この記事のまとめ
- 人手不足が顕著な6業界の原因と対応策を徹底解説
- 就職してから後悔しないように企業選びは3つのポイントに気を付けよう
- 人手不足の業界で働くからこそ得やすいメリットもある
人手不足の業界は内定を得やすい場合が多いため、就活をできる限り円滑に進めたい人の中には、人手不足の業界の企業に絞って就活をしている人もいるのではないでしょうか。
しかし、人手不足の業界には特有の苦労や企業選びで注意するポイントがあり、それらを軽視したまま就職してしまうと、後悔につながってしまうこともあります。
人手不足の業界を目指すときは、人手不足になってしまっている原因やそれぞれの業界が取り組んでいる対応策を知ってから、就活を進めていきましょう。
この記事ではキャリアコンサルタントの平井さん、谷所さん、秋田さんと、人手不足の業界で働く苦労や各業界が取り組む対応策を解説します。人手不足の業界で働くメリットや注意点をしっかりと押さえ、自分らしく働ける企業を見つけてくださいね。
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人手不足の業界で後悔なく働くには特有の苦労を知っておくことが重要
人手不足の業界には、人が足りていないことによる特有の苦労があります。その苦労を知らないまま働き出すと、予想していた働き方との違いに悩んだり、業務内容に不満を持ったりしてしまうかもしれません。
だからこそ、人手不足の業界で働く苦労やメリットを熟知することが大切です。仕事を理解することで自分に合った具体的な社会人像を描くことができ、自分らしく働ける土台を整えることにもつながります。
この記事では、人手不足が顕著な6つの業界を取り上げ、業界ごとの原因や改善に向けての取り組みを解説します。業界ごとの特徴を知りながら、やりがいを持って働けそうな業界を選んでいきましょう。
次に企業選びを進めていくために、人手不足の業界で働くメリットと企業選びの注意点を取り上げていきます。働くことで得られるメリットを考えながら、自分に合う企業を見つける方法を身に付けていってくださいね。
最後に、内定がつかみやすい仕事をデータとともに紹介し、就活をより円滑に進める方法も伝授します。記事を読みながら働きたいと思う業界を見つけ、就活を進めていきましょう。
人手不足の業界で働くときは、目的を明確にしておきましょう。ワタミの創業者・渡邉美樹さんは、人手が足りていない物流業界の運送会社で1年間働き、独立資金を貯めた経歴があります。
収入でも技能でも経験でも、自分がその業界で働くのは何のためかを、はっきりしておくと良いでしょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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人手不足が顕著な6つの業界! 原因と業界ごとの対応策を解説
まずは人手不足が顕著な6つの業界を取り上げていきます。いずれの業界でも、需要が高まっているという社会的な側面もあれば、労働時間や給料の面で働きたいと思う人が少ないという業界特有の側面もあるのです。
ただ、業界特有の人手不足の原因に対しては、各業界ごとに対応策を講じています。人手不足の業界が抱える原因や対応策を知り、自分が働く姿をイメージしながら、就職を検討していきましょう。
人手不足の業界では、労働条件がほかの業界よりも悪いことが原因で離職率が高い場合もあり、人手不足が業務過多を招くという悪循環が起こっているかもしれません。
そのため、各業界が人手不足に対してどのような取り組みをおこなっているかを把握することが重要です。就職先としては、人の育成に力を入れている企業を選ぶことをおすすめします。
IT:社会全体のIT化で需要が拡大しているから
IT業界は、社会全体でIT化の需要が拡大しているため人手不足に陥っています。IT化とはこれまで紙や電話などでおこなっていたアナログな業務を、パソコンやインターネット通信などを用いたデジタルな方法に変えることです。
たとえば、タクシー会社がAI(人工知能)を活用して配車を決めたり、学習塾がWeb会議システムを使って授業をおこなったりすることなどが挙げられます。それらを実施するためのインターネット環境や動作状況を整備する人材が必要とされているのです。
経済産業省が発表したIT人材需給に関する調査では2030年までに最大で約79万人の人材が足りなくなると推計されています。特にAIやビックデータの活用といった専門的な知識や技術を持った人材が、需要よりも少ないというのが現状です。
IT業界は、需要が拡大傾向にあるものの、専門的な技術や知識を持った人材を育成するのが簡単ではないため、人手不足になっています。
IT業界の将来性やトレンドをより詳しく知って就活に活かしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説
IT業界を目指すためには業界理解を深めることも大切です。こちらの記事を参考にIT業界の動向や選考対策を知っておきましょう。
IT業界を徹底研究! 今後の動向から選考対策まで完全網羅
IT業界で働くあたり、どんな企業が人気なのか知りたい人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では売上や年収のランキングを掲載しているのでチェックしてみてくださいね。
IT業界の企業ランキングを徹底解剖! 内定を勝ち取るコツも紹介
対応策:未経験の人材の育成強化
IT業界では人材を確保するために、未経験の人材を育成することに力を入れています。
たとえば、経済産業省などは「マナビDX」というサイトを立ち上げ、ITに関する講座を開催しています。講座はChatGPT(対話型の人工知能)の活用方法や機械学習など参加者が実務に活かせる内容で、未経験人材の育成をサポートしているのです。
また、小学校では2020年からプログラミングが必修となり、ハローワークや民間企業による社会人向けの講座も増えてきました。このように官民が一体となってIT人材を育成する流れができているのです。
- ITは労働時間の長さなど、いわゆるブラック企業が多いという印象があるのですが、どうなのでしょうか?
