この記事のまとめ
- 通年採用企業も就活の視野に入れて選択肢を広げよう
- 通年採用企業に応募するなら主体的な対策が必須
- 通年採用企業57社を業界別に紹介!
最近就職活動で耳にすることも増えた通年採用。言葉を聞いたことがあっても「そもそも通年採用ってどのような採用方式なのだろう」「通年採用企業の探し方がわからない」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
就活といえば、特定の時期に一斉に開始する新卒一括採用のイメージを持っている人も多いかもしれませんが、時期を定めず年間を通じて採用を実施する「通年採用」で新卒を受け入れている企業もあります。通年採用をしている企業の存在を知ることで、企業選びの選択肢が広がりますよ。
この記事では、キャリアアドバイザーの瀧本さん、谷所さん、秋田さんと一緒に、通年採用の定義や通年採用企業の紹介や探し方を解説するので、企業の選択肢を増やしたい人はぜひ参考にしてくださいね。
大手企業も多数! 通年採用を実施している企業も視野に入れよう
従来の日本の新卒採用は、特定の時期にまとめてすることが一般的でした。しかし近年では優秀な人材を確保するためや、学生の状況に臨機応変に対応するために通年採用を実施する企業も増えています。
そのため通年採用は、企業側だけでなく学生側にも多くのメリットがあります。学生も通年採用という選択肢を知って、実施している企業も視野に入れておきましょう。
この記事では、まず通年採用の定義や通年採用企業の傾向を解説します。具体的な企業例も業界別に解説するのでぜひ参考にしてください。また、通年採用企業を受けるメリットやデメリット、通年採用企業から内定を獲得しやすくするポイントなども解説します。
採用方式によって意識するポイントや注意点も異なるため、通年採用企業に興味のある人はぜひ参考にしてください。
多くの大手企業も通年採用に取り組んできており、短期間での就活では限定されがちだった応募数や業界・企業研究も自分のペースに合わせられるチャンスが増えました。
この新たな採用スタイルへの第一歩をこの記事とともに理解しましょう。
まず押さえておこう! 通年採用企業とは?
通年採用企業の特徴や具体的な企業例を解説する前に、まずは通年採用企業とは何か、定義を確認しましょう。
年間を通じて採用活動をする企業のこと
通年採用企業とは、年間を通して採用活動をする企業のことを指します。随時応募を受け付けて採用活動をする企業もあれば、夏採用・冬採用などと複数回に分けて採用をする企業もあります。
そのため、学生は企業が募集している期間であれば、時期に関係なくいつでも応募できるのです。
日本国内でも増えつつある採用方式
日本の新卒採用では時期を限定してする一括採用が一般的なため、通年採用になじみのない人もいるかもしれません。
しかし、就職みらい研究所の就職白書2021によると、2022年卒採用で通年採用を実施予定の企業は27.0%と、4社に1社以上が通年採用を検討していることがわかります。
グローバル化や人材不足などから採用の多様化が進んでいることに加えて、新型コロナウイルス感染症の流行によって通年採用企業の増加が加速したという背景もあります。
徐々に情勢は変わっていますが、多様な人材を採用できる、余裕をもって選考できるなどのメリットが企業側にもあるため、新型コロナウイルス感染症収束後も増加していくと考えられます。
海外では時期を限定しておこなう一括採用がなく、通年採用が一般的なため、元々外資系企業では通年採用がおこなわれてきました。
今後は、日系企業も就職ルールに縛られず、通年採用で留学生などを含めた優秀な人材を採用していく傾向が強まっていくでしょう。
就活の夏採用について詳しく知りたい人は、以下のQ&Aも参考にしてみてください。キャリアコンサルタントが夏採用で内定をもらうためのポイントを解説しています。
通年採用と新卒一括採用の違い
通年採用 | 新卒一括採用 | |
募集 期間 | 時期に関係なく通年 | 卒業年度による一定の期間内 |
募集 対象 | 新卒者に限らない 第二新卒、既卒者、留学生、海外の大学生なども対象 | 翌年の卒業予定者 |
入社 時期 | 企業によってさまざま | 翌年の4月1日 |
通年採用の理解を深めるために、日本で一般的な新卒一括採用との違いを押さえておきましょう。
ここからは通年採用と新卒一括採用の違いを募集期間、募集対象、入社時期の3つの観点から解説します。
募集期間
新卒一括採用は、採用期間を短期間に定めて計画どおりの人数を採用するものです。
就活ルールはすでに形骸化しつつありますが、政府主導の現行の就活ルールに沿っていることが一般的です。
政府主導の現行の就活ルール
広報活動開始 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始 卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 卒業・修了年度の10月1日以降
一方で通年採用は、一年を通じて採用活動をするものです。ただし実施の仕様はさまざまで、常時応募を受け付けている企業もあれば、必要なときに募集をする企業、年に複数回採用を実施する企業もあります。
就活の秋採用について、実態を知りたい人は以下のQ&Aも確認してみましょう。キャリアコンサルタントが、就活シーズンに就職先が決まらなかった場合の対処法を解説しています。
募集対象
新卒一括採用では、翌年の卒業予定者のみが対象になることがほとんどです。入社時のスキルや知識を重視せず、自社で人材育成することを前提にしている企業も多いため、終身雇用や年功序列などの人事制度と相性が良いとされています。
一方で通年採用は、翌年の卒業予定者のみを指定するケースもありますが、大学1年生から既卒者、海外の大学生など幅広く対象とするケースも多く見られます。即戦力や特定のスキルを持った人の採用に力を入れられるため、選考基準が高くなることもあります。
通年採用企業の募集対象になるケースも多い既卒や第二新卒に関しては、こちらの記事で解説しています。
既卒
既卒とは? 新卒・中途との違いや就活の必勝法を徹底解説
第二新卒
第二新卒に該当するのはいつまで? ベストな転職時期を見極める方法
そもそも新卒の定義を確認したい人はこちらの記事を参考にしてください。既卒が新卒枠で応募するメリットやデメリットも解説しています。
新卒はいつまで? 企業における定義や実態をデータをもとに徹底解説!
