この記事のまとめ
- 薬学部の就職先11選を病院から民間・行政まで幅広く紹介
- 薬学部からの就職に悩んだら4つの観点から考えると間違いにくい
- 薬学部の就職スケジュールをもとに3つの必須準備を進めよう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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薬学部の学生は、「薬剤師以外に就職先ってあるのかな?」「忙しくてどう就職活動を進めれば良いかわからない!」などと就活の進め方や方向性について戸惑ってしまう人が多いのではないでしょうか。
試験や実習などの負担から就活と勉強との両立が難しいため、流れに身を任せたまま何となく就活を迎えると、スムーズに進められずに納得いく結果を得られない可能性があります。しかし、薬学部ならではの就活のコツと注意点を事前に知っておくことで、理想の就職に大きく近づきます。
この記事では薬学部が知っておくべき就職先の選択肢や効率的な就活の進め方をキャリアアドバイザーの古田さん、吉田さん、平井さんとともに解説します。薬学部からの就職を成功させたい人は、ぜひ参考にしてください。
薬学部の就職は情報戦! 実態とやるべきことを押さえてリードしよう
薬学部の就職を乗り越える鍵になるのが、どのような就職先があるのか実態を知ることと、それを踏まえた就活の進め方を把握することの2点です。これらを知らずにいると薬学部ならではの就職先を見逃してしまったり、就活スケジュールに乗り遅れたりして、せっかくの可能性を無駄にしかねません。
記事ではまず薬学部の多様な就職先をジャンルごとに解説します。薬剤師としての就職先はもちろん、ほかの選択肢についても仕事内容や特徴を説明するので、ここで就職後のキャリアの全体像をつかみましょう。
後半ではその中から自分に合った就職先を選ぶコツを解説。就活スケジュールや最低限やるべき準備も紹介するので、参考に計画を立てられますよ。
最後に薬学生が就職で抱きがちな3つの悩みについて就活のプロが回答するので、最後まで読んで必要な情報を網羅し、薬学部からの就職を成功させましょう。
薬学部の就職先は実は幅広い! おもな11選の特徴や仕事内容
薬学部の就職先として、病院や調剤薬局の薬剤師が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。こうした代表的な就職先のほかにも、薬学部での学びを活かせる環境は実はさまざまにあります。
ここでは薬剤師になる選択肢に加えて、民間企業や行政などからもおすすめの就職先を紹介します。仕事の魅力や大変なところも交えながら解説するので、ぜひ将来をイメージしながら目を通してくださいね。
選択肢は多すぎても絞り込みに苦労しますが、自分が目指せる職種としてどのような選択肢があるかを知ることは、より自分に合った仕事を選ぶためには必要な知識です。
後悔しないためにも、まずは幅広く確認してみましょう。
薬剤師として就職する場合
薬学部の就職時の進路として特に多いのが薬剤師です。入学前から薬剤師を目指していたという人もたくさんいますよね。
ただし一口に薬剤師といっても、どこで勤務するかによって仕事内容やキャリアは大きく異なります。自分に合った環境を選ぶことで就職後の満足度も高まり、よりいっそうやりがいを感じられるようになるので、就職先ごとの違いを理解しましょう。
薬剤師を目指している人は以下の記事も併せて参考にしてみてください。他の学生と被らない志望動機の書き方を解説しています。
薬剤師の志望動機はトレンドで差別化|他学生と被らない3つのコツ
病院
病院の薬剤師は、薬局の薬剤師と区別して「病院薬剤師」と呼ばれることがあります。病院内で調剤をするだけでなく、直接病棟に出向いて患者への指導をしたり、医師や看護師からの質問に薬の専門家として対応したりする役割を担います。
薬局薬剤師と特に異なるのが以下のような点です。治療に貢献している実感が強いこと、専門性が高まりやすいことなどが魅力といえるでしょう。
病院薬剤師ならではの特徴
- 患者と密にコミュニケーションを取って丁寧な対応ができる
- 処方だけでなく治療全体を見ることができる
- 医師や看護師、管理栄養士などほかの専門職からも学べることが多い
- 注射や点滴の調剤など、薬局ではできない範囲の実務経験も積める
- 病院での実務経験がないと取れない資格があり、薬剤師としての市場価値を高められる
ただし、病院薬剤師は「激務で給料も低い」といわれることがあります。もちろん条件は病院によりますが、夜勤や宿直があったり、緊急時に対応を求められたりなど体力や精神力を使う現場だと認識しておきましょう。
まず病院に数年間勤務し、その後経験を活かして薬局やドラッグストアに転職するケースも多いため、一つの参考にしてみてください。
- 病院薬剤師を目指していたのですが、実習で忙しさを目の当たりにして不安になってきました……。
現場で働く先輩薬剤師に話を聞いてみよう
あえて厳しい意見を伝えますが、病院で働くことや薬剤師という仕事は、人の健康や命を取り扱う、とても責任重大な仕事です。
副作用や健康被害を防ぐため、責任感や几帳面さが伴い、体力はもちろん精神力も問われます。
実習の時点で不安になっているようでは、もしかしたらあなたには務まらない仕事なのかもしれません。
しかし、その分やりがいもあり、社会になくてはならない重要な仕事です。ぜひそういった不安について、実習で出会った薬剤師に相談して、リアルな声を聞いてみてください。
現場の人にも実習生時代は必ずあったはずです。先輩たちも、そのときに同じような思いを感じていたかもしれませんよ。
病院を志望している人は以下の記事をチェックしてください。志望動機の書き方とNG例を解説しています。
病院の志望動機は適性の高さを示すのがコツ! NG・職種別例文も
以下の記事では病院の面接対策についてまとめています。志望動機と併せて参考にしてみてください。
病院の面接の頻出質問と回答例 | マナーや対策方法も併せて解説
調剤薬局
「薬局薬剤師」としての就職先の一つが調剤薬局です。薬剤師の中でも特に働く姿が身近で、イメージしやすい職場ではないでしょうか。医師からの処方箋をもとに調剤・販売するのに加えて、薬の種類や量が適切か見極めたり、患者に使い方を説明したりするのも重要な役割です。
営業時間中は忙しく患者の対応をするものの、業務範囲が流動しにくく安定していること、基本的に異動がないこと、残業が少なめなことなどから学生には人気があります。
ただし、どんな病院の門前かによって扱う薬の種類や患者の病気のタイプが異なる点に注意が必要です。たとえば大きな総合病院ならあらゆる症状に対応する知識が必要ですが、精神科や整形外科など専門病院の場合は「狭く深く」の知識を求められます。
自分がどのような薬剤師になりたいのかをよくイメージしてから、薬局を選びましょう。
調剤薬局の薬剤師は、患者が受けている治療や医療行為の全体を見ることが求められます。
「かかりつけ薬剤師」がその典型ですが、一人の患者が複数の医院の処方を受けることも普通にあるので、トータルで患者の状況を把握し、健康についてサポートする力が必要です。
ドラッグストア
薬局薬剤師として就職する場合のもう一つの選択肢がドラッグストアです。大手チェーンから中小まで幅広いものの、基本的に福利厚生が充実していて、昇進が早く給料が上がっていきやすいことなどからこちらも学生に人気があります。
調剤薬局の薬剤師とのおもな違い
- 調剤はせず、医薬品の販売のみおこなう
- 医療用医薬品は販売できないため、OTC医薬品のみ扱う
- 処方箋がないため症状に合わせて医薬品からサプリメントまで広く提案できる
- 接客やレジ、商品管理など店舗業務も担う
ドラッグストアの場合は扱える薬の種類が限られ、またレジや棚補充などの店舗運営の業務も含まれることが特徴です。そのため薬剤師として専門性を高めていきたいという人には向かないかもしれません。
ただし逆をいえば、より気軽に足を運んで相談できる場として、患者にとって身近な存在になりたいという人にはマッチするといえます。
近年ではドラッグストア内に調剤薬局を併設する企業も増えているため、薬局とドラッグストアの良いとこ取りをしたい人は、調剤業務も担える店舗を選ぶのも一つの手です。
- 薬剤師になるならドラッグストアが一番稼げますか?
