証券会社の志望動機で意欲が伝わる4つのコツ! 職種別の4例文付き

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  • キャリアコンサルタント/大学キャリア・アドバイザー

    Hideko Oki〇大学卒業後、都市銀行のマーケット部門で勤務。その後夫の海外赴任に伴って台湾へ。帰国後は外国人留学生の支援に従事。また複数大学のキャリアカウンセラー及びセミナー講師としても活動

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

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  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

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この記事のまとめ

  • 証券会社の志望動機は4つの要素から差別化できる
  • 証券会社の4つの業務ごとに必要な力を理解しよう
  • 業務別の志望動機例文をプロのアドバイス付きで紹介

証券会社は、給与水準の高さやかっこいい仕事というイメージなどから金融業界の中でも人気があります。多くの学生が応募しているなか、志望動機で理想や憧れをアピールするだけでは、選考を通過するのは難しいでしょう。

証券会社の業務や職種、業界についての理解を深め、根拠のある志望動機を伝えることで、ほかの学生と差をつけて採用に大きく近づくことができます。

この記事では、キャリアアドバイザーの沖さん、加藤さん、隈本さんのアドバイスを交えつつ、意欲が伝わる志望動機の作り方を解説します。証券会社を志望する学生はぜひ参考にしてくださいね。

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目次

証券会社の志望動機は業務を理解したうえで意欲を伝えることが重要

証券会社は就活生からの人気が高く、厳しい競争のなかで採用を勝ち取るには、ほかの学生よりも意欲が伝わる志望動機を作る必要があります。志望動機で意欲を伝えるには業務内容や職種についての理解が欠かせません。

この記事ではまず、証券会社の志望動機を伝えるうえで特に重要となる4つのポイントを解説します。さらに、志望動機作成の際に必要な知識である、証券会社の業務内容やキャリアパス、今後の動向などについて解説するので、準備を万全にしましょう。

後半では、証券会社が求める人物像を解説するので、自分がアピールするべきポイントは何かを考えながら目を通してください。

最後に、実際に志望動機作成の手順を解説し、業務別の例文も紹介するので、この記事を参考にして意欲がしっかりと伝わる・評価される志望動機を作成し、採用をつかみ取りましょう。

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加藤 賀子

プロフィール

証券会社は、昔から給与面の高さで人気の職業でしたが、昨今はインターンを通して、業務の幅の広さを体感し興味を持つ学生が多いなど、就活生に人気の職業です。

倍率は5大証券会社で約20倍となります。競争が激しい業界であることを意識しておきましょう。

証券会社の志望動機は4点の明確化が鍵!

証券会社の志望動機は4点の明確化が鍵!

  • なぜ証券業界なのか
  • なぜその企業なのか
  • なぜその業務なのか
  • 入社後どうなりたいのか

証券会社の志望動機を作るにあたって最初に意識しないといけない点は、3つの「なぜ」と入社後のビジョンを明確化することです。

この4点が曖昧になっていると、採用担当者は「ほかの会社でも良いのでは」「入社後しっかりと働いてくれるだろうか」と疑念を抱き、採用に消極的になってしまうでしょう。

逆に、この4点をしっかりとした根拠を示したうえで明確化できていれば、入社したい意志・意欲が伝わり、ほかの応募者と差をつけることができるのです。ここではその4つのポイントを解説するので、まず最初に頭に入れましょう。

金融業界全体の志望動機の書き方は、こちらの記事で解説しています。5つの業種ごとにビジネスモデルも解説しているので、証券会社との比較に役立ててくださいね。

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①なぜ証券業界なのか

まず、複数ある業界の中からなぜ証券業界を選んだのかについて明確にする必要があります。特に、金融業界のなかの銀行や保険業界も証券業界と同じように無形の金融商材を扱う業界です。そのなかでなぜ証券業界なのかを明確にしておかなければなりません。

なぜ証券業界を選んだかを明確化するためには、証券業界全体に関する知識を深める必要があります。証券業界ならではの仕事内容や特徴をつかみ、ほかの業界と比較することで、共感や納得が得られる志望動機を作ることができるようになるでしょう

業界を選択した理由を明確にすることは、志望動機作成のスタート地点に位置します。ここが曖昧だったり矛盾していたりすると、志望動機として成り立たなくなってしまうので特に注意が必要です。

証券業界は、経済のダイナミズムやグローバリズムをダイレクトに感じることのできる仕事だと思います。

任された業務にもよるとは思いますが、常に世界中の政策、経済動向、各業界の動向等にアンテナを立て、戦略を考える。知的な刺激に満ちた世界だと思います。

証券会社と同じ金融業界に属する保険会社の志望動機の作成のポイントも参考にしましょう。業務内容についても詳しく解説しているので、証券会社との比較に役立てましょう。

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②なぜその企業なのか

なぜその企業を志望するのかという点が明確な場合、企業は「長く働いてくれる」「活躍してくれそうだ」と判断し採用に前向きになるでしょう。

証券会社は、店舗を持ち対面で顧客と折衝するような従来型の会社から、近年シェアを拡大しているネット系の企業など、複数の分類に分けられます。さらに、企業によって規模や特徴、業務内容などは当然異なります。これらの違いについて理解したうえで、なぜその企業を選んだのかを明確にしなければならないのです。

