この記事のまとめ
- 法律関係の仕事はそれぞれ仕事内容や必要な資格が異なる
- 几帳面でルールを守れる人は法律関係の仕事に向いている傾向にある
- 自分のレベルに合った資格を取得して自己PRでアピールしよう
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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法律関係の仕事といえば弁護士や裁判官を思い浮かべる人もいるかと思いますが、実はほかにもたくさんの法律関係の仕事があります。
しかし、「具体的にどんな仕事があるかわからない」「どのようにしたら法律関係の仕事に就けるか知りたい」「そもそも自分が向いているかわからない」と、疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではキャリアアドバイザーの渡部さん、遠藤さん、吉田さんと一緒に、法律関係の仕事の種類や必要なスキル・資格、向いている人の特徴、就職するためのポイントなどを解説します。法律関係の仕事を視野に入れている人はぜひ参考にしてください。
狭き門を突破! 資格を取得して法律関係の仕事に従事しよう
法律関係の仕事をするうえで、基本的に資格の取得が必要になります。国家資格かつ難関であるため、法律関係の仕事に就くのは狭き門となっています。
その中でも「法律関係の仕事に就くための方法が知りたい」「目指す前に自分が向いているかどうか判断したい」と考える人もいるかと思います。
この記事では、前半で法律関係の仕事に就くための条件や必要な資格、仕事の種類など、概要を解説します。記事後半で身に付けておくべきスキルや向いている人の特徴、就職するためのポイントなど、就職に役立つ情報を解説します。
最後まで読むことで、法律関係の仕事にはどんなものがあるか、自分には向いているか、就職する方法などを理解できるようになりますよ。
まずはあなたが法務に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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基本を確認! 法律関係の仕事とは?
法律関係の仕事をする主な職場や就職難易度などの基本を解説します。
自分に向いているかどうかを判断する前に、仕事のイメージをつかむためにも基本を押さえることが重要です。すでに理解している人もおさらいの意味を込めて確認しましょう。
法律関係の仕事をする場合の主な職場
法律関係の仕事をする場合、主に以下の職場で働くことになります。
法律関係の仕事をする場合の主な職場
- 弁護士事務所
- 裁判所
- 検察庁
それぞれの職場がどのような場所か、どんな職種の人が働くのかなどを解説します。
弁護士事務所
弁護士事務所は一人または複数人の弁護士から構成されており、法律事務の仕事をする事業体を指します。なお、法律事務所と呼ばれることもあり、同じ意味と捉えて問題ありません。
弁護士事務所での具体的な業務には以下のようなものがあります。
弁護士事務所での業務
- 弁護士の監督のもと書面の作成
- 調査・資料の取得
- 依頼者との連絡のやり取り
全国に約17,000の施設があり、弁護士やパラリーガルなどが働きます。
裁判所
裁判所では、犯罪の疑いがある人を有罪か無罪かの判断をしたり、個人間の法律にかかわる紛争を解決したりします。
裁判所には大きく分けて以下の3つがあります。
裁判所の種類
- 地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所
- 高等裁判所
- 最高裁判所
日本には三審制という、裁判所の判決に納得がいかなかった場合に、さらに上の裁判所に訴えられる制度があり、裁判所によって役割が異なります。
全国に約1,000の施設があり、裁判官や裁判所事務官などが裁判所で働くことになります。
検察庁
検察庁は検察官が担当する事務を統括する場所です。検察庁は以下のように分けられており、それぞれ取り扱う事件の重さが異なります。
検察庁の種類
- 最高検察庁
- 高等検察庁
- 地方検察庁
- 区検察庁
検察庁では検察官や検察事務官などが働いています。検察官は、刑事事件が発生した際に起訴または不起訴の処分をして、裁判所に法に基づいた正当な処分を依頼します。
上記のほかにも、商標などを扱う弁理士事務所や、それを企業内でおこなう民間企業の法務部門の仕事もあります。そのほかには、社労士事務所なども多いですね。
また、広い意味では、建設業や製造業などで安全衛生管理をおこなう仕事も、労働安全衛生法という法律に関連する職場と言えます。
法律関係の仕事の就職難易度
職種によって異なりますが、法律関係の仕事の就職難易度は基本的には高いと考えておきましょう。なぜなら、合格するのが難しい国家資格の取得が必要だったり、募集人数に対する応募人数が多かったりするからです。
また、応募者は難関大学を卒業している人が多い傾向があったり、事務所側が即戦力となれる人材を求めていたりするため、難易度が高くなるのです。
実務経験や研修を積まなければいけない職種もありますが、新卒でも法律関係の仕事に就くことは可能です。法律関係の仕事に就くための条件や方法は後ほど解説します。
弁護士など法律にかかわる仕事はかっこいいと憧れる人も多いです。同じようなかっこいい職業25選をこちらの記事でまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
かっこいい職業25選をタイプ別に解説! 目指すコツや注意点も
あなたが法務に向いているかわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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チェック必須! 法律関係の仕事に就くための条件
法律関係の仕事に就くにあたって、大学・学部、資格の有無などの条件が設けられている場合があります。具体的にどのような条件があるのか解説していきます。
大学・学部の条件
基本的に「偏差値〇〇以上の大学を卒業していなければいけない」「〇〇学部を卒業していなければいけない」といった条件は設けられていません。
一方で、法学部へ進学している人は後ほど解説する資格を取得しやすくなります。なぜなら、授業で法律に関することを学べるうえ、法科大学院に進学して修了すると司法試験の受検資格を得られるからです。それ以外の人が司法試験を受検するには、難関試験である司法試験予備試験に合格する必要があります。
このように、法律関係の仕事に大学・学部の条件は設けられていませんが、法科大学院を修了することで、司法試験を受けられるようになります。
- 条件は設けられていないとはいっても、実際法学部に所属していないと、法律関係の仕事に就くのは難しいのでしょうか?
