ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法

ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法のサムネイル

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 小峰 一朗

    保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20009724) / トラストコーチングスクール認定コーチングスキルアドバイザー / システムエンジニア・プロジェクトマネジメント・品質保証コンサルタント SNS:ブログ/note/X(旧Twitter)

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  • 横山 慶一

    インテグラルキャリア研究所所長 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/1級キャリアコンサルティング技能士 SNS:X(旧Twitter)/LinkedIn

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  • 田邉 健

    なべけんブログ・よちきゃり派遣 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19005362) SNS:X(旧Twitter)/Instagram

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この記事のまとめ

  • ディベロッパーは不動産の中でも開発に特化した業界
  • まちづくりという大規模な仕事に携われる
  • 就活生人気の高いディベロッパーでは高度な対策が必要
  • この記事を読んでいる人におすすめ

  • 適職診断

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「ディベロッパーではどんな仕事をしているのだろうか」「ディベロッパーと他の不動産業界の違いを整理できていない」「ディベロッパー企業の特徴や強みを知りたい」という疑問や悩みを抱えている学生も多いでしょう。

学生から人気のあるディベロッパー。選考を突破するには、業界と企業の徹底理解が不可欠です

この記事では、キャリアアドバイザーの小峰さん、横山さん、田邉さんと、ディベロッパー業界と企業の理解を深められる内容を解説していくので、ディベロッパー就活を乗り切りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

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学生から人気のあるディベロッパー業界と企業を理解しよう

ディベロッパーは、学生に非常に人気の高い業界の一つ。実態を十分に理解していないと、就活は突破できません。この記事を読み、ディベロッパー業界の特徴やディベロッパーに求められる能力を理解して、採用担当者に刺さるアピールをしていきましょう。

この記事では、まずディベロッパー業界やディベロッパー企業の特徴を詳しく解説します。人気のディベロッパー大手企業の特徴も詳細に説明するので、受けようと考えている人はぜひ参考にしてください。

そのうえで、ディベロッパー就活を突破するためのポイントを解説しています。難易度の高いディベロッパーは、しっかり対策をして選考を突破しましょう

企業ごとの特徴についてもまとめているので、ぜひこの記事を業界研究・企業分析に役立ててください。

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ディベロッパーとは?

ディベロッパーは、不動産業界の中でも開発事業をメインにおこなっています。

ディベロッパーを漠然と不動産業界の一つと捉えて発言すると、「ゼネコンやハウスメーカーでも良いのではないか」と採用担当者に思われてしまいます。そのため、他の不動産業界との違いを明確に理解しておく必要があります。

ここでは、ディベロッパーとゼネコン・ハウスメーカーとの違いを解説するので、参考にしてディベロッパーだからこそ達成できる夢や目標を盛り込んだ志望動機を作成できるようにしましょう。

不動産業界で働きたい人は以下の記事を参考にしてみてください。不動産業界の志望動機の書き方を解説しています。
例文5選|不動産業界の志望動機を書く3つのコツと注意点を解説

不動産業界の中でのディベロッパーの立ち位置

不動産業界の中でのディベロッパーの立ち位置

不動産業界は、多数の分野から成り立っています。

不動産業界を大きな視点で見ると、建物の建築計画や都市の開発計画を立てる「企画・開発事業」、家やマンションを販売する「売却・販売事業」、賃貸の大家と契約者の間に立つ「仲介事業」、ビルやマンションの管理をする「管理事業」の4つに分類できます。

その中でも、ディベロッパーは「企画・開発事業」をメインにおこなっている業界です。駅ビルの開発や都市の再開発など、まちづくりに関する仕事をしています。

ディベロッパーは不動産業界の中でも「まちづくり」を担当する立ち位置です。ハウスメーカーは個人のニーズにあわせて住宅設計をおこないますが、ディベロッパーは街やリゾート商業施設などより大きな規模を担当しますよ。

ディベロッパーとゼネコンの違い

ゼネコンは「ゼネラルコントラクター」の略で、日本語に翻訳すると「総合建設業」と呼ばれます。

ゼネコンのメイン業務は、工事業務の請け負いです。ゼネコンの有名企業としては、鹿島建設大林組大成建設などが挙げられます。

計画を立案するのがディベロッパー、計画をもとに工事に取りかかるのがゼネコンというわけです

とはいえ、工事のすべてをゼネコンがしているわけではありません。受注した仕事を下請け会社に発注し、工事完成までの管理をおこなっています。

計画やアイデアがないと、ゼネコンの仕事は始まりません。仕事を受ける順番としては、ディベロッパーからゼネコンに流れていくイメージになります。

ディベロッパーとハウスメーカーの違い

ハウスメーカーは、住宅やマンションの販売事業やマンション、アパートの賃貸事業から収益を得ています。

ハウスメーカーの特徴として、住宅やマンションの設計・建築・販売を一手に引き受けているというのが挙げられます。個人が居住する住宅などを手掛けているので、基本的に顧客は個人です。

一方、ディベロッパーは都市開発の企画や計画がメイン業務なので、建築はゼネコンなどに発注しています。対象がまちや都市と大きいので、顧客は法人や政府、自治体です。

個人を相手に設計から販売までを担当するハウスメーカーに対して、法人や自治体を相手に企画立案・計画策定後までを担当するディベロッパーという違いがあります

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ディベロッパー業界は安泰? 現状と今後

面接では「ディベロッパー業界の現状の課題とその解決策を提示してください」と聞かれる可能性があります。このような問いに答えられないと、ディベロッパーへの熱意が伝わらず選考突破は難しいでしょう。

そのため、ディベロッパー業界の現状と今後を把握していないと、業界研究ができたとはいえません。

ここでは、ディベロッパー業界の現状の課題や今後の展望について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

ディベロッパー業界の現状

ディベロッパー業界は現状、大きな2つの課題を抱えています。

ディベロッパー業界の現状

  1. 供給過多
  2. 新型コロナウイルス感染症の流行による収益の減少

ディベロッパーが積極的に都市開発や再開発をおこなっていく一方で、日本では人口減少や少子高齢化が進行しました。その結果、オフィスビルやマンションは供給過多になり、空き家や空室が増加しています

そこで、オフィスビル以外の収益源としてアウトレット施設のような商業施設やホテル事業にも注力しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行が直撃。人々が外出を控えたため、収益は落ち込みました。

さらに、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけにテレワークへの動きが加速。オフィスビルの空室はますます増加しました。

小峰 一朗

プロフィール

住宅のあり方も多様化しており、家庭での過ごし方も一人ひとりの個別化が進んでいるため、上記以外にも多様なニーズに応えていかなければいけないという課題があります。

また、今後はリゾート地で仕事をするワーケーションのような、働き方の多様化への対応も求められるでしょう。

ディベロッパー業界の今後

大きな2つの課題を抱えるディベロッパー。日本の少子高齢化が進行していくなかで、2つのキーワードが挙げられます。

ディベロッパー業界が今後注力すること

  1. 海外進出
  2. 再開発

ディベロッパーはすでに海外進出を果たしている企業も多いですが、今後ますます海外事業に注力するでしょう。特に、経済が大きく発展しているアジアの新興国の開発に力を入れていくことが見込まれます

