押さえておくべき証券業界用語50選! 業界経験者による解説付き

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佐藤恭子
キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Kyoko Sato〇証券会社や航空会社のCAとしての勤務を経て、キャリアコンサルタントとして就職支援をおこなう。大学では就活講座や個別相談、企業では新卒採用関連業務を担当。転職相談などでも幅広く活躍

証券業界では、経済動向や金融商品に関する専門的な業界用語が数多く飛び交うため、覚えておくと就職活動や入社後の業務をスムーズに進めやすくなります。

この記事では、業界経験のある佐藤さんとともに証券業界でよく使われる用語を解説します。証券業界で働きたいと考えている人や証券会社に入社したばかりの人に向けて、基本的な用語から専門性の高い単語、一緒に覚えておきたい関連語をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

記事の後半では、押さえておきたい50個の証券業界用語を五十音順に紹介しています。繰り返し目を通して、業界用語を覚えていきましょう。

用語を覚える前にチェックしよう! 証券業界用語の特徴

証券業界用語の特徴

  • 隠語や独特の言い回しがある(例:板、寄り付き、ザラ場、押し目買い)
  • アルファベットの略語が多い(例:PER、PBR、ROE、IPO)
  • 複雑な概念を端的な言葉で表すことがある(例:アセットアロケーション、コーポレートガバナンス、デリバティブ)
証券業界用語を覚えるコツを教えてください!

キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

佐藤 恭子

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丸暗記はNG! 仕組みや目的まで理解することを意識しよう

入社試験で問われるのは、用語の使い方や意味を問う基礎問題が中心です。レベル感でいうと高校基礎~一般常識レベルとなっています。出題頻度としては、資産運用の考え方、PER・PBR・ROEなどの指標、基本的な売買用語になるので、これらのジャンルの対策から取り組むと良いでしょう。

基本的な項目は、定義、目的、注意点(リスク)で覚え、応用はジャンルごとに用語間の関係性を押さえてください。

引っかかりやすい問題は、似ている用語であったり、因果関係の理解が必要なものです。指値と成行などは目的の違いで整理すると理解しやすいでしょう。

因果関係については、「金利が上昇すると債券価格はどうなるのか」などになり、仕組みを理解することが大切です。用語の定義をただ覚えるのではなく、目的や因果関係を整理すること、また役割を整理しておくと応用問題にも対応できるようになります。

証券業界用語50選|佐藤さんの解説付き

ここからは、証券業界の現場で頻出する用語50選を、業界経験者である佐藤さんの解説付きで紹介します。各単語が実際の現場でどう使われているか、関連する用語は何かといった実務に直結するポイントもまとめているので参考にしてみてください。

面接やインターンシップで使われやすい単語には「★」マークが付いているので、まずは★のついた用語から優先的にチェックして、証券業界への理解を効率的に深めていきましょう。

また、証券業界用語について初めて学ぶ人や覚えるコツが知りたい人は、「用語を覚える前にチェックしよう! 証券業界用語の特徴」をチェックしてから、証券業界用語50選に取り組むことをおすすめします。

あ行

アクティブ運用(使用頻度:★★★★★)

解説
TOPIX(東証株価指数)などの指数を上回る成果を求める運用手法。専門家がさまざまな分析にもとづき、銘柄の選択や売買をおこなう。市場平均に合わせるインデックス運用に対し、より高い利回りを狙うことができる。しかし、分析のためのコストがかかるため、手数料は高くなる傾向にある。運用の良し悪しが結果に直結するため、投資対象の将来性を見すえ、独自の戦略を持つことが重要となる手法といえる。

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アクティブ運用とは、市場平均(指数)を上回るリターンを目標とし、運用の担当者が企業分析や市場見通しにもとづいて銘柄を選定し売買タイミングを判断する運用手法になります。

証券会社の社員は、顧客の投資目的やリスクの許容度を踏まえたうえで指数に連動したインデックス運用では得にくい超過収益が狙えるとして提案するのです。

成長テーマや中小型株などの分析力によって差が出やすい分野で結果が出やすいことを説明します。また、状況によって組み入れ銘柄や資産配分を見直せるのでリスクの抑制もできることも説明する必要があります。

一方でコストや指数を下回ることもあるので分散するよう提案をする事も大切です。

アセットアロケーション(使用頻度:★★★★★)

解説
投資目的やリスク許容度に応じて、運用資金を株式や債券、現金などの異なる資産(アセットクラス)へ配分すること。特定の資産に集中させず分散させることで、リスクを抑えながら安定した収益を目指す。ポートフォリオの運用成果を決定づける、最も重要な要素の一つといわれる。将来の市場環境の変化を見すえ、適切な資産配分の比率を保つ取り組みが求められる。

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アセットアロケーションとは、株式・債権・投資信託・現金など複数の資産に分散投資をすることでリスクを抑えて安定的なリターンを目指す資産配分の考え方になります。

証券会社の社員としては、顧客の年齢や運用期間、リスク許容度、目的などを踏まえてその人に合った最適な資産配分を提案することが大切です。

また、市場環境の変化に応じて定期的に配分を見直すことで過度なリスクの偏りを防ぎ、安定した資産形成をサポートするといった点がアセットアロケーションの大切な役割といえます。

板(いた)(使用頻度:★★★★★)

解説
取引所における売買注文の状況を価格ごとに一覧にしたもの。売買の需給バランスを一目でとらえるために用いられる。提示されている価格や数量から、現在の相場が強いのか弱いのかを判断する。刻一刻と変化する注文状況には、投資家の心理が反映されている。売買が成立する価格の推移を見すえ、効率的な取引をおこなうために欠かせない情報の一つといえる。厚い板や薄い板といった表現で、流動性の高低を示すこともある。

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板とは、株式の売り注文と買い注文の価格・数量を一覧で示した情報です。需給状況を把握するために大切な指標となります。

証券会社の社員は、ただ銘柄提案をするのではなく、板の厚さや注文の偏りから投資家の心理や短期的な値動きの傾向を読み取ります。買い注文が多く、下値に厚い板があれば下落しにくいといった形です。

また、大口注文の出入りや板の変化の速さから短期の資金の動きが把握でき、顧客に売買のタイミングの参考として説明する事もあります。

インサイダー取引(使用頻度:★★★★★)

解説
上場会社の役職員などの関係者が、株価に影響を及ぼすような未公開の重要事実を知り、その公表前に対象銘柄の売買をおこなうこと。金融商品取引法によって厳格に禁止されている。投資家間の平等性を損ない、証券市場の健全な発展を妨げる行為とされる。きわめて重い罰則が科せられるため、法令遵守の意識付けを徹底し、未然に防ぐ取り組みが重要となる。市場の透明性を見すえ、公正な取引を維持するために最も排除すべき不正の一つといえる。

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インサイダー取引とは、上場企業の未公開の重要事実を知った者が、公表前に株式を売買して利益を得る行為です。

これは、金融商品取引法で禁止されており、証券会社の社員は市場の公平性と顧客からの信頼を守る観点から厳重に管理すべき事項だと認識しています。

決算情報、M&A、業務提携などを業務上知り得た場合、自己売買だけでなく家族や第3者への情報伝達も禁止されています。

顧客と面談する際も、未公開の情報の取り扱いには細心の注意を払い誤解を招く事などがないように注意が必要です。

法令遵守を徹底し、公正な市場環境を維持することが証券会社の社員の重要な責務となっています。

インデックス運用(使用頻度:★★★★★)

