この記事のまとめ
- 体育会系企業は必ずしもブラックではない
- 体育会系企業は見極めポイントがいくつかある
- 体育会系学生向け自己PRの例文6選
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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大学の部活動や体力があるイメージが強い体育会系。就活を進めていく中で、特に体育会出身ではない人は、いわゆる体育会系と呼ばれる企業についていけるか不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
また、大学の体育会出身者の人は就活に有利と言われていますが、有利だからといって油断は禁物です。場合によっては、部活動と並行して就活をしていく必要があるため、前もってアピールポイントを押さえて、準備をしていく必要があります。
この記事では、キャリアアドバイザーの鈴木さん、隈本さん、柴田さんのアドバイスを交えつつ、体育会系企業の特徴や体育会学生の就活の進め方について解説していきます。
体育会系企業は必ずしもブラックではない! 自分に合っているかを押さえよう
体育会系企業は、スポーツ経験者が多く、上下関係が厳しいイメージがありますが、必ずしもネガティブな要素だけではありません。体育会系企業でいきいきと働くことのできる人もいます。大切なのは、自分に合っているかどうかを知ることです。
この記事では、まず「体育会系」の意味と体育会系企業が多い業界について解説していきます。自分の興味がある業界やいきたいと思っている業界がある人はぜひ参考にしてみてくださいね。
次に体育会系企業の特徴や注意したい点について解説していきます。また、体育会系企業に向いている人の特徴についても解説していきます。自分が体育会系企業に合っているかどうかを確認してみてください。
加えて、体育会学生の就活についても解説します。体育会学生の就活は有利と言われていますが油断は禁物です。この記事を参考に、周囲と差をつけていきましょう。
体育会系企業とは?
体育会系と聞いてみなさんはどんなイメージを抱くでしょうか。ここでは、体育会系の意味や体育会系企業と呼ばれる会社が多い業界について解説していきます。
まずはしっかりと「体育会系企業」について理解していきましょう。
「体育会系」の意味
体育会系とは、大学などの教育機関における部活動・クラブ活動の分類の1つです。一般的にスポーツの部活動が該当し、大学が公認している部活動という位置付けとなっています。
体育会系の部活動は、精神論や根性論、上下関係などを重視したり、スパルタ式の指導を受けるイメージを持たれる傾向にあります。
このような背景からスポーツや部活動に限らず、精神論や根性論、上下関係などを重視する組織は「体育会系」と表現することがあります。また、反対の意味を示す言葉で文化系という言葉が存在します。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る「体育会系」という言葉は学生と企業でとらえ方が違う
就活で使われる「体育会」という言葉には、学生からの視点と企業側からの視点が存在します。
学生から見た場合、企業の社員同士の関係が上司部下、仕事が終わらなければ帰れないような少しブラック企業寄りの使われ方となります。
「体育会」という言葉に惑わされないようにしよう
逆に企業側から見た場合、自社の体育会というものを前向きにとらえていることが多いです。この場合は厳しい中にも、きちんとしたルールがあり、先輩社員は後輩社員の面倒をみるというとらえ方をしています。
ひとえに「体育会」という言葉でも、見る側の視点により見え方が違って見えます。このことから「体育会」のような会社という言葉に惑わされず、もうひと段階深くその言葉の意味をとらえておかないと、就職活動をおこなううえで、本当は自分に適性がある企業だったとしても、見逃してしまうかもしれないので注意してください。
体育会系企業が多い業界
体育会企業が多い業界
- 不動産
- 広告代理店
- 商社
- 製薬会社(MR)
- 金融
- メディア
- インターネット・Web
体育会系は精神論や根性論、上下関係などを重視する傾向にありますが、そのような文化を重要視する業界は多くあります。
ここで紹介する業界におけるすべての企業が体育会気質があるわけではありませんが、「体育会系企業が多い」業界として、チェックしてみてください。
不動産
土地や建造物などを取り扱う不動産業界は、電話営業や訪問営業が多く、アポイント数や成約数といったノルマが存在します。ノルマを達成するために行動量が求められるため、体育会系の雰囲気が強い企業が多くあります。
また、事業を推進していくうえでは、利害関係や法律などが関係します。そのため、一筋縄ではいかないようなことも多く、案件1つに対して粘り強く取り組んでいく必要があります。
このことから不動産業界には体育会系の会社が多く存在します。
不動産業界の営業は歩合給の企業も少なくないため、契約数がインセンティブとして給与に反映されます。
契約数を取るのはもちろん、同僚の営業はライバルにもなり得るため、体育会系として培った競争心が求められます。
広告代理店
広告業界は、クリエイティブな仕事が多く、華やかなイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。ですが、広告業界には営業・企画・デザイナー・コピーライターなど、さまざまな職種があり、チーム一丸となって成果物を作っていくため、チームワークが求められます。
そのため、チームスポーツをやっている人に向いていることから体育会系の風土が一定存在します。
また、最近では改善されている傾向にありますが、かつては労働時間が長く体力を求められていたことから、体育会系のイメージを持つ人も多くいます。
広告代理店は社内での飲み会や取引先のパーティーなど、何かとイベントが多いのが特徴です。
ですから、部活動によりコミュニケーション力が鍛えられており、体力もある体育会出身者に向いている環境と言えます。
広告業界に興味がある人は以下を参考にしましょう。広告業界の志望動機の書き方や例文を解説しています。
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広告業界の志望動機は説得力を増すために業界知識をつけることが重要です。まずは広告業界の特徴を押さえましょう。この記事では志望動機の作り方や作成時の注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。