証券業界でなぜその企業を選んだのかを明確にする良い方法は、まず大枠の分類による違いを理解することです。証券会社の分類については後で詳しく解説しますが、大きく5つの分類があります。分類ごとの特徴を理解したら、次は同じ分類のなかの企業を比較してみましょう。

こうした順序でその企業を志望する理由を整理していくと、伝わりやすく、説得力のある志望動機が作れますよ。

同じ業界内で企業間の魅力の違いを見いだすのは難しいと思うかもしれません。

そんなときは企業理念、強みや独自の製品・サービス、成長戦略、社風、取り組む社会課題などに注目すると、その企業ならではの独自性が浮き彫りになります。

企業分析のフレームワークを知りたい人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
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企業理念や社風への共感を志望動機に盛り込もうと考えている人は、以下の記事を参考にしてください。注意点やアピールするコツについて解説しています。

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③なぜその業務なのか

志望動機で意欲を伝えるには、その会社に入りたい理由を述べるだけでは不十分です。同じ証券会社でも複数の部署があり、部署ごとに業務内容ややりがいなどは大きく異なります。

そのため、なぜその業務に就きたいのか、どういった能力が活かせるのかを明確にしておく必要があるのです。志望動機では、自分がその仕事に向いている、活躍できるというアピールも重要になります。

アピールがしっかりとした根拠に基づいていれば、「業務に対する研究がしっかりできている」「論理的思考力がある」など、より評価される志望動機にできるのです

後の章で証券会社のおもな部署について解説するので、それぞれの部署を比較し、なぜその業務を選んだのかを考える参考にしてくださいね。

④入社後どうなりたいのか

入社後にどうなりたいかを明確にしておくことも、意欲を伝える・ほかの学生と差をつけるのに重要なポイントです。

企業が採用活動をするのは、応募する学生に会社に入ってもらうことが目的ではありません。入社後に活躍し、会社に貢献してくれることを期待しているのです。

入社後にどうなりたいかは、当たり障りのないことではなく、企業独自の事業内容や特徴・自分の強みを絡めて考えましょう。仕事に対する理解度や積極性があると評価され、意欲や熱意がより伝わります。

加藤 賀子

プロフィール

入社後どうなりたいかについては、上記の①~③を明確にしたうえで考えていくと、キャリアに対する思いや考えも棚卸しできるので良いでしょう。

①~③を明確にしないままで考えると、一般的に考えて無謀な目標になっていたりして、「きちんと考えてないな」とマイナスな印象になる可能性もあるので注意してください。

入社後にやりたいことは、自分の希望を伝えるだけでは評価につながりません。企業に刺さる入社後にやりたいことの回答のコツをこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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まずは理解を深めよう! 証券会社の特徴や仕事内容を解説

まずは理解を深めよう! 証券会社の特徴や仕事内容を解説

  • そもそも証券会社とは
  • 銀行との違い
  • 証券会社の5分類

就活生のなかには、証券会社は株の取引に関する業務をおこなう会社といった、漠然としたイメージしか持てていない人もいるのではないでしょうか。また、銀行やほかの金融業界の会社との違いをしっかりと理解していない人もいるかもしれません。

しかし、具体的で説得力のある志望動機を作るためには、業界や業務に関しての理解が重要となってきます。

ここでは、そもそも証券会社とは何をしている会社なのかをはじめ、証券会社の特徴や業務内容について詳しく解説します。どれも志望動機作成の参考になることなので、しっかりと確認しておきましょう。

証券会社の就職に必要なポイントをこちらの記事で解説しています。証券会社に対する理解度が深まるのでぜひ参考にしてくださいね。

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証券会社への就職を目指すなら、働き方のイメージの具体化は重要です。この記事では、証券会社の実態についてキャリアコンサルタントとともに徹底解説します。証券会社のメリット・デメリットだけでなく、選考対策のポイントとよく聞く噂、各企業の特徴も詳しく説明するのでぜひ参考にしてください。

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そもそも証券会社とは

証券業界のビジネスモデル

証券会社は、銀行や保険も属する金融業界に分類されます。

証券会社は、株式や債券などの有価証券の取引の窓口となる会社であり、有価証券を発行する企業と投資家、投資家と投資家を結ぶ役割を果たしているのです。この仲介の手数料や、自社で株などの有価証券を運用することで利益を得ています。

仲介業務以外にも、金融に関する高度な知識を活かし、投資家に対して市場の情報や投資のアドバイスをおこなったり、資産の運用・管理などのサポート業務もおこなっています。

上記の通り、証券会社は企業などの資金調達ニーズと運用ニーズを結ぶ役割を担っていますが、それに加え個人の資産も預金しているだけでは、価値が逆に目減りしていく時代です。

個人の資産運用を支える役割も大きくなっているといえます。

銀行との違い

証券会社と銀行との違い

証券会社に対して、同じ金融業界に属する銀行との違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。

証券会社と銀行の一番の違いは、証券会社は直接金融で銀行は間接金融である点です。金融は、直接金融と間接金融に分けられています。

直接金融とは、資金を借りたい人と貸す人が仲介人を介さずに取引をおこなう仕組みです。証券会社は、出資する側とされる側の窓口の役割を果たしているので、直接金融に該当します。

一方、間接金融とは出資する側とされる側との間に金融機関が介入し、取引がおこなわれるものです。この介入する金融機関が銀行であり、銀行は間接金融に該当するのです。

仕組み的な違いはわかったのですが、働く側にとっての違いはどのような点が挙げられるのでしょうか?