解説
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数に連動する投資成果を目指す運用手法。パッシブ運用ともいわれる。あらかじめ決められた指標にもとづいて銘柄や構成比率を維持するため、専門家が分析をおこなう手間が省ける。したがって、アクティブ運用に比べて運用コストを低く抑えられることが最大の利点である。市場平均並みの収益を狙うことができ、中長期の資産形成において最も基本的な戦略の一つとして活用されている。

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インデックス運用とは、日経平均やTOPIXなどの市場指数に連動する成果を目指して指数と同じ銘柄や比率で投資をおこなう運用手法です。

証券会社社員としては、個別の銘柄の選定だけでなく市場全体の成長を取り込める点、売買回転が少ないことで信託報酬などのコストが抑えられる点を顧客に説明します。

運用成果についても指数に近づくので値動きの透明性が高く、長期の分散投資の中心として活用しやすいのがポイントです。

しかし、市場を大きく上回るリターンは期待しにくく、下落局面では市場と同様に下落します。アクティブ運用と組み合わせるなどバランスを考慮した提案をおこなうことが大切です。

インフレーション(使用頻度:★★★★★)

解説
物価が継続的に上昇し、貨幣の価値が相対的に下落する状態。景気の拡大とともに、モノやサービスへの需要が供給を上回るときに起こりやすい。この局面では、現金の購買力が低下するため、資産運用においては株式や金、不動産などの資産を持つことが有効な対策となる。将来の物価動向を見すえ、資産の目減りを防ぐ取り組みが求められる、経済活動における最も基本的な指標の一つといえる。

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インフレーションとは、物価が継続的に上昇し、同じ金額で購入できる財やサービスが減少し、実質的な購買力が低下する現象です。

証券会社の社員は、インフレは資産形成に大きな影響を与える要因としてとらえます。現預金の保有のみでは実質的な資産価値は目減りする可能性が高いことを顧客に説明するのです。

そのため、このような局面では、株式やインフレに比較的強いとされている実物資関連、分散型投資信託などを組み合わせることを提案します。

また、金利の上昇をともなう場合は、債券価格が下落する可能性もあるため、資産の配分の見直しや運用期間の調整などをおこない、環境変化に応じたポートフォリオ構築をおこなうことが大切だと考えています。

売り越し・買い越し(使用頻度:★★★★★)

解説
特定の期間で売買代金や株数の合計を比較したとき、売りの合計が買いの合計を上回る状態を売り越し、その逆を買い越しという。投資主体別売買動向などでよく用いられ、外国人投資家や個人投資家が、市場をいかにとらえているかを知るための指標となる。市場全体の需給バランスを把握するうえで、最も基本的な情報の一つといえる。将来の価格変動を見すえ、大きな資金の流れを把握する取り組みに欠かせない。

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売り越し・買い越しとは、一定期間において売り注文と買い注文のどちらが多いかを示す需給の指標です。

買い越しは買い数量が売り数量を上回る状態で、資金流入が強く株価の上昇要因としてとらえられます。売り越しは売り数量が多く、利益確定や資金流出により、株価の下押し圧力となる傾向があります。

証券会社の社員は、個人投資家、海外投資家、機関投資家など主体別の売り越し・買い越しの動きを分析し、市場の資金の流れを把握する材料として活用することが大切です。

海外投資家の買い越しが続くのであれば、日本株式市場への資金流入と考え、判断材料として顧客に説明します。

営業利益(使用頻度:★★★★★)

解説
企業が本業の活動によって稼ぎ出した利益。売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、さらに販売費および一般管理費を引いて算出する。企業の純粋な稼ぐ力を示す、最も重要な指標の一つといわれる。受取利息などの財務活動による損益を含まないため、事業そのものの収益性をとらえるために用いられる。将来の成長を見すえ、本業にいかに取り組むことが成果につながるかを判断するうえで、投資家が必ず確認する項目である。

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営業利益とは、企業の本業によって稼いだ利益を示す指標で、売上高から売上原価や販売費、一般管理費を差し引いて算出されます。

証券会社の社員は、企業の収益力や成長性を判断するうえで特に重視すべき利益指標の1つとしてとらえており、顧客にもそのように説明します。

営業利益は一時的な要因の影響を受けにくく、本業の強さを比較しやすい点が特徴です。売上高だけでなく、営業利益の増減や営業利益率の推移を確認し、継続的に利益が生み出せるビジネスモデルなのかを分析します。

同業他社との比較や経営計画に対する進捗状況を見て、成長期待や株価評価の妥当性を検討し、投資判断の材料として提案していきます。

押し目買い(使用頻度:★★★★★)

解説
上昇傾向にある株価が、一時的に安くなったところを狙って買う手法。この一時的な下落を押し目といい、より低い価格で持つことで将来の利益を大きくすることを目指す。しかし、単なる調整ではなく下落トレンドへの転換である可能性もありえる。相場全体の勢いを的確にとらえ、反発の兆しを見すえる取り組みが求められる。上昇局面において、効率よく投資をおこなうための最も代表的な戦略の1つといえる。

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押し目買いとは、上昇トレンドにある銘柄が一時的に下落した局面を割安な買いの機会ととらえて投資する手法です。

証券会社の社員は、企業の成長性や中長期的な上昇トレンドに変化がないかを確認し、短期的な利益確定や市場全体の調整による下落を押し目と判断して顧客に段階的な投資を提案します。

段階的とは、高値で一度に購入してしまうリスクを避けるために、決まった割合の下落ごとに買い増しをすることをお勧めすることです。そうすることで取得平均単価を下げることができます。

しかし、下落が一時的ではなくトレンド転換の可能性もあるので、業績動向や市場環境、出来高の変化などを総合的に分析し、分散して買い付けるなどリスク管理をおこないながら活用することが重要です。

織り込み済み(使用頻度:★★★★★)

解説
将来の経済指標や企業の決算、政治イベントなどの材料が、すでに現在の価格に反映されている状態。投資家は常に先を見すえ、予測にもとづいて売買をおこなうため、予想された通りの材料が発表されても価格が動かない、あるいは期待感から逆に動くこともある。市場がいかに情報をとらえるかを分析するうえで、最も基本的な概念の一つといえる。情報の鮮度を見極める取り組みが、投資判断においては重要となる。

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織り込み済みとは、将来予想される業績改善や材料、制作などの情報がすでに投資家の期待として株価に反映されている状態を指しています。

証券会社社員としては、好材料が発表されたのに株価が上昇しなかったり、下落してしまったりした場合に「既に織り込み済み」という言葉を使って顧客に説明します。

株価は将来への期待値で動くので、発表内容だけでなく、市場の予想水準や事前の値動きを踏まえて判断することが大切です。

実務で言うと、コンセンサス予想との乖離や株価の事前上昇幅などを確認し、材料の折り込み具合を判断して顧客に説明をおこないます。

か行

空売り(からうり)(使用頻度:★★★★★)

解説
持っていない株式を証券会社から借りて売り、価格が下がったところで買い戻して差益を得る手法。信用取引における代表的な戦略の一つといわれる。下げ相場でも利益を狙えることが最大の特徴である。また、市場に流動性を提供する役割も持つ。しかし、予測に反して価格が上昇した場合には、損失が無限に広がるリスクもありえる。相場の動向を的確にとらえ、適切なリスク管理に取り組むことが不可欠となる。

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空売りとは、株式を保有していない状態で証券会社から株式を借りて売却し、株価が下落したら買い戻して返却をする方法で利益を狙う手法となります。