すでにインドネシアやタイではオフィスビルや高層マンションの開発が進行しており、ディベロッパーが持つ都市開発やまちづくりのノウハウは重宝されます。

また、国内では住みやすいまちを目指した再開発に注力していくでしょう。住民のニーズに合わせた商業施設やマンションにリニューアルしていくことで、エリア価値の向上が期待できます。

アドバイザーコメント

スマートシティの導入によってディベロッパーの需要が高まる

本文で説明されている通り、日本は少子高齢化によってマンションの価値が下がるなどの懸念があることは事実です。

一方で、スマートシティが注目されており、よりディベロッパー業界の需要が高まるという考えもあります。スマートシティとは、ICTなどのIT技術を活用して高齢者の移動やインフラの点検、子どもの見守りなど生活をより豊かにする都市や地域のことです。

スマートシティの市場規模はどんどん拡大していくと予想されます。

そして、このスマートシティの導入はディベロッパーが一部を担っています。たとえば、「大手町・丸の内・有楽町地区 スマートシティプロジェクト」はディベロッパーである三菱地所などがかかわるプロジェクトです。

このようにディベロッパーを巻き込んだプロジェクトが増えることを予想すると、より需要が高まることが予想できますね。ディベロッパー業界のIT化・ICT化の動向をきちんとチェックしておきましょう。

ディベロッパーの種類

ディベロッパーの種類

  • 総合ディベロッパー
  • 専門ディベロッパー
  • 公的ディベロッパー

不動産業界の中でも、開発に特化したディベロッパー。ディベロッパーでは、さらにいくつかの種類に分類されます。

違いを理解していなければ、漠然とした志望動機になってしまい、周りの学生との差別化を図れません。そのため、ディベロッパーの種類ごとの特徴や業務への理解は必要不可欠です。

ここでは、ディベロッパーの種類ごとに特徴などを解説していくので、違いを理解して面接官に刺さる志望動機や自己PRを作成していきましょう。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

総合ディベロッパー

総合ディベロッパーは、オフィスビルや商業施設、マンション、リゾート施設など多岐にわたるジャンルの開発をおこなうディベロッパーです。

代表的な企業に、三菱地所三井不動産野村不動産などが挙げられます。多方面にわたって事業を展開しているので、多くの業務に携わることが可能です。

また、総合ディベロッパーは大きな資産を有しているので、大規模のプロジェクトに参画できます。

大きな規模感でまちづくりに貢献したり、自分を磨くためにあらゆる業務経験を積んだりしたい学生に、総合ディベロッパーはおすすめです

専門ディベロッパー

さまざまなジャンルの開発をおこなう総合ディベロッパーに対して、専門的なジャンルに特化した専門ディベロッパーもあります。

すでにどのような商材を扱いたいか決まっている学生は、専門ディベロッパーがおすすめです

マンションディベロッパー

マンションディベロッパーは、名前の通りマンションに特化した専門ディベロッパーです。

マンション開発や販売をメインにおこなっています。マンションディベロッパーは、マンションの建築だけでは終わりません。建築したマンションを起点に、まちづくりを進めていきます。

どのような種類のマンションを建築するのかは、周辺の環境などによって変わります。建築するマンションの種類を決めるのも、マンションディベロッパーの役目です

都会の一等地にはタワーマンション、学校が多いエリアや家族連れが多いエリアにはファミリー向けのマンション、のように決めていきます。

公的ディベロッパー

公的ディベロッパーは、都市の再生をおこなったり、生活インフラが不十分なまちや都市を整備したりしています。また、生活基盤が整っていないエリアには、賃貸住宅の供給もおこなっています。

代表的な公的ディベロッパーは、UR都市機構です。

国土交通省の管轄にあるUR都市機構は、民間企業である総合ディベロッパーやマンションディベロッパーと協力しながら、プロジェクトを進めていくこともあります

まちづくりや再開発に携わるという点では民間のディベロッパーと大きな違いはないですが、独立行政法人の職員は公務員という扱いになるため待遇面では違いが見られます。

年功序列の風土は残っており、大きい結果を残しても若手のうちに出世は見込めない傾向にあります。一方で、景気に左右されず安定的な収入を得られるという魅力もあります。

公務員と民間企業の就活を両立させたい人は、こちらの記事でどちらも成功させる方法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

総合ディベロッパーと専門ディベロッパーのどちらが自分に合っているのかわかりません。どのように判断すれば良いのでしょうか?

「生活」と「まちづくり」どちらにかかわりたいかで考えよう

専門ディベロッパーはマンションや都市再生など人々の「生活」に近い分野の事業です。

一方で、総合ディベロッパーは「まちづくり」という社会に近い分野の事業ですよね。

ミスマッチがないように、あなたがディベロッパーに興味をもったきっかけを振り返りましょう。

そして、生活と社会どちらに貢献をしたいか考えると、自分にはどちらのディベロッパーが合っているのか判断できますよ。

ディベロッパーの事業内容

ディベロッパーの事業内容は、「再開発事業」と「マンション開発事業」の2つにわけられます。

どちらの事業内容をメインに仕事をしたいのかを明確にしておくと、志望企業選びや志望動機の作成に役立ちます。それぞれの事業内容を把握して、ディベロッパー業界への理解を深めていきましょう。

小峰 一朗

プロフィール

事業内容をよく理解しないまま就活を進めると、仕事内容よりも知名度や環境、待遇面などで志望していると捉えられるかもしれません。

事業内容をより深く理解したうえで、目的や理由を持って志望することが大切です。

再開発事業

再開発は、特定のエリアをより住みやすいまちにするために、インフラ整備や商業施設の開発、住宅エリアの拡充などをおこなう事業を指します

東京ミッドタウンや虎ノ門ヒルズ、六本木ヒルズのように、商業施設の開発とともに周辺も整備していきます。

再開発事業は、新しい施設の開発だけではありません。商業施設に向かうまでの道路や歩道などの交通インフラの整備も必要不可欠です。なぜなら、アクセスが悪かったり、インフラが十分に整備されていない場所には人は集まらないからです。

また、再開発エリアには住民が多く、ディベロッパーの意向だけではプロジェクトが進められません。双方が納得して再開発を進めていくために、交渉や区画整理は必須です。

マンション開発事業

マンション開発は、数百戸規模のマンションを建築し販売する事業です。前の章で紹介したマンションディベロッパーは、マンション開発事業を専門的におこなっています。

周辺の施設や立地条件などから、適切な間取りや広さを導き出し、開発するマンションの種類を考えていきます。

また、マンション開発事業はかなりの土地を必要とするうえに、高層建築物になる可能性もあります。そのため、再開発事業と同様に、周辺住民との交渉や区画整理は欠かせません。

