のうえに仮想世界の情報が重ねられ、本当に存在しているように見えるものです。ゲームやカメラアプリのフィルター機能などに使用されています。
MRとは「Mixed Reality」の略で、複合現実の意味です。ARをさらに発展させたものであり、現実世界と仮想世界をより密接に融合させ、仮想世界をよりリアルに感じられる技術のことです。
同じMR空間を複数人と同時に体験することも可能で、製品のシミュレーションや、博物館での実物大で動くホログラムの展示などに活用されています。
XRは今後も、5Gによる通信環境の進化を追い風に、さまざまな領域での活用が期待されています。
⑤X-Tech(クロステック)
X-Tech(クロステック)とは
既存のビジネスとAI、IoT、XRなどといった先進的なテクノロジーを掛け合わせて生まれた新たな製品やサービス、またはその取り組み
X-Techは以下のビジネスで活用されています。
代表的なX-Tech(クロステック)ビジネス
- AgriTech(アグリテック) Agriculture(農業)×Technology
事例:農作物の育成状況や天候などのデータ化による農作物の管理 - EdTech(エドテック) Education(教育)×Technology
事例:VR体験学習、一人ひとりの理解度に合わせた個別プログラムの作成 - FinTech(フィンテック) Finance(金融)×Technology
事例:モバイル決済、資産運用ロボアドバイザー - HealthTech(ヘルステック) Health(健康)×Technology
事例:健康管理アプリ、電子お薬手帳
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るIT業界のトレンドワードを押さえよう
上記以外でIT業界を志望する際押さえておきたいトレンドワードについて、考えてみましょう。
「デジタルトランスフォーメーション」(DX)
デジタル技術を浸透させて、人々の生活をより良いものに変革することを指します。具体的には、企業が AI、IoT、ビッグデータといったデジタル技術を活用したうえで、業務フローの改善や新たなビジネスモデルを創出し、企業文化や組織の改革に活かし、優位性を確立することです。
ドローンでの荷物輸送、個人間での売買システム、無人決裁システムなどがあります。
「ロボティック・プロセス・オートメーション」(RPA)
人間に代わりルールエンジンやAIなどの技術を備えたソフトウェアのロボットが、代行・自動化する概念を意味します。少ない人数でより生産性を高めることが可能なRPAは、押させておきたいトレンドワードです。
「デブオプス」(DevOps)
開発と運用を組み合わせた造語で、開発担当と運用担当が綿密に連携して、柔軟かつ迅速にシステム開発をおこなう手法のことです。アプリケーションの開発だけでなく、変化の速い市場に対応しながらIT製品の導入や更新が可能になります。
「エッジコンピューティング」
ユーザーや端末の近くでコンピュータの処理をおこなう手法で、上位のシステムへの通信や負荷を減らし、高速な通信や処理が可能になります。
文系や未経験でもIT業界に就職する方法
文系や未経験でもIT業界に就職する方法
- 技術職以外の職種を目指す
- 研修制度の整った企業を目指す
- 資格を勉強する
IT業界は専門的な知識も多く、経験者でなくては就職するのが難しいイメージを持っている人もいるかもしれませんが、最近では文系や未経験の人を積極的に採用する企業も増加しています。
ここからは、文系や未経験の人でもIT業界に挑戦する方法を解説します。
未経験からIT業界に挑戦しようと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。転職者向けの記事ですが、未経験からIT業界に挑戦するポイントやIT企業の選び方などを解説しています。
未経験からIT業界の転職で役立つ5つの実情|企業選びのコツも紹介
技術職以外の職種を目指す
IT業界の職種は、ITの専門的な知識を駆使して働くエンジニアやプログラマーだけでなく、技術職以外の職種も存在します。
未経験でも応募可能な技術職求人もありますが、技術職以外の職種を視野に入れることで、より自分に合った仕事に巡り会えるかもしれません。
採用サイトに技術職以外の求人が載っていることも多いので探してみましょう。
技術職以外の職種を目指す際は、なぜ他の業界でなく、IT業界のその職種になりたいのかを明確にしておくことが重要です。
技術職以外の職種
- 営業職:自社のIT製品やサービスの販売をする
- 事務職:ITエンジニアのサポート業務をする
- テクニカルサポート:製品に対する問い合わせ窓口となり、顧客対応をする
- IT業界の営業職や事務職は、一般的な営業職や事務職と異なりますか?
