この記事のまとめ
- 評価ポイントを押さえて病院側の意図に沿った回答をしよう
- 病院の面接では回答内容だけでなく身だしなみやマナーも見られる
- 想定質問の回答や逆質問を対策して病院の面接を突破しよう
- 面接力診断ツール
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この記事を読んでいる人におすすめ
医師や看護師、医療事務などへの就職を目指して、病院を含む医療機関に入職する際も、民間企業と同様に選考があります。そして選考の中では、当然面接も実施されます。
そのため選考突破のためには面接対策が必須ですが、「病院の面接でどんな質問をされるのかわからない」「どう対策したらいいかわからない」など、不安を抱える人もいるでしょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの桒田さん、吉野さん、谷所さんと一緒に、病院の面接の質問内容や対策方法などを、具体的な回答例を提示しながら解説します。また、面接の基本の流れやマナーも解説するので、病院の面接について網羅的に理解できるようになりますよ。
医師や看護師ではなく、医療事務に憧れている人もいると思います。以下の記事では医療事務の志望動機の書き方をまとめています。
例文10選|医療事務の志望動機は2つのポイントを整理して書こう!
逆質問がカギ! 病院選考ならではの特徴を把握して面接を対策しよう
面接は、一般的に応募先から学生に質問がされますが、「何か質問はありますか」と面接官から逆質問されることもあります。病院の面接では他者と差別化したり、入職する意欲や熱意をアピールしたりするためにも、この逆質問が非常に重要になります。
しかし、「具体的にどんな逆質問をすれば良いかわからない」と悩む人もいるでしょう。
この記事では、記事前半で病院の面接でよく出題される質問やその回答例を解説。まずは病院の面接の基本をつかみましょう。
そして、記事後半では高評価を得られる逆質問の例や病院面接の対策方法、マナーなどを解説します。基本に加えて、より差をつける対策まで網羅して、病院の面接を突破しましょう。
面接対策前に確認! 病院への入職までの基本的な流れ
病院の面接対策を始める前に、入職までの基本的な流れを把握しておきましょう。流れをつかんでおくことで、いつ頃面接がおこなわれるか、いつから対策するべきかなどを判断できるようになります。
病院への入職までの基本的な流れは以下のとおりです。
病院への入職までの基本的流れ
- 病院見学をエントリー
- 病院見学
- 説明会
- 採用試験(筆記試験・面接)
- 内定
上記のとおり、採用試験の前に職場見学ができる病院も多くあります。民間企業であればOB・OG訪問や会社説明会、面接を受けてみなければ職場の雰囲気をつかむことは難しいですが、病院の場合は採用試験の前に病院見学が可能であるため、職場の雰囲気を把握してから採用試験を受けるかどうかを判断できるのです。
就職は選ばれると同時にこちらも選ばなければなりません。見学や説明会で職場を理解したうえで面接対策を進めると共に、しっかり職場を見定める意識を持って臨みましょう。そのためにも選考全体の流れを把握しておくことが重要です。
説明会に参加する方法などはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
店舗見学のコツは以下の記事で詳しく解説しています。病院見学にも役立てられる部分が多くあるので、ぜひ確認してください。
把握必須! 病院の面接の評価ポイント
病院の面接の評価ポイント
- 第一印象が良いか
- コミュニケーション能力に問題がないか
- 職場との相性の良さそうか
- 忍耐力があるか
病院の面接を受ける際、質問に対して素直な価値観でアピールすることは大切です。しかし、ただ自分の考えや価値観をアピールするだけでは、病院側が「この人を採用したい」と思えない可能性があります。
病院の面接を突破するために大切なのは、病院側が志望者の何を評価し、どのような人材を採用したいと考えるかを理解することです。
ここからは、病院の面接の評価ポイントを解説します。実際に面接対策を始める前に評価ポイントを把握しておくことで、面接官の心に刺さる回答ができるようになりますよ。
第一印象が良いか
病院の面接では、身だしなみや服装、笑顔などの第一印象も評価の対象となるケースがあります。
病院に勤務すると、患者をはじめとした「人」を相手に対面でサービスを提供することになりますよね。その際に相手に不快な思いをさせないためにも、第一印象の良さが大切なのです。
以下のことを意識して、面接前に身だしなみを整えましょう。
第一印象を良くする方法
- 体型に合った服装を選ぶ
- 汚れなどを取って清潔感を意識する
- ビジネスマナーの範囲内の服装、身だしなみを意識する
特に臭いや汚れに気を付けないと、衛生管理が重要な病院では相手に不快感を与えてしまう可能性があります。選考前に選考時に着用予定の服をクリーニングに出しておくと良いでしょう。また、面接の際は過度な香水も控えるようにしましょう。
病院では清潔・衛生が非常に大切です。清潔感を伝えるヘアスタイルで悩んだら、病院で働いている人の髪形が参考になります。
前髪は? 耳は出す? 整髪料はどこまでOK? と迷ったら、志望職種の人の写真を画像検索してみましょう。
コミュニケーション能力に問題がないか
病院での多くの仕事は、患者をはじめとした「人」を相手におこないます。そのためコミュニケーション能力が必須であり、面接時も評価ポイントとされるのです。
病院で特に重視されるのは、相手の話を最後まで聞き、誠実かつ的確な回答ができるかどうかです。患者のニーズを汲み取るには人の話を良く聞き、求めることを推測する能力が求められるので、実務を見すえた評価がされています。
また、病院での業務はチームワークが必要になることが多いため、業務を円滑に進めるためにもコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション能力は自己PRや長所・強みなどでアピールするだけでなく、面接中の対話の中からも評価されるため、受け答えをする際はしっかり話を聞き、誠実かつ的確な回答をすることを意識しましょう。
病院勤務で最も大切なコミュニケーション能力は、聞くことも大切ですが正しく伝えるといった伝える能力でしょう。
特に看護師は患者などの情報を、看護師や医師に伝達するだけでなく、患者への説明も多くあり、相手が理解できるように情報を正しく伝えることが求められています。
病院で求められる資質の一つであるコミュニケーション能力を自己PRにしたいと考えている人は以下の記事がおすすめです。キャリアコンサルタントが人事に刺さるコミュニケーション能力のアピール方法を解説しています。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
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職場との相性の良さそうか
前述のとおり、病院の業務はチームワークが必要になる場面が多く、従業員同士の連携が求められることが多々あります。
その際に相性が合わない人がいると、業務をスムーズに進められない場合もあるでしょう。病院全体の業務をスムーズに進行させるためにも、面接では職場との相性もみられるのです。
志望度が高いと、自分を偽ってでも就職したいと思う人もいるかもしれませんが、無理に対策して入職すると後々自分が苦しむことも考えられるため、ありのままの自分をアピールして、相性が合う病院に入職するのがおすすめです。
病院の普段の様子を知るために、一般人として様子を見に行ってみても良いでしょう。ある程度の規模の病院であればロビーや病棟の中を見ることはできます。患者さんに対応している様子ややり取りを見聞きするのもおすすめです。
忍耐力があるか
病院での勤務は、時期によって多忙になったり、精神的に苦しくなったりすることもあるでしょう。その際、忍耐力の有無によって乗り越えられるかどうかが異なります。苦しい場面を乗り越えるためにも、病院の面接の段階で忍耐力があるかどうかが見られるのです。
忍耐力は、自己PRでこれまで課題を乗り越えた経験をエピソード付きで伝えることでアピールできます。エピソードも併せて伝えることで、より具体的かつ説得力のある忍耐力をアピールできるようになりますよ。
- 病院で求められる忍耐力ってどのレベルなのでしょうか?