キャリアを築くうえで期待されるスキルや方向が異なる

銀行と証券会社で働く際の大きな違いは、業務内容と求められるスキルにあります。

銀行は、預金や融資、為替など幅広い金融サービスを提供し、おもに安定性が重視されます。顧客の資産を守り、リスク管理や顧客対応に優れたスキルを持ち、長期的な関係を築くことが重要です。

一方で証券会社は、株式や債券の売買、資産運用を中心として、短期的な収益が重視されます。市場の動向に敏感で、迅速な判断力や営業力を持っていることが必要です。

特に、投資家のニーズに応じた提案力や、マーケットに関する深い知識が求められます。

総じて銀行は安定的なキャリアを築きやすく、証券会社は挑戦的な環境で成果を追求することができる点が、働く側にとっての大きな違いといえます。

同じ金融業界に属する銀行ではなく証券会社を志望する理由を明確にするために、銀行の志望動機の作り方を参考にしてみましょう。

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あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう

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証券会社の5分類

一般的に証券会社は5つに分類され、それぞれ特徴や強み、営業手法などが異なります。

分類ごとの違いを自分の特性・強みと掛け合わせて志望動機を作成しましょう。説得性や具体性のある、評価される志望動機につながります。

国内独立系証券

国内独立系証券とは、他社と資本関係を結ばず、銀行などに属さない国内大手の証券会社のことをいいます。

個人投資家を対象としたリテール業務から、海外を拠点とした業務まで多様な業務をおこなっている点が特徴です。銀行系証券と違い銀行からの顧客紹介がない分、自分の力で新規顧客の開拓が求められる傾向にあります。

上記の特徴から、志望動機ではリテール業務に必要なコミュニケーション力に加え精神の強さ、さまざまな業務に挑戦できるチャレンジ精神や対応力をアピールすると良いでしょう。

また親会社から人が流れてくることがないため、銀行系証券と比較すると、実力次第で早期のキャリアアップが期待できるといった特徴もあります

国内独立系証券の例

銀行系証券

銀行系証券とは、メガバンクのグループに属している証券会社です。銀行との連携を活かし、国内独立系に次ぐ大規模な事業を展開しています。

銀行系証券会社は、親会社であるメガバンクからの顧客紹介が多いことから、次のような特徴が挙げられます。

メガバンクと取引のある企業の中には大手企業も多いため、大きな案件にかかわる機会が増えてくる点です。また、親会社からの紹介があることで、顧客基盤が安定しているともいえます。

さらに銀行のグループに属していることから、ほかの分類の証券会社と比較して、社債発行などによる資金調達に強いといった特徴も挙げられます。幅広い商品を扱い、その中から最適な提案が必要となるため、志望動機を考える際は情報収集力や分析力のアピールを意識すると良いでしょう

国内独立系証券と銀行系証券では、働く人や社風にも違いはありますか? 志望動機で見られる点も異なるのでしょうか。

実力主義か保守的かの差は自分の目で見て確かめよう

社風というのは正直にいえば、入ってみないと正確なところはわからないうえに、同じ独立系、銀行系の中でも各々社風は異なっています。

ただ一般的に独立系のほうが、実力主義で、若くても力があれば評価され、給与や昇進にも反映されやすいといわれています。

一方、銀行系は上層部に銀行出身者がいたり、社員も出向者がいたりなどで、もちろん力がある人が伸びていくのですが、多少保守的な面も残っているかもしれません。

いずれにしてもネット上にも情報はあふれていますが、インターンシップや説明会、OB・OG訪問、懇談会など、なるべく生身の社員に接する機会を増やし、自分の肌で感じる雰囲気を選択の参考にしてみることをおすすめします。

地方密着系証券

地方密着系証券とは、特定の地域に密着し事業を展開する証券会社です。地域の顧客に対するリテール業務に注力する企業が多い点が特徴で、銀行系証券に比べると規模は小さいものの、地域の顧客基盤が安定しているところが多いです。

また、地方密着系証券会社の利用者は、相談のしやすさや手厚いサポートを特に求める傾向にあるため、顧客に寄り添い信頼関係をいかに築けるかが重要になってきます。

地方密着系の証券会社を志望する人は、新規顧客獲得に必要なコミュニケーション力や精神力のほかに、関係性を構築する能力やその地域に貢献したいという意欲を志望動機に盛り込むように意識しましょう

ネット証券

ネット証券とは、インターネット上で取引の仲介をおこなう証券会社のことをいいます。店舗を構え、対面や電話で仲介業務をおこなう従来の証券会社とは業務形態が大きく異なる点が特徴です。

口座開設が手軽にでき、手数料も比較的安いので、利用者は毎年増加しています。ネット証券は、顧客自身がWeb上で取引をおこなうため、基本的にディーラーが介入することはありません。そのため、ほかの証券会社に比べ営業職の募集が少ない傾向にあります。

提供する取引のプラットフォームの管理や開発、カスタマーサポートなどバックオフィス業務が重要になるため、志望動機ではITに関する技術力や正確性をアピールすると良いでしょう。