IT知識やスキルの有無
IT業界の営業職は、取り扱う商品やサービスに関する専門的な知識が求められ、その他にも顧客へのアプローチ力や販売力、契約後のフォローも含めた資料作成能力、プレゼン能力、人間的な魅力が求められます。
IT業界の事務職は、基本操作以上のIT知識やスキルを使って業務をおこなうので、その知識と実践能力が必要となります。また、事務職であっても積極的に実務経験を積むことでプログラマーとして活躍する道も選択することができます。
営業職や事務職に関してはこちらの記事で解説しています。IT業界は技術職以外の職種で活躍している人も多くいるので、検討してみましょう。
営業職
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
事務職
事務職の4つの誤解に要注意! 仕事内容・適性・選考対策を徹底解説
研修制度の整った企業を目指す
未経験や文系でITの知識に自信がない人は、研修制度の整った企業を目指すことをおすすめします。
IT業界の中には新しい企業も多くあり、研修制度が整っていないこともあります。
独学で学ぶ必要のある企業に就職してしまうと、途中でつらくなってしまったり、業務習得に時間がかかってしまったりする恐れもあるため注意が必要です。
未経験でも安心して学べる環境があるかどうか、採用ページの研修制度や福利厚生を確認したり、OB・OG訪問で先輩に聞いたりと事前に確認しておくと安心です。
資格を勉強する
IT業界に応募する際、特定の資格が必須であることは多くありません。しかし、未経験や文系でIT業界を目指している人は、ITに関連する資格を取得しておくことがおすすめです。
ITの知識が得られるだけでなく、選考時にIT業界への興味や熱意を伝えてアピールすることも可能です。また、ITに対して知ることで、入社後に適性がなかったなどのミスマッチが起こるリスクを減らせるメリットもあります。
ITの知識に自信がない人は、まず難易度の低い入門の資格から挑戦し、徐々に知識を付けていきましょう。
ITの専門的な学部出身でない学生がIT系の資格を持っていると、どの分野に興味があって応募しようと思っているのか知ることができます。
文系の学生がIT系の資格を持っている場合は、具体的な仕事のイメージまで持てているのかどうかが気になります。
就職で有利になる資格を知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。業界別に資格を紹介していて、ソフトウェア・通信業界を志望する学生にとってアピールしやすい資格も解説しています。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
IT系の専門職につきたいと考えている人はこちらの記事も参考にしてみてください。IT業界でアピールできる理系向けの資格について解説しています。
理系向けの資格28選|「就活で有利になるの?」企業の本音も大公開
IT業界を正しく理解して納得のいく就活をしよう!
IT業界での就活を成功させるためには、業界の仕組みやトレンドを正しく理解することが必要不可欠です。
この記事で紹介したIT業界の構造や現状などを活用して、IT業界への理解を深めてください。
正しい業界理解が、納得度の高い就活につながります。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るIT業界の仕組みから向いている人や将来性を推測しよう
IT業界を目指すならば、業界の仕組みについて理解をしておきましょう。IT技術は、自動車や飛行機、家電製品など、身の回りのさまざまなものに活用されていて、市場規模が大きく、業界全体として堅調に成長しています。
そのため学生からの人気が高いですが、一方で人材不足が深刻な業界でもあります。
IT業界は、インターネット・Web業界、通信業界、ハードウェア業界、ソフトウェア業界、情報処理サービス(SI)業界と大きく5つの業種に分かれているので、それぞれの業種の特徴、関連職種、向いている人、将来性を押さえておきましょう。
また、IT業界は、新しい価値を生み出すことがやりがいにつながり、専門的な知識が習得でき、チームで目標を成し遂げる達成感を味わうことができます。
一方残業が多く、常に勉強を続ける必要があり、ベンチャー企業などでは福利厚生が整っていない企業があるといったデメリットも押さえておく必要があります。
IT業界の就職活動はスタートダッシュが肝心
IT業界は優秀な人材を確保するために、早い時期から選考に向けて動き出す傾向があり、文系や未経験の人を積極的に採用する企業も増加しています。
IT分野で何がしたいのか、発揮できる強みは何か、どういった働き方がしたいのかといった自己分析をおこない、ITに特化したニュースサイトや専門書を読むほか、先輩社員に聞いたりインターンに参加をしたりして、情報収集をしっかりおこないましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士
Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める
プロフィール詳細