ディベロッパーの待遇

入社後の待遇がどのようなものか理解しておくことは、非常に大切です。ここでは、ディベロッパーの待遇を「年収水準」「勤務時間」「福利厚生」の3つに分けて紹介していきます。

「思っていたよりも年収水準が高くなかった」「勤務時間にギャップがあった」のように、入社してから困らないよう把握しておきましょう。

結論から言うと、大手ディベロッパーは、他の業界と比較すると年収水準は高く、福利厚生は手厚いです。そのため、待遇を知ればモチベーションアップにつながるでしょう。

年収水準

まちづくりという事業により、社会に大きな影響を与えているディベロッパーの年収水準は高くなっています。有価証券報告書に記載された平均年収が、1,000万円を上回るディベロッパー企業は以下の通りです。

各ディベロッパーの年収水準(2021年時点)

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、日本の男女の平均年収は307万円と発表されています。ディベロッパーの年収が、平均年収よりも高い水準にあることがうかがえます。

勤務時間

ディベロッパー業界は激務で労働時間が長いと考えている人もいるでしょう。

近年は働き方改革の促進により、ディベロッパー業界でも残業時間を減らす取り組みがおこなわれています

たとえば、2021年度の三井不動産の健康経営への取り組みによると、労働者1月当たりの平均時間外労働時間は10.6時間でした。月に20日間働いているとすると、1日に平均30分の残業に収まっていることになります。

ただし、企業ごとにコアタイムを設けてフレックス制を採用していたり、定時に違いがあったりするので、残業時間が短いとしても、勤務時間の実態は把握しておいた方が良いです。

福利厚生

ディベロッパー業界は福利厚生も充実しています。特に総合ディベロッパーのような大企業は、従業員の生活の質を高める制度に注力しています。

たとえば、三井不動産の健康経営への取り組みによると、有給休暇の平均取得日数は15日です。厚生労働省の令和3年就労条件総合調査では、1人当たりの平均有給取得日数が10. 1日と発表されているので、三井不動産では有休を取得しやすいことがうかがえます。

また、三菱地所は新卒採用情報にて、2030年までに男性・女性ともに育児休暇取得率100%を目指すと発表。

福利厚生の実態も、実際に社員に聞いてみなければわからないことが多くあります。ただ、面接や説明会で福利厚生について質問はしにくいですよね。そのような質問は、OB・OG訪問を活用して質問するのがおすすめです

OB・OG訪問の手順やメリットについてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

小峰 一朗

プロフィール

ディベロッパーの待遇は全体的にとても高いレベルです。ただ、待遇というのはあくまで外的要因なので、根本的な満足につながりにくいです。

内的な満足度も得られるように、やりがいや自己成長などにつながるものがあるかも大切にしたいですね。

ディベロッパーの6つの仕事内容

ディベロッパーの仕事内容

  • 用地を取得する
  • 事業・開発計画を立てる
  • 施工管理をする
  • 事業価値を査定する
  • 法務・総務管理をする
  • 販売する

ディベロッパーにはさまざまな仕事があり、そのすべての業務に携わる可能性があります。そのため、ディベロッパー業界への入社を目指すなら、各業務への理解は欠かせません。

1つずつ詳しく解説していくので、ディベロッパーの業務理解に役立ててください。

①用地を取得する

ディベロッパーの開発事業は用地取得から始まります。用地取得とは、マンションや商業施設を建設する土地を取得することです。

ディベロッパーには、用地取得をメインにおこなう部署があり、不動産情報を収集しています。集めた情報をもとに開発に適した土地かどうかを判断。良い土地を発見したら、土地の所有者と交渉をおこないます。

用地が取得できないとプロジェクトは進みません。また、どの土地を利用するかによって不動産価値は変動するので、用地取得は非常に重要です。

②事業・開発計画を立てる

用地の取得が完了したら、企画開発部門がまちづくりのコンセプトや方向性を決定し、事業・開発計画を立てます。

大枠となるコンセプトだけではなく、デザインや設計などの細部まで考えるのが仕事です

とはいえ、細かいデザインや設計を考えるのは難しいです。そのため、外部のデザイナーや設計士と協力しながら、「現実的な設計になっているか」「コンセプトとデザインは合っているか」などを考えていきます。

自分の思い描いたまちをカタチにできるというのは、ディベロッパーの大きなやりがいです。

横山 慶一

プロフィール

ディベロッパーの仕事は、専門的な知識が必要なことに加え、顧客の意見を取り入れ、関係する設計士などと交渉をおこなわなければいけないため、お互いが納得のいく結論を導くための高度なコミュニケーション力が求められます。

企画開発部門の仕事をするのであれば、専門知識を常にアップデートしようとする向学心と、専門的な内容を専門外の人にわかりやすく伝える能力が必要です。

③施工管理をする

事業・開発計画を立てて建設に取りかかったら、ゼネコンに建設を委託することが多いですが、ディベロッパーが引き続き施工管理をする場合もあります。

施工管理とは、工事のスケジュールや予算など建設工事全体にかかわる重要な事項を管理する仕事です

設計者やデザイナーのような外部の関係者との打ち合わせや、役所での手続きなどの業務も担当しているので、常に現場にいるわけではありません。書類作成などもおこなっていて、オフィスにこもってデスクワークをしていることもあります。

現場に常駐し作業員への指示や進捗管理をおこなう現場監督とは区別されています。

④事業価値を査定する

開発した事業の価値を査定するのもディベロッパーの仕事です。算出された事業価値は、マンションの価格やテナント出店料金の価格付けに利用されたり、ターゲット層を絞り込んだりするのに利用されています

顧客が感じる価値よりも高い価格が設定されていると販売に苦戦し、低い価格が設定されているとディベロッパーは利益を出せません。

また、コンセプトとターゲット層が求める価値に大きな乖離があると、営業活動の難易度が高まります。そのため、適正な事業価値の算出は開発事業を成功させるうえで重要な役割を果たしています。

⑤販売する

ディベロッパーは、完成したマンションやオフィスビルの販売もおこないます。開発した商材やコンセプトに合っている企業を選定し、営業活動を実施していきます

たとえば、家族連れが安心して楽しめる商業施設をコンセプトに開発した場合、子ども向けの商品を販売している企業や、子どもが遊べるゲームや施設を運営している企業をリサーチして、出店してもらえるように営業をかけていきます。

商業施設やマンションの開発をしても、顧客に販売できなければ収益にはなりません。そのため、販売・営業もディベロッパーにとって重要な仕事です。

ただ、企業やプロジェクトによっては販売や営業をグループ会社や不動産販売業者に委託することもあります。

⑥管理をする

開発した建物が完了したら、プロジェクトが終了するわけではありません。お金と時間をかけて大規模な開発をおこなっても、不動産の価値を維持しなければ顧客は離れてしまい、収益は減少してしまいます

そのため、ディベロッパーは周辺住民やテナント出店者が満足するよう丁寧な管理をおこない、不動産価値を高められるアクションが必要です。

たとえば、商業施設であれば定期的にイベントを開催したり、キャンペーンを実施したりして集客し、出店者に利益を提供します。また、マンションでは住民が暮らしやすくなるルールの作成や、住民からの苦情への迅速な対応などが求められます。