医療に関する書類や映像から病院に求められていることのレベルを考えよう
どのレベルの忍耐力かを想像するためには、医療に関する書籍・映像作品などに触れてみてはどうでしょうか。
特にノンフィクションがおすすめです。コロナ禍で、医療機関の最前線はどのような状況であったかなどを考えてみましょう。
過酷な現場で自分が耐えられるか心配、という思いも当然あると思います。それを超えても支えたい思いがあるのか、成長したいと思えるのか。読後・鑑賞後の自分の気持ちから考えていくと良いでしょう。
病院の面接での自己PRで忍耐力をアピールしようと考えている人は以下の記事を参考にしてみてください。就活のプロであるキャリアコンサルタントが忍耐力が最大限に伝わる自己PRのポイントを解説しています。
例文17選! 「忍耐力」の自己PRで企業に最大限アピールするコツ
病院の面接でよく出題される質問と回答例
病院の面接でよく出題される質問と回答例
- 自己紹介や自己PRに関する質問
- 志望動機に関する質問
- 経験やスキルに関する質問
- 入職後の働き方や条件に関する質問
病院の面接で出題される質問には大きく分けて4つの項目があります。実際に出題される質問は病院によって異なりますが、傾向はあるため事前に把握しておきましょう。
ここからは、病院の面接でよく出題される質問とその回答例を紹介します。前述で解説した評価ポイントを頭に入れ、自分ならどう回答するかを考えながら確認しましょう。
自己紹介や自己PRに関する質問
自己紹介や自己PRに関する質問
- 自己紹介をお願いします
- 自己PRをお願いします
- 自分自身のことをどのような性格だと認識していますか
- 自分自身の長所や短所を教えてください
- あなたの看護観を教えてください
病院の面接では、自己紹介や自己PRに関する質問が高い確率で出題されます。その病院が求める人物像や職場の雰囲気と照らし合わせながら、自分とはどのような人間なのか、どんな性格・人柄なのかなどをアピールすることが大切です。
ここからは、病院の面接で出題される自己紹介・自己PRに関する質問と回答例を5つ紹介します。自己紹介や自己PRは特に面接官の印象に残りやすいものであるため、よく考えて回答するようにしましょう。
自己紹介をお願いします
自己紹介の回答例
△△大学◻️◻️学部××学科から参りました、〇〇(名前)と申します。
誰もが安心して病院に通ったり、病院での生活を送ったりすることをサポートしたいと思い、入職を志望いたしました。
本日はよろしくお願いいたします。
自己紹介は、基本的に病院の面接の一番最初に出題されます。ここでは簡単に、氏名や出身学校、志望動機や意気込みなどを伝えるだけで問題ありません。
なお、自己紹介をする際は、内容よりも第一印象が良いかどうかを見られる傾向があります。面接官の目を見ながら、笑顔でハキハキと話すことを心掛けましょう。
面接での具体的な自己紹介の方法や対策については、以下の記事を参考にしてください。
面接の自己紹介の作り方・伝え方|やってはいけないNG例も紹介
自己PRをお願いします
自己PRの回答例
私の強みはどんな辛いことでも乗り越えられる忍耐力です。
忍耐力は専門学校時代の生活から身に付けました。
私は専門学校時代、学校の授業に加えて、私生活や学費を支払うためにアルバイトを3つ掛け持ちでおこなっていました。加えて、幼少期からバレエを習っており、体力を維持するためにも今でも週2回通っています。
どれも好きなことではありますが、やはり体力的には非常にハードで、時には辞めたいと思うこともありました。しかし、このような困難な状況でも、自分の夢を叶えるためだと言い聞かせ、どんな困難でも乗り越えることができました。
入職後は、これまで体験したことのない困難を経験することがあると思います。その際でも、自分の夢や目的を達成するためと言い聞かせ、かつこれまで培った忍耐力を活かして乗り越えたいと考えております。
自己PRでは、自分の強みを具体的なエピソード付きでアピールしましょう。しかし、ただ強みを伝えるだけでは不十分で、相手にとってわかりやすく伝えるのが重要です。
以下の順序で伝えると、面接官も内容を汲み取りやすくなりますよ。病院側が求める人物像や評価ポイントも把握したうえで、強みやエピソードを選ぶようにしましょう。
自己PRで話す順序
- 自分の強みの結論
- その強みを持った背景や理由
- その強みを発揮した具体的なエピソード
- 入職後に強みをどう活かすか
面接での具体的な自己PRの方法や対策については、以下の記事を参考にしてください。
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
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自分自身のことをどのような性格だと認識していますか
自分自身の性格についての回答例
私は几帳面な性格で、事務的な作業をする際は細かい部分まで気になり、満足の行くまで完璧を目指さなければ気が済みません。
ただ、スピードが求められる場面でも作業に時間がかかってしまうというデメリットもあります。そのため、今何を求められているかを正確に判断し、優先度を決めてから作業するように心掛けています。
性格に関する質問では、自分を俯瞰的・客観的に見られているかどうかが見られます。俯瞰的・客観的に見れていることをアピールするためにも、その性格によるメリット・デメリットの両方を伝えるのが良いでしょう。
そして、デメリットは改善策まで伝えると、改善の意欲があることをアピールできます。また例文のように、他者と差別化するためにも「几帳面」だけを伝えるのではなく、その詳細まで伝えると、より相手がイメージしやすくなるのでおすすめです。
- 自分の性格について考えると短所しか出てきません……。
視点を変えた考え方を取り入れて自分の性格を客観的に捉えよう
短所に気付くということは、自分に対して厳しく見ることができるとも考えられます。短所があることでどんな問題が起こったり、どんなことで困るかを書き出してみましょう。
