本企画について
「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。
「エン転職」をはじめとした求職者支援のサービスで有名なエン(旧エン・ジャパン)は、名前を聞いたことがある人も多いと思われます。しかし、同社には「労働時間が長く激務」「離職率が高くてやばい」といった噂があるようです。
企業に対するネガティブな話は本当なのか気になっている人に向けて、この記事では実態を読み解きます。どのような情報からどう解釈をすれば良いのか、人材業界での勤務経験を持つキャリアコンサルタントとともに読み解いていきましょう。
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1分でわかるエン
エンとは
人材採用から入社後の活躍や定着までを支援する総合人材サービス企業。「エン転職」や若手ハイキャリア向け「AMBI」といった求人・スカウトサイトの運営を主力とし、人材紹介や人材派遣などを国内外で幅広く展開。
単なる人材の採用支援にとどまらず、採用・教育・評価を連動させた「3Eメソッド」を強みとしており、多様なHR Techツールなども提供して企業の人事・組織課題を総合的に解決。
| 会社名 | エン株式会社(en Inc.) ※旧:エン・ジャパン株式会社 |
| 従業員数(連結) | 連結:3,191名(2026年3月末時点) |
| 本社所在地 | 東京都新宿区 |
| おもな事業 | インターネットを活用したサービスの提供 ・求人/求職メディア ・人材紹介サービス ・活躍/定着支援サービス |
| 売上高 | 590億9,300万円(前年同期比10.0%減)(2026年3月期) |
| 経常利益 | 41億9,100万円(同29.5%増)(同期間) |
| 企業HP | https://corp.en-japan.com/ |
| 新卒採用HP | https://corp-recruit.en-japan.com/company/recruit/ |
「エンがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く
「エンがやばい」と言われる4つの理由
エンがやばいと言われるおもな理由は4つあります。それぞれの噂について、キャリアコンサルタントの解説を参考にすることで、企業への理解がより深まります。ぜひ最後まで読んでみてください。
①労働時間が長く激務だから
企業側から正式な残業時間について発表されていません。しかし、口コミサイトなどでは月37.0~44.5時間という記載が見られるため、激務と噂されていると考えられます。
エンでは、育児や介護などが必要な社員に向けた短時間勤務制度や、フレックスタイム制などの柔軟な働き方を導入しています。これにより、激務を防ぐ取り組みがおこなわれています(※)。
そのため、採用活動が活発化する繁忙期などに一時的に激務となる可能性はありますが、ライフイベントに干渉しすぎないような働き方の調整はしてくれる企業だととらえることができるでしょう。
プロのアドバイザーはこう分析!激務には2つの背景がある! 営業職が求められるマルチな役割
エンに限らず人材業界全般に言えることですが、やはり営業職は激務になりやすい傾向があります。
そのなかでも同社における激務の背景には、同社が掲げる入社後活躍へのこだわりと徹底したKPIがあると考えられます。
営業職は新規開拓や商談に加え、求人原稿のディレクション、入社後のフォローまで多角的に担うため、マルチタスクによる業務過多に陥りやすいです。
求職者ファーストや繁忙シーズンが招く長時間労働
特にキャリアアドバイザー職は、基本的には求職者の都合に合わせて面談やサポートをおこなうため、求職者の仕事終わりに合わせて夜間対応が発生することもあります。
また、春秋の採用ハイシーズン(3〜5月、9〜11月)と各四半期末(3月、6月、9月、12月)が企業側のニーズが高まる傾向にあるため、特に忙しくなるタイミングであると言えます。
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②離職率が高いから
エンの離職率は公表されていませんが、平均勤続年数は4年11カ月(※1)と、人材業界が含まれるサービス業の平均9年3カ月(※2)を下回っていることから、社員が辞めやすいという噂をされていると推測されます。
もちろん会社に合わなくて辞めていく人も一定数はいると思われますが、勤続年数が短いことは、早期に成長できるというメリットがあるとも言えます。たとえば、日本企業の部長職の平均年齢は53.0歳(※2)ですが、同社では最速29.0歳(※3)での昇進事例があります。
| 昇進した役職 | エンの最年少記録 | 一般企業の平均(※2) |
|---|---|---|
| リーダー(係長職相当) | 23.0歳 | 45.6歳 |
| マネージャー(課長職相当) | 24.0歳 | 49.3歳 |
| 事業部長 | 29.0歳 | 53.0歳 |
また、会社全体の平均年齢も29歳と若い社員で構成され、5年以内に部署異動や職種転換を経験した人が51%を占めていることから(※3)、短期間で経験を積んで成長するという働き方が根づいていると理解するのが良さそうです。