IT業界は残業が多い傾向にあるが対策を進める企業も多くある
IT業界は納期がある仕事のため、残業が多い傾向にはあります。ただし、ブラック企業とは、残業代が出ないなど労働環境が悪い職場を指します。残業が多いからといってブラック企業とは限らないので、注意して企業を選びましょう。
また、働きやすさを向上させるために、最近では自由に勤務時間が選べるフレックスタイム制や定期的な面談制度などを導入する企業が増えています。
PCでの作業がメインになると、周囲とのコミュニケーションが少なくなる場合もありますが、対人関係があまり得意ではない人にとっては業務に集中できる仕事ともいえますね。
IT人材は枯渇しているので、エンプロイアビリティ(雇用される能力)が高い業種であることは間違いありませんよ。
ブラック企業についてはこちらの記事で詳しくまとめています。就職先を選ぶときの参考にしてみてください。
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ホテル・宿泊:アフターコロナで利用客が増えているから
ホテル・宿泊業界は新型コロナウイルス感染症の影響を受けていましたが、近年回復傾向にあり、旅行需要の増加によって人手不足となっています。
日本政府観光局の訪日外客数(2023年7月推計値)によると、外国人観光客は感染症前の2019年と比較して8割ほどまでに回復しました。また、経済産業省のレポートによれば、ホテル業と宿泊業の業績は2019年を上回っており、これらのデータから利用客の増加がわかります。
また利用客の増加に併せて、業界特有の働き方と賃金の問題が人手不足に拍車をかけています。ホテル・宿泊業界は深夜勤務があるにもかかわらず、給与水準も低いのが現状です。国税庁の令和4年民間給与実態調査によれば、平均年収は全体平均より190万円も少ない268万円となっています。
このように利用客の拡大だけではなく、業界の勤務体系と給与が見合わず、人材が集まらないとも考えられます。
対応策:IT化で事務作業の効率化
ホテルや宿泊の業界では、事務作業のIT化を進めることで業務負担を減らす取り組みをしています。
たとえば、これまでフロントで紙に記入してもらっていた顧客情報をスマートフォンでの入力に切り替えたり、利用者のスマホや部屋にあるテレビを館内案内に活用したりすることで、スタッフの業務負担を減らしているのです。
加えて、外国人観光客に対応するために、スマホで表示する情報の多言語化や翻訳アプリの活用などをおこなっている企業もあります。IT化を進めることで、これまでの業務をより効率化し、顧客にも悪い影響がないような取り組みを進めているのです。
そのほか、宿泊の予約なども予約専用サイトや自社のWebサイトを活用することで、人材不足を補っています。
また、チェックイン後の宿泊台帳記入なども自動でおこなうなど、ITなどのテクノロジーを導入することで、労働生産性を向上させています。
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建設:建物の改修や災害対策工事が増えているから
建設業界は生活に欠かせない住宅や公共施設などの建物を作っているため、業績が堅調な特徴があります。国土交通省が発表した2023年建設投資見通し概要によると、建設への投資は前年度比2.2%増の70兆3,200億円にのぼるとのことです。
増加の理由は、建物の老朽化による改修や、災害対策のための工事がおこなわれているからです。今後も地震などの災害はなくならないため、需要もなくならないといえるでしょう。
しかし、需要は伸びている一方で、人手不足は進んでいます。国交省が発表した建設業を巡る現状と課題によると2021年の就業者人口は、ピークだった1997年と比較して約200万人減の479万人となっています。
就業者の年代も55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%となり、労働者の高齢化と若者の担い手不足が同時に進んでしまっているのです。
建設業界の働き手の高齢化は、建設してから年数の経った建物や道路をメンテナンスするための技能を持った人を残している表れでもあります。
若手人材がベテランの技能の受け皿となり、AIなどの新技術を活用することで、人手不足を補える可能性が考えられます。
建設業界を目指す人は業界全体への理解が進むと就活を有利に進めやすくなります。こちらの記事を参考にしてくださいね。
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説
対応策:ICTを活用した生産性向上策
建設業界ではICTを活用した施工を進めることで生産性を向上させ、人手不足を補おうという取り組みが進んでいます。
ICT
情報通信技術と和訳される。インターネット通信を利用して情報や知識を共有すること
たとえばICTの活用で、これまでセキュリティー面などを考慮して専用の端末でしか見られなかった図面や写真が、社外からもアクセスすることができるようになりました。これにより移動時間が減らせたり、情報共有が簡単になり効率化が図れるようになるのです。
また、専門技術を身に付けるためにVRやARを用いて、作り方の流れや作業工程をトレーニングするという取り組みも進んでいます。
VRとARの違い
- VR
仮想現実のこと。仮想空間を現実空間のように疑似体験することができる - AR
拡張現実のこと。現実に仮想の世界を重ね合わせて表示させる技術
このようにICTを積極的に活用することで、業務の生産性が向上させ、人手不足の状況を緩和しています。
飲食:利用客の数が復調しているから
新型コロナウイルス感染症の流行が徐々に落ち着き、飲食店を利用する顧客の数は回復傾向にあります。そのため、コロナ禍の従業員数では対応がしきれなくなってきているのです。
日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査(2023年7月度結果報告)によると、2019年同月比で、売上高は112%まで伸び、店舗数も92%まで回復していて、コロナ禍よりも確実に顧客が増えているのがわかります。
しかし飲食店の従業員は、長時間労働となる傾向があるうえ、賃金も安いケースが多いため、なかなか人材が集まっていません。また、飲食店は競争が激しくその土地に定着するのが難しいため、安定的に従業員を雇用できないことが往々にしてあるのです。
労働時間や賃金の問題と、雇用が安定しないという背景が合わさって、人手不足がさらに深刻化してしまっています。
- 飲食店はアルバイトの求人も多いですが、正社員で働くメリットは何でしょうか?