証券会社社員は、下落局面でも収益機会を得られる点や、保有株式の価格下落リスクを抑えるヘッジ手段として顧客に説明します。

しかし、株価が上昇していくと上限もなく、急騰するリスクもあり、リスク管理の重要性はしっかりと説明する必要があるでしょう。信用取引口座の開設や保証金も必要となるなど、制度面の説明も大切です。

受給状況や売り残・買い残の動向を確認しながら、相場環境に応じた慎重な活用を提案しましょう。

為替変動リスク(使用頻度:★★★★★)

解説
外国の通貨建て資産を保有するとき、円と外国通貨の交換比率が変化することで、円換算での資産価値が変動すること。たとえば、円高が進むと円での受取額が減るため、損失が生じる。逆に円安は利益となるが、将来の予測は困難であり、投資家が最も注意を払うべき要素の一つといえる。運用の成果を左右しうるため、為替ヘッジなどの手法を用いてリスクを抑える取り組みが重要となる。市場動向を見すえ、海外投資において避けては通れない、きわめて重要な概念の一つである。

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為替変動リスクとは、為替レートの変動で外貨建て資産の円換算価格が変動し、投資成果に影響が生じるリスクを指します。

証券会社社員は、海外株式や外貨建て債券、外国投資信託などを提案する際に必ず説明しなくてはいけない重要なポイントです。

投資対象が上昇しても、円高が進行すると、円ベースでは評価額が下落する場合があります。しかし、反対に円安が進行すれば為替差益が得られる場合もあるのです。

そのため為替の影響を踏まえた分散投資や、為替ヘッジ付き商品の案内など、顧客のリスク許容度に応じた提案をおこなっていきます。

金利差や経済動向など為替を動かす要因についても説明し、為替変動を含めた総合的な投資判断をサポートします。

幹事会社(使用頻度:★★★★★)

解説
株式や社債の発行の際、発行体に代わって募集や売り出しの事務をおこなう証券会社のこと。複数の証券会社で構成される引き受けシンドケート団のなかで、中心的な役割を担う。なかでも、審査やスケジュールの管理、価格決定の助言など、実務のすべてを取り仕切る中心的な役割を担う証券会社を「主幹事会社」と呼ぶ。投資家への配分量も最も多く、発行体の資金調達を成功につなげるためのきわめて重要な存在といえる。

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幹事会社とは、企業が株式や債権を発行して資金調達をおこなう際に、発行条件の決定や投資家への販売を中心となって担う証券会社のことです。

顧客にはIPO(新規公開株)や公募増資の際に、発行体と投資家をつなぐ重要な役割を果たす立場であると説明します。

主幹事会社は、企業上場のサポート、株価の仮条件設定、需要の調査、配分方針の決定などを主導します。一方で、幹事会社は投資家に案件の魅力とリスクを説明し、適切な販売を担う責任を負います。

このように発行体の資金調達を支えるだけでなく、投資家へ公正に商品を提供する市場の重要な役割を担っているのです。

逆指値(ぎゃくさしね)(使用頻度:★★★★★)

解説
株価が指定した価格以上になったときに買い、以下になったときに売る注文手法のこと。通常の指値とは反対に、価格の上昇に合わせて買い、下落に合わせて売るよう指示を出す。おもな役割は損失を最小限にとどめる損切りや、一定の利益を確保することにある。相場の急変に備えてあらかじめ設定しておくことができるため、感情に左右されず機械的な取引が可能となる。リスク管理をおこなううえで最も重要な手法の一つといえる。

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逆指値とは、あらかじめ設定した価格に到達した際に自動的に売買注文を出す方法で、損失拡大を防ぐ目的などで活用されます。

顧客にはリスク管理を支援する注文方法として説明することが多く、特に保有株式が一定水準まで下落した時に自動的に売却をする「損切り」の手段として提案します。

事前に損切りラインを設定しておくことで、急落時でも感情に左右されず機会的に損失を限定できるのです。

逆に上昇局面で一定価格を上抜けた際に買い注文を出すと言う使い方もあり、トレンド発生時の投資機会をとらえることができます。

実務的には、値動きの大きさや支持線などを考慮し、適切な価格水準を設定することが大切です。

金利(使用頻度:★★★★★)

解説
資金の貸借をおこなう際に支払われる、元金に対する利息の割合。景気や物価の動向にもとづく中央銀行の金融政策による影響を大きく受ける。証券市場の中では、一般的に金利が上がると債券価格が下落し、金利が下がると債券価格が上昇するという関係がある。企業の借入コストや投資家の資産配分に直結するため、投資判断をおこなううえで最も重要な経済指標の一つといえる。

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金利とは、資金の貸し借りの際に支払われる対価です。景気や金融市場の動向に大きな影響を与える重要な指標となります。

証券会社などでは、金利の変動が株式や債権、為替など各資産に与える影響を踏まえて投資判断をおこないます。

金利の上昇局面では、債券価格が下落しやすくなりますが、銀行などの金融株にはプラスに働くことがあります。

金利の上昇は企業の資金調達コストを増加させるので、株式市場全体にはマイナス要因となることもあるのです。逆に、金利低下の局面では、債券価格の上昇や株式市場への資金流入が期待されます。

金利動向を踏まえて資産配分や投資対象の見直しをおこない、顧客に適切な運用提案をおこなうことが大切です。

グロース市場(使用頻度:★★★★★)

解説
東京証券取引所における市場区分の一つ。高い成長可能性を持つ企業を対象としており、すでに一定の事業基盤を持つものの、相対的にリスクが高い新興企業などが多く上場している。2022年4月の市場再編に伴い、旧マザーズ市場などの役割を引き継ぐ形で新設された。投資家にとっては将来の大きな収益を期待できる反面、株価の変動も激しいため、事業計画の進捗をよく見極めることが重要となる。

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グロース市場とは、高い成長可能性を持つ新興企業を中心に上場する株式市場で、将来の事業拡大を重視する企業が多い点が特徴となります。

顧客には、成熟企業が中心の市場と比べて値動きが大きい一方、高い成長による株価上昇が期待できる投資機会として説明しましょう。売り上げの拡大を優先する企業も多く、現時点の利益は赤字であっても将来性が評価されるケースがある点も特徴となります。

業績の進捗、事業モデルの実現性、市場規模の拡大余地などを分析することが大切です。

流動性が低く株価変動が大きい傾向もあるので、リスクの許容度を踏まえて投資金額の調整や分散投資を提案しましょう。

決算短信(使用頻度:★★★★★)

解説
上場企業が、四半期や通期の決算内容を速報として開示する資料のこと。証券取引所のルールにもとづき作成され、有価証券報告書に先駆けて公表される。売上高や利益といった経営成績のほか、次期の業績予想などが集約されており、投資家が最も注目する情報の一つといえる。企業の現状を迅速にとらえるためのきわめて重要な資料であり、内容次第で株価が大きく変動することも珍しくない。

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決算短信とは、上場企業が四半期ごとや本決算時に業績や財務状況を速報として開示する資料で、売上高、営業利益、進捗率、業績予想など重要な情報がまとまっています。

株価に大きく影響する材料のため、発表内容を迅速に確認し、会社計画や市場予想との乖離を分析して顧客へ説明しましょう。

数字だけでなく、セグメント別の動向や増減要因、今後の事業環境に関するコメントも確認し、成長性やリスクを総合的に判断します。

決算短信は、タイムリーな投資判断をおこなうための基礎資料として重要です。

公募増資(使用頻度:★★★★★)