特別な動機がなくても大丈夫!
ツールを使えば魅力的な志望動機が作れます

「第一志望以外の志望動機が思い浮かばない……」と感じたことはありませんか?そんな時にぜひ活用してほしいのが「志望動機作成ツール」です。

簡単な質問に答えるだけで、特別な動機がなくても採用したいと思われる志望動機が簡単に作成できます。

志望動機で困ったら、まずはツールを活用してみましょう。

 実際にツールで作成した志望動機例文 
 (人材業界の場合) 
私はキャリア支援を通じて社会に貢献したいと考えています。学生時代、キャリア支援団体のインターンに参加し、50人以上の学生に対してESの添削や模擬面接を実施しました。自分に自信が持てなかった学生が自分の強みを発見し、自信を持って面接に臨む姿を見たときに大きなやりがいを感じました。貴社では個々の求職者に寄り添いながら最適なキャリアを模索し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出せるようなキャリアアドバイザーになりたいと考えます。

外資系証券

外資系証券とは、一定の割合以上で外国の法人・個人が出資をしている証券会社のことをいいます。日系企業と比べると、取り扱っている案件が大きい点が特徴として挙げられます。これは日系企業よりも従業員数が少ないことが背景にあり、少ない人数でより大きな収益を上げるために大型の案件に注力しているからなのです。

少数精鋭で規模の大きな案件をこなしていくため、従業員の負担は当然大きくなります。そのため、ハードワークにも耐えられる体力や精神力をアピールできると、採用に有利に働くことが考えられます

さらに、日系の企業よりも個人の成果が評価において重要視される傾向にあることや、与えられる裁量が大きいといった点も大きな特徴の一つです。それゆえ、ほかの証券会社よりも給与水準が高い傾向にあります。

志望動機でアピールするポイントは、チームワークや協調性よりも、責任感や自身で考える力、判断力など個の力が高いと判断されるような内容にすると良いでしょう。

また、海外企業の案件を担当することも多いため、英語力は必須です。

外資系の証券会社は成果主義であるため、競争心やスキルを重視します。志望動機では、挑戦意欲やグローバルな視点、具体的なキャリアビジョンが求められやすいです。

一方、日系企業では長期的な成長意欲や協調性が重視される傾向にあります。

ほかにも外資系で求められる資質はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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志望動機に必須の知識! おもな4部署の業務と求められる人材を理解しよう

志望動機に必須の知識! おもな4部署の業務と求められる人材

  • ブローカー
  • ディーラー
  • アンダーライティング
  • セリング

ここからは、証券会社の業務を担うおもな4つの部署を取り上げ、それぞれの業務内容と求められる人物像について解説します。

志望動機では、どのような業務に就きたいか、自分の強みが業務にどう活かせるのかを具体的な内容で盛り込む必要があります。

各部署による業務内容や求められる人物像の違いを把握し、志望動機の作成に活かしてくださいね。

加藤 賀子

プロフィール

自分が携わろうと考えている仕事や会社が、どんな会社(仕事)でどのように社会に貢献しているのかを、理解していないうえで応募するのは、あなたの今後のキャリア構築にも影響するので避けましょう。

わからない場合は、学内のキャリアセンターなどに出向いて教えてもらうという方法もあります。

①ブローカー

ブローカーは個人投資家からの株式売買の注文を証券取引所に取り次ぐ業務をおもにおこなう部署です。個人投資家は直接証券取引所に注文ができないため、証券会社が仲介をおこなうのです。

この仲介によって発生する手数料が証券会社の利益になり、この手数料は証券会社のおもな収入源になっています。

仲介業務はどのような状況でも正確な情報の伝達が必要です。急な対応や、取引が集中するときでも落ち着いて冷静に対応できる能力が求められます。

また、仲介業務がメインですが、投資家の相談に乗ったりアドバイスをしたりすることもあります。そのため、情報のインプット・アウトプットができる、コミュニケーション能力が高いといった点もブローカーに求められる要素といえるでしょう

ブローカーとして活躍してくれそうだというイメージを持ってもらうためには、人との関係性を構築してきた実績や、情報を正確に伝える能力を志望動機で伝えるように心掛けましょう。

ブローカーで求められるのは、高い専門性を身に付けるために常に努力できる能力だと思います。

もちろん人柄など、コミュニケーションを助ける要素はほかにもありますが、証券会社の営業では高い専門性があるからこそ、顧客は信頼して心を開いてくれるからです。

②ディーラー

ディーラーは、投資家のように自社で株式や債券、為替などを売買する職種です。ディーラーがおこなう株式の売買や有価証券の運用などで得た利益がそのまま会社の利益になります。証券会社が取引に介入することで、取引が成立しやすくなるといった側面も持っています。

ディーラーは市場の動向に応じて瞬時に判断し株式の売買をおこなうため、集中力と決断力が求められます。また、相場に影響する国内外の情勢などさまざまな情報を収集しておかなければならないため、情報をキャッチする能力も不可欠です。

さらに、業務の性質上、自分のおこなった売買で大きな損失が出てしまうリスクもあります。重圧に耐えられる精神力と気持ちを切り替える能力も、ディーラーには必要となってきます。

実際に株式などを売買する職種のため金融に関する深い知識が必要ですが、これをアピールし納得してもらうことは簡単ではありません。情報収集力や分析力、論理的思考力であれば具体的なエピソードに基づいたアピールもしやすく、ディーラーとしての適性があると理解してもらえるでしょう