そして次は、それにどう対処すれば良いのか一つずつ考えてみましょう。対処の方法が思い浮かばないときは、友人や家族に一緒に考えてもらっても良いですね。
他者の意見を聞くことで、自分の性格について新たな視点が得られるかもしれません。自分では自分の長所が見えていなくても、人から教えてもらえることもあるはずです。
一人で考え続けるより視点を変えることも忘れないでください。視野を広げて、自分について俯瞰する感覚を身に付けていきましょう。
自分自身の長所や短所を教えてください
長所や短所の回答例
私の長所は、誰とでも分け隔てなくコミュニケーションが取れることです。入職後はこの長所を活かして、患者さんにとって心のよりどころとなる存在になりたいです。
一方で、相手にとって踏み込みすぎる質問をしてしまう短所もあります。この短所を克服するためにも、今の相手との距離感を正確に掴み、相手に不快感を与えないようなコミュニケーションを心掛けています。
長所や短所に関する質問も性格に関する質問と同様に、自分を客観的に見られているかどうかが評価されます。
特に注意すべきことは短所の伝え方です。短所を伝えただけでは悪いイメージのまま質問の回答が終わってしまいますが、その短所の克服方法を伝えたり、ポジティブな内容に言い換えたりすることで、良いイメージを持ってもらうことが可能です。
このように、短所を伝える際はネガティブなイメージで終わらないよう工夫することを心掛けましょう。
自分の長所・短所が見つからない人は、以下の記事を参考にしてください。
「長所と短所がわからない」の脱出方法10選|例文や伝え方も紹介
あなたの看護観を教えてください
看護観の回答例
私が持つ看護観は、患者さんの気持ちに寄り添い、患者さんが求める施術を提供することです。
治療は患者さんのためにおこなうものであり、私たち病院側の人間のために実施するものではありません。そのため、必要な治療だからといって、患者さんが求めることをないがしろにしてはいけないと思っています。
この看護観を達成するためにも、特にヒアリングに力を入れ、患者のニーズを汲み取れるように努めたいと考えております。
病院の面接では、看護観や看護をする際に大切にしていることなどを質問される場合があります。その際、これまでの経験や学習で身に付けた看護観を伝えるようにしましょう。
なお、看護観は正直に伝えるのがおすすめです。病院の方針と自身の看護観がまったく異なる場合、自分のやりたい仕事ができず苦しい思いをすることが考えられるためです。
素直な自分の看護観と病院の方針が合っている場合、本当に実現したいことが叶えられる可能性が高まるので、正直な気持ちを伝えるようにしましょう。
- 実際に働いていないので、看護観について具体的に考えるのが難しいです。
患者としての立場からでも自分が求める看護観は見えてくる
働いていなくても、病院で患者としての経験はあるはずです。そのとき看護されたことを振り返り、看護観について考えてみましょう。
患者として満足できる看護を受けたのであれば、具体的にどういった看護だったのか整理します。逆に満足できない看護であれば、反面教師として、あるべき看護観がイメージできるはずです。
また看護実習で感じたことや応募する病院が打ち出している方針で共感できることを、看護観として伝えることができます。
志望動機に関する質問
志望動機に関する質問に明確に回答できない場合、「当院である必要はないのではないか」や「本当に当院に入職したいと思っているのか」など、マイナスな印象になってしまいます。
その病院に入職したいことをアピールするためにも、志望動機に関する質問には明確に回答できるよう準備しておかなければいけません。
ここからは、志望動機に関する質問と、その回答例を2つ紹介します。その病院に入職する必要性を明確に答えられるまで考えましょう。
当院の志望動機を教えてください
志望動機の回答例
私が貴院を志望した理由は、小児科の看護に携わりたいためです。貴院は小児科を専門としており、かつこの〇〇市に地域密着型で運営していることに魅力を感じました。
私はこの〇〇市で生まれ育ち、幼少期からこの街が好きでした。そして、仕事もこの街の役に立つことをしたいと考えていました。このような思いに加え、子供が安心安全に暮らせる街を作りたいという思いがあります。
このような思いを持った背景には、私の幼少期の頃の経験があります。私は小さい頃病弱で、よく小児科に通っていました。病院嫌いの人も多いですが、私は病院に行くことが好きで、その理由は私を温かく迎えてくれて丁寧に接してくれる看護師の方がいたからです。
そのおかげで身体も今では丈夫になり、今度は自分がこの街に恩返ししたいと思うようになりました。貴院は特に患者への対応の丁寧さに力を入れていると伺ったので、私が目指す看護師像にも近付けるのではないかと思いました。
貴院に入職後は、私が経験したように子供たちを温かく迎え、丁寧に接することで、この街の子供たちの安心安全を守りたいと考えております。
アドバイザーからの例文の評価
地域への愛と恩返しの思いが書かれているのが良いですね。
小児科医療では、保護者を支えることも大切です。小児患者だけでなく、家族を支える気持ち、それを共に実行する医療チームへの思いも書けると、さらに良いでしょう。
ほとんどの病院の面接では志望動機について質問されます。的確な志望動機を回答するためには、その病院の特徴や強み、仕事内容、ほかの病院との違いなどを把握することが大切です。志望先の病院の研究を怠ると、「この病院である必要がないのではないか」と判断されてしまう可能性があるので、しっかり準備しましょう。
そして、志望動機も自己PRと同様に結論から伝え、その志望動機を持ったエピソード、入職後の働き方と伝えると、面接官にとって内容が汲み取りやすくなります。
病院の志望動機の作り方・伝え方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
病院の志望動機は適性の高さを示すのがコツ! NG・職種別例文も
面接での具体的な志望動機の作り方や対策については、以下の記事を参考にしてください。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
