この記事のまとめ
- OA事務とほかの事務職の仕事内容は異なる
- OA事務の将来的な展望を理解したうえで志望しよう
- 自身がOA事務に向いているかを見極めて志望するか判断しよう
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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事務職について調べていると、OA事務という聞き慣れない言葉を目にして、興味を持つ人もいるかと思います。OA事務は事務職のなかでもパソコンスキルに特化しており、ほかの事務職とは異なる業務をすることがあります。
OA事務を目指すにあたって職業柄や特色を理解しておかないと、適性がない仕事を目指すことになり苦労するかもしれません。
この記事では、キャリアコンサルタントの増田さん、柴田さん、平井さんと一緒に、OA事務の基礎知識や向いている人を解説します。自分に適性があるのか見極めて、OA事務を目指すかどうかを判断しましょう。
OA事務とは4つの魅力を持つ挑戦しがいのある職種
OA事務は、パソコンスキルに特化した業務に取り組む事務職です。持っているパソコンスキルを活かしつつ、事務職が持つワークライフバランスの実現のしやすさをかなえられる職業です。
なお、今はパソコンが得意ではない人でも、選考前にMicrosoft WordやMicrosoft Excelなど必要なスキルを身に付けておくことで目指せます。しかし、OA事務は未経験で目指せる職業だとしても、自分に向いているのかわからず行動に移せない場合もあるでしょう。
この記事では、前半でOA事務の基礎知識を解説します。はじめに仕事内容やほかの事務職との違いを理解しておけば、業務内容や働き方のミスマッチを防ぐことが可能です。
そのあとで、OA事務の魅力やデメリットを解説します。記事を最後まで読めば、OA事務の仕事内容や適性がわかり、自分が目指すべき職業かどうかが明確になりますよ。
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はじめに理解しておこう! OA事務の基礎知識
OA事務に関して、実際の仕事内容や必要になるスキルを理解しておくと、就職後のミスマッチを避けることができます。ほかの事務職とは違った部分もあるため、就職後のミスマッチを避けるためにも詳しく理解していきましょう。
ここでは、OA事務の基礎知識を詳しく解説します。また、OA事務に役立つ資格まで解説しているため、仕事内容や役立つ資格が自分の興味に刺さるかを見極めて、目指すかどうかの判断材料としましょう。
OA事務とは
OA
Office Automation(オフィスオートメーション)の略。電子機器を利用して業務の効率化を図ること
OA事務とは、パソコンやFAXなどの電子機器を利用して事務作業をおこなう職種です。パソコンが普及する前の事務職は、計算や書類作成をすべて手作業でおこなっていました。パソコンが普及するにつれて、電子機器を扱える人材が必要になり、OA事務が生まれたのです。
現在はどの職業でもパソコンの利用が一般的ですが、OA事務は電子機器に関する高いスキルが求められています。パソコンにトラブルが起きたときの解決役も担っていることもあり、電子機器への幅広い知識が必要になります。
PCスキルを活かしてデータ入力や書類作成などの業務に当たるOA事務の募集は、業種や大手企業、中小企業などの規模を問わず幅広くおこなわれています。
ただし、以前と比較して正社員よりも派遣社員としての採用が増加しているのが現状です。
OA事務の仕事内容
OA事務の仕事内容
- データ入力・集計
- 文書・資料の作成
- 電話・メール対応
OA事務は事務職の一種であり、仕事はオフィスワークが中心となります。
しかし、OA事務の仕事は、パソコンでの作業以外にも電話やメール対応などの一般的な事務職のような業務もあるため、事前にどのような仕事があるか理解しておかないとミスマッチにつながってしまう可能性があるのです。
ここではOA事務の仕事内容を解説します。自身が仕事に就いたときにやりがいを持って取り組めそうかどうかを確認しておきましょう。
また、事務職全般の仕事内容への理解を深めておくと、OA事務の仕事内容との違いにも気付くことができます。下記の記事では事務職の仕事内容について詳しく解説しているため、合わせて目を通して理解を深めましょう。
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データ入力・集計
OA事務は、Excelの関数を利用して、データの入力や集計をおこないます。データの入力や集計にはMicrosoft社のオフィスソフトが利用されるケースが多く、スキルを持っていると効率的に仕事ができます。
オフィスソフトを利用すれば手作業よりも膨大なデータを集計・管理を簡単にできるため、企業でも必要なスキルと考えられているのです。
また、入力したデータを分析する際には、データベースを作成し必要なデータの保存や管理をおこなえるAccessというソフトのスキルなどが求められます。
OA事務として働くのであれば、Microsoftのソフトは一つだけに特化するのではなく、Word・Excel・PowerPoint・Accessのすべての知識を身に付けておくのがおすすめです。
文書・資料の作成
社内外で使用する文書の作成や、プレゼンで利用する資料の作成もOA事務の仕事です。文書を作成するときはWordを使用し、プレゼン資料の作成時はPowerPointを利用します。他者が見たときにわかりやすい内容になるよう工夫することが求められます。
特に、社外に出す資料は企業の印象を決める要因にもなるため、OA事務がわかりやすく作成することは重要といえます。誰が見ても理解しやすいような構成を考え、画像やフォントなどを工夫する必要があります。
また、プレゼン資料ではアニメーションを利用し、見やすさを意識することも大切です。誰が見ても、わかりやすい内容を意識して作成する配慮が必要になるのです。
電話・メール対応
パソコンに向かって仕事をしている印象が強いOA事務ですが、電話やメールでの対応も業務の一つです。企業にもよりますが、一般事務と同じ仕事を求められる場合もあるため、顧客対応は必要ないと決めつけないでおくと安心です。
電話やメールで顧客対応をするときは、基本的なビジネスマナーが必要になります。マナーを守りつつ、どのような要望を持って連絡してきたのかまで聞き取れれば、担当者への引き継ぎがスムーズになります。
電話やメール対応はどこの企業にいても必要な業務である場合が多いため、OA事務を目指す・目指さないにかかわらず身に付けておきましょう。