法学部出身でなくても法律関係の仕事に就くことは可能
「法律関係の仕事」で一番イメージしやすい弁護士や裁判官という仕事は司法試験に合格しなければ就くことができませんが、必ずしも法学部出身でなくても試験に合格することは可能です。
そのほかにも知的財産関連や貿易実務の仕事など、法律以外の知識も必要になってくるため、さまざまな学部出身の人が実際に業務をおこなっています。
次の記事では、法学部生へのおすすめ進路先について、詳しく解説しています。法律関係のお仕事以外にもさまざまな選択肢があるので、ぜひ読んでみてくださいね。
法学部におすすめの就職先は? 主な進路や法学部必須の対策を解説
資格の有無
法律関係の多くの仕事は資格の取得が必要になります。後ほど詳しく解説しますが、法律関係の主な資格はこちらです。
法律関係の主な資格
- 予備試験
- 司法試験
- 弁理士
- 知的財産管理技能検定
- 通関士
- 貿易実務検定
- 司法書士
- 行政書士
- ビジネス実務法務検定試験
それぞれの仕事に資格の条件が設けられています。目指したい仕事が決まったら、その仕事をするための資格を取得しましょう。
法律関係の職種には、それぞれに適した資格や試験をパスすることが必要です。たとえば、弁護士・裁判官・検察官は法科大学院を修了し、司法試験に合格することが必須です。
また、行政書士、司法書士、弁理士はそれぞれの試験に合格しないといけません。さらに、所属する団体や協会の登録も必要となります。
公務員を志望していて資格を取得したいと考えている人は以下の記事をチェックしてください。公務員に有利な資格を職種別にまとめています。
公務員で有利な資格って? 職種別の資格とアピールのコツも解説
法律関係の仕事に就くために必要な資格
法律関係の仕事に就くために必要な資格
前述の通り、ほとんどの場合は法律関係の仕事に就くためには資格が必要になります。どんな資格が必要なのか、それぞれどのような資格なのかなどを解説します。
資格試験を受検するための試験もあるため、よく確認するようにしましょう。
予備試験
予備試験は司法試験を受検する資格を得られる国家試験です。司法試験は法科大学院を修了、または予備試験に合格しなければ受検することができません。
予備試験に受検資格はなく、誰でも受検可能です。法科大学院に通うのは経済・時間的に厳しい状況の人は、予備試験から司法試験受検を目指すのがおすすめです。
予備試験の合格率は4.2%で難関試験ですが、予備試験合格者の司法試験の合格率は81.2%と高くなっています。
予備試験の基礎知識
- 主催団体:法務省大臣官房人事課 司法試験予備試験係
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:短答式、論文式、口述
- 試験日:5月(短答式)、7月(論文式)、10月(口述)
- 受検費:17,500円
- 合格率:4.2%
司法試験
司法試験は裁判官・検察官・弁護士に必要な知識・能力を判定する国家資格です。前述の通り、法科大学院を修了する、または予備試験を合格することによって受検できます。
司法試験は最難関国家試験とも言われており、合格率は45%ほど。さらに、司法試験を受検するために必要な予備試験の合格率が4.2%であるため、非常に狭き門となっているのです。
とはいえ、裁判官・検察官・弁護士のいずれかを目指す人は、取得必須の資格です。着実に準備を重ねて臨むようにしましょう。
司法試験の基礎知識
- 主催団体:法務省大臣官房人事課 司法試験係
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:短答式、論文式
- 試験日:5月(5年で5回までの受検制限がある)
- 受検費:28,000円
- 合格率:45%ほど
司法試験の難易度は、単純に合格率だけで計ることはできません。
そもそも受検資格を得るための準備が必要で、法律の条文を暗記するだけでなく、ある行為が適法であるかを論じるなど、しっかりした判断力も求められます。
勉強すべき範囲はとても広く、合格には相当な努力が必要となります。
弁理士
弁理士とは知的財産に関するスペシャリストです。個人または企業からの特許権や商標権の申請に関して、申請が通るように調査や検討をし、出願申請をおこないます。
弁理士に受検資格はないため、誰でも受検可能です。しかし、弁理士試験の最終合格率は6.1%で、難易度が非常に高くなっています。
知的財産に関する仕事がしたいと考えている人は、しっかりと準備をして臨みましょう。
弁理士の基礎知識
- 主催団体:特許庁 総務部秘書課 弁理士室
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:短答式、論文式、口述
- 試験日:5月(短答式)、7月(論文式)、10月(口述)
- 受検費:12,000円
- 合格率:6.1%
知的財産管理技能検定
知的財産管理技能検定は、知的財産を管理する知識・能力を測る国家資格です。我々の身近には以下のような知的財産が存在します。
身近にある知的財産
- 著作権
- 商標
- 意匠
- 発明
知的財産管理技能検定を取得することで、これらをルールのもと保護し、有効活用するスペシャリストになれます。
個人・企業にかかわらず、ビジネスをするうえで、トラブルを防ぐためにも知的財産に関する知識が重要です。難易度は比較的低く、3〜1級の3つに分けられています。法律の勉強を始めたての人は、3級から受検するのがおすすめです。
知的財産管理技能検定の基礎知識
- 主催団体:知的財産教育協会
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:学科試験、実技試験
- 試験日:3月・7月・11月
- 受検費:5,500円(3級)
- 合格率:40%
通関士
通関士は、貿易業界で唯一の国家資格で、輸出入に関する仕事をおこないます。具体的には輸出入の手続きや書類の作成、申請などを担当します。
貿易会社や商社、通関士として働く場合、貿易に関する知識・能力が必要になります。その際、通関士の取得が必須条件であったり、役に立ったりするため、貿易に関する仕事を目指す人は取得するのがおすすめです。
通関士の基礎知識
- 主催団体:税関
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:マークシート式
- 試験日:10月
- 受検費:2,900円
- 合格率:15%ほど
貿易実務検定
貿易実務検定は、貿易実務に関する知識・能力があるかどうかを測る資格です。貿易関連が深掘りされますが、マーケティングや商談、契約、クレーム対応など、貿易実務の際に必要な知識・能力を網羅的に身に付けられます。