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商社
売り手と買い手を結び付け、取引の仲介をする商社は、営業力が求められます。したがって、特にサッカーや野球、ラグビーなどチームでおこなうスポーツの場合、コミュニケーション能力が高い学生が多く、チームスポーツの体育会系の人は、重宝される傾向にあります。
加えて、社内の飲み会や接待など、業務時間外のコミュニケーションが多い傾向にあり、体力があり、上下関係の厳しい環境でも順応できる人が多いことから、体育会系のイメージを持たれやすい業界です。
商社における体育会系気質の特徴については、「忍耐力」が挙げられます。
取引を成立させるために、売り手・買い手どちらにも調整や我慢が必要な場面があります。そのため、体育会で培ってきた忍耐力は活かすことができる環境であると言えます。
製薬会社(MR)
MRとは医薬情報担当者と呼ばれ、製薬会社などに所属し、医療従事者に対して医薬品を販売したり、必要な情報を提供する仕事です。
基本的に車でさまざまな医療機関に訪問して営業をおこなうため、体力が求められます。また、営業相手が医師のため、上下関係を意識する必要があり、礼儀などを重んじる体育会気質が存在すると言われています。
また、月内の売上目標も存在するため、目標を達成するために根気強く営業をおこなう必要があり、体育会系の風土が強いという特徴があります。
MRとして働く場合は、病院数が限られていることもあり、他の業種の営業と比べて顧客である医師と定期的にコンタクトをとって、良好な人間関係を築くことが不可欠です。
その際には、部活動などで培ったコミュニケーション力が活用できます。
金融
銀行や証券会社など金融業界の企業では、顧客のお金を扱うため、真摯な対応が求められます。したがって、ほかの業界や企業以上に礼儀を重んじる必要があります。
また、金融業界は縦割りの社風が強く、比較的上下関係に厳しい業界です。加えて、業種によってはノルマも厳しく、目標に向かって努力し続けていく必要があります。
金融と言う堅実さ・誠実さが求められる業界のため、一人ひとりが堅実だったり、誠実である必要があります。
言葉遣いや上限関係などもそうですが、服装や持ち物について厳しく指導する会社もあります。華美になりすぎないよう注意が必要です。
メディア
テレビ局やテレビ番組の制作をおこなう制作会社といったメディア企業は、番組の編成があらかじめ決まっているため、撮影から放送までのスケジュールがタイトということもあり、労働時間が長い傾向にあります。
最近では働き方改革の影響もあり、長時間労働は是正されている傾向にありますが、職種にかかわらず、勤務時間が不規則のため、精神的にも肉体的にもタフな体育会系学生は重宝されます。
テレビ局やテレビ番組の制作をおこなう制作会社といったメディア企業では、「気遣い」が必要な場面が多くあります。
たくさんのメディアに出演する人々への「気遣い」は必要な要素なので、体育会で上下関係が厳しい環境に身を置いていた人は向いていると言えます。
テレビ局への就職を検討している人は以下の記事も参考にしましょう。テレビ局の対策や求められるスキルなどを解説しています。
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インターネット・Web
インターネット・Web業界の企業はベンチャー企業と呼ばれる会社が多く、会社や事業の成長のために高い目標が設定され、営業などをおこなっていく必要があります。
また、創業して間もないベンチャー企業などでは、少人数でたくさんの成果を出していく必要があるため、必然的に個人の負担が大きく、体育会気質で乗り切っていく企業も多くあります。
- ベンチャー企業は体育会気質の企業が多いのでしょうか?
ベンチャー企業のすべてが体育会気質ではない
ベンチャー企業では目標達成を重要視しているので、営業系であれば体育会気質になっている企業は多く存在します。
ですが、ベンチャー企業がすべて体育会気質であるわけではありません。
業界・企業によって異なるので、業界・企業分析をしっかりとおこなうことで、自分に合ったベンチャー企業を見つけることができますよ。
ベンチャー企業を志望する人は「メガベンチャー」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。次の記事では、「メガベンチャー」の概要や特徴などを解説しています。ベンチャー企業を志望している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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実態をつかもう! 体育会系企業の特徴
「体育会系」とは、大学における部活動などを指す言葉で、精神論や根性論、上下関係などを重視する傾向にありますが、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、体育会系企業の特徴について解説していきます。
社員にスポーツ経験者が多い
体育会系という言葉自体、大学におけるスポーツ系の部活動を総称しています。そのため、体育会系企業にはスポーツ経験者が多くいます。
また、大学の体育会はOB・OGとのつながりが縦にも横にも強いことから、OB・OGによる推薦などにより、内定するケースがあります。したがって、毎年一定数スポーツ経験者が入社するため、企業全体としてスポーツ経験者が増えていく傾向にあります。
加えて、スポーツ経験者は厳しい上下関係に慣れていたり、体力や忍耐力、ストレス耐性があることから、体育会系企業の多くはスポーツ経験者を積極的に採用しているのです。
体育会系の企業は、企業理念はもちろん社風にも体育会系の気質が表れていることもあり、スポーツ経験者がマッチ度の高さを実感しやすいという側面があります。
もちろん、スポーツ系大学の採用実績の高さが影響することもあります。
チャレンジしていく文化がある
体育会系企業では、入念に戦略を練ってアクションするというよりは、失敗から学んでいくという文化が強い傾向にあります。
したがって、若手のうちから幅広い経験ができたり、新しい施策や取り組みでもまずは挑戦させてもらえる企業が多く存在します。若手のうちから経験を積んで成長したい人や将来的に起業などを考えている人はおすすめの環境です。
注意したいのが、失敗したら終わりというわけではなく、失敗したらしっかりと要因を考えて次の一手を打つといったように、挑戦だけでなく振り返りも重要視されています。
- 体育会系企業では失敗やミスに対して、強く怒られるイメージがあるのですが、そのようなことはないのでしょうか?