③アンダーライティング

アンダーライティングは、企業が新たに発行した株式や債券を買い取り、それを投資家や企業に売る業務をおこなっています。企業が株式や債券を発行するのは資金調達が目的です。つまりアンダーライティングは、企業の資金調達に貢献している業務といえます。

買い取った株式や債券が売れた際に発生する手数料が利益になりますが、売れなかった場合は証券会社が引き取る形になり、損失となってしまいます。

買い取る株式や債券が売れるかどうかの判断が重要な点から、アンダーライティング業務には高度な分析力と決断力が特に求められるのです。また、損失を出してしまう可能性がある点から、強い精神力と気持ちを切り替え、平常心で仕事に臨める能力が必要になるでしょう。

アンダーライティングは、買い取った株式や債券が売れるかどうかの見極めが最も重要となるため、志望動機では特に分析力をアピールする内容を盛り込むのがおすすめです

アンダーライティング業務のやりがいは、新たな企業やプロジェクトの資金調達を通じて経済成長に直接貢献できる点にあります。

企業の将来性を見極め、リスクとリターンを慎重に評価する過程は、高度な専門知識が求められ、成功時の達成感も大きいです。

社会貢献を志望動機に盛り込みたい人はこちらの記事を参考にしてください。効果的に盛り込むコツや例文も解説しています。

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志望動機として社会貢献を打ち出して高評価を得るポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。やりたい仕事別の例文5選と注意点も解説するので、参考にして志望動機を作成し、選考突破につなげてください。

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業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ

志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ

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・志望動機が思いつかない人
・業界・職種ごとの志望動機がわからない人
・アルバイトやゼミで忙しい人

④セリング

セリングは、新たに企業が発行した株式・債券などを一時的に預かって、買い手を探し販売する業務をおこないます。

一見、アンダーライティングと同じ業務に見えますが、セリング業務の場合は、買い手が見つからなかった場合は証券会社が引き取る必要がありません。とはいえ、セリングもアンダーライティングと同様に企業の資金調達に貢献できる業務です。

求められる能力についてもアンダーライティングと同様、高度な分析力と決断力が挙げられますが、売れ残りを引き取らなくて良い分手数料が低く、いかに多く投資家や企業に買ってもらえるかが重要になります。買いを勧誘する業務の重要性が高いことから、コミュニケーション力も志望動機で忘れずにアピールしましょう。

入社後の抱負はこれを参考に! 証券会社のキャリアパスをプロが解説

志望動機では単に志望した理由だけでなく、入社後の抱負まで盛り込むことで、働くイメージが明確なことをアピールできたり、企業研究が良くできている、意欲が高いといった高評価を得たりすることにつながります。

しかしこの入社後の抱負について、イメージが湧かず困っている学生も多いのではないでしょうか。

そこでここではキャリアコンサルタントの沖さんに、証券会社の実際のキャリアパスを解説してもらいます。どのようなキャリアパスがあるのかを理解しておくと、具体的な入社後の抱負が描けるようになり、企業に刺さる志望動機が作成できるようになりますよ

アドバイザーコメント

入社後は基本的にリテール営業から始まるがその後のキャリアはさまざま

証券会社では入社後の研修を経て、最初は支店に配属されるのが基本です。そこでリテール(個人投資家)営業を経験するのがほとんどだと思います。

その後はリテール営業部門でそのままキャリアを築く場合もあれば、大手証券ではホール(法人)営業、投資銀行業務、ディーラー、アンダーライティング業務などへ業務が変わることもあります。

証券業界に限らず、大企業では自分で自分のキャリアを決められるというわけではないものですが、自分の希望は出し続けることはできます。その際、実績を挙げている社員は自分の希望が通る可能性が高まると考えられます。

求められる専門性を自らアピールすることでチャンスが拓ける

しかし証券会社の中では、大学時代の素養が必要な業務も多いです。たとえばディーリング、ストラクチャリング(金融商品開発)、アナリスト、クオンツ(定量・数量分析による市場分析・予測)などは理工系であったり、数学に強かったりすることが必要です。

またあらゆる業務において財務分析能力や法務などの知識が必要で、そうした専門性を持った人材も欠かせません。

こうした業務を担当させるためには、採用時からその素養やポテンシャルを判断していて、逆にいえば学生も自分の強み(ここでは専門性)と入社後やりたい業務との間に整合性を持ってアピールできれば、採用される可能性が高まるということだと思います。

また業務を通してその専門性が高まり、実績を挙げれば、自分自身の市場価値もさらに高まる世界だといえます。

面接でキャリアプランについて深掘りされてうまく答えられるか不安な人は、こちらの記事を参考にしてください。高評価につながるコツや解答例を解説しています。

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応募前に知っておくべき! 証券会社の現状と動向

応募前に知っておくべき! 証券会社の現状と動向

  • 離職率が高いといわれている
  • 景気に左右されやすい
  • ネット証券がシェアを拡大している

志望動機を考えるうえで、証券会社の現状や動向を把握しておくことも重要です。証券会社が抱えている課題や動向と、自分がやりたいことや貢献できることを関連づけ、業界に対する理解度や熱意をアピールすることもできるからです。

自分の志望動機にどう関連づけるのかを意識しながら、参考にしてくださいね。

証券会社を含む金融業界のトレンドについてこちらの記事で解説しています。ほかの業種と証券会社のトレンドとを比較し、理解を深めましょう。

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離職率が高いといわれている

証券会社は「給与水準が高い」「社会に大きく貢献している」などのイメージから就活生からも人気が高く、実際に応募する人も多いですが、その一方で離職率が高い傾向にあるのが特徴です。