一般事務や営業事務が対応する電話やメールと大きな違いはありません。配属される部門にもよりますが、対外部門なら社外からの連絡、間接部門なら社内からの連絡や問い合わせが多くなります。
ほかの事務職との違い
OA事務とほかの事務職との違い
- 一般事務:来客対応や庶務など幅広い業務をおこなう
- 営業事務:営業のサポートをメインに対応する
- 貿易事務:語学力を活かしてサポートする
OA事務の仕事内容を理解できたところで、ほかの事務職とどのような違いがあるのか疑問を持つ人もいるかと思います。事務職には一般事務や営業事務など分野の幅広い職種が存在し、それぞれ業務内容が少しずつ変わってくるのです。
OA事務とほかの事務職の違いを理解せずに志望すると、想像していた仕事と違って入社後のミスマッチにつながりかねません。事務職を目指しているという人こそ、業務内容の違いを理解したうえで、自分に合った職種を選びましょう。
この章ではOA事務とほかの事務職の違いを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
一般事務:来客対応や庶務など幅広い業務をおこなう
パソコンの利用が当たり前になった現代では、OA事務と一般事務の業務内容に大きな変化はありません。しかしそのなかでも、一般事務は来客対応や庶務をおこなうケースが多く、事務職のなかでも幅広い業務を任せられる場合が多いです。
一方で、一般事務として入社する場合は、OA事務に比べるとパソコンスキルを求められるケースが少なくなります。今はパソコンスキルがなくても、仕事をしながら徐々に技術や知識を身に付けていきたい場合にも目指せる職業です。
OA事務として入社した場合はおもにパソコン作業が多くなり、一般事務として入社した場合は幅広い業務を任せられる可能性があると理解しておきましょう。
データ入力の仕事量が多い企業や、会計士・税理士事務所などでは、一般事務とOA事務部門で分けて募集を出しているところもあります。
そういった場合、OA事務部門は育児や介護などと両立できる、柔軟な働き方が選べるといったメリットが上げられますが、パート雇用は給与の額や昇給・仕事の内容に関しても限定的になっている場合もあるためしっかり検討しましょう。
営業事務:営業のサポートをメインに対応する
営業事務は、営業部門に特化した事務作業をおこなう職種です。営業の人が取ってきた契約を書面に起こし、必要な請求書や見積書などの作成をおこないます。営業の人の成績をデータとして入力する業務もあり、他者の評価にかかわる重要な業務を担当します。
ほかにも、営業の人の仕事がスムーズになるよう、顧客へのプレゼン資料の作成や問い合わせ対応も営業事務の仕事となるケースもあります。常に営業の人や他部署との連携が必要になるほか、資料作成や顧客対応のための自社が取り扱う商品への知識も欠かせません。
OA事務に比べると仕事の進め方が営業や顧客に合わせたものとなり、それに併せてスケジュールの調整が必要になるケースがあります。
営業事務とOA事務は向き不向きが異なるため、自身がどちらに向いているか悩む人もいるかもしれません。下記の記事では営業事務の仕事内容の詳細や向いている人を理解して、自身にあっているか検討しましょう。
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貿易事務:語学力を活かしてサポートする
OA事務がパソコンスキルを必要とする事務なのに対して、貿易事務は語学力が求められるのが特徴です。企業が輸出入をするときに必要な書類を作成し、円滑な業務進行のサポートをおこないます。
貿易事務は社内だけでなく国外の担当者と連絡を取る場合もあるため、語学力は欠かせません。ビジネスシーンでコミュニケーションに困らない英語力が求められるため、ビジネスで最低限必要と言われるTOEIC500点は取得しておくと安心です。
貿易事務は語学力が求められ社外の人と英語でコミュニケーションを取る必要があり、パソコンスキルを活かせるOA事務とはまったく違ったスキルが必要になります。その点を理解しておくと、ミスマッチが避けられます。
貿易事務の詳しい仕事内容や必要なスキルはOA事務とは異なるため、目指すのであれば必要な知識を改めて身につける必要があります。下記の記事では貿易事務の仕事内容や志望動機の書き方まで解説しているため、ぜひ目を通しましょう。
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また、就職活動で求められる英語力への理解を深めておくと、必要なレベル感がわかります。下記の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
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まずはあなたが受けない方がいい職業がわかります
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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・時間をかけずに自己分析をしたい人
OA事務に必要なスキル
OA事務の仕事はパソコン関係が多いため、「電子機器を操作できるスキルがあれば目指せるのではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、OA事務の仕事はただパソコンに向かっているだけでなく、社内外の人と円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力やビジネスマナーも必要になります。その点を理解せずに志してしまうと、スキルが足りず希望する企業に入社できない可能性も出てくるのです。
ここからは、OA事務に必要なスキルを6つ解説します。必要なスキルを理解しておき、自身に足りないスキルがあれば身に付ける努力をしましょう。
PCスキル
OA事務の仕事はパソコンを利用する場合が多いため、WordやExcelなどMicrosoft社のソフトを利用する技術は欠かせません。Excelの関数やマクロを利用してデータ入力をおこなったり、PowerPointを使用して資料を作成したりする技術が求められます。
一般事務であれば簡単な操作で良い業務でも、OA事務の場合はより高度なパソコンスキルを求められる場合が多くなっています。たとえば、Wordであればフィールコードの印刷、PowerPointであれば、アニメーションの使用などです。
OA事務を目指す場合は高度なパソコン技術を事前に身に付けておくと、採用担当者にスキルを評価されて、選考突破の可能性が高まります。