ただし、管理業務も企業によってはグループ会社に委託しているケースもあります。

どの部署をどのように経験することが多いのでしょうか? ディベロッパー業界での一般的なキャリアを教えてください。

横山 慶一

プロフィール

営業を経験してスキルアップを図り、管理職を目指すのが一般的

顧客に接し対応する業務が最も重要となるため、ディベロッパー業界全体の広い知識を持つ必要があります。

販売をおこなう企業の中では、まず営業を経験し、得意な領域をスキルアップさせ、管理職となって部下を率いたり、後進を育てるキャリアパスが一般的です。

ディベロッパーの場合も、このようなキャリアパスを踏むのが良いでしょう。特にさまざまなニーズを持つ顧客に個別の対応をしていくのは、人として「器」を大きくする非常に有益な経験になります。

ディベロッパーに求められる6つの力

ディベロッパーに求められる6つの力

  • 決断力
  • マネジメント力
  • 交渉力
  • 英語力
  • リーダーシップ
  • チャレンジ精神

ここまでディベロッパーの事業や仕事内容について紹介してきましたが、ディベロッパーに求められる力について疑問に思っている人もいるでしょう。

学生から人気の高いディベロッパーの就活を突破するためには、ディベロッパーに求められる力のアピールは必須です。

ディベロッパーの採用担当者に刺さる自己PRを作るためにも、ディベロッパーで求められる力を理解しておきましょう。

①決断力

大規模なオフィスビル開発やマンション開発をおこなうディペロッパーは、プロジェクトごとに大きな資金を動かすことになるので、思い切った決断が求められます。

金額が大きい場合は慎重に意思決定すべきなのではないかと思う人もいるでしょう。しかし、余裕を持った意思決定をしていると、他のディベロッパーに先を越されてしまうかもしれません

また、土地の価格や建設にかかる費用は経済状況や社会情勢によって大きく変動します。決断が遅れたばかりに、絶好の買い場を逃してしまったというのも十分考えられます。

そのため、ディベロッパーでは迅速に適切な意思決定をおこなえる決断力が求められます。

②マネジメント力

プロジェクトごとにチームで動くディベロッパーでは、マネジメント力が必要です。1つの大きな開発プロジェクトを成し遂げるために、業務を分担して複数のプロジェクトが同時並行でおこなわれています

そのため、1つのチームの納期が遅れると、開発プロジェクト全体に迷惑をかけてしまいます。納期を管理するマネジメント力は欠かせません。

また、お金や材料の管理も不可欠です。決められた範囲で資金繰りをおこなったり、材料を利用したりしなければなりません。さらに、人員の管理も重要です。特定の業務にどのくらいの人員をかけるのか、配置するのは誰なのかのように、人の管理もおこないます。

時間・お金・材料・人員と広範囲にわたっての管理が求められるので、リーダーやマネジメントの経験がある人は積極的にアピールしましょう。

マネジメントやリーダーの経験はないのですが、その場合ディベロッパー業界には合っていないのでしょうか?

その他の力が求められる場面もあり活躍可能

たしかに、ディベロッパー業界はプロジェクトで仕事をするため、マネジメント力が求められます。

しかし、プロジェクトではマネジメント力を発揮する仕事だけでなく、スケジュール管理やリーダーを支えるフォロワーシップが求められる仕事など、さまざまなポジションがあります。

マネジメント力に自信がない就活生であっても活躍できる仕事があるため、自信を持って強みをアピールしましょう。

③交渉力

多くの関係者とともにプロジェクトを進めていくディベロッパーでは、さまざまな業務で交渉をする局面がやってきます。

たとえば、開発用地を取得する際、土地の所有者との交渉が必要です。開発に適したエリアを選んでいるので、交渉がまとまらないとプロジェクト全体に支障をきたします

また、開発するエリアにはもともと居住していた人たちもいるでしょう。大きな商業施設や高層マンションが完成すると、住民の生活は一変するかもしれません。そのため、ディベロッパーから住民へ丁寧な説明が求められます。

④英語力

積極的に海外へ進出しているディベロッパーでは、英語力が求められます。日本の少子高齢化やテレワークの普及により、ディベロッパーが展開するオフィスやマンションの空室が増えました。収益の低下を改善するため、海外事業に力を入れています。

そのため、商談相手や取引先企業とのコミュニケーションを英語でとる機会が多いです

海外事業では、英語が話せないとまちづくりのスタートラインに立てない可能性も十分ありえます。英語でコミュニケーションが取れると重宝されるので、留学や英会話教室などで身に付けておきましょう。

また、英語以外に中国語などディベロッパーが注力しているアジアの言語を身に付けておくのも効果的です。

どれくらいの英語力があればディベロッパー業界で評価されますか?

小峰 一朗

プロフィール

TOEIC800点以上を維持・向上できるかどうか

グローバル事業を展開しているディベロッパーであれば、TOEIC800点以上が評価される一つの指標と言われています。

ただ、そのレベルを維持・向上していける力があるかどうかがもう一つの重要なポイントになるので、自己研鑽力や英語でのコミュニケーション力も大切な評価ポイントになります。

TOEICの就活でのアピール方法や、重要性はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
TOEICのスコアは就職活動に影響大! 目安の点数を大公開

⑤リーダーシップ

ディベロッパーのプロジェクトはグループ単位で実行されます。また、開発は大きな規模でおこなわれるので、自社だけではなく多くの人とかかわりながら業務を進めていきます。

企画や開発を担当するディベロッパーは、プロジェクトを主導する立場です。そのため、リーダーシップを発揮して、プロジェクトメンバーを取りまとめる役割が求められます。

部活動のキャプテンやアルバイトリーダーを務めて、リーダーシップを発揮した経験がある人は、積極的にアピールしていきましょう

⑥チャレンジ精神

まちづくりという大規模な仕事をするディベロッパーでは、チャレンジ精神が欠かせません。

なぜなら、より魅力的なまちを作るためにこれまでにはない新しいアイデアを実現したり、新しいジャンルの開発に乗りだしたりする必要があるからです

社内に蓄積されたノウハウやスキルが限られているので、積極的にチャレンジして仮説・検証を重ねていくほかありません。その過程で個人やチームとして失敗をいくつも経験するでしょう。

その失敗を活かして次につなげられるかが、開発事業がさらなる発展を遂げるかどうかを左右します。

失敗にくじけずに何度も挑戦するチャレンジ精神は、ディベロッパーで働くうえで非常に役立ちます。

チャレンジ精神に自信がある人は、ディベロッパーの選考で積極的にアピールしてみましょう。詳しくは以下の記事でアピール方法を解説しているので、参考にしてくださいね。
例文22選|チャレンジ精神の自己PRは4つのポイントで敵なし!