法令が整備されているがパワハラへの意識が低い企業は一定ある
体育会系企業に限らず、失敗やミスに対して過剰に怒ってしまう社員がいる可能性は否定できません。
ですが、現在は従業員の心身における健康維持のため、ハラスメントの防止対策が事業主に対して義務付けられるようになりました。
そのため、社員を強く怒る行為が該当するパワーハラスメントに対しても、2022年4月から防止措置を取らなければいけません。
一方で、企業によっては、まだまだ社員のパワハラに対する意識が薄い場合もあります。もしパワハラと感じる指導を受けた場合は、人事部や外部の労働基準監督署などに相談しましょう。
上下関係がしっかりとしている
挑戦していく社風が多い体育会系企業ですが、上下関係や礼儀も同様に重んじています。そのため、年下であっても先輩には敬語を使う必要があったり、上司への敬意を示す必要があります。
先輩を立てつつ、うまくコミュニケーションをとっていく必要があるため、先輩との関係構築が得意だったり、ストレスを感じにくい人は向いている環境です。
また、上下関係はそこまで重要視されていない企業や業界があるものの、礼儀などはスキルとして身につけられれば、汎用的なスキルとしてあらゆる場面で活かすことができるでしょう。
体育会系企業には出身大学を大切にしている人が多いと感じます。同じ大学の先輩であれば重宝してくれることもありますが、そうでなければライバル心をひきずっている人も少なくありません。
同窓でなければあまり大学時代の話はしないほうが無難です。
成果主義でインセンティブ制度が多い
体育会系企業は営業ノルマが高く、月内で追う目標も厳しいものがほとんどです。一方で、成果に応じてインセンティブとして通常の給料にプラスして報酬が支払われる場合があります。
また、社内でランキングを表示し、成果を競わせるといった企業もあり、「成果を出してお金を稼いでいきたい」「頑張ったら頑張った分だけ評価されたい」という人には向いている環境です。
成果主義のメリットとしては、成果をあげていれば自分の時間を自由に使うことができるという点が挙げられます。
成果主義で実績をあげている人の中には、家族との時間も大切にしたいという人も多く、実績と自由が比例していることがわかります。
ブラックって本当? 体育会系企業の注意点
一般的にブラック企業は次のように定義されています。
ブラック企業とは
低賃金など、劣悪な労働環境の下で労働者を酷使する企業
体育会系企業は、働き方がブラックなのではないかという印象の人も多いですが、結論、体育会系企業だからブラックというわけではなく、労働時間や給与体系もほかの企業と変わりません。
ですが、価値観は人それぞれあるため、人によっては体育会系企業にネガティブな印象を受けてしまうものです。ここでは、体育会系企業の注意点について詳しく解説していきます。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
精神論と根性論が多い
前述したように体育会系企業の多くはノルマや目標が厳しいことがほとんどです。
ノルマや目標を達成するか否かは、個人の行動量によって変わります。このような厳しい状況を乗り越えるためには、論理ではなく、「気持ちでいけば絶対に取れる」といった精神論や「気合が足りていない」といった根性論が多い傾向にあります。
したがって、仕事でできなかったことに対して論理的に振り返って改善していきたい人や精神論や根性論でのコミュニケーションが苦手な人にとっては、心理的ストレスに感じてしまう可能性があります。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る精神論や根性論は適切に活かす必要がある
自分自身がこれまで部活などの体育会系の集まりの中で培ってきた精神論や根性論は、他者に対して強要すべきものではありません。そのため、精神論や根性論で活躍できる人は、自分の行動に対してのみ、精神論や根性論を活かして、精力的かつポジティブに行動できる人です。
ハラスメントは受けた側が判断することでもあるため、自分なりの精神論などを相手に求めていると、思わぬところでパワハラと認定されることも少なくありません。
一定の礼儀をわきまえて行動しよう
体育会系は縦割りの場合がほとんどなので、先輩に対しては失礼がないように接してきたはずです。
同様に、自分がかかわる人に対しては、たとえ部下でも後輩のように扱うのではなく、先輩に接する時と同じように、ある一定の礼儀をわきまえて行動することが重要になります。
また、業務を進めていく中でかかわる人が多くいる仕事は、精神論や根性論だけでは乗り越えられないような仕事もあります。そのため、肉体面や精神面での自分の限界点や自分が苦手な業務についてはしっかり把握しておき、人の協力を得るという臨機応変な対応をすることが大切です。
業務時間外のコミュニケーションが多い
体育会系企業では、飲み会などオフのコミュニケーションを大事にする傾向にあります。そのため、平日から飲み会を盛んにおこなったり、場合によっては夜遅くまで飲み会があるといったこともあります。
これらはネガティブなことばかりではなく、仕事で成長するためのヒントを得られたり、一定のストレス発散になるかもしれませんが、飲み会があっても次の日は通常通り出社することが当たり前のため、お酒が苦手な人にとっては、厳しい環境かもしれません。
また、企業や職種によっては休日もゴルフや会食など上司や取引先との接待があるため、特に若手のうちはプライベートとの両立が難しい場合もあります。
- 業務時間外の飲み会などを断ってしまった場合、評価が下がるといったことはあるのでしょうか?
評価は下がらないが、接待は業務の一環なので参加が無難
業務時間外での活動に対し、参加しないことを非難する風潮は過去のものになってきました。
しかし、体育会系企業においては、まだまだ「飲み会は当然来るもの」と捉えられ、断れない雰囲気があると言えます。
接待に関しては確かに業務の一環であるため、基本的には参加しておくのが無難です。
しかし、社内の飲み会にそうそう付き合うのも大変ですよね。すべて断ると人間関係の維持も難しいでしょうから、ときどきは参加しておくようにしましょう。
体育会系企業に向いていない人の4つの特徴
体育会系企業に向いていない人の4つの特徴
- 自分のペースで仕事を進めたい人
- ワークライフバランスを重視したい人
- 会社の枠組みや上下関係が苦手な人
- 精神論・根性論が苦手な人
精神論や根性論、業務外でのコミュニケーションなど、体育会系企業には注意したい特徴が存在します。注意点を踏まえて、体育会系企業で働くことが向いていない人はどんな人なのでしょうか。
4つの特徴を踏まえて、自分が体育会系企業に向いているかどうかを確認していきましょう。