離職率が高い背景には、想像していたより激務だった、思っていたような業務ができなかったというようなミスマッチがあるようです。

企業にとって社員の早期離職は避けたいものです。志望動機で、職種や業務に対する理解度をアピールしましょう。早期離職のリスクが低く定着してくれそうだという評価につながる可能性があります。

加藤 賀子

プロフィール

証券会社は株式や債券などの金融商品に関する取引の窓口(仲介)をおこなっています。

投資家に対して金融商品を提案し、資産運用のアドバイスなどをしていくのですが、やはり誰にとっても資産は大切なものなので、プレッシャーも多い仕事であることを理解しておきましょう。

証券会社などが激務といわれる理由や、激務な企業の見極め方をこちらの記事で解説しています。志望する証券会社が激務か気になる人は、参考にしてください。

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景気に左右されやすい

証券業界は国内外の景気や情勢に大きく左右される業界であるといえます。実際に2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災のときには、証券市場が低迷して証券会社の業績も悪化し、赤字になってしまった企業も多くありました。

業績の低迷は、給与の減額や人員整理などのかたちで従業員にも大きく影響することがあるため、無視できない特徴であるといえます。

このように証券会社の主たる収益となっている売買手数料は、景気に大きく左右されることから、大手の証券会社を中心に売買手数料に依存するビジネスモデルを変えていく動きが活発化しています。

売買手数料のほかに、積立資産や投資信託などの預かり資産に対して報酬を得るという収益の上げ方があります。このほうが安定した収益が見込めるため、預かり資産を増やしていくといったビジネスモデルにシフトする企業が増加している傾向にあるのです

ネット証券がシェアを拡大している

従来は、店舗を構え対面型で売買の仲介をおこなう証券会社がほとんどでしたが、最近ではインターネット上で仲介をおこなうネット証券が急速に成長しています。

ネット証券の急速な成長の背景には、スマートフォンの普及に加え、口座開設の手軽さや手数料がほかの証券会社に比べ安いといった点があります。

手数料の価格競争の激化から、対面型の証券会社はネット証券に参入する、店舗を集約するなど企業によってさまざまな対策を講じています

ほかにもトレンドとして、NISA・iDeCoなどの税制優遇制度を利用した個人投資家が増加し、若年層の資産運用意識が高まっていることも証券業界にとっては追い風です。

しかしネット証券やAIアドバイザーなどの出現により、人が対面することでどのような付加価値を付けることができるかが課題となっています。

志望動機のアピールにつなげよう! 証券会社が求める4つの人物像

志望動機のアピールにつなげよう! 証券会社が求める4つの人物像

  • 人に好かれる・コミュニケーション力が高い
  • 情報収集・分析が得意
  • 行動力がある
  • ストレス耐性がある

企業の求める人物像と自分の強みを掛け合わせることは、評価される志望動機を作成する重要なポイントとなります。

ここでは、証券会社が求める4つの人物像について解説します。自分の性格や、これまでの経験を振り返り、当てはまる点がないかを考えてみましょう。

①人に好かれる・コミュニケーション力が高い

証券会社は、企業・個人のさまざまな顧客とかかわる仕事のため、人から好かれる人柄やコミュニケーション力が高い人材が求められます。

顧客から相談を受けたり、アドバイスをしたりすることも多いです。また、顧客がどんな商品を求めているのかなどを聞き出す力も必要になります。

さらに、自分が提案した商品で損をした顧客にも継続してかかわり、再度商品を購入してもらうアプローチをしなければなりません。

このように、さまざまな顧客、状況に対応できる高いコミュニケーション力が証券会社では求められるのです。

人に好かれることが多い人や、人から相談などを受けて解決に導いた経験がある人は志望動機で積極的にアピールしましょう

たとえば、部活動やサークルでのリーダー経験やチームワーク、友人から頼りにされた経験など、具体的なエピソードを添えて伝えましょう。

これにより、単に「人に好かれる」という抽象的な表現ではなく、実際に信頼され、コミュニケーション力を発揮してきたことを示せます。

どのようにコミュニケーション能力をアピールすれば良いかわからない人は、こちらの記事を参考にしてください。アピールする方法や注意点の解説から、例文も紹介しています。

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②情報収集・分析が得意

証券会社が扱う株式や債券、為替などは、国内外の経済状況や情勢、新技術の開発などのさまざまな要素によって大きく価値が変動します。そのため、相場に影響し得る情報を的確に収集する能力が必要になります。

さらに、相場を予測し投資戦略を立てたり、顧客へ投資アドバイスなどのサポートもおこなったりするため、どのような要素が相場にどう影響するのかを紐づける、高度な分析力も必要となります。

日頃から物事を論理的に考えられる人や、情報を集め根拠を見いだすのが得意な人は、志望動機のなかで、具体的にどう考えているのか、情報の収集・分析でどのような成果が出たのかを伝えたうえでアピールすると高評価が得られるでしょう

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③行動力がある

証券会社が扱う商品はどれも流動的で、変化が激しいといった特徴があります。このような変化に対応するには決断力と行動力が重要となります。行動力がない人は、相場などの変化についていけず成果を上げることが難しいのです。