アドバイザーコメント

ディベロッパーを志望するなら、特に企画力と交渉力が重要

ディベロッパーの仕事は、お金や法律にかかわるものがたくさんあります。そして、頻繁に変更されるので、常に知識をアップデートしなければなりません。最新の情報を元に、迅速に、顧客のニーズに合った最適な提案をする必要があるのです。

これがディベロッパーの重要な企画力であり、ディベロッパーの仕事の心臓部になります。

総合的なコミュニケーション力も身につけておこう

提案を実現するためには、現実的なコストやタスクなどの課題を見据えて、デザイナーや設計士などの関係者に理解を求めながら仕事を進めなければなりません。ここには交渉力が要求されます。

顧客のニーズに応えつつ課題を乗り越えて、お互いにWin-Winとなるような関係を築くために、交渉力に加えて共感力や傾聴力といった総合的なコミュニケーション力を身につけていく必要があります。

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ディベロッパーで働く4つの魅力

ディベロッパーで働く4つの魅力

  • まちづくりに携われる
  • 規模の大きい仕事ができる
  • 高収入を得られる可能性が高い
  • プロジェクトごとに違った業務に携われる

ディベロッパーの業界研究を深めるためには、ディベロッパーの魅力について知ることは必要不可欠です。

ディベロッパーの魅力を理解しておけば、より解像度の高い志望動機を作成できます。また、魅力を知れば就活のモチベーションアップにもつながります。

今から紹介するディベロッパーの4つの魅力を知って、ディベロッパーの業界理解を深めていきましょう。

①まちづくりに携われる

まちづくりに携わりたく、ディベロッパーを志望する学生も多いでしょう。

ディベロッパーは、ショッピングモールやオフィスビルを建設してまちの新しい魅力を引き出したり、人が離れていた土地にリゾート施設を作って再びにぎわう人気エリアに開発したりと、まちづくりを主導しています

たとえば、三井不動産は東京ミッドタウン、三菱地所は丸の内、森ビルは虎ノ門ヒルズを開発しました。今では、それぞれが多くの人でにぎわう人気エリアになっています。

②規模の大きい仕事ができる

ディベロッパーでは、多くの関係者とともに規模の大きい仕事ができます。

都市開発やマンション開発は、多くのノウハウとリソースを持っているディベロッパーだからこそできる仕事です。

自分のかかわったプロジェクトで開発されたまちに、たくさんの人が集まっている様子を見ると大きな喜びを感じられます

また、建設した建物によって周辺の土地が変わっていく様子も観察できます。まちの価値を高めるという大規模な仕事ができるのは、ディベロッパーならではです。

③高収入を得られる可能性が高い

待遇でも解説したとおり、大きな規模のマンションやオフィスビル、商業施設の開発をおこなうなど、世間に大きな影響を与えるディベロッパー業界には、高収入の企業が多いです。

大手の総合ディベロッパーであれば、平均年収が1,000万円を上回る企業もあります

自分の仕事が給料という目に見えるかたちで正当に評価してもらえるのは、非常に魅力的でしょう。

まちづくりという大きな影響力を持つ仕事に加えて、高収入を実現しているのが、ディベロッパーが学生から人気を集めている理由の一因といえます。

④プロジェクトごとに違った業務に携われる

1つの大きな開発プロジェクトを、複数のプロジェクトに分担して同時に進めていくディベロッパー。

アサインするプロジェクトや担当部署によって違った業務に携われます。そのため、都市開発や不動産に詳しいなど、それぞれの専門人材に成長可能です

今後、終身雇用制度を取る企業は減り、定年まで同じ会社に勤める人は減少して、転職を経験する人が増加すると見込まれています。

とはいえ、良い条件での転職にはスキルや知識が欠かせません。ディベロッパー業界で多種多様な業務に携わっていればさまざまな経験ができ、開発事業や不動産に詳しい市場価値の高い人材に成長します。

もちろん、転職をしなくてもスキルや知識が身に付いていると社内での出世を目指せます。

アドバイザーコメント

ディベロッパーは他業界でも活かせるスキルが身に付く

就活生の中には、ディベロッパー業界へ就職すると、収益性が高い不動産業界で活躍し続けられることを魅力に感じている人もいるかもしれません。

しかし、ディベロッパー業界でプロジェクトメンバーとして活躍することで、他の業界でも活躍することができます。

たとえば、IT業界やWeb業界、建設業界でもプロジェクト単位で仕事がおこなわれるため、他業界でも活かせるスキルが身につきます。

若手のうちから管理スキルの習得が可能

プロジェクト単位で仕事をした経験があると、マネジメント力が身に付くだけではありません。

どのように仕事を進めるのかや予算の管理方法、プロジェクトの進捗が遅れた際のリスクマネジメントスキルなども習得できますよね。このような経験は他の業界であれば、経験を積んだり実績を作ったりした後に経験する仕事です。

若手からプロジェクトを担当し、業界内で経験を積むことで、より大規模のプロジェクトを担当することができます。他業界でも活かせるスキルが身に付くのはディベロッパー業界の最大の魅力と言えるでしょう。

リスクも検討しておこう! ディベロッパーで働く2つの注意点

学生から人気のあるディベロッパーですが、魅力だけではありません。もちろん、リスクもあります。事前にリスクを理解していないと、入社してからイメージとのギャップに苦しんでしまうかもしれません。

後悔しないためにも、今から紹介する2つの注意点を把握しておきましょう。

①希望の職種につけるかわからない

「都市開発に携わりたい」「まちの設計を考えたい」「規模の大きい仕事をしたい」と夢や目標を持って、ディベロッパーを志望している学生は多いでしょう。

しかし、ディベロッパーの業務は分担しておこなわれているため、希望の業務につけるかわかりません。

また、希望する都市開発プロジェクトを担当したとしても、プロジェクト内でもさらに業務が細分化されていて、メインの都市開発の担当ではない可能性もあります。

たとえば、都市開発の中でも「開発計画を立てる人」「販売を担当する人」「施工管理をする人」のように分かれています。大きいプロジェクトになればなるほど、業務は細分化されるので、希望の業務につけない可能性が高くなります

ディベロッパーでどうしても希望の職種に就きたい場合、どうすれば叶うのでしょうか? 配属に有利になるスキルや資格があるのでしょうか?

横山 慶一

プロフィール

将来のビジョンを明確にしてアピールしよう

将来こんな仕事をしていきたいというビジョンが重要です。ここをしっかりと伝えてください。

そのときに、現在の社会でどのような課題があるのか、専門知識の習得に関心を持って取り組んでいるかも大切です。

業務に関する難関資格を取得し、将来どのように活かしたいか伝えられるようにしておくことも効果的です。

就活でアピールになる資格はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

②海外に行く可能性がある

ディベロッパーは、海外事業に積極的に取り組んでいます。そのため、海外に赴任してプロジェクトを担当する可能性もあります。

行先は先進国や、清潔感のある都市とは限りません。文化の違いに苦しむこともあるでしょう。カルチャーギャップによるストレスで、せっかく入社したディベロッパー企業を海外赴任が理由で退職してしまうかもしれません。

ディベロッパー志望の学生は、海外に行く可能性を考慮して選考を受けましょう。

どんな企業がある? 大手ディベロッパー6社を徹底比較!