稼げる場合もあるが現場の社員に話を聞いてみるのが確実
薬剤師の就職先の年収については、企業によるところが大きいため、一概にどこが一番稼げるとは言い切れません。
たしかに24時間365日営業しているドラッグストアで勤務する場合は、一般的な製薬会社などと比較して、収入が高くなる傾向があります。
しかしドラッグストアの営業時間などに左右される部分があるため、製薬会社での年収の方が高くなる可能性があるのも事実です。
給与面については会社説明会やインターンなどでは聞きづらい部分もあるかと思います。ぜひ積極的に社会人訪問などをおこない、実際に薬剤師として働く人に話を聞いてみてください。
会社によっては給料がさほど高くなくても、福利厚生が充実していて、思った以上にお金を使わずに済むこともありますよ。
ドラッグストアを志望している人は以下の記事をチェックしてください。ドラッグストアの志望動機の書き方をまとめています。
例文5選|ドラッグストアの志望動機に深みを持たせて合格する方法
ドラッグストアを志望している人はこちらのQ&Aも必見です。キャリアコンサルタントが就職のポイントを解説しています。
薬剤師以外で企業に就職する場合
薬剤師以外で企業に就職する場合のおもな就職先
薬剤師になるための勉強をしてきたものの、ほかの進路を検討しているという薬学生もいますよね。実際、病院や薬局以外の一般企業に就職する学生も毎年たくさんいますが、できれば薬学部での学びを活かせる企業が良いと考える人もいるかもしれません。
ここではそうした学生に向けて、一般企業の中から薬学部の人が活躍しやすい就職先を5つ選んで解説します。どのような選択肢があるのか、ぜひチェックしてみてください。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
製薬会社
薬剤師以外の就職先として特にメジャーなのが製薬会社です。製薬会社は一言でいえば薬のメーカーで、薬の研究や開発、製造がおもな事業内容です。
薬学部の学生が活躍しやすい職種としてはおもに以下の3つがあります。
薬学部の学生が活躍しやすい職種
- MR(Medical Representatives):
「医薬情報担当者」を意味し、自社の医薬品の普及・説明のために病院や医療機関に出向いて営業をする。文系の学生でもなれるが、薬の副作用や使用方法について理解が必要なため薬学生は重宝されやすい - 研究:
新しい医薬品を作ったり、市場のニーズをもとに従来の製品を改良したりする。大学院で薬の研究に特化してきた人が有利だが、6年制の薬学生でもチャンスはある - 開発:
研究部門が作った医薬品を世の中に出すために、安全性や効果を確かめるための実験をおこなう。研究職と同様に6年制の薬学生でも応募可能
企業にもよりますが、総じて研究・開発職は応募枠が少なく、求められる能力も高いため狭き門です。そのため3つの中ではMRに応募する人が多いですが、MRは給料が高めな分、実力主義の面もあり、営業としての素質が必要なことを認識しておきましょう。
製薬会社で働くやりがいの一つに、自分が助け、影響を与えられる人数の規模が段違いで大きいことが挙げられます。
薬剤師は目の前の患者のサポートがメインですが、製薬会社ではその何倍、何十倍もの人を救える可能性があります。これはほかの仕事ではなかなか味わえないポイントです。
こちらのQ&Aでは「製薬会社への就職は難しい?」という質問にキャリアコンサルタントが回答しています。興味がある人は必見です。
製薬会社の中でもMRに興味がある人は、こちらのQ&Aもぜひ参考にしてください。キャリアコンサルタントがより詳しい選考対策を解説しています。
医薬品卸
医薬品卸はあまり目立たないかもしれませんが、製薬会社と対になる重要な存在です。簡単にいうと薬の問屋で、メーカーである製薬会社から薬を仕入れ、実際に販売を担う薬局・ドラッグストアや医療機関へ流通させる役割を担います。
医薬品卸の職種としては、小売店とメーカー双方の窓口となる営業のほか、在庫管理や発注などを担う仕入れ、そのほか事務系総合職などが一般的です。
医薬品に関する幅広い知識が求められるため、社員は薬学部出身の人が多く、学びを活かして働ける環境といえます。またいわゆるBtoBという、個人ではなく法人を顧客とする業界のため、利益が比較的安定していて景気に左右されにくい点も隠れた人気の理由です。
医薬品卸は、薬学だけでなく最新の医療知識や情報に敏感であることも求められます。
また医薬品卸は基本的に営業職なので、コミュニケーションを取るのが得意、または好きであれば、向いているといえるかもしれません。
BtoB企業について詳しく知りたい人はこちらの記事がおすすめです。特徴や企業の探し方を解説しています。
BtoB企業とは? BtoCとの違いから企業の探し方まで徹底解説
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
食品・飲料メーカー
人数はそれほど多くありませんが、食品メーカーや飲料メーカーの研究・開発職も薬学部の就職先の一つです。
近年は人々の健康への意識が強く、特定保健用食品や機能性食品をはじめとした、病気の予防・健康促進を目的とする食品・飲料の需要が高まっています。
そこで効果的な商品を生み出したり、機能や人体への安全性をチェックしたりするために薬学部で専門知識を学んだ人が求められるのです。
先述の製薬会社と同じく、メーカーの研究・開発職は狭き門ですが、自分が携わった商品が世の中に出るというインパクトの大きな仕事ができるのが魅力です。臨床よりも新しい商品を作ることに興味があるという人はチャレンジしてみても良いかもしれません。
食品業界に興味がある人はこちらの記事もチェックしておきましょう。志望動機例文や選考のポイントを解説しています。
例文9選|食品業界の志望動機でやりがちなNG例と高評価のコツ
化粧品・化学系メーカー
同じメーカーの中でも、化粧品メーカーや化学系メーカーの研究・開発部門に就職する薬学生もいます。
たとえば化粧品メーカーであれば安全で効果のある化粧品を開発する、化学系メーカーなら消毒・除菌液などの衛生商品、絆創膏などの日用品やヘルスケア商品を開発するといった業務内容です。
薬や食料品のように直接口にするものとは形態が違うため、薬学だけでなく化学・バイオなどの応用的な知識のキャッチアップも求められます。
また薬学生だけでなく化学系・環境系などの直結する分野で学んできた学生も選考時はライバルとなるため、ハードルが高い点に注意が必要です。興味がある人は早めに業界知識や採用情報などを集め、選考対策を進めましょう。
- メーカーの研究職になりたいです! 選考のコツはありますか?
