Q

大学3年生
男性

大手化学メーカーへの就職は難しいですか?

大学生で、将来の進路について考えています。理系の学部に所属していることもあり、大手化学メーカーへの就職に興味があるのですが、具体的な就職活動を始めるにあたり、その難易度が気になっています。

インターネットの情報を見ると、大手化学メーカーは人気なので、就職偏差値も高いと書かれていることが多く、正直なところ不安を感じています。

やはり、私のようなFラン大学の学生では、大手化学メーカーへの就職は厳しいのでしょうか? もしそうだとすれば、どのような対策が必要になるのか教えていただきたいです。

また、大手化学メーカーと言っても、さまざまな製品を扱っていると思いますが、それぞれの分野で就職の難易度や求められるスキルに違いはありますか? 研究職とそれ以外の職種(生産技術、営業など)でも、難易度に差があるのか知りたいです。

大手化学メーカーへの就職を目指すうえで、今からどのような準備をすれば、内定を獲得できる可能性を高められるのか、具体的なアドバイスをいただけると幸いです。

2人のアドバイザーが回答しています

質問日 :

※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています

キャリアコンサルタント/勉強カフェ札幌大通スタジオ代表

渡邊 裕樹

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大手化学メーカーの選考突破のカギは「志望理由の解像度」にある

あなたがネットで見た通り、大手化学メーカーは確かに人気があります。ただし「学歴」による有利不利はほぼないと思ってください。合否を分けるのは「どのような準備をしたか」です。

志望動機のブラッシュアップが必須! なぜ化学メーカーなのかを明確にしよう

まず、質問者さんが大手化学メーカーを志望している理由が「理系の学部に所属しているから」とのことですが、そこはブラッシュアップの余地があります。「理系なら他の業界もあるのに、なぜあえて化学メーカーなの?」という問いに対して、明確な理由を持って答えられるようになっていないと、選考には通りにくいです。

徹底的な業界研究で志望動機に説得力を持たせよう

そのためには、自己分析を進めつつ、業界研究も深めていきましょう。質問文に「大手化学メーカーといってもさまざまな製品を扱っていると思います」とありますが、現時点では業界に対する理解度がまだ低いように見受けられます。

まずは四季報、経済誌、新聞、情報系メディアなどを使って、業界全体の特徴、近年の動向と課題、業界トップ企業の戦略などを調べてみてください。そうすることで、「自分が働くとしたらどんな企業がいいのか」「どの分野が自分に向いているのか」が少しずつ見えてきます。

そのうえで「なぜそこがいいと思ったのか」をしっかりと言語化しましょう。その際、大学で勉強していた内容や、自分の経験と結びつけながら考えると、説得力のある志望動機になります。「大学に関係なく、自分は就活生の中で一番この業界について調べている」と思えるくらいまで調べてみてください。それだけ情報を持っていれば、面接でも自信を持って話せますし、企業側にも本気度が伝わります。

選考を突破する就活生こそ「手間のかかる準備」を怠っていない

このような準備は正直言って手間がかかるし大変です。でも、競争率の高い企業を突破していく就活生を見ていると、間違いなくこういうことをやっています。そこで差がついているんです。もちろん、面接練習やエントリーシートの書き方も大切ですが、そもそもの「なぜここがいいと思ったのか」に答えられる材料がなければ、話は始まりません。まずはそこをしっかり固めていきましょう。

キャリアコンサルタント

高尾 有沙

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大手化学メーカー就職は戦略と根拠が突破のカギ

大手化学メーカーに業界を絞っているのですね。大手化学メーカーの選考が難関といわれるおもな理由は、以下の2つがあります。

・応募者数の多さ
・研究開発から営業まで幅広い職域で論理的に課題を捉え、数値で成果を示せる人材を求めている点

ただし「難易度の高さ=学歴フィルター」という単純な構図ではありません。実際に地方私大や文系出身でも、インターンをはじめとした実務体験で成果を残し、化学メーカーに入社した例は珍しくありません。

技術・市場・Willをつなぐ志望動機が難関を超えるポイントに

採用担当者が重視するのはその学生が自社の技術と市場、自分のWillを結び付け、事業を前に進める具体的根拠を示せるかです。

たとえば研究職を希望する場合、教授推薦や学会発表、共同研究などを通じて専門性を証明できるエビデンスが不可欠です。

一方、生産技術や営業は、化学知識も大切ですが、より現場改善の実績や顧客提案力が問われます。

各社の決算発表に目を通し、自分の研究テーマやプロジェクト経験がどの事業領域に直結するのかまで言語化しておくと、説得力が格段に上がります。自分自身の学歴をFランと自嘲する必要はありません。入学してからの努力によって挽回が可能です。

①GPA2.8以上を維持し基礎科目で赤点を取らない
②3年次から学外インターンや化学工場見学で業界の課題を体感する(特にメーカーのインターンには意識して参加する)
③学内外のコンペや研究発表で成果を発信し、課題発見→実験計画→検証→考察のサイクルを示す

このような行動が内定確率を押し上げます。また、英語論文の輪読やTOEIC700点程度を目標にし、グローバル市場やグローバルからの原料調達へ興味があることを示すことで、研究以外の職種にも門戸が開けます。

分野別の難易度でいえば、半導体材料やライフサイエンスなど投資が拡大している領域は採用枠が増える傾向にあり、汎用樹脂など成熟市場より参入余地があります。

志望企業の中期経営計画で重点分野を確認し、自分のスキルがその成長ストーリーにどう寄与するかを物語ることが鍵です。

最後に、大切なのは自分の頭で考えて、自分の進路を決めることです。教授推薦に頼りきらず、OB訪問や技術展示会を通じて、自分の足で現場社員の声を直接収集してください。

企業ごとに異なる技術文化やキャリアパスを理解し、的確な逆質問を準備できれば、大学ランクを超えて採用側の不安を解消できるはずです。

以下の記事では化学メーカーの特徴や向いている人などを解説しています。化学メーカーへの就職を視野に入れている人は、事前にチェックしておきましょう。

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