解説
企業が不特定多数の投資家に対して新株を発行し、市場から広く資金を調達すること。設備投資や研究開発、あるいは財務体質の改善を目的としておこなわれる。時価にもとづいた価格で発行されるため「時価発行増資」ともいわれる。発行済み株式数が増えることで、一株当たりの利益が薄まる株式の希薄化が生じる。しかし、調達した資金が企業の成長につながることで、将来的な株主価値の向上に寄与する側面もある。成長戦略を実現するための重要な手段の一つといえる。

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公募増資とは、上場企業が新たに株式を発行し、不特定多数の投資家に広く募集をして資金調達をおこなう方法です。

顧客へは設備投資やM&A、財務体質の強化など成長に向けた資金調達手段として企業が実施することを説明します。

新株を発行することで、発行済みの株式数が増えるため、一株当たりの利益の希薄化や需給悪化への懸念から短期的に株価が下落するケースもあることも合わせて説明しましょう。

調達資金の使途や成長性への寄与、発行規模などを確認し、中長期的に企業価値向上につながるかを見極めることが大切です。

実務で言うと、割引率や需給動向、既存株主への影響を踏まえ、顧客の投資判断に資する情報提供をおこなう必要があります。

コーポレートガバナンス(使用頻度:★★★★★)

解説
企業が、株主をはじめとするステークホルダーのために、透明・公正かつ迅速な意思決定をおこなうための仕組みのこと。いわゆる「企業統治」を指す。経営の監督機能を強化することで、不正の防止とともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る。社外取締役の選任や積極的な情報開示などは、その代表的な取り組みといえる。特に資本効率の意識付けや適切なリスク管理を促す側面が強く、投資家が企業の健全性を判断するうえで、最も重視する要素の一つとなっている。

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コーポレートガバナンスとは、企業が株主をはじめとする利害関係者に対して透明性の高い経営をおこない、健全かつ持続的に企業価値を向上させるための統治体制を指します。

取締役会の監督機能や社外取締役の設置、情報開示の充実などを通して経営の適切性を確保することが目的です。

顧客は、業績だけでなく、中長期的な企業価値を判断するためにコーポレートガバナンスの体制も重要な評価項目として説明しましょう。

具体的には、独立社外取締役の比率や株主還元方針、経営陣のインセンティブ設計などを確認し、株主目線で経営がおこなわれているかどうかを分析します。

コーポレートガバナンスが強化された企業は資本効率の改善や情報開示の透明性向上が期待され、長期投資の観点からも重要で投資判断に活用されます。

さ行

債券(使用頻度:★★★★★)

解説
国や地方公共団体、企業などが投資家から資金を借りるため、発行する有価証券のこと。購入者はあらかじめ決められた利息を受け取り、満期には額面金額が払い戻される。市場で自由に売買できるため、満期を待たずに換金することも可能だが、そのときの金利動向によって価格は変動する。株式と比較してリスクが低く安全性が高いため、中長期の資産運用のなかで安定的な収益を確保する手法として、最も代表的なものの一つといえる。

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債権とは、国や企業などが資金調達のために発行する有価証券で、投資家は発行体に資金を貸し出す代わりに定期的な利息と満期時の元本召喚を受け取る仕組みになっています。

債券は株式に比べて価格変動が比較的小さく、安定的な利息収入が期待できるので、分散投資の一部に組み入れる提案を顧客におこないます。

国債、社債、外貨建て債権など発行体や通貨によって利回りやリスクが異なるので、顧客の運用目的やリスク許容度に応じた選定が重要です。

ただ、金利上昇時には債券価格が下落するリスクや、発行体の信用状況が悪化することでの信用リスクもあります。格付けや償還期限を確認し、資産全体の安定性を高める意味で提案をすることが大切です。

財務諸表(使用頻度:★★★★★)

解説
企業の経営成績や財政状態を外部に報告するための書類。おもに貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の3つから構成される。投資家が投資判断をおこなううえで、収益性や安全性を客観的に分析するための最も基本的な情報源である。決算短信や有価証券報告書のなかで公表され、企業の「健康診断書」ともいえる。内容を読み解くことで、経営の質や将来の成長性を的確にとらえることができる。

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財務諸表とは、企業の経営状況や財務状態を数値で示した資料です。おもに損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書で構成されています。

企業の収益性・安全性・成長性を総合的に判断するために基礎資料として使いましょう。

損益計算書では売り上げや利益の推移から収益力を、貸借対照表からは自己資本比率や負債水準から財務健全性が分析できます。

そして、キャッシュフロー計算書では本業で現金を生み出せているか、投資や資金調達の状況を把握します。これらを総合的に判断して、顧客に中長期的な投資判断に役立つ情報提供をおこなうことが大切です。

指値(さしね)・成行(なりゆき)(使用頻度:★★★★★)

解説
売買注文を出すときの価格の指定方法。指値は、買いたい上限価格、あるいは売りたい下限価格を指定する手法のこと。希望の価格で取引できる反面、相場がその水準に届かなければ売買は成立しない。これに対し、成行は価格を指定せず、売買の成立を最も優先する手法である。即座に取引したいときに適しているが、相場急変時には思わぬ価格で約定するリスクを持つ。状況に応じた使い分けが、投資を成功につなげるための基本となる。

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指値注文と成行注文は、株式売買をおこなう際の基本的な注文方法です。指値注文は、売買したい価格を指定して発注する方法で、希望価格で取引できますが、相手注文が入らなければ約定しません。

成行注文は価格を指定せずに発注をして、その時点で出ている最も有利な価格で即時に約定する注文方法です。

確実に売買したいのであれば成行注文、価格にこだわるのであれば指値注文と、顧客の目的に応じて使い分けの説明をおこないます。

値動きが大きい銘柄で成行注文をすると、想定したより不利な価格で約定することがあるので注意が必要です。

先物取引(さきもの)(使用頻度:★★★★☆)

解説
将来の特定のときに、あらかじめ決めた価格で特定の資産(指数や証券、商品など)を売買することを約束する取引。将来の価格変動に備えるヘッジや、レバレッジを活用して効率的に収益を求めるために用いられる。期日がくる前に反対売買をおこない、決済をおこなうときの差額のみをやり取りする差金決済が一般的である。現物を持たずに売りから入ることもできるため、下落相場でも利益を狙うことが可能となる。リスク管理をおこなううえで、最も代表的な手法の一つといえる。

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先物取引とは、将来のあらかじめ決めた期日に、特定の価格で資産を売買することを約束する取引です。

日経平均株価などの指標を対象とした先物が代表的で、少ない資金で大きな取引ができるレバレッジ効果が特徴となります。

相場の上昇時だけでなく下落局面でも売りから取引できる点や、保有株式の価格変動リスクを抑えるヘッジ手段として活用できることを顧客に説明しましょう。

リスクとしては、価格変動により損失が拡大する可能性があったり、証拠金取引であるため追加証拠金が発生することがあったりします。

相場動向やポジション管理を十分におこない、リスク許容度の高い顧客に対して慎重に提案するものになります。

資産運用(使用頻度:★★★★★)

解説
現金や株式、債券、不動産などのさまざまな金融資産を組み合わせ、自らの持つ財産を効率的に増やしたり守ったりすること。将来のインフレによる貨幣価値の下落や、ライフイベントに備えるための活動である。単に貯蓄するだけでなく、リスクとリターンのバランスを冷静に見すえ、中長期的な視点を持って取り組むことが求められる。個人のライフプランにもとづく適切な資産配分をおこなうことが、将来の豊かさをつなげるうえで最も重要な要素の一つといえる。

