GSユアサはやばい? 将来性が低い? 年功序列? 就活のプロが実態を解説

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/国際コーチング連盟(ICF)ACC

    Atsushi Ikarashi〇欧州系日本法人の代表取締役。新卒で日本企業に5年、東南アジア現地法人に12年勤務し、帰国後外資企業に就職。経営者視点でキャリア形成の支援をする。MBA(海外)取得済

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  • キャリアコンサルタント / システムエンジニア

    Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている

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  • 2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級

    Tomohiro Morita〇理系大学院修了後に企業で勤務。その後、キャリア支援・セミナー講師・文章制作などマルチに活躍。就職・転職に関する情報整理や書類作成、意思決定支援をおこなう

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本企画について

「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。

「GSユアサはやばい」

創業から100年を超える老舗メーカーであるGSユアサは、世界相手にも売り上げを拡大する企業です。しかし、「将来性が低い」「年功序列で保守的」といったネガティブな噂がされていることで、不安になる人もいるのではないでしょうか。

GSユアサは本当にやばい企業なのか、就活のプロであるキャリアコンサルタントとともに読み解いていきます。企業について気になる点に注目しながら、実態を理解していきましょう。

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1分でわかるGSユアサ

GSユアサとは

自動車・二輪車用バッテリーや産業用蓄電池・電源システムから、航空・宇宙・海洋開発向けの特殊電池までを幅広く製造・販売するグローバルなエネルギー・デバイス・カンパニー。

鉛蓄電池等の既存事業で強固な基盤を持つ一方、昨今の急速なEV化の波に対応するため、ホンダ(本田技研工業)と合弁会社を設立し、高容量・高出力なBEV用リチウムイオン電池の開発や量産体制の構築を急ピッチで進めている。

会社名株式会社 ジーエス・ユアサ コーポレーション
従業員数(連結)12,478名(2025年3月期)
本社所在地京都市南区
主な事業自動車用・産業用各種電池、電源システム、受変電設備、その他電気機器の製造・販売
売上高(連結)5,803億4,000万円(前年同期比3.1%増)(2025年3月期)
経常利益(連結)463億4,500万円(同5.4%増)(同期間)
企業HPhttps://www.gs-yuasa.com/jp/
新卒採用HPhttps://www.gs-yuasa.com/jp/saiyo/newgrad/
企業情報

「GSユアサはやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く

GSユアサがやばいと言われる理由を4つに分けて紹介します。本当にやばい企業なのかを具体的なデータをもとに紐解いていくので、キャリアコンサルタントの解説を参考にしながら読み進めてください。

①EV化の影響で将来性が不安だから

GSユアサは自動車用の鉛蓄電池を主力事業としているため、自動車業界のEV化(電動化)が進行している現代では、同社の需要は下がっていくのではないかという懸念があるようです。

EV化(電動化)

ガソリンや軽油で動く自動車を、電気を動力とする電気自動車(EV)へ移行させる動きのこと

同社は2023年7月に本田技研工業株式会社と合弁会社を設立したことで、BEV(完全な電池自動車)用リチウム電池の開発を進めたり、本田技研や政府からの出資をもってBEV用電池の生産工場を建設していたりすることで、次世代の市場での生き残りに備えています(※1)。

さらに、PHEV(プラグインハイブリッド車)用のリチウムイオン電池の販売数はすでに好調で、会社の売上高が前期比で194億3,100万円増加した要因として有価証券報告書でも述べられているほどです(※2)。

※1 GSユアサ 有価証券報告書 2025年3月期
※2 GSユアサ 有価証券報告書 2024年3月期

プロのアドバイザーはこう分析!投資が将来性に影響しており慎重な制御が必要となっている

国家資格キャリアコンサルタント/国際コーチング連盟(ICF)ACC

五十嵐 篤

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将来性を左右する懸念要素は、「電気自動車(EV)市場の変動に伴う投資計画の柔軟な調整」と「投資先行による利益への影響」です。

日本経済新聞の報道によると、同社はホンダと協力して進めるEV向け電池工場のうち笠原町の工場について、市場の伸び悩みを考慮し着工を最大3年間延期することを決定しています。