※1 エン株式会社 有価証券報告書 2026年3月期
※2 厚労省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
※3 エン株式会社 データで知るキャリア
プロのアドバイザーはこう分析!若手が短期で成長できるからこそ平均勤続年数が短い
エンの平均勤続年数が約5年と短めなのは、成長を後押しする企業風土ゆえの挑戦や、それに伴う離脱が考えられます。
同社は新しいプロダクトやポジションを次々と生み出しており、20代の役職登用を積極的におこなう企業です。
実力主義の環境下で、若手のうちからどこにいっても通用する営業力や課題解決力を身に付けられる点は大きな強みです。
また、若手の内から培った力を武器に大手コンサルやITベンチャー、事業会社の人事など、別の企業でさらなるキャリアアップを目指すという人が多いことも早期離職につながっています。
成長痛に耐えられない? ハイレベルな要求が招く早期離職の実態
一方で、その企業風土や求められるレベルの高さに伴う「成長痛」に耐えられず離脱する人が一定数いるのも事実です。
圧倒的な成長環境である反面、タフさも求められることが要因と言えるでしょう。
③ノルマへのプレッシャーが強いから
エンで働く際のノルマについて、重圧を感じるという意見があるようです。企業側が具体的に公表している資料はありませんが、仕事のなかで厳しさを感じる瞬間はあります。
たとえば、採用支援を担当する社員のインタビューでは、各所への対応の大変さや、会社全体のサービス理解や動きをキャッチアップすることへのプレッシャーが語られています(※1)。
また、会社のプロダクト開発にかかわる社員からは、仕事の影響範囲が多くの求職者や企業などと広いことがプレッシャーになると語られています(※2)。
そのため、自分が希望する部署や職種によって、どのような大変さがあるのか、採用時の説明会やOB・OG訪問などを活用して、詳しく聞いておくことが良いでしょう。
※1 エン株式会社 ensoku!(エンソク) 突撃!仕事のリアル~採用支援プロジェクトリーダー・水野さん編~ #きょうのエン
※2 エン株式会社 ensoku!(エンソク) 【となりのデジプロ社員】宇野さんー入社の決め手は、成長予感
プロのアドバイザーはこう分析!定量的な行動目標に追い詰められる可能性がある
職種や部署によって程度は異なりますが、仕事の成果を確認するために、さまざまなKPIが設定されています。
たとえば営業職であれば、成約数や売上だけでなく、アポイント件数や営業電話の本数など、成果に至るまでの行動も数値で管理されます。
他社の人材会社の実例ですが、私が在籍していた企業では新人は既存顧客を持たないため、1日平均100件の電話営業が目標として設定されていました。
このようにKPIが設定される環境では、目標未達が見込まれると、会議や上司への報告時に原因や改善策の説明を求められます。
そのため、数値によって進捗を管理されることにプレッシャーを感じる場面はあるでしょう。
能力より相性? 試行錯誤を楽しめる人が生き残るシビアな環境
一方、目標達成に向けて自分なりに工夫したり、新しい方法を試したりすることを楽しめる人にとっては、成長しやすい環境だと言えます。
つまり、数値目標を細かく追いながら、状況に応じて改善策を考え続ける働き方に負担を感じやすい人は、プレッシャーを感じる場面が多いかもしれません。
能力の高低というよりも、数値管理のある環境や、自律的に試行錯誤する働き方との相性が関係していると思われます。
あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう
就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。
そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます。
自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。
④体育会系の社風だから
同社の採用サイトでは、「全員が高い目標を掲げ、全力で仕事に打ち込んでいる」様子や、「喜怒哀楽、そのときどきで感じた気持ちを、隠さず率直に伝える」(※)といった特徴が述べられており、仕事に熱意を持って取り組む姿勢が伝わります。
エンのカルチャーがわかる12のキーワード
- ユーザーファースト:エンのプロダクト開発・事業運営における大原則
- 承認・称賛の文化:「おめでとう」を全力で伝え合う風土
- ◯◯めし:社長をはじめとする経営陣とフランクに話せるランチトーク文化
- 人間成長:働くことを「自らを成長させるステージ」ととらえ、心と物の両面で豊かになるという価値観
- Enjoy-Thinking:難題にぶつかっても、ゲーム性を取り入れるなどして仕事を前向きに楽しもうとする姿勢
- キモチ伝達:信頼関係を築くため、喜怒哀楽の感情を隠さず率直にお互いへ伝え合うこと
- 主観正義性:短期的な利益よりも、社会への貢献や長期的な信頼を選ぶ「自分なりの問題意識」
- 他者活用力:頼みごとも相談もいつでも大歓迎とし、一人で抱え込まず周囲をうまく頼る姿勢
- Work Hard:単なる長時間労働ではなく、プロとして仕事に全力で打ち込み、成果にこだわる姿勢