受検資格はなく、誰でもチャレンジできます。C級とB級、A級に分けられており、C級・B級の合格率が50%で1〜3年以上の実務経験レベル、A級が35〜40%で3〜4年以上の実務経験レベルと言われています。
貿易関係の仕事に興味がある人は、C級の取得から目指すのがおすすめです。
貿易実務検定の基礎知識
- 主催団体:日本貿易実務検定協会®事務局
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:マークシート式
- 試験日:5月・7月・10月・12月・3月
- 受検費:6,270円(C級)
- 合格率:65%ほど
司法書士
司法書士とは、司法や法律に関する書類の作成や手続きなどをおこないます。具体的には、不動産や商業の登記申請の代行を依頼されることが多く、依頼主の代わりに法務局や裁判所、検察庁へ提出する書類を作成します。
また、近年は高齢化が進んでいる影響で、相続や成年後見、供託などの依頼も増加している傾向があります。一方で、合格率は5.2%で最難関資格とも言われています。
司法書士の基礎知識
- 主催団体:法務局
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:筆記試験、口述試験
- 試験日:7月(10月)、10月(口述試験)
- 受検費:28,000円
- 合格率:5.2%ほど
行政書士
行政書士は、行政への申請が必要な場合の書類を作成したり、官公庁に提出する書類に関する相談を受け付けたりします。いわば、国民と行政の仲介人のような役割です。
行政書士は受検制限がなく誰でも受検可能なうえ、法律関係の資格の中では難易度が低くなっています。法律関係の知識を身に付けたい、独立を視野に入れているという人におすすめです。
行政書士の基礎知識
- 主催団体:行政書士試験 研究センター
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:択一式、記述式
- 試験日:11月
- 受検費:10,400円
- 合格率:12%ほど
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
ビジネス実務法務検定試験
ビジネス実務法務検定試験は、ビジネスパーソンに必要な法律知識・能力を身に付けられる公的資格です。あらゆる業界・職種に通用する法律知識を体系的に学べます。
具体的には、取引先との締結や企業財産の管理、雇用契約書の策定などができるようになります。
なお、1~3級の3段階に分けられており、3級が最も難易度が低くなっています。これから法律関係の勉強を始める人は、まずはビジネス実務法務検定試験の3級の取得を目指すのがおすすめです。
ビジネス実務法務検定試験の基礎知識
- 主催団体:東京商工会議所 検定センター
- 資格種類:公的資格
- 試験形式:マークシート式
- 試験日:7月、12月
- 受検費:5,500円(3級)
- 合格率:80%ほど
- 法律関係の仕事に就きたいものの具体的な職種は決まっていない場合、どんな資格を取得するのが良いですか?
まずは自己分析をして自分の軸を定めてからにしよう
具体的にどんな法律関係の仕事に就くかが定まっていない場合は、まず徹底的に自己分析をしましょう。法律関係の資格を取得するとなると半年以上、国家資格ともなると1年以上時間をかける必要があります。
まず、自分自身が「なぜ法律関係の仕事をしたいのか」「どんなフィールドで活躍したいのか」という軸をしっかりと定めていきましょう。
自分で自己分析してもなかなか軸が見つからない場合は、キャリアコンサルタントや友人、親に相談してみたり、実際に法律関係の授業を受けてみたり、法律関係のサークルやコミュニティに入ってみたりするなど、就活の軸を明確にするためのアクションを起こしてみてください。
自分に合った方法を選ぼう! 法律関係の資格を取得する方法
法律関係の資格を取得する方法
- 通信講座で学習する
- eラーニングを活用する
- 参考書を購入して独学で学習する
法律関係の資格はさまざまな方法で勉強することができます。
ここからは、法律関係の資格の具体的な取得方法を解説します。
通信講座で学習する
近年は法律関係の資格に関する勉強ができる通信講座が多くあります。たとえば、以下のサービスが法律関係の通信講座を配信しています。
通信講座は場所の制限なく受講可能であるため、授業やアルバイトの合間でも受講できます。また、比較的安い費用で受講することも可能です。
通信講座は、基礎から応用まで体系的に学べる仕組みが整えられているため、独学では続かないけど費用は抑えたいと考える人におすすめです。
通信講座は自分でスケジュールを管理できて、モチベーションを保てる人におすすめです。
また、誰かの指導を受けるよりマイペースに進めたい人や、期限のあるタスクを処理することに使命感や達成感を感じられる人にも向いています。
eラーニングを活用する
eラーニングとは
パソコンやタブレット、スマホなどのデジタルデバイスを活用して、ネットワーク環境があれば時間や場所にとらわれずに学習できるシステムのこと。
eラーニングを活用して法律関係の資格の勉強をすることには、以下のようなメリットがあります。
eラーニングのメリット
- 授業やアルバイトの合間などを活用できる
- 教材の質が均一であるため、講師による質のばらつきがない
- オンライン上で学習の進捗状況を一元管理できる
合間時間を活用して法律関係の勉強をしたい、学習の進捗状況を確認したいと考えている人におすすめです。
一方で、講師から直接指導を受けられるわけではないため、継続できない人がいるのも事実です。一人で継続するのが苦手な人にはおすすめしません。
eラーニングは、授業やゼミ、部活やサークル、アルバイトなどで時間がなく忙しい人に向いています。自分のペースでできるので、隙間時間を見つけながらコツコツと取り組みましょう。
また、比較的安価で質の高い講義を受けることができるので、コスパ重視な人にも向いていると言えます。
参考書を購入して独学で学習する
法律関係の資格は独学も可能です。独学する際、参考書を活用して学習することになります。
参考書は、司法試験用や行政書士用など、各資格によって分かれています。まずは自分がどの資格取得を目指すのかを明確にし、その資格専用の参考書を購入しましょう。
この方法は、一人で黙々と学習するのが好きだったり、継続するのが得意だったりする人におすすめです。一人だと途中で諦めてしまうと不安な人は、前述の通信講座を受講するのがおすすめです。
- これから法律関係の仕事を目指して勉強を始めようと思っています。どんな方法から始めるのが良いでしょうか?