このように市場に合わせた投資スピードのコントロールが必要な状況です。

EVだけではない真の成長戦略が支えている

一方、会社四季報などのレポートによると、同社の足元の業績は非常に堅調です。背景には、データセンター用の非常用電源需要の拡大や、ハイブリッド車向け電池の価格是正が浸透し、利益を大きく押し上げている事実があります。

つまり、将来性を評価する本質は「EV一本足打法」ではなく、こうしたデータセンター需要などで着実に原資を稼ぎつつ、EV市場の本格的な立ち上がりに向けて投資の時期やリスクをいかにマネジメントできているかという経営の手腕(構造)と考えられます。

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②年功序列で保守的な社風だから

口コミサイト等では年功序列というキーワードが目立つようで、そのつながりで「保守的で成長できない」という意見も挙がってくるようです。

しかし、GSユアサは企業理念のなかに「革新と成長」(※1)という言葉を掲げており、変化を恐れない人材の育成に取り組んでいます。例として、自主的なキャリア形成を支援する社内公募制や、Bizチャレという社員が新規事業のアイデアを提案できる仕組みの導入が挙げられます(※2)。

また、社員インタビューを見ると、「挑戦を後押しする」「若手の意見も尊重する」といった意見が確認されることも事実です

社員インタビュー

開発職社員
「電池という枠組みにとらわれず、自分が携わりたい専門分野で最先端の新技術開発に挑戦し、GSユアサの新規製品に実装することができます。『やってみたい』を後押しする環境が一番の魅力です」(※3)

研究開発職社員
「個々の意見を尊重してくれるため、若手社員でも意見を言いやすい環境です」(※4)

ただし、100年以上の歴史がある企業のため、昔ながらのやり方が残っていたり、10,000人を超える従業員がいるため、部署によって文化が異なったりする可能性は考慮しておくと良いでしょう。

※1 GSユアサ 企業理念・サステナビリティ経営方針
※2 GSユアサ 有価証券報告書 2025年3月期
※3 GSユアサ 社員INTERVIEW vol.03
※4 GSユアサ 社員INTERVIEW vol.06

プロのアドバイザーはこう分析!老舗企業ゆえの特徴! 年功序列・保守的な風土が残る理由

キャリアコンサルタント / システムエンジニア

小峰 一朗

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GSユアサにおいて、年功序列や保守的だと感じられる要素は、やはり100年を超える長い歴史を持つ企業であること、および事業の性質上、安全性や品質を重視する慎重な風土が根づいていることにあると思われます。

電池は自動車や産業インフラを支える重要な製品かつ量産品でもあるので品質確保が最優先であり、製品企画や開発においても慎重さや安全性が優先されやすく、結果として意思決定の丁寧さや昔ながらに積み重ねてきた文化が残っている部署もあるでしょう。

また、従業員規模が大きい会社では、全社的に一気に文化が変わることはとても難しく、部署ごとの色の違いが残りやすい点もあるでしょう。

保守と革新の両面の良さがある会社だと考えられる

一方で、社内公募や新規事業提案、ジョブ型人事制度など、会社としては変化を促す仕組みも入れ始めています。

就活生としては、「保守的か、革新的か」をどちらかで決めつけるよりも、安定を土台にしながら、少しずつ変化している会社ととらえるほうが実態に近いと思います。

③国内外で激しい価格競争があるから

GSユアサは各事業の市場において、激しい競争にさらされていることを述べており、国内の同業他社に加え、低コストで製品を共有する海外の会社との価格競争が起こっているようです(※)。

市場での競争に対して同社は、あらゆるコスト削減や営業力の強化をしています。また、アイドリングストップ車やハイブリッド車といった市場で関心の高い製品に注力したり、適正な売価を反映することによる収益率の向上などに取り組んでいます(※)。

価格競争という難しい状況に置かれているということは事実ですが、そのなかでも優位性を確立するために行動しているということも認識しておきましょう。

GSユアサ 有価証券報告書 2025年3月期

プロのアドバイザーはこう分析!強みの分野で売り上げを拡大できたことで成長を遂げた

国家資格キャリアコンサルタント/国際コーチング連盟(ICF)ACC

五十嵐 篤

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激しい市場競争の中で勝ち残れるかは、「高付加価値製品への転換スピード」と「経済安全保障を追い風にした国内需要の囲い込み」にかかっています。