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そもそもなぜ病院での勤務を志望されたのでしょうか
病院での勤務を志望する理由の回答例
私が病院で勤務したいと思った背景には、私の母親の存在があります。
私の母親は看護師として働いていました。いつも忙しく、家族の時間がなかなか取れないため、物心がついた頃は母親のことがあまり好きではありませんでした。
その中で、私が小学生の頃に風邪をひいたときに、父親に母親が勤務する病院に連れて行ってもらったことがあります。そのときに見た母親は病院で働く人や患者さんから頼りにされており、とてもかっこよく見え、「私もこんな看護師になりたい」と思ったのです。
このような背景から、病院での勤務を志望するようになりました。
病院での勤務を志望したきっかけに関する質問では、仕事に対する思いや志望者の人柄などが見られます。エピソードの内容が非常に重要になるため、具体的な経験を交えて伝えるようにしましょう。
中には、「周りに流されて病院での勤務を目指していた」という人もいると思います。しかし、病院での勤務を志望したきっかけが見つからない人でも、医療に関する勉強を諦めずにしてこれた原動力やきっかけはあるはずです。
どんなに小さい出来事でもヒントになることがあるので、細かく過去を振り返って、病院での勤務を目指したきっかけを見つけましょう。
経験やスキルに関する質問
自己PRや志望動機などの裏付けとなったり、根拠や背景を伝えたりする際に有効なのが経験やスキルをアピールすることです。これまで話していた自己PRや志望動機の内容に説得力を持たせるためにも、的確に答えられるようにしましょう。
ここからは、経験やスキルに関する質問とその回答例を2つ紹介します。自分の経験や持っているスキルを思い出しながら、回答方法を確認していきましょう。
これまでの経験や身に付けているスキルや知識を教えてください
これまでの経験・スキル・知識の回答例
実習での看護経験に加えて、マネジメント経験があります。
私は看護学校に通いながら、社会人のサッカーチームに所属していました。選手の中から一人マネージャー兼選手として、チームのマネジメントをする役割の人がいるのですが、その役割を私が担っていました。
具体的な取り組みは、試合に向けたスケジュールやメンバーの管理、お金周りの管理、その他事務作業をおこなっていました。
看護学校に通いながらのマネジメントであったため、つらいと思うこともありましたが、この経験のおかげでスケジュール管理能力などの基礎的なマネジメントスキルを身に付けられたと思います。
これまでの経験や身に付けているスキル・知識について質問された際は、直接志望職種にかかわるものでなくても問題ありません。そこで得た経験やスキル・知識をどう仕事に活かすかをアピールできれば、評価を得られる可能性があります。
とはいえ、あまりにも仕事内容に関係のないものだとアピールにつながらない場合が多いでしょう。たとえば「早食いができる」や「お酒の一気飲みができる」などは面接の場にふさわしくなく、「場をわきまえた行動が取れないのかもしれない」とマイナスなイメージを持たれる可能性があります。
仕事に直接的、または間接的にかかわる経験やスキル・知識を、具体的なエピソード付きで伝えるようにしましょう。
- 面接時にアピールできるような経験もなく、スキル・知識も特にないです。この場合どう伝えるのが良いでしょうか。
小さなきっかけや思いを一つずつ振り返ってみよう
まずはなぜ看護師を志望したのかを考えてみましょう。どんな思いやきっかけがあったのか、そこからなぜ看護師になりたいと思い、どんな経緯で看護の勉強をするようになったのか。
それを丁寧に追ってみることで、自分の志望動機の核になる理由がわかってくるはずです。経験やスキル・知識はこれから身に付けることができます。
しかし、看護師を目指そうとした原点となる理由や思いは自分だけのものです。それがあるからこそ、この病院でこんな貢献のできる看護師になりたい! という熱意を伝えてみてください。
実習で印象に残っていることを教えてください
実習で印象に残っていることの回答例
私が実習で印象に残っていることは、ある患者さんから「ありがとう」と花束をいただいたことです。
成人看護学の実習の中で、40〜50代の患者さんの看護をさせていただきました。その方は私によく話しかけてくれたのですが、仕事や仕事に対する考え方など、少し難しい内容の話が多く、最初は話についていけないことがありました。
そこで、「もっと会話のキャッチボールができるようになろう」と思い、患者さんの仕事に関する勉強も並行しておこないました。すると、これまで以上に会話が弾むようになり、最後には「こんなに楽しい入院生活になるとは思わなかった」と花束までいただきました。
この経験から、患者さんと同じ目線に立てるように努力することの大切さを学びました。入職後は自分の仕事に関すること以外にも、担当する患者さんの興味関心に関しても学び、入院生活が楽しいと思っていただけるように努めたいと思います。
このような質問では、仕事に対する意欲や考え方・価値観などが見られます。そのため、ネガティブなエピソードではなく、ポジティブな経験や困難を乗り越えた経験などをアピールするのが良いでしょう。
また、自ら成長する機会を作れるかどうかも見られる可能性があります。ただ「楽しかった」ではなく、どこに課題を感じ、どう解決したのかまで伝えられると、良い印象を持たれる可能性も高くなるでしょう。
実習経験で印象に残っていることや習得したことを、結論として最初に伝えます。
次に、結論に関連する実習経験のエピソードを伝えたうえで、その経験を活かして入職後どのように看護をしていきたいかを説明すると良いでしょう。
入職後の働き方や条件に関する質問
入職後の働き方や条件に関する質問では、熱意や意欲をアピールできるため、自分に合っている、かつ積極性のある働き方を希望していることをアピールするのが良いでしょう。
ここからは、入職後の働き方や条件に関する質問とその回答例を紹介します。自分の能力を活かせることと、病院側が求めていることの重なる部分を見つけ、両者にとって最善の働き方や条件を伝えましょう。