入社時期
新卒一括採用の入社時期は卒業後すぐの4月1日であることが一般的です。入社時期を同じにすることで、新卒研修などをまとめてできるメリットがあります。
通年採用でも4月1日を入社日にするケースが多いですが、個別に対応する企業もあります。
また、通年入社を導入していて、入社時期を年に複数回設けている企業もあります。海外の大学生や、留学・休学・単位不足などで卒業時期が異なる学生にも柔軟に対応できる点がメリットです。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る通年採用と新卒一括採用の違いを理解して最適な方法を選択しよう
通年採用と新卒一括採用は、企業が新卒者を採用する際の2つの主要な方法です。これらの方法は、採用のタイミングや対象者、採用の流れにおいて異なる特徴を持っています。
新卒一括採用は、多くの日本の企業が伝統的に採用してきた方法であり、一定の期間(通常は秋から冬にかけて)に集中して新卒者を採用する方法です。この方法では、多くの学生が同時期に就職活動をおこない、企業は一斉に採用試験を実施します。
このため、競争が激しくなることが多いですが、学生にとっては多くの企業が同時に採用活動をおこなっているため、多くの選択肢があります。
一方で通年採用は、年間を通じて随時新卒者を採用する方法です。この方法は、近年の労働市場の変化や学生のニーズの多様化に対応するために、多くの企業が取り入れ始めています。
自分のペースで就職できることによるデメリットもある
通年採用のメリットとしては、学生が自分のペースで就職活動ができ、企業も必要に応じて採用をおこなえる点が挙げられます。しかし、通年採用には注意点もあります。
たとえば、採用のタイミングがバラバラであるため、入社時期や研修の内容などが一括採用とは異なる場合があります。そのため、学生は自分のニーズや希望に合った採用方法を選ぶことが重要です。
このように通年採用と新卒一括採用は、それぞれの特徴やメリット、デメリットがあります。学生は自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、最適な採用方法を選択することが求められます。
通年採用を導入する企業の目的
通年採用を導入する企業の目的
- 優秀な人材を確保するため
- 時間をかけて選考するため
- 内定辞退が発生しても臨機応変に対応できるため
- 海外の大学生や留学生を採用しやすいため
これまでは新卒一括採用が主流でしたが、なぜ近年通年採用を実施する企業が増加しているのでしょうか。
通年採用企業が増加している背景を知るために、ここからは通年採用を導入する企業の目的を解説します。通年採用で受けようと考えている人は目を通してみてください。
企業の雇用形態は「メンバーシップ型雇用」(新卒一括採用)から、「ジョブ型雇用」(中途採用)にシフトしてきていることから、これからは通年採用を導入する企業が増えると思われます。
同一企業で定年まで勤め上げる考えは、今風ではなくなってきているのです。
①優秀な人材を確保するため
新卒一括採用では、採用の時期が限定的なため出会える学生の数が限られています。
しかし、通年採用では一年中採用活動ができるため、今まで一括採用では時期的に応募できなかった学生を含む多くの学生の中から企業が求める人材を選考でき、優秀な人材を採用しやすくなります。
対象の枠を大学1年生まで広げて早期に学生と接点を持つ企業もあり、優秀な人材を事前に確保できるといったメリットもあります。
②時間をかけて選考するため
一度に大人数を選考しなければならない新卒一括採用と比べて、通年採用は一人ひとりじっくり時間をかけて選考を進められます。
選考期間に定めがないため時間的な余裕が生まれやすく、選考回数を増やしたり長期のインターンシップを実施したりしてから判断できるため、企業が求める人材を見極めやすくなります。
③内定辞退が発生しても臨機応変に対応できるため
企業は採用計画をもとに採用活動をしているため、内定を出して辞退されてしまうと大きな痛手です。
新卒一括採用では、内定辞退のタイミングによっては追加募集ができず、翌年の採用時期まで待たなくてはならない場合もあります。
しかし通年採用は、企業のスケジュールに合わせて募集がかけられるため、内定辞退が発生しても臨機応変に対応しやすくなります。
④海外の大学生や留学生を採用しやすいため
海外の大学は、夏頃に卒業式をすることが多く、日本と時期がずれています。そのため、日本の大学生に合わせた新卒一括採用ではスケジュールが合わず、海外の大学を卒業して日本の企業に就職したいと考えている学生の採用が難しいケースもあります。
一方で通年採用は時期を限定しないため、これまでスケジュール的に難しかった海外の大学生や留学生、帰国子女など多様な人材への対応が可能です。
そのため、即戦力やグローバル人材を採用する目的で通年採用を導入する企業もあります。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る通年採用を導入する企業の4つの目的を知ろう
通年採用で企業を受けようとしているなら、導入する企業の目的について考えてみましょう。
①内定辞退を想定した採用をしなくて良い
新卒一括採用では、採用目標人数を満たすために、内定辞退を想定して採用基準に満たない人材でも採用することがあります。しかし通年採用では年間を通じていつでも求職者と接触できるため、数合わせの採用をおこなう必要がありません。
必要な人材を必要なときに採用できる点は、企業側における通年採用の大きなメリットです。
②優秀な人材を早期に採用したい
新卒一括採用では、原則として就活解禁日以降の採用活動になりますが、経団連に加盟していない外資系企業などは、スケジュールに関係なく早期に優秀な人材を採用している現状があります。
そのため日系企業も、通年採用で優秀な人材を早期に確保したいという目的があるのです。
③海外の大学生や留学生を採用したい
海外の大学生、留学生、帰国子女を積極的に採用したい企業は、秋採用を含めて海外の大学の卒業時期に対応できる通年採用をしている傾向があります。
④第二新卒を採用したい
第二新卒の優秀な人材を積極的に採用したいと考えている企業は、新卒の一括採用だけでなく、通年採用を強化しています。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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・楽しく働ける仕事がわからない人
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
通年採用をしている企業の傾向
通年採用をしている企業の傾向
- 多様な価値観を受け入れている
- 実力主義で即戦力を重視する
- 働き方の柔軟性が高い
通年採用の仕組みや目的を理解できても、「通年採用は結局どのような企業がしているの?」「通年採用企業は難易度が高いのだろうか」と疑問に思っている人もいるかもしれません。
ここからは、通年採用企業の傾向を解説します。
多様な価値観を受け入れている
通年採用企業は、多様な価値観を受け入れて、最大限活用できるような取り組みをしている企業が多い傾向にあります。なぜなら通年採用は期間を限定しないため、多くの学生を採用候補にでき、留学や休学、進学など多様な背景を持った人材を採用できるためです。
多様な価値観を持った人材が集まると、互いに刺激し合うことでアイディアやイノベーションが生まれやすくなり、結果的に企業の活性化にもつながります。
また、通年採用を導入する企業の中には海外での事業展開を視野にいれている企業もあり、グローバル人材の獲得のために通年採用を導入する企業もあります。
実力主義で即戦力を重視する
即戦力を求めて、特定のスキルを持った人の採用に力を入れるために通年採用を導入している企業もあります。なぜなら通年採用は時期や対象に成約がなく、多様な人材にアプローチできるため、自社で育てて成長を期待するポテンシャル採用にこだわる必要がないためです。
採用時に即戦力を求めている企業は、入社後も実力主義な場合が多く、どれだけ成果を上げられるかを重視する傾向があります。企業にアピールする際は、自分に何ができるのかをしっかり考えて、明確に伝えるよう意識しましょう。
- アピールできるスキルや能力がありません。通年採用は避けて、新卒一括採用狙いにした方が良いでしょうか?
新卒一括採用と通年採用を並行して進めよう
新卒採用では、一括採用でも通年採用でも「自社にマッチした人物であるか」が重視される傾向があります。
たしかに高度な専門的・技術的な知識が必要とされる企業では、スキルや能力は必須要件かもしれませんが、職務経験の少ない学生に企業が求めるものは「人となり」であることが多いです。
そのため、ぜひ通年採用と新卒一括採用を並行して進めることをおすすめします。
「アピールできるスキルや能力がない」と考える人は多いですが、求めているスキル・能力は企業ごとに違います。これまでの経験から得たスキルや能力は必ずあります。もう一度、棚卸しをしてみましょう。
もしスキルや能力に自信がなくても、入社後にどのように活躍していきたいかなど、自分の「人となり」をアピールして、後の判断は採用担当者に任せる気持ちで臨めば良いのです。
働き方の柔軟性が高い
通年採用は、人材不足や企業のグローバル化など、時代に合わせて導入する企業が増えているという背景があります。そのため通年採用企業は、働き方の柔軟性が高い傾向があります。
従来の価値観にとらわれず時代の変化にともない柔軟に対応できる企業が多いため、フレックス勤務や在宅勤務など、状況や個人の事情に合わせて働き方を選択しやすい企業が多いといえます。
通年採用は、これまで新卒採用が難しかった留学生や海外大卒者などにもターゲットを拡大できます。
企業は柔軟な採用戦略を取ることで多様な人材を獲得し、組織の競争力を高めることを目指しているので、今後通年採用が主流となる可能性も高いと考えます。
業界別48社! 通年採用を実施している大手企業
ここからは通年採用を実施している企業を業界別に解説していきます。企業の選定方法は、以下の通りです。
通年採用を実施している企業の選定方法
- キャリタス就活2024による2024年卒の学生が選ぶ就職希望企業ランキングの上位企業
- シキホー! Mineに掲載されている就職四季報総合版で通年採用ありと回答している企業
通年採用企業の中から、注目の企業も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
なおこちらで紹介した企業以外にも、通年採用を実施している企業は多くあります。通年採用している企業の探し方は後ほど詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
就職四季報には通年採用企業の情報以外にも、学生が押さえておきたい情報が多数掲載されています。就職四季報の活用方法はこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
メーカー
通年採用を実施しているメーカーは以下の通りです。
通年採用を実施しているメーカー
ここからは、通年採用を実施しているメーカーの中でも特に注目の企業を解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
清水建設
清水建設は、1804年創業の総合建設会社でスーパーゼネコンと呼ばれる5社(清水建設、大林組、大成建設、鹿島建設、竹中工務店)のうちの1社です。
事業内容は、国内外の建設事業を軸に、非建設事業である不動産開発・エンジニアリング・LCV(ライフサイクル・バリュエーション)・フロンティアを展開しています。
2022年4月から4月入社の一括採用枠とは別に通年採用を実施しています。通年採用では入社時期を限定せず一年を通して受け入れていますが、研修は同年度4月入社の新卒採用者に準じた研修プログラムが提供されます。
採用対象者 | ・卒業後すぐに就職することを選ばなかった人 ・海外の大学を卒業した後すぐに入社を希望する人 ・第二新卒 |
採用フロー | 適性検査、面接(複数回) |
採用入社時期 | 毎月1日 |
従業員数 | 10,845人(2023年3月期) |
平均年齢 | 43.1歳(2022年3月期) |
初任給(大学・高専専攻科卒) | グローバル職:265,000円 エリア職地域A:239,000円 エリア職地域B:229,000円 エリア職地域C:218,000円 このほかにも博士了、修士了、専門学校(4年制)卒、高専・専門学校(2〜3年制)卒と分かれている。 |
平均年収 | 977.9万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 男性:18.5年 女性:14.3年(2022年3月期) |
- 通年採用枠と一括採用枠の両方ある場合は、どちらを受けるべきでしょうか?