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資産運用とは、預貯金や株式、債券、投資信託などに資産を配分し、将来に向けて効率的に資産を増やすことを目的とした取り組みです。

顧客の年齢や収入、運用期間、リスク許容度、資金の目的などを聞き、それぞれに適した運用方針を提案する必要があります。

アセットアロケーションを通じてリスクとリターンのバランスを調整していくのです。

また、市場環境の変化やライフステージの変化に応じて定期的に見直しをおこない、中長期的に安定した資産形成をサポートすることが証券会社の社員の役割となります。

自己資本比率(使用頻度:★★★★★)

解説
総資本の中の自己資本が占める割合のこと。企業の財務的な安定性を測る指標として用いられる。返済の必要がない資本の割合が高いほど、不況や相場の急変に耐えうる力が強く、倒産のリスクが低いと判断される。一般的に、40%以上が良いとされることも多い。投資家が企業の安全性を判断するうえで、最も基本的な指標の一つといえる。企業の経営状況を的確にとらえるため、欠かせない数値である。

佐藤 恭子

プロフィール

自己資本比率とは、企業の総資産に占める自己資本の割合を示す指標で、財務の安定性を判断する際に用いられます。

一般的には自己資本比率が高いほど借入金への依存度は低くなるため、景気変動や業績悪化時に耐えられる健全な財務体質であると評価されます。

企業分析をおこなう際には、収益性だけでなく安全性の観点から自己資本比率も確認をし、顧客にリスクの度合いを説明しましょう。

比較する時は、同業他社と比べたり、ROEなどの指標と合わせて分析したりして、成長性と財務健全性のバランスを踏まえた投資判断をおこなうことが大切です。

時価総額(使用頻度:★★★★★)

解説
上場企業の価値を測る指標の一つで、株価に発行済み株式数を掛けて算出される。その企業が市場でどのくらいの規模を持つか、あるいは投資家からどのような評価を受けているかを客観的に示す。時価総額が大きいほど、一般的に業績が安定しており、信頼性も高いといわれる。市場全体の動向をとらえ、投資判断をおこなううえで最も基本的な指標の一つであり、企業規模の比較にも用いられる。

佐藤 恭子

プロフィール

時価総額とは、株価に発行済み株式数を掛けて算出される企業の市場価値を示す指標で、企業規模を判断する際に使います。

大型株・中型株・小型株といった区分をおこない、値動きの特性や投資スタイルの違いを顧客に説明する際に活用しましょう。

一般的には時価総額の大きい企業は業績が安定しており、値動きが緩やかです。一方で、小型株は成長余地は大きいですが、株価変動も大きくなる傾向があります。

また、機関投資家の資金が入りやすいか、流動性が十分かといった需給面の判断材料としても大切です。

顧客には、企業の成長性と安定性のバランスを見極め、投資対象の性格を把握するための基本的な指標として説明します。

証券外務員(使用頻度:★★★★★)

解説
証券会社をはじめとする金融機関において、有価証券の売買の勧誘や受注といった営業活動をおこなうもののこと。この業務に就くためには、日本証券業協会が実施する試験に合格し、外務員登録を受ける必要がある。一種と二種の区分があり、一種はすべての有価証券を取り扱えるが、二種は信用取引などのリスクの高い取引は扱えない。投資家保護の観点から、きわめて高い倫理観が求められる。健全な市場を維持するうえで欠かせない存在の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

証券外務員とは、証券会社などで金融商品を勧誘・販売する際に必要となる資格です。金融商品取引法にもとづき登録されたもののみが顧客に対して投資商品の提案をおこなうことができます。

証券会社に入社した1年目に資格を取るための試験を受けるのがほとんどです。

株式や債券、投資信託など幅広い商品の仕組みやリスクを正しく説明し、適合性の原則にもとづいた提案をおこなうための基礎的な資格となります。

法令遵守や顧客保護の観点からも重要で、重要事項の説明や不適切な勧誘の防止など責任ある営業活動をおこなうための前提となるものです。

証券外務員の役割は、資格取得後も商品知識や市場動向の理解を深め、顧客の目的やリスク許容度に応じた適切な資産運用提案をおこなうことです。

証券取引等監視委員会(SESC)(使用頻度:★★★★★)

解説
証券市場の公正さを確保し、投資家を保護するために設置された、金融庁に属する合議制の機関。証券会社への検査や、インサイダー取引、相場操縦などの不公正取引の監視をおこなう。法令違反が見つかったときには、内閣総理大臣や金融庁長官に対して行政処分などの勧告をおこなう。「市場の番人」ともいわれ、投資家が安心して取引できる環境を維持するうえで、最も重要な役割を担う組織の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

証券取引等監視委員会(SESC)とは、金融庁の下に設置された機関であり、インサイダー取引や相場操縦などの不公正取引を監視し、証券市場の公正性と透明性を確保する役割を担っています。

社員は、日々の理業活動や売買において法令遵守を徹底することが基本となりますが、そのうえで強く意識するべき機関といえるでしょう。

SESCは市場の売買の監視や情報収集を担っており、疑いがある場合には調査や検査を実施し、課徴金納付命令の勧告などをおこないます。

顧客とのやりとりにおいては適切な手続きを遵守して疑念を招く行為は決しておこなわないことが大切です。

SESCは市場の信頼性を支えるとともに、コンプライアンス意識を徹底するためにも大切な存在となっています。

信用取引(使用頻度:★★★★★)

解説
証券会社から現金や株式を借りておこなう取引のこと。委託保証金として預けた資産の約3倍の金額まで売買できる。株価の下落局面で利益を狙う「売り」から入れる点が大きな特徴といえる。手元資金以上の投資ができるため、効率よく収益を求めることができるが、損失も大きくなりやすい。相場が予想と反対に動いたときには、追加の保証金を求められることもある。資金管理を徹底することが、運用を成功につなげるうえで最も大切な要素の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

信用取引とは、証券会社に補償金を差し入れることで資金や株式を借りて自己資金以上の金額で売買をおこなう取引のことです。

少ない資金で効率的に投資ができるレバレッジ効果や買いだけでなく売りからも取引できる点を特徴としています。

値上がりだけでなく、下落を想定した空売りも可能です。柔軟な投資戦略が可能となります。

しかし、想定と反対に株価が動いた時、損失が拡大する可能性があり、追加保証金が必要になることもあるのです。

値動きや建玉管理をしっかりとおこない、リスク許容度を踏まえて慎重に取引をする必要があり、証券会社社員は活用の提案においても慎重さが重要となります。

ストップ高・安(使用頻度:★★★★★)

解説
1日の中で株価が変動できる価格の幅を制限する制度のこと。前日の終値にもとづき、上限まで上がったときをストップ高、下限まで下がったときをストップ安という。急激な価格の変動から投資家を守り、混乱を防ぐための役割を持つ。過度な期待や不安による相場の暴走を抑え、冷静な取引を促すための仕組みといえる。制限幅は株価の水準によってあらかじめ決められており、リスクを管理するうえで最も基本的なルールの一つである。

佐藤 恭子

プロフィール

ストップ高・ストップ安とは、株価の急激な変動を抑えるために取引所が定めた値幅制限の上限・下限に到達し、それ以上価格が動かなくなる状態のことです。

ストップ高は買い注文が集中して上限まで上がった状態、ストップ安は売り注文が集中して、下限まで下落した状態を指します。

材料発表後に需給が大きく偏った際に発生しやすく、約定しにくい状況になることを顧客に説明する必要があります。

成り行き注文にしても約定しない場合があるなど流動性リスクを踏まえたうえで、注文方法や投資タイミングに注意が必要であることを顧客に説明しましょう。

た行

適時開示(ディスクロージャー)(使用頻度:★★★★★)

