この記事のまとめ
現代では、IT社会と呼ばれるほどにコンピューターやソフトウェアを日常生活に活用するようになりました。ITがより日常生活にとって身近なものになったからこそ、多くの人にとってIT業界は就職先の選択肢の中の一つです。
一方で、「これまでITついて特に勉強してきていない」「未経験でもIT業界は挑戦できるのか」と悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、特にIT業界が未経験の人にわかりやすいように、IT業界の基本的なことから就職活動に役立つさまざまな情報まで徹底的に紹介しているので、これからIT業界への就職や転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもITとは?
最近ではITという言葉はとても日常的に使われるようになりましたが、コンピューターに関連した技術的な分野のことだろうと曖昧なイメージで何気なく使っていることも多いでしょう。
ITとは?
「Information Technology」という英単語の頭文字を取った言葉で、直訳すると「情報技術」という意味の言葉です。一般的には、コンピューターを使って電子的な情報であるデータを作ったり、作成したデータを運用管理するといった技術の総称として用いられています。
IT企業は、ITに関連した製品の開発や運用をしている組織で、通常ソフトウェアに関連した事業をおこなっている企業のことを指します。
ちゃんと知ってる? IT業界の基本情報
IT業界は、パソコンなどの機器やアプリ、Webサイトに関連した仕事をする業界というイメージを持っている人は多いでしょう。
ここでは、改めてIT業界について基本的な情報をまとめて紹介しています。
特にこれからIT企業への就職や転職などを考えている人は、ぜひ自分の目指す業界について改めて確認してみてください。自分が携わることになる仕事について正しく知っておけば、面接の質問などにも自信をもって回答することにも役立つでしょう。
IT企業が扱うソフトウェアとは
ソフトウェアとは?
ソフトウェアとは、コンピューターや電子機器上に搭載されるプログラムを指します。電子機器の用途によって違うプログラムが構成され、利用者に一定の機能を提供します。
パソコンやスマートフォンのように私たちが日常生活で使う電子機器だけでなく、最近では洗濯機のような家電や自動車や航空機のような大型の機器にまでソフトウェアが使われています。
IT企業では、利用者の生活や業務における諸問題を解決して、より便利で快適な生活ができるような新しい製品が次々と生み出されています。
ソフトウェアは、古くからさまざまなことの自動化に役立てられてきましたが、昨今では大量のデータや高速な通信網を使うことで人の思考まで模倣させようという試みのように、より高度なことへの活用が研究されています。
意外と知らないソフトウェアの種類
ソフトウェア・ITシステムの種類
- 携帯端末上でさまざまな機能を提供するスマートフォンアプリ
- インターネットを通じて世界中の人びとに便利な機能を提供するWebサービス
- 完成された一つの形を提供するパッケージソフトウェア
- 特定の業務へ特化してサポートする業務用ソフトウェア
- 電子機器などに潜んでより便利な機能を提供する組み込み系ソフトウェア
ソフトウェアというと、身近なスマートフォンアプリやWebサービスを想像する人も多いと思いますが、それ以外にも多くの場面で使われています。
ここでは、代表的なソフトウェアやITシステムの種類を紹介しています。
IT企業に就職した後に、どのようなソフトウェア制作に携わることがあるのか、あらかじめしっかりと予習しておきましょう。IT企業は仕事の中でほかのIT企業と連携することもあるので、自分が作りたいと思っているソフトウェア以外を知っておくことも大事です。
①携帯端末上でさまざまな機能を提供するスマートフォンアプリ
日本だけでなく世界で爆発的に使われるようになったスマートフォン。そのため、近年のIT企業ではスマホアプリを制作することが非常に多くなっています。
IT企業では、私たちが普段の生活で使う電車の乗り換えや友人とのコミュニケーションをサポートするようなスマートフォンアプリのほかにも、大型機械の操作をスマートフォンでおこなうような業務用のアプリ制作もおこなわれています。
最近では大規模なソフトウェアの一端にスマートフォンアプリもあるといった使われ方も多くなっていますが、一般的にはスマートフォンアプリの制作は比較的小規模な場合が多いので、このソフトウェアを制作するIT企業の仕事は動きが早く活発である場合が多いです。
②インターネットを通じて世界中の人びとに便利な機能を提供するWebサービス
Google Chromeなどのインターネットブラウザを使って、AmazonのようなEC(ショッピングサイト)やNetflixのようなWebサービスを日常的に使うことで、豊かで快適な生活を得ることができています。
Webサービスとは、インターネットに接続されて24時間動いている「Webサーバー」という特殊なコンピューターから、インターネットブラウザで閲覧したり操作できる情報を提供するITシステムです。
Webサービスは特に外観の重要性が高い分野であるとともに、ITインフラのネットワークやサーバーとも非常に密接な関係があり、Webサービスを扱うIT企業内ではさまざまな能力を持った人達が活躍しています。
③完成された一つの形を提供するパッケージソフトウェア
ソフトウェアは、昔はフロッピーディスクやCDなどに入れたものを、箱詰めにして販売するという商業形態が主流でしたが、現在はWebサイトなどでダウンロード販売される形態も多くなっています。
画像や動画の編集や、音声の録音のような一定の機能に特化したソフトウェアを、パッケージ(ソフトウェア)と呼びます。家庭用ゲーム機で動くゲームソフトなども広い意味ではパッケージに分類され、一般的な利用だけでなく業務での利用を対象としたものも含みます。
パッケージは、人から依頼されて作られたソフトウェアではなく、IT企業が自ら考えて販売している製品で、企業の顔にもなる重要なソフトウェアの一つです。
④特定の業務へ特化してサポートする業務用ソフトウェア
私たちの日常生活とは違うところで活躍するソフトウェアもたくさんあります。特定の企業での利用に特化して、販売在庫や売上などを管理するソフトウェアはIT業界では基幹システムと呼ばれ、企業や社会を支える重要なソフトウェアの一つです。
また、工場などで動いているロボットやベルトコンベアの制御にもソフトウェアが使われおり、工場の自動化にかかわるソフトウェアはファクトリー・オートメーション(FA)と呼ばれています。
ファクトリー・オートメーション(FA)とは?