就職活動のスタート時期と進行状況が基準
選ぶ基準としては、まず自分の就職活動のスタート時期や進行状況を考慮することが大切です。早期からの活動を希望する場合や、特定の企業に強い志望がある場合は、通年採用を選ぶ方が良いでしょう。
一方、一度に多くの企業を比較検討したい場合や、一定の時期に集中して就活をおこないたい場合は一括採用が適しています。
また、自分のスキルや経験を十分にアピールできる場を選ぶことも重要です。通年採用では個別の面接が増えると考えられるため、しっかりと自己PRができるチャンスが増える可能性があります。
最終的には、自分のライフスタイルや目指すキャリアに合わせて、最適な採用方式を選ぶことが大切です。
日立製作所
日立製作所は日立グループの中核企業で、さまざまな分野で製品の開発・生産・販売およびサービスの提供をしています。
日立製作所は2021年度から通年採用制度を本格的に導入し、新卒採用、経験者採用ともに一年を通じて応募を受け付けています。
ジョブ型人財マネジメントを掲げ、欧米で主流とされている仕事を基軸とした人材マネジメントを導入し、採用でも一人ひとりのキャリアニーズと各仕事のマッチングを意識しています。
採用対象者 | ・高等専門学校または、大学学部・修士・博士課程を2024年3月末までに卒業(修了)見込み ・卒業済みで新規卒業予定者と同等の枠組みでの採用を希望 ・海外大生で大学学部・修士・博士課程を2024年9月末までに卒業(修了)見込み |
採用フロー | 書類選考、適性検査、面接(複数回) |
従業員数 | 29,485人(2022年3月期) |
平均年齢 | 42.7歳(2022年3月期) |
初任給 (2023年4月実績) | 大学修士修了:257,000円 大学学部卒業:232,000円 高専卒業:201,000円 |
平均年収 | 896.9万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 19.3年(2022年3月期) |
富士通
富士通は、通信システム、電子デバイスの製造・販売および、それらに関連するさまざまなサービスを幅広く手がける総合電機メーカーです。
5つの応募コースがあり、通年採用はOPENコースとJOBマッチングコースが対象です。
OPENコースは内定後に配属本部や職種を検討するコース、JOBマッチングコースは内定時に配属本部や職種が約束されてるコースです。双方とも2〜3回の締切以降は毎月21日正午締切で通年採用を実施しています。
採用対象者 | ・新卒・既卒・職歴不問 ・大学・大学院・高専の卒業または修了(見込み含む)が条件 |
採用フロー | <OPENコース> 書類選考、適性検査、成績登録、面接(複数回) 内定後JOBsession・希望調査、面談などを踏まえて職種・配属先を決定 <JOBマッチングコース> 書類選考、適性検査、コーディングテスト(必要本部のみ)、成績登録、マッチング面談、人事面接 |
入社時期 | 4月、10月(既卒者は、随時入社可能) |
従業員数 | 124,000人(2023年3月時点) |
平均年齢 | 43.6歳(2022年3月期) |
初任給 (2024年度初任給予定) | 博士:キャリア入社基準 修士:月給275,000円 (年収見込み476万円 ※時間外含まず) 学部:月給255,000円 (年収見込み443万円 ※時間外含まず) 高専:月給220,000円 (年収見込み381万円 ※時間外含まず) |
平均年収 | 859.4万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 男性:20.0年 女性:15.8年 |
商社
通年採用を実施している商社は以下の通りです。
ここからは、通年採用を実施している商社の中で、三井物産と双日について解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
三井物産
三井物産は1947年設立の総合商社で5大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)のうちの1社です。商品の国内販売や輸出入、貿易、資源開発、新分野での技術開発など各種事業を多角的に展開しています。
三井物産は、新卒採用の選考プロセス内にインターンを組み込んでいるため、インターンへの参加が必須です。事業領域別や機能別に開催する分野別インターンシップと事業領域や専門領域を特定せずに開催するオープンインターンシップの2種類があります。
オープンインターンシップは、第1クール(12〜3月)と第2クール(4〜8月)に分かれているため、通年で応募可能です。
また大学を卒業していて、就労経験がある人を対象に年4回のキャリア採用も実施しています。
採用対象者 | ・日本の大学または大学院、海外の大学または大学院を、2024年9月末までに卒業見込み(既卒も可) ・採用選考開始時点で当社役員・社員の子女、兄弟姉妹でない |
採用フロー | 各種選考、インターン、面接選考 |
従業員数 | 5,449名 (2023年3月期) |
平均年齢 | 42.1歳(2022年3月期) |
初任給(23年10月実績) | ・総合職(担当職) 学卒:270,000円 院卒:310,000円 ・総合職(業務職) 210,000円 |
平均年収 | 1,549.1万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 18.2年(2022年3月期) |
三井物産を含む5大商社に興味がある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。各社の事業や社風、対策方法を解説しています。
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
双日
双日は、日商岩井とニチメンが合併してできた企業で、7大商社(5大商社に加えて豊田通商、双日)のうちの1社です。航空産業事業では、航空機取り扱い実績900機以上で国内シェアNo.1を誇ります。
双日の新卒採用は、総合職(6月本選考)、総合職(夏季選考)、総合職(海外大採用)、事務職と4種類あり、総合職は新卒一括採用だけでなく夏季選考と海外大採用を実施しています。
採用対象者 | ・2024年6月末まで(事務職は2024年3月まで)に四年制大学 または大学院を卒業・修了見込み、 または2021年3月以降に四年制大学または大学院を卒業・修了 ・就業経験がない ・当社役員・社員に二親等以内の親族がいない |
採用フロー | 書類選考、適性検査(テストセンター)、面接(複数回) |
従業員数 | 2,613人(2023年6月時点) |
平均年齢 | 41.8歳(2022年3月期) |
初任給 | ・総合職 院卒: 340,000円 大卒: 305,000円 ・事務職 大卒・院卒:230,900円 |
平均年収 | 1,038.2万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 15.4年(2022年3月期) |
金融
通年採用を実施している金融機関は以下の通りです。
通年採用を実施している金融
- 損害保険ジャパン(損保)
- 三菱UFJ銀行(銀行)
- みずほフィナンシャルグループ(銀行)
- 三井住友銀行(銀行)
- 日本生命保険(生保)
- りそなグループ(銀行)
- 第一生命保険(生保)
- 野村證券(証券)
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(証券)
ここからは、通年採用を実施している金融機関の中でも特に注目の企業を解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
損害保険ジャパン
損害保険ジャパンは、損保ジャパンと日本興亜損保が合併してできた企業で、損害保険の引受、支払い、企画・開発、運用などを手掛ける損害保険会社です。
損害保険ジャパンの新卒採用は、総合コース(限定なし、ブロック限定、地域限定)とジョブ型コースに分かれていて、エントリー受付期間はコースによって異なります。
業界の安定性などで保険会社を志望している人も多いと思います。保険会社の志望動機で悩んでいる人は以下の記事を参考にしてください。志望動機の書き方をまとめています。
保険会社の志望動機が書けない人必見! 説得力のある7つの内容
2024年度入社新卒採用エントリー受付期間
- 総合コース:3月1日〜3月21日、3月27日〜4月17日、7月6日〜7月21日、9月5日〜9月15日、10月19日〜11月7日
- ジョブ型コース:3月1日〜3月21日、7月6日〜7月21日
採用対象者 | 2024年4月1日時点で満29歳以下 (入社日までに短期大学、四年制大学または大学院を卒業・修了) |
採用フロー | 書類・適性検査、面接(複数回) |
従業員数 | 21,705人(2023年3月時点) |
平均年齢 | 44.1歳(2022年3月期) |
初任給 | ・総合コース(限定なし)、ジョブ型コース 大卒・短大卒:243,700円 院卒:261,750円 ・総合コース(ブロック限定) 大卒・短大卒:203,990円~231,810円 院卒:219,100~248,980円 ・総合コース(地域限定) 大卒・短大卒:180,520円~205,140円 院卒:193,890円~220,340円 |