近年のOA事務ではExcelやWordを活用するだけではなく、グループウェアを使いこなせるのもアピールポイントになります。Office365のFormsで顧客へのアンケートを作成する、Streamで動画をアップロードして共有するなどの使い方も身に着けておきましょう。
TeamsやGoogle Workplaceなどは無料で利用できる機能もあるため、操作に慣れておいてください。
コミュニケーション能力
パソコン作業が多いOA事務ですが、社内の人と円滑なやりとりができるコミュニケーション能力は欠かせません。特に電話やメールで社外の人とかかわる場面もあるため、顔が見えない他者とコミュニケーションをとる必要もあります。
また、OA事務はオフィスにいる時間が長いため、職場の環境は仕事のしやすさに直結します。「挨拶をする」「お礼を伝える」など基本的なコミュニケーションを通して、部署内の関係性を築く必要があるのです。
「パソコンでの業務がメインだから他者とかかわらないで済む」と思って入社すると、思った以上に人とのやりとりが多くストレスになる可能性もあるため注意しましょう。
事務処理能力
OA事務はExcelやAccessを利用して業務をおこないますが、ミスのない仕事をするためにも、正確に業務をおこなう事務処理能力が求められます。パソコンを利用して表計算や顧客情報の管理をおこなうとはいえ、最終確認は自身の目でおこなうため、ミスに気付ける細やかな対応が求められるのです。
また、事務の仕事を円滑に進めるためには、仕事の優先順位を的確に決める必要があります。業務量が多いからこそ、期日に間に合うよう仕事を進め、黙々と仕事に取り組まなければいけません。
正確性の低い仕事をしてしまうとミスが増えてしまい、さらにタスクが増えて結果的に自分を追い詰めてしまう可能性もあるため、高い事務処理能力を持って確実に仕事を進めていく必要があります。
私の印象ですが、一定規模以上の企業では業務システムが導入されるため、PCスキルよりも正確に短時間で入力できるタッチタイピングが求められる傾向にあります。そして、システムではカバーしきれないところをExcelのマクロなどで対応しているようです。
OA事務職は後者を担当することが多いので、事務処理の流れや意味を理解しておくことが求められます。出力データを見て「この数字はちょっとおかしい」とあたりを付けるには、処理の流れや意味を知っておくことが必要になります。
ビジネスマナー
OA事務は社外の人と電話やメールでやりとりする場面も多いため、基本的なビジネスマナーは欠かせません。デスクワークとはいえ、黙々と仕事をすればいいわけではないことには注意しましょう。
具体的に求められるビジネスマナーは、他者の名前を正確に覚えたり、誠実な対応をしたりといった基本的なもので問題ありません。当たり前のことを当たり前にすることが求められるのです。
なお、企業によっては電話対応がない場合もあるため、特にメールの文面で求められるビジネスマナーは身に付けておくと安心です。ビジネスマナーは一度身に付けるとほかの仕事やプライベートでも役立つ場面が多いため、まだ自信がない人は入社前に勉強しておきましょう。
タイピング能力
パソコンでの業務が多いOA事務は、早く業務をするためにもタイピング能力が求められます。キーボードを見ながらのタイピングでも問題はありませんが、速度が遅いとその分業務の進みも遅くなってしまうからです。
画面を見ないと文字が入力できない場合は、キーの場所がわかる文字を入力するときは画面に目を向けてタイピングしてみるのがおすすめです。
また、タイピングスキルはすぐに身に付くものはないため、まずは簡単な練習からはじめましょう。インターネットには無料でタッチタイピングの練習ができるイータイピングやマイタイピンなどのサイトがあるため、活用するとタイピング能力を高められます。
- OA事務になりたいのですが、タイピング能力に自信がありません。どのくらいのタイピング能力があればOA事務として活躍できるのでしょうか。
日々スピードと正確性を意識して練習することでタイピング能力が向上する
タイピング能力は、早さと正確さが求められますが、日々意識してパソコンを使うことで向上させることができます。
一般的には、1分間に100文字以上は打てた方が良いと言われていますが、慣れた人ならもっと早く入力できます。日頃から、何となく文字を打つのではなく、早さや正確さを意識して入力しましょう。
私の場合、まずは自分のペースで文章を打ちながら、どのキーをどの指で押すのかを先に覚え、その後でスピードを上げてきました。
両手の指を全部使えるようになると早いですし、ブラインドタッチができると原稿を見ながら入力することが可能になります。
スピードを上げるには、専用のソフトも販売されていて、記事中にもあるタイピングソフトなどを利用してなるべく毎日練習しましょう。タイピングに特化した資格もあるため、そういったものを取得しておくこともお勧めです。
オフィスソフトのスキル
OA事務の業務では、Microsoft社が提供するOfficeソフトを利用するケースが多いです。
Microsoft社のOfficeソフト
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Access
大学時代にWordやExcelPowerPointを利用したことがある人であれば、基本的なスキルは身に付いているかもしれません。しかし、OA事務ではさらに高度なスキルが求められます。
OA事務を目指すのであれば、学生時代に利用していた知識に加えて、Officeソフトの応用的なスキルまで勉強しておくと、採用時に評価される可能性が高まります。
Officeソフトのスキルを磨く場合は、資格取得を目的とした参考書を利用して勉強するのがおすすめです。また、勉強したことを実際に試してみることでさらなるスキルアップが目指せます。
OA事務で役立つ資格
OA事務の業務を円滑に進めるためにも資格を取得しておくのがおすすめです。資格を取得しておくことで実際の業務に役立つだけでなく、選考時にも自分がスキルを持っていると採用担当者にアピールでき、評価もよくなる可能性があります。
OA事務に役立つ資格の多くはパソコン関係のものであり、特にオフィスソフトに関する知識を身に付けられる場合が多いです。オフィスソフトはさまざまな仕事で役立つため、一度取得しておけば今後就職活動をするときにも役立つはずです。
ここからは、OA事務で役立つ資格を6つ解説します。無理に一度にとろうとはせず、一つずつ勉強してスキルアップを目指しましょう。
また、就職活動時は資格を取得しておくと評価される場合が多いです。ほかにも持っていると役立つ資格を理解しておくと、評価が高まる可能性があります。下記の記事では就職活動で役立つ資格を詳しく解説するため、合わせて目を通しておきましょう。