工場などにおける生産工程の自動化を実現するシステムのこと。従来人間がおこなっていた作業を自動化することにより、安全性・生産性の向上を図っています。
これらの特定業務を支えるソフトウェアの製造は、利用企業と入念な確認を何度もおこないながら、長い期間をかけて慎重におこなわれます。大規模なものでは、数年単位の期間と数千万・数億円といった規模でソフトウェアの制作がおこなわれることも珍しくありません。
⑤電子機器などに潜んでより便利な機能を提供する組み込み系ソフトウェア
最近は、腕時計がインターネットに接続してさまざまな情報が表示できたり、眼鏡のレンズ部分に道案内などの情報が表示されるなど、身の回りの機器にもITの活用が進められています。IT業界では、特定の機器に対してソフトウェアを組み込む分野を組み込み系と分類します。
特に機器をインターネットに接続することで、飛躍的に提供機能の質を向上するという分野はIoT(Internet of Things)とも呼ばれ、IT企業だけでなく電子機器メーカーなども含めて社会的に非常に注目が集まっています。
IoTとは?
「Internet of Things」の略で「モノとインターネット」という意味。あらゆる「モノ」と「モノ」がインターネットを通してつながっていくことで、遠隔操作ができたり電子機器同士の通信も図れます。
ソフトウェアに関する仕事を知ろう! IT企業の主な仕事内容
一般の人はIT業界の中でどのような仕事がおこなわれているのかを知る機会は少ないので、これからIT業界を目指す人も、自分が実際に仕事をしている姿を想像をすることが難しいかもしれません。
ここでは、IT企業がおこなっているソフトウェアに関する仕事が、実際にはどのような内容なのかを簡単に紹介しています。IT企業ではソフトウェアを作り上げるために、技術的な能力が高い人が中心となってチームを引っ張り、協力・分担しながら仕事が進められています。
本気でIT企業への就職を考えている人は、自分がIT企業に入った後に技術力を活かしてどういった仕事をしていくのか、ぜひ働くイメージを考えてみてください。
ソフトウェアをどのように作るか具体的に考える「設計」
ソフトウェアを作る手法にはいろいろな方法がありますが、一般的には最初に「設計」という作業をします。建物を建築する際におこなわれる設計と同じように、ソフトウェアをどのように作っていくのかを具体的に決めていく作業で、最終的には設計書や仕様書という文書を作ります。
対象の業務や利用者の状況に合わせて技術的な要素をまとめるために、技術力だけでなく高いコミュニケーション能力も必要なため、経験豊かなエンジニアを中心として進められることが多い仕事です。
ソフトウェア制作の中では上流工程に分類される非常に重要な仕事で、時間をかけて知恵を出し合いながらおこなうことが多い一方で、小規模なスマートフォンアプリやWebサイト制作などでは製作期間短縮のためこの工程を重視しないこともよくあります。
プログラミングなどで実際に動くソフトウェアを作る「製造」
設計書や仕様書をもとにしながら、実際にコンピューター上で動くソフトウェアを作る作業を「製造」と呼びます。
ソフトウェアの製造における代表的な作業にはプログラミングがあります。プログラミング言語は、コンピューターへの命令を人間が判断できる状態にした言語で、対象となるコンピューターや環境などによってさまざまな種類があります。
プログラミング以外にも、ソフトウェアに必要になる画像や動画、音声といった素材についてもこの製造工程で作られ、プログラムと合わせて一つにまとめていきます。
製造するためには必要になる技術を習得しておく必要がありますが、仕事の目的が明確でわかりやすいので、IT企業の数ある仕事の中でも未経験の人が担当しやすい仕事の一つです。
正しく動くソフトウェアであることを試験する「テスト」
出来上がったソフトウェアが、設計書や仕様書通りに作られていることを確認する作業をテストと呼び、IT企業の中では品質管理する部門が担当します。
ソフトウェアの品質が悪いと、正しくない動作をする状態が含まれた状態で利用者に提供されてしまいます。
こういった不具合は、医療関係など特定の業務ソフトウェアでは人命にかかわることさえある危険な問題なため、IT企業は品質管理に最大限の力を入れています。
テスト工程では、経験や知識のある人が作業手順をまとめ、作業担当者がそのテストを実施するという役割分担がおこなわれることが多いので、テストの実施は未経験の人も対応しやすい仕事の一つです。経験の浅いエンジニアの教育のために、研修でテスト工程を経験させるといったこともIT企業ではよくおこなわれます。
サービスを安定して供給し続ける「保守・運用」
インターネットを使って提供されているソフトウェアサービスなどでは、正常に動き続けることをサポートしながら、利用者の声を反映してより便利なサービスになるように改善するといったことがおこなわれることも多くなりました。
IT企業の中でも製品を開発するチームと、既存サービスの運営をするチームが分かれていることも珍しくありません。
定期的に決められた作業をする保守や、日々のサービスに発生するさまざまなことに対処する運用といった業務は、作業手順など対応マニュアルなどが整備されていることも多く、技術と触れ合いながら知識を増やしていくこともできるため未経験の人にもオススメの仕事の一つです。
IT業界に就職するなら知っておきたいこと
IT業界は、ソフトウェアを制作する製造業の一面を持ったサービス業で、基本的には指示された作業を決められた期限でおこなっていくという仕事です。
IT業界でも、指示を受けた作業についての状況を報告したり、想定通りに進まない場合の連絡や相談といった、仕事をするうえでの社会人としての振る舞いは同じく必要になります。
ここでは、一般的な仕事についてではなく、「IT業界ならではの特徴」をいくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