軸とビジョンを明確にして相手に伝わるコミュニケーションを練習しよう
メーカーの研究職は、ライバルが多くかつ採用枠も少ない点から、非常に難易度が高いです。
そんな中でも内定を勝ち取っている人は、以下の3点がしっかりとできています。
・自己分析:自分の軸が明確で、一貫性のある自己理解ができている
・企業研究:なぜその企業に入りたいのか、なぜ研究したいのかを言語化できている
・コミュニケーション能力:面接練習やエントリーシート(ES)添削を重ね、自信を持って自分のことを伝えられる
薬学生は実習などもあり、就活に時間を割くことが難しく、一般の学生以上に効率的に対策をしておく必要があります。
まだ準備ができていないという人は、この機会にしっかりと対策に向けて動き出していきましょう。
メーカーを目指している人はこちらの記事も必見です。志望動機の16例文をキャリアコンサルタントのアドバイス付きで解説しています。
16例文付き! メーカーの志望動機が誰でも作れる5ステップを解説
研究職は難易度が高いため、ライバルと差を付けるための工夫が不可欠です。こちらの記事で選考を勝ち抜く方法を確認しましょう。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
治験業界(CRO・SMO)
薬剤師以外で企業に就職するケースとして少しずつ増えてきているのが、治験業界です。
開発した新薬を国に承認してもらうための臨床試験を「治験」と呼びますが、この治験のプロセスが近年複雑化していて、製薬会社と病院だけではすべてを担うのが難しくなってきています。そこでCROやSMOという治験を専門とする業界のニーズが高まっているのです。
CROとは
Contract Research Organizationの略で、「医薬品開発の受託機関」という意味。
製薬会社から治験の依頼を受け、臨床試験からデータの確認、申請手続きなど治験のプロセスを一貫でサポートする
SMOとは
Site Management Organizationの略で、「治験施設の支援機関」という意味。
CROが製薬会社側のサポートだとすれば、SMOは臨床試験が実際におこなわれる病院側のサポート役。治験のコーディネーターとして臨床試験のスケジュール管理、被験者や医療従事者の支援、製薬会社への報告書作成などを担う
薬学の知識を活かせるだけでなく、少しでも早く新薬を世に届けるという社会貢献を実感しやすいことなどが魅力といえます。
どちらも関係各所と協力して業務を進めるチームワークやコミュニケーション能力が求められ、海外との共同プロジェクトも増えていることから、企業によっては英語力も必要なことを認識しておきましょう。
治験とは、人への薬の効果や安全性を調べるために臨床試験をおこなうことです。倫理、法律やルールを厳重に守れる規範意識の高さは、絶対に欠かせません。
新薬の開発の現場でもあるため、知識を学び続けることも働く人には求められますよ。
公務員として就職する場合
薬学部の専門性を活かす道として、民間企業だけでなく公務員という選択肢もあります。
ここからは公務員として就職する場合のおもな3パターンを解説します。同じ公務員でもそれぞれ特徴が異なるので、公務員を視野に入れていなかった人も、どんな仕事があるのかぜひチェックしてみてください。
国家公務員
薬学の学びを活かして、国家公務員になる人も一部います。国家公務員の配属先や仕事内容は幅広いですが、薬学部の人が活躍しやすいのはおもに以下のような場です。
必要な試験 | おもな区分 | 仕事の例 |
---|---|---|
・国家公務員総合職 ・国家公務員一般職 | 行政職 | ・中央省庁での医薬品にかかわる法令作成 ・薬物の取り締まり(麻薬取締官) |
研究職 | ・国立研究機関での医薬品の調査や研究 ・警察庁の科学警察研究所での研究 |
国家公務員試験に合格する必要があるため就職の難易度は高いものの、省庁や国の研究機関といった影響力の大きな組織で、国全体の医薬品供給にかかわる仕事ができる点がやりがいといえます。
また麻薬取締官などの珍しい仕事もあり、薬学部ならではの学びを発揮しやすい環境です。ただ、特に行政職の場合はデスクワークが中心となるため、臨床や研究には携われないことを認識しておきましょう。
薬学系の国家公務員は、年間で10名もいかない程度の採用人数なので、非常に狭き門です。浪人も覚悟のうえで挑む必要があります。
一方で、地方公務員の場合はもう少し採用の枠が広がることが多い傾向です。
地方公務員
地方公務員になる道もあり、この場合は地方自治体や保健所、もしくは公立病院などに働く舞台が移ります。代表的な活躍の場面は以下の通りです。
必要な試験 | おもな区分 | 仕事の例 |
---|---|---|
・地方公務員 (都道府県、市区町村、政令指定都市) | 行政職 | ・自治体や保健所での衛生管理や指導 ・製薬会社への立ち入り検査や指導 ・薬物乱用防止の啓発活動 |
薬剤師 | ・公立病院での薬剤師業務 (仕事内容は病院薬剤師とほぼ同じ) |
こちらも公務員試験に合格する必要がありますが、勤務地が一定の範囲に固定されていて働きやすいこと、性別に関係なく仕事を続けやすいことなどから薬学生にも隠れた人気があります。
ただ、募集枠が狭く、特に公立病院の場合は病院によって試験内容や働き方も異なるため、安易に楽だと捉えず、仕事内容やキャリアの実態まで詳しく調べることが大切です。
- 薬学部から地方公務員で働く魅力ややりがいって何ですか?