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MOS
MOSは、マイクロソフト オフィス スペシャリストの略で、Microsoft社が提供するWordやExcel、PowerPointなどオフィスソフトのスキルを証明できる資格です。OA事務の仕事は業務内でOfficeソフトを利用する場面が多いため、取得しておくとデータ入力や資料作成時のスピードや正確性の向上に役立ちます。
MOSの資格は独学でも勉強できますが、通信講座も用意されています。忙しい日々の中で効率的に学びたいという場合は、通信講座を選ぶ方法もあります。また、費用はかかるもののスクールもあるため、独学に不安を感じる場合は利用するのもおすすめです。
MOSの資格はMicrosoft社が主催する国際的な資格のため、ExcelやWordを利用する職業を目指す場合はぜひ取得しましょう。
採用側が応募者のスキルレベルの見当を付けるのに、まず確認するのがMOS資格です。OA事務希望者は何かしらのMOS資格を取得した人が多いと予想されるため、取得していない場合は書類選考を通過するのが難しいと思います。
日商PC検定
日商PC検定は、一般財団法人日本商工会議所が主催する資格で、パソコンスキルに関する認定試験です。OA事務の仕事では文書作成や表計算をおこなうため、日商PC検定の資格も役立ちます。
日商PC検定はパソコンのスキルだけではなく、IT技術を契約文書の作成や購買データの集計、プレゼン資料作成などのビジネスの場で活用するための知識まで学べます。どのスキルもOA事務には必須であるため、取得していると選考時にプラスに働きます。
日商PC検定は独学でも取得可能な資格ですが、心配であれば通信講座やスクールを利用するのもおすすめです。自身の学びやすい方法を選んで、資格取得を目指しましょう。
Word文書処理技能検定試験
Word文書処理技能検定試験は、Microsoft社が提供するWordを利用して、文書処理をおこなうスキルを証明できる資格です。ビジネス能力認定サーティファイが実施しており、Wordの基本操作から応用までの技術を証明できます。
OA事務の業務ではWordを利用した文書作成や、応用的な技術であるフィールコードの印刷も必要になります。
フィールコード
ファイルが更新するとき日付や文章の内容を自動的に変更するフィールドを設置するコード
フィールドを設置しておけば手動で更新する手間がなく、作業が進みやすくなります。
資格を取得しておけばWordで文章を処理するスキルを証明でき、採用担当者に即戦力になれるとアピールが可能です。
Word文書処理技能検定試験も独学での取得は可能ですが、実際に操作しなければ技術が身に付かないため、取得前に練習しておくと安心です。
Excel表計算処理技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試はWord文書処理技能検定試験と同じくビジネス能力認定サーティファイが実施している認定試験です。Excelに関する実践的な能力や知識を証明でき、OA事務のデータ入力業務に役立ちます。
MOSではMicrosoft社のソフト全般の問題が出ますが、Excel表計算処理技能認定試験はExcelに特化した内容になっています。より実践的な技術を身に付けたい場合は、Excel表計算処理技能認定試験を取得するのがおすすめです。
また、試験のときは実技問題もあるため、こちらも実際に練習しておきましょう。
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
ビジネス能力認定サーティファイが実施している試験の中には、PowerPointに特化したPowerPointプレゼンテーション技能認定試験もあります。PowerPointを利用したプレゼン用資料を作成する技術を証明でき、取得すればOA事務に必要な技術も持っているとアピールできます。
アニメーションの設定や機能の応用など、実務を想定したPowerPointスキルを身に付けられるため、これからOA事務を目指す人にはおすすめの資格です。MOSに比べて実践的なスキルが身に付き、入社後は即戦力として働ける可能性が高まります。
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験は、データベースを構築する技術やビジネスへの応用力を証明できる資格です。ビジネス能力認定サーティファイが実施しており、OA事務のレポート作成やレコード抽出などの業務時に役立ちます。
MOSとは異なり実践を想定した出題内容となっているため、資格の勉強をする場合は実際にツールを使って練習しておく必要があります。
なお、Accessビジネスデータベース技能認定試験は独学でも取得が可能です。通信講座やスクールの中から、自身が勉強しやすい方法を選びましょう。まずは独学で勉強してみて、難しさを感じたらサポートのある通信講座やスクールを選ぶ方法もあります。
- OA事務の仕事に役立つ資格が多すぎて何を取得すればいいかわかりません。結局どれがおすすめですか。
MOSや秘書検定、日商簿記検定がおすすめ
最も汎用性があるのがMOS(Microsoft Office Specialist)です。WordやExcelなど、OA事務で多用するソフトウェアの実務能力を示すことができます。
また、秘書検定も認知度が高い資格で、ビジネスマナーやコミュニケーションの素養があることを示してくれます。
このほかにも、経理部門を志すのであれば、日商簿記検定もおすすめです。より評価されるのは2級ですが、まずは3級からチャレンジしてみましょう。
総務部門志望なら、ビジネス実務法務検定の取得で企業法務に関する知識があることをアピールできます。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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人気なのには理由がある! OA事務の魅力
OA事務の魅力
- PCスキルを活かせる
- ワークライフバランスを実現しやすい
- 未経験可の求人が多い
- 男女関係なく目指せる
OA事務への知識を身に付けても、実際の業務への魅力を感じなければ仕事に就きたいとは思えない人が多いのではないでしょうか。OA事務は持っているスキルが活かせるだけでなく、経歴にかかわらず目指せる人が多いという魅力もあるのです。
ここではOA事務の魅力を4つ詳しく解説します。そもそもOA事務に魅力を感じるかどうか、どこに魅力を感じるのかなどを明確にし、目指すか検討しましょう。
PCスキルを活かせる