実力次第で上を目指せるやりがいのある仕事
IT企業では、採用試験だけでなく、仕事の割り振りやプロジェクトの人選など多くのことで技術力や知識、経験などが考慮される傾向にあります。
実力のある人はより高度で高収入な仕事を担当する機会が多く得られるため、IT業界は、個人の努力が認められやすい業界といえるでしょう。
自分の得意な分野に絞ってより高度で専門的な知識を習得していく方法のほかにも、技術力のある人とのつながりを大事にして大規模なソフトウェア制作を可能にするなど、さまざまな方法で自分の価値を高めていくことが大切です。
人手不足で就職には好機
IT業界は人々から注目されており、就職の時期などになると話題にあがることも多いでしょう。頻繁にIT業界のことを耳にすると、IT企業への就職は競争率が高いのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。
ですが、IT業界の人材不足は深刻な状態が続いており、これからまだ長い期間改善の見通しは立っていません。IT企業への就職状況としては、現時点では間違いなく売り手市場で、就職先の選択肢が多くある、良い状況といえます。
不足する人材の対策として、企業側も社員教育などに力を入れていることも多く、採用では初期スキルよりも仕事への適性が重視される傾向もあるので、技術力などを習得するだけでなく、IT企業の仕事についてもしっかり確認しておきましょう。
Web3.0も含めて将来さらに発展する業界
第四次産業革命とも呼ばれるIoTやAI、ドローンを使った技術などの多くには、ソフトウェアやコンピューター技術がかかわっていて、IT業界はまさにその中心に位置しています。
最近ではWeb3.0やそれにともなう金融関係の情報処理技術の活用といった研究が進められている発展中の業界なので、これからの将来さらに便利で実用的なソフトウェアやサービスがどんどん登場してくるでしょう。
IT業界は、今だけ話題になって注目されている業界なのではなく、将来的にはさらに社会の中で重要な役割を果たすことが期待されている業界です。
自分にあった仕事を選ぼう! 未経験者にオススメのエンジニア職
IT業界のエンジニアには、プログラマーのような製造に直接かかわる職種から、システムエンジニアのように人をまとめながらソフトウェアを完成に導く職種まで、とても多くの種類があります。エンジニアによって仕事の役割は違い、業務で必要になる知識やスキルも異なります。
ここでは、特に未経験の人がIT業界に就職する際にオススメのエンジニア職を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
プログラミング作業が含まれる職種 | プログラマー Webエンジニア |
人との交渉や調整が重要な職種 | システムエンジニア |
将来性の高いITインフラに関連した職種 | ネットワークエンジニア サーバーエンジニア データベースエンジニア |
勉強しやすく募集も多い「プログラマー」
プログラマーは、IT業界のエンジニアの中でも特に有名で募集も多い職種です。
プログラマーは、プログラミング言語を用いてコンピューター上で動くソフトウェアを実際に作ります。大規模なソフトウェアの製造には、大量のプログラムが必要になるので、IT業界では非常に多くのプログラマーが活躍しています。
プログラマーにはプログラミング言語の知識が必要になりますが、ほかのプログラマーと協力して問題を解決していきながら経験や知識を積み上げていきやすい仕事なので、未経験の人にもオススメの職種です。
自己投資次第で広い分野や職種へキャリアアップすることもできる、やりがいのある職種でもあります。
多くの人に仕事を見てもらえる「Webエンジニア」
Webエンジニアは、Webサイトに関係したシステムを制作する技術職です。Webサイト制作はエンジニアとデザイナーが協力しながら一つのWebサイトを作り上げていくような仕事です。
また、逆に見た目にまったく影響しないサーバーやネットワークというインフラ技術とも密接な関係にあるので、さまざまな能力を持った人たちが活躍している業界でもあります。
Webサービスは日常的に触れることも多いため、未経験の人でも理解しやすいでしょう。また仕事の成果を友人などにも見てもらえる機会が多いので、やりがいや達成感を得やすいのも特徴の一つです。
人をまとめるチームの中心「システムエンジニア」
ソフトウェアを作るためには、どのような機能が必要なのかなどを顧客と話し合いを繰り返して、それらについて技術的な実現方法を決定していくという作業が必要です。
IT業界ではこの作業工程を設計と呼び、システムエンジニアが中心となって作業を進めていきます。システムエンジニアには技術的な知識だけでなく、利用者とエンジニア双方と円滑にコミュニケーションを取って情報を取りまとめるといった能力が求められます。
システムエンジニアの採用においては、勉強して習得できる技術的な知識よりも仕事への適性があることを重視する傾向も強いため、未経験であることが不利になりにくい職種です。
将来性抜群で安定した「ネットワークエンジニア」
IT業界の仕事の中でも、抜群に将来性が高いのがインフラ分野の仕事です。ITにおけるインフラは、通信に使うネットワークやサーバーなどのサービスを支える技術を指し、インフラ分野の技術職はインフラエンジニアと呼ばれることもあります。
ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一つで、インターネットを含んだネットワークを専門に扱う技術職です。
ネットワークエンジニアの仕事には、新しいサービスを設計構築する仕事のほかに、稼働中のサービスを運営保守する仕事があり、未経験の人も技術を学びながら経験を積みやすくオススメの職種です。
サービスを支える頼れる裏方「サーバーエンジニア」