①自分のペースで仕事を進めたい人
体育会系企業では、まず営業職に配属されるケースが多くあります。そうでなくてもノルマや目標を追って、利益に貢献できる業務を任されることが一般的です。
したがって、忙しい時は労働時間も長くなってしまいがちです。時には気合や根性で乗り切っていくといったワークスタイルになるかもしれません。
常に何かに追われているため、企画職などの何かを作っていく仕事や人事・経理といったバックオフィスなど事務的な仕事など、自分のペースで淡々と仕事を進めていきたい人には向いていない環境かもしれません。
企業によっては、入社後に企画職やマーケティング職、人事などにキャリアチェンジすることも可能のため、成長意欲がある人にとっては修行期間と捉えれば問題ないでしょう。これらは企業ごとに異なるので、募集要項をよく確認してみてください。
自分のペースで仕事が進められるのは、チーム単位で業務をおこなわない業種です。
そのため、専門スキルがないという前提だと、BtoCの製品やサービスを扱うベンチャー系の営業などは、比較的自己裁量で進めやすいでしょう。
②ワークライフバランスを重視したい人
ノルマや目標が厳しい体育会系企業では、これらを達成するために、休日に出社して仕事をしたり、顧客から連絡がくる場合があります。また、残業も恒常的に発生していて、平日はプライベートの時間がほとんどないケースもあります。
最近では、政府主導で働き方改革を推進していることもあり、サービス残業や長時間労働は是正されている傾向にあります。ですが、ノルマに到達しないと評価に影響が出るため、土日を返上して仕事をせざるを得ない状況になってしまっている企業があるのも事実です。
そのため、仕事だけでなくプライベートの時間も重視するといったワークライフバランスを大事にしている人にとって、体育会系企業は向いていないといえます。
すべての体育会系企業が休日出勤や残業を推奨しているわけではありません。
たとえば、メーカーには体育会系企業が多くありますが、同時に労働組合の力も強いです。
時間外労働を厳しく取り締まっているところもあるため、すべての企業に当てはまるわけではないことを認識しておきましょう。
③会社の枠組みや上下関係が苦手な人
体育会系企業では、上下関係が厳しいこともあり、上司からの命令は絶対と考えて、時には自分の意見を押し殺して物事を進めていかなくてはならない場合も考えられます。
また、休日や終業後など、業務時間外での飲み会や接待が多いため、こちらの都合に関係なく、上司から電話がかかってきて呼び出されるなんてこともあるかもしれません。
このように体育会系企業は社員間のオフコミュニケーションが多く、上下関係も厳しいため、友人など社外とのかかわりを大事にしたい人や上司との絶対的な関係構築が苦手な人にとっては向いていない環境といえます。
体育会系企業の中でもベンチャー企業は、横並びで業務を遂行するというような社風の企業が多く、年齢に関係なく〇〇さんという名前で呼び合ったりと、フラットな社風の会社が多く存在します。
④精神論・根性論が苦手な人
ロジックを持って物事を進めていきたい人や物事に対して深く考えて取り組んでいきたい人は体育会系企業は向いていないといえます。
前述の通り、体育会系企業では目標やノルマに対して、「気合いで乗り切る」「気持ちでカバーしていく」といった精神論・根性論で物事を取り組んでいく傾向にあります。
この場合、精神論や根性論は気持ちが落ち込んでいる時にカツを入れられるので、場合によってはポジティブに働きますが、理不尽なことを押し付けられていると感じてしまうこともあります。
また、成果を出すことができるかもしれませんが、いざという時に気合と根性で解決してしまう傾向にあります。そのため、汎用的ではなく、転職やキャリアステップでは活かしづらくなってしまいます。
精神論や根性論が苦手な人は、論理的思考力が重視される業界に目を向けてみましょう。
主な業界として、BtoBがメインの製造メーカーやSIerといったIT系の専門的な製品やシステムを取り扱う業界などが挙げられます。
また、広告代理店も数値やデータへの理解が欠かせないため、論理的思考力が求められがちな業界と言えるでしょう。
イメージだけで判断するのはNG! 体育会系企業の見分け方
体育会系企業の見分け方
- 企業HPやSNSを見る
- 口コミサイトの評判をみてみる
- 公表されている離職率を確認する
- 説明会やインターンに参加する
- OB・OG訪問を実施する
体育会系企業が多い業界はいくつか存在します。また、前項までで解説してきたように体育会系企業ならではの特徴もあります。
ですが、これらは企業に所属していないとわからないものだったり、噂程度で耳にしても納得感があまりないものばかりです。しっかりと見極めをした結果、体育会系といわれているけど、自分には合っている会社という場合もあります。
したがって、これから解説する体育会系企業の見分け方を参考に、企業を探してみてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
企業HPやSNSを見る
体育会系企業は営業が強い会社が多いため、会社全体として営業偏重となっている場合がほとんどです。そのため、管理職や役職者も営業メンバーが担当していることが多い傾向にあります。
特に最近では、テクノロジーの推進により企業は積極的に技術開発に投資しています。業界によりますが、技術系の管理職が冷遇されている企業は、体育会系の気質が強い傾向にあります。
したがって、企業のHPに記載されている管理職の経歴や職歴を確認してみましょう。
また、企業のSNSや採用ブログなどをチェックしてみましょう。オフコミュニケーションの様子などが見れる可能性があるので、より会社の雰囲気や様子を見れるかもしれませんよ。
一概には言えませんが、従業員の出身大学に偏りがある会社は体育会系の体質を持っていると言えます。
SNSなどで社員の情報をチェックするときやOB・OG訪問の際に、出身校に適度なばらつきがあるかどうかを確認しておきましょう。
口コミサイトの評判をみてみる
企業についてより具体的な情報を知りたいと考える人は、口コミサイトを閲覧しましょう。口コミサイトでは、実際に働く社員や退職した社員の意見などをもとに、会社の評判や信用度を知ることができます。
特に体育会系企業かどうかを図りたい人は、組織や社風、入社後のギャップ、労働環境といった項目をチェックしてみるのがおすすめです。注意点として、あくまで匿名の投稿になるので、書いてある情報を鵜呑みにしすぎないようにしましょう。
次で紹介する口コミサイトを参考にして、ぜひさまざま比較してみてください。
企業の口コミサイト
- 口コミサイトで閲覧した情報の真偽を説明会や面接で質問しても、失礼にあたらないのでしょうか?