業務でパソコンを使用する機会が多いOA事務は、パソコンスキルを持っていると活躍しやすい職業です。WordやExcelのスキルを持っているのにもかかわらず、今までパソコンを利用する機会がない仕事についていると、スキルを活かせない場面もあったかと思います。
せっかくなら、持っているスキルを活かして働きたいという人も多いのではないでしょうか。特にWordやExcelをはじめとしたオフィスソフトは導入している企業も多く、すでに身に付けられている人は、自身のスキルをさまざまな場面で役立てられます。
パソコンスキルを持っている人は企業としても即戦力として採用しやすいため、自身の技術や知識をアピールしましょう。
ワークライフバランスを実現しやすい
OA事務の仕事は、ルーティンワークが多く予想外のことが起きづらい特徴があります。顧客対応も電話やメールがメインのため、業務時間内に終えられるケースが多いのです。一度仕事のやり方を覚えれば、効率よく進められるようになります。
一方で、事務職ではない営業職やサービス業に就職した場合、顧客対応によって残業が発生してしまうことも多々あります。プライベートを重視したい人にとって、残業で自分の時間が少なくなるのはストレスになるかもしれません。
最初の不慣れな時期は残業をする可能性もありますが、仕事を時間内で効率的に終わらせる技術を身に付けられれば、OA事務として働き始めたときに自分の時間を重視しながら働くことができます。
未経験可の求人が多い
OA事務は、未経験可の求人も数多くあり、他業種からでも転職しやすい職業です。
OA事務に必要なのは高度なパソコンスキルですが、その多くは独学やスクールでの勉強で身に付けられます。学歴や職歴が関係なく目指せるため、資格を持っていないものの、長く勤められる仕事を探している人にもおすすめです。
ただし、企業側がすでにパソコンスキルを身に付けている経験者のみを募集している場合もあるため注意しましょう。どうしても働きたい企業のOA事務が未経験者不可であれば、一度ほかの会社でOA事務として働き、実務経験を積んでから転職する方法もあります。
基本的なパソコン入力が可能であることは必須ですが、そこからスキルを高めていく意欲があることをアピールしましょう。
また、仕事の内容は、決まっていることの繰り返しであることも多いため、与えられた仕事は責任をもってやり遂げる、小さなことでもコツコツ取り組める、丁寧な仕事ができるといったエピソードがあれば、好印象を持ってもらえるでしょう。
男女関係なく目指せる
人によっては、事務職というと会社の顔とも言われる受付や電話対応者の印象から女性が勤める職業と考える人もいるかもしれません。しかし実際には、事務職は男性でも女性と同じように活躍できる職業であるため、男性がOA事務を目指すことも可能です。
特にOA事務はパソコンスキルが求められ、技術を身に付ければこれまでの経験に左右されずに活躍できる職業です。必要な技術を身に付ければ、性別や年齢に関係なく活躍できます。近年では性別によって職業の選択肢が狭まることは少なくなりましたが、「まだ男性の事務職は少なくて浮かないか心配」という人でも、安心して目指すことが可能です。
OA事務の魅力であるワークライフバランスの取りやすさや未経験でも目指せる点は男女どちらも魅力的な部分のため、興味があったら挑戦してみるのがおすすめです。
マイナスポイントがないか確認しよう! OA事務のデメリット
OA事務のデメリット
- 仕事がルーティンワークになりがち
- キャリアアップが難しい
- パソコンスキルがないと転職しづらい
ワークライフバランスが実現しやすく、未経験可の求人が多いOA事務ですが、良い面ばかりではないことを事前に理解しておきましょう。デメリットを理解せずに選考に臨んでしまうと、入社できたとしてもミスマッチとなり長く勤められない可能性があるからです。
この章では、OA事務のデメリットを3つ解説します。ミスマッチを避けるためにも自分が仕事するうえでマイナスとなる部分がないか確認しておきましょう。
仕事がルーティンワークになりがち
OA事務の業務は、電話やメール対応、資料の作成など、比較的ルーティンワークになりがちです。毎日の仕事内容に大きな変化がないため、同じことを続けるのに苦痛を感じる人には向いていないと言えます。
一方で、仕事がルーティン化している方が得意な人だと、同じことを続けていても飽きず、毎日モチベーションを保ちながら働けるため、ストレスを感じずに活躍することができるでしょう。
営業職やサービス業のように、自分の考えや行動で仕事の成果に変化を求める場合は、ほかの職業を目指す方が良い可能性があります。OA事務を目指すなら、毎日の仕事内容に大きな変化はないことを理解しておきましょう。
キャリアアップが難しい
OA事務に限らず、事務職の仕事は全般的にキャリアアップしづらく、会社内キャリアアップしていくことが難しい職業です。キャリアアップするためには自身で勉強を続け、できる仕事の幅を広げていく必要があります。
OA事務であれば、パソコンのスキルだけでなく業務で役立つ知識を身に付けると、レベルの高い仕事を任せてもらえる可能性が高まります。積極的に仕事を見つけ、業務へのモチベーションを伝えていく必要があるのです。
また、OA事務で得た実務経験を活かして新たな資格取得を目指せば、自分のスキルを証明できキャリアアップを目指せる可能性が高まります。
OA事務として年収を上げていくにはどのようなキャリアを歩むのが良いのでしょうか。
これからの世の中はOA事務だけだと年収を上げるのは難しいと予想されます。
そのため、入口はOA事務だったとしても、そこから総務事務やシステム管理など、配属先の業務などから知識を徐々に吸収し、ゆくゆくは専門職に転向すれば年収アップは期待できます。
パソコンスキルがないと転職しづらい
OA事務の仕事はWordやExcelを操作することが多いため、パソコンのスキルを持っていない人はそもそも目指すのが難しい職業です。スキルがない人が目指すのであれば、独学やスクールに通って必要な技術や知識を身に付けたうえで選考に臨む必要があります。
しかし、人によってはパソコン自体に触る経験があまりなく、操作に不安を感じる人もいるかと思います。そのような場合であれば、タッチタイピングの練習やOfficeソフトの知識を身に付けると、OA事務の選考でアピールしやすくなります。
OA事務を目指すのであれば、自分がパソコンに苦手意識がないのか、必要なスキルを習得できるのかを踏まえたうえで検討しましょう。
職場でPCトラブルが起きたとき、OA事務の人に対応を求められることがあります。OA事務職は「PCに強い」と思われていることが多いためです。オフィスソフトに習熟するだけでなく、PC設定も詳しくなっておくと安心です。
OA事務は10年後なくなる仕事? 将来的な展望をキャリアのプロが解説!