平均年収 | 626万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 15.0年(2022年3月期) |
りそなグループ
りそなグループは、りそなホールディングスの傘下に、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらいフィナンシャルグループを持つ金融サービスグループです。個人や中小企業向け取引に特に強みを持っています。
りそなグループの新卒採用は、9つの応募コースがあり応募時に選択します。
りそなグループの応募コース
- ソリューション
- カスタマーサービス
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- IT企画
- データサイエンス・クオンツ
- アセットマネジメント
- マーケット
- アクチュアリー
- 不動産ビジネス
通年採用を実施していますが、全体のスケジュールが公表されておらず、採用ホームページ(HP)には次回の締切日が掲載されています。りそなグループに興味のある人は確認してみてください。
採用対象者 | ・2021年4月~2024年3月に四年制大学以上を卒業・卒業見込み ・カスタマーサービスコースは短大・専門学校卒も可 |
採用フロー | セミナー、各種選考 |
従業員数 | 1,554人(2023年3月時点) |
平均年齢 | 45.4歳(2022年3月期) |
初任給 (2024年4月予定) | 大学院卒:280,000円 四年制大学卒:255,000円 短大・専門学校卒:225,000円 |
平均年収 | 864.3万円(2022年3月期) |
平均勤続年数 | 16.6年(2022年3月期) |
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サービス・インフラ
通年採用を実施しているサービス・インフラ企業は以下の通りです。
通年採用を実施しているサービス・インフラ企業
- ファーストリテイリング(その他小売業)
- ニトリホールディングス(その他小売業)
- 東日本旅客鉄道(鉄道)
- 日本通運(運輸・倉庫)
- 関西電力(電力・ガス)
- ENEOS(石油)
- 出光興産(石油)
ここからは、通年採用を実施しているサービス・インフラ企業の中でも特に注目の企業を解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
ファーストリテイリング
ファーストリテイリングは、UNIQLO(ユニクロ)、GU(ジーユー)、PLST(プラステ)、Theory(セオリー)など複数のブランドを世界中で展開する企業です。SPAと呼ばれる素材調達から企画、生産、販売までの工程を一貫して担うアパレル製造小売業で、高品質な服をリーズナブルな価格で販売しています。
ファーストリテイリングの新卒採用では、グローバルリーダー候補職のみ通年採用を実施し、大学1年生からでも応募が可能です。一度不合格になっても、選考年度が変われば再チャレンジできます。
また、人事面接を通過した人には「FRパスポート」が発行され、発行から3年以内はいつでも最終面接を受けられるというユニークな制度を導入しています。
採用対象者 | ・現在4年制大学、大学院、短期大学、高等専門学校、専門学校に在籍中(全学部・全学科) ・上記学校を卒業して3年以内(目安) ・日本語ビジネスレベル以上 |
採用フロー | 会社説明会、WEB適性検査、面接(複数回)、人事面接、最終面接 |
入社時期 | ユニクロ:3月1日、9月1日 ジーユー:3月1日 プラステ:3月1日 リンク・セオリー・ジャパン:3月1日 |
募集職種 | 通年採用はグローバルリーダー候補職のみ |
従業員数 | 1,698人(2022年8月期) |
平均年齢 | 38.0歳(2022年8月期) |
初任給 | グローバルリーダー候補職 月額 300,000円 |
平均年収 | 959.4万円(2022年8月期) |
平均勤続年数 | 4.9年(2022年8月期) |
- 大学1年生から応募可能な通年採用企業は、どのタイミングで応募するべきでしょうか?
キャリアの方向性が固まった時点で応募するのがおすすめ
留学や部活に集中したいならば、大学1年生で内定をもらうことで、就活を気にせず打ち込めますし、不合格でも再応募できる企業もあるので、業界や企業に興味があるならば大学1年生から応募してみても良いでしょう。
ただし、やりたいことや自分の強みなどの自己分析や業界研究ができていない中では、学生生活を通じて就きたい仕事などが変わる可能性もあるので、大学1年生ではなく今後の方向性が固まった時点で応募した方が良いですね。
ニトリホールディングス
ニトリホールディングスは、企画・開発から製造、輸入、物流、販売、ITまで一貫して携わっているため、商社・メーカー・物流・小売・ITの機能を兼ね備えています。ニトリで販売されている商品は約85%が自社商品です。
ニトリホールディングスの新卒採用は、総合職採用とシステム構築を中心に担うIT人材採用があります。また中国事業の拡大にともない、中国現地法人「似鳥(中国)投資有限会社」の採用も実施しています。
ニトリホールディングスはインターンに力を入れていて、4つのコースを用意しています。中でも注目のインターンは、低学年コースです。低学年コースは大学1、2年生のみ参加可能で、イベント参加終了後に受ける面接で通過した人は「ニトリパス」が授与されます。
ニトリパス取得者は、発行から最大3年間いつでも最終面接に挑戦できるため、余裕をもってキャリアを考えられます。
採用対象者 | ・国内外問わず4年制大学および大学院を卒業(修了)見込み ・入社時期に入社可能である ・入社までに普通自動車第一種運転免許(AT限定可)の取得が可能である ・最終学歴卒業後3年未満 |
採用フロー | 書類選考、面接(複数回) リクルーターによる面談やサポートあり |
入社時期 | 10月、4月 |
募集職種 | 総合職、IT人材 |
従業員数 | 3,566人(2023年3月時点) |
平均年齢 | 33.5歳(2022年2月20日時点 家具インテリア販売事業を基準) |
初任給 | 4年生大学卒業:255,000円 大学院卒業:265,000円 (ともに東京、大阪、神奈川勤務独身者地域手当39,600円含む) 職務経験がある人は個別設定 |
平均年収 | 835万円(2022年2月20日時点) |
平均勤続年数 | 12.4年(2022年2月20日時点) |
出光興産
出光興産は、日本を代表する石油会社の一つです。この企業は全国に支店を有するほか、製油所や工場、研究所を保有し、サービスステーションを全国に6,000店舗以上展開しています。
主な事業は、燃料油、基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源の5つです。世界各地に60カ所以上の拠点を持ち、幅広い事業を海外でも展開しています。
すべての職種で通年採用を実施しているため、応募は常に受け付けています。書類応募時に希望系統、希望コース/部門を選択します。
採用対象者 | ・2024年3月までに卒業予定 ・既卒(卒業後3年以内)、外国籍も可 ・技術系:理系の学部・学科(デジタル・ICT推進部は文理不問) ・事務系:全学部全学科(文理不問) |
採用フロー | 書類選考、適性検査、面接(3回程度) |
募集職種 | 事務系(ゼネラルコース、販売コース) 技術系(部門別に選択可) |
従業員数 | 5,089人(2023年3月期) |
平均年齢 | 42.1歳 (2023年3月期) |
初任給 (2022年4月入社実績) | 大学院了(博士):月給284,000円 大学院了(修士):月給265,000円 大学卒・高等専門学校専攻料:月給247,000円 希望コース/部門による処遇の違いはない |
平均年収 | 949万円(2023年3月期) |
平均勤続年数 | 17.9年(2023年3月期) |
ソフトウェア・通信
通年採用を実施しているソフトウェア・通信企業は以下の通りです。
通年採用を実施しているソフトウェア・通信企業
- KDDI(通信サービス)
- ソフトバンク(通信サービス)
- 日鉄ソリューションズ(システム・ソフト)
- 三菱総合研究所(シンクタンク)
ここからは、通年採用を実施しているソフトウェア・通信企業の中でも特に注目の企業を解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
KDDI
KDDIは、auブランドを中心とした携帯電話事業などを手掛ける大手電気通信会社です。通信とライフデザインの融合を推進し、携帯電話事業以外にも通信を核に、エネルギー・金融・エンターテインメントなどさまざまな領域でプロジェクトを展開しています。
通信会社の中でもグローバル事業で強みを持ち、アジア地域を中心に世界60都市100拠点以上でサービスを展開しています。
KDDIは、2021年度入社の新卒採用より、例年3〜10月に実施していた一括採用選考を通年採用に変更しました。また、「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入していて、若手社員でも挑戦でき、評価される環境が整っています。
