本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「本田技研工業はやばい」
国内でもトップクラスの自動車メーカーとして知られる企業ですが、企業について調べてみると「激務で離職率が高い」「年功序列」「赤字を計上している」などという噂が囁かれています。
そのような噂に惑わされないためにも、この記事で実態を読み解きましょう。「やばい」と言われる根拠を示しながら、就活のプロであるキャリアコンサルタントからも解説をしているので、最後まで読み込んでみてください。
【完全無料】
大学3年生(28卒)におすすめ!
就活準備で必ず使ってほしい厳選ツール
1位:適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
2位:業界&職種マッチ度診断
あなたが行きたい業界・職種のマッチ度を診断しましょう
3位:16タイプ性格診断
あなたの基本的な性格から、就活で使える強みを特定します
4位:面接力診断
39点以下は要注意!あなたの面接力を今のうちに診断しましょう
5位:就活力診断
80点以上が合格!まずは力試しに自分の就活力を測定しましょう
【併せて活用したい!】
選考対策の決定版!内定者が使った2大ツール
①自己PR作成ツール
AIツールを活用して選考前に自己PRをブラッシュアップしましょう
②志望動機作成ツール
他の就活生と差別化した志望動機になっているか、AIツールで確認しましょう
1分でわかる本田技研工業
本田技研工業とは
1948年に本田宗一郎によって設立された日本を代表する輸送機器メーカー。おもに二輪車、四輪車、パワープロダクツの開発・製造・販売をグローバルに展開。
「人間尊重」と「三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」を基本理念に掲げ、「The Power of Dreams」をグローバルブランドスローガンとしている。連結従業員数は約19万人に上る大規模な企業。
| 会社名 | 本田技研工業株式会社 |
| 従業員数(単体) | 32,088名(2025年3月31日時点) |
| 本社所在地 | 東京都港区 |
| 主な事業 | ・二輪事業:二輪車、ATV(四輪バギー)、Side-by-Side(多用途四輪車)およびそれらの関連部品の研究開発・生産・販売 ・四輪事業:四輪車および関連部品の研究開発・生産・販売。 ・金融サービス事業:グループ製品の販売に関わる販売金融(ローンなど)やリース業などを展開。 ・パワープロダクツ事業及びその他の事業:パワープロダクツ(発電機や農機などの汎用製品)、関連部品、その他の製品の研究開発・生産・販売。 |
| 売上収益(連結) | 21兆6,887億6,700万円(前年同期比6.1%増)(2025年3月期) |
| 営業利益(単体) | 1兆2,134億8,600万円(前年同期比12.1%減)(2025年3月期) |
| 企業HP | https://global.honda/jp/ |
| 新卒採用HP | https://www.honda-recruit.jp/ |
「本田技研工業がやばい」と言われる5つの理由|プロが読み解く
本田技研工業がやばい」と言われる5つの理由
本田技研工業が「やばい」と言われている理由を5つに分けて紹介します。企業が公表している具体的なデータと、キャリアコンサルタントからのアドバイスを活用して、企業の実態を理解していきましょう。
①激務で離職率が高いから
激務という噂についてですが、本田技研工業を含む5つのホンダグループの平均残業時間は23.7時間(2024年度)(※1)となっており、同社が含まれる製造業界の平均14.5時間(※2)を上回っています。
同社では技術系、事務系、デザイン系を始めとして、数多くの職種が展開されているため、一部の職種やプロジェクトの状況によっては激務となる瞬間は想定しておいたほうが良いかもしれません。
ただ、同社の離職率自体は4.8%(2024年度)(※3)と同業界の平均8.8%(※4)と比較すると低く押さえられています。入社から1年間の定着率についても99.9%(※3)と高水準です。
そのため、ある程度は繁閑に波があることも考慮できている人は、入社後もギャップの少ない状態で長く働くことができる企業だと言えるでしょう。
※1 ホンダ キャリア採用 多様な働き方
※2 厚労省 毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報
※3 本田技研工業 Honda ESG Report 2025
※4 厚労省 令和6年雇用動向調査結果の概況
プロのアドバイザーはこう分析!激務の原因は残業時間だけでは読み解けない
月平均23.7時間という数字は、週に換算すると約6時間程度です。残業そのものの絶対量は、製造業の中でも特別に多いとは言えません。
製造業における激務の本質は、残業時間よりも納期と品質のプレッシャーにあります。部品一つの不具合が人命にかかわることにもなりかねません。
そこまではいかなくても生産ライン全体に波及するため、問題が発生した際の対応は時間との戦いになります。
製造業特有の繁閑の差を理解しよう