サーバーエンジニアは、インフラエンジニアに含まれる技術職の一つで、サービスの運営に欠かすことのできないサーバーを中心として扱います。
サーバーとは、利用者に対して特定の機能などを提供する機器のことで、一般的には24時間動き続ける特殊なコンピューターのことを指すことが多いです。サーバーが動き続けているため、私たちはスマートフォンアプリなどで24時間いつでもメッセージを投稿したり動画コンテンツを楽しむことができています。
サーバーエンジニアになるための勉強は、プログラミング言語などと違って環境を用意するのが少し大変ですが、使われる技術に流行などの動きは少なく、勉強したことが無駄になりにくいので、未経験の人が目指す職種としてもオススメです。
情報管理のスペシャリスト「データベースエンジニア」
近年のソフトウェアは非常に膨大な情報(データ)を扱うことが多くなっており、データを扱う専門的な技術者であるデータベースエンジニアは、多くのIT企業が必要としています。
データの種類はさまざまですが、EC(ショッピングサイト)の商品や販売の情報や、サイトや動画の閲覧数といったものまで広くデータとして管理されています。
データベースシステムでは、膨大なデータを管理するためにSQLという制御用の言語を使います。データベースエンジニアにはSQLの知識とともに、サーバー上で長期間安定して動き続けるための設定などの知識も必要です。
プログラミング言語と比較するとデータ制御に特化したSQL言語は理解もしやすいので、未経験の人にもオススメの職種です。
エンジニアに必要となるスキル
エンジニアに必要なスキル
- 論理的な思考力
- コミュニケーション能力
- IT分野に関する興味
- 知識や技術に関する向上心
IT企業で活躍するエンジニアにはさまざまな職種がありますが、ソフトウェアという最先端の技術を駆使した製造業として、共通して必要になる考え方やスキルなどがあります。
ここでは、エンジニアに求められる共通スキルについて、わかりやすく紹介しているので、職種への適性を確認するのに役立ててください。紹介するスキルや考え方は、採用試験の面接での回答の方向性や考え方の方針としても重要なので、理解したうえで自分なりの考え方を持って面接対策を万全にしましょう。
①論理的な思考力
コンピューターは曖昧な対応が苦手なので、ソフトウェアで正しく扱うためには、目的を達成するための明示的な命令が必要です。明確な一つの答えにたどり着くためには、必要なことを着実に積み上げていける論理的な思考力が欠かせません。
また、決められた期間内で求められているソフトウェアを確実に作るために、計画を立てて実行して、不測の事態にも対処する必要があるので、エンジニアの仕事では技術面以外でも論理的な思考が求められます。
論理的な思考力はエンジニアの適性としては非常に重要な要素で、面接などでは「問題に対してどのように考えて行動したか」といった質問などから判断されることも多いため、日々の生活の中でも考える訓練を繰り返して、論理的な思考が自然にできるように準備しましょう。
②コミュニケーション能力
エンジニアは個人でパソコンに向かって作業をする仕事と思われがちですが、ソフトウェアはチームで協力しながら作るのが一般的で、エンジニアにも円滑なコミュニケーションをする能力が必要とされます。
人を取りまとめることが多いシステムエンジニアやプロジェクトマネージャーのような職種では特に重要な能力ですが、プログラマーのような職種でも、作るものの指示を受けて完成後に報告したり、上司や先輩に相談するといったコミュニケーションは、日々の仕事で必要となります。
技術に詳しくなってくると自分の知識を誇示したくなるものですが、エンジニアに求められるのは相手の立場に立ったコミュニケーションがとれる能力なので、つねに謙虚で相手が最も理解できる言葉や説明方法を考える慎重さが重要です。
③IT分野に関する興味
エンジニアは技術力を使ってソフトウェアに関連した仕事をする職種で、現在使われている技術に対して知識があれば日々の仕事に支障はありませんが、新しい技術やIT分野全般に対して興味がある人の方が、有利になることが多い業界です。
IT業界自体は歴史も浅く、現在も凄まじいスピードで進化を続けている業界です。ソフトウェアで使われる技術も変化し続けていて、より便利で生産効率が高い技術などは、瞬く間に拡散され、場合によっては既存技術と入れ替わりをすることもあります。
新しいIT分野について積極的に自己投資するエンジニアは新分野のソフトウェア制作の仕事にかかわりやすく、特に営業に近い役目も担うシステムエンジニアなどでは非常に重要視される要素です。
④知識や技術に関する向上心
ソフトウェアで使われる技術は非常に種類が多く、すべてを習得することは難しいですが、できるだけ知らないことを理解していこうという向上心は、エンジニアにとって非常に重要なスキルの一つです。
将来を含めて長い期間の中では、向上心のあるエンジニアの知識量は絶大なものになるので、採用時点から非常に重要視されます。
特に新卒の採用などでは採用時点の初期スキルよりも知識や技術に対する向上心の方が重要視されることも多いので、自分なりの考え方をまとめておいて、しっかりと回答で向上心を示しましょう。
IT業界に就職するなら押さえておきたいトレンド
特にこれからIT業界に入ることを考えている人は、現在のIT業界で注目されていることについては興味を持って調べておくことをオススメします。
IT業界は新しい技術に対して敏感で、多くのIT企業では注目が集まっている技術の活用アイデアを日々考えているため、面接などの質問で聞かれることも多いでしょう。
ここでは、現在IT業界で注目されているトレンドについていくつか紹介しているので、就職試験などで自分の意見を言えるように、興味のある分野についてはぜひ詳しく調べてみてください。
全世界が注目しているコンピューターの思考力「AI」
テレビのニュースなどで耳にすることも多いAIは、現在のIT業界で最も注目されている技術の一つです。
AI(人工知能)とは?