採用対象者 | ・2020年4月~2024年3月に大学、高専専攻科を卒業(見込み)、大学院修士・博士課程を修了(見込み) ・高専専攻科卒業(見込み)の人は、入社までに独立行政法人大学評価・学位授与機構より学士の学位を得ることが必須 ・ 就業経験は問わず ・入社までにTOEICスコア600点の取得を目指す(選考結果に影響なし) |
採用フロー | 書類選考・面接 |
入社時期 | 4月、10月 |
募集職種 | ・OPENコース(初期配属領域を確約しない) ・WILLコース(初期配属領域を確約) WILLコース選択者はOPENコースとの併願可能 |
従業員数 | 9,377人(2023年3月期) |
平均年齢 | 42.5歳(2023年3月期) |
初任給 | 月給:270,000円~ |
平均年収 | 943万円(2023年3月期) |
平均勤続年数 | 17.4年(2023年3月期) |
ソフトバンク
ソフトバンクは、投資企業であるソフトバンクグループ傘下の通信・IT企業です。携帯電話事業以外にも、グループ共通の経営理念である「情報革命で人々を幸せに」という考えのもと、幅広い事業領域で最新のICTビジネスを展開しています。
ソフトバンクの新卒採用は、2015年より「ユニバーサル採用」を開始しました。ユニバーサル採用とは、日本独自の新卒一括採用とは異なり、自由な時期に自分の判断で自由に就職活動ができる制度です。
また、No.1採用や就労体験型のインターンなど、多岐にわたる選考プログラムを設けていて、自分にとって最適なアピール方法で選考に臨める点も特徴といえます。
採用対象者 | ・入社時30歳未満の新卒・既卒・就業者 ・2024年4月から2024年9月までに、海外の大学・学校を卒業・修了見込みの人は、10月1日の入社で調整可 |
採用フロー | 書類選考、適性検査、面接 |
入社時期 | 4月・10月 |
募集職種 | ・総合職 OPEN選考(総合コース、エンジニアコース) JOB-MATCH選考(希望業務が明確で専門スキルや知識を活かしたい人向けの選考) ・アソシエイト職 ・販売職 |
従業員数 | 19,045人(2023年3月期) |
平均年齢 | 40.8歳(2023年3月期) |
初任給 (全職種2023年度見込み) | ・総合職 高専卒(本科):月給245,000円~ 大卒・高専卒(専攻科):月給255,000円~ 修士了:月給276,200円〜 博士了:月給286,800円~ ・アソシエイト職 月給217,000円 ・販売職(ソフトバンク クルー) 月給218,000円 |
平均年収 | 804万円(2023年3月期) |
平均勤続年数 | 13.5年(2023年3月期) |
三菱総合研究所
三菱総合研究所は、社会や顧客の抱える課題に対して、解決の提案から実行までを支援する総合シンクタンクです。経営コンサルティング、DX、エネルギー、サステナビリティ、情報通信、テクノロジー、交通インフラなどのさまざまな領域でサービスやソリューションを展開しています。
三菱総合研究所の採用は、応募締め切りが年に数回設けられていて、2024年卒採用の締め切りは以下の通りです。
三菱総合研究所の応募締め切り(2024年卒採用)
- 一次締切 2023年3月23日(木)
以降、以下の日程で締切を設定しています。 - 2023年5月31日(水)
- 2023年7月31日(月)
- 2023年9月30日(土)
- 2023年11月30日(木)※最終締切
採用対象者 | ・大学院修士了以上 ・学部生 ・入社時点で社会人経験が3年未満 |
採用フロー | 書類選考、面接(複数回) 海外在住の場合などオンライン選考も可能 |
募集職種 | ・事業部門:研究員・コンサルタント ・コーポレート部門:経理財務、総務、法務、人事 |
従業員数 | 1,093人(2022年9月期) |
平均年齢 | 42.3歳(2022年9月期) |
初任給 (2022年4月実績) | ・博士了:309,600円 ・修士了:268,500円 ・学部卒:236,500円 |
平均年収 | 1,024万円(2022年9月期) |
平均勤続年数 | 14.1年(2022年9月期) |
広告・出版・マスコミ
通年採用を実施している広告・出版・マスコミ企業は以下の通りです。
通年採用を実施している広告・出版・マスコミ企業
- サイバーエージェント(メディア・映像・音楽)
- 博報堂(広告)
ここからは、通年採用を実施している広告・出版・マスコミ企業のサイバーエージェントと博報堂について解説します。企業によってさまざまな特色があるので、詳しく見ていきましょう。
サイバーエージェント
サイバーエージェントは、インターネット広告事業、メディア事業、ゲーム事業を主として展開するIT企業で、インターネット広告では国内トップレベルの売上を誇ります。現在ではAmebaTVやCygamesなどが子会社にあり、動画配信事業「ABEMA」や、スマートフォン向けゲーム「グランブルーファンタジー」などを提供しています。
サイバーエージェントの採用は、ビジネスコース、エンジニアコース、クリエイティブコースの3つのコースがあり、入社時期を個別で相談できる点が特徴です。
ビジネスコースは、2025年度新卒採用では夏と冬の2回の選考期間があり、夏選考に進むと、内定者応援プログラムの早期特典が得られたり、夏季選考で三次選考までに不合格の場合は冬季選考に再挑戦できたりとメリットがあります。
採用対象者 | ・新卒で入社が可能であり、入社時に高卒以上 ・学年、学科、専攻など不問 ・既卒可、実務経験にかかわらずチャレンジしたい人 |
採用フロー | ビジネスコース:グループディスカッション、面接(複数回)、1dayジョブ(夏季選考5次人事面談通過者は全員インターンに参加できる) エンジニアコース、クリエイターコース:書類選考、適性検査、面接(複数回) |
入社時期 | 入社時期は個別で相談 |
募集職種 | ビジネスコース エンジニアコース クリエイターコース |
従業員数 | 1,977人(2022年9月期) |
平均年齢 | 34.2歳(2022年9月期) |
初任給 | ・ビジネスコース、クリエイターコース 420,000円/月(年俸制504万円) ・エンジニアコース 能力別給与体系(最低年俸504万円~/個々人の能力別に当社独自の基準で評価) エキスパート認定(最低年俸720万円~/高度な技術や実績・成果を持っている学生が対象) |
平均年収 | 817万円(2022年9月期) |
平均勤続年数 | 6.1年(2022年9月期) |
博報堂
博報堂は日本を代表する広告代理店の一つで、博報堂DYグループの中核企業です。コンテンツやメディアを基軸にしたビジネスを展開する博報堂DYメディアパートナーズと合同採用を実施していて、学生のやりたいことや適性を見極めながら最終的にどちらかの企業で内定が出ます。
博報堂と博報堂DYメディアパートナーズでは、透明性と公平性を重視した採用活動を掲げ、採用スケジュールや募集人数、各選考別の合格予定者数などを公開しています。
2025年度新卒採用は、主に夏・冬・春で選考を実施し、夏選考と冬選考はインターンを経由した選考です。
採用対象者 (2024年度新卒採用) | 2020年4月〜2024年3月に4年制大学または大学院を卒業・修了見込みであり、就業経験のないこと(国籍不問) |
採用フロー (2024年度春公募) | 書類選考、適性検査、一次面談、グループディスカッション、プランニング課題、最終面談 |
募集職種 | ・博報堂 総合職(ビジネスプロデュース、ストラテジックプラニング、クリエイティブ、PRなど) ・博報堂DYメディアパートナーズ 総合職(メディアプロデュース、コンテンツプロデュース、メディアプラニングなど) |
従業員数 | 3,698名(2023年4月1日現在・契約社員含む) |
平均年齢 | 43.2歳(2022年3月期・博報堂DYホールディングス) |
初任給 (2021年度実績) | 年俸360万円+超過勤務手当+業績賞与(年1回:次年度の6月末支給予定) |
平均年収 | 1,036万円(2022年3月期・博報堂DYホールディングス) |
平均勤続年数 | 13.7年(2022年3月期・博報堂DYホールディングス) |
通年採用を実施しているベンチャー企業の例
ベンチャー企業は、教育体制が大手企業や中小企業に比べて確立していないことも多く、即戦力として働ける人を求めている傾向にあります。そのため、新卒一括採用ではなく、海外の大学生や留学生、既卒生なども採用可能な通年採用を実施する企業も多くあります。
通年採用を実施しているベンチャー企業は以下の通りです。
なお、紹介した企業以外にも通年採用を実施しているベンチャー企業は多くあります。通年採用している企業の探し方は後ほど詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ここからは、通年採用を実施しているベンチャー企業の中でも特に注目の企業を解説します。企業によってさまざまな特色があるので、確認していきましょう。
成長志向が強く小回りが利くベンチャー企業は、外資系企業と同様に実践力のある人材を早期に採用したいと考えています。
そのため一括採用にこだわらず、インターンなどで早期に学生と接触し通年採用をおこなっています。
ベンチャー企業の働き方を詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
20社を徹底比較! ベンチャー企業に向いている人の特徴とは?
