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カメラ業界への就職が気になっていますが、将来性はどうですか?
カメラが好きで、将来はカメラ業界で働くことを考えています。具体的には、カメラメーカーや関連企業への就職を希望しているのですが、最近はスマホのカメラ性能も上がっており、業界の将来性が少し不安です。
今後の業界がどのように変化していくのか気になります。また、就職を目指すにあたって、今のうちから身につけておくと良い知識やスキルがあれば教えていただけますか?
あわせて、業界の動向や、就職活動で意識すべき点についてもアドバイスをいただけると嬉しいです。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
カメラ業界は終わりじゃない! 進化の途中にある
カメラ業界は、スマートフォンの高性能化によって一時的に市場が縮小したものの、今後も新たな成長ドライバーが次々と生まれているため、決して衰退産業ではありません。
デジタルカメラ市場全体の規模は2029年までに年平均4.8~4.9%程度で成長し、2029年には約118億ドル規模に達すると予測されています。
スマホとは異なる価値を持つ高付加価値産業として今も成長を続けている
ミラーレスカメラの普及やAI(人工知能)搭載センサー、4K/8K動画機能の高度化などがおもな成長要因です。
さらに、産業用途におけるイメージング需要も急速に拡大しています。
自動運転車向けの深度センサー、医療用の高解像度イメージング、監視カメラのサイバーセキュリティ連携など、多彩な分野でカメラ技術が求められていて、産業用カメラ市場は2025年から2032年にかけて年率7.4%で成長すると見込まれています。
こうした産業用途向け市場は、スマートフォンとは異なる高付加価値製品として中長期的な成長軌道を描いています。消費者向け市場では、出荷台数ベースでミラーレス一眼カメラが中心的な存在となっています。
2024年時点でミラーレス一眼は出荷構成比で過半数(53.6%)を占め、一眼レフを大きく上回っている状態です。
2025年1月のミラーレスカメラ販売台数シェアは、ソニー、キヤノン、富士フイルム、ニコンの順で、富士フイルムがニコンを逆転して3位となるなど、各社の競争も激化しています。
パナソニックもLUMIXシリーズを中心に、動画撮影やVlog向けなどの独自のニッチ領域で存在感を発揮しています。今後カメラ業界で活躍するために身につけておきたいスキルとしては、まず画像処理アルゴリズムの基礎理解が挙げられます。
OpenCVやTensorFlowを使った実装経験があれば、AI搭載カメラの開発やチューニングに直結します。また、映像制作の現場では動画編集ソフトの操作スキルも重要です。
志望する際には、ポートフォリオとして短編動画などを制作・公開しておくと、実力をアピールできます。
さらに、ネットワーク連携、IoTプラットフォーム構築、5Gを活用したリアルタイム配信など、カメラをハードウェア以上のサービスとして位置づける技術への理解も、今後の差別化要素です。
就職活動準備としては、企業ごとに「どの領域に注力しているか」を必ず調べておくことが大切だといえます。
たとえば、あるメーカーはスポーツや野生動物向けの高速連写技術を強化しており、別の企業は医療用の超高解像度センサーに注力しています。
説明会やOB訪問では、「御社の△△技術に特に興味があり、自分は□□の学びを通じて貢献したい」と具体的に語れるようにしておくと、技術への理解度や熱意が伝わります。
スマートフォンカメラとの棲み分けが進むなか、カメラメーカーはハード+ソフト+サービスの総合ソリューション事業へとシフトしているのです。
ハードウェアの開発経験に加え、ソフトウェアやクラウド連携を見据えたスキルセットを身につけることで、これからのカメラ業界を牽引する人材として高く評価されるでしょう。
カメラ業界は縮小だけじゃない! 変化に強い企業が生き残る
カメラ業界といってもフィルムを使ったカメラとデジタルカメラはやや異なります。スマートフォンに搭載されているものもカメラですし、ミラーレス一眼レフなどの高価な機材もカメラです。
また、カメラの技術を応用した内視鏡やCTスキャナーなど、扱う品種は多岐にわたり、どれを得意とするかで企業の特徴もかなり変わってきます。
フィルムカメラからデジタルへの転換期に話題になったのが、昔世界シェアNO.1であったコダック社の凋落と当時2位であった富士フイルムの躍進です。
事業をいかにして時流に合わせて転換していくかというテーマで書籍や経済記事で何度も取り上げられていますが、その富士フィルムも今は化粧品事業に進出し時流対応を迫られています。
コダックは一度経営破綻し、いまではカメラ事業から撤退して印刷業大手になっています。
つまり、カメラに特化してしまうと市場規模はそれほど大きくなく、企業数も少ないのが現状です。
デジタルカメラ業界では世界シェア1位のキャノンが目立っています。
ソニー、ニコン、オリンパスといった企業は、カメラメーカーというよりは光学機器、精密機器、という事業分野の一つとしてカメラを扱っているという位置づけになります。
歴史と多角化から、企業の体質と将来性を見極めよう
業界の変化に目を向けるのであれば、上記のような歴史的な背景をおさえたうえで、志望する企業がカメラ以外のどのような事業に取り組んでいるのかチェックしていくことで、企業の体質や考え方を知ることができるでしょう。
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