また、新モデルの開発や量産立ち上げのタイミングでは、設計・品質・生産部門が一体となって集中的に動く局面があります。こうした時期には、一時的に激務が生じやすい傾向があります。
さらに、グローバルに拠点を持つ企業であるため、海外との時差を超えたやり取りが発生する職種もあり、時間のコントロールが難しくなることも想定されます。
就活生の人たちには、残業時間の数字だけでなく、製造業特有の仕事の波を理解したうえで、自分に合う働き方なのかを考えてほしいと思います。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。
そんな人におすすめしたいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、自分の強みや性格に合った職業がわかります。
今すぐ診断を受けて、自分に合う職業・合わない職業をチェックしてみましょう。
②赤字を計上しているから
2026年5月14日に発表された決算報告書によると、本田技研工業は連結決算において、上場して以降は初となる4,143億4,600万円の営業赤字を記録して、最終的な当期利益も4,239億4,100万円の赤字での着地となりました(※)。
この下落の原因については、EV(電気自動車)の関連損失や関税の影響と分析されています。EV事業においては、米国市場での伸び悩みや中国の新興メーカーとの競争激化があったようです(※)。
しかし、今回の赤字に関しては、将来的に予測される損失を前もって計上したことが述べられており、同社は2027年3月期には5,000億円の営業利益、最終的な利益も2,600億円で着地する見込みを立てていて(※)、赤字で経営が破綻するというわけではないことを押さえておきましょう。
プロのアドバイザーはこう分析!経営状況は強固な基盤によって立て直せる
本田技研工業(ホンダ)の2026年3月期決算は4,000億円を超える赤字となりました。
しかし、今後の経営回復への道筋は明確です。理由は、今回の赤字が北米でのEV戦略見直しに伴う「一過性の損失(約1.5兆円)」を一括計上した結果だからです。
本業の底力を示すこれらを除いた調整後営業利益は、1兆393億円の黒字を維持しています。さらに、同社の強みである二輪事業がアジアを中心に過去最高益を叩き出しており、土台となるキャッシュ創出力は健在です。
今後の経営回復に向けた準備はできている
すでにホンダは、需要が堅調なハイブリッド車(HEV)やガソリン車の販売強化へと迅速に舵を戻しています。
次期(2027年3月期)は営業利益5,000億円と、早期の黒字転換を見込んでいます。痛みを伴う損切りを終え、市場の現実に合わせた「軌道修正」を完了させた同社には、回復の基盤が整っていると考えられます。
③年功序列で意思決定が遅いから
グループ合計で19万人を超える大企業の一つであるため、大企業ならではの年功序列の社風や、意思決定の遅さがあるのではないかという噂があるようです。
確かに、規模感の大きさから組織内での承認作業に時間がかかることで、意思決定のスピードについて遅く感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、社風に関して本田技研工業は、基本理念の一つとして自立を掲げ、「それぞれの個性・自由な発想・意思を尊重する」と考えており、決して年功序列だけでなく、個人にフォーカスを当てようという価値観があるようです(※)。
また、同社は「企業変革を加速させるヒト・カルチャーへの進化」をビジョンとして掲げており、「変化を楽しむ」ことができる風土へ進化させることを図っているようです(※)。
※ 本田技研工業 Honda ESG Report 2025
プロのアドバイザーはこう分析!会社の中で複数の文化が混在している
本田技研工業の社風は、大企業特有の慎重さと本来の自由闊達な「ワイガヤ」文化が拮抗する過渡期にあります。
19万人規模の組織ゆえに、多層的な階層構造や丁寧な根回し、年功序列など、意思決定の遅さや組織の硬直化という課題があるのは事実です。
しかし、一方で、創業以来の「三つの喜び」や技術者の挑戦を尊ぶ現場主義、尖った個を尊重するホンダらしいDNAは今も根強く息づいています。
本田技研工業は本来の社風を変えながら進化している
現在、会社側もこの現状に危機感を抱き、「ヒト・カルチャー変革」を推進中です。
若手への大胆な裁量権の委譲や、個人の想いを起点とした新規事業創出制度の導入など、個へのフォーカスと意思決定の迅速化に注力しており、年功序列から専門性や挑戦意欲を重視する評価へのシフトも進みつつあります。
本田技研工業は、大企業化による停滞感に直面しながらも、本来の「挑戦を尊び、変化を楽しむ文化」を取り戻そうと、伝統と変革が共存する中で進化を続けている企業だと考えます。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④早期退職制度で大量離職したから
本田技研工業について調べると、多くのメディアで大量離職という話題が取り上げられています。
内容としては、2021年~2022年にかけて同社が実施した早期退職制度において、2,000人以上の社員から応募があったとのことで、「やばい」理由の一つとなっているようです。
詳細な離職者数について企業側からは発表されていませんが、東京経済が独自の調査で導いたとしているため、参考値としてとらておくのが良いでしょう(※)。