解説
上場企業が、投資判断に影響を与える重要な情報を、公平かつ迅速に公開すること。決算情報や経営計画、あるいは不祥事といった、投資家が知るべき事実をすべて公表する。証券取引所の規則にもとづいておこなわれ、情報格差をなくすためにきわめて重要な役割を持つ。透明性の高い市場を維持するうえで欠かせない取り組みの一つといえる。TDnetなどを通じて、誰もが等しく情報を得られるようになっている。

佐藤 恭子

プロフィール

適時開示(ディスクロジャー)とは、上場企業が投資判断に重要な影響を与える情報をすべての投資家に対して公平に速やかに公表する制度です。

業績予想の修正、M&A、資本提携、大口受注、役員人事などで、適時開示は株価変動の材料となるので迅速に確認をして、企業の成長性やリスク要因を分析して顧客に説明する必要があります。

未公表の重要事項については、公表後の情報をもとに公平な提案をしなくてはなりません。適時開示は市場の透明性を高める制度であり、投資判断の重要な情報源として証券会社の社員は活用します。

適合性の原則(使用頻度:★★★★★)

解説
証券会社などの金融商品取引業者が、顧客の知識、経験、財産の状況、および投資目的に照らして不適切な勧誘をおこなってはならないというルール。金融商品取引法において定められており、投資家保護を目的とした最も基本的な義務の一つといえる。リスクの高い商品を扱うときには、顧客の属性をよく確認し、その意向に沿った内容であることを保証しなければならない。不当な勧誘から一人ひとりの投資家を守るうえで、きわめて重要な役割を持つ原則である。

佐藤 恭子

プロフィール

適合性の原則とは、金融商品を提案販売する際に顧客の知識・経験・財産状況・投資目的などに適合した商品を勧誘しなければならないという考え方です。

証券会社の社員は、すべての顧客に同じ商品を提案するのではなく、リスク許容度や運用期間を踏まえた適切な提案をおこなうための基本的な原則として認識しています。

たとえば、投資経験の少ない顧客には安定性を重視した商品から提案するなどです。ヒアリング内容にもとづいた提案の理由を明確に説明し、リスクについても十分に説明しましょう。

適合性の原則は、顧客保護と信頼関係の構築を図るうえで重要な行動になります。

デリバティブ(使用頻度:★★★★★)

解説
株式や債券、外国為替などの金融資産から派生して生まれた取引のこと。日本語では「金融派生商品」という。代表的なものに先物取引やオプション取引、スワップ取引がある。価格変動のリスクを回避するヘッジのほか、少ない証拠金で大きな額を動かせるレバレッジ効果を求めて活用される。現代の資産運用のなかで、高度なリスク管理や収益の追求をおこなううえで最も有力な手段の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替などの原資産の価値に連動して価値が決まる金融派生商品の総称です。先物取引やオプション取引などが代表例となります。

価格変動リスクを抑えるヘッジ手段や、相場感にもとづき効率的に収益機会を担う手法として顧客に説明しましょう。

株価下落リスクに備えて先物を売ることで損失を抑えるなど、資産全体のリスク管理に使います。

また、少ない資金で大きな取引が可能なレバレッジ効果により想定以上の損失が生じる可能性もあります。そのため、仕組みの理解とリスク管理が不可欠です。

投資目的やリスク許容度を確認し、適切な範囲で提案することが証券会社社員として求められています。

投資信託(使用頻度:★★★★★)

解説
多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに分散投資する金融商品のこと。運用で得た成果は、投資額に応じて分配される。少額から始められるうえ、個人では難しいさまざまな国や資産への投資ができる。仕組みとしては、販売、運用、管理の役割を担う3つの機関が連携して構成される。長期的な資産形成をおこなううえで、最も代表的な金融商品の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに分散投資する金融商品です。

少額から幅広い資産に分散投資できる点、専門家による運用がされている点がメリットになります。

個別銘柄への投資と違い、リスク分散が出来、投資の初心者から長期の資産形成を目指す人など幅広く活用できる商品です。

種類も豊富なため、運用目的やリスク許容度に応じた選定もできます。信託報酬のコストや基準価額の変動リスクもあるので運用方針や費用を確認して資産全体のバランスを踏まえた提案が必要です。

は行

配当利回り(使用頻度:★★★★★)

解説
株価に対する一株当たりの年間配当金の割合を示す指標のこと。年間配当金を現在の株価で割って算出する。投資額に対してどの程度の利息的収益を得られるかという収益性をとらえるうえで、最も基本的な指標の一つといえる。株価が下落すると利回りは上がり、上昇すると下がる。インカムゲインを求める際によく活用されるが、業績悪化による株価下落で数値が高くなっていることもあるため、その背景をよく見すえる必要がある。

佐藤 恭子

プロフィール

配当利回りとは、株価に対して年間配当金がどの程度支払われるかを示す指標で、「1株あたり年間配当金÷株価」で算出されます。

インカムゲインを重視する投資を提案する際に、重要な指標として顧客に説明する必要があるのです。

配当利回りが高い銘柄は安定した収益が期待できる一方、株価下落によって利回りが高く見えている場合もあり、配当の継続性や業績動向を合わせて確認する必要があります。

配当性向やキャッシュフローの状況を分析して、無理のない株主還元がおこなわれているかの判断をしましょう。

配当利回りは、値上がり益だけでなく安定的な収益を重要視する投資提案をおこなう場合の基礎指標となります。

初値(はつね)(使用頻度:★★★★★)

解説
上場後や取引日の最初に成立した取引価格のこと。特に新規公開株(IPO)において、投資家の需要と供給が一致して最初に付く価格は注目度がきわめて高い。この価格は、板寄せ方式という仕組みにもとづき、売りと買いの注文が均衡したところで決定される。公募価格を上回ることもあれば、下回ることもある。市場における価格形成の起点となる指標の一つであり、その後の値動きを占ううえで重要な役割を持つ。

佐藤 恭子

プロフィール

初値とは、新規上場(IPO)した銘柄が上場日の最初に成立した売買価格を指します。公開価格を基準に投資家の需要と供給によって決まる価格です。

企業の成長期待や市場環境、需給状況を反映した注目度の高い指標となります。

顧客には、公開価格より初値が上回れば人気が高く資金需要が強いと説明し、反対に下回る場合は需給が弱い可能性がことを案内しましょう。

初値形成後は短期的な値動きが大きくなる傾向があるため、利益確定のタイミングや中長期での成長性を見極める重要性も説明します。

パッシブ運用(使用頻度:★★★★★)

解説
日経平均株価やTOPIXなどの特定の指数に、運用の成果が連動することを目指す手法。市場全体の動きを連動させてとらえることを目的としており、個別銘柄の精査をおこなうアクティブ運用と比較して、コストを低く抑えられるメリットがある。長期の資産形成において、効率良く分散投資をおこなううえで最も基本的な手法の一つといえる。指数が上昇するときには利益を得られるが、下落するときにはその影響をそのまま受けることになる。

佐藤 恭子

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パッシブ運用とは、日経平均やTOPIXなどの市場指数に連動する運用成果を目指して指数と同様の銘柄構成で投資をおこなう運用手法です。