その地域のビジョンを実現して住民の健康に貢献すること
公立病院に配属された場合は民間の病院薬剤師とほぼ同じ業務になりますが、行政職に配属された場合はさまざまな役割を担うことになります。
地方公務員薬剤師も公務員です。やりがいは地方公務員と同じで、「この地域をどんな街にするか」「住み良い街とはどんな街か」という地域ビジョンが、仕事の出発点になります。
自分の住む自治体や「良いな」と思う自治体のビジョンや中期計画を読んでみましょう。その中に、地域住民の健康について述べられた部分が必ずあるはずです。地方公務員薬剤師は、その実現にかかわります。
学校薬剤師
学校薬剤師とは、学校保健安全法第23条の「大学以外の学校には学校歯科医および学校薬剤師を置くものとする」との決まりに基づき、学校に配置される薬剤師のことです。就職先としてあまりメジャーではないものの、薬剤師として社会に貢献する存在の一つとして覚えておきましょう。
おもな仕事内容は以下の通りで、通常の薬剤師とは異なり、調剤ではなく衛生管理や学校・児童への指導がメインとなる点がポイントです。
学校薬剤師のおもな仕事内容
- 学校内の医薬品の管理
- 保健教育や設備の安全管理についての助言
- 換気・照明・水質などの衛生面の管理
- 児童の健康相談や講演会
学校薬剤師になるために必要なのは薬剤師の国家資格のみですが、学校薬剤師として専業で働く人はあまりいません。欠員が出たときに地域の薬局や病院に募集が出され、推薦で選ばれた薬剤師が本業と兼務する形で担うのが一般的です。
もし学校薬剤師に興味があれば、学校薬剤師がいる病院や薬局を探すか、地域の教育委員会や薬剤師会に問い合わせて話を聞いてみましょう。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る薬剤師・民間企業・公務員のそれぞれで薬学部の学びを活かせる
薬剤師:薬の知識をもとに健康を支える
薬学部の学びが活かされる仕事と聞いて、最初に思い浮かぶのが薬剤師かもしれません。薬剤師の魅力は、やはり人の命にかかわる仕事という点ではないでしょうか。
人は誰でも病気やケガをします。薬を通じて人々の健康を守るというやりがいある仕事に就けることは、このうえない魅力といえるでしょう。
民間企業:ニーズに合った新しいものを生み出す
民間企業でも薬学部で学んだことは大いに活かせます。たとえば、環境にやさしい化粧品の研究・開発や、健康志向の流れに合わせた健康食品の開発など。
人々の暮らしに必要なものを研究・開発できる仕事は、薬剤師の資格がなくても薬学の知識を活かすことが可能です。
公務員:社会に欠かせない役割を担う
公務員であれば薬系技官がありますが、こちらも業務範囲は広く、家庭用品の安全対策、感染症対策、食品添加物の規格基準の策定、食品中の農薬の残留基準の管理などをおこなっています。
人々の生活に溶け込んでいるさまざまな危険を回避する仕事です。こちらもやはり、なくてはならない存在である点が大きな魅力といえます。
こちらの記事では理系全体の就職先を特集しています。進路選びのコツも解説しているので薬学生はぜひ参考にしてみてください。
理系のおすすめ就職先11選|進路選びから就活対策まで完全網羅
理系女子におすすめの就職先はこちらで解説しています。大手企業90社と選考のポイント付きなので、ぜひ活用してみましょう。
理系女子の就職におすすめの業界30選 |90の大手企業と選考を解説
薬学部の就職先はどう選ぶ? 年収だけではない大事な4つのポイント
薬学部の就職先はどう選ぶ? 年収だけではない大事な4つのポイント
- 適性:どんな働き方が自分に合っているか
- 業務内容:興味のある分野に携われるか
- 働き方:譲れない条件を満たせるか
- キャリアアップ:5年後・10年後をイメージできるか
薬学部が活躍する就職先を解説しましたが、まだ進路を決めきれない人もきっといますよね。その際、年収などの条件で考えがちですが、薬学部での学びを活かして働きたいなら、それだけで判断するのはリスクがあります。
ここでは薬学部が就職先を選ぶ際にチェックすべき4つのポイントを解説します。これらを明確にしてから就職先を考えることで自分にマッチした仕事を見つけやすくなるため、ぜひ丁寧に確認してくださいね。
こちらの記事でも就職先の決め方を解説しています。より詳しく知りたい人は併せて確認してみましょう。
就職先の決め方決定版|学生が見落としがちな視点と注意点を徹底解説
①適性:どんな働き方が自分に合っているか
薬学部の就職先ならどの仕事もさほど適性は変わらないと思う人もいるかもしれませんが、職場や仕事内容によって、合う・合わないは大きく異なります。たとえば以下のような指標が考えられるため、自分が興味のある仕事はどのタイプか調べてみましょう。
仕事の適性を判断する指標の例
- チームで仕事を進める/個人でもくもくと作業する
- 不特定多数の人とかかわる/一定の範囲の人とかかわる
- 忙しく歩き回る/デスクからあまり動かない
- 専門性を高めることを求められる/幅広い業務を求められる
- 実力次第で昇進していく/年功序列で昇進していく
仮に人と話すのが好きで忙しく動き回るのが性に合っている人の場合、誰とも話さず一人でひたすら調剤だけをするような職場なら、ひどくストレスが溜まる可能性があります。一方でそうした職場の方が騒がしい環境より楽だという人もいるでしょう。
このように就職先を選ぶ際は、日々どのように働くのが自分らしいかを考えることが大切です。「どんな人たちが働いているか」「自分と同じようなタイプが多いか」などを見てみると参考になります。
- 人と話すのが苦手で、薬剤師になれるか不安です……。向いていないのでしょうか?
高度なコミュニケーション能力よりも正確さや気遣いの方が重要!
薬剤師には、立て板に水のような能弁さは不要です。自分が調剤薬局で薬剤師と話している場面を思い出してみてください。どんな話をしますか。
①患者の体調や飲み忘れがないかなどを確認し、②渡す薬の数をチェックしながら説明し、③質問がないかを確認する。おそらくこのような感じでしょう。雑談や世間話は必要ありません。
患者は体調不良で通院して薬局に来ているわけなので、余計な話をせずに、必要な会話をするだけで良いのです。それよりも、体調の悪い患者を気遣う温かみを持つことを大切にしてください。
適性を見極めるのは難しいですよね。こちらの記事では自分に向いている仕事の見つけ方を解説しているので、ぜひ活用しましょう。
向いてる仕事がわからない……図解で読み解く適職の見つけ方
②業務内容:興味のある分野に携われるか
薬学部で学んだ知識をできるだけ活用したい場合、業務内容は特に丁寧な見極めが必要です。
薬学の世界は非常に幅広いため、自分の職場でどの分野の知識が特に求められるかによって、自身の専門分野も決まっていきます。「この分野に携わりたい」と思っていても、それが実際の業務で必要でなければ、力を発揮するのは難しいのです。
薬を調剤するのか、販売するのか、研究するのか、もしくは薬そのものは扱わず薬学の知識をもとにほかの製品を開発するのかなど、専門性の活かし方も業務により異なります。
理想の働き方を考えてみて、どのような仕事なら最も興味のある分野で貢献できるかを判断してみてください。
③働き方:譲れない条件を満たせるか
就職すると、基本的に週5日8時間の労働を何年も続けることになります。体力も使えば、どの仕事でも何らかのストレスや苦労があり、やりがいだけで続けるのはなかなか難しいものです。そこで重要になるのが「自分の譲れない部分を満たしているか」という条件面です。
条件といっても何を重視するかは人それぞれのため、以下のような基本的な部分について、どの程度の水準を求めるかを考えてみましょう。
働き方にかかわるおもな条件
- 給料:基本給はいくらか/ボーナスは出るか/査定の頻度はどれくらいかなど
- 勤務地:希望がどの程度通るか/転勤はあるか/電車通勤なのか車が必要かなど
- 勤務時間:シフト制か固定制か/残業はどの程度か/夜勤や宿直はあるかなど
- 休日:土日か平日か/夜勤の次の日は休みか/有休は何日間かなど
- そのほか:育児休暇などの制度が整っているか/副業ができるかなど
給料面を重視する人が多いですが、一見年収が高いように見えるところでも残業代で稼いでいるような場合もあるため、実態を調べましょう。
なお、理想の条件をすべてかなえようとすると選択肢が狭くなってしまうため、希望の条件を挙げたらその中で優先順位を付けておくのをおすすめします。
仕事は生活の一部であり、毎日のように同じことの繰り返しになります。そのため基本条件は重要です。
通勤方法や勤務時間、休日などの譲れない条件があれば、シミュレーションして無理なく続けられそうか明確にしておきましょう。
薬学部は卒業までの学費も高く、給料はどうしても気になりますよね。こちらの記事では給料が高い仕事100選を解説しているので選択肢の参考にしてみてください。
給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説
就活をする上で勤務地を考慮するべきか悩んでいる人はこちらのQ&Aを参考にしてみてください。
④キャリアアップ:5年後・10年後をイメージできるか
学生のうちはつい就職を一つのゴールとして捉えがちですが、本当のキャリアはその後何十年も続くものです。そのため、最後にキャリアアップの面も忘れずに考えておきましょう。
同じ業界や職種でも、どんな組織に入るかによって5年後、10年後のキャリアはまったく異なります。
薬剤師を例に取ってみても、大きな病院であらゆる症例に詳しいプロとして経験を積んでいくのか、ドラッグストアで店舗運営などのマネジメントをしてビジネス分野で成長していくのかなど、選択肢は縦・横にさまざまです。人によっては国際協力分野に挑戦して海外で薬剤師として活躍する人もいます。
このように将来像をイメージしてみると、「そのためには20代でこんな経験が必要」「こういう分野にも携われる環境が良さそう」など、逆算して就職先を考えることも可能です。就職先を選ぶ際には、ぜひ5年後・10年後の働き方まで想像して、希望をかなえられる場所かを考えてみてください。
キャリアビジョンを考えることは就活で非常に重要です。こちらの記事ではその意義や具体的な描き方を解説しているので確認しておきましょう。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
全体の流れをチェック! 薬学部の就職スケジュールとやること
全体の流れをチェック! 薬学部の就職スケジュールとやること
- 病院の場合:大きい病院や人気の病院なら5年生から準備が必要
- 薬局やドラッグストアの場合:募集期間が長めで国家試験後も応募可能
- 民間企業の場合:製薬やメーカーなら5年生のうちから対策が必要
- 公務員の場合:試験対策が必要なので早めの行動が鍵
薬学部の就職先のイメージが付いたら、いざ就活を始める前に、まずは全体の流れややることを確認しておきましょう。
就活をスムーズに進めるためには、事前にスケジュールを理解し、重要な節目ごとに遅れを取らないことが重要です。ここではおもな業界ごとに就活の流れや注意点を解説するため、必要な動きを頭に入れてくださいね。
そもそも就活のやり方がよくわからないという人は、こちらの記事で基礎知識を確認しましょう。内定までのすべての流れを解説しています。
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!
病院の場合:大きい病院や人気の病院なら5年生から準備が必要
病院の薬剤師の募集は早いところだと5年生の3月〜6年生の4月頃にスタートし、その後は6年生の国家試験の後まで続きます。
専門職の採用であり、かつ国家試験という特別な事情を病院側もわかっているため、ぎりぎりまで募集があることが多く、特段早くからの準備が必要というわけではありません。5年生のうちに内定を取る人もいれば、国家試験後に就活をするという人も例年います。
ただ、もし都市部の大きな病院や人気の病院を志望しているなら、やはり募集が始まるのも早いため、枠が埋まる前に応募するのがおすすめです。またそうした病院は選考のハードルも高くなるため、履歴書の添削や面接練習なども5年生のうちに進めておきましょう。
いずれの場合でも、「希望の条件に合う病院の求人がもうない」という事態にならないように、自己分析や業界研究などの準備は、直前ではなく余裕を持って始めるのがおすすめです。詳しい準備方法は後ほど解説します。
国家試験後に求人が出るか出ないかでいえば、出ます。ただ短期決戦になるので、国家試験後に一から就活をしていては間に合いません。
応募先や希望企業は試験前に絞り込んでおくこと、ガクチカや志望動機なども準備しておくことをおすすめします。希望先がどのタイミングで求人を出すのかも、事前に把握しておきましょう。
薬局やドラッグストアの場合:募集期間が長めで国家試験後も応募可能
調剤薬局やドラッグストアは、薬学部の就職先の中でも特に募集期間が長めです。特に大手ドラッグストアチェーンであれば募集人数も多いため、基本的に6年生の卒業時期まで採用が続きます。
薬局も同様に国家試験後まで募集がありますが、採用人数が1〜2人程度のこともよくあり、枠が少ないことに注意しておきましょう。
「どうしてもこの薬局が良い」というこだわりがあれば、その薬局の過去の募集時期などを調べておいて、募集開始タイミングに合わせて動けるようにしておくと安心です。
民間企業の場合:製薬やメーカーなら5年生のうちから対策が必要
製薬会社や化粧品メーカーなど、民間企業への就職を考えている人もいますよね。こうした一般企業の場合は、ほかの学部の人も含めた通常の就活スケジュールに合わせて動くため、遅れないように特に注意が必要です。
製薬やメーカーの研究・開発職は、薬学部だけでなく化学系・農学系などほかの理系学生からも人気があります。また大学院で専門的に研究に取り組んできた人もライバルとなるため、5年生の春頃から自己分析や適性検査対策などの基本的な就活準備を始めておきましょう。
また人気企業や大手メーカーはインターンも積極的に開催しています。気になる企業があれば5年生のうちに参加し、企業研究を深めておくことも大切です。詳しくは後ほど解説しますが、OB・OG訪問も実施して先輩社員から仕事の実態や選考について話を聞いておくと、さらに差を付けられますよ。
- 民間企業の場合、5年生の3月から就活を始めるのでは遅いでしょうか?
5年生の早いうちから始めて3月には志望企業を絞っておこう
多くの企業は3月から説明会やエントリーを開始し、6月から選考が始まります。そのため3月になってから就活をしていては、出遅れてしまう可能性が高いです。
すでにエントリーしたい企業などが決まっているならともかく、3月から自己分析や企業研究を始めるとなると、気持ちにも焦りが出てきてしまい、就職に失敗してしまう可能性すらあります。
夏から冬にかけてインターンへ参加しておく方が、リアリティショックを防ぐ効果もあるため、5年生になったら早々に就職を意識した活動を始めてみましょう。
気持ちに余裕を持って、冷静な判断ができるように備えておくと安心です。
公務員の場合:試験対策が必要なので早めの行動が鍵
公務員薬剤師を目指す場合、公務員試験対策と国家試験の勉強をバランス良く進めることが鍵になります。
公務員試験は6年生の6〜7月頃に実施されることが多いため、4年生末~5年生頭くらいから過去問を見たり大学の公務員試験講座に参加したりして対策を始め、6年生になったら国家試験の方にも時間を割けるようにスケジュールするのが理想的です。
ただ公務員の中でもどの区分を受けるのかによって試験時期は異なります。今のうちに興味のある自治体の過去の採用情報を調べておきましょう。
また公務員試験の筆記試験では、薬学知識だけでなく一般教養も出題されます。薬学分野は国家試験の勉強でまかなえるといわれることもありますが、教養分野も決して簡単ではないため対策が重要です。
何をすれば良いかわからない人は、大学の就職課などで詳しい情報をチェックしてみてください。
まずは試験日程から逆算して計画を立てましょう。公務員試験の勉強量の目安は、だいたい1,000時間程度といわれています。
1日1時間の勉強時間が取れそうなら3年弱、2時間なら1年半程、残り時間が1年を切っているのであれば3時間以上は勉強時間を確保する必要があります。
また効率的に進めるためには、通信講座を受けるのも時間がない学生にとって有効な手段です。
公務員と民間企業を併願する人は、特に就活の進め方が難しいですよね。こちらの記事でスケジュールのコツを解説しているのでぜひ参考にしてください。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説
薬学生が理想の就職をかなえるためにマスト! 3つの準備
薬学生が理想の就職をかなえるためにマスト! 3つの準備
- 行動計画:就活にも勉強にも集中できるようにする
- 自己分析:自分の特徴や仕事への価値観を明らかにする
- 業界研究:仕事の理解を深めて納得いく選択をする
薬学部の就職スケジュールを理解できたかと思いますが、実際には普段の授業や試験、実習などもあり、忙しさでなかなか就活に集中できないこともありますよね。
そうした人に向けて、ここでは最低限やっておきたい3つの準備を解説します。この3つを丁寧に進めることで自身の就職の軸が大まかに固まり、いざ応募が始まるとなったときに迷わず動き出すことができます。順番に確認していきましょう。
就活でやることはこちらの記事でも詳しく解説しています。事前に網羅しておきたい人はぜひ併せて参考にしてください。
就活で必ずやること一覧|時期・状況別で必須の対策を厳選!
①行動計画:就活にも勉強にも集中できるようにする
最初に何としても取り組みたいのは、行動計画を立てることです。薬学部の学生は特に就活と学業の両立が大変で、最後の国家試験まで油断ができないため、事前に勉強や就活をどう進めていくかを具体的に考えることが重要です。
これまで解説した就職スケジュールなどを踏まえると、たとえば製薬会社を志望している場合は以下のような行動計画が考えられます。
5年生4月~ | 自己分析、業界研究をスタート |
5年生5~6月 | サマーインターンに5~10社程度応募 |
5年生7~9月 | サマーインターンに2~3社参加 |
5年生10月~ | 志望企業を絞り込む、企業研究を深める |
5年生12月~ | 書類や適性検査、面接などの対策をスタート |
5年生3月~ | 絞り込んでおいた企業に順次エントリー、説明会参加 |
6年生4月~ | 国家試験の勉強をスタート |
6年生6月~ | 面接を受けていき就活に集中、内定を1社以上得る |
6年生9月~ | 本格的に国家試験の勉強に打ち込む |
もちろん人により使える時間は異なり、複数の業界を受けるパターンも考えられるため、自分の状況に合わせてより早く就活を始めるのか、もしくは国家試験後に集中して取り組むのかなど、柔軟に調整しましょう。そもそもどのように志望先を絞り込めば良いのかは次で説明します。
目標となるゴールから逆算してスケジュールを組むのが理想ですが、就活中も学業は並行して進んでいるため、バランスには要注意です。
計画が予定通りに進むとは限らないので、余裕を持ったスケジュールを立てるようにしましょう。
②自己分析:自分の特徴や仕事への価値観を明らかにする
就活では自己分析が重要だとよくいわれますが、なぜ必要で何をするのか、いまいちわからない人もいるのではないでしょうか。
自己分析とは
自分の強みや弱みなどの人柄、大事にしていることやどんな人と働きたいかなどの価値観を明らかにして自身を理解し、人にも正しく説明できるようにすること
上記のように、自己分析をすることで自分に合う仕事や組織を見極められるようになり、かつ面接という短い時間でも採用担当者に自身の魅力をアピールできるようになります。つまり納得のいくファーストキャリアを歩むために、不可欠の準備なのです。
具体的には、過去、現在、未来という3つの視点から自分を分析するとわかりやすいため、以下を参考にノートなどに書き出していきましょう。
過去 | ・幼少期、小学校、中学校、高校などのそれぞれの時期にどんな取り組みをしていたか ・これまでで一番努力したこと/失敗したことは何で、それはなぜか ・なぜこの大学や学部を選んだのか |
現在 | ・自分の長所や短所はどこか ・周りからどんな人だといわれ、友人にはどんな人が多いか ・人生で大事にしていることやモットーは何か |
未来 | ・どのような社会人になりたいか ・目標とする人や憧れる人にはどんな特徴があるか ・10年後、20年後や人生全体でかなえたい目標はあるか |
書き出していくうちに自分なりの特徴や考えが見えてくるので、それらをまとめてどんな仕事が合うか、どんな環境なら力を発揮して働けるかなどを考えましょう。
うまく自己分析が進まない人は、「他己分析」といって家族や友人など周りの人に自分について聞いてみると、一人では気付けない面も知ることができ、理解が深まるためおすすめです。
自己分析は5年生になったら始めましょう。対策本を1冊購入し、じっくり取り組みます。
インターンも自己分析の良い機会です。書籍を使っての自己分析で得た気付きはあくまでも仮説であるため、インターンに参加して実地で確認するのが良いでしょう。
自己分析のさらに詳しい方法はこちらの記事で解説しています。内定につなげるコツ付きなので、併せて確認してみてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
他己分析には効果的な質問があります。こちらの記事でおすすめの質問20選と選考への活かし方を解説しているので、活用してみましょう。
他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説
③業界研究:仕事の理解を深めて納得いく選択をする
自己分析ができたら、興味のある業界や仕事について調べる「業界研究」も進めていきましょう。業界研究には、大きく以下のような役割があります。
業界研究のおもな役割
- 仕事の特徴や求められる力を正しく把握して、適性を見極める
- どのような知識や経験が必要かを知って、選考や就職後に向けて準備していく
- 面接で業界や企業に関する知識について問われた際に、十分理解していることを示す
就職先を選択する際にミスマッチを起こさず、また知識不足で選考で評価を落とさないためにも、業界研究が活きてくるのです。
そもそもどんな業界を調べれば良いかわからない人は、薬学部が活躍する代表的な業界の中から、興味が湧くものを複数調べてみてください。
薬学部が調べておきたいおもな業界
- 医療・病院
- 治験
- 医薬品
- 食品・飲料
- 化粧品
- 化学・日用品
- 中央省庁
- 地方行政
業界の絞り方はこちらの記事でも詳しく解説しています。後悔したくない人はぜひ併せて確認しておきましょう。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説
いざ調べる際は、インターネットやSNS、業界地図や就職四季報といった書籍などさまざまな媒体を活用して、以下のような点を詳しく調べていきましょう。
ハード面 | ・業界のおもな役割 ・業界内の業種や職種 ・主要な大手企業の特徴 ・業界の歴史や最新動向、今後の課題 |
ソフト面 | ・業界で求められる力や活躍する人の特徴 ・業界ならではのやりがいや大変なところ ・業界の平均年収やキャリアの道筋 ・選考で問われる知識や必要な資格 |
就職四季報の効果的な使い方はこちらの記事で解説しています。就活を有利にするポイント付きなので必見です。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
ここまでが業界研究の基本ですが、さらに業界研究を深めるコツもあるため、余裕のある人はこれから解説する2つの方法もぜひ実践してみてください。
薬学生に特化した就活サイトや就職エージェントを活用する
業界研究を効率的に進めたいという人は、薬学生に特化した就活サイトや就職エージェントを利用すると、一気に詳しい情報を集めることができるためおすすめです。
就活サイトとは、インターンや説明会、求人などの情報を調べて応募ができる便利なサービスです。薬学生向けの求人を抱負に集めた専門サイトをぜひチェックしてみましょう。
薬学生向け就活サイトの例
一方の就職エージェントとは、求人情報を得られるだけでなくキャリアアドバイザーが担当に付き、キャリア相談や書類添削、面接対策などのサポートを受けられるサービスです。多くが無料で利用でき、業界事情に詳しいプロからアドバイスをもらえるため、ぜひ検討してみてください。
上記のようなサービスはターゲットが絞られているので、より専門性の高い情報や薬学部であることのメリットを享受した就活を進めやすくなります。
しかし逆に考えると、選択肢が狭く、情報に偏りがあります。
もしかすると適職はもっと別の業界にある可能性もあるので、ぜひ一般的な就活サイトも活用しながら、一生に一度の就活を後悔なく成功させられるよう準備しましょう。
就活は周囲に相談しながら進めると、さまざまな情報やアドバイスをもらえて楽になります。誰に相談すべきか迷う人は、こちらの記事でおすすめの14選を確認しましょう。
就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説
インターンシップやOB・OG訪問で現場の話を聞く
一人で業界研究をするだけでは出てこないリアルな情報を得られるのが、インターンやOB・OG訪問です。
インターンでは直接話を聞いたり業務を体験できたりと、企業の雰囲気や仕事内容をより正確につかむことができます。
たとえば薬局かドラッグストアかで迷っているなら、どちらもインターンで生の情報を得ると、理想に沿った働き方や患者への対応ができるのはどこかなど、志望先を絞り込むヒントが見つかるかもしれません。
またOB・OG訪問は人事には聞きにくいような現場の実態や、就活方法のアドバイスなど、薬学部の就職で気になることをダイレクトに聞くことが可能です。面接で志望企業のインターンや社員訪問で得た学びを伝えれば、志望度の高さをアピールすることもできますよ。
このようにインターンやOB・OG訪問にはメリットがたくさんあるため、就活の準備としてぜひ実践しておきましょう。インターン情報は先述したような就活サイトから、OB・OGの連絡先は大学の就職課などで調べられます。
特筆してインターンに参加すべきという業界はありませんが、インターンはすべての業界・企業が必ずしも実施しているというわけではありません。
そのため興味のある企業がインターン制度を実施しているなら、可能な限り参加した方が良いでしょう。OB・OG訪問も同様です。
インターンやOB・OG訪問をやるべきか迷う人は、以下の記事を参考にしましょう。メリットに加えて、具体的な進め方を解説しています。
インターン
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
業界研究のさらに詳しいやり方はこちらの記事で解説しています。併せて確認してコツを押さえましょう。
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る薬学部の就職もほかの学部と基本は同じ! 計画的に取り組もう
まず取り組むこととして、計画を立てることが重要です。就活まで1年以上あるのか、1年切っているのかでも戦略が大きく変わってきます。
そのためにも手始めに、周囲の薬学部の先輩にどんな就活をしてきたのか相談してみましょう。できればいろいろな先輩に聞くのがおすすめです。もし頼れる先輩が周りにいなければ、キャリアコンサルタントや就活塾などを活用しても良いでしょう。
その後ですることは、自己分析と企業研究、そしてES・面接対策です。これらは一般の学部の学生とほぼ同じですね。結局、本質的な部分は薬学生もほかの学生も変わらないので、しっかりと時間をかけて少しずつ準備していくことが大切です。
周囲をうまく巻き込んで情報やアドバイスを得ることが鍵
私が薬学生の就活支援をしていて特に感じるのは、実習や試験などが重なり、就活の時間が確保しづらいのが大きな課題だということ。
自己分析や企業研究、ESの執筆や面接練習は準備にとても時間がかかるうえ、正解がわかりづらいため、モチベーションも維持しにくいです。
そんなときは、ぜひ周囲の環境や仲間を頼ってみてください。就活は団体戦かつ情報戦です。どれだけ多くの人々を巻き込めるか、どれだけ多くの情報に触れながら取捨選択ができるかが勝負になります。
そのためにも就活に適した環境や仲間を作り、就活に向けて自分自身を高めていくことが内定を勝ち取る秘訣です。
迷ったら? 薬学部の就職でよくある悩みに就活のプロが回答!
迷ったら? 薬学部の就職でよくある悩みに就活のプロが回答!
- 薬学生が一般企業に就職するのは不利? もったいない?
- 薬剤師にならないなら国家資格は取らなくても良い?
- 薬剤師として就職したら民間企業に転職はできない?
薬学部の就職先や就活の進め方について理解したものの、「一人ではうまく決められない!」「失敗して後悔することになったらどうしよう……」などと悩んでいる人もまだいるかもしれません。
就職とは人生の大事な局面であり、決断も難しいものですが、これまで多数の相談に乗ってきた就活のプロなら、すでに答えのヒントを持っているかもしれません。
ここでは薬学部の就職でよくある3つの悩みについて、キャリアコンサルタントにアドバイスを聞きました。不安な人はここでモヤモヤを解消しましょう。
薬学生が一般企業に就職するのは不利? もったいない?