近年では人工知能(AI)の発展がめざましく、多くの職業が今後なくなるのではと示唆されています。事務職もその一つと言われているため、「もしOA事務として働き始めても仕事がなくなってしまうのではないか」と不安になる人もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、キャリアコンサルタントである柴田さんにOA事務の今後の展望を解説してもらいます。将来への不安を払拭し、安心してOA事務を目指しましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るOA事務の仕事内容は今後変化していくことを理解しておこう
今後のOA事務は、DXの推進により大きく変わってくると予想されます。
これまでのOA事務は、ExcelやWordの基本以上の操作がこなせていれば問題ありませんでした。しかし近年は、TeamsやGoogle Workplaceなどのグループウェアを活用する企業が増え、それらの管理運用も求められるようになり、よりOA事務に求められるITスキルが高くなってきています。
そもそも、これまでのOA事務が求められていた業務は正社員ではなく、派遣社員に移管していくことが予想されます。それに伴い正社員にはより高い専門性を求められるようになるでしょう。
早い段階で専門性を身に付けてキャリア形成を意識した行動が大切
入社時点ではOA事務担当であっても、キャリアアップしていくためには、ビジネスにおけるIT環境の変化に伴い、さまざまな専門性を身に付けておくことが求められます。IT系のスキルに関しては、グループウェアの運用管理やRPA導入など、さまざまな業務に対応できるように準備するとよいでしょう。
また、それ以外にもマーケティングや経理などの専門性を早いうちに獲得しておくことも視野に入れておきましょう。いずれにしても、OA事務に求められるスキルは、今後時々刻々と変化していくことが予想されます。それに対して柔軟に対応していくことが必要です。
また、新しい仕事を探すうえでは、今後なくなるかもしれない仕事を避けたい人も多いかと思います。以下の記事ではAIによってなくなる可能性がある職業を解説しているため、仕事を選ぶときの参考にしてください。
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AIによってなくなる15の仕事|残る仕事の特徴と今できる安全策も
AIによってなくなる仕事があると話題ですが、実際はほとんどの仕事でAIによってなくなる部分となくならない部分があり、切り分けを正しく認識することが重要です。この記事ではキャリアコンサルタントがAIによってなくなる仕事・残る仕事とキャリア選択のコツを解説します。
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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
適性をチェック! OA事務に向いている人
OA事務に向いている人
どんなに魅力的な仕事であっても、人によって向き不向きがあります。OA事務の仕事に興味を持っても、自分に向いていない場合は長く働けない可能性があります。
ここではOA事務に向いている人の特徴を解説します。自分の適性を見定めて、向いているか判断しましょう。また、向いていない可能性があっても、どのような人が向いているのか理解すれば、自分が不足しているスキルが明確になり、それを身に付けてOA事務として働ける可能性を高めることができます。
PCのスキルに自信がある
OA事務として勤めるなら、パソコンスキルを身に付けることは業務上避けられません。WordやExcel、PowerPointの基本操作だけでなく、Accessを利用できると入社後に活躍できる可能性が高まります。
OA事務ではMicrosoftのソフトを使うケースが多く、Excelの関数を使える人や、PowerPointで資料を作った経験がある人が求められているのです。なお、実務経験がなくても、ポートフォリオを作成しておけば選考時のスキルをアピールする際に役立ちます。
学生時代やアルバイト時代にパソコンスキルを培った人であれば、OA事務として入社したときに活躍できる可能性が高まります。
事務処理能力が高い
OA事務の業務がパソコンスキルを必要とするものですが、資料作成やデータ入力など、一般的な事務職と変わらない職業を任せられることもあります。どの仕事もパソコンを利用するため、OA事務には避けられない仕事です。
データ入力や資料作成は派手な仕事ではないものの、正確性が求められます。そして、高度なパソコンスキルが求められるOA事務であれば、データ入力の中でもマクロや関数を利用した業務の効率化を依頼される可能性もあるのです。
事務作業に時間がかかると、営業や企画など他部署に迷惑がかかる場合もあります。スピーディーに仕事を遂行できる事務処理能力を持っている人は、OA事務に向いていると言えます。
白紙の状態から文章構成をイメージでき、それを形にすることができる、というアピール方法が良いでしょう。
たとえば、Wordなら「こういった文書をこんな得意先に送りたい」と言われれば、そこに合わせた文書が作成できる状態が理想的です。
Excelでは「こういう数値を求めたい」と言われた場合、どんな表をつくり、どんな関数を使えばそれが求められるかがイメージでき、作成もできるといったエピソードがあれば良いですね。
電話対応もできるビジネスマナーを持っている
OA事務はパソコンスキルを求められる事務職ですが、一般事務と同じく電話対応やメールの返答も業務に含まれます。社内の他部署だけでなく、外部の会社や顧客とのやりとりが必要になる場合もあるのです。
ビジネスシーンの電話は慣れるまで抵抗がある人も多く、実際に対応していてもマナーに不安を覚える人は多いものです。今までの経験で電話対応に苦手意識があると、OA事務として働いた場合にもストレスを感じる場面があるかもしれません。
また、電話対応時には顧客が電話してきた理由を明確に汲み取るコミュニケーション能力も求められるため、受電時は要望を聞き取る傾聴力が必要になります。
OA事務に役立つ傾聴力を選考時にアピールする場合は、ほかの強みと組み合わせるとさらに魅力が増します。下記の記事で傾聴力と相性が良い強みを解説しているため、目を通しておきましょう。
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パソコントラブルに焦らず臨機応変な対応が可能