正社員になることで店舗運営のスキルが身に付く
アルバイトはホールスタッフなど仕事の範囲が決まっていますが、正社員は店長やエリアマネージャーとして店の運営に携わることができます。
店長やエリアマネージャーとなると、アルバイトの指導やシフト管理のほか、金銭管理などを任されることが多く、店舗運営にかかわるスキルを高めていくことができます。
そして、チェーン店であれば本部で商品や店舗の開発などの仕事もでき、さまざまなキャリアプランがあるといえます。
また、アルバイトの給与は時給で計算され、シフトに入れなければ生活が不安定になることがありますが、正社員は固定給で賞与も支給されることもメリットでしょう。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
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対応策:デジタル技術の活用による省力化
飲食業界ではデジタル技術を活用することで、一人ひとりの業務をなるべく省力化できるような取り組みをおこなっています。
ファミリーレストランなどで、料理がロボットに乗って運ばれてくる体験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。料理の配膳をはじめ、調理、会計、注文もデジタル技術を活用して機械でおこなえるようにしている企業が多くあります。
サービスの提供が省力化できることにより、少ない人手でも多くの顧客へ対応できるように整えているのです。
飲食店を志望している人はこちらの記事もチェックしてください。飲食店の仕事内容と差別化できる志望動機の書き方を解説しています。
飲食店の志望動機はどう書く? 例文や企業が求めるスキルを解説
物流:宅配サービスの利用客が増えているから
物流業界も人手不足が進む業界ですが、特に新型コロナウイルス感染症の影響で宅配サービスの利用が拡大・定着したことが要因になっています。
経産省などが発表した我が国の物流を取り巻く現状と取組状況によると、宅配便の取り扱い個数は2021年までの5年間で23.1%増えました。新型コロナウイルス感染症で企業間の物流は減ったものの、個人への宅配サービスは増加が続いています。
需要が増える一方で、配送するドライバーは長時間勤務となってしまう場合が多く、担い手が減ってしまっています。上記の経産省の調査では、労働時間がほかの産業より年間で300~400時間長く、避ける人が多くなっているのです。
対応策:政府主導の働き方改革
配送ドライバーの長時間労働を是正しようと、政府主導の働き方改革が進んでいます。厚生労働省がトラック運転者の労働時間に関する告示をおこない、2024年4月から労働時間の上限が変わります。
告示によると、これまで1年間の拘束時間の上限が3,516時間だったものが、最大でも3,400時間までとなりました。1カ月の拘束時間の上限も10時間程度減るため、労働者の負担が減るのです。
業界全体でルールが変わるので、物流のドライバーとしてどの企業で働く場合にも、負担が軽減されることが期待できます。
物流業界では、宅配ロッカーの活用やアプリで配達指定することで、再配達の負担を軽減させる取り組みが進んでいます。
また、配送するための荷物をトラックに積み込むのをドライバーが待っている時間が長時間労働につながっているため、IT化を進めて、ルート管理や荷物を効率良く処理するためのシステムを導入し、業務負担の改善を図っています。
介護・福祉:高齢化にともない利用する人が増えているから
介護や福祉業界は、日本全体の高齢化にともない、需要が伸び続けています。しかし、すでに現状でも働き手が確保できておらず、人手不足が深刻化していくと予想されている業界です。
厚生労働省の試算によると、2023年度には全国で233万人の人材不足となっています。今後も人数は増え続け、2040年度には280万人の人手不足となる見込みです。
人材が集まらない要因として、業務内容が過酷だという印象を持たれていることが挙げられます。たとえば排泄処理は心理的ハードルが高く、入浴介助であれば相当な体力を使うため、つらい仕事だと感じる人が多いのです。
ほかのサービス業と比較しても過酷な業務内容があるものの、給料水準が低いという特徴もあります。そのため担い手が現れづらく、人手不足となっているのです。
対応策:外国人材の雇用やロボットの活用
介護・福祉業界では担い手を確保するために、外国人材の積極的な雇用をおこなっています。国は経済連携協定などの制度を使い、インドネシアやフィリピン、ベトナムから看護師や介護士を受け入れていて、2019年には3カ国併せて6,400人にものぼっています。
また、介護ロボットの活用も始まっています。たとえばパワースーツと呼ばれるものは、介護するスタッフの足腰をサポートし、少ない力で介助ができるようにするものです。また、利用者と会話ができるロボットを導入し、見守りに役立てる例もあります。
外国人材とも協力し、ロボットを活用して負担を減らしながら、人手不足を改善していこうと業界で取り組みをおこなっているのです。
そのほか、介護業界でこれまで紙でおこなってきたシフト管理や勤怠管理について、アプリを導入することで業務の効率化を図っています。
また、企業が介護福祉士などの介護関連資格の取得を推進するべく、取得費用の援助もおこなっています。人手不足を解消するために、介護に特化した成果報酬型の求人サイトを活用する法人も増えています。
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人手不足の業界で働く3つのメリットを知ろう!
人手不足の業界で働く3つのメリットを知ろう!