Artificial Intelligence(人工知能)のことで、コンピューターの計算能力を使って人間の思考を模倣して、社会の問題解決などに活用しようと研究が進められています。
近年コンピューターの処理能力は飛躍的に成長して、より人間に近い思考を実現できるようになりつつあり、今のIT業界は人々の生活に役立つAIの新しい活用方法を模索している段階です。
特にこれからIT業界に入ろうという人は、社会的な状況とともにAI技術についても基本的な内容を押さえておくと、採用試験などで有利になることもあるでしょう。
より便利で安全な新しいモノの形「IoT」
出典 : 総務省 – IoTデバイスの急速な普及
少し以前から洗濯機などの家電にもソフトウェア制御などが活用されるようになり、ITは人々の生活にも大きな貢献をしてきました。
現在は、広く一般的に活用されるようになった通信経路であるインターネットと、より小型で高性能になった身近な電子機器を組み合わせることで、よりいっそう便利なモノを作ろうという動きが活発で、そういった分野や機器をIoT(Internet of Things)と呼び、急速に普及が進んでいます。
小さな電子機器上のソフトウェアは、パソコンなどと違って非常に限られた環境の中で動くため、制作にはコンピューターの原始的な構造に関する知識や手順の複雑なプログラミング言語の習得が必要です。
これからの人々の生活を支える大きなビジネスとしてIT業界では非常に注目されているので、事前にしっかり調べておくことでIT業への関心を示せるでしょう。
超高速な通信技術で変わる情報産業の世界「5G」
技術の進歩はソフトウェア分野に留まらず、通信インフラについても短い期間で驚くほどの進歩をしてきました。
近年のIT業界では、新しい通信技術である5G(5th generation)にも注目が集まっています。5Gを活用することでこれまで困難だったことが可能になるなど、VRや遠隔医療など多くの分野での進歩が期待されています。
日々の生活の中で遅いネットワークに不便を感じる点などから、改善案を比較的思いつきやすい分野でもあるため、ぜひ興味を持って自分なりの考えを持っておきたい分野です。
未経験者がIT業界に入る前に勉強しておくべき技術
IT業界で使われる技術にはさまざまな分野があり、書籍やネット情報の種類も多いので、特に未経験の人にとっては何から勉強すればよいか迷うことも多いでしょう。
ここでは未経験の人がIT業界に入る前に勉強しておくべき代表的な技術について紹介しています。それぞれの技術が使われることが多い仕事などについても、わかりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしながら、勉強する内容を検討してみてください。
プログラミング言語:ソフトウェア制作の最も重要な基本
プログラミング言語は、ソフトウェア制作の仕事の中で最も基本的な技術でありながら、ほぼすべての制作作業で必要になる重要な技術でもあります。
プログラミング言語は、コンピューターや電子機器を制御する命令を、人が理解できる形式にした言語です。プログラミング言語にはさまざまな種類があり、対象となるソフトウェアや担当者によっても使われる言語が異なります。
ここでは、未経験者にオススメのプログラミング言語について紹介しているので、これから勉強する言語の選択などに活用してください。
Java | スマホアプリやWeb開発など広い用途で使われる |
JavaScript | Webサイトの見た目や動きにかかわり需要が多い |
PHP | Webサーバー上で使われる無料の高機能言語 |
C言語 | 組み込み系やIoTなどで活躍する原始的な言語 |
スマホやWebの開発など広い用途で使われる「Java」
Java(ジャバ)は、私たちが日常的に使うスマートフォン(Android)上のアプリやWebサイトといったソフトウェアの制作に使われることが多いプログラミング言語で、幅広い環境用のソフトウェアを制作できる特徴があります。
言語としての歴史も古く、この言語を参考にして作られたプログラミング言語も多くあるので、Javaを習得することでほかのプログラミング言語が早く習得できたり、理解が深まることも多いです。
多くのIT企業でJavaを使ったソフトウェア開発や運用保守がおこなわれていて、採用時点でJavaの知識がある人材は即戦力を期待されることも多いので、未経験者を含めてIT企業を目指す人すべてにオススメできる優秀なプログラミング言語です。
Webサイトのさまざまな動きを実現する「JavaScript」
Javaと非常によく似た名称の言語にJavaScript(ジャバスクリプト)があります。厳密にはコンピューターを制御するプログラミング言語ではなく、Webサイトという限られた空間内での表面上の制御をする用途で使われるスクリプト言語です。
JavaScriptは、Webサイト上でのマウス操作に応じて情報を表示したり、些細なアニメーションを再生するなど、豊かな表現を実現可能にします。
現在のIT企業では、新しいサイトの制作や既存サイトの更新といった仕事は多いので、JavaScriptを扱うことのできるエンジニアは必要とされ続けています。
パソコン一台さえあれば無料ですぐに勉強して作ってみることができるお手軽さもあって、プログラミング言語の世界に興味がある人が試しに触ってみる言語としてもオススメです。
サーバー上でWebサイトを構成する「PHP」
Webサイトの表面部分の動きはJavaScriptで作られますが、Webサイト自体はWebサーバー上で生成され、インターネットを通じてChromeなどのブラウザ上に表示されています。PHPは、サーバー上でのWebサイト生成に使われることが多いプログラミング言語の一つです。
PHPは、商用も含めて利用が無料で、データベースやネットワークにも強力な機能を備えているので、特に中小規模のWebサイト構築では初期費用を抑えるために導入されることが多い言語となっています。