大手ディベロッパー6社

  • 三井不動産
  • 飯田グループ
  • 三菱地所
  • 住友不動産
  • 東急不動産
  • 野村不動産

ディベロッパーを目指す学生の中には、企業ごとにどのような特徴があるのか把握できていない人もいるでしょう。

ここでは、2022年時点の売上高の大きい順に大手ディベロッパー6社を比較していきます。

それぞれの企業の違いを理解して、自分の性格ややりたい仕事にマッチした企業を見つけていきましょう。

違いや特色が整理できていれば、より中身の濃い志望動機を作成できます。

①三井不動産

三井不動産の基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:1,898人
  • 平均年齢:40.4歳
  • 平均勤続年数:11.1年
  • 平均年間給与:1,273万円

三井不動産は、オフィスビルや商業施設の開発をおこなう総合ディベロッパーです。
六本木の東京ミッドタウンやららぽーとを中心にした豊洲の開発をおこなっています。

また、海外事業にも着手し始めました。アジアでは、タイやインドネシアなどの東南アジアや中国を筆頭に8か国に進出。成長著しいアジア市場では、住宅分譲や商業施設事業を中心に展開しています

アジア以外にも、アメリカでワシントンやロサンゼルスなど8つの州で事業を展開中です。すでに成熟しているアメリカ市場では、オフィスビルや賃貸住宅事業を中心に展開しています。

近年では、ビルや商業施設の賃貸事業や住宅分譲事業を、三井不動産グループとして取り組んでいます。

②飯田グループ

飯田グループの基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:111人
  • 平均年齢:42.6歳
  • 平均勤続年数:3.2年
  • 平均年間給与:782万円

飯田グループは、2013年11月に飯田産業やアーネストワンなどの不動産関連の上場会社6社が経営統合して設立したディベロッパーです。

複数の上場企業によって凝縮されたノウハウを活かして、設立して日が浅いながらもマンションや戸建て事業においてトップクラスの売上高を記録しました。

今回紹介しているほかのディベロッパーと比べると、住宅分譲事業にも注力しているのが特徴です

また、飯田グループとして、不動産仲介事業や木材加工事業などもおこなっています。グループで多くの事業に取り組んでいるため、それだけ希望のプロジェクトにかかわれないリスクもあるので、希望が明確にある学生は注意が必要です。

また、平均勤続年数が3. 2年と短いのは2013年に設立したのが要因です。

③三菱地所

三菱地所の基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:1,053人
  • 平均年齢:42.8か月
  • 平均勤続年数:17年4か月
  • 平均年間給与:1,264万円

三菱地所は、オフィスビルやリゾート施設などの開発をおこなう総合ディベロッパーです。

東京駅の丸ビルの開発やオフィス街で有名な丸の内を開発しました。また、リゾート施設にも注力しており、全国に10か所以上あるロイヤルパークホテルやゴルフ場も建設しています。

さらに、2018年度からは空港の運営事業もスタート。高松空港や宮古島の下地島空港など国内10空港の運営に携わり、地域価値の向上を目指しています

三井不動産と同様に海外にも進出しました。アメリカやヨーロッパでは、不動産賃貸・開発事業を展開しています。

アジアでは、タイやフィリピン、マレーシアなど10の国と地域で都市開発をメインとした不動産事業に取り組んでいます。

④住友不動産

住友不動産の基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:5,732人
  • 平均年齢:43.2歳
  • 平均勤続年数:8.39年
  • 平均年間給与:667万円

住友不動産は、住友グループの特性を活かした規模の大きい総合ディベロッパーです。

東京都心の7区を中心に230棟以上のオフィスビルを展開し、需要のある交通利便性の高いエリアに、法人向けのオフィスビルを供給しています。

また、他のディベロッパーよりも分譲・賃貸などのリテール事業に強いのも特徴です。首都圏や近畿圏の大都市圏をメインに、新築の分譲マンション事業を展開しています。

マンション以外にも、新築戸建や宅地分譲もおこなっています。総合ディベロッパーが誇るデザイン力や技術力を結集した美しいまち並みを開発しています。

⑤東急不動産

東急不動産の基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:87人
  • 平均年齢:43.4歳
  • 平均勤続年数:15.6年
  • 平均年間給与:1,057万円

東急不動産は、商業施設や都市の開発をおこなっている総合ディベロッパーです。

渋谷周辺をホームグラウンドと呼び、青山や表参道など渋谷駅を中心とするエリアを広域渋谷圏と定めてまちづくりをしています。

特に、渋谷駅は100年に1度と言われるほどの大規模な再開発をおこなっており、新しいオフィスビルや商業施設の竣工を予定しています。数十年、数百年に一度しかないような大規模な仕事ができるのも、ディベロッパーの魅力です

また、東急プラザやキューズモール、キュープラザなどの商業施設を、東京・神奈川の首都圏と大阪・兵庫の近畿圏を中心に展開しています。

⑥野村不動産

野村不動産の基本情報(2022年時点)

  • 従業員数:283人
  • 平均年齢:42歳
  • 平均勤続年数:13.9年
  • 平均年間給与:1,017万円

野村不動産は、住宅事業やオフィスビル開発に注力している総合ディベロッパーです。

住宅やマンション事業では、野村不動産グループの総合力を活かした、用地取得から販売・管理までをおこなう「製販管一貫体制」が大きな特徴です。この強みを活かして、リテール業務に力を入れて取り組んでいます。

また、新しいまちづくりとして2030年を目途に完成を目指す「芝浦プロジェクト」が現在進行中です。東京・浜松町駅の周辺に、商業施設とラグジュアリーホテル、オフィス、レジデンスが入ったツインタワーの建設真っ只中です。

新たな東京湾岸のシンボルとなる大規模なビルの開発プロジェクトに携わることができます

アドバイザーコメント

自分のビジョンと照らし合わせて企業を選ぼう

ディベロッパーにもいくつかの事業分野があり、企業によって力を入れている分野が異なります。

また同じ事業分野であっても、どのようなビジョンを描き、どのような目的を果たそうとしているのかによって、その企業や仕事に共感できるかどうかも大きく変わってきます。

したがって、ディベロッパーの企業分析を進めていくうえで重要なポイントとしては、自分はどのような分野に興味があり、どのようなビジョンや目的を果たしたいのか、という自己分析に納得したうえで、その視点を持って企業を調査・分析していくことが大切です。

その結果、企業が力を入れている事業のビジョンや目的に共感できるかどうかという観点で、各企業が大切にしている価値観を理解していけると良いですね。

自分が社会にどのような役割を果たしたいかという視点も持とう

そして、その際に重要となるもう一つのポイントとしては、自分が社会に貢献していきたい役割は何かという視点です。

各企業が社会に果たそうとしている役割は、自分が果たしたい役割と共通点があるのかどうかという観点でも、調査・分析していくことをおすすめします。

どうすれば入社できる? ディベロッパーの就活を突破する7つのポイント

ディベロッパー就活を突破する7つのポイント

  • 都市開発がおこなわれたエリアを見に行く
  • 同業他社との違いを把握する
  • まちづくりに携わりたいと思ったきっかけを志望動機に盛り込む
  • ディベロッパーで求められる力をアピールする
  • Web適性検査でハイスコアを狙う
  • 海外でも活躍できる語学力を身に付ける
  • 選考のあるインターンシップに参加する

就活生から人気の高いディベロッパー就活を突破するためには、入念な対策が必要です。

対策内容は志望動機の作成方法やWeb適性検査だけではなく、ディベロッパーならではのものも多くあります。

ここではディベロッパー就活を突破するための7つのポイントを解説していくので、どのような対策をすれば良いのかわからない人はぜひ参考にしてみてください。

ディベロッパーに限らない就活のやり方は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!