事前にOB・OGに確認しよう
おすすめなのは、面接時ではなく、事前にOB・OGに確認することです。
説明会や面接で「口コミサイトでこのような書き込みがあったのですが、どのようなことでしょうか? 」などと質問すると、企業担当者から、「ネットの情報を鵜呑みにする学生だな」といったように悪印象を持たれかねません。
口コミサイトでの情報の真偽は、できる限り慎重に質問していきましょう。
公表されている離職率を確認する
従業員の離職理由は、次のような理由が挙げられます。
離職の主な理由
- 労働時間・休日などの条件が悪い
- 職場の人間関係が好ましくない
- 給料などの収入が少ない
労働時間が長かったり、職場の人間関係が特殊といったものは体育会系企業にも該当する要件です。これらは全ての体育会企業に該当するものではありませんが、離職率の高さは検討の手段として用いても良いでしょう。
企業によっては採用サイトに離職率を記載していたり、上場企業では離職率をIRとして公表しています。
IRとは
インベスター・リレーションズの略。経営状況や財務状況、業績など、投資家に向けて企業が発信していく情報。投資家向け広報と呼ばれることもある。
また、選考のエントリーなどができる就活ナビサイトでは、職場情報として毎年の採用人数と離職者数、定着率などを数値として公表しているので、ぜひ参考にしてみてください。
これらの情報は、企業が発信している一次情報のため、情報としての信憑性が高い傾向にあります。一方で、すべての企業が出しているわけではないので、企業によっては情報を得ることができない場合もあります。
離職率についての適正な数値は、その企業の属している業界や企業ごとの働き方によって異なるので一概には言えません。
ですが、業界の平均値を参考にすることは使える指標となると思います。
説明会やインターンに参加する
口コミサイトや企業のサイトから情報が得られない場合は、説明会やインターンに参加してみましょう。
企業側としても「体育会系である」ということは採用においてネガティブに働きやすいということを認識しているため、説明会やインターンで企業から「体育会系気質があります」という発信はありません。
そのため、説明会などで社風や月間の目標、評価制度などを質問してみると良いでしょう。
また、採用担当者や実際に働く社員と話した際に、「根性論や精神論で物事を進めてきたというエピソード」が多かったり、残業や長時間労働を良しとする発言がある場合、その企業は体育会気質である可能性があります。少し定性的ですが、肌で感じて合うか合わないか直感的に判断していくのも手です。
体育会系的な考え方があるか否かを確認する方法はいくつか存在します。
おすすめの方法は、「在籍している社員で活躍している人がどのような人か」、「営業活動など契約取得のための心構えや方針」や「社内での懇親会などの有無」などをOB・OG訪問で質問してみると雰囲気を掴むことができます。
OB・OG訪問を実施する
OB・OG訪問では、実際に働く社員から話を聞くことができるため、説明会やインターンでは知りづらい企業のリアルな実態を知ることができます。
OB・OG訪問における体育会系企業の見分け方ですが、まず複数人にOB・OG訪問を実施しましょう。その際に次の項目が該当するかどうかをチェックしてみてください。
OB・OG訪問でチェックする項目
- 社員間の飲み会が多い
- 月の残業時間
- 社員に大学の体育会出身者が多い
OB・OG訪問で体育会企業かどうかをチェックするための方法として、同窓会組織の有無を質問してみましょう。
出身校ごとのつながりが強く、「〇〇大学会」などの同窓会組織が社内にある会社は比較的体育会系要素が強いと言えます。
同窓会はなくとも、社内で同じ大学出身同士で仲良くしている傾向が強ければ同様の傾向があります。
OB・OG訪問で実施する質問は、場合によって失礼に当たってしまう可能性があります。次の記事では、OB・OG訪問の手順や準備、当日使える質問集などを解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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「体育会系」という印象に惑わされず自分に合っている会社を選択しよう!
体育会系企業は、チャレンジしていく文化があり、成果報酬のため若手のうちから稼げるというメリットがあるものの、目標が高く、精神論や根性論で乗り越えていくため、社風に合う人と合わない人で二分化されます。
スポーツで全国大会に出場していた人や何百人もの部員が所属する部活動に所属していた人など、スポーツ経験者が多数働いている体育会系企業ですが、すべての社員が体育会系出身というわけではありません。体育会系企業でも事務職など一部の職種では、体育会系気質が弱い場合もあります。
大事なのは、自分が快適に働くことができるかどうかです。体育会系であろうがなかろうが、評判に惑わされることなく企業を選んでいきましょう。
就職先を決める際はどこにするか悩んでしまうものですよね。次の記事では、就職先の決め方について、やるべきことや注意点を交えて解説しています。悩んでいる人は、参考にしてみましょう。
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体育会学生とは? 体育会学生の特徴
「体育会系」と一括りにされてしまいがちな体育会系学生ですが、大学生活を部活動に捧げてきたこともあり、就活でのアピールポイントも多く存在します。
ここでは体育会学生の定義やアピールポイントについて解説していくので、自分の部活動生活で話せることはないかを思い出しながら参考にしてみてください。
そもそも体育会学生とは
体育会学生とは大学時代にサッカーや野球、ラグビーなど大学が公認するスポーツ系の部活動に所属していた学生を指します。
注意したいのが、部活動の経験は大学に限る点です。したがって、高校時代にスポーツ系の部活動をしていた学生やサークル・同好会でスポーツをしていた学生は体育会学生に該当しません。
体育会学生のメリットとして、社会人になってから、学生時代に同じ競技を取り組んでいた人から、良い意味でいろいろと目をかけてもらえることが多いです。
選考通過率がグッと上がる!
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体育会学生のアピールポイント
体育会学生のアピールポイント
- 協調性
- ストレス耐性
- 忍耐力
- 課題発見力
- 計画性
- 分析力
体育会学生は大学時代に、目標に向けて厳しい練習や上下関係の下でスポーツをしていたこともあり、礼儀やコミュニケーション能力に長け、目標達成するための道筋を見つけていく力が強いとされています。
また、厳しい練習にも耐え抜いた忍耐力はどの企業でも活かせる強みとなったりと、就活におけるアピールポイントが多いのが特徴です。
具体的には以下のアピールポイントがあります。
協調性
特にチームスポーツをしている学生が持ち合わせているのが「協調性」です。
協調性とは
異なる環境や立場の人同士が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら、同じ目標に向かって任務を遂行する性質
仕事では取引先やほかの部署の人たちと業務を進めていく必要があります。仕事では組織やチームとしてどのように成果を出せるかが重要です。
大学での部活動を通して、チームで目標を追ってきた体育会学生は、協調性があるため、企業でも重宝される傾向にあります。
- 個人競技の場合、協調性はないと見られてしまうのでしょうか?
