求人票でわかるホワイト企業の見分け方|人事経験のある社労士が解説

この記事の執筆者 社労士資格とキャリア支援実績がある専門家が書き下ろしました
村谷 洋子
村谷 洋子
キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う。むらや社労士事務所代表。保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/特定社会保険労務士/産業カウンセラー ほか。

数字だけじゃわからない! 求人票の「本当の読み方」

「ホワイト企業に入りたい」と思って求人票を見ても、何を基準にすれば良いかわからないことってありませんか?

ホワイト企業の条件として、「残業時間20時間未満」「年間休日120日以上」などが挙げられることがあります。でも正直、それだけで判断するのは怖いですよね。数字だけではわからないことってたくさんあります。

私は企業の人事担当として求人票を作成し、入社後の状況を見てきました。一方で、社労士として企業の採用コンサルをおこなったり、同時にキャリアコンサルタントとして就活支援の仕事もしたりしています。つまり、私は両方の視点を持っている立場です。

そんな視点から言えるのは、求人票には嘘はほぼないものの、見栄え良く書かれているケースはあるということです

本コラムのコンセプト

生成AIによる一般的な情報がすぐに手に入る時代。就活生や求職者にいま求められているのは、経験や体験に基づく血の通ったアドバイスではないか。そうした読者のニーズに応えるために、編集部がテーマを選定し、参画するキャリアコンサルタントらに寄稿いただくコラム企画を始めました。自身の経験や実アドバイスをベースに、綺麗事を一切排除した本音の就活対策をお届けします。

年間休日の数字だけ見るのはちょっと待って!

たとえば、就職サイトのチェックマークにもよくある「年間休日120日」。これは確かに一つの目安となります。

でも中身をしっかり読み込む必要があると思っています。 休みが多くても残業が月45時間あれば、体はしんどいです。逆に休日が110日でも、1日の就業時間が短かったり、定時上がりが徹底されたりしていれば総労働時間は少なくなります。大事なのは日数ではなく、実際に働く時間の合計です

それと、有給取得率が高い会社や、誕生日休暇・リフレッシュ休暇など独自の特別休暇がある会社は、公休日数が少なくても実際の休みが多いことがあります。

つまり、年間休日が多い会社だから働きやすいということはありません。

「認定マーク」は、会社の本気度を測るヒント

これは特に伝えたいポイントですが、 求人票や採用サイトに「えるぼし(女性活躍)」「くるみん(子育て支援)」「ユースエール(若者支援)」「健康経営優良法人(健康経営)」といった認定マークがある会社は、少なくとも働きやすさに真剣に取り組んでいる証拠だと読み取れます

これらは審査があって、目標数値を上回る取り組みや実態がないと取れないものです。 都道府県や市区町村独自の認定制度もあります。

求人票と合わせてこういったマークを確認する習慣をつけると、文言だけでは見えない「会社の姿勢」が伝わってきます。

実際に、私自身も自社で認定マークを取得する仕事をした経験もあり、今も企業の支援に入ったりしているのですが、数字をクリアするのはなかなか大変で、申請書類も複雑で労力が掛かります。そこまでしても取得したいと思う会社は「従業員思い」を体現しているといえるでしょう。

各種手当や固定残業代には要注意

給与の額も気になるところですよね。基本給が毎月それなりの額面で保証されている会社は安心できるでしょう

基本給が少なめで、よくわからない手当がいろいろついている会社の場合、賞与のベースが低くなったり、突然制度が変わって、手当がカットされたりすることもあります。

固定残業代(みなし残業)が含まれているかどうかも要確認です。固定残業代が含まれる場合は、その時間数くらいは残業が想定される場合が多いです。

繁閑があるため、バッファを持たせている企業もありますが、実際の残業時間はどれくらいかを確認する必要があります。もし、「残業少なめ」と書いていたとしても、少なめという定義はありません。少なめの基準が月10時間なのか40時間なのかで全然違いますからね。

有名企業・大手でも安心とは限らない

相談を受けていて正直ビックリすることがあるんですが、地元では名の知れた会社に入ったのに、内部では社員が疲弊してボロボロというケースが実際にあります。しかも、一定割合でこういう話を聞きます……。

ここからわかることは、ブランド名と働く環境は別物ということです。知名度が高い会社ほど「入ると安心」というイメージが先行しがちですが、実態の確認が甘くなることがあるので気をつけてくださいね。

自社HPやSNSは必ずチェックしよう

自社ホームページ(HP)のURLやSNSのアカウントが求人票に記載されていることも多いです。 それらは会社の雰囲気をつかむ絶好の情報収集場所です

社長の仕事に関するつぶやきや、会社ブログを見れば、自分と価値観が合うかどうか一発でわかります。実際に、SNSでの社長の呼びかけに共感した方が入社を決めたというケースもありました。

また、経営者の発信内容は、会社の文化をそのまま映しています。会社での社員への感謝や採用に対する誠実な姿勢を発信している経営者がいる会社は、少なくとも「人を大切にしようとしている」意識がある会社だといえます。

最後はやっぱり自分の目で

求人票の読み方をいろいろお伝えしてきましたが、結局一番大事なのは会社説明会や面接で実際に会社の雰囲気を感じることです

ちょっとでも興味があれば、まず動いてみることをおすすめします! そして、聞きにくいかもしれませんが、気になる点は必ずピックアップして質問・確認しましょう。

求人票はあくまで入り口。その先を自分の目と感覚で確かめていくことが、後悔しない「ホワイト企業」就職への近道です。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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