入職後はどのようなことに取り組みたいと考えていますか
入職後に取り組みたいことの回答例
入職後は、貴院で経験を積み、将来的には独立して、さらに病院が少ない地域で新しい病院を開業したいと考えています。
貴院には独立制度があると存じます。将来的には独立制度を活用したいと考えているのですが、まずは着実に経験やスキル・知識を身に付けていきたいです。
具体的には、職務に関するスキル・知識はもちろんですが、病院運営についても少しずつ勉強し、実践していきたいと考えております。
入職後の取り組みに関する質問には、志望者が入職後にどんなことをやりたいと考えているのかを知ること以外にも、この病院に対してどれだけ理解しているかを見るという目的もあります。
その病院で実施していないことや的外れなことを伝えた場合、「リサーチが足りていない」「本当に当院に入職したいと思っているのか」など、マイナスのイメージを持たれる可能性があります。
評価を下げず、かつやりたいことを伝えるためにも、志望する病院や業界について研究したうえで回答を考えるようにしましょう。
入職後にやりたいことが見つけられていない人や、回答方法がわからない人は、こちらの記事を参考にしてください。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
希望の働き方や条件があれば教えてください
希望の働き方や条件の回答例
平日は早番や夜勤問わず、すべて入ることが可能です。ただ、両親に「土日は祖母と祖父の介護の手伝いをしてほしい」と言われているため、できれば休日をいただければと思っております。
希望の働き方や条件に関しては、やむを得ない都合がある場合はそれを伝えましょう。この質問は入職後の働き方に直結する可能性があります。ここで遠慮すると、自分にとって都合の悪い働き方を求められる可能性があるため、事情がある場合は正直に伝えましょう。
一方で、「やりたくないから」など、好き嫌いで希望を出すのはおすすめしません。募集要項をよく読み、その範囲内で希望を伝えるようにしましょう。
希望が自分勝手なものでは、伝えることで悪い印象を持たれます。しかしどうしても必要なことは、その理由をきちんと伝えるべきです。
どんな仕事でも自己犠牲を払って働き続けることはできません。そこを理解し合える職場や同僚を探す努力をしましょう。
キャリアコンサルタントが解説! 病院の面接で絶対に備えておくべき質問は?
面接で出題される質問は病院によって異なります。しかし、多くの病院の面接で出題される質問は決まっているので、頻出質問は確実に回答できるよう準備しておきましょう。
ここからは、実際に面接経験のあるキャリアコンサルタントから、病院の面接で絶対に備えておくべき質問を解説してもらいます。病院の面接を突破するためにも、事前に把握しておきましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る病院の面接では4つの質問の対策は必ずしておこう
①「志望動機を教えてださい。」
志望動機では、応募する病院で実現できる目指したい看護師の姿、応募する病院の方針に共感しているなど、なぜその病院なのかという理由、そしてどのように病院で看護師として仕事をしていきたいかを伝えます。
高評価を得られるのは、目指したい看護師の姿を自覚していて、病院の体制や方針についてしっかり研究し、応募する病院だからこそ入職したい意欲が感じられる回答です。
②「どうして〇〇になろうと思ったのですか?」
この質問からは、入社後の仕事に対する応募者のなりたい姿を見極めています。高待遇などの条件面ではなく、自分の経験や身近な人の仕事ぶりを見て決断したなど、エピソードを交えて説明するようにしましょう。
③「あなたの看護観を教えてください。」
看護で重視していきたいことなどを、看護観として最初に結論として伝えます。病院が掲げている方針と看護観に相違がないことがポイントです。次に看護観に関連するエピソードを伝えて、看護観に基づく今後の仕事の姿勢を説明するといいでしょう。
④「実習で学んだことを教えてください。」
新卒では、実習経験についての回答も準備しておくといいでしょう。学んだことを結論として最初に伝え、関連するエピソードと学んだことを今後の看護に活かしていきたいと伝えます。
アピールチャンス! 病院の面接で高評価を得られる逆質問例
病院の面接で高評価を得られる逆質問例
病院の面接では、高確率で「何か質問はありますか」と逆質問をされます。「特にありません」と回答する人もいますが、それはもったいないといえます。
逆質問では、入職に向けて意欲や熱意をアピールできるので、「特にありません」と回答することは、意欲や熱意をアピールするチャンスを逃すということです。
とはいえ、質問内容は何でも良いというわけでもありません。ここからは、病院の面接で高評価を得られる逆質問の例を紹介します。まだ逆質問の準備をできていない人はチェックしましょう。
ほかにも逆質問の例文を見てみたい、具体的な対策方法を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
OK逆質問①入職する意欲が伝わる
入職する意欲が伝わる逆質問の例
- 入職までにどんなことを勉強するのが良いですか
- すぐに活躍できる人材になりたいのですが、活躍している人の特徴を教えてください
内定をもらえた場合を想定し、内定獲得から入職までの期間にやるべき準備をたずねることで、「この病院で働くために努力しようとしている」という意欲を伝えられます。さらに、「即戦力として働きたい」という意欲も伝えられるでしょう。
また、入職する意欲だけでなく、知識を蓄えたり、スキルアップしたりするなど、成長意欲があることも好印象につながる場合があります。
このように、意欲や熱意はどの病院でも求められる傾向にあり、かつ入職に向けて準備しておくことで良いスタートダッシュを切れるようになるため、入職までの必要な準備は聞いておくのがおすすめです。