さらに、証券会社ではノルマ達成のため顧客に対するアプローチを徹底しておこなうケースが多いです。特に、新規顧客開拓のためには1日に莫大な件数の電話・直接訪問によるアプローチをおこなうこともあります。

行動力がある人は、積極的に顧客と折衝し成果を上げてくれるという期待を持たれることがあるので、行動力で何かの成果を挙げた経験がある人は積極的にアピールしましょう

④ストレス耐性がある

証券会社では厳しいノルマが課せられたことも多く、日々ノルマに対するプレッシャーを感じながら働かなければならいないこともあります。

さらに、急な相場の変動に左右され、場合によっては大きな損失が出てしまうこともあるため、日々、不安やリスクを抱えながら業務をおこなうことになります。ストレス耐性がなければ、このような状況で、平常心で冷静に働くことは難しいでしょう。

また、証券会社は離職率が高いことから企業は長く働いてくれるかどうかの判断基準になるストレス耐性を重要視する傾向にあります。

これまでにハードワークや大きなプレッシャーがあるなかでも何かをやり遂げた経験がある人は、志望動機で具体的なエピソードを伝えてアピールしてみてください

行動力の自己PRでは独自性を出すことが重要です。こちらの記事で行動力のタイプ、うまくアピールするための方法などを例文付きで解説しているので参考にしてくださいね。

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志望動機で、ストレス耐性があることをアピールするコツはありますか?

加藤 賀子

プロフィール

裏付けるエピソードを1つ挙げて丁寧に深掘りしてみよう

今までの人生の中でストレスに打ち勝った経験があれば、実体験を交えてアピールすることを意識しましょう。

たとえば、部活で決勝戦に進んだという経験がある場合、以下のように詳しく振り返ってみます。
・「勝つ」というプレッシャーに対して、どう感じたのか
・どのように乗り越えて優勝をつかんだのか

こうした具体的なエピソードを交えてストレス耐性について記載していくと、効果的なアピールになるでしょう。

ここまで理解を深めたらまとめるだけ! 証券会社の志望動機の組み立て方

おさらい! 証券会社の志望動機に欠かせない要素

  1. なぜ証券業界なのか
  2. なぜその企業なのか
  3. なぜその業種なのか
  4. 入社後どうなりたいのか

ここまで記事を読んで、志望動機で明確にするべき点や証券会社の全体像を把握できていれば、正しい手順で組み立てるだけです。書き出す際は、整合性を担保し伝わりやすい内容にするために、必ず順番通りに組み立てましょう

まずは、これまで整理してきた内容から、①なぜ証券業界なのか、②なぜその企業なのか、③なぜその業務を志望するのかを順序立てて組み立てましょう。その際には、解説した証券会社の特徴や業務内容に、自分の強みや特徴を絡め、具体性と根拠を持たせることを意識してください。

ここまで組み立てることができれば、後は④の入社後の抱負が書けると完成です。ここでは、より具体的で実現可能な内容で書くようにしましょう。そうすることで仕事に対する理解度や熱意がアピールでき、高評価が得られる志望動機になるのです。

志望動機に何を書いたら良いのかまだ思い浮かばない人は、こちらの記事も併せて参考にしてください。書けない原因や誰でも簡単に書ける方法について解説しています。

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志望動機が魅力的になる構成はこちらの記事でも解説しているので、併せて活用してさらに磨きをかけましょう。

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ブローカー業務の志望動機例

ブローカー業務の志望動機例

私が貴社を志望する理由は、より多くのお客様の資産形成に貢献でき、安心した将来の暮らし作りに役立てると思ったからです。

私自身、将来のお金に対する不安から有効な対策を調べたところ、投資が有効的であり、日本以外では一般的におこなわれているものだと知りました。自分でも投資をしてみるうちに資産形成の正しい知識を得る難しさを感じ、先行き不透明な日本社会において、資産形成をより身近に普及させるべきだと考えるようになりました。

貴社は証券会社の中でも特に営業に重きを置き、新規顧客開拓実績も業界トップクラスです。私は携帯販売のアルバイトを3年間続けており、メンバーと数字を競い合うことにやりがいを感じていたため、厳しい環境で切磋琢磨できる貴社に魅力を感じています。

アルバイトでは初めてのお客様でも歩み寄り、私自身のファンを作ることを大事にしていて、実際に本部から賞をいただいた経験があります。

この歩み寄るコミュニケーション力を貴社で新規顧客の獲得に活かし、より多くの人に投資の重要性を理解していただき、将来のための資産形成をおこなってもらえるよう努めていきます。

ノルマに対するストレス耐性やコミュニケーション能力に関してはうまくアピールできています。改善点は、業界志望理由です。

もう少し具体的にどのような投資をしてみたのか、具体的にどういうところが難しかったのかなどが盛り込めると、入社後自分がやりたいことがもっと明確になると思います。

ディーラー業務の志望動機例

ディーラー業務の志望動機例

私はディーラーとして会社と社会の両方に貢献したいと思い、貴社を志望しました。

経済学部での学びを活かしてアルバイトでデータ分析の仕事をするなかで、リアルタイムで市場データを収集し、トレンドを予測することの重要性と面白さを知りました。

具体的には市場分析とリスク評価の方法について学び、実際にリアルタイムの市場データを基に取引戦略を立てる業務にも携わらせていただきました。

私の立てた取引戦略で成果が出ることも多く、情報収集力や分析力に評価をいただきました。この力を会社と社会の貢献に最も活かせる職業がディーラーであり、よりこの能力を高め、貢献度が高められるのが、顧客数がトップクラスの貴社だと思っております。