「個人競技=協調性がない」と判断されることはない
個人競技出身だからといって、協調性がないとすぐに判断されることはありません。
個人競技であっても、サークルや部活に所属していれば、他の部員や監督・コーチなどとのかかわりはあるでしょうし、他の人をサポートする経験もあるでしょう。
また、スポーツだけに限らず、バイトや学校での人間関係などもあるでしょう。
完全に個人で活動していた場合は、部活以外のエピソードを添えるなどして協調性をアピールすることができます。
ストレス耐性
ストレス耐性とは、外的要因による刺激に対して適応し処理していくことができるレベルを指しますが、体育会学生は部活動で厳しい環境で練習をおこなってきたこともあり、ストレス耐性が高いとされています。
特に新卒から数年間は経験したことない業務や経験も多くあります。仕事では取引先から無茶なお願いや時には怒られてしまうようなことがあるかもしれません。そのため、ストレス耐性が弱い人は精神的なダメージが大きく、最悪の場合は離職してしまうリスクもあります。
そんな時でも体育会学生はストレスに負けず、困難な状況でも前向きに取り組んでいくことができる傾向にあるため、アピールポイントになるのです。
忍耐力
つらい時でも逃げることなく、耐えて前向きに取り組んでいく忍耐力ですが、社会人では重要なスキルと位置付けられています。
仕事を進めていくうえでは、すべてが思い通りになるわけではありません。努力していたけど、思うように成果を出せなかったり、これまでよかったものがうまくいかなくなってしまうといったことは大いにあります。
体育会学生は特定のスポーツでうまくなるために、壁にぶつかっても相応の努力をしてきたということもあり、入社後も忍耐力を持って、前向きに物事を取り組むことができる傾向にあります。
忍耐力は自己PRでも有効なアピール材料となります。詳しいアピール方法はこちらの記事で解説しているので、忍耐力に自信のある人は参考にしましょう。
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課題発見力
技術や結果を向上させるためにしてきた努力は忍耐力だけではなく、課題発見力も醸成されています。
たとえば、野球で打率を上げる際に素振りの練習をしていたとします。その際には自分自身の現状を分析して、不足しているポイントを伸ばしていくという考えがあるはずです。
このように日々課題を見つけ改善していった体育会学生は、入社後に業務を習得していく中でも自分の課題をすぐに見つけ、次のアクションにつなげていくことができるため、成長が早いといったことが挙げられます。
就職してから業務に従事していると、職種に限らずさまざまな問題に直面することになります。
また、企業への貢献度を高めるためにも、課題を見つけて自分で成長する力が求められます。その際には、課題発見力があれば適切に対応できるようになるでしょう。
計画性
「大会で優勝する」「全国大会に出場する」など、体育会に所属している部活動は大きな目標を掲げているかと思います。部活動ではチームや個人として掲げた目標に対して、どのように達成していくかを逆算して計画を立て、その計画を実行していく必要があります。
社会人になると、月内の目標やノルマが存在しますが、体育会学生は目標やノルマに対して、計画を立て、実行していく力に長けています。
したがって、計画性は入社後に活かせるスキルとしてアピールすることができるのです。
会社での仕事は分野が多岐にわたり、量もかなりあります。学校と違って定期的な試験や画一的な行事ばかりがあるわけではありません。
そのため、計画的に業務を遂行しなければなりません。
自分が抱えている仕事の質と量を計算して、納期に間に合うように計画を立てながら実践していく能力が求められます。
分析力
スポーツは勝つことが目的です。したがって、目標達成のために、どのような行動や技術が必要かを考えていく必要があります。そのため、体育会学生は分析力に長けており、分析した内容を日々の練習などに活かしていけるというアピールポイントがあります。
これらの能力は、社会でも大いに活かすことができます。たとえば、営業などで特定の相手に対して、最適な方法で最適なソリューションを提案していく必要があります。
その際に、体育会学生が部活動で培った分析力は活かすことができるため、アピールポイントになります。
チームプレーをしてきた人は、メンバーそれぞれの個性を分析し、活かせるポジションに役割分担することに長けています。
そのため、入社後マネジメントなどをする際に適正なチーム編成を作ることができるといったメリットがあります。
解説してきたように体育会学生はアピールポイントがさまざまありますが、面接では部活動をしてきた人向けに「部活動で学んだことは何か」という質問をされることがあります。次の記事では、回答方法や企業の質問意図などについて解説しているので参考にしてみてください。
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体育会学生は就活で有利? 不利?
アピールポイントが多く、挨拶などの礼儀がしっかりしていることから「体育会学生は就活で有利」と言われることも多いかと思います。
ですが、実際には「有利な部分もあるが、不利な部分も存在する」のが事実です。ここでは、体育会学生が就活において、有利な点と不利な点について解説していくので参考にしてみてください。
礼儀や忍耐力があるので企業に対して好印象を与えられる
体育会学生は、部活動で培った上下関係への対応方法や礼儀をもとに、上司と良好な関係を構築できたり、忍耐力があるため、与えられた業務に対して、愚直に取り組んでいくことができます。
また、上司からの指導に対しても素直に取り組んでいくことができます。
加えて、サッカーや野球など競技人口の多いスポーツの場合、「〇〇の経験者は礼儀正しい」といったように、今いる社員の統計を踏まえて考えてもらうことができるので、優秀なOB・OGがいれば印象をさらに高めることができます。
このように体育会学生は部活動で培った経験から就活で好印象を持ってもらえることが多く、その点でいうとほかの学生よりも一歩リードしているといえるでしょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る体育会系企業でも企業によって求める人物像は異なる
皆さんの部活のメンバーの性格や強みを思い浮かべてみてください。ずっと一緒に活動していた仲間であっても、一人ひとりの個性はかなり違うはずです。
それと同じように、体育会系企業が求めていることはどの会社でも同じというわけではありません。
確かに、体育会系の人材を求める企業は数多くあります。この記事でも企業が体育会学生に求める要件は多岐にわたっていることからもわかるように、企業によって体育会学生を積極的に採用する理由は異なっています。
練習の厳しさに耐えうる部分を高く評価している企業もあれば、試合などの実績による成功体験をベースにした自己肯定感を評価している会社もあります。
企業が求めるものに応じてアピールの内容を変えていこう
そのため、それぞれの会社が体育会系学生に何を求めているのかを事前に把握せず、自分のイメージだけでアピールするのは避けるようにしましょう。
たとえば、体育会学生は上下関係が厳しいので、言葉遣いやマナーが身についていることを期待している企業もありますが、そういった企業の面接で体力があることばかりアピールしてもあまり響かないでしょう。
もちろん、自分の強みを伝えることは大切です。しかし、応募先企業の求める人物像と自分が合致していることを伝えることこそ、より内定に近づく早道です。
部活動と就活の両立が難しい点は注意が必要
就活で好印象を持ってもらえる一方で、競技によっては引退のタイミングが大学4年次の場合もあります。したがって、就活を続けながら練習に参加する必要があります。
時間の合間を縫って、説明会やインターンに参加していかなくてはならないため、効率良く就活を進める必要があります。
- 部活を休んで就活をおこなうことは企業からすると悪印象になってしまうでしょうか?