ヤフー
ヤフーは、Zホールディングス(ソフトバンクグループ)傘下のIT企業で、Eコマース事業、会員サービス事業、インターネット上の広告事業などを手掛けています。
ヤフーは2016年から新卒一括採用を廃止し、経歴にかかわらず応募時30歳以下かつ入社時18歳以上を対象とした「ポテンシャル採用」として通年採用を実施しています。
採用対象者 | ・新卒・既卒・就業者 (応募時30歳以下かつ入社時18歳以上) ・過去に応募したあと半年以上経過している場合再応募可能 ・海外からオンライン選考も可能 |
採用フロー | 書類選考、適性検査、面接(オンライン) |
入社時期 | 4月、10月(選考時期により異なる) |
募集職種 | エンジニアコース デザイナーコース ビジネスコース |
従業員数 | 7,597人(2022年3月31日) |
平均年齢 | 36.8歳(2022年3月31日) |
初任給 | ・高校、高専、専門、短大、学部卒 264,165円/月 標準年収:約427万円 ・修士了 289,266円/月 標準年収:約468万円 ・博士号取得者 323,930円/月 標準年収:約525万円 ・エンジニアスペシャリスト採用(一定の条件を満たす人にオファーの可能性がある) 想定標準年収:650万円以上 |
平均勤続年数 | 8.4年(2022年3月31日) |
DMM.com
DMM.comは、ECサイト「DMM.com」など複数のインターネット関連事業を展開するIT企業です。「領域とわず、何でもやる」ことを掲げていて、グループ全体で17領域60事業以上の領域に事業を展開しています。
どの職種も通年採用を実施していて、エントリーシート(ES)を提出した人から順次選考します。また、DMM.comの創業の地である石川県の採用も積極的にしていることも特徴の一つです。
採用対象者 | ・ビジネス職 応募時30歳以下かつ入社時18歳以上、国籍不問 ・Webサイト運営職(石川勤務) 大学卒業程度の能力を有し、2024年3月までに教育機関を卒業予定または修了予定 |
採用フロー | 書類選考、Web適性検査、面接(複数回) |
入社時期 | 4月(相談可) |
募集職種 | ビジネス職 エンジニア職(東京・石川勤務) ゲームプラットフォームエンジニア職 財務経理職 Webサイト運営職(石川勤務) カスタマーサポート職(石川勤務) |
従業員数 | 2,305名(2023年2月時点) |
平均年齢 | 35.6歳(DMM.comおよびEXNOA、2022年2月時点) |
初任給 (固定残業代45時間分含む) | ・ビジネス職 年俸408万円~ ・エンジニア職、ゲームプラットフォームエンジニア職 年俸制:450万円~ ・財務経理職 年俸360万円~ ・Webサイト運営職(石川勤務) 年俸336万円 ・カスタマーサポート職(石川勤務) 年俸270万円〜 |
平均勤続年数 | 5.0年(主にDMM.comおよびEXNOA、2022年9月時点) |
DeNA
DeNAは、ゲーム事業を主軸にライブストリーミング、エンターテインメント、Eコマースなどあらゆる分野に取り組み、事業を拡大しています。そのほかにも、プロ野球の「DeNAベイスターズ」やBリーグの「川崎ブレイブサンダース」などの運営もしています。
DeNAでは2025年度4月入社のエンジニア職とビジネス職を対象に、早期選考と本選考の2回に分けて選考を実施することが決定しました。
9月末日までの期間が早期選考期間、10月以降が本選考期間です。早期選考で不合格となった場合も、本選考への再チャレンジは可能です。
採用対象者 | ・2024年4月入社可能な方(学歴不問) ・2025年4月入社可能な方(学歴不問) ・卒業年次、就業経験期間による制約はなし |
募集職種 | エンジニア職 エンジニア(AIスペシャリスト)職 ビジネス職 デザイナー職 早期選考はエンジニア職とビジネス職のみ |
従業員数 | 1,326人(2023年3月期) |
平均年齢 | 37.4歳(2023年3月期) |
初任給 | ・エンジニア職 基準年俸:500万円~1,000万円(月次支給 + 年2回の賞与) ・エンジニア(AIスペシャリスト)職 基準年俸:600万円~1,000万円(月次支給 + 年2回の賞与) ・ビジネス職 基準年俸:500万円~(月次支給 + 年2回の賞与) ・デザイナー職 基準年俸:420万円~(月次支給 + 年2回の賞与) |
平均年収 | 856万円(2023年3月期) |
平均勤続年数 | 5.7年(2023年3月期) |
- 一度不合格になった学生が再度応募すると、不利になりますか?
不利にならないうえに再挑戦を好意的に捉える企業もある
まず、一度不合格になったからといって、再応募時に必ずしも不利になるわけではありません。
また、学生の成長や変化を評価できるため、再応募を歓迎する場合も多いです。実際、再度挑戦することで前回の経験を活かし、より良い結果を得る学生もいます。
ただ、再応募する学生の印象については、企業や担当者によって異なるため、一概に言うことは難しいです。
注意したいのは、再応募する際、前回の結果を反省してどのように自分を改善したのか、どのような努力をしたのかをしっかりと伝える必要があるということです。
そのうえで、自分の成長や変化をアピールできれば、企業からの評価も高まるでしょう。
メルカリ
メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」を企画・開発・運営するベンチャー企業です。フリマアプリのほかにも、非接触型決済サービスのメルペイ、ビットコイン取引サービスのメルコインなど、メルカリで構築した経済圏を広げつつあります。
メルカリの採用は、新卒採用と中途採用の垣根がなく、通年で即戦力の人材を採用しています。
採用対象者 | ・メルカリおよびメルペイのミッション・バリューへの共感 ・2022年10月以降に入社が可能な16歳以上の学生 ・業務遂行に問題ないレベルの日本語、または英語能力 |
採用フロー | 技術課題(※一部職種のみ)、書類審査、面接 選考回数は状況によって異なる |
入社時期 | 4月と10月に新卒社員向けのオリエンテーションを実施 |
募集職種 | エンジニア(全般) その他職種 |
従業員数 | 1,232人(2022年6月期) |
平均年齢 | 34.6歳(2022年6月期) |
初任給 | 一律の初任給はなく、個人のスキルやバリューによって、個別の報酬が提案される |
平均年収 | 968万円(2022年6月期) |
均勤続年数 | 2.9年(2022年6月期) |
通年採用企業に応募するメリット
通年採用企業に応募するメリット
- 早くから選考対策をするきっかけになる
- 精神的に余裕が生まれる
- 自分の好きなことに集中できる
- 応募できる企業の数が増える
通年採用は、企業側だけでなく学生側にも多くのメリットがあります。
ここからは、学生が通年採用に応募するメリットを解説します。ぜひ参考にして、通年採用企業を受けるかどうか判断する際に活用してください。
早くから選考対策をするきっかけになる
通年採用企業に応募することで、早くから就活を意識して選考対策するきっかけになります。
就活は慣れると余裕が生まれて、自信を持って回答できたり気を付けるポイントがわかったりするため、場数を踏むことが重要です。早くからきっかけを作って選考対策をしておけば、仮に通年採用の企業に就職が決まらなくても、就活が本格化したときに良いスタートが切れる可能性が高くなります。
就活で大きな影響を及ぼすのは就活軸のブレです。対策が遅い人の就活軸は共通してフワッとした印象を受けますが、早い段階から対策をすることで、就活軸が確立され、方向性が見えてきます。
また早期から取り組んでいれば、就活軸のブレに気付いたときも立て直しが可能ですよ。
早期選考はこちらの記事で解説しています。早期選考の実態や受け方を詳しく解説しているので併せて参考にしてください。
早期選考を実施する業界一覧! 早めに内定を獲得する5つの秘策
精神的に余裕が生まれる
短期間に複数の企業を受ける必要がある新卒一括採用に比べると、通年採用は自分のペースで応募できるため、精神的な余裕が生まれ、集中して選考に参加できるメリットがあります。
また、通年採用企業から早期に内定が獲得できれば、「このまま内定をもらえないのではないか」「周りは内定をもらっているのに……」などと焦りを感じることもありません。
内定をもらっていると、内定先企業を基準に選考先を絞れるため、必要以上にESを書いたり、選考を受けたりもしなくて済みます。入社したい企業のみを厳選できるため、精神的にも時間的にも余裕が生まれます。
自分の好きなことに集中できる
通年採用は自分のタイミングで企業に応募できるため、自分の好きなことに集中できるメリットもあります。
従来の新卒一括採用では、部活動で夏の大会に参加したり、留学に行っていたりすると就活に出遅れてしまっていました。しかし通年採用では、やりたいことをやり切ってから選考を受けたり、早めに選考を受けて内定後に好きなことに集中したりと、自分の都合に合わせてタイミングを選べるのです。
就活と自分がやりたいことを天秤にかけて悩んでいた人は、通年採用企業を活用することで、どちらも充実させることができます。
応募できる企業の数が増える
新卒一括採用では、短期間に複数社選考を受けることになるため、説明会や面接の日程が被ってしまうことも多くあります。しかし、通年採用はゆとりをもってスケジュールを組めるため、応募できる企業数が増えます。
また、一度不採用になっても一定期間後であれば再度エントリーできる企業も多くあります。志望度の高い企業が複数回エントリー可能な企業であれば、チャンスが増えるため大きなメリットといえます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る通年採用に応募することで就活失敗のリスクが少なくなる
3月から6月に集中する一括採用では、この時期に採用されなければ就活がうまくいかない可能性があります。短期間に募集が集中するため、興味のある企業があっても応募できないこともあるでしょう。
一方、通年採用であれば、早くから選考対策をして早期に内定をもらうことも可能なうえに、一括募集の終了後でも通年採用の企業へ応募することができます。
また大学1年から通年採用をおこなっている企業の中には、不合格でも再応募できる企業もあります。通年採用は、就活が失敗するリスクが一括採用と比較をして少なくなるのです。
そのほかにも通年採用に応募するメリットはあるので、3つのメリットを取り上げて解説します。
学生生活を優先できる
通年採用は、一括採用のように時期が決まっていないため、自分の好きなタイミングで応募できます。部活に集中することや留学など、学生生活でやりたいことを優先できるといったメリットもあります。
時間をかけて企業を選択できる
3月から6月までに企業選択をおこなう一括採用と違い、通年採用は期間に捉われず年間を通じてじっくり企業選択ができることもメリットでしょう。
就活の準備がしっかりできる
一括採用では、募集時期が決まっているため部活などの関係で就活の準備ができないこともありますが、通年採用であれば、自分のペースでESや面接対策をしっかりおこなうことができるのもメリットでしょう。
就活で準備しておきたいことは以下の記事で確認しましょう。時期に合わせてやるべきことを解説しています。
就活で必ずやること一覧|時期・状況別で必須の対策を厳選!