- 対人大善力:表面的な優しさ(小善)ではなく、本当に相手の成長のためを思ってあえて厳しいことも伝える力
- オープン社内報:社員の家族も目にするような、社外にも公開された透明性の高い情報発信
- 呼ぶときは〇〇さん:社長も新卒1年目も役職で呼ばず、「さん」付けで呼ぶフラットな関係性
また、同サイトには「若いうちから、難題に挑もう。」というメッセージが綴られており、若手でも成長志向を持っているほうがカルチャーフィットしやすいと考えられます。
そのため、安定志向の人からすると、意欲の高い社風が体育会系と映っている可能性があり、「やばい」という理由の一つになっているのかもしれません。
プロのアドバイザーはこう分析!圧倒的成長の裏にある泥臭い行動と当事者意識のリアル
成長意欲が高く、そして誰に対しても本質的な対話をおこえる誠実さを兼ね備えた人物がマッチすると考えられます。
同社が求める成長意欲とは、直面した課題を自分の責任としてとらえ、泥臭い行動を積み重ねて突破していく圧倒的な当事者意識を指します。
アットホームな社風を実現させているのは社員の主体性
社風としてのフラットさは、単に仲が良いということではなく、役職や年齢の壁を超えて、何が顧客や社会にとって本当に正しいかをロジカルに議論できる風通しの良さを意味しています。
そのため、上下関係に縛られず、自分の意見を恐れずに発信できる人がなじみやすい環境です。
顧客の未来を背負う覚悟を持って自走し続けることが求められる
何よりも、求人枠を売ることではなく、採用された人が入社後に活躍することをゴールとする理念に深く共感できるかどうかが鍵となります。
目先の数字にとらわれず、顧客の未来のために、ときには耳の痛い提案もあえてできる誠実さがあり、高い目標に向けて自発的に行動し続けられるタフな人物が同社で活躍している印象です。
あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう
就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。
そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます。
早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。
噂の実態はあらゆる情報を駆使しながら調べてみよう
自分が知りたいと思う情報について、企業側から公表されていないケースはよくあります。その際は、周辺情報から辿ってみることも一つの手です。たとえば、残業時間が出てこない場合は、働き方を調べて労働環境のイメージをつけてみましょう。
多角的な情報から企業の実際の姿をとらえ、納得のいく企業選びにつなげてください。
プロのアドバイザーはこう分析!華やかなイメージは勘違い? 現場の地道な業務の実態
エンは、学生のなかでも社名を見聞きしたことがある人が比較的多く、採用イベントや各種メディアを通じて「優秀な社員が多い」「活気がある」「社会に影響を与える仕事ができそう」といった印象を持つ人もいるでしょう。
一方、実際の業務は外から見える華やかなイメージだけではなく、顧客への連絡、情報入力、数値の確認、資料作成など、地道な業務の積み重ねによって成り立っています。
特に入社直後は、いきなり大きな企画や裁量の大きい仕事を担当するわけではありません。まずは基礎的な業務を通じて、仕事の進め方や顧客理解を身に付けていく場面が多くなりやすいです。
そのため「入社後すぐに企画性の高い仕事ができる」「華やかな仕事が中心である」とイメージしていると、ギャップを感じる可能性があります。
泥臭い環境で自分の可能性を広げるために必要なマインドがある
ただし、地道な業務のなかでも、どうすれば効率よく進められるか、より良い方法はないかと考えながら取り組める人は、成長や評価につながりやすく、徐々に任される仕事の幅も広がっていくでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi






3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
国家資格キャリアコンサルタント
Chiharu Hatakeyama〇SI企業へシステムエンジニアとして新卒入社。その後、ベンチャー特化型人材会社に転職し、キャリアアドバイザーとして求職者と向き合いながら企業の採用支援にも携わる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント
Fujiwara Kumi〇大手人材会社にて大学生・社会人のUIターン就職を支援。フリーランスとして、企業内1on1カウンセリングや新卒学生のグループワーク支援も担い、求職者・企業両面を幅広く支援。
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/勉強カフェ札幌大通スタジオ代表
Yuki Watanabe〇営業、コーディネーター、中学校教師とキャリアを積み、独立後は社会人向けの学習スペースの運営やキャリアコンサルタント、話し方講師として活躍。約1000名の就職相談の実績を持つ
プロフィール詳細