部に連絡を入れたうえで就活をすれば問題ない
無断で休むのならともかく、自分なりに日程調整をしながら部にも迷惑をかけずに連絡しているのであれば何ら問題はありません。
むしろ、就職活動と部活動を両立させるスケジュール管理能力は自分の強みとなります。
油断は禁物! 体育会学生が就活で差をつける対策
体育会学生は礼儀などがしっかりしており、アピールポイントも多いため、就活で差をつけることができます。だからといって、油断は禁物です。
体育会学生は部活動と両立しながら就活の準備をする必要があります。ここでは、体育会学生向けに差をつける就活の対策方法について解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
自分のやってきたことを言語化する
前述した「協調性」や「ストレス耐性」といった体育会学生のアピールポイントは、普段から意識的におこなっているわけではなく、それが当たり前の環境で取り組んできたのではないでしょうか。
つまり、部活動で培った強みや経験があるものの、体育会学生の多くはそれらをしっかりと把握できていない傾向にあります。
就活で自分の強みをアピールしていくためにも、自己分析や他己分析をおこない「自分の仕事選びの軸」や「自分自身について」を明確にしていきましょう。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る誰もがわかる伝え方でアピールしていこう
体育会学生の学生時代に頑張ってきたこと(ガクチカ)は、ほとんどが部活動でしょう。
相手が自分と同じスポーツをしてきたわけではないことや、そもそも、そのスポーツを知らないという場合もあるので、伝え方には注意が必要です。
一般的な言葉を使い、誰もがわかる内容にしておかないと志望企業の担当者には伝わりません。
特に体育会出身の人は、頑張っていることが当たり前の環境で学生生活を過ごします。アピールする点についてもどのようなことについて頑張ってきたかということに気づきにくいと思います。
自分と異なる経験をしてきた人に添削してもらおう
私自身も体育会の柔道部に所属しており就活時に同じような悩みを抱えていました。
アピール点を振り返り、うまく伝えるためには、自分と同じ体験をしていない人に伝えてみたり、キャリアセンターなどで相談してみましょう。第三者の視点を交えることで、誰もがわかる伝え方でアピールできていない場合もそれに気づけるはずです。
自己分析に対して苦手意識を感じる人も多いと思います。次の記事では自己分析の方法や注意点について、具体例を交えながら解説しています。参考にしてみてくださいね。
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OB・OG訪問を実施する
体育会の特徴として、OB・OGの存在が挙げられます。
大学によっては、OB・OGがさまざまな業界で活躍していることもあり、OB・OG訪問を探すことに困ることはないでしょう。
大学によっては体育会出身者専用の枠があるなど、選考で優遇される可能性もあります。OB・OG訪問は必ず実施して、最大限活用していきましょう。
大学の体育会や所属している部活動が主催しているOB・OG会があるため、問い合わせてみてください。
体育会系の学生の最大の強みは、部活での縦のつながりがあることです。
所属していた部活の先輩はもちろん、競合だったチームのOBなどとのつながりに発展することもあるため、自分が希望している企業の情報を効率的に得ることができます。
体育会学生向けの就活サービスを利用する
志望企業にOB・OGがいない場合や情報量に不安がある人は体育会学生向けの就活サービスを利用しましょう。
体育会学生向けの就活サービスでは、ナビサイトや自分のネットワークでは辿り着けない情報に触れることができたり、体育会学生に特化した就活エージェントがいるため、企業紹介してもらえることがあります。
また、選考対策やグループディスカッションの対策など、就活の悩みを幅広く解消していくことができます。おすすめの体育会学生向け就活サービスは次の通りです。
おすすめの体育会学生向け就活サービス
これまであまり就職活動をしておらず、資格取得や特技があまりない人向けにセミナーを実施しているエージェントなどがあります。
また、社会人になっても実業団、あるいはスポーツ振興事業などを通して、スポーツ競技にかかわり続ける仕事も紹介してもらうことができます。
アピールポイント別! 体育会系学生向け自己PRの例文
体育会系学生向け自己PRの例文
- 協調性
- ストレス耐性
- 忍耐力
- 課題発見力
- 計画性
- 分析力
アピールポイントの多い体育会学生ですが、実際に就活を進めていくうえでどのようにアピールしていけばいいか悩む人も多いかと思います。
ここでは、体育会学生のアピールポイントを踏まえた自己PRの例文を解説していくのでぜひ参考にしてみてください。
例文①協調性
協調性
私の強みは相手の立場に立って物事を考えることです。
私は体育会のラクロス部に所属していました。大学4年次からは主将を勤めていましたが、競技自体は大学から始めた影響もあり、歴代の先輩たちと比較すると実力でチームに貢献する力が低く、背中でチームを引っ張っていくことができませんでした。
そこで、自分しかできないことはないかを考え、一人ひとりに寄り添い、相手の立場に立って関係構築していくことを意識しました。その結果、チーム全体の求心力が高まり、チーム全体の底上げにもつなげることができました。
この経験から他者からの信頼を得るために、相手を思いやって行動することの重要性を学びました。貴社に入社後も取引先や社内のメンバーに対して、相手の立場に立って行動し、信頼を勝ち取っていきたいと考えます。
自分ができることに徹することで、チームをまとめあげた経験を入社後も活かしたいということが伝わりますね。どのようなことをして関係構築をできたかいう部分をもう少し掘り下げることができれば、より良くなるでしょう。
例文②ストレス耐性
ストレス耐性
私の強みは目標達成のために、厳しい環境においても耐え抜く力がある点です。
私は体育会の野球部に所属していましたが、毎日の練習がきつく、1年で新入部員の約8割がやめてしまう部活でした。
当初はきついと思うこともありましたが、自分が大学入学時に決めた大会での優勝という目標を達成するために厳しい練習を耐え抜き、レギュラーとして大会に出場し、3年の秋大会で優勝することができました。
この経験から、私はどんなに厳しい環境でも信念を持って物事に取り組むことで自己実現をすることができるということを学びました。貴社は優秀な社員が集まり、営業目標も厳しい環境とOB訪問時に伺っています。
私は持ち前の耐え抜く力を持って貴社の利益に貢献し、営業目標達成を目指していきます。
ストレス耐性には、肉体的な苦痛はもちろん精神的な苦痛に対しての耐性を問われることがほとんどです。