①都市開発がおこなわれたエリアを見に行く

都市開発がおこなわれたエリアを見に行くのは、2つの理由からディベロッパー就活を突破するにあたって有効です。

都市開発がおこなわれたエリアを見に行くべき理由

  1. ディベロッパーが果たしている大きな役割を肌で感じられる
  2. 就活のモチベーションアップにつながる

マンションや商業施設の建設によって都市開発がおこなわれたエリアは、たくさんの人でにぎわっています。

人々の暮らしを良くしているまちづくりを肌で感じることができます

また、志望者が多いのに対して採用人数が少なく難易度が高いディベロッパー就活では、モチベーションの維持が非常に大切です。

開発されたまちに足を運び、開発への憧れや魅力を感じれば、就活のモチベーションアップにつながるでしょう。

ディベロッパーの商流や企業ごとの特徴が理解できたら、実際に開発をおこなっているエリアに足を運んでみてください。

②同業他社との違いを把握する

ディベロッパー業界の中でも、企業によって力を入れている事業やエリア、強みなどに違いがあります。

企業への入社意欲のアピールや、入社後のギャップを小さくするために、同業他社との違いを把握することは必要不可欠です。

また、同業他社を理解して違いを把握していれば、志望動機の説得力を持たせることができます

③まちづくりに携わりたいと思ったきっかけを志望動機に盛り込む

採用担当者の記憶に残る志望動機を作成するために必要なのは、まちづくりに携わりたいと思ったきっかけです。なぜなら、きっかけは独自のエピソードであるため、ほかの志望者と被りにくいうえに学生の人柄が見えてきやすいからです

「まちづくりに携わりたい」「地図に残る仕事がしたい」などは多くの学生に共通する志望動機で、差別化が難しくなります。

対して「人が少なかった自分の住んでいる地域が再開発されてにぎわうようになって感動した」のような、ディベロッパーを志すきっかけになったエピソードを盛り込めば、採用担当者に刺さる志望動機を作成できますよ。

志望動機の作成方法や例文についてはこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

エントリーシート(ES)
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ

面接
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG

④ディベロッパー業界で求められる力をアピールする

自己PRでは、ディベロッパー業界で求められる力をアピールすることが重要です。

「チャレンジ精神」「リーダーシップ」などディベロッパーで働くうえで重要な力を発揮したエピソードを話すと、採用担当者は入社後の姿をイメージしやすくなるからです。

自己分析で見つけ出した強みのなかから、ディベロッパーに求められる力と合致したものを選びましょう

ディベロッパー業界や企業で働くうえで必要な力は、記事のディベロッパーに求められる6つの力で解説した内容を参考にしてください。

自己PRの作り方、伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

ES
例文15選|エントリーシートの自己PRで人事を惹き込むコツを解説

面接
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!

⑤Web適性検査でハイスコアを狙う

人気があり志望する人が多いディベロッパーの選考には優秀な人が多く、適性検査の得点が低いと面接に進めません。

Web適性検査の種類は企業によって異なります。志望企業がどの種類の適性検査を使用しているのか把握して、入念な対策が必要です。

Webテスト対策についてはこちらの記事で紹介しているので、参考にして高得点を狙いましょう。
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説

ディベロッパー業界を志望するなら、適性検査でどれくらいの点数を狙うべきでしょうか?

小峰 一朗

プロフィール

能力検査の点数は8割以上を目標にしよう

Web適性検査には、主に能力検査や性格検査があります。ディベロッパー業界であれば、能力検査においては8割以上を目標に対策しておきたいところです。

一気に能力をあげることは難しいので、毎日コツコツと練習を積み上げていくと良いでしょう。

なお、性格検査については、自己分析をしっかりおこない、自分がどのような特徴の人間なのか、自己理解を深めておきましょう。

性格検査の対策方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
性格適性検査マニュアル|問題例付きで選考を有利に進める対策を解説

ディベロッパー業界ではデザイン思考テストと呼ばれる事業を創造する力を測定するテストを実施している会社もあります。以下の記事ではデザイン思考テストについて詳しくまとめているので参考にしてみてください。
例題付き! デザイン思考テストの基本から対策方法までを徹底解説

⑥海外でも活躍できる語学力を身につける

海外事業にも注力しているディベロッパー企業が多いため、海外でも活躍できる語学力を身につけておくと重宝されます。

商談や用地取得の交渉など、関係者とのコミュニケーションをすべて英語でおこなうプロジェクトもあり、英語でのコミュニケーションスキルがなければ仕事が進みません

英語だけではなく、中国語など積極的に進出しているアジアの国の言語が話せると非常に役立ちます。

とはいえ、働き始めてから新しい言語をビジネスで通用するレベルに磨き上げるのは大変です。

学生のうちに語学力を高めるために、留学に行ったりスクールに通ったりするのがおすすめです。

英語以外に中国語が必要になる企業もあります。日本企業が中国へ進出しているケースだけでなく、中国企業が日本へ進出しているケースも増えています。そのため、中国語の勉強をしていると就職後に活かせる可能性がありますよ。

⑦選考のあるインターンシップに参加する

志望者の人数に対して採用人数が少ないディベロッパー就活では、選考のあるインターンへの参加が非常に重要です。

インターン参加者に早期選考ルートを用意している企業もあるからです。インターンに参加して採用担当者の目に留まると本選考を有利に進められます。

ただ、たとえインターンの選考に落ちてしまってもあきらめる必要はありません。

ES・グループディスカッション・面接など通過できなかった選考から反省して、本選考に向けて対策をおこなうのが大切です

横山 慶一

プロフィール

直接就職につながるインターンではないですが、産学官連携のインフラ事業や地域創生活動が盛んになっており、興味があれば自分から名乗りを上げて携わる方法もあります。

大手ゼネコンや関連するディベロッパーが多くかかわっているので、アルバイトのような形でもかかわれると非常に勉強になります。

インターンの特徴やおすすめのインターンなど、インターンに関するすべての情報はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説

差別化しよう! ディベロッパー就活を有利に進めるための資格5選

ディベロッパー就活を有利に進めるための資格5選

  • 宅地建物取引士(宅建士)
  • 簿記
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • TOEIC
  • 再開発プランナー