証券会社社員は、個別銘柄の選定にこだわらず、市場全体の成長が取り込めるため、売買の回数が少なく信託報酬などのコストが抑えられるメリットを顧客に説明します。

また、運用成果が指数に近いため透明性が高くなり、長期的な資産形成におけるコアな資産としてお勧めできるでしょう。

ただ、市場を大きく上回る運用益は期待できない、かつ、市場が下がれば値下がりするというリスクもあります。顧客には、アクティブ運用と組み合わせてバランスを考慮した提案が大切です。

ファンダメンタルズ(使用頻度:★★★★★)

解説
国や企業の経済状態を表す基礎的な指標のこと。国の場合は経済成長率や物価上昇率、企業の中では業績や財務状況などを指す。投資判断をおこなううえで最も重要な要素の一つであり、中長期的な株価や為替の動向を左右する。これらにもとづく分析をファンダメンタルズ分析という。市場価格が本来の価値から乖離しているとき、その指標を手掛かりに将来の価格動向を予測する材料となる。

佐藤 恭子

プロフィール

ファンダメンタルズとは、企業の業績や財務状況、業界動向、経済環境などの基礎的要因を分析し、株式の投資価値を判断する考え方のことを言います。

証券会社の社員は、売上高や営業利益の成長性、自己資本比率、キャッシュフローなどの財務指標に加えて、市場規模や競争優位性などを総合的に分析して中長期での投資判断材料として顧客に説明します。

短期的な株価の値動きだけでなく、企業の本質的な価値を見極めるのです。

決算発表などでファンダメンタルズが変化すれば、投資判断も見直します。企業の収益力と成長性を重視した中長期投資の考え方として活用しましょう。

浮動株(ふどうかぶ)(使用頻度:★★★★★)

解説
市場で常に売買される可能性が高い株式のこと。発行済株式のうち、創業者や親会社などが持つ固定株を除いたものを指す。浮動株の割合が高いほど売買が成立しやすく、流動性が高い。しかし、この割合が低い銘柄は、わずかな注文で価格が急変するリスクがある。TOPIXをはじめとした主要指数の算出において、市場の実態を反映するために用いられる最も重要な指標の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

浮動株とは、市場で実際に売買されやすい株式のことです。役員や大株主、事業会社などが長期保有している固定株を除いた株式になります。

証券会社の社員は、需給動向や株価の値動きを判断するうえで大切な指標として顧客に説明します。

浮動株が少ない銘柄は市場に出回る株数が限られてくるため、買い注文の集中により株価が上昇しやすくなったり、その逆も起こったりするのです。

しかし、浮動株の値動きは比較的安定する傾向があるので、株価の変動性と需給バランスを把握して、投資タイミングや投資金額を検討する際に重要な判断材料として使います。

分散投資(使用頻度:★★★★★)

解説
投資対象を一つに絞らず、複数の資産や地域、時間に分けて投資をおこなう手法。特定の資産が値下がりしたとき、ほかの資産の値動きで損失を補い、資産全体のリスクを低減させることを目的とする。たとえば、株式と債券のように異なる値動きをする資産を組み合わせるほか、国や地域を分散させることも有効である。長期的な資産形成において安定した収益を目指すうえで、最も基本的かつ重要な戦略の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

分散投資とは、株式・債券・投資信託など複数の資産や地域、時間に分けて投資することで、特定の値動きによるリスクを抑える手法です。

証券会社社員は、1つの銘柄や資産に集中投資せず、値動きの異なる資産を組み合わせることで、資産全体の安定性を高める考え方として顧客に案内します。たとえば、株式と債券、国内と海外、時期を分けるなどです。

顧客の運用目的、リスク許容度に合わせてアセットアロケーションを調整して、定期的にリバランスをおこない、リスクの偏りを防ぐようにします。

ま行

銘柄(めいがら)(使用頻度:★★★★★)

解説
証券取引の対象となる具体的な有価証券の名称や種類のこと。株式市場においては、上場している個別の企業を指す。投資家が売買をおこなう際の最小単位となる対象であり、日本では4桁の証券コードによって識別される。株式のほかにも、国債や投資信託などの金融商品もそれぞれ独自の名称を持っており、これらもすべて銘柄といわれる。投資目的やリスクにもとづき、最適な投資先(銘柄)を選び出すことが運用の第一歩となる。

佐藤 恭子

プロフィール

銘柄とは、株式や債券、投資信託などの個々の投資対象を区別するための名称や識別単位を指します。株式投資では、各上場企業の株式のことです。

証券会社の社員は、顧客の投資目的やリスク許容度に応じて、成長性、収益性、配当利回り、時価総額などを分析し、適した銘柄を選定して提案をしていきます。

また、企業ごとに値動きも異なるため、複数銘柄に分散することでリスクを抑える重要性も説明しましょう。

決算や適時開示、需給動向などを分析し、継続的にフォローし情報の提供をおこなうのも証券会社社員の役割です。

目論見書(もくろみしょ)(使用頻度:★★★★★)

解説
有価証券の募集や売り出しのとき、投資家に判断材料を提供するために作成される説明書。投資信託や株式の新規公開(IPO)などで交付が義務付けられている。運用方針やリスク、手数料、財務状況といった重要な情報が網羅されている。投資家は、その内容を十分にとらえ、自己の判断と責任にもとづき投資をおこなう必要がある。契約締結前交付書面の一つであり、資産運用を始めるうえで必ず確認すべき最も基本的な書類といえる。

佐藤 恭子

プロフィール

目論見書とは、重要事項を記載した説明資料になります。投資信託や新規公開株などの金融商品を販売する際に顧客に渡す、商品の仕組み、投資対象、リスク、手数料などが記載されているものとなります。

顧客が商品内容を理解したうえで判断できるように、証券会社の社員は目論見書をもとに説明をおこなうことが大切です。

目論見書は重要な情報開示資料ですので、交付と説明を適切におこない、理解を得たうえでの販売が求められています。

や行

有価証券報告書(使用頻度:★★★★★)

解説
金融商品取引法にもとづき、上場企業などが作成・開示を義務付けられている公的な書類。事業の状況や業績、財務諸表などが詳細に記載されている。原則として事業年度終了後3カ月以内に提出され、企業の経営実態を正確にとらえるための最も重要な情報源の一つとなる。投資信託の目論見書などと比較しても、その網羅性はきわめて高い。投資家が中長期的な判断をおこなううえで、欠かすことのできない資料といえる。

佐藤 恭子

プロフィール

有価証券報告書とは、上場企業が年に1回提出することを義務付けられている法定開示書類になります。

事業内容、業績、財務状況、リスク要因、経営方針などが詳細に記載されている重要な情報資料です。証券会社の社員は、企業分析をおこなう際の基礎資料として活用します。

短期的、中長期的な成長性やリスクも把握することが可能です。有価証券報告書で企業の実態を理解し、顧客へ中長期的な投資判断に資する情報提供をおこないましょう。

寄り付き・大引け(使用頻度:★★★★★)

解説
証券取引所における取引時間の開始および終了を指す。寄り付きは、前場や後場の最初におこなわれる売買のこと。対して大引けは、1日の最後におこなわれる売買を指し、その日の最終的な価格が決定されるときである。これらは市場のエネルギーが最も集中しやすく、板寄せ方式にもとづき価格が決定される。1日の価格動向を把握するうえで最も重要な指標の一つといえ、多くの投資家がその動きを注視している。