学生時代のきつい練習の話だけでは、肉体的な耐性のみのアピールになるので、メンタル面で厳しい状況に耐えた経験も添えるとより良いでしょう。
例文③忍耐力
忍耐力
私の強みは困難な状況でも前向きに取り組み続けることができる点です。
私は体育会のサッカー部に所属していましたが、当初は3軍に相当するポジションにいました。大学時代は周囲のレベルの高さもあり、1軍にいくのはほぼ不可能な状況でした。当初は練習でもミスをしてしまっていましたが、周囲と同じ練習をしていてはいけないと感じ、自分のプレーを見直し、自主練を続けていきました。
また、コーチの意見を愚直に取り入れていった結果、試合で良いプレーができるようになりました。
この経験を活かし、貴社に入社後も持ち前の困難な状況でも前向きに取り組み続けるという強みを活かして、壁にぶつかっても逃げずに立ち向かっていきたいと考えます。
「困難に打ち勝つ力」などとできるだけ短くまとめて、エピソードを伝えるときに前向きに取り組み続けられる点を補足しておくとより良いでしょう。
例文④課題発見力
課題発見力
私の強みは課題発見能力です。
私は大学時代に体育会の水泳部に所属していました。高校時代に全国に出場していたこともあり、入部当初は好タイムを出し続けることができました。
しかし、大学2年の冬からタイムが伸び悩み、大会では入賞することすらできない状況になってしまいました。そこで私は自分の泳ぎを動画で撮って振り返り、課題を探し、泳ぎ方の見直しをおこないました。
振り返ったところ、自分の手の動きが好タイムを出せている時と異なっていることに気づき、改善を重ねていきました。
その結果、自分の泳ぎを改善することができ、大会では優勝することができました。この経験で培った課題発見能力を活かして、貴社に入社後は壁にぶつかった時でも自分の改善点を見つけ、成果や成長につなげていきます。
自身の課題を見つけて改善したことがよくわかります。チームの課題や、他人の課題を見つけて改善したことを盛り込めるとさらに良くなりますね。
例文⑤計画性
計画性
私の強みは目標に対して逆算してスケジュールしていく計画性です。
私は大学時代にトライアスロン部に所属していました。トライアスロンは水泳・走り・自転車という3つの競技がおこなわれるため、緻密に体力の配分をしていくスポーツです。
私はインカレ出場という目標達成に対して、自分のタイムとインカレ出場選手のタイムを比較して、差分を埋めていくための練習を続けていきました。当初はインカレ出場選手との差分が大きかったものの、逆算して目標達成までのスケジュールを立てて練習を重ねていった結果、インカレ出場選手に並ぶことができ、インカレ出場することができました。
この経験から私は計画していくことの重要性を学びました。貴社に入社後は目標を達成していくために、中間指標を定め、計画的に遂行して、利益に貢献していきます。
計画性について、スケジュールを立てて練習したという漠然とした話になっているので、具体的にどのような方法で、どうスケジュールを立てたのか説明できるとより良いかと思います。
例文⑥分析力
分析力
私の強みは、目標達成のために必要な要素を分析する分析力です。
大学時代に私はボート部に所属していました。チームとして、大会優勝を掲げていましたが、私たちの代は目標達成にはほど遠い状況でした。
そこで自分達の動きを分析した結果、自分達のトレーニングに課題があり、スピード向上のために必要な筋力が使えていないことがわかりました。そこで、自分達の筋力トレーニングを見直し、鍛錬を続けていきました。
その結果、スピードアップすることができ、自分達の目標に掲げていた大会で優勝することができました。
この経験から分析力の重要性を学びました。貴社に入社後は目標達成のために分析し、必要なことを補って、利益に貢献していきます。
採用担当者は必ずしもボートのことを知っているとは限りませんので「何をどう」スピードアップさせたのか、目標達成のために「何を」分析できるのか、を具体的に述べられるとさらに良くなりますね。
自己PRは面接や書類選考で必須の質問ですが、面接か書類かで評価ポイントが異なったり、企業によって自己PRを話す時間が異なります。次の記事で、それぞれ解説しているので、参考にしてみてください。
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「体育会系」という言葉は体育会系企業・体育会学生という2つが連想され、本記事ではそれぞれの視点からさまざま解説していきました。
体育会企業は業務外のコミュニケーションや上下関係、ノルマが厳しいという特徴がある一方で、チャレンジングな社風で成長環境があり、成果に応じて報酬をもらえるなどメリットも存在します。
また、体育会学生は部活動と就活の両立には難しさがあるものの、厳しい上下関係に慣れ、目標に向けて練習を続けてきたことからアピールポイントも多くあります。
ですが、重要なのは自分が何を実現したいかということです。体育会系かどうかにかかわらず、しっかりと企業の見極めをおこない、自分がやりたいことが実現できる会社や自分の性格にあった社風の会社を見つけましょう。後悔のない就活をして、内定を勝ち取ってくださいね。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る体育会系出身だからといって視野を狭めないようにしよう
体育会系の学生は、部活などの経験を通して競争心が養われており、精神論や根性論で乗り越えるだけの体力と気力があり、上下関係をわきまえてコミュニケーション力に優れていると企業側に思われる傾向にあります。
そのため、企業側も体育会系の学生に対しては、専門業種など特定のスキルを必要とする業種以外ならば、基本的に好意的な印象を持ちやすいでしょう。
積極的な営業活動をしたりチャレンジ精神を重視したりするような、いわゆる体育会系の企業では、特にマッチ度が高い可能性もあります。
企業に対しての基準は人それぞれ異なる
また、体育会系企業はブラック企業が多いと言われることもあります。しかし、過重労働や給料未払いのように明確な労働基準法違反がない限り、ブラック企業の判断は人それぞれで異なります。
体育会系と思われる企業に対して払拭できない不安がある際には、企業説明会や面接、OB・OG訪問などで質問をおこない、自ら見極めることも重要です。
自分が体育会系出身だからといって、それだけを基準に企業を選んだり、その経験だけをアピールしたりしていては可能性も狭まります。まずは、自分がやりたいことなどを基準にして、広い視野で企業探しをしてみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
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