サーバーやネットワークといったインフラに近いプログラミング言語で、習得する過程でIT技術について広い知識を得られるため、未経験者にもオススメの言語です。
コンピューターの細かい制御ができる古い歴史をもつ「C言語」
C言語は、数あるプログラミング言語の中でも特に歴史が古く、今でも使われることが多い言語です。C言語はインターネットやパソコンが普及する前からある言語で、非常に原始的で細かなコンピューターの命令を扱うことができます。
近年研究が進められているIoTや組み込み分野では、昔と変わらず小さな電子機器の限られた空間内で緻密な制御が必要とされており、C言語はそういった一部の分野を中心にまだまだ現役で活用されています。
未経験の人も、C言語から学習することでコンピューターについて原理から深く理解できるので、ほかの言語や技術について短い期間で習得できるようになるでしょう。
ネットワーク:インターネットを含んだ通信技術
私たちが日々の生活で普通に使っているインターネットですが、エンジニアには利用する側の知識ではなく提供する側の知識が必要とされます。
特にWebに関する通信技術については、Webエンジニアだけでなくプログラマーやシステムエンジニアのような職種でも日常的に仕事で扱うため、これからIT業界を目指す人は、ある程度基本的なことを勉強しておくことをオススメします。
ネットワークエンジニアなど専門的な分野の仕事では、インターネット以外のネットワーク全般に関する通信技術の知識も必要になります。
近年のソフトウェアではネットワークを使っていることが非常に多いため、ネットワークの知識があると仕事に必ず役立つので、特に未経験でIT業界に入ろうと考えている人は、ぜひ学習しておきたい技術です。
データベース:大量の情報を効率的に管理する
近年ではインターネットの普及も進んでソフトウェアの利用者数は増えているので、それにともないソフトウェアが扱うデータの量は爆発的に増えることとなりました。IT業界では効率よくデータを管理するために、データベースシステムを頻繁に使います。
すでに動いているデータベースを管理する仕事は増大し続けており、安定して快適なサービスの提供を続けるために、データベースの扱いに長けたエンジニアが求められ続けています。
見た目上の派手さがほとんどない分野ですが、幅広い仕事で扱う技術で、エンジニアの基本的な知識として必要になる場面は多いので、未経験の人も勉強しておきたい分野です。
OS・ハードウェア:ソフトウェアが動く環境についての知識
IT業界で働くエンジニアを目指す場合は、ソフトウェアを作る技術にばかり集中してしまいそうですが、ソフトウェアが動く環境であるOS(オペレーティングシステム)やハードウェアに関する知識も重要です。
OS(オペレーティングシステム)とは?
コンピューター全体を管理、制御する役割を持つ基盤となるシステム。ユーザーがパソコンやスマートフォンを簡単に操作できるようにする重要な役割を果たしています。PCに搭載されているOSの一つとして「Windows」が代表として挙げられます。
システム全体の構成を考えるシステムエンジニアのような職種では特に重要な分野でもありますが、プログラマーのような製造担当者でも効率的なプログラムを作るための基礎知識として必要です。
最近のスマートフォンアプリのように複数のプラットフォーム展開をするソフトウェア開発などでは環境に対する理解が必要なことも多いので、最低限主流な環境について技術的な違いなどを把握しておくとよいでしょう。
IT業界への就職で有利になる資格
IT業界での仕事をするうえでは、国の仕事など一部の例外を除いて資格が必須条件であることはほとんどありませんが、短い時間の中で自分の技術力を伝える必要がある就職の採用試験のような場面では、IT系資格はとても強力な武器になります。
資格取得への努力という行動自体も、IT分野に対する興味や向上心といった適性を示すことになるため、評価されることも多いです。
ここでは、未経験の人がIT業界のエンジニアを目指す場合にオススメのIT資格をいくつか紹介しているので、ぜひ参考にして取得を検討してみてください。
ITパスポート
ITパスポート資格は、IPAが執りおこなっているIT系国家資格の中でも最も難易度の低いレベル1に相当して、IT産業についての全般的な知識が証明できる資格となっています。
試験勉強の過程で、IT業界に関する基本的なことを学ぶことができるため、最初に取得するIT資格に適しており、IT分野に対する興味や向上心といった重要な適性を示す効果は十分期待できます。
本気でIT業界でエンジニアとして活躍することを考えるのであれば、ITパスポートの取得で満足することなく、さらに上位の資格に挑戦したり、ほかの分野のIT系資格の取得も目指していきましょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPAが執りおこなっているIT系国家資格のレベル2に相当して、ITパスポートの上位資格で、基本的なIT分野の知識に加えて実践的なソフトウェアについての技術的な知識が備わっていることが証明できる資格です。
ITパスポートよりも歴史が古く、IT業界内での認知度は非常に高い資格なので、エンジニアとしての基本的な技術力が証明できます。
試験内容にはプログラミング言語やデータベースといった技術要素が含まれますが、すべて選択形式の試験で特別高難易度の試験ではないので、未経験者を含めてエンジニアを目指す人すべてにオススメのIT資格です。
CISCO認定資格
ネットワーク分野への技術力が証明できる資格としては、CISCOがおこなっている認定資格がオススメです。
CISCO認定資格はベンダー資格で国家資格ではありませんが、IT業界のネットワークに関連した仕事の中で必須条件とされることもある程信頼性が高いIT資格です。
ベンダー資格とは?