- 就職・転職がしやすい
- 担える業務の幅が広い
- 出世がしやすい
人手不足の業界にはあまり良いイメージを持たない人もいるかもしれません。しかし、人手不足の業界で働くからこそのメリットがあります。そのメリットを知らずに就活を進めると、先入観だけで仕事を選んでしまい、入社後の後悔につながるかもしれません。
人手不足の業界だからこそ得られるメリットは、大企業や人気の企業ではなかなか得られないものです。人手不足の業界で働く3つのメリットを踏まえ、自分に合った働き方ができるかを考えていきましょう。
メリット①就職・転職がしやすい
人手不足の業界は、人気の業界の求人よりも競争率が低いため、就職や転職がしやすいというメリットがあります。自分が望む企業に勤められる可能性が高く、就活や転職活動を納得いく形で進めたいと考える人に最適です。
では実際、どのくらい就職や転職がしやすいのでしょうか。厚労省の一般職業紹介状況(令和5年6月分)によると、最も有効求人倍率が高いのは建設躯体工事従事者で9.5倍でした。一方、有効求人倍率が最も低いのは美術家・デザイナー・写真家・映像撮影者で0.2倍となりました。
有効求人倍率とは
求人数を求職者の人数で割ったもの。1を超えると求職者の人数を超える求人数があり、就職しやすい状況だと判断できる
つまり、美術家などを目指すと就職は難しい一方で、建設躯体工事従事者であれば10件近い求人の中から自分に合うものを選ぶことができるのです。人手不足の業界は仕事が見つけやすく、就職や転職しやすいというメリットがあるといえます。
就職や転職がしやすくても仕事が決まらないと不安になりますよね。以下の記事では仕事が決まらないときの原因や解決の糸口を解説しているので参考にしてみてください。
「仕事が決まらない……」悩みを解決する4つの糸口をプロが解説
メリット②担える業務の幅が広い
人手不足の業界の企業に勤めると、社員一人ひとりがかかわる業務の幅が広くなると予想できます。本来担当ではない仕事に携われることをデメリットに感じる人もいるかもしれませんが、いろいろな体験ができるメリットとも考えられるのです。
たとえば、ホールスタッフとして飲食店に勤務していた場合、人手不足によりキッチンでの調理の手伝いをすることも予想されます。そこで食材や味付けに関する知識が増え、顧客からの質問に答えることができるようになるかもしれません。
人手不足の業界で幅広い業務に携わることで、自分が担当する仕事以外の知識やスキルを身に付けることができるのです。
- 幅広い業務にかかわれるのも良いですが、逆に人手不足の業界だと専門性を伸ばすことは難しいのでしょうか?
IT化によって専門性を伸ばす環境が整いつつある
人手不足の業界ではIT化の推進によって、単純労働を削減するような取り組みをしています。そのため、仕事内容が専門的になり、社員の専門性を伸ばす環境が整いつつあるといえるのです。
具体的には、単純作業や力仕事に関してIT化や自動化をすすめ、ロボット導入などによる省力化を試みています。それによって、専門的な業務に時間をさけるようにしているのです。
たとえば、自動車整備工も人手不足ですが、業務内容は従来の機械整備から電子制御の専門職に変わりつつあります。
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
メリット③出世がしやすい
人手不足の業界の企業は、一人ひとりの仕事の機会が多くなり、裁量権も大きい傾向にあります。仕事で挑戦できる機会が多く、活躍が自社にダイレクトに響きやすいといえるため、仕事ぶりが昇給や昇格につながるチャンスが多いのです。
たとえば、ある大手自動車会社では子会社なども含めると日本全国で36万人以上の社員がいます。一方で、人手不足の企業では片手で数えられる人数で仕事をしている場合もあるため、社員一人ひとりの仕事による会社への影響が大きく、活躍が目立ちやすいのです。
また、人手不足の企業によっては役職が空いている場合もあります。仕事ぶりによって役職に就けるスピードが早く、大きな裁量権を持って仕事をできるまでの期間が短いのです。
- 出世するメリットは何ですか?
出世は肩書だけではなく自分の成長にもつながる
キャリアは「木」にたとえられます。枝や葉の部分は「外的キャリア」にたとえ、土の中の根の部分を「内的キャリア」にたとえられるのです。
「外的キャリア」とは、履歴書に記載するような内容です。出世することで、肩書きがつく、給与が上がるといった見える形で、社会的な地位が上がっていきます。
一方、「内的キャリア」とは、自分の内面的な成長や自己理解に関することで、「価値観・仕事のやりがい・働く意義」などが、木を支える重要な根となります。
出世をすることで、外的キャリアだけではなく、内面的なキャリアの成長にもつながるのです。両方のキャリアを成長させるためにも、出世することのメリットはあるといえます。
人手不足の業界で働くときに注意する3つのポイント
人手不足の業界で働くときに注意する3つのポイント
- 勤務体系と残業時間が自分に合うか
- 給料や賞与が希望通りか
- 倒産など将来に不安が残らないか
人手不足の業界は特有の苦労があるものの、働くメリットがあることを説明してきました。ただし、そのメリットだけに目を向けるのではなく、就活するにあたっては必ず注意してほしい3つのポイントがあります。
ポイントを押さえないで就活をしてしまうと、自分に合った働き方ができない可能性が高くなります。早期退職や消極的な理由から転職活動をせざるを得なくなってしまうかもしれないので、選考を受ける企業を選ぶ際には必ず確認してくださいね。
①勤務体系と残業時間が自分に合うか
人手不足の業界で注意したいのは勤務の時間帯や長さです。夜勤や労働時間の長さが原因で人材不足となっていることがあるため、企業のホームページ(HP)やOB・OG訪問を活用して、働き方を確認するようにしましょう。
勤務体系であれば、下記のようなポイントに注目して確認してみてください。
勤務の体系や時間について確認する項目
- 年間休日の日数
- 一週間の休日日数
- 勤務の開始時間と終了時間
- 夜勤の有無
- 在宅勤務やリモートワークの頻度
- 残業時間の長さ
- みなし残業制度の導入有無
自分の希望に合わない働き方をしてしまうと、最初は我慢できたとしても、疲れやストレスが徐々に溜まり、働き続けることができなくなってしまいます。自分に嘘をつかずに選んでいきましょう。
また情報を集める場合はHPだけではなく、社員の話も聞いてみてください。特に、みなし残業制度を導入している企業は、実際の残業時間がわかりづらく、働いてから自分に合わなかったと気付くこともあります。働くイメージを持てるまで情報収集をしましょう。
- 自分が実際に働いてみてどのように感じるかがイマイチイメージできません。どのように判断すればいいですか?
これまでの生活リズムと合っているかを考えてみよう
実際に働いてみなければわからないことも多いですが、これまでの自分の生活リズムと合うかどうか考えてみましょう。
たとえばこれまで昼型で、午前9時から午後5時など定時の仕事をしてきた人は、夜勤の仕事をしたときの生活や、シフト制で残業がある仕事の生活についてイメージしてみてください。
違和感なくイメージできれば、合っている可能性が高いです。1日の仕事ではなく、1週間、1カ月と期間を伸ばして考えてみてくださいね。知り合いなどが働いていれば、働き方について聞いてみるのも良いですね。
②給料や賞与が希望通りか
人手不足の業界では、給料の安さが原因となって人が集まらないこともあると説明しました。そのため、目指す業界や企業の給料や賞与が自分の希望に合っているかを検討してから、就活を進めるようにしましょう。
給料や賞与の額、そして支払いの形は企業によって大きく異なります。たとえば、毎月の給料は業界平均と比較して少ないものの賞与が多い企業や、歩合制を取っている企業もあります。自分が納得できる給与額と支給方法の企業を選んでください。
なかには、給料の額よりも仕事のやりがいを求めたいと考える人もいるのではないでしょうか。ある程度ならやりがいを優先しても良いかもしれませんが、給料は生活の基礎となり、少額だと後々仕事へのモチベーションを保つことも難しくなってしまいます。
自分が納得して働ける金額や支払われ方を明確にしてくださいね。
③倒産など将来に不安が残らないか
人手不足の業界は倒産などのリスクを抱えている企業もあります。就職を目指す企業が存続していけるのかをしっかりと見極めることも大切です。
企業の将来を見極めるには、企業が公表しているIR情報や中期経営計画を見てみましょう。借金の額が多かったり、人手不足により主力事業の売上が下がり続けていることがあれば注意が必要です。
また、OB・OG訪問で直接質問してみたり、OB・OGが勤める企業とは別に検討している企業の情報を聞いてみるのもおすすめです。企業内の声が聞こえたり、業界内でのうわさを知ることで、企業の将来性を測ることができるでしょう。
実りあるOB・OG訪問にするために、こちらの記事を参考に進めてみてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
企業だけではなく、業界全体の将来性も十分に検討しましょう。IT化や自動化、ロボット導入で省力化が進んでいますが、大きな技術革新の結果、仕事自体がなくなることも予想できます。技術動向や社会変化をしっかり見て判断することが必要です。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る仕事内容によって人手不足になっている場合もある
人手不足は業界だけでなく、職種が影響している場合もあると理解しておくことが必要です。
たとえば、営業職はどの業界でも人手不足の傾向にあります。業務拡大の要因が大きい場合は「増員補充」のイメージですが、退職率の高い人手不足は「欠員補充」であり、原因を調べることが大切です。
また、募集職種で採用されても、入社後に別の仕事を兼務する可能性があることも覚えておきましょう。企業を選ぶ際は、事前に担当者に職種や役割について確認しておいてくださいね。
企業選びでは従業員を大切にしているかに注目してみよう
人手不足の業界の企業を選ぶときは、人材に対する企業の姿勢に注目してみましょう。人材不足の業界でも離職率の低い企業は、人に対する支援や人を大事にする組織風土があります。
たとえば、人手不足や離職率の高い「旅館・ホテル業界」の常識を覆すような取り組みとして、「定休日」を設定して社員全員の休日をつくるような企業もあるのです。従業員を大切にする企業では、人手不足でも必要以上の苦労をすることなく働ける可能性が高いといえます。
早めに内定が欲しい人向け! 人手不足の業界で就職しやすい仕事
仕事 | 具体的な仕事内容 | 有効求人倍率 |
---|---|---|
建設躯体工事従事者 | とび職など | 9.5 |
保安職業従事者 | 警察官・消防士・自衛隊員など | 6.04 |
土木作業従事者 | 建設や道路工事現場の土木作業員 | 5.77 |
建築・土木・測量技術者 | 測量や検査などの作業員 | 5 |
採掘従事者 | ダムやトンネル、鉱物などの掘削作業員 | 4.62 |
建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 家屋のタイル張りや左官の作業員 | 4.57 |
機械整備・修理従事者 | 工場などで機械整備をおこなう作業員 | 4.03 |
運輸・郵便事務従事者 | 配送ドライバーや配達員 | 3.05 |
介護サービス職業従事者 | 医療や福祉施設、利用者の自宅で介護サービスをおこなう職員 | 3.73 |
接客・給仕職業従事者 | ホールスタッフやホテルの従業員 | 3.17 |
人手不足の業界の中でも、業務内容によって内定を得やすい仕事は異なります。上記は厚労省が発表した一般職業紹介状況(令和5年6月分)に基づいた、有効求人倍率の高い仕事の一覧です。
業界別では上位10位のうち5つが建設業界の仕事となっています。またIT業界は有効求人倍率の上位10位には入っていませんが、情報処理・通信技術者に分類され、有効求人倍率は1.5倍となっています。
ここからは、人手不足の業界の中で就職しやすい仕事を取り上げます。最短で内定を獲得したい人は参考にしながら、就活を進めてくださいね。
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IT:プログラマーやシステムエンジニア
IT業界では、プログラマーやシステムエンジニア(SE)が、内定を得やすい仕事として挙げられます。これらの仕事は専門性の高さから人手が集まりづらい傾向にありましたが、現在は未経験者への教育プログラムが充実し、誰でも挑戦しやすくなっているのです。
SEは顧客からの要求を受けてシステムを設計し、プログラマーがその設計に基づいて実際に動かすためのプログラムを作ります。
いずれの仕事も、基礎知識を身に付けたうえで、技術革新に合わせて知識を更新していく必要があります。そのため、コツコツと勉強をし続けられる人が向いているといえますね。
またどちらの仕事でも、予期せぬトラブルが起こる可能性があります。どんなトラブルにも冷静に対応し、原因を解明していける論理的な思考が必要です。
- プログラマーやSEは入社後にどのような点で苦労するでしょうか?
技術変化への対応に苦労する傾向がある
プログラマーやSEは技術の変化に合わせて知識を付けることが必須なため、苦労することが予想されます。日頃から関連する最新のニュースを集め、新しい技術に関して勉強し続けることが求められるのです。
また開発手法も、始めから終わりまでの計画を定めて開発をおこなうウォーターホール型だけでなく、計画を都度協議しながら開発をおこなうアジャイル型が取り入れられ、技術だけでなくコミュニケーションの取り方まで変わっています。
一方で、システムメンテナンス業務ではトラブルの未然防止と早期解決が求められ、必ずしも新しい技術が必要とはされていません。
自分はどちらのタイプの仕事が好きか、向いているか、考えて選びましょう。
プログラマーやSEの仕事はイメージしづらい部分もあるので、こちらの記事を参考に仕事内容を熟知し、適性を測っていきましょう。
プログラマー
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
システムエンジニア
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
未経験からエンジニアを目指す人は不安も多いはず。未経験からエンジニアへの転職を成功させたいと考えている人はこちらの記事を参考にしてみてください。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
記事ではSEを紹介しましたが、エンジニアにもたくさんの種類があります。そもそもエンジニアとは何かを知りたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
エンジニアとは|12の職種の仕事内容から目指し方まで徹底解説
ホテル・宿泊:接客スタッフ
ホテルや宿泊業界では、接客スタッフの需要が高く、内定を得やすい仕事といえます。訪問する顧客への対応のほか、予約の管理や備品の管理などの事務作業もあるのが特徴です。
接客スタッフには視野の広さが求められます。なぜなら、常に周りに目を向けながら、相手のことを考えて行動できると質の高い接客になるからです。
注意してほしいのは、ホテルや宿泊施設の仕事では夜勤をする場合もあるということです。睡眠時間が不規則になることも予想されるため、体力に自信がない人は避けた方が無難といえます。
建設:とび職や土木作業員
建設業界は人材不足が深刻なため、人手を欲している企業が多いのが特徴です。仕事には体力が必要となるため、年齢が若く、体力に自信がある人が好まれる傾向にあります。
仕事の中で最も有効求人倍率が高いとび職は、工事現場の仮囲いを組み、足場を作る仕事です。また土木作業員は土砂の運搬のほか、ブルドーザーなどの重機を使うこともあります。
いずれの仕事も周囲とのコミュニケーションを欠かさずに取る必要があります。コミュニケーション不足は思わぬ事故や怪我につながってしまうこともあるためです。コミュニケーション能力や体力に自信がある人には最適な仕事といえます。
- 正社員としてとび職や土木作業員になるメリットは何ですか?
社会にとってなくてはならない仕事であるという誇りを持てる
とび職や土木作業員にどんなイメージを持っていますか。 「体力勝負」「荒っぽい人が多い」「キツい仕事」など少しネガティブなイメージが多いのではないでしょうか。
外で作業をする仕事がメインでもあり、学歴よりも体力を重視する場面では、アルバイトや日雇い労働者が多く採用される場合もあります。
しかし、とび職や土木作業員は、建築やインフラ整備でなくてはならない重要な役割なのです。その役割を理解していることで、「誇り」と「自信」を持って仕事に取り組むことができます。
大切なのは、その仕事に「携わりたい」と思う気持ちです。その思いがあれば正社員として働くことに意味があると思います。
飲食:ホールスタッフ
飲食業界ではホールスタッフの求人が多くなっています。ホールスタッフは顧客とコミュニケーションを取る機会が多く、顧客との円滑なやりとりやおすすめ商品の営業などを通じて、店の売上に大きく貢献できる重要な役割です。
ホールスタッフは同時並行で、注文を受けたり、商品を提供したり、次の顧客を迎えたりするため、マルチタスクになる場面が多いのが特徴です。そのため、優先順位を考えながら行動をすることが得意な人が向いています。
- ホールスタッフはあまり昇給が見込めないのでしょうか?
接客のスペシャリストとして優遇する企業も出てきている
これまでは、正社員として飲食店のホールスタッフに勤務した場合、キャリアパスとして店長やマネージャーに昇格するのが一般的でした。
しかし、最近では「接客スペシャリスト」として処遇する企業も出てきています。たとえばお茶やその雑貨を扱っているルピシアでは、「接客スペシャリスト / お茶スペシャリスト」を設けています。
働き方の多様化を踏まえると、このような企業は今後も増えてくると予測でき、その場合は昇給も見込まれるでしょう。
こちらのQ&Aはホールスタッフをはじめとする接客業のやりがいについてキャリアアドバイザーが解説しています。接客業のやりがいを知って、仕事選びの参考にしてください。
物流:配送ドライバー
配送ドライバーはその企業が扱う荷物の種類や大きさによって、配送方法も大型トラックやバイク、自転車などと変わります。配送方法によって働き方も変わるため、自分に合った働き方や持っている資格に合わせて検討しましょう。
配送ドライバーは顧客のもとに荷物を届けるだけではなく、商品を仕分けたり、梱包したりすることもあります。美術品の配送をおこなっている企業では、美術品に特化した梱包や運び方といった専門的な知識が身に付くこともあります。
また、配送ドライバーは届けたときに顧客の笑顔に触れることもできる仕事でもあるので、やりがいを感じたい人にはおすすめの仕事です。
配送ドライバーとして働きながら、国家資格の運行管理者の資格や化学物質を輸送するときに必要な危険物取扱者の資格を取得するとキャリアアップが望めます。
またキャリアプアランとして、トラックの運行管理者や営業所の所長などが挙げられます。
介護・福祉:介護職や看護助手
介護や福祉の業界では、資格の必要がない介護職や看護助手が内定を得やすい仕事になっています。介護職や看護助手は利用者の自宅や施設、病院などで、食事や排泄を手伝うことが業務内容です。
介護や福祉の業界では、相手を思いやる気持ちが何より大切です。相手の要求や気持ちに寄り添いながら生活の介助をすることができると、利用者から信頼を得られ、やりがいも感じられるでしょう。
また、多くの資格があるため、入社後に資格を取得することでより専門的な仕事にかかわっていくことができます。資格取得によって給料が上がるということも多いので、コツコツと勉強することが得意な人にも向いています。
以下の記事では介護職の志望動機の書き方をまとめています。仕事内容も解説しているので介護職を目指している人は参考にしてみてください。
例文7選|介護職の志望動機の書き方4ステップ! ポイントも解説
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る有効求人倍率の高い仕事こそ業界・企業研究を入念に
一般的に有効求人倍率が高い仕事は「売り手市場」といわれ、売り手である求職者は仕事の選択肢が広くなったり、労働条件が良くなったりします。未経験者の採用に力を取り入れている企業も多くみられ、キャリアチェンジを狙いやすいともいえます。
そんな人手不足の業界を目指す場合は、業界・企業研究はしっかりおこないましょう。誤解を恐れずにいえば、有効求人倍率の高い仕事では、業界研究や企業研究が不十分でも採用されることがあります。
しかし、それでは入社してから「こんなはずではなかった」と、短期離職にもつながることもあります。人手不足の業界が人手不足なのは、そういったミスマッチが原因となっていることもあるのです。
企業とのミスマッチを防ぐために職業訓練などを活用してみよう
有効求人倍率の高い仕事への就職を考えるなら、職業訓練や求職者支援訓練を活用してみてはどうでしょうか。それらの訓練を受けるためには、ハローワークに問い合わせてみましょう。
実際に仕事内容を学び、訓練コースによっては実習も体験できるので、よりミスマッチを減らせると考えられます。
人手不足の業界への就職をより円滑に進める3つの方法
人手不足の業界への就職をより円滑に進める3つの方法
- 人手不足をやりがいに変換した志望動機を伝える
- 未経験でも就職可能な仕事を選ぶ
- 資格を取得する
人手不足の業界は求人が多く、就活が進めやすいという側面があります。しかし、選考に進んだら誰でも就職できるわけではないため、自分に合った企業から内定を得るために準備を整えておく必要があるのです。
これから、人手不足の業界での就職を円滑に進めるための3つの方法を解説します。人手不足の業界の特徴を捉えた就活で、自分に合う企業を見つけましょう。
こちらのQ&Aでは、就活は売り手市場で人手不足のはずなのに、なぜ採用されないのかという疑問をキャリアアドバイザーが回答しています。ぜひ参考にしてみてください。
人手不足をやりがいに変換した志望動機を伝える
人手不足の業界の企業を受ける際、志望動機には注意が必要です。人手不足の企業を助けたいという気持ちを強く持っている人もいると思いますが、「人手不足だから働きたい」と伝えると企業側が消去法的に選ばれたと捉えてしまうこともあり、入社意欲が低いとみなされる場合もあるのです。
人手不足の業界の志望動機は、その業界で働くことをやりがいに変換した内容にしてみましょう。たとえば、所属する部署に捉われずにいろいろな経験を積めそうであることや、リーダーシップを発揮するために若いうちから管理職を目指したいといったことです。
人手不足の業界で働くからこそ得られるメリットを考え、やりがいを持って働きたいということを伝えていきましょう。
志望動機を作るための企業研究では、人手不足により質の低下や本来のサービスが提供できていない現状を改善する方法を考えながら、研究を深めていくことがおすすめです。
企業の問題を把握して、どのように改善していきたいかを自分なりに整理できれば、十分な志望動機になりますよ。
業界に関係なく選考を通過する志望動機の作り方が知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
志望動機を作るにあたってIT業界に特化したものにしたいと考えている人は、こちらの記事を参考に志望動機を作ってみましょう。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
物流業界の志望動機を作るためには、2つのコツを実践して差別化することが大切です。こちらの記事で解説しているので参考にしてみましょう。
例文8選|物流業界の志望動機は2つのコツで差別化しよう
未経験でも就職可能な仕事を選ぶ
企業選びでは未経験でも就職できる仕事を視野に入れてみましょう。人手不足の業界でも、たとえば介護福祉士になるためには国家資格が必要なため、求人があるからといって就ける仕事ではありません。就活を円滑に進めるためには未経験でも可能な仕事がおすすめです。
もしも、未経験でも挑戦できる仕事がわからない場合は、就職・転職エージェントに相談したり、求人票で採用条件を確認したりしましょう。まったく記載がない場合は、企業に電話などで確かめたりしても迷惑ではありません。
未経験でも働ける仕事に就職して、徐々にステップアップすることも可能です。まずは現時点で働ける仕事を目指して就活を進めてみましょう。
未経験からIT業界への転職を目指したいと考えている人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
未経験からIT業界の転職で役立つ5つの実情|企業選びのコツも紹介
資格を取得する
人手不足の業界への就職をより有利に進めるために、入社後に活かせる資格を取得するのがおすすめです。OB・OG訪問などで活かせる資格を聞き、資格取得に向けて勉強を重ねていきましょう。
たとえば人手不足の業界では以下のような資格を取得しておけると、入社後に活かせると考えられます。
人手不足の業界で入社後に活かせる資格
- IT:ITパスポート
ITにまつわる基礎知識が身に付く - ホテル・宿泊:マナー・プロトコール検定
社会人としてのマナーや国際儀礼(プロトコール)にまつわる知識や技能が身に付く - 建設:とび技能士
建築・土木現場でのとび工事に必要な知識や技能が身に付く - 飲食:接客サービスマナー検定
接客サービスの基礎知識やクレーム対応の方法が身に付く - 介護・福祉:介護職員初任者研修
食事や着替え、入浴介助など介護の基礎知識が身に付く
上記以外にも、マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)の資格を取ればパソコンによる事務作業の基礎知識がアピールできたり、TOEICなどで平均点以上を取ることができれば英語を仕事に活かせたりと、どの業界でも通用する資格もあります。
また、企業によっては入社後に資格取得をサポートしてくれる場合もあります。資格はあくまで就活を有利に進めるためなので、勉強に時間を割きすぎて、就活が疎かにならないように気を付けてくださいね。
人手不足の業界は、即戦力として活躍できる人材を求めていることが多いので、応募職種で活かせる資格を取得していると重宝されやすくなります。
また、未経験者でも資格を所持していることで、短期間で戦力になれると考えられるのです。
IT業界の資格についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
就職に有利な資格を取得していきたいと考えている人は、こちらの記事を参考に業界や仕事に合った資格を見つけて勉強をしていきましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
取得しやすい資格についてもこちらの記事で紹介しているので、資格を取得して自分の就活をより円滑に進めてくださいね。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
人手不足の業界は負の側面だけじゃない! メリットも理解したうえで企業を選ぼう
人手不足の業界には特有の苦労があることも事実です。長時間労働につながってしまったり、賃金がほかの業界と比較して安かったりと、あまり働きたくないと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、人手不足という状況を逆転の発想で考えると、活躍できる場面が多くあり、あなたの持っている力を多方面に発揮することが可能だといえます。また、若いうちから管理職を経験できることもあるので、マネジメント能力を培いたい人には最適な環境です。
人手不足の業界で働く苦労をしっかりと頭に入れながら、自分らしく働ける道がないかを探ってみてくださいね。もし、人手不足の状況をうまく乗りこなしながら自己成長をしていきたいと考えたときには、この記事に沿って希望の道を見つけていってください。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る人手不足の業界を目指すなら働き方や福利厚生をしっかり確認しよう
就活は内定をもらえれば良いというわけではなく、入社してから活躍できる業界か考えてみることが大切です。
確かに人手不足の業界は、未経験でも比較的採用されやすいかもしれませんが、残業時間が多い、夜勤があるなど、ほかの業界の勤務体系と違う場合が多くあります。勤務体系や残業時間が自分に合うか見極めることが重要です。
また、人が集まらないことが原因で事業がうまくいかなくなるケースがあるため、IR情報がわかれば売上が下がっていないかなど確認をすると良いですね。給与や賞与が希望通りか、残業時間にみなし残業があるかなども、確認をしておきましょう。
人手不足の業界だからこそスキルや知識を習得できるというメリットがある
人手不足の業界は、有効求人倍率が高いことが多く、未経験者でも比較的就職しやすいメリットがあります。
また、人手不足のために幅広く仕事を経験して、スキルや知識を習得できることもメリットです。大手企業のように潤沢な社員がいるわけではなく、実力があれば短期間で管理職などに出世できるチャンスがあります。
業界全体の規模が拡大していて、その企業が現状は人手不足なのであれば、現在は小さな企業でも将来大手企業に成長する可能性も考えられますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
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