OA事務はパソコンに特化した事務職であることから、パソコンにトラブルが起きたときも頼られがちです。トラブルが起きた原因を追求し、同じことが起きないように対策を立てることが求められます。
状況によっては、パソコンの再起動やソフトの再インストールなど、復旧に必要な作業を任せられる場合もあるのです。どのようなトラブルが起きても焦らずに臨機応変な対応ができると、業務の進行に支障を出さずに済みます。
OA事務として活躍するなら、パソコンが急に電源を落としたときやフリーズした場合など、想定できるトラブルの対処法を身に付けておくと、焦らずスムーズに解決しやすくなります。パソコントラブルへの対処法を身に付けるには、どのようなトラブルが起きやすいのか事前に調べておき、それぞれの解決方法を理解しておくのがおすすめです。
また、臨機応変さが企業にとってどのような魅力があるのか理解しておくと、選考時にアピールする場面でも適切なアプローチが可能です。下記の記事では臨機応変さやアピール方法まで詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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主体性を持ち、広い視野で行動できる
OA事務に限らず、事務作業は複数の仕事が一度に重なるケースが多く、自分でタスクに優先順位を持って進めていく必要があります。その中で急な対応が必要な仕事を依頼されたら、上司の指示待ちをするのではなく、自分で考えて行動していくことも求められるのです。
急な案件があった場合でも、ほかの仕事を遅らせるわけにはいきません。そこですべての業務に遅れを出さないようにするにはどうするべきかということを考える必要があるのです。
OA事務として求められる人材になるには、ほかの人がどのような仕事をしているかをよく見て、その中で指示なしで自らできることを見つけて実際に行動することが大切です。
パソコンに頼らず自分の目で見て仕事内容を確認できる
OA事務の仕事の多くはパソコン上でおこなわれるうえ、ExcelやWordは業務効率を高める機能が数多く付いています。たとえば、Excelの関数を利用すれば、自身で計算しなくても正しい答えを指定した場所に入力できます。
一方で、Excelの関数を利用しても計算式が間違っていれば正しい数字は入力されません。誤った数字に気付かないまま上司に提出してしまうと、「仕事が丁寧ではない」と評価される可能性もあるのです。
パソコンの正確さを過信せず、自分の目で見て仕事内容に誤りがないか行動する癖が付いている人はOA事務に向いている人といえます。
未経験でも可! OA事務を目指す方法
OA事務を目指す方法
- OA事務に必要な知識やスキルを身に付ける
- 企業分析を通して自身にあったOA事務を探している会社を見つける
- 選考を突破しOA事務として働く
OA事務の魅力や仕事内容への理解を深め、自分自身が今後働く職業として決めた場合は、具体的に選考突破を目指す方法を考えましょう。事務職の中でも高いレベルのパソコン技術が求められるOA事務だからこそ、選考前につけておきたいスキルや知識があります。
ここからは未経験でもOA事務を目指す方法を解説します。自分が入社するために何をすれば良いのか理解して、行動に移しましょう。
また、OA事務は事務職の中の一つのため、採用されやすい人への理解を深めておくと選考突破できる可能性が高まります。事務職を目指す場合は、ぜひ下記のQ&Aコンテンツを参考にしてください。
OA事務に必要な知識やスキルを身に付ける
OA事務の仕事には、効率よく業務を進めるための事務処理能力やタイピング能力が欠かせません。
OA事務として選考を受ける前に、まずは自分が適切な知識やスキルを身に付けているか確認しましょう。
OA事務になりたい気持ちだけでは選考突破が難しいため、未経験から目指す場合は特にパソコンスキルを身に付けるのがおすすめです。
必要なスキルが身に付いていない場合は、独学で勉強するかスクールで学んで身に付けると即戦力として働きやすくなります。
OA事務として活躍するためにPCに強くなっておくことをおすすめします。Windowsだと「設定」で出てくる各種設定ができる、メモリやCPUの働きがわかり職場でPC導入の際に助言ができるなどです。
こういった知識を習得するのにネットや生成AIを使うことで検索の力も付けられるので、独学でも学習可能です。
企業分析を通して自身にあったOA事務を探している会社を見つける
同じOA事務を募集する会社でも、待遇や企業理念は企業によって異なるため、ミスマッチを防ぐためにも自分に合った企業を選ぶことが大切です。企業のことを理解せずに入社してしまうと、せっかくスキルを身に付けて目指したOA事務にもかかわらず、企業との相性で早期退職につながる恐れもあるのです。
興味のある企業が自分に合っているか悩む場合は、企業分析を通して企業の求める人材や詳しい事業内容へ理解を深めましょう。企業分析をおこなえばどのようなスキルを身に付ければ活躍できるのか理解しやすくなります。
転職に後悔がないよう、気になる企業は比較検討し、自分に合った会社を探しましょう。
企業分析のやり方がわからない人は、ステップごとに解説している下記の記事に目を通して実践してみましょう。
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企業分析には自分に合った企業が見つかるなどのメリットが多くあります。また集めた企業情報をうまく活用することで、就活を効率的に進めることができますよ。この記事では、企業分析の正しいやり方から効率化のコツまでキャリアコンサルタントとともに徹底解説します。
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選考を突破しOA事務として働く
自分に合った企業を見つけ選考に応募したら、採用担当者にOA担当になりたい理由をわかりやすく伝えましょう。未経験であっても、必要な知識を身に付けて企業が求めている人物像に近ければ、選考突破が近づきます。
選考突破できればOA事務として働き始められるため、持っているパソコンスキルをあますところなく発揮できます。パソコンスキルに長けている人は企業でも求められる存在になれるため、会社で活躍できればいち早く高評価を得られる可能性があるのです。
入社後はOA事務として働き、細やかな気配りや事務処理能力を活かして、活躍できるよう努めましょう。
OA事務の選考対策は? 就活のプロが必須の対応を伝授!