「いずれ~~~ができるようになりたいと考えています。どんなキャリアパスが考えられますか」や「この病院の患者さんが看護師に最も求めていることはなんでしょうか」といった、入職後の成長につながり、今後の励みになるような内容を考えてみましょう。
OK逆質問②職場の雰囲気を知れる
職場の雰囲気を知れる逆質問の例
- 貴院の平均年齢はどれくらいですか
- 貴院に勤める人の経験年数はどれくらいですか
- どれくらいの人数が貴院で勤めていますか
志望先の平均年齢や平均経験年数、人数などを質問することで、ある程度職場の雰囲気を予想できるようになります。
平均年齢が高かったり、平均経験年数が長かったりする場合は、先輩たちのサポートを受けられ、安心感を持って仕事に臨めるでしょう。一方で、平均年齢が低かったり、平均経験年数が短かったりする場合は、入職後すぐに裁量の大きい仕事を任せてもらえる可能性が高くなります。
このように、職場の雰囲気を知れる逆質問をすることで、自分に合った働き方ができる病院を見つけられますよ。
「職場の雰囲気づくりで、大切にされていることは何ですか」なんて質問はどうでしょうか。職場の良い雰囲気・人間関係は意識して築いていくものです。
どんな工夫や努力がされているのか、自分もその努力を一緒にしていけそうか、参考になる話が聞けるでしょう。
OK逆質問③具体的な働き方を知れる
具体的な働き方を知れる逆質問の例
- 貴院で勤務した場合、一日のスケジュールはどのようになりますか
- 将来的に役割や管理職を目指すためには、どのようなキャリアを歩むのが良いですか
一日のスケジュールや理想のキャリアを実現するための方法などからは、入職後の働き方をイメージすることができ、自分に合っているかどうかを判断できます。
病院側もミスマッチは避けたいものです。その中で、事前に逆質問で自らマッチするかどうかを確認しようとしている姿勢は、キャリアについてしっかり考えているという好印象を残せる可能性が高くなります。
また、「将来的に〇〇を目指すためにはどのようなキャリアを歩むのが良いですか」という質問をすることで、理想とするキャリアに向かって努力しようとしていることもアピールできますよ。
「看護師の働き方として、どういった点を重視されていますか?」という逆質問はおすすめです。この回答から具体的な看護師の働き方をイメージできるだけでなく、病院がどういった看護を目指しているかが理解できます。
OK逆質問④入職後の熱意をアピールできる
入職後の熱意をアピールできる逆質問の例
- 研修会や勉強会は開かれますか
- 入職後に研修はありますか
- 職務以外に担当する業務はありますか
研修や勉強会などについて逆質問することで、入職後も経験を積んだり、スキル・知識を高めようとしたりするなど、成長意欲・熱意をアピールすることができます。
また、自身がスキルアップを望む中で、研修会・勉強会を実施していなかったり、休日しか参加できなかったりする場合は、その病院がスキルアップに協力的でない可能性が考えられます。
このように、入職後のスキルアップに関する逆質問することで、熱意を伝えられるだけでなく、どれくらい周りの職員がスキルアップに協力的なのかも見極めることが可能です。
「この病院で働く看護師として心得ておくと良い医療以外の知識はありますか」というような、看護師として医療を極めるのはもちろん、人間として成長したいという思いが伝わる質問も良いと思います。
NG逆質問①調べればわかることを聞く
「夜勤の可能性はありますか」や「休日は週にどれくらいもらえますか」など、ホームページ(HP)や採用ページを調べればわかることを逆質問するのは基本的にNGです。「志望しているのに全然当院について調べていない」や「志望度が高くないのではないか」など、マイナスの印象を持たれる可能性があります。
また、病院見学や説明会、面接の中で説明されたことをもう一度質問するのも避けましょう。「説明しても話をよく聞いていない」と思われてしまうかもしれません。
なお、HPや説明会などで知ったことについて深掘りしたい場合は、「HPにも記載されていましたが」や「一度説明をいただいておりますが」などと前置きをすることで、しっかりリサーチしていることを伝えられます。
NG逆質問②待遇面ばかりを気にする
「初任給はどれくらいですか」「どのような福利厚生がありますか」「休みはどれくらいいただけますか」など、待遇面に関する逆質問ばかりするのはおすすめしません。「仕事よりも待遇しか気にしていない」と思われ、印象が悪くなってしまいます。
どうしても気になる場合は、直接的な表現は避けて言い換えるのがおすすめです。たとえば「従業員の方はどのような休みの取り方をされていますか」など、病院の雰囲気を知ろうとしているという姿勢を見せることが大切です。
- 待遇面も就活の軸としているため、志望する病院の給与や福利厚生について知りたいです。どのような聞き方をすればマイナスの印象を持たれずに済むでしょうか。
意欲とセットにした逆質問で知りたいことを引き出そう
原則として給与や福利厚生の質問はおすすめしませんが、どうしても聞きたい場合は、仕事の意欲を示しながら質問すると良いでしょう。
たとえば、昇給について知りたい場合は「将来はより責任ある立場で仕事がしたいと考えています。具体的なキャリアパスについて教えていただけますか?」と逆質問をすれば、昇格に伴う昇給の目安が把握できます。
福利厚生については求人募集要項をチェックすれば把握できますが、あえて質問する場合は意欲を一緒にアピールすることが重要です。
たとえば「私は健康に留意し長く仕事を続けていきたいと考えていますが、職員の皆さまに喜ばれている福利厚生がありましたら教えていただけますか?」のように、仕事の姿勢を示したうえで逆質問をするようにしましょう。
熱意が感じられずリスク大! 逆質問なしは避けよう
前述のとおり、逆質問がないのは避けましょう。逆質問は意欲や熱意をアピールしたり、志望先の雰囲気を知ったりするには絶好のチャンスとなります。準備不足によりそのチャンスを逃すのは非常にもったいないです。
具体的には、逆質問は3つ以上用意しておくようにしましょう。