佐藤 恭子

プロフィール

寄り付きとは、取引所の立会開始後に最初に成立する売買のことで、大引けとは取引時間終了時に最後に成立する売買を指します。

証券会社の社員は、寄り付きは前日の海外市場の動向や夜の時間帯の材料を反映しやすく、相場の方向性を判断する重要なポイントとして意識しています。

大引けは、その日の需給の結果が反映されるため、機関投資家の売買動向や引けにかけての資金の流れを把握する材料です。

取り付け直後や大引け間際には注文が集中しやすく値動きが大きくなる傾向があるため、タイミングを測る必要があります。

ら行

利回り(りまわり)(使用頻度:★★★★★)

解説
投資金額に対する収益の割合を1年あたりの平均に換算したもの。配当や利子などのインカムゲインに加え、売却損益であるキャピタルゲインも含めて計算することが一般的である。資産運用の収益性を比較するうえで、最も基本的な指標の一つといえる。単に利率というときは元本に対する利子のみを指すが、利回りはすべての収益を考慮するため、投資効率を正確にとらえるために欠かせない。算出の前提によって、表面利回りや実質利回りなどに分かれる。

佐藤 恭子

プロフィール

利回りとは、投資した金額に対してどの程度の収益が得られるかを示す指標です。配当金、利息、値上がり益などを含めた投資効率を判断する際に使います。

株式の配当利回りや債券の利回り、投資信託の分配金利回りなどを比較し、運用目的に応じた商品選定の材料とし、顧客に説明します。

ロスカット(損切り)(使用頻度:★★★★★)

解説
保有資産の価格が下落して含み損が生じているとき、損失の拡大を防ぐために決済をおこなうこと。あらかじめ決めたルールにもとづき、損失を確定させてさらなる赤字を回避する。感情に左右されずに実行することが、自己の資産を守るうえで最も重要な取り組みの一つとなる。これができないと、致命的な損失を招く恐れがある。次の取引へ資金をつなげるための、投資戦略における不可欠な防衛策といえる。

佐藤 恭子

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ロスカット(損切り)とは、保有している金融商品の価格が一定水準まで下落した際に、損失の拡大を防ぐために売却する投資判断のことです。

証券会社の社員は、利益を狙うだけでなく顧客の資産を守るためのリスク管理の手法として顧客に説明します。

含み損を抱えたまま保有し続けると損失が拡大する可能性があるため、あらかじめ許容できる損失を決めておくことが大切です。価格が下がってくると、冷静な気持ちで判断ができなくなるため、その場の感情で動いてしまわないためにも有効でしょう。

その際に逆指値注文を活用すると機械的に損切りができるので、顧客に提案することもあります。

アルファベット・数字・記号

IPO(新規公開株)(使用頻度:★★★★★)

解説
未上場の企業が、自社の株式を証券取引所に上場し、投資家へ公開すること。広く一般から資金を募ることが可能になるほか、社会的な信頼性を高める狙いもある。投資家にとっては、成長性が期待できる銘柄を上場前に取得できる貴重な機会となる。一方で、上場直後の価格変動はきわめて激しくなる傾向がある。適切な企業分析をおこなうことが、利益を得るうえで最も重要な取り組みの一つとなる。

佐藤 恭子

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IPO(新規公開株)とは、未上場企業が証券会社に株式を新規に上場し、一般投資家に向けて初めて株式を公開・販売することを指します。

証券会社の社員は、企業の成長資金調達の機会であると同時に投資家にとっては上場初期の成長期待を取り込める投資機会として顧客に説明するのです。

IPOでは公開価格が事前に決定され、需要調査(ブックビルディング)を通じて投資家の需要を把握したうえで価格が決まります。

公開後は、公開価格を上回ることもあれば、下回ることもあります。短期的には価格変動が大きいのが特徴です。中長期的な視点とリスクを踏まえた判断が大切でしょう。

NISA(使用頻度:★★★★★)

解説
投資によって得た売却益や配当金が非課税となる制度のことである。通常は利益に対しておよそ20%の税金がかかるが、この制度の中では利益をすべて非課税で受け取ることができる。2024年に始まった新制度では、成長投資枠とつみたて投資枠を併用できるようになった。個人の長期的な資産形成を支援するための仕組みであり、投資の中でも取り組むべき最も重要な制度の一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

NISA(少額投資非課税制度)とは、一定の投資枠内で得られた配当金や売却益が非課税となる制度です。

税制のメリットを活用しながら中長期的な資産形成をおこなうための基本制度として説明します。

しかし、投資枠や対象商品には制限があるため、目的に応じた商品選定が重要です。長期の運用になるため、顧客の年齢や目的によっては合わないことがあります。

PER / PBR(使用頻度:★★★★★)

解説
株価の割安性や割高さを判断する指標のこと。PER(株価収益率)は利益の何倍まで買われているかを示し、PBR(株価純資産倍率)は純資産の何倍かを示す。一般に数値が低いほど割安とされるが、業種ごとの水準や将来の成長性もさらに確認する必要がある。企業の収益力と資産価値を多角的にとらえるため、投資家が銘柄の選定をおこなうときに最も活用される取り組みの一つといえる。

佐藤 恭子

プロフィール

PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は、株式の割安・割高を判断するための投資指標です。企業価値を評価する際の基本的な分析ツールとして顧客に説明します。

PERは株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを示し、企業の収益力に対して株価が割高か割安かを判断する指標です。

PBRは株価が1株あたり純資産の何倍かを示し、企業の資産価値に対する評価水準を把握するために使います。

一般的に低いほど割安とされますが、適正水準はそれぞれ異なるので、成長率などと併せて分析をします。

ROE(自己資本当期純利益率)(使用頻度:★★★★★)

解説
株主から預かった資本を活用して、企業がいかに効率よく利益を上げたかを示す指標のこと。当期純利益を自己資本で割って算出する。この数値が高いほど、効率の良い経営がおこなわれていると判断される。投資家が企業の収益性をとらえるうえで、きわめて重要な指標の一つとなっている。近年、日本企業においても経営改善の取り組みのなかで、ROEの向上は最も優先されるべき課題の一つといえる。

佐藤 恭子

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ROE(自己資本当期純利益率)とは、企業が株主から預かった自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標です。「当期純利益÷自己資本」で算出します。

証券会社の社員は、企業の収益性と資本効率を図る重要な経営指標として顧客に説明します。

ROEが高い企業は、少ない資本で効率よく利益を上げていると評価されますが、借入を増やして自己資本を抑えていることもあるので財務の健全性と合わせて確認することが大切です。

実務ではPERやPBRなどの評価指標と組み合わせて分析し、成長性と資本効率のバランスを踏まえて判断をおこないます。

証券業界用語をマスターするときのポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!実際の現場をイメージすることが知識の定着につながる

キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

佐藤 恭子

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まずは、分野ごとに整理して覚えるとわかりやすいでしょう。運用→売買→分析→商品→法規の流れで覚えていくと証券会社の業務全体の理解にもなります。

1問づつ用語を確認したら、目的やどの場面で使うのかを意識して覚えていきましょう。目の前にいる顧客に説明する場面を意識してみると良いですね

特に、アセットアロケーション・分散投資・PER・PBR・ROE、指値と成行などは重点的に確認しておきましょう。

3分類に分けてとらえる! 対比する用語から覚えていこう

対策時間は、基礎知識があるかどうかでも変わりますが、全体像を2時間ほどで確認した後に、間違えた問題を中心に復習していく方法がおすすめです。苦手意識が強い人は、まずは「運用の考え方」「売買方法」「指標」の分類に集中して対策しましょう。

金利上昇は債券価格下落など、対比と関係性を意識してみると理解が進むはずです。実際に投資をおこなう必要はありませんが、日経平均や株価などを見ながらイメージをしてみると言葉だけで理解するよりもわかりやすくなるでしょう

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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