入社後はまずリテール営業でお客様のニーズや商品について網羅的に理解したいと思います。現場での経験を積み、幅広い知識と視野を培って腕のあるディーラーに挑戦したいと思っております。

加藤 賀子

プロフィール

アルバイトのデータ分析の仕事で何を得たのか、また、応募職種や応募先をどうして志望しているのかなど、しっかりと記載ができていて良いでしょう。

改善点としては、どのような取引戦略を立てて成果につながったのかなどを具体的に書くとより良くなると思います。

アンダーライティング業務の志望動機例

アンダーライティング業務の志望動機例

私が証券会社の業務を志望する理由は、企業の成長や資金調達に直接関与できる点に大きな魅力を感じるからです。

大学で経済学を専攻し、企業財務や資本市場に関する研究を進める中で、スタートアップ企業の資金調達に関するテーマが印象的でした。

どんなに有望な企業でも資金調達がうまくいかなければ事業の継続が難しく、世の中を良くするはずの製品やサービスが消えてしまうという点にもどかしさを感じ、そこから企業が新たな資金を調達する重要性とその過程に強く興味を持ちました。

私はもともとデータの収集や分析が好きで、通販などでものを買うときもセールの頻度や過去の値引き率、他社の値引きによる影響など調べ、自分の中で適性価格を設定し買うようにしていたほどです。この強みは、アンダーライティングの業務に活かせるのではないかと考えています。

貴社は数多くの上場支援実績を持ち、クライアントに最適な資金調達をする戦略が豊富なことを魅力に感じます。入社後はリテール営業で実績を積み、チャンスがあればゆくゆくはアンダーライティングの業務に携わりたいと思っております。

強みである情報収集力・分析力をさらに強化し、企業の成長に貢献してまいります。

具体的な経験を通じてアンダーライティング業務への関心を説明していて、強みをどう活かせるかを明確にしている点が良いです。

改善点として、アンダーライティング業務に携わるまでのキャリアステップや貢献の仕方をさらに具体的に示すと、より説得力が増します。

セリング業務の志望動機例

セリング業務の志望動機例

私は企業の資金調達をサポートすることにより、成長を目指す企業の活動を支えたいと思いセリング業務を志望します。

私は証券市場についてのゼミを受講していたことから、大学の友人から起業に必要な資金集めの相談を受け、手伝いをした経験があります。私はできる範囲で知人やバイト先で知り合った経営者の方にお願いし資金を集めました。

最初は1円も集められないと思っていましたが、行動力と相手の懸念点をどうカバーしメリットを提供できるか説明するように努めたおかけで、友人と協力してくれる方をつなぐことができました。

この経験を通して、資金調達がビジネスや経営にとってどれほど重要かを理解し、資金調達のサポートが企業、ひいては経済活動の大きな力になることを実感しました。

業界でもトップクラスのベンチャー・中小企業の支援実績を持つ貴社のなかで、私のゼミで学んだ市場分析の知識と行動力を活かし、一社でも多くの資金調達を手助けし、企業の発展に貢献できるよう努めていきます。

友人の起業の資金集めの話を持ってきたのは良いと思いますが、証券会社とはそもそも資産調達ニーズと資産運用ニーズをつなぐ役割を担っているので、志望をセリング業務に絞った理由がよくわかりません。

「資金調達のサポート」という表現が少しぼやけているのかもしれません。

証券会社の志望動機は職種に合わせた強みを示して合格につなげよう!

証券会社は給与水準が高く、社会的貢献度も大きい点から人気のある業界です。競争が厳しい証券業界では、志望動機での差別化が合否に大きく影響します。

評価される志望動機にするには、業界・企業からさらに深堀りし、職種に合わせた強みを示すことが重要です。そうすることで、差別化され、意欲が伝わる志望動機になるのです。

証券会社に対する理解をしっかりと深め、正しい手順で組み立てた志望動機で、証券会社の選考通過を目指しましょう。

アドバイザーコメント

証券会社の志望動機では入社後を見据えた能動的なビジョンを伝えよう

証券会社は競争力が高い人気の業界だからこそ、業界の知識や応募先の企業情報・応募職種のことを下調べするだけでは十分ではありません。

そうした基本情報をしっかりと理解したうえで、その仕事を通してどのようなキャリアを積んでいきたいと考えているのか、社会や会社や顧客に対してどのように貢献したいのかまで、明確に伝えられることがライバルとの差別化につながります。

まずは自分自身を理解してキャリアや人生への考えを整理することが鍵

そのためには、自分の強みや仕事・キャリア・人生に対する思いをしっかりと棚卸しすることが重要です。

学内のキャリアセンターなどを積極的に活用し、自分を客観視し、自分自身を理解していきましょう。今後のキャリア形成のためにも、自身の棚卸しをおこなうことは、自分軸を知ることにもつながり有効です。

記事を参考に志望している企業や職種で社会人生活のスタートがきれることを応援していますが、万が一、志望している企業や職種でのスタートがかなわなかった場合でも、落ち込むことはありません。いつでも再チャレンジできます。

皆さんの、これから始まる長いキャリア人生が有意義な人生になるように祈っています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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