IT関連製品を製造・販売するベンダーが、自社製品についての適切な操作技術や管理技術を満たしていることを認証するための民間資格制度。
CISCOの認定資格では難易度に複数の段階が設けられており、自分の実力にあった資格を取得していくことができるようになっています。未経験者の人には、入門的な位置付けのCCNAから挑戦していくのが良いでしょう。
Oracle Master
データベース分野のIT資格でオススメなのが、データベースシステムのベンダーであるOracle社がおこなっているOracle Masterという認定資格です。
難易度によっていくつかの段階が設けられていて、自分の実力にあった試験を受験できるようになっています。
試験にはOracleというデータベース製品についての出題も含まれますが、業界内ではデータベース全般に対する技術力があると評価されます。業務に対する即戦力があることをアピールする効果も高いため、未経験者の人にもオススメの資格です。
就職に役立つ資格はこちらでも紹介しているので、参考にしてみてください。資格取得で見落としがちな注意点もまとめています。
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記事を読む
新卒でIT業界への就職成功率を高める方法
新卒の場合、研修制度のある企業では未経験でも応募しやすいです。
新卒での就職試験の対策では、志望動機を明確にするためにも目指す業種や職種などについてもしっかりと学んで準備する必要があります。
ここでは、特に新卒やIT業界が未経験の人の就職成功率を高めるために有効な方法をいくつか紹介しています。目指す企業へ入社するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
独学で勉強してIT資格を取得する
エンジニアに必要とされる技術については、書籍やネットの情報などで個人でも勉強する材料に困ることはないので、やる気さえあれば比較的簡単に取り組むことができるでしょう。
独学での勉強を進める場合は、IT資格の取得を目標にするのがオススメです。
IT業界で働いた経験がないと勉強すべき技術もわからず、目的意識が揺らいで時間ばかりかかってしまうことがよくありますが、資格試験という明確な目標と期限があれば、計画的に勉強を進めることができるでしょう。
勉強の過程で技術的な知識を得られるだけでなく、就職試験では考えて行動を起こしたこと自体が評価されるので、ぜひ検討してみてください。
アルバイトやインターンシップの経験をする
IT業界で実際に働く前に現場の仕事を体験しておくことはとても大きな意味を持ち、IT企業への採用試験では本気でIT業界で働く意思があると高く評価されます。
技術的な知識の不足を心配することもあるかもしれませんが、貴重な経験をさせてもらえるのだと勇気を出してぜひ挑んでみてください。
解決できない問題への対処など、社会人として必要になる対応能力を磨ける貴重な機会でもあるので、実務経験を採用試験の面接などで自己アピールとして伝えることができれば、他の就活生と差をつけることが期待できます。
就職支援付きITスクールを利用する
IT企業への就職という目標が明確なのであれば、ITスクールを活用するのが最も時間効率に優れた方法です。
ITスクールでは、業務に役立つ技術的な知識をサポートのプロから学ぶことができるため、特に何から勉強を始めたらいいのか迷うことが多い未経験の人にはオススメの方法です。自分で計画を立てて勉強を進めるのが苦手な人も、一定の期間で必要な技術を教えてもらうことができるので安心です。
就職に有利な資格の取得をサポートしてもらえるだけでなく、最近では就職先の斡旋や面接の練習といった就職活動のサポートまでおこなってくれるスクールもあります。目標に向かって集中して努力できるようにするために、自分に合ったスクールを選びましょう。
IT業界に未経験で転職する場合の3つのコツ
IT業界に未経験で転職するための3つのコツ
- 前職に関連したソフトウェア開発をしている会社を選ぶ
- 前職での人とのコミュニケーション経験をアピールする
- 志望動機はキャリアプランまで明確にしておく
IT以外の業界で働いている人も、近年のITの発展や自身の興味の変化などからIT業界への転職を考えることも多いでしょう。
ここでは、IT業界へ転職する際に役立つコツを紹介しています。
他の業界と同じようにIT業界においても、転職の場合は個人の能力とともに前職までの経験も採用の重要な判断要素となります。IT業界で働いた経験がない場合でも、新卒とは違った能力や経験があることをアピールできると効果的なので、ぜひ参考にしてみてください。
①前職に関連したソフトウェア開発をしている会社を選ぶ
自分が元々働いていた業界や仕事に関連するソフトウェアを開発している会社では、前職の知識や経験を活かす機会が多くあるので、転職採用の際にも有利になります。
たとえば経理関連の職種で働いていた人が金銭を扱うソフトウェアを開発するIT企業を選べば、そのソフトウェアの機能の理解に前職の知識を活かせたり、業務系ソフトウェア(基幹システム)などで使われる用語が簡単に理解できるといった点で、新卒との違いを示すことができます。
ソフトウェアを開発する際には、利用者のことを考えながらさまざまな工夫をします。自分が過去に経験した不便だったことや、現場の要望などをソフトウェア開発に活かすことができれば、利用者に寄り添ったソフトウェアを作り出すことができるので、転職であることを活かした活躍ができるでしょう。