直近の日本経済新聞の報道によると、同社の2026年3月期連結決算は売上高6,090億円、営業利益602億円と増収増益を達成しました。

これは、海外競合との安値競争が激しい汎用品ではなく、値上げが浸透したハイブリッド車向け電池やデータセンター用非常用電源など、独自の優位性を持つ高付加価値分野の販売が伸びた結果です。

変化する市場で優位に立てるかが勝負の分岐点になる

さらに同社は、安価な中国製電池の流入に対抗するため、経済安全保障の観点から国産蓄電池への需要が高まると見込んで、インフラ向けの新工場投資を決断しています。

つまり、価格のみの競争に陥れば厳しい局面を迎えるリスクはありますが、技術的障壁の高い車載向けや、国産の信頼性が求められる社会インフラ分野へ事業軸をシフトすることで、市場での優位性を維持できるかが分かれ目となります。

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④給料が上がりにくいから

給料が上がりづらく、年収が低いという意見が、GSユアサがやばいと言われる理由の一つとなっているようです。

同社の平均年収自体は高専向けの公開されている人事データによると、776万円(2024年度)(※1)となっており、製造業界の平均567万6,000円(※2)よりも高いものの、給与を大幅に上げることは難しいと感じる人がいるかもしれません。

しかし、同社は2025年度より、年齢や経験年数にとらわれず、より専門性に紐づいた処遇をおこなうためにジョブ型人事制度を導入しています。会社としてはより社員の自律的なキャリア形成を実現する目的があるとされています(※4)。

※1 高専プラス GSユアサ
※2 国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査
※3 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
※4 GSユアサ 有価証券報告書 2025年3月期

アドバイザーのリアル・アドバイス!若手でも能力を給料に反映しやすくなっている

キャリアコンサルタント / システムエンジニア

小峰 一朗

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GSユアサで若い内から待遇を上げていくことは、以前より可能性が広がっていると考えられます。

平均年収が高い一方で平均年齢も高いため、従来は年齢や勤続年数を重ねてから処遇が上がる印象を持たれやすいと思います。

ただ、同社は2025年度からジョブ型人事制度を導入しており、今後は年齢よりも役割や専門性、担う仕事の大きさがこれまで以上に評価に反映されやすくなります。

事業を理解してどんな価値提供ができるかを見出そう

その意味でも、若手のうちから待遇を上げたい場合は、言われたことをこなすだけでなく、自分の専門性を高め、どの領域で価値を出せるかを明確にしていくことが重要になります。

加えて、電池や材料、電源システムといった事業理解を深め、会社がこれから伸ばしたい領域で経験を積んでいくことも大事なポイントになると思います。

就活生としては、平均年収の高さだけでなく、「若手のうちから何を経験し、何を積み上げていけば評価されるのか」という視点でも見ておきたい企業です。

企業の実際の動きから噂を読み解こう

GSユアサに対する噂はおおむね事実が多かったものの、その事実に対して企業がどのように取り組んでいるかが、企業の実態を紐解く鍵になります。

自分が気になっている点については、正式な情報源を確認したうえで、企業の具体的な取り組みを調べるようにしましょう。

アドバイザーからワンポイントアドバイス企業の3つの特徴から向いている人のポイントがわかる

2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級

森田 智比呂

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GSユアサの会社としての特徴は、3つあります。①歴史が長く、②大企業であり、③電池・エネルギー分野で高い技術力を持つことです。

そのため、安定志向でありながらも、新しい技術や市場の変化に関心を持てる人に向いていると言えます。

具体的には、ものづくりや電池・エネルギー分野に純粋な興味がある人、長期的なキャリアを一つの企業で積み上げていきたい人、そして環境問題に正面から取り組める人が活躍できるでしょう。

向いている人の特徴はそのままエントリーシートなどの志望動機や自己PRにも記載できます。

成長スピードや変化に対してのとらえ方が適正を左右する

一方で向いていない人は、早期に成果を出して給与へ大きく反映させたい人や、スピード感のある意思決定、フラットな組織文化を強く求める人にとっては、やや合いにくい環境となる可能性があります。

また、単に売れる製品を世に送り出せば満足という人や、環境負荷の軽減に対する実感が薄い人には向いていないと言えるでしょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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