もし病院見学や説明会などで気になることが完璧にクリアになった場合は、「〇〇が気になっていたのですが、見学時に詳しい説明をいただいたことにより、疑問はすべて解決しました」と、疑問に思っていたことと解決したことをセットで伝えるようにしましょう。
せっかく時間があるので、少しでもこの機会を有意義に使いたいですよね。
OB・OG訪問に準じて、面接官の方の職業体験(面接官がこの仕事で大切にしていることは何ですか、など)を聞いてみてはどうでしょうか。
合格率アップ! 病院の面接の対策方法
病院の面接の対策方法
- 身だしなみを整えて第一印象を良くする
- 話し方にも細心の注意を払う
- その病院ならではの特徴を調べる
- 想定質問に対する回答を準備しておく
病院の面接を受ける前に対策することは必要不可欠です。志望する病院に入職するためにも入念に対策しましょう。
ここからは、病院の面接の基本的な対策方法を解説します。無闇に対策するのではなく、正しい対策方法を知って効率よく進めましょう。
身だしなみを整えて第一印象を良くする
前述のとおり、病院の面接は第一印象の良し悪しも評価されます。そのため、身だしなみを整えたうえで面接に向かうことが大切です。
そして、病院の面接にふさわしい身だしなみは男女によって多少異なります。ここからは、男性・女性それぞれで病院の面接にふさわしい身だしなみを解説します。少しの工夫で第一印象は良くなるため、もし服装や身だしなみに迷っている人は参考にしてみてください。
なお、ここでは服装などのマナーに不安を持つ人が自信を持って面接を受けられることを目指し、一般的なマナーや面接官がよく見ている点について解説しています。
一方で知ってもらいたいのは、就活に正解はないということ。男女別に正しい一般的なマナーを紹介しますが、一番のポイントはあなたの魅力を演出することです。自分らしい就活をするために、あくまで参考としてあなたの納得のいく就活を心がけましょう。
男性の服装
病院の面接前にチェックしておきたい男性の身だしなみ
- 長すぎず清潔感のある髪型を意識する
- 髭を剃る
- 黒または紺などの落ち着いた色のスーツを着用する
- ネクタイは派手すぎない色にする
- 靴の汚れを取る
- 爪は短めに切っておく
これらは面接の前日または当日の朝にでも準備可能です。上記を意識するだけで清潔感を出すことができるので、もし服装や身だしなみに不安がある人は参考にしてください。
女性の服装
病院の面接前にチェックしておきたい女性の身だしなみ
- メイクをする場合は健康的なナチュラルメイクを意識する
- 髪が長い人は後ろで束ねる
- 髪色は派手にしすぎない
- 落ち着いた色のジャケットやスラックスを着用する
- 爪は短めに切り、ネイルやマニキュアは控える
男性と同様、病院の面接では清潔感が重要です。どのような服や身だしなみが面接の場に合ったものなのかわからないという人は、上記を参考にしてみてください。
服装や髪型について清潔感がありきちんとしていても、フケや目やにがついていると印象が悪くなるので、面接前に確認をすると良いでしょう。
またコロンなどの強い臭いは、面接では好ましくないので注意した方が良いですね。
話し方にも細心の注意を払う
病院での仕事は、従業員同士や患者などとのコミュニケーションが多くなります。そのため、面接の段階から話し方にも細心の注意を払うことが大切です。
しかし、中には緊張して面接の場では固くなってしまう人もいるでしょう。その中でもできる限り表情を和らげたり、相手に伝わりやすいスピードで話したりするなど、相手が安心して聞き取れるようにすることを意識しましょう。
緊張しやすい人や面接に苦手意識がある人は、何度も面接練習をして慣れておきましょう。
おすすめの面接練習法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
- 話し方に気を付けようと思うと、余計に緊張してしまいます……。
初対面の人と話す機会を日常的に増やしてみよう
普段から、初対面・年上と敬語で話す場面を増やして実践していくと、面接本番でも緊張感が下がります。
これまで聞いた練習法は「自宅電話に出るようにして、取り次ぎで敬語の練習をした」「デパートの店員さんにあえて商品の場所を尋ねてみるなど、初対面の人と話す回数を増やした」などです。
そういった場面の経験が増えると、社会人にも話し上手・話し下手がいることがわかり「自分も完璧でなくても大丈夫」という気持ちになれるでしょう。
その病院ならではの特徴を調べる
志望動機や入職後に取り組みたいことなどを的確に伝えるためには、その病院ならではの特徴を把握していなければいけません。特徴を把握していない場合、的外れな回答をして「当院の志望度が低いのではないか」など、マイナスのイメージを持たれる可能性があります。
その病院の特徴は、病院見学や説明会などで把握可能です。さらに、すでにその病院で働いている人から話を聞くと、より詳しい特徴を把握できるようになります。
そして、調べた特徴をもとに志望動機や入職後に取り組みたいことを考えることで、的確な回答をできるだけでなく、しっかりリサーチしていること・志望度が高いこともアピール可能です。
OB・OG訪問のやり方については、以下の記事で紹介しています。志望先の病院がOB・OG訪問を受け入れてくれている場合は、積極的に活用しましょう。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
それぞれの病院についてリサーチするときは、力を入れている治療や、ほかではおこなっていない治療法を取り入れている科があるのか、といった医療体制の特徴について調べておくと良いでしょう。
また、そうした医療体制により看護の質を高める必要があるかや、病院の経営理念、今後取り組む予定のプロジェクト、新事業なども要チェックです。
想定質問に対する回答を準備しておく
前述で病院の面接でよく出題される質問を紹介しましたが、これらの想定質問にはおおかた回答できるよう準備しておきましょう。その場で考えることも可能ですが、準備しておいた方が確実に回答できるようになります。
なお、一語一句暗記する必要はありません。箇条書きで話すことを決め、その内容だけを覚えて当日文章を組み立てるのでも問題ありません。