②前職での人とのコミュニケーション経験をアピールする
実際にはエンジニア職を含めて仕事におけるコミュニケーションの比重は大きいので、転職の採用では前職までの対人経験についても重視されます。
営業職などで困難な交渉を乗り越えた経験や説得するために工夫したことなどは、一見ソフトウェアの開発とは関係がなさそうに見えますが、プロジェクトの管理やシステムエンジニアの設計業務などの調整交渉などに共通する部分は多く、評価されやすいので、面接試験などでは積極的にアピールしていきましょう。
③志望動機はキャリアプランまで明確にしておく
他の業界からの転職の場合は、IT業界の採用試験では新卒以上に志望動機が重要視されます。面接官はなぜ仕事を辞めてまでIT業界に入ろうと決意したのかを聞くことで、その人のやる気や本気度を測り、将来的に長くともに働いていける人材なのかを見極めます。
志望動機としては純粋な思いだけでなく、IT業界への転職後の人生設計やキャリア計画についてしっかりとした考えを示しましょう。
将来的にどのような能力を習得してどんな活躍をする計画で、そのために具体的にどのように行動するのかといった展望を描けていると、思いつきではなくしっかりと考えた転職であることアピールできるでしょう。
志望動機については、こちらの記事でも詳しく解説しています。職種別に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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IT業界での仕事に対する不安を解消しておこう
ネットなどでIT業界で苦労した話などを見かけたりすると、特にIT業界で働いた経験のない人は仕事に不安を感じることがあるかもしれません。
IT業界も仕事である以上失敗したり苦労することは当然あり、そういった情報は愚痴のようにネット世界に出回りやすいものなので過度に心配する必要はありません。
ここでは、特にIT業界についてよく話題になる代表的な不安について、その対策やアドバイスを紹介しているので、ぜひ参考にして就職活動への不安や迷いを解消するのに役立ててください。
IT業界での仕事に対する3つの不安
- 納期や期限が厳しくハードワークなのでは
- 未経験だとわからないことが多すぎて難しいのでは
- IT業界に転職して年収は上がるのか
納期や期限に間に合わないときは相談する
ソフトウェア開発はコンピューターを使った製造業なので、ほとんどの場合どんな作業でも期日が決まっています。未経験者であっても与えられた仕事には必ず期限があり、わからないことなどで時間がかかってしまったりすると、約束の期日が近づいてきて怖くなってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、できるだけ早く先輩や上司に「絶対に相談」しましょう。最悪のケースは自分一人で抱えて約束を反故にしてしまうことで、その場合は関係者全員に迷惑が掛かってしまいます。
経験豊かな人であっても、想定外のことが起きた場合などには予定していた期日に間に合わなくなることもありますが、焦らず状況を説明したり相談することで理解を得て、新しい期日を設定し直すなど対策しながら仕事をしています。
わからないことは徐々に覚えていけば大丈夫
IT業界で働き始めた最初の頃は、プロジェクトの打ち合わせなどに参加しても会話にでてくる単語の意味もわからないことも多いので、与えられた資料を読み解くのにも時間がかかったり、大変な思いをすることも多いでしょう。
大事なのはわからないことを放置しないことです。人に聞いたり自分で調べたり、面倒ですが一つずつわかるようにしていくことが大切です。人に聞く場合は、同じ質問をしないように、メモを取るなり家に帰って復習するといった工夫をしましょう。
わからないところを埋めていく作業は、独学で勉強するよりも圧倒的に効率よく実用的な知識を得ることができるので、短時間で業務に役立つIT業界の知識が習得できるでしょう。
この取り組みはエンジニアに必要なスキルでもあるIT業界への知識や向上心に直結していて、優秀なエンジニアの多くは自分なりの方法で継続しています。
IT業界で収入を高くしたいなら努力は必要
与えられた仕事を確実に終わらせているのにもかかわらず、なかなか思ったように収入が伸びず、IT業界は高収入の業界ではなかったのかと不満に思うこともあるようです。
IT業界は能力のある人を評価する業界で、収入を高めるためには継続して能力を高める努力が必要です。経験が重視される業界でもあるので、やったことのない仕事にも意欲的に挑戦していきましょう。
新しい仕事への挑戦を認めてもらうために、普段からの学習意欲などを上司や先輩に理解しておいてもらうことも大事です。独学での勉強で知識を増やしたり、場合によっては資格の取得などでやる気や実力を示すのも有効な方法です。
必要なスキルを習得してIT業界を目指そう
IT業界の仕事は、これからの社会でますます人びとの生活に必要とされるとてもやりがいがあって将来性の高い仕事です。情報という目に見えないものを扱う不思議な業界ですが、形のないものを作ってお金に代えることができる夢のある業界でもあります。
IT企業のエンジニアには、技術的な知識など必要になるスキルもいろいろとありますが、IT業界の人手不足の状況もあって、今は就職にはとても良い時期です。ぜひ必要なスキルを習得して、IT業界を目指してください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi