この記事のまとめ
- QAは品質保証の観点から企業の信頼を守ることが重要
- QAには多様なキャリアパスが存在する
- QAは今後も需要が高まるため、時代に即した知識のアップデートが不可欠
- 適職診断
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品質保証の重要性から、認知が広がりつつあるQAという職種。
システム開発を担うエンジニアの中にもQAと呼ばれる職種が存在し、時代の流れとともに需要が高まっています。
しかし、QAの具体的な仕事内容が不明確で、より詳しい情報を知りたいと考える人も多いはず。QAの仕事内容やキャリアパスをしっかり把握し、魅力的に思うのであればキャリアの選択肢に入れましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの田邉さん、小峰さん、谷所さんのアドバイスを交えつつQAという仕事について詳しく解説します。エンジニアに興味がある人はぜひ確認してください。
QAの役割を理解して具体的な仕事内容やスキルを押さえよう
QAを目指すには、まずQAが持つ役割をしっかり理解しておくことが大切です。また、具体的な仕事内容を把握し、ほかの職種とも区別できるようにしておきましょう。
この記事では、QAが持つ意味や役割、似ている職種との違いについて詳しく説明します。似ている職種と比較をすることで、QAの役割への理解が明確になります。
次に、QAの具体的な仕事内容や求められるスキルについても細かく分析します。QAの理解を深めることで、今から準備すべきことが明確になります。
やりがいや向いている人の特徴についても解説するので、QAを目指す際に参考にしてみてください。
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そもそもQAとは?
そもそもQAとは?
- 似ている職種との違い
- 役割
- 平均年収
QAは「品質保証」という意味を持っています。特に製造業などは「品質管理」を意味し、QCとともに欠かせない存在です。
現代は、製造工程での品質保証(QA)に力を入れることにより、不良品を発生させないようにする企業が多くあります。
IT業界のQAはQAエンジニアと呼ばれ、企業や組織の信用を守るうえで重要視されている職種です。
QAは品質テストのプロとして、また1人のユーザーとして、さまざまな観点からシステムやソフトウェアを評価する重要な役割を担っています。
似ている職種との違い
QAには、製造業などで品質保証に携わる仕事と、システムやアプリケーションなどの製品開発の品質保証にかかわる仕事があります。
製造業などのQAは、品質管理を意味するQCと混同されることも。
さらにQAは、仕事内容がテスターやデバッガーと仕事内容が似ているため、それらとの区別が難しいともいわれています。
QAの仕事についてより知識を深めるためにも、それぞれの仕事内容の違いをしっかり理解しておきましょう。
QCとの違い
QCとは、製品やサービスの品質を管理し、問題を修正して改善する仕事です。QAとQCには以下の3つの違いがあります。
QAとQCの違い
- 時間軸
- 責任
- 業務範囲
まずは時間軸です。QAは、製品の設計から製品の提供後まで品質保証をするのに対し、QCは製品やサービスが品質状態を満たしているかを検査するという役割があります。要するに、QAは長期的にサービス品質に携わり、QCは短期的に品質基準の確認をするため、時間軸に違いがあるといえます。
続いて、責任に関してです。QAは製品が販売された後も品質に責任を持ちます。一方、QCは提供前の段階での品質に責任を負うことになります。
最後に、業務範囲です。QAは製品の設計から提供までを担うため、業務範囲は広くなります。一方、QCは上述の通り、提供前の品質を確認します。そのため、QAの仕事の中にQCの仕事が含まれているといえます。
テスターやデバッガーとの違い
QAと似ている職種として以下の2つが挙げられます。
QAと似ている職種
- テスター
- デバッガー
システムの開発からリリースまでの一連の流れとして、まずデバッガーがアプリケーション完成までの各プログラムごとにバグを見つけます。発見したバグはその都度修正し、完全にバグが見つからないようになるまでこの作業(デバッグ)を繰り返します。
デバッグが一通り終わり、完成したアプリケーションをテストするのがテスターです。
想定される操作を実行した際の動作をテストすることはもちろん、想定していない操作の可能性も綿密にテストします。
テスターは、プログラムのミスを見つけるというより、プログラムの不足部分を見つけるという意味合いが強い仕事です。
テスターによる各工程のテストでバグがないと判断された製品を、最後に実際にユーザーが利用する環境に近づけ、品質が良好であることを保証するのがQAの仕事です。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るそれぞれの役割を踏まえて向いている人を考えよう
QC・QA・テスター・デバッガーは、いずれの仕事も製品に対する責任が求められます。
そのうえでQCは、開発したシステムについて納品までの品質の責任を負う仕事であり、開発工程や人選なども対応する必要があります。問題が起きないように事前に事象を想定し、問題が発生したときに迅速に対応できるリスクマネジメント能力がある人が向いているでしょう。
QAに向いているのはコミュニケーション能力の高い人物
QAは、ユーザーの視点でリリース後の製品の品質や顧客満足度に責任を持つ仕事で、関連部署や取引先との調整のほか、リリース後の品質監視、顧客への報告、顧客からのフィードバックの収集などをおこなうことがあります。
交渉力や調整力があり、問題があればきちんと定義できるコミュニケーション能力のある人が向いています。
テスターは動作確認やバグの検証をおこないますが、テストの時間が長時間になるため、集中力があり根気強く取り組める人が向いています。
デバッガーは、ソフトウェアのバグを取り除きプログラムの修正作業までおこなう裏方の仕事であるため、テスターと同様に同じことを繰り返しても飽きない根気強さと、新たな技術を習得していく向上心がある人が向いています。
向上心を強みに持つ人は選考で自己PRしましょう。以下の記事では、向上心の自己PRの作り方・伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点
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役割
QAの役割
- 製品やサービスの問題点を解消し企業の信頼を守る
- ユーザーの使いやすさを追求する
QAの役割は多岐にわたり、しっかりと理解することで、QAとして活躍する姿がイメージしやすくなるでしょう。
ここからQAの役割を解説するので、入社後の活躍イメージが自身の希望にマッチするか確認してください。
製品やサービスの問題点を解消し企業の信頼を守る
QAは、サービスやソフトウェアが正常に動くか、ユーザーが実際に製品を使う環境でもトラブルが発生しないかというテストを何度も繰り返し、問題なくシステムが動作するかを検証します。
ユーザーの手に渡った後に致命的な不具合が見つかれば、謝罪や返金をするだけでなく、企業の社会的信用を失うこともあります。QAは、企業の信頼を守るうえで非常に重要な存在といえるのです。
ユーザーの使いやすさを追求する
システムやソフトウェアは基本的に品質テストがおこなわれます。QAがいない場合はシステム開発者などがテストをすることになりますが、その場合結果に偏りが出やすいという欠点があるのも事実です。
なぜなら、開発者は製品の機能をよく理解しているため、ユーザー目線でのテストをしにくくなるからです。そのため開発時点で想定できなかった不具合や脆弱性を見落とすこともあります。
顧客の問い合わせ対応も担当するQAは、作り手側と買い手側の両方の視点から品質について考えることができるため、ユーザーが使いやすいソフトウェアを開発するために重要な役割を担っています。
QAは、不具合が起きたデータ情報を分析し、開発プロセスを改善して生産性と品質を向上していく役割を担っています。
また顧客からの問い合わせに対応する専門窓口を設けていない場合、不具合対応窓口を担当することもあります。
平均年収
indeedに匿名で提供された給与額および過去36カ月間に掲載された求人から計算されたデータによると、2024年2月時点でQAの平均年収は590万円とされています。indeedの実際の求人を確認すると、年収300〜1,200万円と企業によって差がありました。
QAとして経験を積むと、スキルアップすることにより単価自体が上がることが予想されます。
QAの将来性はある? 今後の動向を確認!
AIの成長がQAの将来性に大きな影響を与えているといっても過言ではありません。今後もシステム開発が求められ続ける一方、IT人材の不足が目立つ現代では、QAの需要は高まることが予想されます。
また、しのぎを削るIT業界では、製品に求められるレベルは年々上がっています。それと同時に、QAに求められるスキルもレベルが高くなることが予想されます。
求められるレベルが高くなったとしても必要とされ続けるQAになるために、今後の動向を把握し、技術向上に向けて努力することが重要です。
品質保証を必要とするソフトウェアやシステムが増え需要はなくならない
AIによる業務効率化にともない、ソフトウェアやシステムの品質管理は欠かせいないものになっています。IT業界は特に、ただ使える製品というよりも、使いやすい製品、つまり高品質なものへの需要が高まっている傾向にあります。
システムが複雑になるほど、不具合が発生する可能性が高くなります。それらを発見するのは困難であるにもかかわらず、一つの不具合が大きな損害を与えることもあります。
ユーザー環境でのバグ・不具合を発見し改善するQAは、品質管理のスペシャリストとして今後も多くの企業で求められ続けると考えられます。
システム開発の手法はこれからも進化し続け、新しい技術も次々に登場します。そのため、最新のシステム開発技術の勉強を怠らず、企業から求められ続けるQAを目指しましょう。
今後も重要性が高まりニーズが増え続ける
QAのニーズは今後も高まっていくことが予想されています。なぜなら、QAに求められるスキルは多岐にわたり、システムを提供する際に非常に重要な役割を果たすからです。
QAがかかわるシステム開発では、以下の項目が重要視されています。
システム開発で重要視される項目
- 品質管理
- 品質保証
- 品質改善
- セキュリティ面
上記のように、システム開発で重視される項目は品質面だけでも複数あります。
幅広い業務を担当し、開発プログラムの改善点を多面的に検証できるQAの需要は非常に高まっています。
実際にユーザーが快適に製品を利用するためにも、さまざまな観点から評価する役割があります。今後もあらゆるソフトウェアが開発されるたびに、その質を担保するQAの重要性はますます高まると考えられます。
ソフトウェアの開発で品質を担保することは重要であり、問題を早期に発見することが求められています。
クオリティを一定以上に保つ役割を担っているQAは、今後自動化ツールを活用し作業の効率化をおこない、開発者へのフィードバックやクライアント対応をより充実させていくことが考えられます。
QAを徹底理解! 6つの仕事内容
QAの仕事内容
- 設計段階での機能や仕様の確認・評価
- 品質テストの設計・実行
- 品質テストの評価・不具合の分析
- 品質テストの自動化の検討・構築・実行
- 開発プロセスの見直し・改善
- 顧客の問い合わせ対応
QAの仕事内容は、主に6つに分かれます。
ここから6つの仕事内容を詳しく解説するので、参考にして仕事内容を具体的に把握し、自分に適性がありそうか、関心を持てるかなどを考えてみましょう。
まずはあなたがQAエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
①設計段階での機能や仕様の確認・評価
設計段階では、機能や仕様、設計内容について評価します。
抜けている点や曖昧な点がないか、設計・修正内容が妥当かを洗い出し、不具合が発生しないよう設計をします。必要があれば開発者に仕様を提案することもあります。
② 品質テストの設計・実行
QAとしてのメインの業務が品質テストの設計と実行です。品質テストで確認する項目は大きく分けて以下の3つが挙げられます。
品質テストで確認する項目
- 製品が正常に動作するか
- 耐久性に問題はないか
- 誰でも使いやすい仕様になっているか
上記の項目をテストするため、利用者の目線で、システムを利用する際の進行方法を作成します。
次に、期待した通りの動作をするか確認・評価します。
テスト中に不具合を発見した際は、再現手順の確認からシステムの動作に関するエビデンス(証拠資料)を集め、開発側に報告します。
③品質テストで評価・不具合の分析
品質テストの結果から、取得した不具合の数や内容の把握・分析をすることも、QAの重要な仕事です。品質テストの結果を分析し、不具合の頻度や原因を特定することも求められます。
さらに、品質テストの分析結果をもとに、改善点を提案します。
④品質テストの自動化の検討・構築・実行
リグレッションテストと呼ばれる、開発中に発見したバグを直ちに修正し、プログラム修正後に不具合がないかを検証するテストや膨大なデータを扱うテストを実施します。
目視や手動でするテストは確実性に欠けたり、時間がかかったりするという欠点があります。
そこで、品質の安定性や業務効率の向上のため、テストの自動化をすることもQAの仕事の一つです。テスト自動化にはコストが発生するため、費用対効果をもとに、自動化を進めるかどうかを検討し、実際に構築・実行します。
⑤開発プロセスの見直し・改善
QAは、開発中のシステム分析やレビューをし、開発時に生じた問題点を下記のように洗い出します。
洗い出す問題点
- なぜ不具合が発生したのか
- なぜ不具合が検出できなかったのか
- 不具合を発生させないために、最初から正しく開発するにはどうすれば良かったのか
- 不具合をより早く確実に検出するには、どのようにテストすれば良かったのか
上記のように、さまざまなデータや情報を分析し、開発プロセスを改善することで、生産性と品質を向上させます。
⑥顧客の問い合わせ対応
システムを提供した後、QAが顧客の問い合わせ対応をする場合があります。
QAは、製品全体の仕様について開発者よりも精通していることが多く、特に不具合の問い合わせ窓口として対応するケースが多いといわれています。
企業によっては、開発した製品の品質管理をQA部門に一任しているところもあります。品質管理の面でQA部門が強い権限を持ち、不具合に関する責任を負うケースも多く、顧客の問い合わせ対応も任せられることがあります。
- 業務範囲が広いQAですが、特に求められるスキルや資質はあるのでしょうか?
コミュニケーションスキルや責任感の強さ
QAの仕事は品質保証であり、本格的なプロブラミングはしませんが、システムはプログラミングにより制作されているので、問題を発見するためには、プログラミングスキルが必要です。
QAはさまざまな人とかかわりを持つ仕事であり、専門職スタッフやユーザーなどと円滑にやりとりができるコミュニケーションスキルのほか、責任感があり粘り強く仕事ができる資質も求められています。
コミュニケーション能力や責任感に自信がある人は選考でアピールしましょう。以下の記事でコミュニケーション能力、責任感の自己PRの作り方・伝え方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
コミュニケーション能力
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
責任感
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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QAのキャリアパス
QAのキャリアパス
- QAマネージャー
- シニアQA
- QAコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- テストアナリスト
- フリーランスのQA
QAは、幅広いキャリアパスを描くことが可能です。エンジニアの中でもさまざまなキャリアの可能性が広がり、その分自分にマッチするキャリアを見極める必要があります。
ここからはQAのキャリアパスを解説します。将来を見すえ、今からどのように活躍したいかをイメージしましょう。
①QAマネージャー
QAとして経験を積むと、QAマネージャーというキャリアパスが見えてきます。QAマネージャーは、QAの業務をまとめて管理する役割です。
主に、テスト自動化の計画策定やテストフローの管理などの上流工程を担当するほか、外部との打ち合わせやQAチーム全体の管理なども担当します。
そのため、QAとしての高い技術スキルに加えて、マネジメント力やコミュニケーション能力などのヒューマンスキルが求められます。
②シニアQA
マネージャー経験があり、テストにも精通しているQAの上位ポジションが、シニアQAです。テスト計画やテストケースの作成など、高い技術と経験値が求められます。
QAマネージャーと同様、QAチームのチームリーダーとしての役割もあるため、チームをまとめるマネジメントスキルが求められます。
③QAコンサルタント
QAコンサルタントは、品質保証やテストに関する支援を提供します。QAの経験を積み、品質保証の道を極めたい人に向いています。
QAコンサルタントは、QAプロジェクトの品質向上に向けて戦略を立てたり、計画の作成などをおこなおこなったりする業務です。開発の現場だけでなく、顧客の経営層や関連部署を含む品質リスクの評価をし、品質向上のための戦略立案や、品質向上のプロセスを作成します。
④プロジェクトマネージャー
QAとしての品質保証や品質管理だけでなく、プロジェクト全体の進行管理など、幅広い業務に携わる責任者がプロジェクトマネージャーです。
システム開発やプログラミングの知識・スキルを持ち、改善提案を含めた全体像も把握できるエンジニアなら、プロジェクトマネージャーへのキャリアパスが目指せます。
特に、シニアQAを経験した人は、マネジメントスキルを活かすことができるはずです。
予算管理や顧客との折衝などが求められ、あらゆる業務を担当することで、さらなるスキルアップにもつながります。
⑤テストアナリスト
テストアナリストは、製品に必要なテストを作成したり、テストの実行・分析をしたりする仕事です。
不適切なテストが実施されていないかを確認することで、開発した製品の品質を保証する役割を担います。
テストアナリストには、テストに関する知見やスキルが必要です。
⑥フリーランスのQA
フリーランスのQAの年収は、企業に属するQAとほぼ同額程度といわれており、経験年数や年齢などで大きく変わります。
フリーランスの場合、自分で案件を自由に選ぶことができるのが大きなポイントです。フリーランス向けのQAの案件の中には高単価の案件もあるため、持っているスキルや自分の頑張り次第で年収は大きくアップします。
精度の高いテストができるQAは、企業にとって欠かせない存在です。一方、製品のテストをする専門家を社内で育成するのは、時間や費用がかかることから、フリーランスのQAに依頼するケースも多くあります。
実務経験を多く積んで、需要のあるフリーランスのQAを目指すのも有効なキャリアパスの一つです。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見るそれぞれの特徴や自身の適性を客観的に把握しキャリアを選択しよう
キャリアパスの選択肢がさまざまある場合、どの道が自分にとって一番良いのか迷いますよね。迷いが生じる主な要因としては2つあると思います。
一つは選択肢それぞれの特徴をよく理解していないということ、もう一つは自分の適性を深く理解できていないことです。逆に言うと、選択肢の特徴をよく理解し、自分の適性を深く理解していれば、自分に合うキャリアパスを選択することへの迷いは大きく減るということです。
選択の一つひとつを掘り下げてチェックしていこう
そのためにすべきこととしては、まず選択肢それぞれの特徴をよく理解するために、キャリアパスごとの仕事の特性として、スキルや知識、役割、必要とされる能力などを調べたり、聞いたりしながら整理していくことです。
また、自分の適性を深く理解するためには、自身の興味や価値観、能力、求められる役割などをアセスメントツールやキャリアカウンセリングなどを活用して、客観的に把握しておくことが効果的です。
以上により、仕事の特性を理解し、また自分の適性を理解していくことで、自分に合ったキャリアパスの道が見えやすくなってくると思います。
自分に合った仕事の見つけ方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
QAに求められる技術スキル
QAに求められる技術スキル
- プログラミングスキル
- ソフトウェアの設計・実行スキル
- 数値分析・自動化のコーディングスキル
- 品質マネジメントのスキル
- テスト技法に関するスキル
エンジニア職はスキルをしっかり身に付けなければ仕事になりません。特にQAは幅広い仕事が必要となるため、その分付けるべきスキルも多岐にわたります。
ここからは、QAに必要な技術スキルを解説するので、将来的に活躍できるQAになるためにも、ぜひ把握してください。
QAは、製品の品質にかかわる重要な仕事です。製品企画から販売後の顧客対応まで幅広い業務を担当するため、求められる技術スキルも多岐に渡ります。
QAとして活躍するために必要な技術スキルについて理解し、企業に求められる人材を目指しましょう。
プログラミングスキル
QAは開発されたプログラムをチェックし、修正が必要な場合は対応します。どのプログラムがどのような動作を発生させているのかを把握する必要があるため、プログラミングの知識は必須です。
要件定義書を読み解くスキルや、設計書などを見て実際にプログラムを組むスキルなども求められます。
要件定義書とは
顧客の要望をヒアリングし、要望を実現するための機能や画面イメージなどを文書にまとめたもの
設計上のミスや不具合を発見し修正を加える際や、品質テストの自動化ツールを作成する場合に、最低限のプログラミングスキルが必要になります。
ソフトウェアの設計・実行スキル
QAの仕事は、システムのチェックが主な役割です。しかし、システム開発に関与する仕事である以上、開発に関するスキルは必須といえます。
品質テストの設計や計画、結果分析や改善提案をする際にも、ソフトウェアの設計・実行に関する知識が求められます。さらに、必要に応じて開発工程の見直しを提案することもあるため、どのように開発されたかを十分に理解する必要があります。
QAにとってソフトウェアの設計・実行スキルは基本スキルといえるのです。
数値分析・自動化のコーディングスキル
QAは、品質テストのさまざまな結果を分析し、サービスのどの部分を改善するかを分析する力が求められます。特に、統計的な視点で不具合を確認し、どの開発プロセスで問題が起きたかを分析する力は非常に重要です。
また、正確かつ効率的な品質テストのため、テストの自動化に関する検討・構築・実行する業務も重要な仕事の一つです。その際にプログラムを書いたり、文字や画像などのデータをコードに置き換えて符号化したりと、コーディングスキルも身に付けるとより市場価値が高まります。
品質マネジメントのスキル
品質マネジメントとは、プロジェクトのプロセスや、成果物である製品、サービスの品質を監視するシステムや活動、ルールのことです。QAは、開発途中のシステムの品質管理から、リリース後の顧客の対応まで幅広い業務を担当します。
顧客が何を求め、何を望んでいるのかを明確にし、わかりやすく再構築する品質マネジメント力は、QAに求められるスキルの一つです。
テスト技法に関するスキル
QAは品質テストを設計するだけでなく、実際にテストを実施します。そのため、テスト技法に関するスキルが求められます。取り扱う製品によってテスト内容が異なるため、どのテストを実施すべきか判断する力も必要です。
QAが実施するテストは、以下のようなテストが挙げられます。
QAが実施するテスト
- ユーザーが実際に利用するシーンを想定したシナリオテスト
- データをどこまで入れられるかを確認する負荷テスト
- 安全性に問題がないかを確認するセキュリティテスト
このように、QAはさまざまなテストを理解し、実行するスキルが求められます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るQAに特に重要なのはプログラミングとソフトウェア開発スキル
QAが扱うシステムやソフトウェアは、プログラミングにより構成されています。書いてあるコードが理解できなければ、不具合の原因を見つけ出すことができません。
品質をチェックするためには、プログラミングの基本的な構造やプログラミング言語ごとの特徴などを把握しておく必要があります。些細なバグや不具合などの問題が発生したときは、開発工程に戻さずQAが直接修正をおこなうことがあり、テストの分析ツールを作成することもあります。
プログラミングスキルはQAに欠かせないスキルです。
ソフトウェアを設計し実行するスキルも必要
開発者と異なる視点でシステムをテストし、不具合やバグなどをチェックして的確なフィードバックをおこなうためには、ソフトウェア開発のスキルが求められます。
また開発工程の見直しをおこなううえでも、ソフトウェアの設計・実行スキルがなければ、フィードバックはできません。また分析ツールの作成でもソフトウェアの設計・実行スキルは役立ちます。
QAに求められるヒューマンスキル
QAに求められるヒューマンスキル
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- 広い視野と柔軟な対応力
- コミュニケーション能力
システム開発の最後の砦として重要な役割を担うQAは、幅広い知識や技術スキルだけでなく、業務を円滑に進めるためのヒューマンスキルも求められます。
これは入社前からも培えるスキルであり、QAを目指す人はこれらの力を付けるよう意識して過ごしましょう。
ここからは、QAに求められるヒューマンスキルを仕事内容と併せて解説するので、しっかり把握してください。
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論理的思考力
QAの業務内容は、テスト結果の分析や開発プログラムの見直し・改善など、多岐に渡ります。そして、どの業務でも求められるのが論理的思考力です。
システム開発では障害を発生させないことが理想ですが、実際には思わぬ障害や不具合の発生を避けては通れません。
同じ障害が2度と発生しないために、開発プロセスの見直しや改善をする際にも論理的思考力が求められます。QAには問題から原因を細分化して考え、同じことが発生しないように先回りする力が求められますが、それには論理的思考が必要だからです。
日頃から常に「なぜそうなるのか」「どうすればより良くなるのか」など問題意識を持って考えることで、論理的思考力を養いましょう。
QA業務に限らず、仕事において論理的思考力はとても大切です。人にわかってもらえるように伝えることが必要だからです。
そのためには、日頃から問いを作る癖を付けると良いでしょう。思考とは問いによって開始されるため、良い問いを作ることができると、良い思考ができるようになっていきます。
問題解決能力
QAは、品質テストでのバグ・不具合の対応から、顧客からのクレーム対応など、さまざまな問題に直面し、対応しなければなりません。
問題が発生した際に、冷静に事実を把握し、迅速に原因を究明して解決する力が求められます。これが問題解決能力です。
QAとして問題解決能力を磨くためには、常にユーザー視点を持ち、本質的な課題解決に向けた姿勢が大切です。
問題解決能力がある人は選考でアピールしましょう。問題解決能力の自己PRの作り方・伝え方は以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
自己PR例文付き|問題解決能力を鍛えるコツと就活でのアピール方法
広い視野と柔軟な対応力
ユーザー目線で品質テストをし、あらゆる不具合を発見・改善するQAにとって、広い視野と柔軟な対応力を持つことは非常に大切です。
開発段階では見つけ出せなかった問題点を発見し、すべてのユーザーにとって使いやすいシステムを作るために、多角的な視野を持つことが求められます。
思いもよらない不具合に対応することも多いため、さまざまな視点から問題を見て、常に新しい発想で柔軟に対応する力を身に付けておくことが重要です。
柔軟な対応が求められるQAですが、臨機応変に対応できる能力をアピールする方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
例文8選|臨機応変に対応する力の自己PRで印象に残す4ステップ
コミュニケーション能力
エンジニア職は、一人で黙々と作業をするイメージが強いかもしれません。しかしQAは、品質管理をする中で開発者や顧客とのやり取りが多く発生します。
品質テストでバグが発生した際や、開発プロセスの改善策を提案する際など、周囲と連携を取りながら話し合う場面も少なくありません。
顧客対応も担うQAが業務を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力が必須です。
- QAに必要なコミュニケーション能力は鍛えられますか?
PREP法を意識すれば必要なコミュニケーション力を鍛えられる
QAに興味がある人の中には、コミュニケーション能力に自信がなく、不安を感じている人がいるかもしれません。しかしこのような人であっても、PREP法を意識すればコミニケーション能力を鍛えることができますよ。
PREP法とは、結論と理由、具体例、結論から構成される型で、簡潔に自分の意見や質問を伝えることができます。普段のコミュニケーションでも意識することで、エンジニアの業務でも活用できるようになります。
魅力とは? QAのやりがい
魅力とは? QAのやりがい
- 多様な技術が身に付き自分自身の成長につながる
- 社内で感謝されることが多い
- プロジェクトをやり遂げ達成感を感じる
システム開発にとってなくてはならない存在のQA。決して楽な仕事ではない分、やりがいも多い仕事です。
ここからは、QAの魅力について解説します。
多様な技術が身に付き自分自身の成長につながる
QAは、サービスをリリースするうえで必要となるテスト技法やプログラミング、開発に関する知識、スキルが身に付きます。
また、業務内容が多岐に渡るため、以下のようなヒューマンスキルを身に付けることもできます。
QAが身に付けられるヒューマンスキル
- 品質テストの結果を報告するためのプレゼンテーション能力
- 開発部門に的確なフィードバックをするためのコミュニケーション能力
- 修正スケジュール管理・リソース配分を考慮するマネジメントスキル
システム開発の手法はこれからも進化し続け、新しい技術も次々に登場します。そのため、最新のシステム開発手法や技術など、さまざまな知識が身に付くのはQAのやりがいの一つです。
社内で感謝されることが多い
QAは、仕事柄開発者のサポートやプロダクトを管理している人へフィードバックをすることが多いです。そのため、社内で直接感謝される機会が多くなります。
ユーザー視点で何度もテストをおこない、開発者が発見できなかったバグや不具合をリリース前に発見します。
最後の砦といっても過言ではないQAは、企業の信用・信頼を守るうえで最も重要な存在となり、直接感謝されることでやりがいにつながります。
プロジェクトをやり遂げ達成感を感じる
QAは、品質に関する最終チェックをする重要な役割を担います。ユーザーファーストでシステム開発に携わり、品質保証に関して一切妥協を許さず業務に当たります。
厳しく品質を追求し、製品だけでなく企業の信用を守る重要な仕事です。QAの最終チェックが製品の品質を決めるといっても過言ではありません。
その結果、ユーザーが満足するシステム開発をやり遂げた時の達成感は計り知れないものでしょう。
また、開発プロセスの見直し・改善やテストの自動化による業務の効率化など、QAの仕事一つひとつの積み重ねが、プロダクトの品質につながることも大きなやりがいの一つといえます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るQAの仕事を通して身に付けられるスキルは多岐に渡る
QAは、プログラミングスキルやシステム開発スキルを持ち合わせている必要があるので、技術が身に付けられます。そのほかエンジニアや企画立案する部署などと連携して仕事をするので、コミュニケーションスキルも習得できます。
またQAがテストツールを開発する場合もあり、テストツールに関するスキルも身に付けられます。
品質を保証するうえで必要なプログラミングスキルやシステム開発スキル、業務を円滑に進めるためのコミュニケーションスキル、テストツールに関する知識やスキルなど、QAは幅広い技術を身に付けられる魅力があります。
ユーザーのために働いているというやりがいを得られるのもQAの魅力
ユーザーが安心して利用できるのは、品質管理やテスト業務をおこない、品質を保証しているQAの存在が大きいでしょう。ユーザー目線でユーザーのために働いているという気持ちがやりがいにつながります。
またQAは、開発担当者やプロダクト管理者へのフィードバックをおこなうことで、社内で直接感謝されることが多く、やりがいにつながります。
QAに向いている人の特徴
QAに向いている人の特徴
- 細かいところまで注意ができる人
- 不明点をそのままにしない人
- マルチタスクが可能な人
- ユーザー視点を意識できる人
QAは業務内容の幅が広く、それぞれの業務で重要な役割を担います。さまざまなスキルを求められる場面も多く、向き・不向きがあるのも事実です。
ここからはQAに向いている人の特徴について解説するので、自分の性格と照らし合わせて参考にしてみてください。
細かいところまで注意ができる人
QAが取り扱う製品やサービスは、たった一つの設計ミスが大きな障害につながります。
製品の品質を保証するためには、隅々まで調べ尽くして、バグや不具合がないかをチェックしなければなりません。そのため、システムの設計ミスを見落とさない正確な仕事が求められます。
これらの理由から、細かいところまで注意できる人は、QAに向いているといえます。
不明点をそのままにしない人
QAは、テスト技法や品質保証などに関する幅広い知識が求められます。新しい技術が登場した際や法律の改正があった際は、その都度学び直して知識をアップデートしていかなければなりません。
そのため、不明点を放置せず、すぐに調べたり学んでいける人が向いています。幅広い知識を自分から積極的に学んでいける人は、QAの適性があるといえます。
マルチタスクが可能な人
QAは、テストをするだけでなくその結果を分析して取りまとめたり、開発者に報告するなどさまざまな業務を担います。
開発工程の改善案の提案や顧客の対応など、幅広い業務を担当するQAは、同時に複数の業務を並行できる人が向いています。
特定の作業に特化して仕事をしたい人よりも、あらゆる分野の仕事に対応できる人の方が適性があるといえます。
ユーザー視点を意識できる人
QAに求められるのは、ユーザーがどのような品質を求めているか、ユーザーにとって使いやすいソフトウェアはどのようなものなのかを把握する力です。
ユーザーが求めているサービスを明確にイメージし、製品に反映できるスキルは、QAにとって欠かせません。
完成した製品に対して、ユーザー視点で動作や耐久テストをし、あらゆる角度から使いやすさを追求するQAにとって、ユーザーとしての視点を持つことは非常に大切です。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る人のために働きたいかどうかがQAへの適性を見極める基準の一つ
上記以外でQAに向いている人は、コミュニケーション能力と向上心があり、人のために働きたいと考える人です。
QAは、製品開発に関連するさまざまな部署の関係者とかかわる仕事であり、不具合などが発生した場合、ユーザー対応をおこなうこともあります。
人と会話をすることが好きでなければスムーズに業務を遂行できず、伝えなければいけないことを伝えて理解してもらうといったコミュニケーション能力がある人が向いています。
最先端の情報やスキルをアップデートし続けることも重要
常に新しいプログラミング言語やソフト開発のスキルを身に付けることが大切であり、さらに今後AIなど最先端のIT技術を身に付けることが求められます。そのため新しい技術や知識を習得していきたいといった向上心のある人が向いています。
QAは、ユーザー視点で動作や耐久テストを通じて、不具合や改善項目の指摘、改善をおこない、良い製品のリリースにつなげていくことで、開発担当者やプロダクト担当者に感謝される仕事です。ユーザーや関連部署のために働きたいと考えている人に向いています。
QAを未経験から目指すには
インターネット上のサービスで、品質保証という重要な役割を担うQA。業務内容が幅広く、求められる知識やスキルも多いですが、未経験でも目指すことは可能です。
ただし、QAは責任も大きく専門的な作業も多いため、事前に最低限の知識とスキルを身に付けておく必要があります。
未経験からQAを目指す際に必要な点について、詳しく説明します。
プログラミングの知識を磨く
QAには、基本的なプログラミング知識は必須です。品質を確認する際は、ほかのエンジニアが作成したプログラムを読んで理解する必要があるからです。さらに、正しいプログラムに修正することもあります。
また、品質テストでは不具合を発見するだけでなく、改善点を開発側に伝えることも業務の一つです。改善点を正確に伝えるためには、基本的なプログラミング知識は必須です。
学生の中には、独学でプログラミングを学び、QAを目指す人もいます。ただし、QAとして配属される可能性は低いため、まずはプログラマーとして就職をし、後にQAを目指す人が多いです。
未経験からエンジニアを目指すなら、スクールで学ぶのもおすすめです。おすすめのエンジニアスクールを詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
おすすめのエンジニアスクール14選|失敗しない選び方の秘訣も紹介
QAの仕事に活かせる資格を取得する
QAに必須の資格はありませんが、QAとしてのスキルを証明するために資格取得は有効な手段です。また、資格取得に向けた勉強が、QAの仕事をするうえで役立つことは言うまでもありません。
ここからは、QAの仕事に活かせる資格を解説します。
QAとして活躍し、その後のスキルアップを目指すためにも、必要とされる資格取得を目指しましょう。
- 未経験でもQAになることは可能ですか?
適性があると判断されたうえで意欲も伝えられれば可能
プログラミングなどのスキルが未経験でも、QAに内定することは可能だと思います。
どのようなQAになりたいかにもよりますが、スキルは継続して学び、経験を積んで身に付けるものなので、これまでの経験よりもこれから経験していくことが重視されます。
そのため、どのようなQAになりたいのか、それはなぜなのか、そのためにどのように経験を積んでいきたいのかといった意思や適性を確かめておけばQAになれる可能性は高くなります。
未経験からエンジニアを目指すことが本当に可能なのか気になる人は、こちらの記事を確認してください。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格は、JSTQBが主催する試験で、ソフトウェアの信頼性を守るエンジニアのテスト技術向上のために設立された資格です。
世界各国のテスト技術者認定組織が加盟するISTQBが認証する資格で、日本だけでなく世界で通用するのが大きな特徴です。
試験は、Foundation LevelとAdvanced Levelの2つのレベルがあり、Foundation Levelは誰でも受検できますが、Advanced Levelは、Foundation Level合格者で実務3年以上の人が受検可能です。
レビュー評価からソフトウェアテストに関する知識など、品質管理に関する幅広い知識が問われます。
JSTQB認定テスト技術者資格の基礎知識
主催団体:JSTQB
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:予約可能日であればいつでも
受検費:22,000円
目安勉強時間:約40〜60時間(Foundation Levelの場合)
合格率:約60%(Foundation Levelの場合)
ソフトウェア品質技術者資格
ソフトウェア品質技術者資格は、ソフトウェアの品質向上に関する知識を効率的に身に付けるための資格です。日本のソフトウェア産業から品質事故をなくし、安心・安全な社会を実現するために、一般社団法人日本科学技術連盟が開始した認定制度になります。
試験内容は、ソフトウェア品質知識体系ガイド(SQuBOK Guide)をベースに編成されているのが特徴です。
ソフトウェア品質の概念、品質マネジメントのほか、ソフトウェア品質に関する技術など、幅広い知識が問われます。現在は初級試験と中級試験の2つで構成されていますが、今後上級試験が新設される予定です。
ソフトウェア品質技術者資格認定の取得を推奨している企業は多く、中には必須資格にしている企業もあります。初級試験に合格していなくても中級試験を受検することが可能なので、QAとしての就職をより有利にするなら、中級取得をおすすめします。
ソフトウェア品質技術者資格の基礎知識
主催団体:一般社団法人日本科学技術連盟
資格種類:民間資格
試験形式:初級は選択問題、中級は選択式と記述式(穴埋め・説明・解説)の組み合わせ
試験日:初級は年2回、中級は年1回
受検費:初級は15,400円、中級は20,900円
目安勉強時間:初級は約50時間、中級は約100〜150時間
合格率:初級は30〜40%前後、中級は10〜20%前後
IT検証技術者認定試験
IT検証技術者認定試験は、一般社団法人IT検証産業協会が実施するテストエンジニアの資格試験です。ソフトウェア検証やテスト現場の実務を重視する試験内容になっているのが特徴です。
合格者は「実際の現場でも安心して仕事が任せられる」と業界でも高い評価を受けられる傾向にあり、QAを目指す際に取得しておくと有利な資格です。レベル1、2は受検資格がなく、誰でも受検できます。
IT検証技術者認定試験の基礎知識
主催団体:一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)
資格種類:民間資格
試験形式:CBT方式(コンピュータを利用して実施する試験方式)
試験日:年2回
受検費:レベル1は19,800円、レベル2は22,000円
目安勉強時間:約30時間
合格率:50〜60%前後
QC検定
QC検定は品質管理検定とも呼ばれ、一般社団法人日本規格協会(JSA)が主催している資格試験です。
ITシステムやソフトウェアに限らず、品質管理業務全般に対する知識をどれだけ持っているかを確認する内容になっています。4級・3級・2級・準1級・1級があり、未経験者は4級か3級の試験が対象です。
学生から社会人まで幅広い層を対象にした資格試験で、比較的取得しやすい資格なので、品質保証を担当するQAを目指すなら取得しておきたい資格です。
QC検定の基礎知識
主催団体:一般社団法人日本規格協会
資格種類:民間資格
試験形式:マークシート式
試験日:年2回
受検費:4級は3,960円、3級は5,170円、3・4級併願は8,250円
目安勉強時間:4級は約30時間、3級は約100時間
合格率:4級は85%前後、3級は50%前後
TOEIC
TOEICは、約90カ国で実施される国際的な試験で、日本では一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施しています。
TOEICには複数の種類が用意されています。
TOEICの種類
- TOEIC Listening & Reading Test:リスニング能力とリーディング能力の両方を測る試験
- TOEIC Speaking & Writing Tests:スピーキング能力とライティング能力の両方を測る試験
- TOEIC Speaking Test:スピーキング能力を測る試験
中でも就職活動で活かすには、リスニング能力とリーディング能力を測る「TOEIC Listening & Reading Test」の受検が圧倒的におすすめです。
英語ができれば、外資系企業や海外の顧客との仕事が可能になるほか、英語で表記された仕様書の製品も対応が可能になるからです。また、品質保証やITの最新情報を、海外からいち早く入手できるなどのメリットもあります。
一般的に履歴書で英語力をアピールする際のTOEICのスコアは650点以上といわれています。外資系企業の転職を目指している場合は、750点以上のスコアを取っておくことが理想です。
TOEICの基礎知識
主催団体:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
資格種類:民間資格
試験形式:マークシート式
試験日:月1〜2回(TOEIC Listening & Leading Testの場合)
受検費:7,810円(TOEIC Listening & Leading Testの場合)
目安勉強時間:100点アップさせるために必要な時間は200〜300時間
合格率:合否なし
TOEICの就活への影響についてより詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
TOEICのスコアは就職活動に影響大! 目安の点数を大公開
信頼性技術者資格認定制度
信頼性技術者資格認定制度とは、信頼性・品質保証業務に携わる技術者の問題解決能力や知識を認定する資格制度です。
企画・研究・開発・設計・生産・品質保証・検査・サービス・保全などのあらゆる部門で、信頼性にかかわる技術者のキャリアアップなどに利用できる資格になります。
資格区分は初級・中級・上級に分かれ、初級は誰でも受検可能です。初級は資格試験前に「信頼性セミナー基礎コース」が開催され、試験内容は同コース修了レベルの内容です。
製品の品質保証業務全般を担当し、企業の信頼・信用を守る立場を担うQAにとって、非常に役立つ資格です。
信頼性技術者資格認定制度の基礎知識
主催団体:一般社団法人日本科学技術連盟
資格種類:民間資格
試験形式:マークシート式(初級の場合)
試験日:年2回(初級の場合)
受検費:13,200円(初級の場合)
目安勉強時間:約80時間
合格率:25%前後
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明する国家資格で、12種類ある情報処理技術者試験の中ではレベル1、つまり入門レベルです。
インターネットがあらゆる分野で浸透している現代で、ITに関する知識はどの業界でも必要になります。
ITパスポートなどのITに関する資格は、エンジニア職にとって一番難易度が低く、取得しやすい資格といえます。
ITパスポートの基礎知識
主催団体:IPA独立行政法人 情報処理推進機構
資格種類:国家資格
試験形式:マークシート式
試験日:年2回
受検費:7,500円
目安勉強時間:約100時間
合格率:50%前後
中でもJSTQB認定テスト技術者資格がおすすめです。ファンデーションレベル(FL)とアドバンスドレベル(AL)の2種類があり、ALはテスト経験が3年以上必要ですが、FLを取得することでテスト業界で働くうえで参考になる知識を十分習得できます。
ITパスポートについてより詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説
エンジニアが取得するべき資格は36種類あります。詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
エンジニアの種類別のとるべき36の資格|選び方や勉強方法も解説
QAに限らず、就活に有利な資格を詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してください。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
QAに求められるスキルを理解しIT業界で活躍し続ける人材になろう
QAは幅広い業務を担当するため、求められるスキルも多い職種です。品質テストの専門家としてだけでなく、製品を利用するユーザーとして、さまざまな観点からシステムやソフトウェアの評価をする必要があることを理解し、求められるスキルを押さえましょう。
今後、品質保証を必要とするソフトウェアやシステムはますます増え、QAの需要はさらに高まるといえます。
IT業界で活躍し続けるエンジニアになるためにも、常に新しい情報に目を向けて、システム開発の手法や技術の進化に対応できる人材を目指しましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るQAとして実現したいことを明確にしよう
エンジニアにはたくさん種類があり、学生の中にはQAが自分に向いているのかどうかまだわからない人もいるかもしれません。たしかに、実際に仕事をしてみたり、プログラミングに触れてみたりしないと仕事のイメージがわかないですよね。
そのような学生はまずはエンジニアとして何を実現したいのかを考えることがポイントです。
QAになることに固執してしまうと、自分に合っているほかのエンジニアの選択肢を排除してしまうことにもなりかねません。そうすると、せっかく就職をしたにもかかわらず、キャリアチェンジをせざるを得なくなってしまいます。
現場で働く人の声に触れることが重要
このようなミスマッチを防ぐためには、多様なエンジニアについて調べるだけではなく、実際に活躍しているエンジニアに話を聞いたりインターンに参加したりすることがおすすめです。そうすることで、自分の目指すエンジニア像が明確になりますよ。
自分が実現したいことから逆算をして、実現するためにQAになるべきなのか、ほかのエンジニアを目指すべきなのか判断をし、納得感があるキャリア選択をしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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