薬剤師以外の就職を考えている人に特に多いのが、「やっぱり薬剤師にならないのはもったいないだろうか」という悩みでしょう。せっかく6年間という長い時間をかけ、難しい勉強も乗り越えてきたのだからと迷いを感じてしまいますよね。
また薬学という専門分野であるため、「一般企業に就職するならほかの学部の人より不利になるのでは?」と不安もあるかもしれません。
実際のところはどうなのか、就活から転職まで幅広い支援実績のあるキャリアコンサルタントの古田さんにアドバイスを聞きました。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る一般企業への就職でも不利にはならないが理由は問われる
人は変化していくものです。何かをきっかけに進む方向が変わることもあります。そのため一般企業に就職するからといって、薬学生であることが不利になるとは考えにくいです。
ただし、なぜ薬学部と関連のない仕事に就こうと考えたのかは質問されやすく、またその答えによっては賛否両論あり、中にはマイナスに捉える採用担当者もいるでしょう。
直結していなくても学んだことは必ずどこかに活きてくるもの
たとえ誰かに「もったいない」といわれることがあっても、気にする必要はありません。身に付いた知識や経験は、必ずどこかで活かされているものです。
現在はキャリアコンサルタントとして活動している私も、社会人デビューは和食料理店の調理師でした。紆余曲折あって今に至りますが、厨房で身に付けたスキルや経験は今でも役立っています。
もしあなたが自分で「もったいない」と感じるなら、それは活かせることにつなげられていないだけか、活かせていても気付いていないだけかもしれません。
いずれにせよ、活かすかどうかは自分次第。もったいないかどうかを決めるのもあなた自身です。
薬剤師にならないなら国家資格は取らなくても良い?
自分は薬剤師には向いていないと判断した人や、ほかにやりたいことができた人もいるでしょう。薬剤師としての就職を視野に入れていない場合、気になるのが国家試験の存在です。
一般企業への就活に専念するなら難関の国家資格はいらないのではないか、勉強時間をほかに使いたいなどと考える人もいるはずです。ただ実際、薬剤師資格を持っていないことが何か不利になるのかも気になりますよね。
ここではメーカーで25年間人材育成に携わった経験を持つ、キャリアコンサルタントの平井さんに実態を聞きました。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るまずは薬剤師資格がないとできないことを把握してから判断しよう
資格を取るか、取らないかの結論を出す前に、少し整理してみませんか。
①薬剤師の資格がないとできないこと
②薬剤師の資格は不要で薬学部の学びがあればできること
③薬剤師の資格は不要で薬学部の学びもなくてもできること
この3つについて、それぞれ仕事をすらすらとリストアップできるでしょうか。
③はくくりが大きいので、興味のあることしか挙げられないかもしれませんが、①②が書き出せないなら、資格を取る・取らないの判断はまだ早いです。
①②が書き出せないということは、自分がどんな選択肢を持っているのか、薬剤師資格の有無がその選択肢をどれだけ狭めるのかが、わかってないということです。
後悔ない決断をするには自分で責任を持つことが重要
②と③をさくさく書き出せて、書き出した内容を見てワクワクするようなら、それが答えだと思います。
ただし資格を取らないということは、①の選択肢を自分で捨てるに等しいということをしっかり覚えておいてほしいです。
薬剤師として就職したら民間企業に転職はできない?
薬剤師として就職を考えている場合でも、民間企業とも迷っている人や、将来的に転職に興味があるという人もいますよね。
その場合、「一度薬剤師として就職したら、一般企業には転職できないのでは?」と不安がよぎる人もいるかもしれません。たしかに専門職である薬剤師は民間企業と働く環境が大きく異なりますが、転職で不利になることはあるのでしょうか。
ここでは人材会社で支部長として活躍した経験を持ち、これまで3,000名以上のキャリアを支援してきたキャリアコンサルタントの吉田さんに注意点を聞きました。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る薬剤師でも転職はできる! ただし就職時に考える必要はない
結論からいうと、薬剤師でも一般企業に転職は可能です。特に薬剤師の資格や専門知識が活かせるような業界であれば、年収などの条件を上げるキャリアアップが見込めます。
一方で、薬剤師の経験や資格が活かせないような未経験の転職、あるいは経験年数が長いわりにマネジメント経験などが皆無の場合などは、キャリアダウンは避けられないでしょう。これらは薬剤師だけでなく、営業職やエンジニア職などほかの職種でも同様です。
そもそも、新卒就活のタイミングで転職のことを考えるのはあまりおすすめしません。
なぜなら転職市場のトレンドは年々変わっていくうえに、社会情勢によっても左右されるからです。また場合によっては、結婚・出産・介護などのライフイベントも考慮しなくてはなりません。
仕事で実現したいことをかなえられるかという視点の方が重要
就活も転職も、目的ではなく手段です。大事なことは、人生をどう生きたいのか、仕事を通じて社会をどうしたいのかといった本質的な問いであり、仕事はそれを達成するための手段に過ぎません。
それを考えるためにも、徹底的な自己分析による本質的な自己理解をして、あなたにとっての最高の人生を一度考えてみましょう。
薬学部の就職は「情報収集×行動」で迷いをなくして効率的に進めよう
薬学部の就職先は薬剤師だけと思われがちですが、実際には民間企業や公務員などさまざまな活躍の場があります。就活時にはまずどんな選択肢があるのかを理解して、自分にマッチする仕事をじっくり考えることが大切です。紹介した11の就職先を参考に、興味を持ったものをさらに詳しく調べてみてください。
また実習や研究、試験などで忙しい薬学部だからこそ、就職活動は早めに・計画的に始める必要があります。解説したスケジュールや業界ごとの注意点に沿って、自己分析や企業研究など、できることから進めていきましょう。
正しい情報をもとに行動していけば、不安や迷いも少なくなります。ぜひ記事を参考にして、薬学部から理想の就職を実現してくださいね。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る就職先を考えるには薬が市場に届くまでの流れをイメージしてみよう
皆さんは薬に興味・関心があって、薬学部を選んだことと思います。就職となると薬剤師が一般的ですが、実は薬が開発されて一般の患者に届くまでには、こんなに多くのプレーヤーがかかわっています。
①基礎研究:大学、公的研究機関、バイオテクノロジー企業
②薬剤の発見と前臨床試験:製薬企業、バイオテクノロジー企業
③臨床試験:製薬企業、CRO(臨床試験受託機関)、医療機関
④承認申請:製薬企業、厚生労働省(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
⑤製造・販売:製薬企業、卸売業者
⑥処方と使用:医師、薬剤師、患者
①から⑥になるほど、一般患者と近いところでの仕事になりますね。
薬学部での学びをどのような役割で活かしたいかが重要
大事なことは、「自分はどのプレーヤーとして薬にかかわる仕事をしたいか」です。薬剤師か・それ以外かといったことよりも、まずは「薬の開発〜一般患者に届くまで」のどこで働きたいのかを考えてみてください。
薬にかかわることは、人命を預かる仕事を選ぶことです。法律や規制、ルールを守ることはもちろんのこと、さらに高い倫理性を持って取り組んでほしい、そう願っています。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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