ただ、どれだけ内容が良くても、相手に伝わりにくい構成で話してしまうと伝えたいことが伝わりにくくなります。確実に伝えたいことを伝えるためにも、話す練習もしておきましょう。
マナーも解説! 病院の面接の入室から退室までの流れ
病院の面接の入室から退室までの流れ
- 入室
- 質問の受け答え
- 逆質問
- 仕事内容に関する説明
- 退室
病院の面接は質問の受け答えだけを見られるわけではありません。入室から退室までの立ち振る舞いやマナーなどのすべてを見られます。そのため、マイナスの印象を持たれないためにも、病院の面接の入室から退室までの流れを把握しておくことが大切です。
ここからは、病院の面接の入室から退室までの流れを解説します。また、それぞれのマナーも解説するため、面接に慣れていない人はチェックしましょう。
①入室
まずは、面接がおこなわれる会場への入室ですが、面接開始の10分前には会場に到着し、5分前には受付を済ませるようにしましょう。そして、入室する前に身だしなみの最終チェックをすることがおすすめです。冬場は会場に入る前にコートを脱いでおくのがマナーです。
そして、入室する際はノックを3回してドアを開け、面接官にお尻を向けずにドアを閉めましょう。その後、席まで移動し、立ったまま挨拶します。着席は面接官の指示の後にするようにしましょう。
入室の流れはこちらの動画を見るとすぐに理解できるので、併せてチェックしてください。
②質問の受け答え
着席したら質問の受け答えが始まります。敬語を正しく使いつつ、ゆっくり大きな声で話すことを心掛けましょう。
また、面接官が話をしているときも気を抜いてはいけません。面接官が話している最中は以下のことを意識しましょう。
面接官が話している最中に意識すべきこと
- 背筋を伸ばし、背もたれに寄りかからない
- 明るい表情を意識する
- 面接官と目を合わせて相槌をする
姿勢良く、かつ相手の話を聞いていることを表情から伝えるようなイメージです。練習の段階から、表情や姿勢まで意識するのがおすすめですよ。
③逆質問
面接官からの質問が終了したら逆質問に移ります。練習の段階から逆質問を用意しておき、面接中の受け答えで解決しなかった場合は用意した質問をしましょう。
また、逆質問でもらった回答はノートにメモするのもおすすめです。メモを取る際は、質問をする前に「ノートにメモを取りながらお聞きしても良いでしょうか」と一言かけてからおこなうようにしましょう。
④仕事内容に関する説明
面接が終了後、病院によっては仕事内容に関する説明をしてもらえる場合があります。志望先の仕事内容をよく理解したり、意欲・熱意があることをアピールしたりするためにも、メモを取りながら話を聞きましょう。
なお、仕事内容に関する説明を受ける際も、「ノートにメモを取りながらお聞きしても良いでしょうか」と一言かけてからメモを取るのがマナーです。スマホのメモ機能は失礼だと思われる可能性もあるため、ノートとペンを持参するようにしましょう。
メモ取りポイントは、数字に関することです。この病院の1日の患者数は、病床数は、年間の手術数は、などです。大切なことなので、先方も数値データを用意して説明してくれるのです。他病院と何が違うのかを考える時、比較軸として活用できますよ。
⑤退室
すべての工程が終わったら以下の順序で退室します。
病院面接の退室の順序
- 座ったままお礼
- 立ち上がって椅子の横で挨拶
- ドアを閉める前に挨拶
そして、面接がおこなわれた部屋を出た後も気を抜いてはいけません。会場の建物を出るまで見られている可能性があると思っておきましょう。
建物内ですれ違った人には挨拶をし、スマホを使用したり、髪やネクタイを解いたりすることのないように注意してくださいね。
退室の流れはこちらの動画を参照し、覚えておきましょう。
入室から退室まで一貫して意識すべきことやマナーは、面接官を見て入退室の挨拶をおこなうことと、面接官を見ながら回答することです。
回答時に少し視線をそらすことは問題ありませんが、緊張していて面接官と視線を合わせなければ、入社意欲が低いと思われてしまいます。
身だしなみにも注意! 病院の面接を攻略して第一志望合格を目指そう
病院の面接は質問に対する回答や身だしなみも重要ですが、逆質問の内容が周りと差をつけられるポイントになります。自分に合った病院を見つけるためにも、しっかりと準備をして面接に臨むようにしましょう。
病院の面接は、民間企業と同様に対策することで合格率を上げることができます。この記事を参考にして丁寧に対策をし、第一志望の病院の合格を目指しましょう。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見るプレッシャーを感じ過ぎるのではなく自分に何ができるかを考えよう
病院は「チーム医療」です。多職種が集まり、連携をとって、最善の医療を実践します。そのために、患者さんと接する場面だけでなく、職員同士のチームワークも大切なことです。
「良いチーム作り」には沢山の要素があるので、まずは自分の強みを整理して、貢献できることを伝えていきましょう。
また、医療機関の採用では、現場見学が大切にされています。足を運び、感性をフルに活かして、自分の活躍ステージとしてふさわしい職場かを、自分の目で確かめましょう。その時に見聞きしたこと、感じたこと、掲げられていた言葉などが志望動機に活かせると、説得力が高まります。
責任が重大な仕事だからこそ「チームで力を合わせる」という意識が大切
病院は、医療技術の発展や社会保険制度の改革など、今後とも大きな変化の渦中にいることでしょう。
その中でも変わるもの/変わらないものがあります。変わらない普遍的な価値については、皆さんが学校で学んだ医療哲学、生命倫理の概念や言葉が参考になるでしょう。
調べるほどに、責任が重大な仕事であることにプレッシャーを感じるかもしれません。「チームで力を合わせる」というイメージを忘れずに、自分の志を伝えましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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