OA事務を目指すと決めても、選考対策はほかの事務職と異なるのか、対策方法がわからず、悩む人は多いと思います。OA事務に適した選考対策をしておかないと、採用時に認識のずれから内定を得られなくなる可能性もあるのです。
そこでここでは、OA事務の選考対策をキャリアコンサルタントの増田さんに解説してもらいます。具体的な修正ポイントを明確にして、試験や面接に備えましょう。
アドバイザーコメント
増田 綾子
プロフィールを見る資格を取得したり検定を受けたりしてPCスキルをアピールしよう
まずは、しっかりとしたパソコンスキルがあることをアピールしましょう。
MOSや日商PC検定などを取得しておくことも有効です。もし自信がないようであれば、民間のスクールに通ったり、全国の公共職業訓練で用意されているパソコン資格が取れる講座を受けてみたりするのがおすすめです。
大手であればOA事務の部門が独立しているところもありますが、中小企業では一般事務の中にOA部門を含んでいるところも多いため、電話応対や来客の対応なども求められることがあります。
そのような会社では、パソコンスキルはしっかり持っているがほかの事務もできるという人の方が採用されやすい傾向にあります。そういう意味では、コミュニケーション能力が高いこともアピール可能です。来客対応だけでなく、社内の人たちとの連携も大切だからです。
コミュニケーション能力に自信がない人は圧倒的なPCスキルを身に付けておく
一方、コミュニケーションに苦手意識のある人は、OA事務だけがやりたいと考える人もいるでしょう。
先述したように、会社規模や採用側の考え方によって、希望通りにいかないこともあります。それでも「パソコンに強い人」「文書作成やデータ入力が得意な人」と認められれば、そういった仕事が増えてくることも考えられます。
自分のできることを広げるつもりで、ほかの事務にも前向きに取り組んでいくという姿勢を伝えることが大切です。
選考突破に役立つ! OA事務の志望動機の書き方
OA事務の志望動機の書き方
- OA事務を目指す理由を結論から伝える
- PCスキルや適性をアピールできるエピソードをまとめる
- 入社後にOA事務としてどのように活躍したいかを述べる
未経験からOA事務を目指すのであれば、求められる志望動機の内容を理解しておくと、書類選考や面接を突破する可能性が高まります。企業は多くの候補者から採用する人を決めているため、企業側の意図に沿った志望動機を書けている人が有利に進める可能性が高まるのです。
しかし、OA事務の志望動機を書き方を理解していないと、採用担当者の心に残る内容を書くのは難しくなります。ここではOA事務の志望動機の書き方を解説するため、自分ならどのような内容を書くか考えてみましょう。
また、事務職の志望動機を書くときは業界によっても書き方が異なります。書き始めてから修正する必要がないよう、事前に書き方を理解しておくと、志望動機作成がスムーズになります。下記の記事では事務職の志望動機の書き方を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
事務職の志望動機
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説
志望動機の作り方
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
OA事務を目指す理由を結論から伝える
志望動機を書くときは、採用担当者に自分の思いがきちんと伝わるよう、結論から記載しましょう。結論から志望動機を書くことで、採用担当者に伝えたい内容が適切に伝わりやすくなります。その後に話が続いても、続くエピソードは結論の内容を具体的にするために話していると理解されるのです。
OA事務を志したのには、業務内容への魅力やスキルを活かせるなど何か理由があるはずです。その部分をまとめて記事にできれば、OA事務の選考で頼れる存在になります。
また、結論から書く書き方は志望動機だけでなく自己PRでも役立ちます。この機会に書き方を覚えておき、履歴書を書くときに焦らないようにしましょう。
PCスキルや適性をアピールできるエピソードをまとめる
OA事務として働くなら、パソコンスキルや適性を採用担当者に理解してもらわなければいけません。志望動機で伝えるエピソードの内容をパソコン関係にしたり、トラブルが起きても臨機応変に対応できるスキルをアピールしたりすると、OA事務の仕事に活かせる自身の適性を伝えやすくなります。
企業はできる限り即戦力になる人を探しているため、適性をアピールできれば採用される可能性が高まります。普段は部活動やアルバイトの内容を書いている場合でも、OA事務の選考時のみパソコン関係にすると、ほかの候補者と差別化できるでしょう。
面接当日に焦らないで済むよう、事前に伝える内容をまとめておき、選考に臨みましょう。
うにできています。そのためPCスキルのアピールに関しては、誰かに習ったわけではないけれど、自ら進んで使ってみたことでピボットが使える、マクロが組めるようになったなど、積極的にスキル向上をさせたエピソードを示すと良いでしょう。
入社後にOA事務としてどのように活躍したいかを述べる
OA事務の志望動機の最後は、入社後にどのように活躍したいのかでまとめましょう。志望動機に入社後の展望が記載されていないと、入社後の自分が想像できていないと考えられ、志望度が低いと判断される場合もあります。
また、過去のエピソードに合わせた展望にすると、再現性が高いと判断され、企業でも活躍できることをイメージしてもらいやすくなります。たとえば、「アルバイトの締め作業に役立つExcelの表を作った」経験があれば、仕事でも「業務効率を改善できる施策を考えます」という内容でも問題ありません。
具体的に自身の将来を想像して採用担当者に伝えれば、入社後のイメージがしっかりしていると判断され、選考突破できる可能性が高まります。
しかし、志望動機の締めくくりの書き方がなかな浮かばない人もいると思います。以下の記事では志望動機の締めにおすすめの例文を解説しているため、悩んだ場合はぜひ参考にしてください。
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志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
志望動機は締めくくりが大変重要であり、全体の印象を左右します。志望動機の締めくくりの基本ルールをと伝えるべき内容を押さえましょう。この記事ではキャリアコンサルタントと、すぐに使える便利なテンプレートや例文も併せて解説するので、参考にして選考を突破しましょう。
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OA事務を目指すならパソコンスキルを身に付けて選考を突破しよう!
OA事務は、パソコンスキルに特化した事務職です。ワークライフバランスが実現しやすく、未経験からでも目指せるため、スキルを身に付けてチャレンジできる仕事です。
OA事務になるために必要なスキルを身に付けていない場合は、選考に応募する前にパソコンスキルを身に付けておきましょう。OA事務の業務ではExcelやWordなど、Microsoft社のソフトを利用することが多いため、その点を重点的に学ぶのがおすすめです。
今はパソコンスキルに自信がない人も、事前に必要な知識やスキルを身に付けておけば、選考突破できる可能性は高まります。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るOA事務への捉え方を見直して目指すかどうかを考えよう
OA事務は今後どうなるのか、という心配をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。確かにOA事務を「オフィスソフトを使って事務を効率化する仕事」と捉えると心配になることがあると思います。
そこで仕事の定義を拡大してみます。「ITを使って事務所内の業務を効率化する仕事」としてみたらどうでしょうか。事務だけではなく事務所内の手作業をITを使って改善できる人です。そうなるとオフィスソフトだけではなくITの知識も必要になります。
AIを使いこなす側に回って自ら業務効率を提案できる存在になることが大切
パソコンでおこなっている事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術のRPA(Robotic Process Automation)はこれからの注目技術です。
RPAに事務の仕事を奪われる心配をするよりも、使いこなす人を目指す方がずっと楽しそうです。生成AIを使いこなすためのプロンプトの作り方を今のうちに学んで職場で指導できれば、大きな貢献になるでしょう。
OA事務を希望される方はPCやITへの関心や興味が強い方が多いのでは。ぜひその興味・関心を活かして強みにしてください。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表
Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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