目標と将来像をイメージして勉強のスケジュールを立てよう
法律関係の仕事はほとんどが国家資格や公的資格とセットになっています。始めに「どの資格をターゲットにしてどのような働き方を目指すのか」と目標設定と将来の理想をイメージしてみましょう。
将来像がイメージできていた方が学習意欲は持続しやすいので、焦らず最初の目標設定をしっかりおこなうことをおすすめします。
次に、勉強のスケジュールを立てましょう。受検日から逆算して勉強期間を決めて、「上記のどの学習方法を使うのか」「予算はどのくらい必要か」「日々の時間をどう確保するか」など具体的な行動スケジュールに落としておきましょう。
学習方法にもいろいろ人が提唱しているコツがあるので、自分に合ったやり方を探してみてください。
一覧で紹介! 法律関係の仕事24選
法律関係の仕事
世の中にはたくさんの法律関係の仕事があります。
ここからは、法律関係の仕事を24選紹介します。どんな仕事があるのか、自分のやりたいこととマッチしているものはあるかを確認しましょう。
社会は法律をより所として成り立っているので、法律にかかわる仕事はたくさんあります。
「誰と直接かかわるか」「どういった立場でどう役に立ちたいか」「どうすればその仕事に就けるのか」ということを一つひとつ確認していってくださいね。
選考通過率がグッと上がる!
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弁護士
弁護士は法律の専門家です。刑事事件・民事事件に関する相談を受けたり、法的手続きをおこなったりします。
刑事事件が発生した場合は、被害者または被告人の代理人となって、事件の詳細を調査したり、検察官に対する弁護活動をおこなったりします。
弁護士になるには、法科大学院を修了して司法試験に合格するか、予備試験を受けて司法試験に合格するかの2パターンがあります。なお、日本弁護士連合会の「弁護士実態調査に近年の弁護士の実情(2023年版)」によると、弁護士の平均年収は2,082万円となっています。
パラリーガル
パラリーガルとは弁護士の業務をサポートする仕事です。つまり、弁護士のアシスタントのような役割を果たします。
パラリーガルの具体的な仕事内容は法律事務所によっても異なりますが、以下のような仕事が挙げられます。
パラリーガルの仕事内容
- 弁護士のスケジュール管理
- 来客対応
- 書類の下書き(ドラフト)作成
- 判例の調査
パラリーガルとして働く場合、国家資格は不要です。しかし、法律関係の知識・スキルを身に付けられたり、実務経験を積めたりするため、弁護士を目指す人がパラリーガルとして働くことも多くあります。
パラリーガルの年収は所属する法律事務所によって異なりますが、270〜350万円ほどと言われています。
弁理士
弁理士は知的財産の専門家として、特許や意匠、商標などの権利に関するあらゆるサポートをおこないます。
具体的には、個人または企業から依頼を受け、権利を取得したり、問題が発生した場合には解決したりします。
弁理士は、弁理士国家資格を取得し、約4カ月の実務修習を経ることでなれます。なお、弁理士の平均年収は700〜750万円と言われています。
税理士
税理士は税務に関する専門家です。税理士には法律で定められている独占業務があり、以下の3つを仕事としています。
税理士の独占業務
- 税理業務の代行
- 税務書類の作成
- 税務に関する相談
また、上記の独占業務以外にもコンサルティングやアドバイザー業務、行政の支援などもする場合があります。
税理士になるには、以下のいずれかの方法があります。
税理士になる方法
- 税理士資格を取得して2年の実務経験を積む
- 公認会計士または弁護士資格を取得する
- 国税従事者の一部試験免除制度を活用して、一部の試験を受けて合格する
税理士資格の合格率は18%ほどで、難関資格の一つです。簡単になれるわけではありませんが、今後も税金に関する仕事は尽きないため、長く働き続けることができます。
- 税理士をはじめとする法律関係の仕事が、今後AI(人工知能)に代替される可能性はあるのでしょうか。
過去のデータを分析する仕事はAIに代替される可能性が高い
AIは過去のデータから学習して分析や推論し、「必要な情報を瞬時に見つける」「先々に起こることをシミュレーションする」といったことが得意です。
法律関係の仕事の中でもそういった要素の業務は、AIに代替される可能性が高くなります。
すべての仕事がAIに奪われるのではなく、作業的な業務だけをAIに任せて、そこで生まれた時間や余裕で人間にしかできない業務をおこなうことになるでしょう。
司法書士
司法書士は、個人または企業から依頼された不動産登記や商業登記など、法律に関する書類の作成や手続きの代行をします。
会社を設立したり、不動産の売買や相続をしたりする際、法的な手続きが必要になります。しかし、さまざまな決まりがあり一般の人にとっては複雑なため、正確性や時間短縮の観点から、司法書士に依頼をするのです。
司法書士は、国家資格である司法書士試験に合格することでなれます。合格率は5%ほどで、難関資格の一つという位置付けです。一方で、厚生労働省の調査によると平均年収が970万円ほどで高待遇という特徴があります。
行政書士
行政書士は、個人または企業から官公署に提出する書類の作成を依頼され、代わりに作成したり、申請手続きをしたりします。
具体的には以下の業務をすることがあります。
行政書士の業務内容
- 会社設立を設立する際の書類・契約書の作成
- 飲食店の営業許可の手続き
- 遺言・相続に関する書類の作成
このように、どちらかといえば個人から依頼を受けることが多くなっています。
行政書士になるには、国家資格である行政書士試験に合格しなければいけません。合格率は12%ほどで難関資格の一つです。
しかし、近年は行政書士が手がける書類の電子化や簡易化が進んでおり、行政書士の働き方が変わろうとしています。これから行政書士を目指す人は、行政書士の知識・スキルだけでなく、コンサルティングスキルも同時に身に付けておくのがベストです。
社会保険労務士
社会保険労務士は社会保険に関する専門家です。社会保険に関する書類を作成したり、企業の人事・労務・給与などに関するサポートをしたりします。
社会保険労務士は、企業の人事部に所属する、または顧問になるなどの働き方が考えられます。社会保険に関する専門的な知識を活かして、サポートやコンサルティング、相談の対応などをおこないます。
社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格し、2年以上の実務経験、または事務指定講習を修了する必要があります。
海事代理士
海事代理士は海の法律である海事代理士法に関する専門家です。海の法律にもとづいて申請・届出・登記などの手続きをおこないます。海事代理士は、国家資格である海事代理士試験に合格し、地方運輸局に登録することでなれます。
司法書士や行政書士、社会保険労務士との関連性が高いことから、これらのいずれかと海事代理士の両方を取得する人も増えています。
海事代理士試験の合格率は50%ほどで、法律関係の資格の中では比較的高いため、ほかの法律関係の仕事との兼業を目指す人におすすめです。
法務
法務は、企業が事業をする際にかかわる法律の専門家です。契約書を作成したり、著作権を管理したりします。また、訴訟や裁判などのトラブルが発生した際には、その処理も法務が担当します。
企業の規模が大きくなったり、外国との取引が増えたりすると、トラブルを未然に防ぐ・コンプライアンスを徹底するなどの観点から法務の役割が重要になります。それらの企業には法務部が設置されており、法務は法務部に配属されるケースが多くなります。
法務は資格が必須ではありません。ただ、ビジネス実務法務検定や個人情報保護士、行政書士など、法律に関する資格を持っておくと就職が有利になります。
- 法務に興味があるのですが、総合職や一般職として入社した場合、新卒で法務に配属されるのは難しいのでしょうか?
新卒で法務に配属されるのは難しい場合が多い
法務の仕事は、会社のトラブル防止やコンプライアンスの徹底をしていくため、新卒で法務に配属されるのは難しい場合が多いと言えます。
ただ、企業によっては配属面談で希望を伝えることによって、法務に行くためのキャリアパスを教えてくれたり、転属のチャンスを得ることができる場合もあります。
まずは、入社する前に説明会や人事面談などで、法務職に配属が可能かどうかを確認してみましょう。
同時に、資格取得を目指すなど、法務に関する知識やスキルを磨いて、仕事の幅を広げられるような努力も忘れずにおこなっていきましょう。
弁護士秘書
弁護士秘書は、その名の通り弁護士の秘書として働きます。法律秘書と呼ばれることもあります。弁護士秘書の具体的な業務は以下が挙げられます。
弁護士秘書の業務内容
- 弁護士のスケジュール管理
- メール・電話対応
- 法律事務所の来客対応
- 裁判所に提出する書類の作成
このように、事務作業が多くなるのが特徴的です。国家資格は不要で、正社員だけでなく派遣社員やパートとしても働けるため、比較的柔軟な働き方が可能です。
なお、前述でパラリーガルを解説しましたが、パラリーガルがより法的な専門性の高い業務を担当し、弁護士秘書が専門性の低い業務を担当するという違いがあります。
公認会計士
公認会計士は監査・会計の専門家です。企業の決算書のチェックをしたり、正しく会計できているかを確認したりします。
また、会計の観点から企業の経営戦略や組織再編などのコンサルティングをおこなうケースもあります。さらに、税理士登録もして税務業務も担う公認会計士も少なくありません。
公認会計士になるには、公認会計士試験に合格し、3年以上の業務補助、または実務補修を修了することが必要になります。平均年収は1,000万円前後と言われていて、非常に高い給与水準となっています。
法務教官
法務教官は少年院や少年鑑別所などに勤務します。専門職員として入所した人の生活全般をサポートしたり、平常心で審判を受けられるよう相談を受けたり、アドバイスしたりするのが主な業務内容です。
また、鑑別結果通知書という更生できる可能性があるかどうかを判断する際の材料となる書類があり、法務教官は少年・少女の様子を見ながら作成します。
法務教官になるには法務省専門職員採用試験に合格する必要があります。試験合格後、希望管区で実施される面接を受け、合格することで法務教官として働けるようになります。
検察官
検察官は事件や犯罪に関する調査をしたり、裁判を執行した際に指揮監督をしたりします。具体的には、警察から送検された被疑者の取り調べをし、起訴するかどうかの決断を下します。また、起訴する場合は、判決に関して被告人の弁護士と対立することになります。
検察官になるまで司法試験に合格し、司法修習生考試にも合格する必要があります。その後、法務省でおこなわれる面接に合格するというプロセスです。
検察官は国家公務員で、平均年収は600万円ほどと言われています。
裁判官
裁判官は裁判所で刑事訴訟・民事訴訟などの判決を下す人を指します。具体的には、裁判前に事前に提出された資料を読み込み、当事者・弁護士・検察官・証人などの話を聞いたうえで、証拠・証言の真実性を調べて、法と照らし合わせながら判決を下します。
裁判官になるには、まずは司法試験に合格する必要があります。その後、司法修習を受け、その間に採用面接も受けて合格することで裁判官になれます。
裁判官の年収は500〜4,000万円でキャリアや経験によって大きく異なります。
裁判所事務官
裁判所事務官は裁判所における事務の専門家です。裁判がスムーズにおこなわれるよう、各種書類を作成したり、総務・人事・会計などを担当したりします。
裁判所事務官になるには裁判所事務官採用試験に合格する必要があります。大卒者を対象とした総合職と、高卒者を対象とした一般職に分けられるのですが、総合職の倍率は100倍を超えるほど人気が高くなっています。
このように人気が高い理由の一つに、裁判所事務官を10年以上経験すると、司法試験を受けずに司法書士の資格を取得できることも挙げられます。
裁判書記官
裁判書記官は裁判所がどのような過程・手続きを踏んで判決を下したのかを記録する役割の人です。記録によって、裁判の当事者にとって裁判官の判決が不明瞭にならないようにします。
そのほかにも事件に関する記録を残したり、書類を作成・管理したり、法令や判例の調査をしたりします。
裁判書記官になるには、まずは一定期間裁判所職員として働く必要があります。その後、裁判所職員総合研修所入所試験に合格し、裁判所職員総合研修所で書記官として研修を修了することで裁判書記官として働けるようになります。
特許審査官
特許審査官は、個人または企業から出願された発明品やアイデアなどを審査して、著作権を与えるかどうかを判断する国家公務員です。職場は特許庁になります。
具体的には、すでに権利が与えられているもので類似しているものはないか、オリジナリティがあるかなどを過去のデータと照らし合わせながら判断します。
特許審査官になるには、まずは国家公務員採用総合職試験に合格し、その後特許庁の入庁試験に合格する必要があります。なお、海外企業・個人からの出願の対応もするため、語学力も求められます。
家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官は家事事件や少年事件が発生した際、事件の背景や関係する人などの調査をおこないます。
具体的には、当事者や家族、その他関係する人の話を聞き、その内容をもとに事件が起こった背景を調査したり、解決策を考えたりします。
家庭裁判所調査官になるには、裁判所職員採用試験の総合職試験に合格し、裁判所職員研修所で約2年間の家庭調査官養成過程を受講することが求められます。
公証人
公証人は、国の公務である公証作用を担当する人のことです。公証人は市民の生活や財産などの権利に関するトラブルを未然に防ぐことを目的に以下のようなことをします。
公証人の仕事内容
- 公正証書で契約書を作成する
- 公正証書で遺言書を作成する
- 会社の設立定款を認証する
- 公正証書で任意後見契約書を作成する
公証人になるには、司法試験合格後、司法修習生を経た法曹有資格者から任命される必要があります。なお、年収は2,000〜3,000万円と高いのが特徴的です。
特許技術者
特許技術者は、特許を出願する前、または出願後に特許庁に提出しなければいけない書類を作成する人を指します。特許の出願手続きは弁理士がおこなわなければいけないと法律で決まっています。特許技術者はその前後をサポートします。
特許技術者は資格が不要です。特許事務所に就職することで特許技術者として働けるようになります。
なお、中には弁理士の資格取得を目指しながら特許技術者として働いている人もいます。また、キャリアによって異なりますが、年収は300〜700万円ほどです。
法テラス職員
法テラスとは、トラブルの解決に必要な法律関係の情報やサービスを提供する機関のことです。法テラス職員は、文字通り法テラスで働く職員を指します。
具体的な業務は以下が挙げられます。
法テラス職員の仕事内容
- トラブル解決に役立つ法制度や相談窓口情報の提供
- 無料法律相談の受付
- 被害者とその家族に支援情報の提供
- 法テラスの事務作業
このように、トラブルが発生した人に対して情報を提供するのが主な仕事です。
法テラス職員になるには、日本司法支援センターの職員採用試験に合格する必要があります。資格は必須ではありませんが、法学部を卒業していたり、消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタントなどの資格を保有していたりすると就職が有利になります。
通関士
通関士は税関を通る際に必要になる業務を代行する人を指します。具体的には、通関に関連する書類を作成したり、手続きをしたり、申請が通らなかった場合の不服申し立てをしたりします。
また、取引をする品物が法律に反していないか、関税や消費税が発生するかどうかなどの審査もおこないます。
通関士になるには通関士試験に合格する必要があります。また、試験合格後に通関業者に就職し、業者から通関士としての届出がされ、財務大臣による確認が完了すると通関士になれます。
公正取引委員会審査官
公正取引委員会審査官は、消費者の通報やリサーチの結果から、独占禁止法の疑いがある企業を審査する人を指します。疑いがある会社に立ち入り調査することもあり、そのうえで違反行為があったかどうかを判断します。
公正取引委員会審査官になるには、国家公務員採用試験に合格し、公正取引委員会の採用試験に合格する必要があります。商法に関する知識があると就職が有利になります。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、不動産取引が公正におこなわれているかどうかを、法のもと判断する人のことです。宅建士とも呼ばれます。
不動産の重要事項を説明することは宅地建物取引士の独占業務です。宅地建物取引士になるとその土地や建物の登記や広さ、電気・ガスの供給施設、キャンセルをする際のルールなどを説明できるようになります。
宅地建物取引士になるには宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の宅地建物取引士資格登録を受ける必要があります。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る「専門的な立場でかかわるか・それを支えるか」を考えてみよう
どんな法律関係の仕事に就きたいかを考える時、いくつかの判断基準があります。
まず、専門的な立場でかかわるか、それを支える仕事をするかで分かれます。専門家としては、資格取得が前提となります。それを支える仕事は秘書や事務スタッフなどであり、資格がなくても就くことができます。また、働きながら資格取得を目指すという人もいます。
次に、専門家としてかかわる場合、「どのような人の、どんな場面で、どのような役割をもって役に立ちたいか」によって、取るべき資格も就活でエントリーする先も変わってきます。
専門的な立場でかかわる例として挙げられるのは、不動産売買の場面です。不動産会社に勤めて宅地建物取引士として主に取引契約までの部分でかかわることや、司法書士として登記の手続きを滞りなくおこなうなどの選択肢があります。
法律関係の仕事と一口に言っても法律へのかかわり方はさまざま
司法試験のように同じ試験に合格しても、その先の進路は弁護士、裁判官、判事とわかれて、弁護士も企業内弁護士や弁護士事務所に所属した弁護士では顧客や扱う案件が異なります。
法律は国家単位から個人単位まで、あらゆる活動を支える基本ルールです。なんとなく法律関係の仕事を志望するのではなく、実際に法律がかかわる場面を想定して職業選びをしてください。
身に付けておこう! 法律関係の仕事に必要なスキル
法律関係の仕事に必要なスキル
- 法律に関する専門知識
- コミュニケーション能力
- 文章力
- リサーチ力
法律関係の仕事をする際、共通して必要になるスキルがあります。大学生のうちに必要なスキルを身に付けておくことで、即戦力として採用される可能性を高められますよ。
法律に関する専門知識
法律関係の仕事をするには、法律に関する専門知識が必要不可欠です。弁護士や行政書士など資格が必要な仕事はもちろん、法律関係の秘書や施設の職員も、専門的な知識がなければ適切な行動ができなくなります。
法律に関する専門知識は大学の法学部で学んだり、資格取得に向けた勉強をする中で身に付けられたりします。すぐに身に付けられるものではないため、時間をかけてコツコツ学習することが重要です。
法務関係の専門知識を磨くなら、脳の特徴を活かした学習法を推奨しています。
人の脳は重要なこと以外を自動的に忘れるようにできているので、最初から完璧に覚えようとせず、忘れたら繰り返し覚えましょう。そのため、参考書をコロコロ変えないことも重要です。
コミュニケーション能力
法律関係の仕事では、顧客対応をしたり、チームでプロジェクトを進めたりするため、コミュニケーション能力が必要になります。
特に必要なコミュニケーション能力はこちらです。
法律関係の仕事に必要なコミュニケーション能力
- ヒアリング力
- 説明力
- 交渉力
- 質問力
法律関係の仕事は、相談を聞いたり、法律の説明をしたりするなど、業務の範囲は多岐にわたります。それぞれの業務を円滑に進めるためにも、上記のようなコミュニケーション能力が必要になるのです。
コミュニケーション能力の中でも、傾聴力とロジカルなコミュニケーション力を身に付けるようにしましょう。
傾聴力とは、ただ聞くのではなく、五感を使って相手の気持ちや想いを聴くことです。相手の話を本質的に理解できるようにしましょう。
また、法律関係の仕事にはロジカルな思考力が求められるので、常に論理的に考えて発言する癖をつけることも大切です。
文章力
法律関係の仕事をすると、法律に関する知識が少ない依頼者にわかりやすく伝えなければいけない場面があります。その手段には言葉だけでなく、文章を用いることもあるため、文章力が必要になるのです。
また、日本には数多くの法律関係の事務所や施設があります。自分が所属する事務所・施設を利用してもらうにはホームページ(HP)やSNSなどで発信することが必要になります。その際、文章力を磨いておくと、「ここに依頼すれば悩みが解決できる」と判断してもらえるようになり、利用者数が増えることが期待できます。
- 文章を書くのが苦手です。法律関係の仕事に必要な文章力はどのようにして身に付けられますか。
わかりにくい文章をわかりやすく言い換える練習をしよう
同じ法律職でも仕事によってかなり変わってきますが、大きくわけると、法律に則った書式や言葉で文書を作る仕事と、法律の内容を噛み砕いて一般の人に説明しなければならない仕事の2通りがあるように思います。
2つの共通点としては、法律の独特な言い回しや用語の意味を理解しなければならないということですが、これは試験勉強の段階でかなり鍛えられるでしょう。
文章力を上げる方法は、日々起こる出来事や見聞きするわかりにくい文章などをわかりやすく言い換える練習をすると良いでしょう。たとえば、Yahoo!知恵袋などのサイトの質問に簡潔に答える練習などは、比較的短時間で取り組みやすいと思います。
リサーチ力
法律関係の仕事をすると、法律や過去の判例をリサーチすることが多々あります。依頼者やその関係者からの話を聞くことも重要ですが、正しい判断をするには、過去に同じようなことがなかったか、適用される法律は何かなどをリサーチすることが重要になるのです。
リサーチ力を鍛えるには、仮説を持つことが重要になります。「解決策はこれなのではないか」という仮説を持ったうえでリサーチし、当てはまればさらにリサーチを進め、外れていれば再度リサーチし直すことで、効率良く進められるようになります。
論文やレポートなど、学生生活の中でリサーチが必要になる場面があるかと思います。そのような機会を活用してリサーチ力を鍛えていきましょう。
法律関係の仕事に向いている人の特徴
法律関係の仕事に向いている人の特徴
- 学習することに苦を感じない人
- 几帳面な人
- ルールを守る真面目な人
- 予想だにしない出来事でも冷静に対応できる人
法律関係の仕事には向き不向きがあります。就職後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、今のうちに自分が向いているかどうかを確認しておきましょう。
学習することに苦を感じない人
法律に関する情報は膨大なうえ、制度や時代の変化によって法律も変わるため、常に学習し続けることが求められます。
当然、仕事をしながらの学習になります。業務の中から学ぶこともありますが、就業時間外、または休日に学習しなければいけないため、学習することに苦を感じる人は大きなストレスとなることが考えられます。
一方で、学習することに苦を感じない人は常に新しい情報を入手できるため、時代に応じた適切な対応ができるようになります。
几帳面な人
法律関係の仕事は、少しのミスが大きなリスクとなることがあります。たとえば、契約書に一文でもミスがあると、依頼者にとって不利益になる可能性があるのです。
そのため、細かい部分まで見渡し、少しのミスも気が付く几帳面さが必要になります。また、法律関係の仕事に限らず、ミスが少ない人は企業から重宝されるため、学生のうちから、物事を隅々まで細かく確認する癖を付けておくのがおすすめです。
ルールを守る真面目な人
法律とは国によって定められたルールです。法律関係の仕事をする以上、法律というルールの範囲内で物事を進めなければいけません。
普段からルールを守れる真面目な人は、どんな状況でも法律を守ったうえで仕事ができることが期待できます。
予想だにしない出来事でも冷静に対応できる人
法律関係の仕事をしていると、予想だにしない依頼をされたり、出来事が起きたりすることがあります。
たとえば、過去の事例がないような事件・事故が起こったり、依頼者から無理な要望を言われたりすることがあります。
そのような状況でも冷静になって、適切な対応をすることが求められます。普段の生活から、臨機応変な対応を取るのが得意な人は、法律関係の仕事に向いているといえます。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る法律関係の仕事で活躍している人には共通点がある
現在法律関係の仕事で活躍している人は、上記以外にもいくつか共通点があります。
①正義感が強い
法律を扱う職業の人の必須要素は、正しいことを正しいといえるか、正しくないことを正しくないといえるかどうかです。正義感を持って指摘できる力がないと、法律関係の仕事で活躍することは難しいでしょう。
②論理的なコミュニケーションスキルがある
法律を扱うといっても、社内の人や顧客、ほかの弁護士や裁判官などとのコミュニケーションは必須です。また、法律は複雑なルールに基づいているので、それを論理的に考え、的確に伝えるコミュニケーション力が大切です。
③粘り強い人
法律関係の仕事には、想像以上に時間を要したり、コミュニケーションで苦労をする場面が多々あります。そういった状況でも根気強く向き合っていく粘り強さが求められます。
もしかすると、ここまでを読んで「自分にはできない……」と不安になっている人もいるかもしれません。
でも大丈夫です。上記のような特徴は最初からできてしまう人もいますが、後天的にトレーニングして磨き上げることも可能です。あなたが本気で法律関係の仕事をしたいのであれば、少しずつでも良いので上記のことを意識しながら生活してみるようにしましょう。
就活が有利になる! 法律関係の企業に就職するためのポイント
法律関係の企業に就職するためのポイント
- 法律関係の資格を取得して自己PRでアピールする
- リーガルマインドを兼ね備えていることをアピールする
- 法務・法律関係のインターンに参加して実務経験を積む
前述の通り、法律関係の仕事は資格が必要だったり、募集人数に対する応募人数が多かったりするため、就職するのが難しい傾向があります。
資格が必須の場合は取得しなければいけません。そのうえで法律関係の企業に就職するには、これから解説するポイントを押さえることが重要です。希望の企業・事務所に就職するためにも確認しておきましょう。
法律関係の資格を取得して自己PRでアピールする
法律関係の仕事には、資格の取得が条件になっていないものもあります。そのような求人は誰でも応募可能ですが、法律関係の資格を取得すると、自己PRで良いアピールができるようになります。
これから法律関係の知識を身に付けたい人におすすめの資格がビジネス実務法務検定試験です。レベル別で1~3級に分けられており、3級であれば初心者の人でも取得可能です。
自分に合ったレベルの資格を取得して、自己PRでアピールしましょう。
自己PRで何を話せば良いかわからない人は、こちらの記事を参考にして自己PRで話す内容を考えましょう。
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!
リーガルマインドを兼ね備えていることをアピールする
リーガルマインドとは
物事を論理的に考えて、妥当性のある判断ができる能力のこと。「法的思考」や「法的判断力」などとも言い換えられる。
法律関係の仕事をする際、リーガルマインドを兼ね備えていることで、物事を論理的に考えられるようになるため、スムーズかつ正確に仕事ができるようになります。また、トラブルが発生した際、双方の主張をまとめて、どちらも納得のいく結論を導き出せるようにもなるため、法律関係の仕事をする人には必要なのです。
リーガルマインドは法律に関する学習をしたり、論理的思考力を学んだりすることで身に付けられます。そして、日常生活で法律に従った判断をしたり、論理的思考力を発揮したりする経験があると自己PRでアピールできます。リーガルマインドを積極的に発揮して、そのエピソードを自己PRでアピールしましょう。
法務・法律関係のインターンに参加して実務経験を積む
法律関係の仕事に限らず、実務経験がある人は即戦力になるため、企業は積極的に採用したいと考えます。インターンシップも立派な実務経験です。法務・法律関係のインターンに参加すると実務経験が積めて、就職が有利になります。
法務・法律関係のインターンは、インターン用の求人サイトや大学のキャリアセンター、すでに就職している先輩からの紹介などで見つけられます。法務・法律関係のインターンをしながら資格の学習もすることで、より理解度も高められますよ。
どんなインターンに参加すれば良いかわからない人は、こちらの記事を参考にして、自分に合ったインターンを見つけましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
法律関係の仕事に就くにあたって資格を取得しておけば、知識を持っていることに加えて、勉強に取り組む努力ができることを証明することができます。
そのほかにパーソナルな部分では、バランスの良い判断力やルールを守る姿勢・倫理観などもアピール材料になるでしょう。
仕事内容は多岐にわたる! 自分に合った法律関係の仕事を見つけよう
法律関係の仕事は多くの種類があり、それぞれ業務内容や必要な資格などが大きく異なります。まずは自分が何をしたいのかを明確にすることが大切です。
この記事を参考にしてそれぞれの仕事内容を把握して、自分に合った法律関係の仕事を見つけましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る法律にかかわる仕事は人や会社を守っている大切な仕事
日本は法治国家であって、現代人は見えないところで法律に助けられて、守られていることも事実です。個人も法人も、法律は常に日常とかかわっています。
会社ならば会社法や商法、個人情報保護や知的財産の管理、PL法などもあります。個人ならば労働基準法、民法や労働安全衛生法は非常に身近なものですね。
普段はあまり意識していないかもしれないですが、昔、労働安全衛生法ができてから約3年の間に、労働災害で死亡する人は2,000人以上も減ったのです。
以降、景気にかかわらず死亡災害は減り続け、今では約800人前後までになりました。法律ができる前は、仕事中に仕事が原因で亡くなる人が6,000人以上もいたのです。
法律にかかわる仕事に就くのは難しいがやりがいが大きい
弁護士などは最近時事問題の解説で有名になる人も増えてきました。しかし、主に法人を顧客とする法律職は、顧客企業の人事や権利にかかわるところで、目立たないながらも重要な役割を果たしています。
法律にかかわる仕事を目指す人には、難しいけれどやりがいのある仕事という認識で、前向きに取り組んでほしいと思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細