通年採用企業に応募する際のデメリット
通年採用企業に応募するデメリット
- 採用されるハードルが高い
- モチベーションの維持が難しい
- 主体的な就活が求められる
- 内定者同士のかかわりが薄い可能性がある
企業側だけでなく学生側のメリットも多い通年採用ですが、応募する前に押さえておきたいデメリットも存在します。
ここからは、通年採用企業に応募する際のデメリットを解説します。デメリットを把握していないと必要な対策ができない可能性もあるため、ぜひ参考にしてください。
採用されるハードルが高い
短期間に決まった人数を採用しなくてはならない新卒一括採用と異なり、通年採用は年間を通して企業が求める人材を採用するため、選考基準が高くなる傾向があります。
即戦力を重視して通年採用をしている企業も多く、ポテンシャル重視の一括採用とは選考基準が異なることも難易度が高い要因の一つと考えられます。
加えて、通年採用は翌年卒業予定の新卒者だけでなく、大学1〜2年生や既卒者、海外の大学生なども応募対象に含まれるため、ライバルが増えます。ライバルが増えることは、採用倍率が高まることを意味するため、学生にとってはデメリットといえます。
モチベーションの維持が難しい
早くから就活を進められる点や、期間に定めがないため納得するまで就活ができる点は通年採用のメリットでもありますが、就活が長期化しやすくモチベーションの維持が難しくなってしまうといったデメリットでもあります。
企業側も期間に定めがないため、複数回選考をしたり、インターンを実施したりとじっくり慎重に選考するケースが多く、採用までに時間がかかることもあります。
就活が長期化することも考えられるため、OB・OG訪問を通して働くイメージをしたり、メリハリをつけて気分転換をしたりと、モチベーションを維持する工夫が必要です。
OB・OG訪問の詳しい手順やマナーは以下の記事で解説しています。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
モチベーションを維持する方法や気分転換の方法はこちらの記事で解説しています。
「就活がしんどい」の脱却方法とは? 心構えや対処法を解説
主体的な就活が求められる
新卒一括採用では、大まかなスケジュールが決まっているため、周囲の流れに乗って就活を始めれば出遅れずに済みます。また周囲の学生と一斉にスタートするため、各段階で情報共有しながら就活を進めることも可能です。
しかし、通年採用は周囲と一緒に就活ができず、決まった就活スケジュールがないため、自ら情報を得て行動しなくてはなりません。
一括採用に比べて主体的に行動しなくてはならないため、企業情報を得たり選考の傾向をつかむのが大変などの難しさがあります。
主体的に就活を進めるためには、自分のキャリアビジョンを明確に持つことが重要です。
そのうえで、企業のビジョンやカルチャーが自分の価値観と合致しているかを確認し、自分の強みや経験を活かせるポジションがあるかどうかを見極めるよう意識すると良いでしょう。
キャリアビジョンがよくわからないという人は、以下の記事を読んでキャリア形成に必要な考え方を身に付けましょう。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
内定者同士のかかわりが薄い可能性がある
通年採用では、内定後随時入社したり、個々の状況に合わせて入社時期を決めたりするため、同時期に入社する同期がいない可能性があります。
また、新卒一括採用のように内定後のイベントや入社式など、同期と親睦を深めるチャンスがない可能性もあり、内定者同士のかかわりが薄くなりがちです。
同期社員がいることにより、切磋琢磨して互いに成長できる、悩みを共有できるなどのプラス効果が期待できるため、内定者同士のかかわりが薄くなってしまう点は通年採用のデメリットといえます。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る通年採用に応募する理由によってはデメリットを感じる可能性がある
あなたが通年採用企業に応募する理由は何でしょうか。「早く就活を終えたい」「ネームバリューがある企業だから」「安心して就活したいから」など、応募理由はいろいろあるかもしれません。
中でも、「早く就活を終えたい」という理由で応募した企業は要注意です。入社後のミスマッチの影響で早期離職につながるリスクが高くなります。
通年採用は「落とす選考」
通年採用の選考フローは、基準も厳しくて面接回数も多いのが特徴です。中途採用と類似していると認識した方が良いでしょう。
そのため、厳しい言い方ですが通年採用は「落とす選考」と認識してください。一括採用と異なる点が多く、長期の選考で疲弊したり不採用で自信を失ったりして、その後の就活に影響を及ぼすこともあります。
企業によっては就活を制限されることも
また早期選考から内定を取得することで、企業側から就活を終了するように言われるかもしれません。自分の可能性やもっとやりたかった仕事に出逢うチャンスが失われるリスクがあることも認識してください。
そうならないためにも、早い段階で活動してさまざまな企業と比較する必要があるのです。
通年採用している企業の探し方4選
通年採用企業の探し方4選
- 逆求人サイトを利用する
- 動画型サイトを利用する
- 就活エージェントを利用する
- 就活イベントや合同選考イベントに参加する
ここまでの解説を見て通年採用企業に興味を持った人の中には、通年採用企業の見つけ方が気になる人もいるのではないでしょうか
ここからはおすすめの通年採用企業の探し方を解説します。ぜひ参考にして、自分に合った方法で企業を探してみてください。
①逆求人サイトを利用する
逆求人サイトは、プロフィールを登録すると企業側からスカウトが届く就活サイトです。登録しておくと新卒一括採用の開始前からスカウトが届くこともあるため、通年採用企業の探し方がわからないという人にもおすすめです。
おすすめの逆求人サイト
逆求人サイトを活用すると、自分の今まで知らなかった企業からアプローチが来ることもあり、視野を広げられるメリットがあります。また、企業側は学生のプロフィールや自己PRを見てアプローチしてくるため、相性の良い企業も見つけやすくなりますよ。
逆求人サイトでは、人が集まりにくい企業からのスカウトもあります。どういったプロフィールや自己PRに魅力を感じているのか考えてみましょう。
企業からアプローチをしてもらったなら、興味がある企業であれば積極的に応募してみると良いですね。
自己PRの書き方をおさらいしたい人は、こちらの記事がおすすめです。4ステップで魅力的な自己PRを作成しましょう。
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
②動画型サイトを利用する
動画撮影に苦手意識のない人であれば、動画型求人サイトを活用して通年採用企業を探す方法もあります。
動画型求人サイトは、自己PR動画を登録すると、動画を見た企業からESや適性検査免除のスカウトが届く仕組みです。逆求人サイトと同様に企業が採用をしているタイミングでいつでもスカウトが来るため、登録しておくと通年採用企業に出会える可能性がありますよ。
また、企業説明会を無料で動画配信してくれるため、企業探しを動画で手軽に進めたいという人におすすめです。
おすすめの動画型サイト
自己PR動画を作成する際はこちらの記事を参考にしてみてください。動画選考の記事ですが、動画撮影の注意点やポイントなどを解説していて、自己PR動画撮影に活かせます。
動画選考でライバルと差をつける工夫を伝授|注意点や練習法も解説
③就活エージェントを利用する
通年採用企業に応募する際は、主体的に行動する必要があると前述しましたが、一人では不安だという人は就活エージェントを利用する方法もおすすめです。
就職エージェントは、面談をもとに就活に詳しいプロが、企業の紹介から内定後まで一貫してサポートするサービスで、通年採用企業を紹介してもらうことも可能です。
面談をもとに自分に合った企業を紹介してもらえるだけでなく、紹介企業の選考対策などもしてくれます。
おすすめの就活エージェント
④就活イベントや合同選考イベントに参加する
同時にたくさんの企業に出会える就活イベントや合同選考イベントに参加する方法もあります。
就活イベントや合同選考イベントに足を運ぶことで、自分では見つけられなかった企業に出会えたり、調べきれなかった情報に触れられたりするメリットがあります。自分の就活の方向性や価値観をつかむきっかけになるため、まだ企業の業界や職種が定まっていない人に特におすすめです。