「部活動やアルバイト経験しかなく、他の学生と差別化できる強みがない」と悩んでいる人もいるでしょう。

そんな人でも周りの学生と差を付けられるのが資格です。選考で同じ評価だった場合、資格があるかどうかで最後の評価が分かれるケースもあります。ここでは、ディベロッパー業界で必須の宅建士を筆頭に、ディベロッパー就活を有利に進めるための資格5選を紹介していきます。

他の学生との差別化に困っているという人は、ぜひ参考にしてみてください。

①宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士(宅建士)は、ディベロッパー業界で働くには欠かせない資格です。不動産業界の知識を網羅しているので、不動産の専門家であることを証明できます。

また、宅建士には資格を保有している人しかおこなえない独占業務が3つ定められています。

宅建士の独占業務

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名・押印
  • 契約書(37条)書面への記名・押印

さらに、不動産事業を営む事業所には、「業務をおこなう者の5分の1以上の専任宅建士を最低限配置しなければならない」という決まりがあります。

事務所の従業員が20人の場合、5分の1は4人になるので、最低4人の専任宅建士が必要というわけです。

ディベロッパー業界では取得必須の資格なので、学生のうちに取得していると熱意もアピールできます

宅建士の基本知識

②簿記

簿記は、お金や資産の出入りを記録する方法のことです。簿記を学ぶと、会社のお金の流れが見えるようになります。

「ディベロッパー業界に簿記は必要あるのか」と疑問に思った人もいるかもしれません。

ディベロッパー業界は、プロジェクトごとに分担しながら大きな事業を進めていきます。プロジェクトごとに決められた予算の中で仕事を進めないと、赤字になってしまいます。そのため、会計管理をおこなう簿記は必要です。

また、簿記には「日商簿記」と「全商簿記」がありますが、「日商簿記」の方が難易度が高く、就活で有利に働きます

お金の管理にかかわるビジネスで欠かせない仕事なので、ディベロッパー業界以外でも重宝されます。

日商簿記はテストセンターで受検可能なので、決まった受検日はありません。勉強して取得できる自信が付いたら、申し込んで受検しましょう。

日商簿記の基本知識

  • 主催団体:日本商工会議所
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:記述式、CBT式
  • 試験日:年3回
  • 受検費:4,720円(2級の場合)
  • 目安勉強時間:350時間~(2級の場合)
  • 合格率:25%前後(2級の場合)

③FP(ファイナンシャルプランナー)

FP(ファイナンシャルプランナー)はお金の専門家であることを証明する資格です。

「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」のように6つのジャンルにわかれており、不動産に関連する「不動産」「相続・事業承継」「タックスプランニング」も学べます。

事業計画を立てる際や顧客に販売する際に、不動産関連の金融知識があると、顧客へのより良い提案が可能です。

1級から3級までありますが、2級以上を取得しておくと評価する企業が多くなります

1級は金融機関などで実務経験を積むか、民間資格であるAFPやCFPも同時に取得する必要があるので、学生が取得するのは難しいです。まずは3級を取得して、応募書類提出までに2級取得も目指しましょう。

FPの基本知識

  • 主催団体:日本FP協会もしくは一般社団法人金融財政事情研究会
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:記述式、マークシート式(2級の場合)
  • 試験日:年3回
  • 受検費:8,700円(2級の場合)
  • 目安勉強時間:約150~300時間(2級の場合)
  • 合格率:25~35%前後(2級の場合)

④TOEIC

ディベロッパー業界は、海外事業に積極的に取り組んでおり、現地の人と英語で話して仕事をする機会もあります。そのため、英語力が高い人材は欠かせません。

ただし、学生から人気の高いディベロッパー業界を受ける人の英語力はハイレベルです。英語力をアピールするには、TOEIC800点以上が求められるでしょう。

また、TOEICの受検日程は月1〜2回なので、計画的な受検が必要です。先延ばしにして、ES提出やWeb適性検査と被り、対策がおろそかになってしまわないようにしましょう

TOEIC以外にも、英検やTOEFLでも英語力はアピールできます。学生時代に留学経験がある人は、留学での経験をアピールできる自己PRも合わせて作成しておきましょう。

TOIECの基本知識

⑤再開発プランナー

再開発プランナーは、都市の再生・再開発のプロフェッショナルであることを証明する資格です。再開発プランナー以外に、再開発専門技術者の資格制度は日本にありません。

再開発プランナーの試験は実技と筆記に分かれており、筆記試験は20歳以上であれば誰でも受検可能です。ただし、実技試験は3年以上の実務経験が必要になります。そのため、学生は再開発プランナーの完全取得ができません。

とはいえ、ディベロッパーは都市の再開発を引き受けているので、再開発プランナーの筆記試験だけでも受けておくと、業界理解を深めるという点で非常に有効です。熱意のアピールにもなるでしょう。

再開発プランナーの基本知識

  • 主催団体:一般社団法人再開発コーディネーター協会
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:マークシート式
  • 試験日:年1回
  • 受検費:22,000円
  • 目安勉強時間:約200時間
  • 合格率:25%前後
資格の有無は選考にどの程度影響を与えますか?

小峰 一朗

プロフィール

程度は企業によりけりだが、アピールポイントになる

企業が何を重視しているかにもよります。たとえば、何かの即戦力を重視しているのであれば、それに関連した資格を持っているとかなり有利になりますね。

ほかには学生の成長意欲を重視しているのであれば、学生時代から自主的に資格を取得していることは大きなアピールポイントになるでしょう。

いずれにしても、どんな資格でもないよりあったほうが何かしらのアピールに使えます。資格取得を目指すことで必ず成長につながるので、積極的にトライしていきましょう。

7つのポイントで対策して人気の高いディベロッパーの選考を突破しよう!

ディベロッパー就活を突破するための7つのポイントを紹介してきました。

学生からの人気が高いディベロッパーでは、高いレベルでの業界と企業理解が不可欠です。

また、企業情報やインターネットの情報だけではなく、自ら見たり感じたりした経験を語るのは他の学生と差別化するうえで非常に有効です。

今回紹介した7つのポイントを意識しながら、自信を持って選考に挑める準備をしていきましょう。

アドバイザーコメント

ディベロッパー業界を目指すなら向学心と状況判断力が必要

ディベロッパー業界はコンサル業界と並んで、自分自身の能力を最大限に活かせる非常に魅力的な業界です。ただし、常に最新の知識を収集する向学心、状況変化に関心を向け迅速に正しい状況判断をする能力など、これから身に付けていかなければならないスキルが非常に多くあります。

高いコミュニケーション力も身につけておこう

また、多様な顧客のニーズをヒアリングし、一人ひとりの要求に応え、デザイナーや設計士、各プランナーと常に交渉をおこないながら仕事を進めるという高いコミュニケーション力も身につけていかなければなりません。

非常に厳しそうな業界ですが、自分の提案を提供し、それを実現させることで顧客に喜んでもらえるとてもやりがいのある仕事です。ぜひ、チャレンジしてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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