退職の真相については、当時どのような流れがあったのか、採用説明会やOB・OG訪問を通して、直接企業に聞いてみるのも良いでしょう。
※ 東洋経済オンライン ホンダが大盤振る舞いの「早期退職制度」を廃止 世代交代に一定成果、「想定以上に退職」の声も
プロのアドバイザーはこう分析!変化する業界でキャリアを見つめるタイミングだった
2,000人以上が早期退職制度に応募したという事実は、数字だけ見れば驚くかもしれません。この制度は2021年から2023年におこなわれました。対象者は55歳以上のシニア層だったと考えられます。しかもコロナ禍の時期です。
自動車産業そのものが、エンジンを中心としたメカニカルな世界から、電気・ソフトウェアが主役の世界へと急速に変化しています。
長年培ってきた技術や価値観が通用しにくくなった層が、キャリアを見直す機会として活用したととらえるのが自然です。
退職は決してネガティブなことではない
これは企業の崩壊ではなく、産業構造の転換期に伴う世代交代の一つの形と見ていいでしょう。むしろ、自分の本当にやりたいことや得意なことを活かせる場所へ移っていった人たちの選択として、前向きに考えることもできます。
エンジニアとしての方向性を貫くために退職を希望した人もいたのではないでしょうか。
就活生も、大量退職という言葉の印象に引きずられず、背景まで掘り下げて考えてみると企業研究が進むと思います。
⑤社内で内紛が起きているから
「内紛」という言葉を聞いてしまうと、不安になる人もいるのではないでしょうか。
噂の中身としては、2019年に四輪事業が赤字になったことで、当時好調であった二輪事業との対立が起こり、社内での内紛という話題が挙がったことのようです(※1)。
現在、2025年3月期の有価証券報告書(※2)によると、四輪事業は昨対比4.4%の増収となる14兆1,692億円の実績が出ています。そのため、以前ほどは社内の対立は減っていると推測できます。
こういった社内の者でないとわからない事情については、噂ベースで判断しないことが大切です。
※1 現代ビジネス 赤字転落のホンダで吹き荒れる「内紛」の全内幕(井上 久男)
※2 本田技研工業 有価証券報告書 2025年3月期
アドバイザーからワンポイントアドバイス社内での対立については断定できない
本田技研工業(ホンダ)の「社内内紛」という噂について、事実と断定できる客観的な根拠はありません。
2019年前後、四輪事業の苦戦から二輪事業との方向性の違いが報じられたことはありますが、これは大企業ゆえの事業戦略上の議論です。
最新の有価証券報告書では業績回復が確認でき、深刻な対立が継続しているとは読み取れません。
自ら正しい情報を集めて悔いのない企業選びをしよう
方針を巡る意見の相違は、組織の規模に応じて必然的に生じるものです。経営陣の戦略議論と現場の風土は別物であり、議論の存在自体が即座に「悪い職場環境」を意味するわけではありません。
就活生にとって大切なのは、ネットの二次情報に左右されないことです。IR資料の数字を押さえた上で、説明会やOB・OG訪問を通じて自ら「一次情報」を取りに行く姿勢が求められます。
根拠のない噂で志望度を下げるのはもったいない選択です。実際の空気感を自分の目と耳で確かめ、冷静に判断していくことが、後悔のない企業研究へとつながります。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
情報の一部分だけでは企業の実態はわからない
本田技研工業にはネガティブな評判があることも確かですが、数字を見ただけではわからないものがあったり、そもそも事実とは異なる部分があったりします。
そのため、企業の実態を把握するためには、噂や評判の一部分だけで判断せず、その先まで調べることで、企業の理解度を上げていきましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!本田技研工業を目指すなら3つのポイントに注意しよう
本田技研工業への就職を検討する際、上記のほかに注意すべき点があります。
①「配属リスクと縦割り組織」
モビリティへの強い思いを持って入社しても、初期配属が希望通りになるとは限りません。また、大企業特有の縦割り構造や複雑な合意形成が残る部署もあり、理想とのギャップを感じる可能性があります。
②「急激な事業環境の変化」
近年は北米EV戦略の見直しなど、経営方針が大きく変化する局面も増えています。変革期にある企業だからこそ、現場方針の変化に柔軟に適応する力が求められます。
③「転勤リスク」
開発・製造拠点は地方にも多く、ジョブローテーションや海外赴任を含め、勤務地が大きく変わる可能性があります。ライフプランへの影響も考慮しておく必要があります。
多角的な見方で企業を理解しよう
自由闊達なイメージだけで入社すると、想像以上に大企業ならではの現実に戸惑う場面もあります。変革期にある本田技研工業は、理想と現実の両面を理解したうえでキャリアを考えることが重要です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士
Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細