早期選考イベントなどが開催されていて、通年採用企業を見つけられることもあるため、以下で紹介する就活イベントサイトを参考にしてみてください。
就活イベントの最大のメリットは、応募せずに情報収集ができることです。ホームページでは見えない情報が多く、同じ業界でもまったく違う業務内容であったりもします。
業種を特定せずに積極的に参加して、知見を広める目的で多くのリアル情報を入手しましょう。
通年採用企業から内定を獲得する5つのポイント
通年採用企業から内定を獲得する5つのポイント
- 志望企業が求めるスキルを磨く
- インターンで実績を積む
- 計画的にエントリーする
- 自ら積極的に情報を収集する
- 明確な志望動機を作成する
通年採用は応募対象者が幅広くいるため、採用倍率が高いこともあります。そのため、通年採用企業を受けるのであれば、ポイントを押さえた選考対策が必須です。
ここからは通年採用企業から内定を獲得するためのポイントを5つ解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
①志望企業が求めるスキルを磨く
通年採用企業の中には、特定のスキルを必要とする職種やポジションのみを通年採用にしている場合もあります。
また応募対象者が幅広いため、選考基準のハードルが高くなりがちです。応募者同士で比較検討された際には、より資格やスキルを持っている人の方が選考を突破しやすくなる可能性もあります。
そのため、事前に自分の志望している企業でどのようなスキルが求められているのかを確認し、そのスキルを磨いておきましょう。企業が求めるスキルは、企業の採用HPの募集要項などで確認できますよ。
通年採用企業は即戦力を求める企業も多いため、資格をアピールするのも有効です。アピールに有効な資格はこちらの記事で解説しています。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
②インターンで実績を積む
前述したとおり、通年採用企業は新卒であってもスキルや知識、実績があることを求める傾向にあります。そのため、長期のインターンで実践的な経験を積み、企業にアピールできる実績を作る方法もおすすめです。
また通年採用企業の中には、インターンに参加した学生の中から内定を出す企業もあります。
インターンには、1日〜数日のセミナー型インターンや、短期インターンなどがありますが、実績をアピールしたり仕事の適性を確認したりしたい人は、長期インターンへの参加がおすすめです。長期インターンを実施しているかは、企業のHPや就活サイトなどで確認できます。
通年採用企業に興味のある人は、2年生からのインターン参加もおすすめです。こちらの記事で2年生からインターンに参加するメリットや方法を解説しているので参考にしてください。
大学2年生もインターン参加が常識? 本選考が有利になるコツを解説
インターンの選び方や選考対策は、以下の記事で詳しく解説しています。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
③計画的にエントリーする
通年採用企業に応募する際は、計画的にエントリーしましょう。これは新卒一括採用のように同時に10社、20社とエントリーしてしまうと、企業研究や選考対策をする時間がなくなってしまい、選考で十分に力を発揮できない可能性があるためです。
通年採用はエントリー期限がないことも多いため、焦って一気に応募せずに、万全な対策で臨めるようスケジュールを考えて応募しましょう。
- 通年採用企業は一度に何社くらい受けるのがおすすめですか?
万全な対策ができるように3~5社程度がおすすめ
多くの企業へ同時に応募すると、個別の企業に向けた書類や面接対策が疎かになり、良い結果につながりません。個々人によりますが、応募企業に向けて万全の対策ができる数を応募すべきです。
ただし通年採用だからといって1社ずつ応募して、結果を見て応募するようでは時間がかかってしまい、モチベーションの維持が難しいこともあります。
この点を踏まえると、同時に応募する企業は3社から多くても5社程度を考えると良いでしょう。
新卒一括採用枠のエントリー数の平均などは、こちらの記事で解説しています。
就活のエントリー数で間違うと悲惨! あなたに合った選び方を解説
④自ら積極的に情報を収集する
通年採用企業は、企業によって採用スケジュールや応募要項が異なるため、自ら積極的に情報収集する必要があります。
受け身の体制では、十分な情報を得られずチャンスを逃してしまう可能性もあります。早期から情報の感度を高めて積極的に行動しましょう。
興味のある企業のHPを確認する方法もありますが、OB・OG訪問や大学のキャリアセンター、就活エージェントなどから情報収集する方法もおすすめです。
OB・OG訪問をする際は、質問の内容も重要です。自分がほしい情報を手に入れるためにも、事前に質問を考えておきましょう。
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介
⑤明確な志望動機を作成する
通年採用企業に応募する際は、明確な志望動機を作成しましょう。特に早期に応募する際は、志望動機の説得力が重要です。
なぜなら、早期に内定を出すということは、内定後の辞退のリスクも高くなるためです。内定辞退は企業への負担が大きいため、早期選考は特に学生の熱意や企業とのマッチ度を重視する傾向があります。
自己分析や企業分析を徹底して、「その企業でなくてはならない理由」を明確に伝えましょう。
志望動機の書き方は以下の記事で解説しています。志望動機の作り方は共通していますが、書くのか話すのかでも意識するポイントは異なるので注意しましょう。
ES
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
履歴書
例文10選|新卒用履歴書の志望動機の基本と盛り込むべき6要素
面接
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
通年採用企業から内定をもらうためには、自分の強みや適性をしっかりと理解し、それを活かせる企業選びをすることがまず重要です。
そしてそのうえで、自分の経験や学びが具体的な事例を交えてアピールできること、常に最新の情報をキャッチし柔軟な対応を心掛けることの2点を意識しましょう。
通年採用企業に応募するメリットを活かして後悔のない就活をしよう!
近年では、新卒採用に通年採用を導入する企業も増えています。通年採用企業は一括採用に比べると採用されるハードルが高くなりやすいですが、自分のタイミングで活動できるため時間的にも精神的にも余裕が生まれるなどのメリットもあります。
通年採用企業に興味を持った人は、ぜひこの記事を参考に対策をしてみてください。集中して選考に臨める通年採用企業に応募するメリットを活かして、後悔のない就活をしてくださいね。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る一生に一度の就職活動だから自分のためになる機会は十分に活かそう
就職活動は一生に一度のイベントです。そのイベントを「やり過ごす」のか「楽しむのか」どちらが正解かは自分で決めることです。
早期選考だけで決めるも良し、早期選考と本選考を併願するも良し。これまで伝えてきたように、メリット・デメリットがあることを理解したうえで、自分にマッチした就職活動をおこなってください。
通年採用に参加することが貴重な経験につながるかもしれない
通年採用企業の活動で得られる情報や経験は、内定が決まればなくなるものではありません。企業研究で得た情報、企業担当者や現場の社員から得た情報、自己理解を深めたこと、これらすべてにおいて、社会に出てから自分の知見として役に立つはずです。
どれだけ頑張っても無駄なことは一つもないということです。通年採用はじっくり活動ができるからこそ、早期選考から活動する意味があるのかもしれません。
また早期選考から内定を獲得すれば、その後に同期の学生をサポートすることもできます。自らが得た知見を仲間と共有し支援することで、自分の自信や自己効力感の向上につながります。
このように通年採用を活用することで、残りの学生生活を有意義なものにできるかもしれません。自分に合った方法で就活を進められるよう応援しています!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
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